JP3820880B2 - 印刷方法およびドット抜け検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置のノズルのインク滴の吐出検査を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのプリンタが広く普及している。このようなプリンタの中には、インクの増粘による吐出不良を防止するために、定期的にインク滴の吐出検査を行って、不動作ノズルが検出された場合にはノズルのクリーニングを行うものがある。
【0003】
このインク滴の吐出検査としては、たとえば、特開平10−119307号公報において、光を利用した吐出検査が開示されている。また、特開昭58−217365号公報、特開平5−318765号公報において、感熱センサを用いた吐出検査が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光を利用した検査においては、発光部、受光部などにインク滴の飛沫やその他のゴミが付着することによって、時間がたつにつれて検査精度が劣化する場合がある。この課題を解決するための方法として、光出力が一定化となるように、検査のたびに発光部側の光の強度を調整する回路構成とする方法がある。また、インク滴、ゴミなどが発光部、受光部に付着しないように、吸引ファンなどを設けることとしてもよい。しかし、これらの解決方法では、回路が複雑なものとなり、また、装置が大型化してしまう。また、感熱センサを使用した吐出検査は、周囲の環境の温度による影響を受けやすい。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、各ノズルのインク滴の吐出検査において、光を用いずに、かつ、周囲の環境の温度による影響が少ない吐出検査を行う技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下のような印刷装置を対象としてその制御を行う。なお、以下では、インク滴の吐出検査を「ドット抜け検査」とも表記する。本発明が対象とするのは、複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、複数のノズルを有する印刷ヘッドと、ノズルを駆動してインク滴を吐出させるヘッド駆動部と、複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査する検査部と、各部を制御するための制御部と、を備える印刷装置である。検査部は、温度変化に応じた出力信号を送出する感熱センサと、感熱センサに接するように設けられるとともに、ノズルから吐出されるインク滴を受け止めるインク受け領域を有し、インク滴によって生じるインク受け領域の温度変化を感熱センサに伝える伝熱部と、伝熱部を加熱する加熱部と、を備える。
【0007】
このような態様の印刷装置においては、以下のようなインク滴の吐出検査を行うことができる。すなわち、加熱部で伝熱部を加熱する。そして、インク受け領域に向けてノズルからインク滴を吐出させる。その後、感熱センサの出力信号に基づいて、非動作ノズルが存在するか否かを判定する。したがって、光を用いずに各ノズルのインク滴の吐出検査を行うことができる。
【0017】
なお、所定の数のノズルから順に連続して伝熱部に向けてインク滴を吐出させ、感熱センサの出力値が所定の値を超えたか否かに応じて、所定の数のノズルの中に非動作ノズルが存在するか否かを判定する態様とすることもできる。その際、所定の数のノズルのうち互いに前後してインク滴を吐出する任意の二つのノズルにつき、出力信号が少なくとも一部重なるような所定の時間間隔でインク滴を吐出させることが好ましい。この所定の時間間隔は、所定の数の全ノズルからインク滴が吐出されたと仮定した場合に、各ノズルのインク滴に対応する出力信号がすべて重なる時間区間において、出力信号が、所定の値を超える一つの最高点を有する時間間隔であることが好ましい。そして、この所定の時間間隔は、さらに、所定の数のノズルのうちいずれかのノズルからインク滴が吐出されないと仮定した場合に、出力信号が所定の値を超えない時間間隔であることが好ましい。このような態様とすれば、あるノズルからのインク滴による出力信号が定常状態に戻るまで待ってから次のノズルのインク滴吐出検査を行う必要がない。よって、インク滴の吐出検査を迅速に行うことができる。
なお、非動作ノズルが存在するか否かを判定する際には、複数のノズルの各ノズルがインク滴を吐出しなかった場合の出力信号に対応する複数の基準出力波形と、出力信号と、を比較し、出力信号に最も近い基準出力波形に基づいて、複数のノズル中の非動作ノズルを特定することが好ましい。
【0018】
また、複数のノズルが、一定のノズルピッチで配された複数のノズルをそれぞれ含む複数のノズル列として印刷ヘッド上に設けられている場合には、以下のようにすることが好ましい。すなわち、インク受け領域へのインク滴の吐出に際しては、所定の数のノズルのうちの2番目以降にインク滴を吐出する任意のノズルについて、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルとは異なるノズル列に属するノズルであって、かつ、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルのインク滴が着弾した位置からノズルピッチを超える所定の距離だけ離れた位置に、当該ノズルのインク滴が着弾するようなノズルを選択することが好ましい。このようにすれば、直前のインク滴によってすでに温度変化が生じている領域にインク滴を吐出する可能性が低い。このため、インク滴の着弾によって伝熱部全体の温度変化が明確に生じ、その結果、感熱センサでインク滴の着弾を検知しやすい。
【0020】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。
(1)印刷装置または印刷制御装置。
(2)ドット抜け検査方法、印刷制御方法または印刷装置の保全方法。
(3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム
を記録した記録媒体。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み
搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を次のように分けて順次説明する。
A.実施形態の概要:
B.第1実施例
B1.プリンタの構成:
B2.ドット抜け検査の原理:
B3.ドット抜け検査の手続き:
C.第2実施例:
D.第3実施例:
E.変形例:
E1.変形例1:
E2.変形例2:
E3.変形例3:
E4.変形例4:
E5.その他:
【0022】
A.実施形態の概要:
図1は、本発明の実施の形態における検査部の動作の仕組みを示す説明図である。ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査するためのドット抜け検査部40は、図1(a)に示すように、焦電素子40aと伝熱板40bを備えている。伝熱板40bは、加熱器40cによって、印刷ヘッド36とほぼ同じ温度T0に加熱されている(図1(b)参照)。印刷ヘッド36のノズルNから伝熱板40bに向けて吐出されるインク滴Ipは、吐出直後は印刷ヘッド36とほぼ同じ温度であるが、伝熱板40bに着弾するまでに外気に熱を奪われ、また、溶媒の一部が蒸発して気化熱で温度が下がる。このため、印刷ヘッド36とほぼ同じ温度T0に加熱されている伝熱板40bにインク滴Ipが着弾すると、図1(b)に示すように、伝熱板40bの温度Tはいったん低下する。そしてその後、加熱器40cの加熱によって回復する。伝熱板40bの温度変化を検知して、焦電素子40aは図1(c)のような出力信号をシステムコントローラ54に送る。システムコントローラ54は、焦電素子40aの出力信号Vが所定のしきい値Vsを超えた場合にはノズルNからインク滴が正常に吐出されたものと判断する。
【0023】
B.第1実施例
B1.プリンタの構成:
(1)全体の構成:
図2は、本発明の第1実施例のカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0024】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。これらステップモータ30、牽引ベルト32、キャリッジ28が、特許請求の範囲にいう「主走査駆動部」に相当する。なお、印刷ヘッド36による印刷は、この主走査においてプラテン板26上の印刷用紙Pに対して行われるが、この印刷が行われるプラテン板26上の領域を「印刷領域」と呼ぶ。
【0025】
図3は、印刷ヘッド36を下面側から見た図である。印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群KDと、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群MLと、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群YDとが形成されている。
【0026】
各ノズル群の複数のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ2列ずつ整列している。印刷時には、キャリッジ28(図2)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。なお、第1実施例では、これらのノズル群はそれぞれ一列に形成されているため、「ノズル列」と表記することがある。
【0027】
印刷領域の外側(図2において右側)のガイドレール34下方には、ドット抜け検査部40と、クリーニング機構200が設けられている。なお、図2においては、クリーニング機構200はヘッドキャップ210のみ示し、他の構成は省略している。
【0028】
ヘッドキャップ210は、機密性のあるキャップであり、印刷をしないときに印刷ヘッド36に被せてノズル内のインクの乾燥を防止するものである。また、ノズルが詰まった場合にも印刷ヘッド36にヘッドキャップ210を被せて、ノズルからインクを吸引して、クリーニングを実行する。ドット抜け検査部40については後に詳述する。
【0029】
図4は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、を備えている。システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ62と、ドット抜け検査部40を駆動する検査部ドライバ63と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ66とが接続されている。
【0030】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対して制御信号を送る。
【0031】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。なお、プリンタ20の各部を制御するのは、システムコントローラ54である。すなわち、システムコントローラ54が、特許請求の範囲にいう「制御部」に相当する。
【0032】
(2)検査部の構成:
図5は、ドット抜け検査部40の構成を示す平面図である。ドット抜け検査部40は、焦電素子40a1〜40a6と、伝熱板40bを備えている。そして、伝熱板40bには、伝熱板40bの温度を一定に保つための加熱器40cが接続されている。
【0033】
伝熱板40bは、熱伝導率の高い金属板である。伝熱板40bは、各焦電素子40a1〜40a6の温度変化を検知する部分の面積よりも広い面積を有する。この伝熱板40bには、副走査方向SSに並行に延びる7本のスリット40bsが設けられている。伝熱板40bの表面は、これらのスリット40bsによって、主走査方向MSに沿って並ぶ6個のインク受け領域40b1〜40b6に分けられている。これらの領域は次のように設けられる。すなわち、キャリッジ28の主走査によって印刷ヘッド36が伝熱板40bの真上に来たときには(図2参照)、印刷ヘッド36のノズル列KDがインク受け領域40b1と向かい合う。そして、ノズル列CDがインク受け領域40b2と向かい合い、ノズル列CLがインク受け領域40b3と向かい合う。同様に、ノズル列MD、ML、YDが、それぞれインク受け領域40b4〜40b6と向かい合う。この伝熱板40bが特許請求の範囲にいう「伝熱部」に相当する。
【0034】
図6は、一つのインク受け領域に複数色のインクを吐出するノズル群が対応する態様の伝熱板を示す平面図である。第1実施例では、各色のノズル群がそれぞれ一つのインク受け領域に対応することとした。しかし、伝熱板の構成は他の構成であってもよい。例えば、第1実施例と同様の構成の印刷ヘッド36に対して、検査部の構成を図6に示す伝熱板40bnようなものとし、スリットに挟まれた各インク受け領域40b7〜9が2以上のインクのノズル群に対応することとしてもよい。図6に示す態様においては、印刷ヘッド36が伝熱板40bnの真上に来たときには、ノズル群KDとCDがインク受け領域40b7と向かい合い、ノズル群CLとMDがインク受け領域40b8と向かい合う。そして、ノズル群MLとYDが、インク受け領域40b9と向かい合う。この態様においては、それぞれ単色のインクを吐出するノズル群二つが、特許請求の範囲にいう「ノズル群」一つに相当する。すなわち、伝熱部には、互いにスリットで区切られており、それぞれ複数のノズル群のうちの一のノズル群のノズルから吐出されるインク滴を受ける複数のインク受け領域が設けられていればよい。
【0035】
また、伝熱板は板状である必要はなく、例えば、焦電素子とその周囲の構造物を覆うような箱状の形状であってもよい。すなわち、インク滴を受けるインク受け領域を有するものであれはどのような形状であってもよい。
【0036】
また、伝熱板40bは、加熱器40cに接続されている。加熱器40cは、所定の電源であり、伝熱板40bに通電することによって伝熱板40bを発熱させている。ここで、加熱器40cは独自の電源である必要はなく、たとえば駆動用の電源を共用することとしてもよい。また、加熱器40cは、伝熱板40bに接して設けられるニクロム線を備え、これに通電して発熱させることによって伝熱板40bを加熱するものであってもよい。
【0037】
加熱器40cは、システムコントローラ54および検査部ドライバ63に制御されて、伝熱板40bを印刷ヘッド36とほぼ同じ温度T0になるように加熱している。ここで、「ほぼ同じ温度」は、印刷ヘッド36の温度に対してプラス10度〜マイナス10度の範囲内であることを意味している。さらに、印刷ヘッド36の温度に対してプラス5度〜マイナス5度の範囲であることがより好ましい。なお、図5では、加熱器40cがそれぞれインク受け領域40b1〜40b6の副走査方向の下流の端に接続されているように図示されているが、これは、実際の接続位置を反映するものではない。
【0038】
伝熱板40bの裏面には、焦電素子40a1〜40a6が接続されている。これらの焦電素子は、それぞれインク受け領域40b1〜40b6のほぼ中央に相当する位置に設けられており、それぞれインク受け領域40b1〜40b6の温度変化を検知する。すなわち、図1(b),(c)に示すように、インク受け領域40b1〜40b6の温度Tが変化すると、焦電素子40a1〜40a6はそれぞれその温度低下に応じた値の出力信号Vを検査部ドライバ63に送る。この焦電素子40a1〜40a6が、特許請求の範囲にいう「感熱センサ」に相当する。なお、ここでは感熱センサとして焦電素子を使用するが、熱伝対やサーミスタなどの他の感熱センサを使用することもできる。
【0039】
伝熱板40bは熱伝導率が高いため、一つのインク受け領域、例えば、インク受け領域40b1のどこかにインク滴が着弾した場合、インク受け領域40b1に接続された焦電素子40a1は、それによる温度変化を十分に検知することができる。一方で、伝熱板40bのインク受け領域40b1〜40b6は、互いにスリット40bsによって仕切られているため、それぞれのインク受け領域に接続された焦電素子が他のインク受け領域の温度変化によって受ける影響は小さい。また、焦電素子40a1〜40a6の周囲は樹脂で覆われており、素子に直接光が当たることはない。このため、光による焦電素子の出力への影響はない。
【0040】
B2.ドット抜け検査の原理:
図1(a)に示したように、ドット抜け検査の際には、ノズルNから伝熱板40bに向けてインク滴を吐出する。印刷ヘッド36のノズルNから伝熱板40bに向けて吐出されるインク滴Ipは、吐出直後は印刷ヘッド36とほぼ同じ温度であるが、伝熱板40bに着弾するまでに気化熱で温度が下がる。このため、印刷ヘッド36とほぼ同じ温度T0に加熱されている伝熱板40bにインク滴Ipが着弾すると、図1(b)に示すように、伝熱板40bの温度Tはいったん低下する。そしてその後、加熱器40cの加熱によって回復する。伝熱板40bの温度変化を検知して、焦電素子40aは図1(c)のような出力信号を出力する。
【0041】
図7は、複数のノズルからタイミングをずらして伝熱板40bにインク滴を吐出する場合の、焦電素子40aの出力を示す説明図である。5個のノズルからそれぞれ別個に、異なるタイミングで、異なるインク受け領域(例えばインク受け領域40b1〜40b5)にインク滴を吐出する場合、各インク受け領域40b1〜40b5の温度変化は図7(a)〜(e)のようになる。なお、各ノズルからは必要に応じて一滴または複数滴ずつインクを吐出するものとする。
【0042】
いま、複数のノズルから、異なるタイミングで、同一のインク受け領域(例えばインク受け領域40b1)にインク滴を吐出する場合を考える。それぞれのインク滴による温度変化に対応した焦電素子40a1の仮想的な出力は図7(f)に破線で示すようなものになる。したがって、複数のノズルから、異なるタイミングで、同一のインク受け領域にインク滴を吐出する場合の焦電素子40a1の実際の出力は、これらを重ね合わせた図7(f)の実線で示すようなグラフとなる。
【0043】
ここで、図7(f)の区間R1は、1番目のインク滴に対応した焦電素子の出力が現れており、区間R2は、1番目と2番目のノズルのインク滴に対応した焦電素子の出力が重ね合わされて現れている。同様に、区間R3は、1〜3番目までのノズルのインク滴に対応した焦電素子の出力が重ね合わされて現れており、区間R4は、1〜4番目のノズルのインク滴に対応した焦電素子の出力が現れている。区間R5以降しばらくの間は、1〜5番目のノズルのインク滴に対応した焦電素子の出力が重なって現れている。
【0044】
区間R5以降に現れる出力信号のピークpにおいては、各ノズルに対応する感熱センサの出力信号がすべて重なって現れている。すなわち、各ノズルからのインク滴の吐出に際しては、各ノズルに対応する感熱センサの出力信号がすべて重なる時間区間が存在するように、各ノズルからインク滴を吐出する。これは、最初にインク滴を吐出したノズルからのインク滴による伝熱板の温度への影響がなくならないうちに、最後のノズルからインク滴を吐出する、と言い換えることもできる。
【0045】
図8は、複数のノズルからタイミングをずらして伝熱板40bにインク滴を吐出するときに、3番目のノズルがインク滴を吐出しなかった場合の焦電素子40aの出力を示す説明図である。この場合は、3番目のインク滴の分だけ、図7の場合に比べて焦電素子40aの出力Vが低下する。このため、その出力は図8に示すようなものとなる。なお、図8においては、図7(f)の出力信号のグラフを一点鎖線で示している。また、1,2,4,5番目の各インク滴に対応する焦電素子40aの仮想的な出力を破線で示している。
【0046】
図7(f)と図8と比較すれば分かるように、いずれかのノズルがインク滴を吐出しないと、焦電素子40aの出力波形が変化する。図8では、3番目のノズルがインク滴を吐出しない場合を例にとって説明したが、他の場合も同様である。そして、インク滴を吐出しないノズルが存在する場合、焦電素子40aの出力波形の高さが低くなる。よって、焦電素子40aの出力波形の高さが所定値Vsnを超えたか否かに応じて、すべてのノズルがインク滴を吐出しているか否かを判断することができる。
【0047】
ここでは5個のノズルについて検査する場合について説明したが、複数のノズルについて検査する場合にも、同様の考え方を採用することができる。このとき、以下の条件を満たすことが好ましい。第一の条件は、すべてのノズルが正常にインク滴を吐出した場合の焦電素子40aの出力波形には、ピークが一つだけ存在することである。第2の条件は、その出力波形のピークにすべてのノズルのインク滴の影響が反映される程度に、短い時間区間内にインク滴を吐出するように、各ノズルに吐出指示が出されることである。
【0048】
B3.ドット抜け検査の手続き:
図9は、ドット抜け検査の手続きを示すフローチャートである。ドット抜け検査をするときには、まず、ステップS1で、印刷ヘッド36を伝熱板40bと向かい合う位置に送る(図2参照)。すると、各ノズル列はそれぞれ伝熱板40bのインク受け領域40b1〜40b6と向かい合うこととなる。その後、ステップS2で、各ノズル列ごとに、各ノズルから順にインク滴を吐出する。
【0049】
図10は、1列につき8個ずつのノズルを有するノズル群のノズルについて吐出検査をする場合の、各ノズルの吐出順序およびインク受け領域40b1への着弾位置を示した説明図である。図10において、インク受け領域40b1内の○は、インク滴の着弾位置を示し、#1〜#8はそのインク滴を吐出するノズルの番号を示す。なお、ノズル番号は各ノズル列ごとに付されている。そして、○の中の数字は、各ノズルがインク滴を吐出する順番を示す。図10に示すように、ステップS2でノズル列内の各ノズルからインク滴を吐出させる場合は、ノズルの並びの順にインク滴を吐出させるのではなく、隣り合うノズルから続けてインク滴が吐出されないような順番で、各ノズルからインク滴を吐出する。すなわち、インク滴を吐出する際には、直前に吐出されたインク滴が着弾したインク受け領域40b1上の位置からノズルピッチを超える所定の距離だけ離れた位置にインク滴が着弾するように、インク滴を吐出する。また、インク滴を吐出するノズルは、その直前にインク滴を吐出したノズルが属するノズル列とは異なるノズル列に属するものが選択される。
【0050】
隣り合うノズルからインク受け領域40b1上の比較的近い位置に連続してインク滴を吐出する場合、直前のインク滴によってすでに温度変化が生じている領域にインク滴を吐出するおそれがある。このような領域にインク滴が着弾した場合、その領域の温度は大きく変化しにくいため、伝熱板全体の温度があまり下がらない。このため、インク受け領域40b1全体の温度変化がはっきりと焦電素子40a1に現れなくなるおそれがある。しかし、上記のように、連続してインク滴を吐出するノズルは互いに異なるノズル列に属するものとし、ノズルピッチを超える所定の距離だけ離してインク滴を着弾させれば、そのような問題は生じにくい。
【0051】
ステップS2で、各ノズル列について、それぞれノズルからインク滴を吐出させると、システムコントローラ54は、検査部ドライバ63を介して焦電素子40a1〜40a6の出力信号を受け取る。そして、ステップS3で、それぞれのノズル列について、焦電素子の出力信号が所定値Vsnを超えたか否かを判断して、各ノズル列に不動作ノズルが存在するか否かを判定する。不動作ノズルが存在する場合には、その後、クリーニングを行う。
【0052】
図11は、システムコントローラ54の機能部および各部を駆動するドライバを示すブロック図である。以上に説明したように、所定数のノズルから連続してインク受け領域に向けてインク滴を吐出させ、その後、焦電素子(感熱センサ)の出力信号が所定の値を超えた場合に、それらのノズルの中に非動作ノズルが存在しないと判定するのは、プリンタ20のシステムコントローラ54(図4参照)である。すなわち、システムコントローラ54が、特許請求の範囲にいう「吐出制御部」および「動作判定部」として機能する。これらの機能部を図11に吐出制御部54a、動作判定部54bとして示す。
【0053】
なお、上記第1実施例では、図7に示すように、インク滴の吐出検査において、一つのインク受け領域にインクを吐出する各ノズルからの、インク滴の吐出タイミングはずらされていた。しかし、各ノズルから同時にインク滴を吐出する態様とすることもできる。そのような態様とすれば、インク滴を吐出しなかったノズルが存在する場合に、焦電素子の出力信号の大きさがより明確に変化するため、不動作ノズルを検知しやすい。
【0054】
C.第2実施例:
図12は、第2実施例のカラーインクジェットプリンタ20aの主要な構成を示す概略斜視図である。上記実施例におけるプリンタ20は、プラテン板26に対して一方の側にのみドット抜け検査部40を有していた。しかし、第2実施例のプリンタ20aは、図12に示すように、主走査における印刷ヘッド36の行路の一部においてノズルと向かい合う位置であって、プラテン板26の両側の位置にドット抜け検査部40Rとドット抜け検査部40Lを備える。その他の点は、第1実施例のカラーインクジェットプリンタ20と同様の構成である。また、ドット抜け検査部40Rとドット抜け検査部40Lの構成は、ドット抜け検査部40の構成(図5および図6参照)と同様である。
【0055】
図13および図14は、第2実施例のプリンタ20aにおける、各ノズルの吐出順序およびインク受け領域40f1,40h1への着弾位置を示した説明図である。図12のようなプリンタ20aにおいては、印刷ヘッド36の各ノズル列内のノズルを、ドット抜け検査部40Rとドット抜け検査部40Lとで分けて検査することができる。例えば、それぞれ8個のノズルを有する2列のノズル列のノズルについて吐出検査を行う場合、ドット抜け検査部40Rのインク受け領域40f1には、図13に示したように、ノズル右#1、左#3,右#5,左#7,左#1、右#3,左#5,右#7の順に各ノズルからインク滴を吐出させる。なお、「右#1」とは、図13の右側のノズル列の上から1番目のノズルを指す。また、「左#3」とは、図13の左側のノズル列の上から3番目のノズルを指す。他のノズルについても同様の表記を行う。その後、主走査を行って印刷ヘッド36を他端のドット抜け検査部40L上に移動させ、図14に示したように、ドット抜け検査部40Lのインク受け領域40h1にノズル右#2、左#4,右#6,左#8,左#2、右#4,左#6,右#8の順に各ノズルからインク滴を吐出させる。
【0056】
このような態様においては、印刷を行いながら、プラテン板26の両側の伝熱板40f,40h上の位置までキャリッジ28の主走査を行わせ、その主走査の行路の両端位置で、インク滴の吐出検査を行うことができる。
【0057】
インク滴の着弾によって明確に伝熱板の温度が変化し、焦電素子40aで温度変化を検出できるような伝熱板の温度が、一定の温度範囲であるとすると、一度のインク滴吐出検査においてインク受け領域に吐出し、着弾を検知できるインク滴の量は限られる。一方で、上記のような態様とすれば、一度のインク滴吐出検査において一つのインク受け領域にインク滴を吐出するノズルの数を少なくすることができる。したがって、上記のような態様とすれば、各ノズルから吐出させるインク滴の数を多くして、各ノズルがインク滴を吐出しない場合の出力信号の変化(図7(f)および図8参照)を大きくすることができる。よってより正確に不動作ノズルを検出することができる。
【0058】
なお、第2実施例では、16個のノズルを2個のサブグループに分けてドット抜け検査部40Rとドット抜け検査部40Lとでそれぞれ一つずつのサブグループのインク滴の吐出検査を行うこととした。しかし、ノズル列内の各ノズルを3以上のサブグループに属するように周期的に分け、各サブグループについて、順にインク滴の吐出検査を行う態様とすることもできる。そして、それらのサブグループについてインク滴吐出検査を行うドット抜け検査部は、図2のように一つであってもよいし、図12のように2以上であってもよい。すなわち、一つの検査部が複数のサブグループのインク滴吐出検査を行うようにすることもできる。
【0059】
D.第3実施例:
図15は、第3実施例におけるドット抜け検査部40Vを示す説明図である。第3実施例のプリンタは、図15に示すように、焦電素子40aに接続された初期化用電源40iを備える。その他の点は第1実施例のプリンタ20と同様の構成である。
【0060】
焦電素子による温度変化の検知は、温度変化によって焦電素子の自発分極の状態が変化することを利用してなされる。よって、インク滴着弾後、焦電素子の自発分極の状態をインク滴が伝熱板に着弾する前の状態に早く戻してやれば、早期に次のノズルからのインク滴の着弾を検知できる状態となる。なお、この初期化用電源40iは独自に備える必要はなく、他の目的のための電源、例えば駆動用電源などと共用することができる。
【0061】
図16は、第3実施例における焦電素子の出力波形とインク滴吐出検査の時間間隔の関係を示すグラフである。システムコントローラ54は、焦電素子40aの出力信号がVsを超えたことを認識した後、初期化用電源40iを使用して焦電素子40aに電圧をかけ、焦電素子40aの自発分極の状態をインク滴が伝熱板に着弾する前の状態に戻す。なお、図16においては、初期化用電源40iを使用しない場合の出力信号Vcの変化を破線で表している。その結果、出力信号は早期に0に近づく。すると、早い段階(図16では時刻t02)で次のインク滴吐出検査を行うことができる。すなわち、検査間隔Tcを短くすることができ、インク滴吐出検査全体に要する時間を短くすることができる。図16の破線のグラフVcから分かるように、初期化用電源40iを使用しない場合は時刻t02において、まだ先のインク滴吐出検査の出力信号が残存しているため、次のノズルのインク滴吐出検査を高精度に行うことができない。
【0062】
図17は、第3実施例における、焦電素子の出力信号のグラフである。第1実施例では、図7(f)に示すように、各ノズルからのインク滴の着弾による仮想的な出力信号が重なるように(図7(f)の区間R5参照)、比較的短い時間内で複数のノズルからインク滴を吐出させた。しかし、第3実施例のプリンタでは、図17に示すように、各ノズルからのインク滴の着弾による出力信号が重ならないように所定の時間間隔Tcを開けて、インク滴の吐出検査を行う。なお、各ノズルからは必要に応じて一滴または複数滴ずつインクを吐出するものとする。
【0063】
このような態様においては、システムコントローラ54は、出力信号VがVsを超えたことを認識した回数とノズル数を比較することで、全ノズルが動作しているか否かを判断することができる。また、インク滴が着弾しなかったために出力信号VがVsを超えなかった時刻を特定することで、どのノズルが動作しなかったのかを特定することができる。
【0064】
E.変形例:
E1.変形例1:
第1実施例においては、図7(f)に示すように、複数のノズルから連続してインク滴を吐出させ、焦電素子40aからは一つのピークを有する出力波形が送られていた。そして、出力信号のピーク時の大きさが基準値Vsnを超えたか否かによって、不動作ノズルが存在するか否かを判定していた。ここで、図7(f)と図8とを比較すれば分かるように、あるノズルからインク滴が吐出されなかった場合の出力信号の波形は、最大値(ピークpにおける値)が小さくなるだけでなく、各ノズルについて独特の波形となる。よって、あらかじめ、各ノズルがインク滴を吐出しなかった場合の焦電素子40aの出力波形を記憶しておき、実際に得られた出力波形と比較することによって、不動作ノズルが存在するか否か、また、どのノズルが不動作であるか、を特定することができる。
【0065】
なお、このような態様においては、各ノズルからのインク滴の着弾による仮想的な出力信号が重なるように(図7(f)参照)、複数のノズルからインク滴を吐出させる必要はない。そして、不動作ノズルがいずれのノズルであるかによって焦電素子の出力波形を変化させるためには、各ノズルからのインク滴の吐出タイミングをずらす必要がある。
【0066】
E2.変形例2:
上記実施例においては、伝熱板40bの温度は印刷ヘッド36と同じ温度に保たれていた。しかし、伝熱板40bの温度は、インク滴の着弾によって温度変化が生じるような温度、すなわち、着弾時のインク滴の温度と異なる温度であれば、どのような温度とされてもよい。たとえば、伝熱部の温度をインク滴よりも低く設定しても、感熱センサはインク滴の着弾を検知して信号を発することができる。ただし、伝熱部の温度をインク滴の温度よりも高温とすれば、伝熱板の熱によりインク滴の気化が促進され、気化によって伝熱部の熱が奪われるので、よりインク滴の着弾を検知しやすい。
【0067】
E3.変形例3:
図18は、いわゆる千鳥配列のノズルにおける検査の順番を示す説明図である。上記実施例においては、各色のインクを吐出するノズルは印刷ヘッド36上で一列に配されていたが、各ノズルは伝熱板40bのインク受け領域に対応するノズル群であれば、どのように配されていてもよい。そして、例えば、副走査方向に互い違いに2列に配置されている場合(いわゆる「千鳥」配列)は、図18のような順番でインク滴の吐出検査を行うことができる。すなわち、連続して吐出検査を行うノズルは、互いに異なるノズル列に属し、副走査方向について列ごとのノズルピッチ2k以上離れているノズルとすることができる。
【0068】
E4.変形例4:
上記実施例では、ドット抜け検査部40は複数のインク受け領域40b1〜40b6とそれらのインク受け領域に対応する複数の焦電素子40a1から40a6が設けられていた。しかし、検査部はこれらの態様に限られるものではなく、たとえば、一つのインク受け領域とそれに対応する一つの焦電素子とを有する態様とすることもできる。このような態様であっても、ノズルの配置、各ノズルのインク滴の吐出順序や検査部の数によっては、十分に機能を果たすことができる。すなわち、検査部に設けられるインク受け領域と焦電素子との数は必要に応じて適切な数とすることができる。
【0069】
E5.その他:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、システムコントローラ54(図2)の機能の一部をホストコンピュータ100が実行するようにすることもできる。
【0070】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータ100は、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータ100にコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータ100のマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータ100が直接実行するようにしてもよい。
【0071】
この明細書において、ホストコンピュータ100とは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータ100に、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0072】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における検査部の動作の仕組みを示す説明図。
【図2】本発明の第1実施例のカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図3】印刷ヘッド36を下面側から見た図。
【図4】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図5】ドット抜け検査部40の構成を示す平面図。
【図6】一つのインク受け領域に複数色のインクを吐出するノズル群が対応する態様の伝熱板を示す平面図。
【図7】複数のノズルからタイミングをずらして伝熱板40bにインク滴を吐出する場合の、焦電素子40aの出力を示す説明図。
【図8】複数のノズルからタイミングをずらして伝熱板40bにインク滴を吐出するときに、3番目のノズルがインク滴を吐出しなかった場合の焦電素子40aの出力を示す説明図。
【図9】ドット抜け検査の手続きを示すフローチャート。
【図10】1列につき8個ずつのノズルを有するノズル群のノズルについて吐出検査をする場合の、各ノズルの吐出順序およびインク受け領域40b1への着弾位置を示した説明図。
【図11】システムコントローラ54の機能部および各部を駆動するドライバを示すブロック図。
【図12】第2実施例のカラーインクジェットプリンタ20aの主要な構成を示す概略斜視図。
【図13】第2実施例のプリンタ20aにおける、各ノズルの吐出順序およびインク受け領域40f1への着弾位置を示した説明図。
【図14】第2実施例のプリンタ20aにおける、各ノズルの吐出順序およびインク受け領域40h1への着弾位置を示した説明図。
【図15】第3実施例におけるドット抜け検査部40Vを示す説明図。
【図16】第3実施例における焦電センサの出力波形とインク滴吐出検査の時間間隔の関係を示すグラフ。
【図17】第3実施例における、焦電素子の出力信号のグラフ。
【図18】いわゆる千鳥配列のノズルにおける検査の順番を示す説明図。
【符号の説明】
20,20a…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
40,40L,40R,40V,40n…ドット抜け検査部
40a,40a1〜40a9…焦電素子
40b,40bn…伝熱板
40b1〜40b9…インク受け領域
40bs…スリット
40c…加熱器
40f…伝熱板
40f1…インク受け領域
40h…伝熱板
40h1…インク受け領域
40i…初期化用電源
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
54a…吐出制御部
54b…動作判定部
56…メインメモリ
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63…検査部ドライバ
66…ヘッド駆動ドライバ
100…ホストコンピュータ
200…クリーニング機構
210…ヘッドキャップ
CD…濃シアンインクノズル群
CL…淡シアンインクノズル群
Ip…インク滴
KD…ブラックインクノズル群
MD…濃マゼンタインクノズル群
ML…淡マゼンタインクノズル群
MS…主走査方向
N…ノズル
P…印刷用紙
R1〜R5…区間
SS…副走査方向
T…伝熱板(インク受け領域)の温度
Tc…検査間隔
T0…伝熱板(インク受け領域)の定常状態での温度
V…出力信号
Vc…初期化用電源を使用しない場合の出力信号
YD…イエローインクノズル群
p…焦電素子の出力信号のピーク
t01…あるノズルのインク滴吐出検査を行う時刻
t02…あるノズルのインク滴吐出検査を行う時刻
Claims (6)
- 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、
前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
前記ノズルを駆動してインク滴を吐出させるヘッド駆動部と、
前記複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査する検査部と、
前記各部を制御するための制御部と、を備え、
前記検査部は、
温度変化に応じた出力信号を送出する感熱センサと、
前記感熱センサに接するように設けられるとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴を受け止めるインク受け領域を有し、前記インク滴によって生じる前記インク受け領域の温度変化を前記感熱センサに伝える伝熱部と、
前記伝熱部を加熱する加熱部と、を備え
前記制御部は、
所定の数のノズルから順に連続して前記インク受け領域に向けてインク滴を吐出させる吐出制御部と、
前記連続したインク滴の吐出中または吐出後に、前記感熱センサの前記出力信号が所定の値を超えた場合に、前記所定の数のノズルの中に非動作ノズルが存在しないと判定する動作判定部と、を備え、
吐出制御部は、前記所定の数のノズルのうち互いに前後してインク滴を吐出する任意の二つのノズルにつき、前記出力信号が少なくとも一部重なるような所定の時間間隔でインク滴を吐出させ、
前記所定の時間間隔は、
前記所定の数の全ノズルからインク滴が吐出されたと仮定した場合に、各ノズルのインク滴に対応する出力信号がすべて重なる時間区間において、前記出力信号が、前記所定の値を超える一つの最高点を有する時間間隔であり、かつ、
前記所定の数のノズルのうちいずれかのノズルからインク滴が吐出されないと仮定した場合に、前記出力信号が前記所定の値を超えない時間間隔である、印刷装置。 - 請求項2記載の印刷装置であって、
前記動作判定部は、
前記複数のノズルの各ノズルがインク滴を吐出しなかった場合の前記出力信号に対応する複数の基準出力波形と、前記出力信号と、を比較し、
前記出力信号に最も近い基準出力波形に基づいて、前記複数のノズル中の非動作ノズルを特定する、印刷装置。 - 請求項2記載の印刷装置であって、
前記複数のノズルは、一定のノズルピッチで配された複数のノズルをそれぞれ含む複数のノズル列として前記印刷ヘッド上に設けられ、
前記吐出制御部は、前記所定の数のノズルのうちの2番目以降にインク滴を吐出する任意のノズルについて、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルとは異なる前記ノズル列に属するノズルであって、かつ、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルのインク滴が着弾した位置からノズルピッチを超える所定の距離だけ離れた位置に、当該ノズルのインク滴が着弾するようなノズルを選択する、印刷装置。 - 印刷ヘッドに設けられた複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷媒体に印刷を行う印刷装置において、前記複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査するドット抜け検査方法であって、
(a)温度変化に応じた出力信号を送出する感熱センサと、前記感熱センサに接するように設けられるとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴を受け止めるインク受け領域を有し前記インク滴によって生じる前記インク受け領域の温度変化を前記感熱センサに伝える伝熱部と、を備える検査部を準備する工程と、
(b)前記伝熱部を加熱する工程と、
(c)前記インク受け領域に向けて前記ノズルからインク滴を吐出させる工程と、
(d)前記感熱センサの出力信号に基づいて、非動作ノズルが存在するか否かを判定する工程と、を備え、
前記工程(c)は、所定の数のノズルから順に連続して、かつ、前記所定の数のノズルのうち互いに前後してインク滴を吐出する任意の二つのノズルにつき、前記出力信号が少なくとも一部重なるような所定の時間間隔でインク滴を吐出させる工程であって、前記所定の時間間隔は、前記所定の数の全ノズルからインク滴が吐出されたと仮定した場合に、各ノズルのインク滴に対応する出力信号がすべて重なる時間区間において、前記出力信号が、所定の値を超える一つの最高点を有する時間間隔であり、かつ、前記所定の数のノズルのうちいずれかのノズルからインク滴が吐出されないと仮定した場合に、前記出力信号が前記所定の値を超えない時間間隔である、工程を含み、
前記工程(d)は、前記連続したインク滴の吐出中または吐出後に、前記感熱センサの出力値が前記所定の値を超えたか否かに応じて、前記所定の数のノズルの中に非動作ノズルが存在するか否かを判定する工程を含む、ドット抜け検査方法。 - 請求項4記載のドット抜け検査方法であって、
前記工程(d)は、さらに、
前記複数のノズルの各ノズルがインク滴を吐出しなかった場合の前記出力信号に対応する複数の基準出力波形と、前記出力信号と、を比較する工程と、
前記出力信号に最も近い基準出力波形に基づいて、前記複数のノズル中の非動作ノズルを特定する工程と、を含むドット抜け検査方法。 - 請求項4記載のドット抜け検査方法であって、
前記複数のノズルは、一定のノズルピッチで配された複数のノズルをそれぞれ含む複数のノズル列として前記印刷ヘッド上に設けられ、
前記工程(c)は、前記所定の数のノズルのうちの2番目以降にインク滴を吐出する任意のノズルについて、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルとは異なる前記ノズル列に属するノズルであって、かつ、当該ノズルの直前にインク滴を吐出したノズルのインク滴が着弾した位置からノズルピッチを超える所定の距離だけ離れた位置に、当該ノズルのインク滴が着弾するようなノズルを選択する工程を含む、ドット抜け検査方法。
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