JP3824149B2 - ブースタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブースタに関し、特に、ケーブルテレビシステム等の共聴伝送路に適用して良好なブースタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、戸建て住宅が多数軒を並べる大規模ニュータウンや集合住宅群を含む複合型ニュータウン、あるいは、地方都市等におけるコミュニケーション手段として、所定のエリア内や住居棟内の複数の住戸とケーブルテレビ(以下、「CATV」と略記する)センター局とを共聴伝送路(例えば、光・同軸伝送ケーブル網)を介して接続し、双方向に情報や信号の伝送を行う双方向CATVシステムが知られている。
【0003】
近年においては、このような双方向CATVシステムを利用して、CATVシステム本来のテレビ放送等のリクエストや配信サービスに加え、各住戸に設置されたセキュリティーセンサからの火災やガス漏れ、不審者の侵入等の異常事態の発生に関する各種情報を収集してCATVセンター局側で集中管理する集中監視型のセキュリティサービスや、各住戸に設置されたパーソナルコンピュータ等の情報通信端末をCATVセンター局を経由して、インターネットや公衆電話回線網等の電気通信回線網に接続して各種情報の送受信を行う通信接続サービスも提供されるようになってきている。
【0004】
ここで、各住戸とCATVセンター局との間に敷設される共聴伝送路を介して伝送される信号は、具体的には、図5に示すように、概ね10〜55MHzの周波数帯域を上り回線用に設定して、各住戸からCATVセンター局へのリクエスト信号の送信や、インターネット等を介して提供される情報の送受信が行われ、一方、概ね70〜770MHzの周波数帯域を下り回線用に設定して、約100チャンネル分のテレビ放送信号(例えば、VHF放送信号、UHF放送信号等)の伝送が行われるように構成されている。なお、共聴伝送路を介して送受信される信号は、1チャンネル分のテレビ放送信号に割り当てられる周波数幅6MHzを基準にして、上記リクエスト信号やインターネット情報等が伝送される。
【0005】
また、一般に、CATVシステムの共聴伝送路における信号の伝送損失を補償するために、共聴伝送路の経路中の随所に所定の利得で信号を増幅するブースタが設置されている。ここで、従来技術におけるブースタの概略回路構成は、例えば、図6に示すように、下り回線側の増幅機能部APdと上り回線側の増幅機能部APuが分波混合器Dsを介して並列に接続された構成を有している。また、上り回線側の増幅機能部APuには、高周波リレーRLa、RLbを介して、アンプAMPが接続された信号増幅経路(信号増幅回路)と、信号線Lpのみからなる信号パス経路(信号パス回路)が並列に設けられ、さらに、アンプAMP及び高周波リレーRLa、RLbへの駆動電力の供給を切り換え制御するスイッチSWpが設けられた構成を有している。
【0006】
このような従来構成において、スイッチSWpを切り換え操作して、アンプAMP及び高周波リレーRLa、RLbへの駆動電力の供給状態を切り換え制御することにより、上り回線側の信号経路として、上記信号増幅経路(アンプAMP)を選択して所定の利得で入力信号を増幅処理する信号増幅機能(スイッチSWpが接点Na接続時)と、上記信号パス経路(信号線Lp)を選択して入力信号をそのまま通過させる信号パス機能(スイッチSWpが接点Nb接続時)と、アンプAMP及び高周波リレーRLa、RLbの双方への駆動電力の供給を遮断して、上り回線側の増幅機能部APuの機能を停止させ、入力信号に基づく信号の出力を遮断する信号カット機能(スイッチSWpが接点Nc接続時)のいずれかを選択的に設定することができる。
【0007】
したがって、CATVシステムの共聴伝送路の設計及び構築において、該共聴伝送路中で必要とされる機能(信号増幅機能、信号パス機能又は信号カット機能のいずれか)を、単一のブースタを適用して、スイッチを切り換え操作することにより簡易に実現することができる。なお、図6に示したような双方向のブースタ(増幅器)の構成は、例えば、特開2000−197019号公報等に詳しく記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような構成を有するブースタにおいては、以下に示すように、伝送特性の劣化を生じる等の問題点を有していた。
すなわち、スイッチを操作して信号経路を切り換えて、上記各機能を実現した場合の信号特性を検討すると、信号増幅機能を選択設定した場合においては、図7(a)に示すように、概ね10〜55MHzの周波数帯域を有する上り回線の入力信号が、アンプAMPに設定された所定の利得(図では、利得30dBの場合を示す)で増幅処理されて出力され、また、信号カット機能を選択設定した場合においては、図7(b)に示すように、入力信号の伝送経路が遮断されるため、実質的に0Vのレベルを有する信号が出力される。
これに対して、信号パス機能を選択設定した場合においては、信号線Lpにおける伝送損失や共聴伝送路に介挿されるフィルタによるフィルタロス(挿入損失)より、図7(c)に示すように、入力信号本来のレベルに対して、例えば、数dBの減衰が生じた信号が出力されるという問題を有していた。
【0009】
ここで、CATVシステムを構成する共聴伝送路においては、一般に、CATVのサービス対象となる住戸に対して、少数の幹線から多数の支線を順次分岐、分配して配線するツリーアンドブランチ方式のネットワークが採用されているため、上り回線において、各住戸からCATVセンター局に伝送される信号が、多数の支線から順次少数の幹線に集中することにより、各住戸内や共聴伝送路の途中で発生する各種のノイズが加算、増幅される、いわゆる、流合雑音の影響が多大となって、ネットワークのCN比(carrier to noise ratio:搬送波対雑音比)が著しく悪化するという問題を有している。そのため、上述したようなブースタを適用して共聴伝送路の設計、構築を行う場合にあっては、上り回線において発生するノイズを極力低減するとともに、信号利得を良好に維持する対策を講じる必要があった。
【0010】
また、上述したようなブースタにおいて、信号増幅経路と信号パス経路を同一基板上に形成する場合にあっては、双方の信号経路を電気的に分離して(アイソレーションを講じて)、信号増幅経路側で発生するノイズ(アンプノイズ)が信号パス経路側に混入しないように構成する必要があり、例えば、図6に示したように、信号経路中に高周波リレー等を介在させた構成が適用されるが、この場合、ブースタの回路構成が大掛かりになるとともに、製品コストの上昇を招くという問題を有していた。
【0011】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑み、CATVシステム等の共聴伝送路に適用されるブースタであって、簡易な回路構成により、信号パス時の挿入損失を抑制して伝送特性の向上を図りつつ、製品コストの削減を図ることができるブースタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係るブースタは、少なくとも、入力された信号を所定の利得を有するように増幅処理する信号増幅機能と、前記入力された信号をそのまま通過させる信号パス機能と、を備えたブースタにおいて、前記入力された信号を所定の利得を有するように増幅処理する信号増幅部と、前記信号増幅部の後段に設けられ、前記信号増幅部により増幅処理された信号の利得を相殺するように減衰処理を行う信号減衰部と、前記信号減衰部に並列に設けられた前記信号増幅部の出力信号を減衰せずに出力する信号路と、前記信号増幅部の後段に、前記信号減衰部又は前記信号路の何れかを選択的に切り換えて接続することにより、前記信号増幅部により増幅処理された信号を、前記信号減衰部又は信号路に入力させる切り換えスイッチと、前記ブースタを信号増幅機能として使用する場合は、前記信号増幅部の後段に前記信号路が接続するように前記切り換えスイッチを操作することにより、前記信号増幅部により増幅された信号を減衰せずに出力させ、信号パス機能として使用する場合は、前記信号増幅部の後段に前記信号減衰部が接続するように前記切り換えスイッチを操作することにより前記信号増幅部により増幅された信号の利得を相殺させて出力させる操作手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載のブースタは、請求項1記載のブースタにおいて、前記信号減衰部は、複数のアッテネータを直列接続した構成を有していることを特徴としている。
請求項3記載のブースタは、請求項1又は2記載のブースタにおいて、前記切り換えスイッチは、さらに前記信号減衰部と前記信号路を共に前記信号増幅部から切り離す接点を備え、前記ブースタは、前記切り替えスイッチを接点側に切り換えることにより、信号増幅部により増幅された入力信号を遮断する信号カット機能を備えていることを特徴としている。
請求項4記載のブースタは、請求項1乃至3の何れかに記載のブースタにおいて、前記ブースタは、ケーブルテレビシステムを構成する共聴伝送路に設置されることを特徴としている。
【0015】
すなわち、本発明に係るブースタは、信号増幅部の後段に信号減衰部が接続された構成を備えた信号パス回路を有し、前段の信号増幅部により所定の利得を有するように増幅処理された信号が、後段の信号減衰部により前記利得分を相殺するように減衰処理される。これにより、信号パス回路を介して信号を伝送する場合であっても、入力された信号に対して、ノイズや伝送損失の発生が抑制されて、実質的にそのままの信号レベルを有する出力信号を出力することができる。したがって、CN比が良好で伝送特性に優れた信号パス回路を備えたブースタを実現することができる。
【0016】
ここで、上記信号減衰部として、信号の利得を減衰処理するアッテネータ(ATT)を適用することにより、信号増幅機能を実現するために本来ブースタに設けられている信号増幅部の後段に、1又は複数のアッテネータを直列に接続する簡易な構成で、上述した信号パス回路を実現することができる。
特に、信号増幅回路と信号パス回路を同一基板上に形成する場合にあっては、上記信号増幅部から出力される信号と、信号増幅部から信号減衰部(アッテネータ)を介して出力される信号とを選択的に切り換えて出力する切り換えスイッチを設け、該切り換えスイッチにより信号増幅部からの信号を選択した場合に、所定の利得を有する信号を出力する信号増幅回路が構成され、一方、信号減衰部からの信号を選択した場合に、入力信号と同等の信号レベルを有する信号を出力する信号パス回路が構成されるので、本来ブースタに設けられている信号増幅部に加え、信号減衰部(アッテネータ)及び切り換えスイッチを備えるだけの簡易な構成により、信号増幅機能と信号パス機能とを備えたブースタを実現することができる。ここで、切り換えスイッチにおいて、信号経路を遮断する接点を設けることにより、上記信号増幅機能及び信号パス機能に加え、信号カット機能を備えたブースタを簡易に実現することができる。
【0017】
さらに、このような回路構成を有するブースタによれば、信号増幅回路と信号パス回路を同一基板上に形成する場合にあっても、信号増幅回路側で発生するノイズ(アンプノイズ)が信号パス回路側に混入することがないので、上述したような高周波リレー等の高価な回路部品を信号経路中に介在させて、信号増幅回路と信号パス回路の双方の信号経路を電気的に分離する(アイソレーションを講じる)必要がなく、ブースタの回路構成を簡素化しつつ、伝送特性の向上を図るとともに、製品コストの削減を図ることができる。
したがって、このようなブースタをCATVシステムの共聴伝送路に適用することにより、上り回線において、各住戸内や共聴伝送路の途中で発生する各種のノイズが加算、増幅されて伝送される流合雑音が抑制されるので、ネットワークにおける伝送特性(CN比)の大幅な改善を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係るブースタに適用される信号パス回路について説明する。
図1は、本発明に係るブースタに適用される信号パス回路の一実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実施形態に係る信号パス回路における伝送特性を示す信号波形図である。
【0019】
本実施形態に係る信号パス回路は、概略、図1に示すように、入力端子INと出力端子OUTとの間に、アンプAMP1、AMP2及びゲインコントローラGCを備えた信号増幅部APaと、該信号増幅部APaの後段に設けられ、複数段のアッテネータATTを備えた信号減衰部ATaと、信号増幅部APaの前段及び信号減衰部ATaの後段に設けられたバンドパスフィルタBPFと、が接続された構成を有している。
【0020】
信号増幅部APaは、入力端子INから入力され、入力側のバンドパスフィルタBPFにより所定の周波数帯域(例えば、10〜55MHz)の信号成分のみが通過するように帯域制限された信号に対して、アンプAMP1、AMP2及びゲインコントローラGCにより、所定の利得(例えば、30dB)の信号増幅率で増幅処理を行う。また、信号減衰部ATaは、信号増幅部APaにより増幅処理された信号に対して、所定の利得(例えば、10dB)の信号減衰率を有する複数段(ここでは、3段)のアッテネータATTにより、減衰処理を行う。信号減衰部ATaにより減衰処理された信号は、出力側のバンドパスフィルタBPFにより再び、所定の周波数帯域(例えば、10〜55MHz)の信号成分のみが通過するように帯域制限された後、出力信号として出力端子OUTから出力される。
【0021】
このような構成を有する信号パス回路において、信号増幅部APaにおける伝送特性は、図2(a)に示すように、入力信号のうち、例えば、CATVシステムの上り回線に適用される概ね10〜55MHzの周波数帯域の信号成分のみが利得30dBの信号増幅率で増幅処理されて、接点Naに出力される。一方、信号減衰部ATaにおける伝送特性は、図2(b)に示すように、信号減衰部ATaへの入力信号(接点Naの信号)に対して、各アッテネータATTに設定されている利得10dBを3段重ねた−30dBの信号減衰率で減衰処理されて、出力端子OUTに出力される。
【0022】
したがって、本実施形態に係る信号パス回路全体の伝送特性は、図2(c)に示すように、入力端子INから入力される、概ね10〜55MHzの周波数帯域の信号成分からなる入力信号に対して、信号増幅部APaにより利得30dBの信号増幅率で増幅処理された後、接点Naを介して、信号減衰部ATaにより利得30dBの信号減衰率で減衰処理されて出力端子OUTから出力されるので、信号パス回路中に付与される利得分が相殺されて、実質的に入力端子INに入力された信号本来の信号レベルを有する出力信号が出力端子OUTから出力されることになる。これにより、入力信号に対して、ノイズや伝送損失の発生が良好に抑制された信号パス回路を実現することができる。
【0023】
なお、本実施形態に示した信号パス回路により処理される信号の周波数帯域(10〜55MHz)や利得(30dB)は、説明の都合上、一例を示したものにすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。したがって、CATVシステム等の共聴伝送路への適用に際して、システムの仕様等にあわせて、適宜設定されるものであってもよい。また、信号増幅部APaにおけるアンプや、信号減衰部ATaにおけるアッテネータの段数についても、これに限定されるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。
【0024】
次いで、上述した信号パス回路を備えたブースタの概略構成について説明する。
図3は、上述した信号パス回路を備えたブースタの一実施形態を示す概略構成図であり、図4は、本実施形態に係るブースタにおける伝送特性を示す信号波形図である。
【0025】
本実施形態に係るブースタは、概略、図3に示すように、入力端子INと出力端子OUTとの間に、下り回線側の増幅機能部APdと上り回線側の増幅機能部APuが分波混合器Dsを介して並列に接続された構成を有し、特に、上り回線側の増幅機能部APuには、入力側のバンドパスフィルタBPFと、アンプAMP11、AMP12及びゲインコントローラGCを備えた信号増幅部APb(図1に示した信号パス回路の信号増幅部APaに相当する)と、信号増幅部APbの出力側に設けられ、各々3接点Nx、Ny、Nzを有する切り換えスイッチSWx、SWyと、切り換えスイッチSWx、SWyの特定の接点Nx間に接続され、3段のアッテネータATTを備えた信号減衰部ATb(図1に示した信号パス回路の信号減衰部ATaに相当する)と、切り換えスイッチSWx、SWyの特定の接点Ny間に接続された信号線Laと、出力側のバンドパスフィルタBPFと、を備えた構成を有している。
【0026】
ここで、信号増幅部APbを構成するアンプAMP11、AMP12及びゲインコントローラGCにより実現される利得は、本来ブースタが信号増幅機能として備える利得に相当するように設定されている。なお、説明の都合上、上述した信号パス回路と同様に、上記信号増幅部APbを構成するアンプAMP11、AMP12及びゲインコントローラGCにより設定される利得(信号増幅率)を30dBとし、信号減衰部ATbを構成する3段のアッテネータATTの各々に設定された利得(信号減衰率)を10dBとする。また、入力側及び出力側のバンドパスフィルタBPFにより帯域制限される信号の周波数帯域を10〜55MHzとする。
【0027】
このような構成を有するブースタにおいて、切り換えスイッチSWx、SWyをNx接点に切り換え操作して、入力端子(上り入力)及び出力端子(上り出力)間に、信号増幅部APbと信号線Laと入出力側のバンドパスフィルタBPFが接続された信号経路を形成することにより、分波混合器Dsを介して増幅機能部APuに入力される上り回線側の入力信号(概ね10〜55MHzの周波数帯域を有する信号成分)が、図4(a)に示すように、信号増幅部APbに設定された利得30dBで増幅処理されて出力信号として出力される信号増幅経路(信号増幅回路)が設定される。
【0028】
また、切り換えスイッチSWx、SWyをNy接点に切り換え操作して、入力端子及び出力端子間に、信号増幅部APbと信号減衰部ATbと入出力側のバンドパスフィルタBPFが接続された信号経路を形成することにより、図2(c)に示した場合と同様に、信号増幅部APbにおいて入力信号に付与された利得(30dB)が、信号減衰部ATbにより減衰されて(−3×10dB)相殺されることにより、図4(b)に示すように、実質的に入力信号が本来有していた信号レベルを有する(挿入損失のない)出力信号として出力される信号パス経路(信号パス回路)が設定される。
【0029】
さらに、切り換えスイッチSWx、SWyをNz接点に切り換え操作して、入力端子及び出力端子間の信号経路を断絶することにより、図4(c)に示すように、入力信号に基づく信号の出力が遮断され、実質的に0Vのレベルを有する信号が出力される信号カット経路(信号カット回路)が設定される。なお、本実施形態においては、上記切り換えスイッチSWx、SWyの接点を切り換えることにより信号経路を電気的に遮断する構成を有しているので、切り換えスイッチSWx、SWyのアイソレーション(すなわち、スイッチの特性)に依存して、出力信号が僅かに変動するが、実製品では伝送特性に大きな影響を及ぼすものではない。
【0030】
一方、下り回線側の増幅機能部APdにおいては、入力端子(下り入力)及び出力端子(下り出力)間にアンプAMP21が接続された信号経路を有していることにより、分波混合器Dsを介して入力される下り回線側の入力信号(概ね70〜770MHzの周波数帯域を有する信号成分)が、アンプAMP21により所定の利得を有するように増幅処理されて出力信号として出力される。
【0031】
すなわち、本実施形態に係るブースタにおいては、切り換えスイッチSWx、SWyを切り換え操作することにより、上り回線側の信号経路として、信号増幅機能と、信号パス機能と、信号カット機能のいずれかを選択的に設定することができるので、CATVシステムの共聴伝送路の設計及び構築において、該共聴伝送路中で必要とされる機能(信号増幅機能、信号パス機能又は信号カット機能のいずれか)を簡易に実現することができる。
【0032】
ここで、上述した実施形態においては、信号パス回路の設定状態において、信号増幅部の後段にアッテネータからなる信号減衰部を接続した構成を示したが、本発明に係るブースタに類似した技術思想によれば、信号増幅部の前段にアッテネータを接続する構成が考えられる。しかしながら、このような構成においては、アッテネータにより信号レベルが減衰処理された後、当該信号が信号増幅部に入力されるので、出力信号における利得は相殺されるものの、信号増幅部において発生するアンプノイズを抑制することができず、その影響を直接受けるという問題がある。
【0033】
これに対して、本発明に係るブースタにおいては、信号パス回路の設定状態において、信号増幅部において付与された利得が信号減衰部により相殺されるとともに、信号増幅部において発生したアンプノイズも同時に抑制されることにより、CN比のパラメータである搬送波の信号レベル(C)及びノイズ(N)のいずれもが低減されることになるので、挿入損失を抑制しつつ、CN比の悪化を大幅に改善することができ、良好な伝送特性を有するネットワーク(共聴伝送路)を実現することができる。
【0034】
また、このような回路構成を有するブースタによれば、信号増幅回路と信号パス回路を同一基板上に形成する場合にあっても、信号増幅部において発生するノイズ(アンプノイズ)が信号パス回路側に影響を与えることがないので、アイソレーションのための高価かつ複雑な回路構成を必要とせず、簡易な構成のアッテネータや切り換えスイッチを備えた簡素かつ安価な回路構成で、良好な伝送特性を有するブースタを実現することができる。
【0035】
なお、本実施形態に示したブースタにおいては、信号増幅部APaにおける利得(信号増幅率)を30dBとし、信号減衰部ATbにおいて、この利得を相殺するために10dBの利得(信号減衰率)を有するアッテネータATTを3段固定的に接続する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、信号減衰部ATbにおける信号減衰率を、信号増幅部APaにおける信号増幅率に対応させて調整できるように適宜構成してもよい。例えば、信号減衰部ATbを構成する各アッテネータATT(信号減衰率30dB)間に、アッテネータATT相互の接続関係を切り換えるスイッチを設けて、適宜切り換え設定することにより、アッテネータATTの接続個数を任意に変化させて、信号減衰部ATbの伝送特性(信号減衰率)を変化させるものであってもよい。また、他の構成例として、信号減衰部ATbを構成する各アッテネータATTをブースタの回路基板に対して着脱可能な構成として、必要に応じて任意の利得(信号減衰率)を有する別のアッテネータに交換するようにしてもよく、この場合、信号減衰部ATbを単一のアッテネータにより構成するものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係るブースタによれば、信号増幅部の後段に信号減衰部が接続された構成を備えた信号パス回路を有し、前段の信号増幅部により所定の利得を有するように増幅処理された信号が、後段の信号減衰部により前記利得分を相殺するように減衰処理されるので、信号パス回路を介して信号を伝送する場合であっても、入力された信号に対して、ノイズや伝送損失の発生が抑制されて、実質的にそのままの信号レベルを有する出力信号を出力することができる。したがって、CN比が良好で伝送特性に優れた信号パス回路を備えたブースタを実現することができる。
【0037】
ここで、上記信号減衰部として、信号の利得を減衰処理するアッテネータ(ATT)を適用することにより、信号増幅機能を実現するために本来ブースタに設けられている信号増幅部の後段に、1又は複数のアッテネータを直列に接続する簡易な構成で、上述した信号パス回路を実現することができる。
特に、信号増幅回路と信号パス回路を同一基板上に形成する場合にあっては、上記信号増幅部から出力される信号と、信号増幅部から信号減衰部(アッテネータ)を介して出力される信号とを選択的に切り換えて出力する切り換えスイッチを設け、該切り換えスイッチにより信号増幅部からの信号を選択した場合に、所定の利得を有する信号を出力する信号増幅回路が構成され、一方、信号減衰部からの信号を選択した場合に、入力信号と同等の信号レベルを有する信号を出力する信号パス回路が構成されるので、本来ブースタに設けられている信号増幅部に加え、信号減衰部(アッテネータ)及び切り換えスイッチを備えるだけの簡易な構成により、少なくとも、信号増幅機能と信号パス機能とを備えたブースタを実現することができる。
【0038】
さらに、このような回路構成を有するブースタによれば、信号増幅回路側で発生するノイズ(アンプノイズ)が信号パス回路側に混入することがないので、信号増幅回路と信号パス回路の双方の信号経路を電気的に分離する(アイソレーションを講じる)必要がなく、ブースタの回路構成を簡素化しつつ、伝送特性の向上を図るとともに、製品コストの削減を図ることができる。
したがって、このようなブースタをCATVシステムの共聴伝送路に適用することにより、上り回線において、各住戸内や共聴伝送路の途中で発生する各種のノイズが加算、増幅されて伝送される流合雑音が抑制されるので、ネットワークにおける伝送特性(CN比)の大幅な改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブースタに適用される信号パス回路の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る信号パス回路における伝送特性を示す信号波形図である。
【図3】本実施形態に係る信号パス回路を備えたブースタの一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】本実施形態に係るブースタにおける伝送特性を示す信号波形図である。
【図5】双方向CATVシステムに適用される上り回線及び下り回線における信号周波数の設定状態を示す図である。
【図6】従来技術における双方向ブースタの概略回路構成である。
【図7】従来技術におけるブースタの伝送特性を示す信号波形図である。
【符号の説明】
APu 上り回線側増幅機能
APd 下り回線側増幅機能部
APa、APb 信号増幅部
ATa、ATb 信号減衰部
SWx、SWy 切り換えスイッチ
Claims (4)
- 少なくとも、入力された信号を所定の利得を有するように増幅処理する信号増幅機能と、前記入力された信号をそのまま通過させる信号パス機能と、を備えたブースタにおいて、
前記入力された信号を所定の利得を有するように増幅処理する信号増幅部と、
前記信号増幅部の後段に設けられ、前記信号増幅部により増幅処理された信号の利得を相殺するように減衰処理を行う信号減衰部と、
前記信号減衰部に並列に設けられた前記信号増幅部の出力信号を減衰せずに出力する信号路と、
前記信号増幅部の後段に、前記信号減衰部又は前記信号路の何れかを選択的に切り換えて接続することにより、前記信号増幅部により増幅処理された信号を、前記信号減衰部又は信号路に入力させる切り換えスイッチと、
前記ブースタを信号増幅機能として使用する場合は、前記信号増幅部の後段に前記信号路が接続するように前記切り換えスイッチを操作することにより、前記信号増幅部により増幅された信号を減衰せずに出力させ、信号パス機能として使用する場合は、前記信号増幅部の後段に前記信号減衰部が接続するように前記切り換えスイッチを操作することにより前記信号増幅部により増幅された信号の利得を相殺させて出力させる操作手段と、
を備えていることを特徴とするブースタ。 - 前記信号減衰部は、複数のアッテネータを直列接続した構成を有していることを特徴とする請求項1記載のブースタ。
- 前記切り換えスイッチは、さらに前記信号減衰部と前記信号路を共に前記信号増幅部から切り離す接点を備え、
前記ブースタは、前記切り替えスイッチを接点側に切り換えることにより、信号増幅部により増幅された入力信号を遮断する信号カット機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のブースタ。 - 前記ブースタは、ケーブルテレビシステムを構成する共聴伝送路に設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブースタ。
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| JP2001400948A JP3824149B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | ブースタ |
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