JP3823660B2 - 変速段検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高低2段を変速する副変速機などといった2段の変速段を有する変速機の現在の変速段位置を検出する変速段検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラックなど大型の車両に搭載されている変速機では、所定の変速段をもつ主変速機に、ハイ・ローといった高低2段の副変速機を組合わせた構造を採用している。そして、これで車両の限られたエンジンルームの中で多段の変速段を実現している。
【0003】
また変速機では、運転手の負担を軽減するために、外部から変速信号が入力されると、エアシリンダ(圧縮空気を駆動源に往復動するシリンダ)といったアクチェータを駆動して、変速機の変速操作をすることが行われている。もちろん、上記のニュートラル位置をもたない副変速機でも、外部からの変速信号により、第1変速段、例えばハイと、それとは異なる第2変速段、例えばローとの切換えが行なわれている。
【0004】
こうしたニュートラル位置のない副変速機でも、主変速機と同様、自動変速の制御のために、シフトを完了した信号が必要である。
【0005】
副変速機では、特に限られたスペースの中でシフト完了信号を得るために、変速動作にしたがい往復方向に変位する変位部材の動きを利用して信号を得ることが行なわれている。具体的には、実公平5−22677号公報に示されるように、変位部材としてエアシリンダのピストンから延びているロッド部材を用い、このロッド部材の片側に、ハイのシフト位置まで変位したロッド部材を検出するためのハイスイッチ、ローのシフト位置まで変位したロッド部材を検出するためのロースイッチ(いずれも検出素子)とを配設することが行われている。そして、この2つのスイッチにより、副変速機のハイシフト時にはハイスイッチだけがオン、ローシフト時にはロースイッチだけがオンして、変速を完了した変速段位置(ハイ、ロー)の判定が行えるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、こうした2つのスイッチでハイ・ローのシフト位置を個別に検出する構造は、スイッチのいずれかが故障を起すと、変速段位置の判定ができなくなる。
【0007】
そこで、この対策として、例えばロッド部材を挟む反対側に、ハイスイッチとロースイッチと同じ配列で、副スイッチとして副ハイスイッチと副ロースイッチを設けるという、スイッチの二重化が考えられる。
【0008】
こうした主ハイスイッチおよび主ロースイッチと、副ハイスイッチおよび副ロースイッチとの2組で、副変速機のハイシフト位置、ローシフト位置を検出する構造は、たとえスイッチのうち1つが故障を起しても、残るスイッチで、ハイ・ローのシフト位置の判定が正常に行える。しかも、故障が起きた1つのスイッチの特定が行える。
【0009】
しかしながら、そのために2組、計4つのスイッチを用いるのでは、かなりのコストの負担が強いられる。
【0010】
そこで、ロッド部材の中間の位置を検出する中間位置用のスイッチを組み合せることが考えられるが、副変速機のような2段の変速機は、中間にニュートラル位置をもたない2段変速構造なので、4つ以下の数のスイッチで、4つのスイッチを用いたときと同等の性能を得ることは難しい。
【0011】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、3つの検出素子を用いて、1検出素子が故障しても正常な変速機の変速段の検出機能が保たれ、かつ故障した検出素子の特定を可能にした変速段検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の変速段検出装置は、第1検出素子と、第2検出素子と、第3検出素子と、検出手段とを備える。第1検出素子は、第1変速段とそれとは異なる第2変速段とを有する変速機の両変速段間の変速動作にしたがい往復方向に変位する変位部材と組み合い、当該変位部材の変位にもとづき、第1変速段の位置を検出する。第2の検出素子は、第1変速段とそれとは異なる第2変速段とを有する変速機の両変速段間の変速動作にしたがい往復方向に変位する変位部材と組み合い、当該変位部材の変位にもとづき、第2変速段の位置を検出する。第3検出素子は、変位部材が、第1変速段および第2変速段の一方の位置から他方の位置へ至るにしたがい、変速されたことを表す周期的に変化する信号を出力する。検出手段は、第1〜3検出素子からの出力の変化が、それぞれ、当該各検出素子の正常なときの出力の変化と合致するかを判定し、第1〜3検出素子からの出力の変化のうちの2以上が、正常なときの出力の変化と合致すると判定されたときは、正常なときの出力の変化と合致すると判定された2以上の出力の変化から、変速段位置の変速方向と変速完了とを検出して、変速段位置の検出を行うとともに、第1〜3検出素子からの出力の変化のうちの1つが、正常なときの出力の変化と合致しないと判定されたときは、出力の変化が正常なときの出力の変化と合致しないと判定された検出素子を故障と判別する。
【0013】
すなわち、例えば、今、変速機が第1変速段から第2変速段に変速され、変位部材が変位したとする。
【0014】
すると、この変位部材の変位に伴い、第1検出素子からは、第1変速段から外れることを示す信号が出力され、第2検出素子からは第2変速段に入ることを示す信号が出力され、第3検出素子からは変位部材が第1変速段から第2変速段へ連続して変位したこと、すなわち変速されたことを表す周期的に変化する信号が出力される。
【0015】
そして、これら各第1検出素子、第2検出素子、第3の検出素子からの各信号が、検出手段において、当該各検出素子の正常なときにおける出力信号と対比される。
【0016】
ここで、第1検出素子、第2検出素子、第3検出素子は、いずれも正常であるので、正常なときの各検出素子の出力とは同じである。
【0017】
これにより、検出手段は、第1変速段から第2変速段へ変速が完了したと検出する。
【0018】
この際、例えば第1検出素子および第2検出素子の一方の検出素子が故障していたとする。
【0019】
このときには、検出手段は、残る正常な検出素子(第2あるいは第1の検出素子)の出力変化と、第3検出素子からの出力との2つだけが、正常な検出素子の出力履歴と合致するようになる。
【0020】
ここで、正常な他方の検出素子の出力変化は、第1変速段から第2変速段へ向かう変速方向を特定し、第3検出素子から出力される周期的な信号は、変速を完了したことを表しているから、第1検出素子あるいは第2検出素子が故障しても、残る2つの検出素子からの出力だけで、変速機が第2変速段に変速されたことが検出される。すなわち、変速機の変速段の位置検出が行える。
【0021】
また例えば第3検出素子が故障していたとする。
【0022】
このときには、検出手段は、残る正常な第1検出素子と第2検出素子からの出力変化だけが、正常な検出素子の出力履歴と合致するようになる。
【0023】
ここで、正常な第1検出素子、第2検出素子からの出力変化は、変速方向の特定と、変速が完了したことを表すから、第3検出素子が故障しても、残る第1検出素子、第2検出素子からの出力だけで、同様に変速機の変速段の位置検出が行われる。
【0024】
したがって、コスト的に安価な3つの検出素子の組み合わせた検出構造により、1つ検出素子が故障しても、残る検出素子の出力信号の組み合わせから、正常な変速機の変速段の検出機能が保たれるようになる。しかも、故障した検出素子の信号は、正常なときの信号とは異なるから、信号の差異による判別により、3つの検出素子の中から故障した1つの検出素子が特定され、同時に故障した検出素子の検出も行える。
【0025】
請求項2に記載の変速段検出装置は、上記目的に加え、さらに簡単な構造で、変速段の検出と故障検出との双方を両立させるように、第1検出素子を、第1変速段の位置がオン信号で出力される第1オンオフスイッチから構成し、第2検出素子を、第2変速段の位置がオン信号で出力され第2オンオフスイッチで構成し、第3検出素子を、第1変速段の位置と第2変速段の位置がオン信号で出力され、両位置間がオフ信号で出力される第3オンオフスイッチから構成したことにある。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1ないし図3に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0027】
図1は、大形車両、例えばトラックに搭載される自動変速装置の一部を示し、図中1は走行用のエンジン、2は同エンジン1にクラッチ部(図示しない)を介して連結された主変速機、10はこの主変速機2と組んで多段の変速段を得る副変速機(本願の変速機に相当)である。
【0028】
主変速機2には、アクチェータ、例えば空気圧をシフト駆動源に用いたシフトユニット3で、所定の変速段、例えば常時噛合式の歯車変速機構4で形成された4つの変速段を切換え可能とした構造が用いられている。なお、5は、シフトユニット3へエアタンク(空気圧の供給源)からの空気圧を導くための流路を示している。
【0029】
副変速機10には、例えば高変速段(第1変速段に相当)とそれより変速比の低い低変速段(第2変速段に相当)といったハイ・ロー2つの変速段を切換え可能としたニュートラル位置をもたない常時噛合式の歯車変速機構11に、同歯車変速機構11を外部から切換え操作するアクチュエータ、例えば空気圧式のシリンダ機構12を組み合せた構造が用いられている。具体的には、シリンダ機構12は、例えば副変速機10のケース10aに、内部にピストン13aが往復動可能に収められたシリンダ13を取付け、このシリンダ13のピストン13aと歯車変速機構11に付いている操作レバー11aとの間を直線状のロッド部材15(本願の変位部材に相当)で直列につないだ構造が用いられている。そして、ピストン13を挟むシリンダ13の隔室13x,13yは、それぞれ途中に3方形(1つが大気開放)の電磁弁16が介装された流路16a,16bを通じてエアタンク(空気圧の供給源)に接続してあり、各電磁弁16で行なわれる流路切換えにより、隔室13x,13yのうち一方の室へ圧力空気が導入され、同時に他方の室の圧力が大気に逃げて、ピストン13、すなわちロッド部材15が往復方向(図中の左右方向)に変位するようにしてある。このロッド部材15の変位が、操作レバー11aを経て、歯車変速機構11のシフトフォークからシンクロリング(いずれも図示しない)へと伝達され、歯車変速機構11を高変速段あるいは低変速段へ切換えられるようにしてある。
【0030】
主変速機2のシフトユニット3、副変速機10の各電磁弁16は、ECU17(例えばマイクロコンピュータより構成されるもの)に接続されていて、トラックの運転席にある自動変速操作用のチェンジレバー6をDレンジにすると、車速(図示しない車速センサで検出される速度)、アクセルペダル7の開度(アクセルセンサ8で検出される開度)、エンジン1の回転数(エンジン回転数センサ1aで検出された回転数)にもとづき、あらかじめ設定された変速モードにしたがい、主変速機2(4段)と副変速機10(2段)とを組み合せた計8段の変速が行なわれ、チェンジレバー6をDレンジと隣接するマニュアルゲート9のシフトアップ(+)側あるいはシフトダウン(−)側へシフトすると、同操作にしたがって任意に変速段が変わるようにしてある。
【0031】
シリンダ機構12のロッド部材15には、こうした変速制御のために、副変速機10での各シフト位置を検出する変速段検出装置20が取付けられている。この変速段検出装置20に本発明が適用されている。そして、同変速段検出装置20の詳細な構造が図2に示されている。
【0032】
変速段検出装置20の構造について説明すれば、図中21はロッド部材15の側面、例えばロッド部材15の一端寄りとなる操作レバー11a寄りの上方地点に配設された配置されたハイスイッチ(本願の第1検出素子に相当)、22は同ハイスイッチ21からピストン13a寄りの所定に離れた上方地点に配設されたロースイッチ(本願の第2検出素子に相当)である。これらハイスイッチ21、ロースイッチ22は、いずれもオンオフ部23が下側に突き出たオンオフスイッチから構成してある。これらオンオフスイッチは、下側に突き出たオンオフ部23が引っ込む(退避)とオン信号を発し、戻ると(出ると)オフ信号を発する機能をもつ。各オンオフスイッチは、このオンオフ部23が、ロッド部材15の上面によって下側から押圧されるように取付けてある。また各オンオフ部23と向き合いながら変位するロッド部材23の上面域には、図2(a)に示されるように例えばロッド部材15が最右側へ変位してハイシフトが完了したとき、ハイスイッチ21をオン、ロースイッチ22をオフさせ、反対に同図(b)に示されるようにロッド部材15が最左側へ変位してローシフトが完了したとき、ハイスイッチ21をオフ、ロースイッチ22をオンさせる凹部24が形成されている。この凹部24により、副変速機10がハイシフト位置からローシフト位置へ切り換わると、ハイスイッチ21から「オン→オフ」の信号、ロースイッチ22から「オフ→オン」の信号が出力され、ローシフト位置からハイシフト位置へ切り換わると、ロースイッチ22から「オン→オフ」の信号、ハイスイッチ21から「オフ→オン」の信号が出力されるようにしてある。なお、図2中のA〜Cは、凹部24の底面とこれを挟むロッド部材15の上面部分とで形成されるハイ・ロースイッチ21,22のオン域、オフ域を示している。
【0033】
また例えばロースイッチ22から所定の距離、ピストン13a寄りに離れた地点には、例えばハイ・ロースイッチ21,22と同じオンオフスイッチで構成されたエヌスイッチ25(本願の第3検出素子に相当)が配設されている。同スイッチ25も、ハイ・ロースイッチ21,22と同様、ロッド部材15の上面によってオンオフ部23が下側から押圧されるように取付けてある。このエヌスイッチ25のオンオフ部23と向き合いながら変位するロッド部材23の上面域、詳しくは図2(a),(b)に示されるようにロースイッチ22のオン域Cと隣接した領域には、凹部26が形成されている。この凹部26は、ロッド部材15がハイシフト位置とローシフト位置とにあるときエヌスイッチ25をオンさせ、両シフト位置間にあるときエヌスイッチ25をオフさせる形状をなしている。この凹部26により、副変速機10がハイシフト位置からローシフト位置への切換えを完了、反対にローシフト位置からハイシフト位地への切換えを完了すると、エヌスイッチ25から、「オン→オフ→オン」といった変速完了を表す周期的に変化する信号が出力されるようにしてある。なお、図2中のオン域Cに続く,D,Eは、凹部26の底面とこれを挟むロッド部材15の側面部分とで形成されるエヌスイッチ25オン域、オフ域を示している。
【0034】
ECU17には、これらハイスイッチ21、ロースイッチ22、エヌスイッチ25といった3つのオンオフスイッチが接続されている。またECU17には、シフト位置を検出するためにつぎのような検出機能が設定されている。
【0035】
a.副変速機10がハイシフト位置およびローシフト位置の一方から他方へ変速操作されたときのハイスイッチ21、ロースイッチ22の出力の変化と、エヌスイッチ25の周期的な出力の変化とを、各スイッチ21,22,25が正常なときの3つ信号の出力変化と照合する機能。
【0036】
b.照合により、2以上の信号で合致するかを判定する機能。
【0037】
c.合致した信号にもとづき現変速段の位置を検出する機能。
【0038】
d.判定結果から、故障したスイッチを特定する機能。
【0039】
e.故障と特定したスイッチをECU17に接続した報知手段27(ランプ、音、信号出力など)を通じて外部に知らせる機能。
【0040】
これら機能により、万一、各スイッチ21,22,25のうち1つのスイッチが故障することがあっても、正常な副変速機10の変速段の検出機能が保たれるようにしている。と同時に、どのスイッチが故障したかがわかるようにしてある(検出手段に相当)。
【0041】
すなわち、本発明の要部となる変速段検出装置20の作用について説明すれば、予め設定された変速モードあるいはチェンジレバー6によるマニュアル操作により、今、副変速機10が高変速段から低変速段へ変速操作されるとする(ローシフト時)。
【0042】
このとき、ピストン13aおよびロッド部材15は、シリンダ機構12の作動、すなわちシリンダ13の右側の隔室13y内へ圧力空気が導入され、左側の隔室13x内から圧力空気が大気へ抜けることによって、最右側から最左側へ変位する。この変位が、操作レバー11aから、歯車変速機構11のシフトフォークに伝達され、シンクロシングを移動させて、歯車変速機構11を高変速段から低変速段へ変速させる[ハイ→ロー:図2(a)→図2(b)]。
【0043】
このとき、ロッド部材15の変位、すなわち図2(a)に示すロッド位置から図2(b)に示すロッド位置へ移るのに伴い、図3に示されるようにハイスイッチ21からは、ハイシフト位置から外れることを示す「オン」から「オフ」へ変化する信号が出力され、ロースイッチ22からはローシフト位置に入ることを示す「オフ」から「オン」へ変化する信号が出力され、エヌスイッチ25からはロッド部材15がハイシフト位置からローシフト位置へ連続して変位したこと、すなわち変速が完了したことを表す「オン」から「オフ」を経て「オン」へ戻る周期的に変化する信号が出力される。
【0044】
そして、ECU17において、これらの各スイッチ21,22,25からの各信号が、当該各スイッチの正常なときにおける出力信号と対比される。
【0045】
ここで、ハイスイッチ21、ロースイッチ22、エヌスイッチ25が、いずれも正常であれば、正常なときの出力と、3つ共、同じである。
【0046】
これにより、ECU17は、高変速段(ハイ)から低変速段(ロー)への変速が完了したと検出して、副変速機10の変速動作を終える。
【0047】
この際、例えばハイスイッチ21およびロースイッチ22のうち一方、例えばロースイッチ22が故障していたとする。
【0048】
そのため、ECU17は、残る正常なハイスイッチ21の出力変化と、エヌスイッチ25の出力との2つだけが、正常なときの出力履歴と合致する。
【0049】
ここで、正常なハイスイッチ21の出力変化(オン→オフ)は、ハイからローへ向かう変速方向を特定し、エヌスイッチ25から出力される周期的な信号(オン→オフ→オン)は、変速を完了したことを表している。
【0050】
それ故、ロースイッチ22が故障しても、残るハイスイッチ21、エヌスイッチ25といった2つのスイッチからの出力だけで、正常に副変速機10がハイシフト位置からローシフト位置に変速されたこと、すなわち副変速機10におけるローシフト位置の位置検出が行える。
【0051】
なお、ロースイッチ22でなく、ハイスイッチ21が故障しているときでも、同様にロースイッチ22、エヌスイッチ25からの2つの出力だけで、正常に副変速機10がハイシフト位置からローシフト位置に変速されたことの検出が行なわれる。
【0052】
またハイスイッチ21やロースイッチ22でなく、エヌスイッチ25が故障したとする。
【0053】
このときは、ECU17は、残る正常なハイスイッチ21とロースイッチ22からの出力変化だけが、正常なときの出力履歴と合致する。
【0054】
ここで、正常なハイスイッチ21、ロースイッチ22の出力変化は、変速方向の特定と、変速が完了したことの2つを表すから、エヌスイッチ25が故障したとしても、ハイスイッチ21、ロースイッチ22からの出力だけで、正常に副変速機10のローシフト位置の位置検出が行える。
【0055】
こうした検出機能のバックアップは、ハイシフト位置からローシフト位置へ変速させるときだけでなく、副変速機10をローシフト位置からハイシフト位置へ変速させるときにも、同様に行なわれる。
【0056】
したがって、3つのスイッチを組み合わせたコスト的な安価な検出構造で、3つのうちのいずれか1つが故障したときでも、残るスイッチの出力信号の組み合わせから、副変速機10における正常な変速段の検出機能を確保できる。
【0057】
しかも、故障したスイッチの信号は、正常なときの信号とは異なるから、信号の差異による判別により、3つのスイッチ21,22,25の中から故障した1つのスイッチを特定することができ、故障したスイッチの検出が同時にできる。そのうえ、この検出から報知手段26を作動させることにより、速やかにその旨を運転者などへ報知できる。
【0058】
またこの際、ハイシフト位置からローシフト位置への変速のときにおいて、ロースイッチ22がオフ状態のままとなる故障であれば、ロースイッチ22は「断線」と特定でき、ハイスイッチ21がオン状態のままとなる故障であれば、ハイスイッチ21は「ショート」と特定でき、エヌスイッチ25がオン状態のままとなる故障であれば、エヌスイッチ25は「ショート」と特定でき、エヌスイッチ25がオフ状態のままとなる故障であれば、エヌスイッチ25は「断線」と特定できる。もちろん、ローシフト位置からハイシフト位置への変速のときにおいても、ロースイッチ22がオン状態のままとなる故障であれば、ロースイッチ22は「ショート」と特定でき、ハイスイッチ21がオフ状態のままとなる故障であれば、ハイスイッチ21は「断線」と特定でき、エヌスイッチ25がオン状態のままとなる故障であれば、エヌスイッチ25は「ショート」と特定でき、エヌスイッチ25がオフ状態のままとなる故障であれば、エヌスイッチ25は「断線」と特定でき、故障したスイッチの状況も把握できる。
【0059】
しかも、ハイスイッチ21、ロースイッチ22、エヌスイッチ25は、いずれもオンオフスイッチを用いてあるので、簡単な3つのスイッチを用いた検出系の構造で、ニュートラル位置をもたない副変速機10における変速段の検出と故障検出との双方を両立させることができる。
【0060】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば上述した一実施形態では、ハイスイッチ、ロースイッチ、エヌスイッチ共、ロッド部材の側面の起伏を用いて、オンオフするスイッチを用いたが、それ以外でオンオフするスイッチ、例えば発光素子・受光素子を用いた光検出手段でもよい。また一実施形態では、ハイスイッチとロースイッチが並ぶ列の外側にエヌスイッチを配置したが、同スイッチは同位置でなく他の位置、例えばハイスイッチとロースイッチとの間に配置してもよく、要は周期的なシフト完了を表す周期的な信号が出力さえすればよく、設置位置に限定されない。また一実施形態では、ロッド部材の変位で各スイッチがオンオフする例を挙げたが、これに限らず、変速操作に伴い往復方向に変位する変位部材(例えばシフトフォークを動かすレール部材等)で、各スイッチがオンオフする構造にしてもよい。さらに一実施形態では、本発明を副変速機に適用したが、他のニュートラル位置をもたない2つ変速段をもつ変速機に適用してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明に記載の発明によれば、第1検出素子〜第3検出素子のうち2以上の出力が有りさえすれば、正常な変速機の変速段の検出ができる。
【0062】
したがって、3つの検出素子の組み合せた安価な構造で、万一、検出素子の中の1つが故障したとしても、同故障に関わらず、正常な変速機の変速段の検出機能を発揮することができる。しかも、故障した検出素子の信号は、正常なときの信号とは異なるから、同差異により、故障した検出素子を特定でき、同時に故障した検出素子の検出もできる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、簡単な検出系の構造で、ニュートラル位置をもたない副変速機における現変速段位置の検出と検出素子の故障検出との双方を両立させることができる。しかも、故障したスイッチから出力される信号から、スイッチの故障状況がわかる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る変速検出装置を、同装置を適用した副変速機の変速制御装置と共に示す図。
【図2】同装置の3つのオンオフスイッチを用いた検出系の構造を、副変速機のハイシフト時の状態とローシフト時の状態と共に示す図。
【図3】副変速機がハイシフト位置からローシフト位置へ変速されるとき、ローシフト位置からハイシフト位置へ変速されるときにおける各スイッチの出力変化を説明するための線図。
【符号の説明】
10…副変速機
15…ロッド部材(変位部材)
17…ECU(検出手段)
20…変速段検出装置
21…ハイスイッチ(第1検出素子、第1オンオンスイッチ)
22…ロースイッチ(第2検出素子、第2オンオンスイッチ)
25…エヌスイッチ(第3検出素子、第3オンオンスイッチ)。
Claims (2)
- 第1変速段とそれとは異なる第2変速段とを有する変速機の両変速段間の変速動作にしたがい往復方向に変位する変位部材と組み合い、当該変位部材の変位にもとづき、前記第1変速段の位置を検出する第1検出素子および前記第2の変速段の位置を検出する第2検出素子と、
前記変位部材が、前記第1変速段および前記第2変速段の一方の位置から他方の位置へ至るにしたがい、変速されたことを表す周期的に変化する信号を出力する第3検出素子と、
前記第1〜3検出素子からの出力の変化が、それぞれ、当該各検出素子の正常なときの出力の変化と合致するかを判定し、前記第1〜3検出素子からの出力の変化のうちの2以上が、前記正常なときの出力の変化と合致すると判定されたときは、前記正常なときの出力の変化と合致すると判定された前記2以上の出力の変化から、変速段位置の変速方向と変速完了とを検出して、変速段位置の検出を行うとともに、前記第1〜3検出素子からの出力の変化のうちの1つが、前記正常なときの出力の変化と合致しないと判定されたときは、出力の変化が前記正常なときの出力の変化と合致しないと判定された前記検出素子を故障と判別する検出手段と、
を具備したことを特徴とする変速段検出装置。 - 前記第1検出素子は、前記第1変速段の位置がオン信号で出力され、前記第1変速段以外の位置がオフ信号で出力されるように構成された第1オンオフスイッチからなり、
前記第2検出素子は、前記第2変速段の位置がオン信号で出力され、前記第2変速段以外の位置がオフ信号で出力されるように構成された第2オンオフスイッチからなり、
前記第3検出素子は、前記第1変速段の位置と前記第2変速段の位置がオン信号で出力され、両位置間がオフ信号で出力されるように構成された第3オンオフスイッチからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の変速段検出装置。
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