JP3820848B2 - 内燃機関の吸入空気量制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸入空気量制御装置 Download PDF

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸入空気量制御装置に係り、特に、吸気弁の開閉時期を制御して出力を制御することができる内燃機関の吸入空気量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電磁駆動の吸排気弁を備えた内燃機関がある。例えば、特開平10−311231号公報に示されるように、内燃機関の吸排気弁を電磁力により駆動し、内燃機関の稼働状況に応じて吸排気弁の開閉時期を可変とするシステムが知られている。このようなシステムでは、吸気絞り弁を持たないか、あるいは、吸気絞りを極小さくして、吸気管内圧力を大気圧に近い状態とし、吸気弁の開弁期間で吸入空気量の制御を行っている。これにより、従来の吸気絞り弁で吸入空気量制御を行う機関と比較して吸気損失(ポンピングロス)を低減し、燃料消費率を低下させることが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような開閉時期を可変とした吸排気弁を備えた機関においては、吸気管内圧力を概ね大気圧として運転した場合には、従来の吸気絞り弁で吸気量制御を行なう機関に比べて機関に吸入される混合気の流速が下がる為に燃焼室内の流動が低下し、燃焼安定度が下がる場合がある。また、燃料タンクの蒸発燃料を吸着したキャニスターを再生するために吸気管に所定の負圧を発生させる場合がある。
【0004】
このように、吸気管内に所定の負圧を発生させる必要性から、吸気管に吸気絞り弁を設けて、例えば、冷機時等の燃焼状態が悪化するような条件においては、吸気絞りによって吸入空気量制御を行なって、比較的吸気管内圧力が小さい状態とし、混合気の流速を高めて燃焼状態を良好に保ちながら運転し、一方、暖気後において吸気絞りを極小さくして、吸気管内圧力を大気圧に近い状態に保ち、吸排気弁の開閉時期制御による吸入空気量制御を行ない燃料消費率を低下させる、という運転を行なうことが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記従来の稼働中に吸気絞り弁制御と吸気弁開閉時期制御との2種類の方式の吸入空気量制御を行なう機関においては、その制御方式を切り換える際に機関出力に段差を生じ、運転性が悪化するという問題点が生じる。
【0006】
この機関出力の段差が生じることの原因として、まず第一に、吸気絞り弁によって吸入空気量制御を行なう場合と、吸気管内圧力を大気圧に近い状態として吸排気弁の開閉時期を用いて吸入空気量制御を行なう場合では、ポンプロスや燃焼効率が異なるので所定の機関出力を得るために必要な空気量が異なる上に、吸気量制御方式を切り換えた際には吸気管内圧力が過渡的に変化するので必要な空気量が過渡的に変化するということが挙げられる。
【0007】
また、第二に、吸気絞り弁で吸気量制御を行なう場合と、吸排気弁の開閉時期で吸気量制御を行なう場合では吸気量制御の応答性が異なることである。即ち、前者の場合には、吸気絞り弁から吸気弁までの容積が遅延要素として作用するので、目標吸入空気量に対して実際の吸入空気量は遅れをもって変化するのに対して、後者の場合には、目標吸入空気量に対して実際の吸入空気量の遅れが無いことである。
【0008】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、トルク段差を発生することなく、吸気絞り弁制御と吸気弁開閉時期制御との2つの吸気量制御方式の切換を稼働中に行なうことのできる内燃機関の制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式のいずれか一方を選択する制御方式選択手段と、機関の運転条件に基づいて、機関トルクの定常目標値を示す定常目標機関トルクを算出する定常目標機関トルク算出手段と、前記定常目標機関トルクに基づいて、この定常目標機関トルクに対し所定の遅れをもって追随する目標機関トルクを算出する目標機関トルク算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記吸気弁の閉時期の定常目標値を示す定常目標閉時期を基準閉時期に設定する定常目標閉時期設定手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標機関トルクと前記定常目標閉時期とに基づいて、前記吸気通路内の圧力の定常目標値を示す定常目標吸気通路内圧力を算出する定常目標吸気通路内圧力算出手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸気通路内圧力を基準圧力に設定する定常目標吸気通路内圧力設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標機関トルクと前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記定常目標閉時期を算出する定常目標閉時期算出手段と、前記吸気通路内の実際の圧力を示す実吸気通路内圧力を取得する実吸気通路内圧力取得手段と、前記定常目標閉時期と前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記目標機関トルクと前記実吸気通路内圧力とに基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、を備えたことを要旨とする内燃機関の吸入空気量制御装置である。
【0010】
上記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を前記基準閉時期とすることを要旨とする。
【0011】
上記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、大気圧近傍の圧力を前記基準圧力とすることを要旨とする。
【0012】
上記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段をさらに備え、前記目標機関トルク算出手段は、前記定常目標機関トルクに対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記目標機関トルクを算出することを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、前記実吸気通路内圧力取得手段は、前記定常目標吸気通路内圧力に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記実吸気通路内圧力を取得することを要旨とする。
【0014】
上記目的を達成するため請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記実吸気通路内圧力取得手段は、前記吸気通路内の実際の圧力を検出する圧力センサを含んで構成されることを要旨とする。
【0015】
上記目的を達成するため請求項7に記載の発明は、機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段と、を備え、前記目標吸入空気量算出手段は、前記実吸入空気量にポンピングロス低下分の補正を施して前記目標吸入空気量を算出することを要旨とする内燃機関の吸入空気量制御装置である。
上記目的を達成するため請求項8に記載の発明は、機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段と、を備え、前記目標吸入空気量算出手段は、前記実吸入空気量に燃焼効率悪化分の補正を加えて前記目標吸入空気量を算出することを要旨とする内燃機関の吸入空気量制御装置である。
上記目的を達成するため請求項9に記載の発明は、機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、前記定常目標吸入空 気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、制御方式の選択切換時の吸入空気量の目標値を示す制御方式切換時目標吸入空気量を算出する制御方式切換時目標吸入空気量算出手段と、制御方式の選択が切り換えられたときに、前記制御方式切換時目標吸入空気量に基づいて、制御方式切換時の前記目標閉時期を算出する制御方式切換時目標閉時期算出手段と、を備えたことを要旨とする内燃機関の吸入空気量制御装置である。
【0016】
上記目的を達成するため請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9の何れか1項に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を前記基準閉時期とすることを要旨とする。
【0017】
上記目的を達成するため請求項11に記載の発明は、請求項7乃至9の何れか1項に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、大気圧近傍の圧力を前記基準圧力とすることを要旨とする。
【0021】
上記目的を達成するため請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段とをさらに備え、前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、前記目標吸入空気量と前記実吸入空気量とに基づいて前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを要旨とする。
【0022】
上記目的を達成するため請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、制御方式が前記第1の制御方式から前記第2の制御方式へ切り換えられたときに、切り換え直前の前記実吸入空気量と切り換え後の前記目標吸入空気量に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを要旨とする。
【0023】
上記目的を達成するため請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、制御方式が前記第2の制御方式から前記第1の制御方式へ切り換えられたときに、切り換え直前の前記目標吸入空気量と切り換え後の前記実吸入空気量に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを要旨とする。
【0024】
上記目的を達成するため請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記吸気通路内の圧力の定常目標値を示す定常目標吸気通路内圧力を算出する定常目標吸気通路内圧力算出手段と、前記第2の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸気通路内圧力を前記基準圧力に設定する定常目標吸気通路内圧力設定手段と、前記制御方式切換時目標吸入空気量と前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記吸気通路内の圧力が前記定常目標吸気通路内圧力と一致していると仮定した場合に吸入空気量が前記制御方式切換時目標吸入空気量と一致する前記吸気弁の閉時期を示す仮閉時期を算出する仮閉時期算出手段とをさらに備え、前記制御方式切換時目標閉時期算出手段は、前記仮閉時期に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して制御方式切換時の前記目標閉時期を算出することを要旨とする。
【0025】
上記目的を達成するため請求項16に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置において、吸気通路内の実際の圧力を示す実吸気通路内圧力を検出する圧力センサをさらに備え、前記制御方式切換時目標閉時期算出手段は、前記制御方式切換時目標吸入空気量と前記実吸気通路内圧力とに基づいて、制御方式切換時の前記目標閉時期を算出することを要旨とする。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れの制御方式が選択されているかに関わらず、定常目標機関トルクに基づいてスロットル弁開度または吸気弁閉時期を制御するようにしたので、機関運転者の操作に対する機関のトルク特性、即ち、操作に対するトルク応答性と操作量に対する発生トルクの大きさを常に等しくすることができるという効果がある。
【0027】
さらに、目標機関トルクと実吸気通路内圧力とに基づいて吸気弁の目標閉時期を算出しているので、制御方式の切り換え時には、トルク段差を生じて運転性を悪化させることなく2つの制御方式を切り換えることが出来るという効果がある。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を基準閉時期としたので、第1の制御方式選択時における機関トルクを大きくすることができる。
【0029】
請求項3記載の発明によれば、第2の制御方式選択時に吸気通路内の圧力の定常目標値を大気圧近傍の圧力としているので、ポンピングロスがなくなり、第2の制御方式選択時における燃料消費率を第1の制御方式選択時の燃料消費率よりも大幅に低下させることができる。
【0030】
請求項4記載の発明によれば、前記基準時期に基づいてスロットル弁の開度変化に対する吸気通路内の圧力変化の応答遅れを示す第1応答遅れ時定数を用いて目標トルクを算出しているので、機関運転者の操作に対する機関のトルク応答性を比較的簡単な演算で常に等しくすることが可能である。
【0031】
請求項5記載の発明によれば、前記目標閉時期に基づいてスロットル弁の開度変化に対する吸気通路内の圧力変化の応答遅れを示す第2応答遅れ時定数を用いて実吸気通路内圧力を取得しているので、機関運転者の操作量に対する機関の発生トルクの大きさを比較的簡単な演算で常に等しくすることが可能である。
【0032】
請求項6記載の発明によれば、吸気通路内の実際の圧力を圧力センサで検出しているので、新たなセンサが必要となるものの、機関の発生トルクの大きさを常に等しくするための演算が請求項5記載の発明よりさらに簡単となる。
【0033】
請求項7または8記載の発明によれば、主にスロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れの制御方式が選択されているかに関わらず、定常目標吸入空気量に基づいてスロットル弁開度または吸気弁閉時期を制御し、基準閉時期に基づいてスロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れを示す第1応答遅れ時定数を用いて実吸入空気量を算出しているので、機関運転者の操作に対する機関のトルク特性、即ち、操作に対するトルク応答性と操作量に対する発生トルクの大きさを比較的簡単な演算で常に等しくすることができるという効果がある。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、制御方式切換時目標吸入空気量算出手段により制御方式切り換え時の吸入空気量目標値を算出し、この吸入空気量目標値に基づいて制御方式切換時の吸気弁の目標閉時期を算出するようにしたので、第1及び第2の制御方式の切り換え時にトルク段差を生じさせることなく2つの制御方式を切り換えることが可能である。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を基準閉時期としたので、第1の制御方式選択時における機関トルクを大きくすることができる。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、第2の制御方式選択時に吸気通路内の圧力の定常目標値を大気圧近傍の圧力としているので、ポンピングロスがなくなり、第2の制御方式選択時における燃料消費率を第1の制御方式選択時の燃料消費率よりも大幅に低下させることができる。
【0039】
請求項12記載の発明によれば、目標吸入空気量と、定常目標吸入空気量に対して吸入空気量変化の応答遅れを示す第1応答時定数により一次遅れ処理を施した実吸入空気量とに基づいて制御方式切換時目標吸入空気量を算出するようにしたので、第1及び第2の制御方式の切り換え時にトルク段差を生じさせることなく2つの制御方式を切り換えることが可能である。
【0040】
請求項13,14,15記載の発明によれば、吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を用いて、制御方式切換時の実吸入空気量と目標吸入空気量とに対して一次遅れ処理を施して制御方式切換時目標吸入空気量を算出するようにしたので、制御方式の切り換え時にトルク段差が生じるのを回避するための演算を比較的簡単にすることができる。
【0041】
請求項16記載の発明によれば、吸気通路内の実際の圧力を圧力センサで検出しているので、新たなセンサが必要となるものの、制御方式の切り換え時にトルク段差が生じるのを回避するための演算が請求項13,14,15記載の発明よりさらに簡単となる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置の一実施の形態を採用した内燃機関の構成図である。
【0043】
機関の吸気通路101には、上流側からエアクリーナ102,エアフロセンサ103,ストッロルチャンバ104が配設されている。スロットルチャンバ104の内部に収められたスロットル弁105は、スロットルアクチュエータ106によってその開度を調整することが可能である。ストットルチャンバ104の下流側は吸気コレクタ107に接続されており、この吸気コレクタ107から気筒毎の吸気通路108が分岐形成されている。
【0044】
この吸気通路108にインジェクタ109が配設されており、このインジェクタ109から吸気通路108内へ燃料が噴射供給される。吸気通路108と燃焼室110との間に配設される吸気弁111は、電磁アクチュエータ112によって開閉駆動されるようになっている。これと同様に、排気通路113と燃焼室110との間に配設される排気弁114も電磁アクチュエータ115で開閉駆動されるようになっている。排気通路113へ排出された排気ガスは、触媒116によって浄化された後大気へ放出される。117は点火プラグである。
【0045】
機関を運転する際の各種の制御は、エンジンコントロールモジュール120(以下、ECM120)によって行われる。ECM120は入力ポート121、マイクロプロセッサ122、メモリ123、出力ポート124等から構成されている。メモリ123は、マイクロプロセッサ122が実行する制御プログラムや各種の制御マップ、制御データ等を記憶しているROMと、制御プログラム実行中に一時的に情報の記憶を行うRAMとから構成されている。
【0046】
ECM120には、エアフロセンサ103が検出した吸入空気量を示す信号の他、クランク角センサ125が検出したクランク角度を示す信号、アクセル開度センサ126が検出したアクセル開度を示す信号、水温センサ127が検出した冷却水温を示す信号、空燃比センサ128が検出した排気ガスの空燃比を示す信号、圧力センサ129が検出した吸気コレクタ107内の圧力を示す信号等が送られ、これらの信号は入力ポート121を介して読み込まれ、マイクロプロセッサ122が実行する演算処理に使用される。この演算処理によって得られた各種の制御信号は、出力ポート124を介してスロットルアクチュエータ106、インジェクタ109、電磁アクチュエータ112、115、点火プラグ117へ送られる。
【0047】
またECM120は、スロットルアクチュエータ106を介して、スロットル弁105が目標開度となるように開度を制御するとともに、電磁アクチュエータ112を介して吸気弁111の閉時期が目標閉時期となるように制御する。
【0048】
さらに、ECM120は、主にスロットル弁105の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に吸気弁111の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式のいずれか一方を選択する制御方式選択手段と、機関の運転条件に基づいて、機関トルクの定常目標値を示す定常目標機関トルクを算出する定常目標機関トルク算出手段と、前記定常目標機関トルクに基づいて、この定常目標機関トルクに対し所定の遅れをもって追随する目標機関トルクを算出する目標機関トルク算出手段と、第1の制御方式が選択されているときに、吸気弁111の閉時期の定常目標値を示す定常目標閉時期を基準閉時期に設定する定常目標閉時期設定手段と、第1の制御方式が選択されているときに、定常目標機関トルクと定常目標閉時期とに基づいて、吸気通路101内の圧力の定常目標値を示す定常目標吸気通路内圧力を算出する定常目標吸気通路内圧力算出手段と、第2の制御方式が選択されているときに、定常目標吸気通路内圧力を基準圧力に設定する定常目標吸気通路内圧力設定手段と、第2の制御方式が選択されているときに、目標機関トルクと定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、定常目標閉時期を算出する定常目標閉時期算出手段と、吸気通路101内の実際の圧力を示す実吸気通路内圧力を取得する実吸気通路内圧力取得手段と、定常目標閉時期と定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、目標開度を算出する目標開度算出手段と、目標機関トルクと実吸気通路内圧力とに基づいて、目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段とを兼ねるものである。
【0049】
スロットルアクチュエータ106はECM120からの目標開度信号を受けて作動し、スロットル弁105の開度を目標開度に一致させる。インジェクタ109はECM120からの燃料噴射信号を受けて作動し、燃焼室110内に形成される混合気の空燃比が所定の空燃比(例えば理論空燃比)となるような量の燃料を所定の時期に噴射する。点火プラグ117はECMからの点火信号を受けて作動し、所定の時期に火花点火を実行する。
【0050】
電磁アクチュエータ112、115は、ECM120からの目標開閉時期信号を受けて作動し、吸気弁111、排気弁114を所定の時期に開閉する。この電磁アクチュエータ112、115の構造を、図2を用いて以下に説明する。図2の電磁アクチュエータは、電磁アクチュエータ112、115の何れにも適用可能である。すなわち、図中のバルブ202は、吸気弁111、排気弁114の何れでも良い。
【0051】
図2において、201はエンジンのシリンダヘッド、202はバルブである。バルブ202はシリンダヘッド201に対して摺動可能になっているものとする。バルブ202の軸部にはバルブリテーナ203が固定されている。バルブリテーナ203とシリンダヘッド201の間にはバルブスプリング204が圧縮されて装着されており、このためバルブ202はシリンダヘッド201のポート201aを閉じる方向(閉弁方向)に付勢されることになる。
【0052】
シリンダヘッド201には装置の筐体である205,206および207が固定されている。筐体内には電磁石208および209が設けられている。電磁石208および209は直接筐体206および207に固定されて設置されている。
【0053】
電磁石208,209にはそれぞれ電気コイル208a,209aが設けられており、各電気コイル208a,209aには図外の駆動回路により所望のタイミングで電流が流される。その場合には、電磁石の吸引面208b,209bが吸引力を発生することになる。
【0054】
電磁石208および209の中心部にはシャフト210が摺動可能に設置されている。シャフト210の中間部分には電磁石208の吸引面208bと電磁石209の吸引面209bとの間に軟磁性体からなる可動板211が固定されている。また、シャフト210のシリンダヘッド201と反対側の端部にはスプリングシート214が固定されており、筐体に固定されたスプリングカバー216との間に圧縮されて設置された開弁スプリング215の作用により、シャフト210は開弁方向(図の下向き)に付勢されている。
【0055】
シャフト210はバルブ202の軸部と同軸上に設けられており、シャフト210のシリンダヘッド側の端部はバルブ202の軸の頂面202aと対向している。そのためシャフト210に開弁方向(図の下向き)の力が作用した場合には、シャフト210がバルブ202を押し、バルブ202を開弁することになり、逆にシャフト210が閉弁方向(図の上向き)に移動した場合には、バルブ202はポート201aを塞ぐまで閉弁方向に変位することになる。このようにして、電磁石208,209の吸引動作により、バルブの開閉を可能にしている。
【0056】
217はシャフト202の変位を計測するセンサであり、例えばポテンショメータを使用してシャフト202の変位を検出し、この検出信号によりバルブの開閉状態を図外の駆動制御回路へ伝えるようになっている。
【0057】
次に、本実施形態の吸入空気量制御について説明する。本実施形態では、吸気弁111の閉時期を基準閉時期とした状態でスロットル弁105の開度調整によって吸入空気量を制御する第1の制御方式と、吸気通路108部の圧力を基準圧力とした状態で吸気弁111の閉時期調整によって吸入空気量を制御する第2の制御方式とを選択的に切り換えて実行するようにしている。なお、吸気弁111の開時期は常に所定時期(例えば吸気TDC)に固定され、排気弁114の開・閉時期も常に所定時期に固定されているものとする。
【0058】
第1の制御方式によれば、吸気通路108部の圧力が大気圧よりも低下するので、この吸気通路108内へ噴射供給される燃料が気化し易くなる他、燃焼室110内のガス流動が比較的強くなる。このため、第1の制御方式は機関の燃焼安定度を確保するのに有利な制御方式である。一方、第2の制御方式において基準圧力をほぼ大気圧とすれば、部分負荷運転時のポンピングロスを大幅に低下させることが可能となり、非常に燃費の良い運転を行うことができる。また、第1の制御方式ではスロットル弁105の開度調整に対して実際の吸入空気量の変化に遅れが生じる一方、第2の制御方式では吸気弁111の閉時期調整に対して実際の吸入空気量の変化に遅れが生じないという違いもある。
【0059】
図3は、ECM120内のマイクロプロセッサ122が実行する吸入空気量制御プログラムを示すフローチャートであり、例えば、10msec周期で定期的に実行されるものとする。
【0060】
ステップ1(以下、S1のように表記する)では、機関運転条件としてのアクセル開度APSと機関回転速度Neとに基づいて定常目標機関トルクstTeを算出する。具体的には、APS、Neに対応させてstTeを記憶させてある制御マップから値をルックアップする。定常目標機関トルクstTeは機関トルクの定常目標値を示す。
【0061】
すなわち、定常状態(APS、Neが変化しない状態)における機関トルクはいずれ定常目標機関トルクstTeに収束することになる。なお、このステップで使用するアクセル開度APSと機関回転速度Neは、この制御プログラムとは別にマイクロプロセッサ122が実行する制御プログラム内でアクセル開度Neは、この制御プログラムとは別にマイクロプロセッサ122が実行する制御プログラム内でアクセル開度センサ126,クランク角センサ125からの信号に基づいて算出され、メモリ123に記憶されているものとする。
【0062】
S2では、機関回転速度Neに基づいて吸気弁111の基準閉時期IVCbを算出する。具体的には、Neに対応させてIVCbを記憶させてある制御テーブルから値をルックアップする。基準閉時期IVCbは、吸気充填効率を最大とする吸気弁閉時期であり、基本的には吸気BDC付近の時期となるが、機関回転速度Neが大きくなるとBDCを過ぎてから吸気弁111を閉じた方が吸気充填効率が大きくなるので、この点を考慮するためにNeからIVCbを算出するようにしている。
【0063】
S3では、基準閉時期IVCbに基づいて吸気通路内圧力の応答時定数Taを算出する。具体的には、IVCbに対応させてTaを記憶させてある制御テーブルから値をルックアップする。応答時定数Taは、スロットル弁105の開閉動作に対する吸気通路108内の圧力の応答遅れの特性を示す時定数であり、吸気弁111の閉時期が基準閉時期IVCbとなっている場合の値である。この応答遅れ特性は、主に吸気弁111の閉時期の影響を受けて変化するが、他にも機関回転速度や機関負荷(吸入空気量)の影響も受けるので、これらのパラメータも考慮してTaを算出するようにすれば精度が高くなる。
【0064】
S4では、S1で算出した定常目標機関トルクstTeに対して応答時定数Taの一次遅れ処理を施して目標機関トルクtTeを算出する。このような方法で算出した目標機関トルクtTeの変化特性は、吸気弁111の閉時期を基準閉時期IVCbとした状態でスロットル弁105の開度を変化させたときに機関が発生するトルクの変化特性と一致することになる。
【0065】
S5では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。制御方式の選択は、この制御プログラムとは別にマイクロプロセッサ122が実行する制御プログラムで行われており、例えば、冷却水温が低く機関の暖機が完了していないようなとき、あるいは機関の回転変動が大きいときなどは第1の制御方式を選択し、それ以外のときは第2の制御方式を選択するようになっている。
【0066】
S5で第1の制御方式が選択されていると判断された場合はS6からS7へ処理を進め、第1の制御方式が選択されていない(第2の制御方式を選択中)と判断された場合はS8からS9へ処理を進める。
【0067】
S6では、吸気弁111の定常目標閉時期stIVCを基準閉時期IVCbとする。定常目標閉時期stIVCは、吸気弁111の閉時期の定常目標値である。
【0068】
S7では、定常目標機関トルクstTeと定常目標閉時期stIVCとに基づいて定常目標吸気通路内圧力stPを算出する。定常目標吸気通路内圧力stPは、吸気通路108内の圧力の定常目標値であり、吸気弁111の閉時期がstIVCに一致している状態で機関の発生トルクがstTeとなるときの吸気通路108内の圧力である。ここで行われる演算について以下に説明する。
【0069】
機関トルクは、燃料の燃焼によって発生するトルクからポンピングロスによる損失トルクを差し引いたものとなる。また、燃料の燃焼によって発生するトルクの大きさは燃焼室110内に吸入される空気量で決まる。よって、これらの間には以下の式(1)に示す関係が成立する。
【0070】
【数1】
機関トルク=f(吸入空気量、ポンピングロストルク) …(1)
吸入空気量は、吸気通路108内の圧力と吸気弁111が開弁している時間で決まる。本実施形態では吸気弁111の閉時期のみを可変としており、吸気弁閉時期に応じて吸気弁111の開弁時間が決まる。よって、これらの間には以下の式(2)に示す関係が成立する。
【0071】
【数2】
吸入空気量=f(吸気通路内圧力、吸気弁閉時期) …(2)
ポンピングロストルクは、吸気通路内圧力と吸入空気量で決まる。よって、これらの間には以下の式(3)に示す関係が成立する。
【0072】
【数3】
ホンピングロストルク=f(吸気通路内圧力、吸入空気量) …(3)
以上のように、機関トルク、吸入空気量、ポンピングロストルク、吸気通路内圧力、吸気弁閉時期の間に、式(1)〜(3)の3つの関係式が成立するので、5つの値のうち2つを決定すれば残りの値を求めることができる。
【0073】
S7は、先に決定した機関トルクと吸気弁閉時期から吸気通路内圧力を求める演算を行うものである。なお、具体的な算出方法としては、3つの式を直接解くようにしても良いし、予め演算を行った結果を制御マップに記憶させておき、記憶値をルックアップするようにしても良い。
【0074】
第2の制御方式が選択されているときに実行されるS8では、定常目標吸気通路内圧力stPを基準圧力Pbとする。ポンピングロストルクの最小化を図る場合は基準圧力Pbを大気圧とすれば良いが、キャニスタに補集された蒸発燃料を吸気通路内へ吸引する必要がある等の理由から、ここでは大気圧よりもわずかに低い圧力(例えば、大気圧に対し−50mmHg)を基準圧力Pbとする。
【0075】
S9では、目標機関トルクtTeと定常目標吸気通路内圧力stPとに基づいて定常目標閉時期stIVCを算出する。ここでは、吸気通路108内の圧力がstPに一致している状態で機関の発生トルクがstTeとなるときの吸気弁111の閉時期を定常目標閉時期stIVCとして算出する。ここで行われる演算も、前述の3つの関係式に基づく演算である。
【0076】
S10では、定常目標閉時期stIVCと定常目標吸気通路内圧力stPとに基づいて目標スロットル開度tTVOを算出する。吸気通路内圧力、吸気弁閉時期、スロットル開度の間には、定常状態では一定の関係が成立するので、この関係に基づいてスロットル弁105の目標開度を算出する。ここで算出された目標スロットル開度tTVOに応じて目標開度信号が生成され、この信号がスロットルアクチュエータ106へ送られる。
【0077】
S11では、吸気弁111の目標閉時期tIVCの前回値tIVCzに基づいて吸気通路内圧力の応答時定数Tbを算出する。具体的には、tIBCに対応させてTbを記憶させてある制御テーブルから値をルックアップする。
【0078】
S12では、S7あるいはS8で算出した定常目標吸気通路内圧力stPに対し応答時定数Tbの一次遅れ処理を施して実吸気通路内圧力rPを算出する。実吸気通路内圧力rPは、吸気通路108内の実際の圧力を示す値である。なお、圧力センサ129が十分な精度と応答性を有している場合は、このセンサ出力からrPを求めるようにしても良い。この場合、本ステップおよびS11は不要となる。
【0079】
S13では、目標機関トルクtTeと実吸気通路内圧力rPとに基づいて目標閉時期tIVCを算出する。ここで行われる演算も、前述の3つの関係式に基づく演算である。ここで算出された目標閉時期tIVCに応じて目標閉時期信号が生成され、この信号が電磁アクチュエータ112へ送られる。
【0080】
図4は、吸入空気量の制御方式を第1の制御方式から第2の制御方式へ切り換える場合のタイムチャートであり、図5は、第2の制御方式から第1の制御方式へ切り換える場合のタイムチャートである。
【0081】
図4において、時刻t0までは定常状態が維持されており、定常目標機関トルクstTeと目標機関トルクtTe、定常目標吸気通路内圧力stPと実吸気通路内圧力rP、定常目標閉時期stIVCと目標閉時期tIVCはそれぞれ一致した状態にある。特に、第1の制御方式による運転中であるから、吸気弁111の閉時期は基準閉時期IVCbとなっている。
【0082】
時刻t0においてアクセル開度APSがステップ状に増加すると、これに応じて定常目標機関トルクstTeもステップ状に増加する。これに対し、目標機関トルクtTeは一次遅れで定常目標機関トルクstTeに漸近する値として算出される。このときの時定数はTaである。
【0083】
時刻t0からt1の間は、引き続き第1の制御方式が選択されている状態なので、定常目標閉時期stIVCは基準閉時期IVCbのままである。この定常目標閉時期stIVCとステップ状に増加した定常目標機関トルクstTeとから定常目標吸気通路内圧力stPを算出するので、定常目標吸気通路内圧力stPもt0の時点でステップ状に増加する。同様に、定常目標閉時期stIVCとステップ状に増加した定常目標吸気通路内圧力stPとから算出する目標スロットル開度tTVOもt0の時点でステップ状に増加する。
【0084】
実吸気通路内圧力rPは、一次遅れで定常目標吸気通路内圧力stPに漸近する値として算出される。このとき、実際の機関では、スロットル弁105の開度増加に追随して吸気通路108内の圧力が徐々に増加しているところであり、実吸気通路内圧力rPは実際の吸気通路108内の圧力とほぼ一致するはずである。
【0085】
目標閉時期tIVCは、常に目標機関トルクtTeと実吸気通路内圧力rPとから算出されるようになっており、目標閉時期tIVCを強制的に基準閉時期IVCbに設定することはないが、結果的には基準閉時期IVCb近傍の時期に維持される。これは、もともとの目標機関トルクtTeの算出方法から見て当然の結果である。
【0086】
時刻t1において吸入空気量の制御方式が第1の制御方式から第2の制御方式へ切り換わると、定常目標吸気通路内圧力stPは基準圧力Pbに設定される。この定常目標吸気通路内圧力stPと増加途中の目標機関トルクtTeとから定常目標閉時期stIVCを算出するので、定常目標閉時期stIVCはt1の時点でステップ状に早められた後、徐々に遅れ側へ変化する。このような定常目標閉時期stIVCの変化を受け、目標スロットル開度tTVOはt1の時点でステップ状に増加した後、徐々に増加する。
【0087】
実吸気通路内圧力rPは、再びステップ状に増加した定常目標吸気通路内圧力stPに一次遅れで漸近する値として算出する。このときの実吸気通路内圧力rPも実際の吸気通路108内の圧力とほぼ一致するはずであるが、目標機関トルクtTeの変化特性とは全く異なる特性で変化することになる。しかしながら、目標機関トルクtTeと実吸気通路内圧力rPとから算出される目標閉時期tIVCが徐々に早まるので、機関が発生するトルクは目標機関トルクtTeと一致することになる。
【0088】
一方、図5においても、時刻t4までは定常状態が維持されており、定常目標機関トルクstTeと目標機関トルクtTe、定常目標吸気通路内圧力stPと実吸気通路内圧力rP、定常目標閉時期stIVCと目標閉時期tIVCはそれぞれ一致した状態にある。ただし、第2の制御方式による運転中であるから、吸気通路108内の圧力が基準圧力Pbに一致した状態となっている。
【0089】
時刻t4からt5の間は、引き続き第2の制御方式が選択されている状態なので、定常目標吸気通路内圧力stPは基準圧力Pbのままである。この定常目標吸気通路内圧力stPと徐々に増加する目標機関トルクtTeとから定常目標閉時期stIVCを算出するので、定常目標閉時期stIVCもt4の時点から徐々に遅れ側へ変化する。同様に、定常目標吸気通路内圧力stPと徐々に増加する定常目標閉時期stIVCとから算出する目標スロットル開度tTVOもt4の時点から徐々に増加する。この間、実吸気通路内圧力rPは基準圧力Pbのまま不変であるから、定常目標閉時期stIVCがそのまま目標閉時期tIVCとして算出される。
【0090】
時刻t5において吸入空気量の制御方式が第2の制御方式から第1の制御方式へ切り換わると、定常目標閉時期stIVCは基準閉時期IVCbに設定される。この定常目標閉時期stIVCと定常目標機関トルクstTeとから定常目標吸気通路内圧力stPを算出するので、定常目標吸気通路内圧力stPはt5の時点でステップ状に減少する。このような定常目標吸気通路内圧力stPの変化を受け、目標スロットル開度tTVOもt5の時点でステップ状に減少する。
【0091】
実吸気通路内圧力rPは、ステップ状に減少した定常目標吸気通路内圧力stPに一次遅れで漸近する値として算出される。このときの実吸気通路内圧力rPも実際の吸気通路108内の圧力とほぼ一致するはずである。ここでは、目標機関トルクtTeと実吸気通路内圧力rPとから算出される目標閉時期tIVCが徐々に遅れ側に変化し、機関が発生するトルクは目標機関トルクtTeと一致する。
【0092】
以上のように、第1の制御方式が選択されている場合、第2の制御方式からの切り換え直後を除いて吸気弁111の閉時期が基準閉時期IVCbとなり、スロットル弁105の開度調整によって吸入空気量、すなわち機関の発生トルクが制御される。一方、第2の制御方式が選択されている場合、第1の制御方式から切り換え直後を除いて吸気通路108内の圧力が基準圧力Pbとなり、吸気弁111の閉時期調整によって吸入空気量が制御される。
【0093】
また、機関が発生するトルクは常に目標機関トルクtTeと一致し、吸入空気量の制御方式の切り換え前後でトルクが急変することはない。なお、図4,図5ではアクセル開度APSが変化した直後の通過状態において制御方式の切り換えが発生した場合について説明したが、定常状態での運転中に制御方式の切り換えが発生してもトルクの急変がないのはもちろんである。
【0094】
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。内燃機関の構成は図1,図2に示した構成と同一であり、ECM120内のマイクロプロセッサ122が実行する制御プログラムだけが先の実施形態と異なっている。
【0095】
図6は、例えば10msec周期で定期的に実行されるメイン制御プログラムを示すフローチャートであり、定常目標吸入空気量stQH01を算出するS600、実吸入空気量rQH01を算出するS700、定常目標吸気通路内圧力stPを算出するS800、目標吸入空気量tQH02を算出するS900、吸入空気量制御方式切換ときの目標吸入空気量tQH03を算出するS1000、目標スロットル開度tTVOを算出するS1100、目標閉時期tIVCを算出するS1200からなっている。以下、各ステップ内での詳細な処理を説明する。
【0096】
図7は、図6のS600で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0097】
S601では、アイドル保持空気量Qiを算出する。このアイドル保持空気量Qiは、機関回転速度をアイドル設定回転速度に維持するための空気量やエアコン等の補機負荷に対応するトルクを得る為の空気量を含んでいる。
【0098】
S602では、アイドル保持空気量Qiに基づいてアイドル保持分スロットル開口面積Aiを算出する。具体的には、アイドル保持空気量Qiに対しソニック流量でのスロットル通過流量とスロットル開口面積との関係を示す係数を乗じたものをアイドル保持分スロットル開口面積Aiとする。
【0099】
S603では、アクセル開度APSに基づいてドライバ要求出力分スロットル開口面積Aaを算出する。具体的には、APSに対応させてAaを記憶させてある制御テーブル(図8)から値をルックアップする。
【0100】
S604では、アイドル保持分スロットル開口面積Aiとドライバ要求出力分スロットル開口面積Aaとを加算してスロットル開口面積Aを算出する。
S605では、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと機関の排気量Vで除算してパラメータANVを算出する。
【0101】
S606では、パラメータANVに基づいて体積流量比QH0を算出する。具体的には、ANVに対応させてQH0を記憶させてある制御テーブル(図9)から値をルックアップする。体積流量比QH0は機関の行程容積に対する吸入空気量の標準状態での体積を示す値であり、図9の制御テーブルには、例えば吸気弁111を吸気TDCで開弁して吸気BDCを閉弁した場合の体積流量比が記憶されている。なお、本実施形態では、吸入空気量としてこの体積流量比を使用する。
【0102】
S607では、定常目標吸入空気量stQH01を体積流量比QH0とする。定常目標吸入空気量stQH01は、第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値である。すなわち、第1の制御方式選択時の定常状態における吸入空気量はいずれ定常目標吸入空気量stQH01に収束することになる。
【0103】
図10は、図6のS700で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
S701では、応答時定数Taを算出する。この応答時定数Taは、先の実施形態の応答時定数Taと同じものである。
【0104】
S702では、図7のS607で算出した定常目標吸入空気量stQH01に対し応答時定数Taの一次遅れ処理を施して実吸入空気量rQH01を算出する。実吸入空気量rQH01は、第1の制御方式で運転しているときの実際の吸入空気量を示す値である。
【0105】
図11は、図6のS800で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0106】
S801では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。
S801で第1の制御方式が選択されていると判断された場合はS802へ処理を進め、定常目標吸入空気量stQH01と機関回転速度Neとに基づいて定常目標吸気通路内圧力stPを算出する。具体的には、stQH01とNeとに対応させてstPを記憶させてある制御マップから値をルックアップする。定常目標吸気通路内圧力stPは、吸気通路108内の圧力の定常目標値を示す値である。
【0107】
S801で第1の制御方式が選択されていない(第2の制御方式を選択中)と判断された場合はS803へ処理を進め、定常目標吸気通路内圧力stPを基準圧力Pbとする。なお、冷却水温等の機関運転条件に応じてPbを変化させるようにしても良い。
【0108】
図12は、図6のS900で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0109】
S901では、第1の制御方式と第2の制御方式のポンピングロスの差分を補正するための補正係数PUMP1を算出する。補正係数PUMP1は、第1の制御方式と第2の制御方式とで機関が同じトルクを出力する空気量を予め実験を行って測定し、その変化率のデータに基づいて作成した制御マップから値をルックアップすることで求められることができる。
【0110】
S902では、第1の制御方式と第2の制御方式の燃焼効率の差分を補正するための補正係数kを算出する。補正係数kは、第1の制御方式と第2の制御方式と出機関が同じトルクを出力する空気量を予め実験を行って測定し、その変化率のデータに基づいて作成した制御マップから値をルックアップすることで求められることができる。
【0111】
S903では、図10のS702で算出した実吸入空気量rQH01を補正係数PUMP1とkとで補正し、目標吸入空気量tQH02を算出する。目標吸入空気量tQH02は、第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す値である。第2の制御方式による運転中は、吸入空気量を目標吸入空気量tQH02に一致させることで第1の制御方式による運転中と等しいトルクを発生させることができ、かつ、アクセル操作に対するトルクの応答性も等しくすることができる。
【0112】
図13は、図6のS1000で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0113】
S1001では、応答時定数Tbを算出する。この応答時定数Tbは、先の実施形態の応答時定数Tbと同じものである。
S1002では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。
S1003では、前回本プログラムを実行したとき第2の制御方式が選択されていたか否かを判断する。
【0114】
S1002の判断がNO,S1003の判断がYESであるとき、すなわち、第2の制御方式が継続して選択されているときはS1004へ処理を進め、目標吸入空気量tQH03を目標吸入空気量tQH02の前回算出値tQH02(old)とする。すなわち、第2の制御方式が継続して選択されているときは直前の目標吸入空気量tQH02を初期値として以降の目標吸入空気量tQH03を算出する。
【0115】
S1002の判断がNOでS1003の判断がNOであるとき、すなわち第1の制御方式から第2の制御方式への切り換えが行われたときはS1005へ処理を進め、切り換え直前の実吸入空気量rQH01と切り換え後の目標吸入空気量tQH02に対して、応答時定数Tbの一次遅れ処理を施して、吸入空気量制御方式切り換え時の目標吸入空気量tQH03を算出する。
【0116】
S1006では前回本プログラムを実行したとき第1の制御方式が選択されていたか否かを判断する。
【0117】
S1002の判断がYESでS1006の判断がYESであるとき、すなわち、第1の制御方式が継続して選択されているときはS1007へ処理を進め、目標吸入空気量tQH03を実吸入空気量rQH01の前回算出値rQH01(old)とする。すなわち、第1の制御方式が継続して選択されているときは直前の実吸入空気量rQH01を初期値として以降の目標吸入空気量tQH03を算出する。
【0118】
S1002の判断がYES、S1006の判断がNOであるとき、すなわち第2の制御方式から第1の制御方式への切り換えが行われたときはS1008へ処理を進め、目標吸入空気量tQH02と実吸入空気量rQH01に対して、応答時定数Tbの一次遅れ処理を施して、吸入空気量制御方式切り換え時の目標吸入空気量tQH03を算出する。
【0119】
図14は、図6のS1100で実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0120】
S1101では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。本ステップの判断がYESである場合は続いてS1102、S1103を実行し、本ステップの判断がNOである場合はS1104からS1106を実行する。
【0121】
S1102では、定常目標空気量stQH01に基づいてパラメータANVmを算出する。具体的は、stQH01に対応させてANVmを記憶させてある制御テーブル(図15)から値をルックアップする。パラメータANVmは、第1の制御方式において設定する吸気弁閉時期とした場合におけるスロットル開口面積Aを機関回転速度Neと機関の排気量Vで除算した値を示す。
【0122】
S1103では、パラメータANVmに機関回転速度Neと機関の排気量Vを乗じてスロットル開口面積Atを算出する。
【0123】
S1104では、定常目標吸気通路内圧力stPに基づいて係数Cを算出する。具体的には、stPに対応させてCを記憶させてある制御テーブル(図16)から値をルックアップする。吸気通路内圧力を一定とした場合、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと機関の排気量Vで除算した値と体積流量比との間には比例関係が成立する。このときの比例係数が係数Cである。なお、ここで使用される定常目標吸気通路内圧力stPは図11のS803で設定されたstP(=Pb)である。
【0124】
S1105では、目標吸入空気量tQH02に係数Cを乗じてパラメータANVeを算出する。パラメータANVeは、第2の制御方式におけるスロットル開口面積Aを機関回転速度Neと機関の排気量Vで除算した値を示す。
S1106では、パラメータANVeに機関回転速度Neと機関の排気量Vを乗じてスロットル開口面積Atを算出する。
【0125】
S1107では、S1103またはS1106で算出したスロットル開口面積Atに基づいて目標スロットル開度tTVOを算出する。具体的には、Atに対応させてtTVOを記憶させてある制御テーブル(図17)から値をルックアップする。
【0126】
図18では、図6のS1200実行されるサブプログラムを示すフローチャートである。
【0127】
S1201では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。
S1201で第1の制御方式が選択されていると判断された場合はS1202へ処理を進め、吸入空気量制御の切り換えが行われてからの経過時間が所定時間εを越えているか否かを判断する。
【0128】
S1202で経過時間がεを越えていると判断された場合はS1203へ処理を進め、目標閉時期tIVCを基準閉時期IVCbとする。
【0129】
経過時間がεを越えていない場合はS1204へ処理を進め、定常目標吸気通路内圧力stPに基づいて最大吸入空気量QH0maxを算出する。具体的には、stPに対応させてQH0maxを記憶させてある制御テーブル(図19)から値をルックアップする。最大吸入空気量QH0maxは、吸気通路108内の圧力が定常目標吸気通路内圧力stPと一致している状態で吸入することができる最大の空気量を示す値である。なお、ここで使用される定常目標吸気通路内圧力stPは図11のS802で算出されたstPである。
【0130】
S1205では、TDCからBDCまでのクランク角度である180°に目標吸入空気量tQH03と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
【0131】
S1206では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて吸気弁111の仮閉時期IVC0を算出する。仮閉時期IVC0は、吸気通路108内の圧力が定常目標吸気通路内圧力stPとなっている場合に吸入空気量が目標吸入空気量tQH03となる吸気弁111の閉時期を示す値である。
【0132】
S1207では、仮閉時期IVC0に対し応答時定数Tbの一次遅れ処理を施して目標閉時期tIVCを算出する。この処理により、実際の吸入空気量が目標吸入空気量tQH03と一致することになる。
【0133】
S1201で第1の制御方式が選択されていない(第2の制御方式を選択中)と判断された場合はS1208へ処理を進め、定常目標吸気通路内圧力stPに基づいて最大吸入空気量QH0maxを算出する。この算出はS1204で行われる処理と同じであるが、ここで使用される定常目標吸気通路内圧力stPは図11のS803で設定されたstP(=Pb)である。
【0134】
S1209では、吸入空気量制御の切り換えが行われてからの経過時間が所定時間εを越えているか否かを判断する。
S1209で経過時間がεを越えていると判断された場合はS1210へ処理を進め、180°に目標吸入空気量tQH02と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
【0135】
S1211では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて吸気弁111の仮閉時期IVC0を算出する。
S1212では、仮閉時期IVC0をそのまま目標閉時期tIVCとする。
【0136】
経過時間がεを越えていない場合はS1213へ処理を進め、180°に目標吸入空気量tQH03と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
【0137】
S1214では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて吸気弁111の仮閉時期IVC0を算出する。
S1215では、仮閉時期IVC0に対し応答時定数Tbの一次遅れ処理を施して目標閉時期tIVCを算出する。
【0138】
図20は、吸入空気量の制御方式を第1の制御方式から第2の制御方式へ切り換える場合のタイムチャートであり、図21は、第2の制御方式から第1の制御方式へ切り換える場合のタイムチャートである。
【0139】
図20において、まず第1の制御方式における時刻t0において、アクセル開度APSがステップ状に増加したとする。これにより第1の制御方式における定常目標吸入空気量stQH01もステップ状に増加するが、実際に吸入される空気量は、実吸入空気量rQH01に示すように遅れて追随する。目標スロットル開度tTVOは、t0の直後にステップ状に増加した定常目標吸入空気量stQH01に応じてステップ的に増加する。
【0140】
このとき、目標吸入空気量tQH02は、実吸入空気量rQH01の増加に応じて増加するが、その漸近線は定常目標吸入空気量stQH01より少ない位置にある。これは切換時の出力を一定に保持するのに必要な空気量が異なるためである。
【0141】
次いで時刻t1において、吸入空気量制御の切り換え条件が成立し、第1の制御方式から第2の制御方式への切り換えが開始されたとする。
【0142】
吸入空気量制御方式切換時の目標吸入空気量tQH03は、切換開始点(t1)の直前の実吸入空気量rQH01を初期値として、応答時定数Tbを有する吸気通路内圧力の変化特性に合わせて、目標吸入空気量tQH02に漸近するよう算出される。また、目標閉時期tIVCも、応答時定数Tbを有する吸気通路内圧力の変化特性に合わせて算出される。
【0143】
一方、図21においては、切換開始点(t5)の直前の目標吸入空気量tQH02を初期値として、応答時定数Tbを有する吸気通路内圧力の変化特性に合わせて、実吸入空気量rQH01に漸近するよう切り換え時の目標吸入空気量tQH03が算出される。
【0144】
また、目標スロットル開度tTVOの演算においては、吸入空気量制御の切り換えに合わせて、定常目標吸入空気量stQH01と目標吸入空気量tQH02を切り換えて、その目標吸入空気量に基づいて開度演算を行う。
【0145】
次に、本発明の第3の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対し目標閉時期tIVCを算出するサブプログラム(図6のS1200)の処理内容だけが異なっている。図22に示すこのサブプログラムは、圧力センサ129が十分な精度と応答性を有している場合に使用できる。
【0146】
S1221では、圧力センサ129の信号から求めた実吸気通路内圧力rPに基づいて最大吸入空気量QH0maxを算出する。ここで使用する制御テーブルは、第2の実施形態において使用した図19に示すテーブルと同じものである。ただし、吸気通路108内の実際の圧力から最大吸入空気量QH0maxを求めるので、この最大吸入空気量QH0maxは機関が実際に吸入可能な最大の空気量を示す値となる。
【0147】
S1222では、第1の制御方式が選択されているか否かを判断する。
S1223では、吸入空気量制御の切り換えが行われてからの経過時間が所定時間εを越えているか否かを判断する。
【0148】
S1224では、目標閉時期tIVCを基準閉時期IVCbとする。
S1225では、TDCからBDCまでのクランク角度である180°に目標吸入空気量tQH03と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
【0149】
S1226では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて目標閉時期tIVCを算出する。この実施形態では、第2の実施形態と異なり、仮閉時期IVC0を求めることなく吸気弁開弁期間IVPから直接目標閉時期tIVCを算出することができる。
【0150】
S1227では、吸入空気量制御の切り換えが行われてからの経過時間が所定時間εを越えているか否かを判断する。
S1228では、180°に目標吸入空気量tQH02と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
【0151】
S1229では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて目標閉時期tIVCを算出する。
S1230では、180°に目標吸入空気量tQH03と最大吸入空気量QH0maxとの比を乗じて吸気弁開弁期間IVPを算出する。
S1231では、吸気弁開弁期間IVPに基づいて目標閉時期tIVCを算出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置を適用した内燃機関の構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明における吸排気弁の構成の一実施形態を示す断面図である。
【図3】第1実施形態におけるエンジンコントロールモジュール(ECM)内のマイクロプロセッサが実行する吸入空気量制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態における吸入空気量の制御方式を第1の制御方式から第2の制御方式へ切り換える際の(a)アクセル開度、(b)機関トルク、(c)吸気通路内圧力、(d)吸気弁閉時期、(e)スロットル開度をそれぞれ示すタイムチャートである。
【図5】第1実施形態における吸入空気量の制御方式を第2の制御方式から第1の制御方式へ切り換える際の(a)アクセル開度、(b)機関トルク、(c)吸気通路内圧力、(d)吸気弁閉時期、(e)スロットル開度をそれぞれ示すタイムチャートである。
【図6】第2実施形態におけるエンジンコントロールモジュール(ECM)内のマイクロプロセッサが実行する吸入空気量制御プログラムを示す概略フローチャートである。
【図7】第2実施形態における定常目標吸入空気量tQH01算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図8】アクセル開度APSに対応してドライバ要求出力分スロットル開口面積Aaを記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図9】パラメータANVに対応して体積流量比QH0を記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図10】第2実施形態における実吸入空気量rQH01算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態における定常目標吸気通路内圧力stP算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図12】第2実施形態における目標吸入空気量tQH02算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図13】第2実施形態における吸入空気量制御方式切換ときの目標吸入空気量tQH03算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図14】第2実施形態における目標スロットル開度tTVO算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図15】定常目標空気量stQH01に対応してパラメータANVmを記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図16】定常目標吸気通路内圧力stPに対応して係数Cを記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図17】スロットル開口面積Atに対応して目標スロットル開度tTVOを記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図18】第2実施形態における目標閉時期tIVC算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【図19】定常目標吸気通路内圧力stPに対応して最大吸入空気量QH0maxを記憶した制御テーブルの例を示すグラフである。
【図20】第2実施形態における吸入空気量の制御方式を第1の制御方式から第2の制御方式へ切り換える際の(a)アクセル開度、(b)吸入空気量、(c)吸気通路内圧力、(d)吸気弁閉時期、(e)スロットル開度をそれぞれ示すタイムチャートである。
【図21】第2実施形態における吸入空気量の制御方式を第2の制御方式から第1の制御方式へ切り換える際の(a)アクセル開度、(b)吸入空気量、(c)吸気通路内圧力、(d)吸気弁閉時期、(e)スロットル開度をそれぞれ示すタイムチャートである。
【図22】第3実施形態における目標閉時期tIVC算出サブプログラムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
101 吸気通路
102 エアクリーナ
103 エアフロセンサ
104 スロットルチャンバ
105 スロットル弁
106 スロットルアクチュエータ
107 吸気コレクタ
108 吸気通路
109 インジェクタ
110 燃焼室
111 吸気弁
112 電磁アクチュエータ
113 排気通路
114 排気弁
115 電磁アクチュエータ
116 触媒
117 点火プラグ
120 エンジンコントロールモジュール(ECM)
121 入力ポート
122 マイクロプロセッサ
123 メモリ
124 出力ポート
125 クランク角センサ
126 アクセル開度センサ
127 水温センサ
128 空燃比センサ
129 圧力センサ

Claims (16)

  1. 機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、
    前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、
    主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式のいずれか一方を選択する制御方式選択手段と、
    機関の運転条件に基づいて、機関トルクの定常目標値を示す定常目標機関トルクを算出する定常目標機関トルク算出手段と、
    前記定常目標機関トルクに基づいて、この定常目標機関トルクに対し所定の遅れをもって追随する目標機関トルクを算出する目標機関トルク算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記吸気弁の閉時期の定常目標値を示す定常目標閉時期を基準閉時期に設定する定常目標閉時期設定手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標機関トルクと前記定常目標閉時期とに基づいて、前記吸気通路内の圧力の定常目標値を示す定常目標吸気通路内圧力を算出する定常目標吸気通路内圧力算出手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸気通路内圧力を基準圧力に設定する定常目標吸気通路内圧力設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標機関トルクと前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記定常目標閉時期を算出する定常目標閉時期算出手段と、
    前記吸気通路内の実際の圧力を示す実吸気通路内圧力を取得する実吸気通路内圧力取得手段と、
    前記定常目標閉時期と前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、
    前記目標機関トルクと前記実吸気通路内圧力とに基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装置。
  2. 吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を前記基準閉時期とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  3. 大気圧近傍の圧力を前記基準圧力とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  4. 前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段をさらに備え、
    前記目標機関トルク算出手段は、前記定常目標機関トルクに対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記目標機関トルクを算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  5. 前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、
    前記実吸気通路内圧力取得手段は、前記定常目標吸気通路内圧力に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記実吸気通路内圧力を取得することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  6. 前記実吸気通路内圧力取得手段は、前記吸気通路内の実際の圧力を検出する圧力センサを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  7. 機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、
    前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、
    主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、
    機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、
    前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段と、を備え、
    前記目標吸入空気量算出手段は、前記実吸入空気量にポンピングロス低下分の補正を施して前記目標吸入空気量を算出することを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装置。
  8. 機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御されるスロットル弁と、
    前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、
    主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、
    機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、
    前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段と、を備え、
    前記目標吸入空気量算出手段は、前記実吸入空気量に燃焼効率悪化分の補正を加えて前記目標吸入空気量を算出することを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装置。
  9. 機関の吸気通路に配設され、目標開度となるように開度が制御される スロットル弁と、
    前記吸気通路と機関の燃焼室との間に配設され、目標閉時期となるように閉時期が制御される吸気弁と、
    主に前記スロットル弁の開度を制御して吸入空気量を制御する第1の制御方式または主に前記吸気弁の閉時期を制御して吸入空気量を制御する第2の制御方式の何れか一方を選択する制御方式選択手段と、
    機関の運転条件に基づいて、前記第1の制御方式選択時の吸入空気量の定常目標値を示す定常目標吸入空気量を算出する定常目標吸入空気量算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記第2の制御方式選択時の吸入空気量の目標値を示す目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記目標開度を算出する目標開度算出手段と、
    前記第1の制御方式が選択されているときに、前記目標閉時期を基準閉時期に設定する目標閉時期設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標開度を前記吸気通路内の圧力が基準圧力となる所定開度に設定する目標開度設定手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記目標吸入空気量に基づいて、前記目標閉時期を算出する目標閉時期算出手段と、
    制御方式の選択切換時の吸入空気量の目標値を示す制御方式切換時目標吸入空気量を算出する制御方式切換時目標吸入空気量算出手段と、
    制御方式の選択が切り換えられたときに、前記制御方式切換時目標吸入空気量に基づいて、制御方式切換時の前記目標閉時期を算出する制御方式切換時目標閉時期算出手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装置。
  10. 吸入空気の充填効率が最大となる吸気弁の閉時期を前記基準閉時期とすることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  11. 大気圧近傍の圧力を前記基準圧力とすることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  12. 前記基準閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する吸入空気量変化の応答遅れの時定数を示す第1応答時定数を算出する第1応答時定数算出手段と、
    前記定常目標吸入空気量に対し前記第1応答時定数の一次遅れ処理を施して前記第1の制御方式選択時の実際の吸入空気量を示す実吸入空気量を算出する実吸入空気量算出手段とをさらに備え、
    前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、前記目標吸入空気量と前記実吸入空気量とに基づいて前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  13. 前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、
    前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、制御方式が前記第1の制御方式から前記第2の制御方式へ切り換えられたときに、切り換え直前の前記実吸入空気量と切り換え後の前記目標吸入空気量に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  14. 前記目標閉時期に基づいて、前記スロットル弁の開度変化に対する前記吸気通路内の圧力変化の応答遅れの時定数を示す第2応答時定数を算出する第2応答時定数算出手段をさらに備え、
    前記制御方式切換時目標吸入空気量算出手段は、制御方式が前記第2の制御方式から前記第1の制御方式へ切り換えられたときに、切り換え直前の前記目標吸入空気量と切り換 え後の前記実吸入空気量に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して前記制御方式切換時目標吸入空気量を算出することを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  15. 前記第1の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸入空気量に基づいて、前記吸気通路内の圧力の定常目標値を示す定常目標吸気通路内圧力を算出する定常目標吸気通路内圧力算出手段と、
    前記第2の制御方式が選択されているときに、前記定常目標吸気通路内圧力を前記基準圧力に設定する定常目標吸気通路内圧力設定手段と、
    前記制御方式切換時目標吸入空気量と前記定常目標吸気通路内圧力とに基づいて、前記吸気通路内の圧力が前記定常目標吸気通路内圧力と一致していると仮定した場合に吸入空気量が前記制御方式切換時目標吸入空気量と一致する前記吸気弁の閉時期を示す仮閉時期を算出する仮閉時期算出手段とをさらに備え、
    前記制御方式切換時目標閉時期算出手段は、前記仮閉時期に対し前記第2応答時定数の一次遅れ処理を施して制御方式切換時の前記目標閉時期を算出することを特徴とする請求項13または14に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  16. 吸気通路内の実際の圧力を示す実吸気通路内圧力を検出する圧力センサをさらに備え、
    前記制御方式切換時目標閉時期算出手段は、前記制御方式切換時目標吸入空気量と前記実吸気通路内圧力とに基づいて、制御方式切換時の前記目標閉時期を算出することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
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