JP3832515B2 - ハニカム構造体押出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカム構造体押出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハニカム構造体は、例えば自動車の排気ガス浄化用装置等に利用されており、特にセラミックからなるものは各種の触媒用担体として使用されている。そして、このセラミックからなるハニカム構造体は機械的強度が低いことから、ハニカム構造体の外被を各セルを構成するセル壁より厚肉にして外被とセル壁とを一体構造で形成することにより、機械的強度を高める構造が採られている。
【0003】
このようなハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体押出装置として、図9に示すように、セル壁を成形する成形溝201を有する押出ダイス202の外周と押出マスク203との間に外被を成形する環状の外被形成路204を設けたものが知られている。
ここで、外被の押出速度とセル壁の押出速度とが異なると、押出成形されたハニカム構造体(以下、「成形品」という)の外被や外周部のセル壁に歪みや欠損が生じる恐れがある。このため、一般に押出ダイスの押出材料(以下、「材料」という)流れ上流側には図示しない制御プレートが配設されており、この制御プレートの形状により外被形成路に供給される材料量と成形溝に供給される材料量とのバランスを調節して外被とセル壁との押出速度を揃えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
材料の流動性の変動により外被形成路に供給される材料量を変更する場合や成形品を焼成する際の収縮量の変動に対応して成形品の外径を変更する場合などには、この制御プレートを交換する必要が生じる。しかし、押出ダイスの材料流れ上流側に制御プレートを設ける従来のハニカム構造体押出装置によると、この制御プレートを交換するときには押出ダイスを一旦取外す必要があるため段取替えが困難である。
【0005】
ところで、特公平3−17645号公報および特公昭61−164号公報には、図8に示すように、成形溝301内の材料流れを均一にしてセル壁の機械的強度が均一なハニカム構造体を得るために、成形溝301の材料流れ上流側にこの成形溝より広幅のガイド溝302を設けた二段溝構造を有するハニカム成型用ダイスが開示されている。
【0006】
しかし、特公平3−17645号公報および特公昭61−164号公報に開示されたハニカム成型用ダイスを用いてセル壁よりも厚肉の外被を有するハニカム構造体を成形しようとすると、成形溝よりも外被形成路の方が流路抵抗が小さいため、押出ダイスの外周付近においてガイド溝の押出側端から成形溝に流入すべき材料がガイド溝の側方から外被形成路に流入してしまう。これにより、成形溝に供給される材料が不足して成形品の外周部のセル壁が欠損するという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、外周部のセル壁および外被に歪みや欠損などのないハニカム構造体を押出成形可能なハニカム構造体押出方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、セル壁の押出速度に対する外被の押出速度を調節するための制御プレートの交換が容易なハニカム構造体押出装置を用いたハニカム構造体押出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1、2記載のハニカム構造体押出方法では、複数の第1材料供給孔および第1材料供給孔群を囲んで配置された複数の第2材料供給孔を有する供給部とこの供給部の押出側に続いて第2供給孔群の内側に設けられセル壁を成形可能なセル壁形成溝を有する成形部とからなる押出ダイスに対し、成形部を囲んで供給部の押出側に環状の制御プレートを設けたハニカム構造体押出装置が用いられる。これにより、押出ダイスを取外すことなく制御プレートを容易に交換することができる。したがって、制御プレートを交換して外被形成路に供給される材料量を変更する場合や成形品を焼成する際の収縮量の変動に対応して成形品の外径を変更する場合などに段取替えが容易である。
【0009】
また、請求項1、2記載のハニカム構造体押出方法では、制御プレートの内周面を成形部の外周面に供給側から押出側に向けて所定幅で当接させることにより、セル壁形成溝と外被形成路との連通を部分的に遮断するという方法が採用される。制御プレートの形状を変更することによりセル壁形成溝から外被形成路に流出する材料量を変更することができるので、セル壁と外被とが等しい速度で押出されるように外被形成路を流通する材料量を調節することができる。これにより、外周部のセル壁および外被に歪みや欠損などのないハニカム構造体を押出成形することができる。
【0010】
また、請求項3記載のハニカム構造体押出方法では、セル壁形成溝が成形部の押出側に設けられる成形溝と成形部の供給側に設けられたガイド溝とからなるハニカム構造体押出装置が用いられる。第1材料供給孔からガイド溝に供給された材料は、成形溝よりも広幅のガイド溝から成形溝に流入する際の流動抵抗によりガイド溝内に拡がる。これにより、押出方向に垂直な平面内における成形溝内の材料流れを均一にしてセル壁の機械的強度を向上させることができる。請求項1、2に記載されたように、制御プレートの内周面はこのガイド溝の形成された供給側から押出側に向けて成形部の外周面と所定幅で当接し、これによりセル壁形成溝と外被形成路との連通を部分的に遮断している。したがって、この所定幅を調節することによりガイド溝から外被形成路に流出する材料量を制御して、外周部のセル壁を成形する部分の成形溝にも充分な量の材料を供給することができる。これにより、外周部のセル壁および外被に歪みや欠損などのないハニカム構造体を押出成形することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例において用いられるハニカム構造体押出装置を図1〜図6に示し、このハニカム構造体押出装置によって押出成形されたハニカム構造体を図7に示す。
図7に示すように、ハニカム構造体1は、断面矩形状のセルを複数個形成するために格子状に配置される複数のセル壁1aと、このセル壁1aの周縁部を支持するとともに外力からセル壁1aを保護するための筒形状の外被1bとから構成されている。
【0012】
セル壁1aは、後述するダイス10のセル壁成形溝110により押出成形され、その厚さは80μm以下に設定されている。外被1bは、ダイス10の後述する外被形成路113により前記セル壁1aと同時にかつ一体に押出成形され、セル壁1aの壁厚の2倍以上の厚さを有する。このように、セル壁1aの周囲を覆う外被1bの壁厚をセル壁1aの壁厚の2倍以上に設定することで、ハニカム構造体1の機械的強度を高めている。
【0013】
図6に示すように、前述したハニカム構造体1を押出成形するハニカム構造体押出装置は、押出材料が投入されたシリンダ3、シリンダ3内を往復移動可能なピストン4、シリンダ3の押出側に配設されたダイス部5、ダイス部5を保持するダイスホルダ6からなる。
ピストン4は、油圧によって押出圧力を与えられ、シリンダ3内に投入された粘土状のセラミックス材料2をダイス部5に供給する。この材料2は、ダイス部5を押出方向に流通することによりハニカム構造体1に成形され、ダイス部5の押出側から連続的に押し出される。
【0014】
このとき、シリンダ3内の材料2がダイス部5によりハニカム形状に絞り込まれる際に大きな押出抵抗を受けるのでシリンダ3内の材料2は高圧になる。そこで、ダイス部5とシリンダ4との接合面4aには、この接合面4aに形成された僅かな隙間に侵入した材料2が径外側に漏洩することを防止するために環状のシール部材7が設けられている。また、ピストン4とシリンダ3との摺動部4bにはOリング8が設けられており、このOリング8により摺動部4bからシリンダ3内の材料2が漏洩することを防止している。
【0015】
セル壁1aの厚さが小さくなるにつれて材料2の押出抵抗は増大するため、この押出抵抗に打ち勝つように押出圧力を大きくするか、あるいは材料2の粘度を低くくして押出抵抗を小さくする必要がある。押出圧力の増大および材料粘度の低下は、いずれも接合面4aからの材料2の漏洩が起こり易くなる方向であるため、シール部材7は本発明の一実施例のようにセル壁1aの厚さが80μm以下となるような極薄のセル壁を有するハニカム構造体を押し出す場合に特に有効に機能する。シール部材7としては、ゴムおよびテフロンなどの樹脂からなるOリングや、銅や鉛などの金属シートを用いることができる。ここで、シール部材7を設ける代わりに、シリンダ3とダイス部5との接合面4aの面粗度を6.3Z以下としてこの接合面の密着性を向上させることによっても、シリンダ3内の材料2が接合面4aから漏洩することを防止できる。
【0016】
次に、ダイス部5の構成を説明する。図1〜図3に示すように、ダイス部5は、押出ダイス10、押出マスク20および制御プレートとしての整流板30からなる。
押出ダイス10は、ハニカム構造体1のセル壁1aを押し出すため断面格子状に互いに連通したセル壁成形溝110が形成された円板状の成形部11と、成形部11の材料供給側に接合された角板状の供給部12とからなる。
【0017】
セル壁形成溝110は成形部11を貫通するとともに成形部11の外周に開口しており、成形部11の押出側に設けられる成形溝111と、成形部11の供給側に成形溝111に対応した形状に設けられ成形溝111よりも広幅のガイド溝112とからなる。
供給部12には、セル壁形成溝110の格子点にそれぞれ連通し材料供給側に向かって延びて開口する互いに独立した材料供給孔121と、この材料供給孔121より径方向外側の仮想円周上に配置されセル壁形成溝110と連通することなく供給部12を貫通する材料供給孔122とが形成されている。材料供給孔121の直径はガイド溝112の幅よりも小さい。また、材料供給孔122の押出側開口部は成形部11の外周よりも径方向外側である。
【0018】
整流板30はドーナツ盤状であり、このドーナツ盤の内周が成形部11の外周に嵌合されるとともに、ドーナツ盤の一平面が供給部12の押出側端面に密着している。このように、整流板30は押出ダイス10の押出側に設けられているので、押出ダイス10を取り外すことなく交換することができる。整流板30の内周端部には、押出側に延びガイド溝112の軸方向長L1 よりもやや小さい高さL0 を有する環状凸部31が設けられている。この環状凸部31の内周面は成形部11の外周面にその全周にわたって密着しているため、成形部11の外周へのガイド溝112の開口部112aは環状凸部31によって供給側から長さL0 の位置まで塞がれている。これに対して、成形部11の外周への成形溝111の開口部111aは環状凸部31によって塞がれていない。また、整流板30には、材料供給孔122に対応した位置に材料供給孔122よりも小径の貫通孔32が設けられている。
【0019】
押出マスク20は押出ダイス10の外径よりも大きい内径を有する環状であり、その中心が成形部11の中心と一致するように、整流板30の押出側端面に密着して配置されている。押出マスク20の押出側内周には径内方向に突出する環状凸部21が形成されており、この環状凸部21は供給側に形成されたテーパ面21a、成形部11の外周面と対向する内周面21bおよび押出側に形成されたテーパ面21cを有する。押出マスク20の供給側端面は、材料供給孔122の押出側開口の外径側を、その開口面積を約半分にするように塞いでいる。そして、この押出マスク20の内周面と環状凸部31の外周面および押出ダイス20の外周面との間に環状の外被形成路113が形成される。この外被形成路113は、環状凸部31によりガイド溝112との連通がほぼ遮断されており、成形溝113とは連通している。
【0020】
ここで、押出ダイス10の製造方法を図4および図5を用いて説明する。
本発明の一実施例による押出ダイス10の製造方法の一例を図4に示す。
図4(a)に示すように、まず焼入れを行っていない硬度HRC17〜20のSKD61からなる厚板50を用意する。この厚板50の一面50aを切削加工し、中央部にガイド溝112の長さL1 と等しい高さの凸部51を形成する。このとき切削されなかった部分が供給部12となる。図4(b)に示すように、厚板50の他面50b側から供給部12を貫通する直径0.9mmの材料供給孔121をドリル加工した後、図4(c)に示すように、一面50a側からCBN砥石を用いたスリット加工により凸部50aに溝幅180μmのガイド溝112を形成する。なお、図4(b)では厚板50の天地が図4(a)および図4(c)とは逆に示されている。
【0021】
次に、図4(d)に示すように、凸部51に厚板50と同材質の板52を熱拡散接合する。そして、厚板50および板52の硬度を上げるために熱処理として真空焼入れおよび焼戻しを行い、硬度をHRC40〜50とした。その後、図4(e)に示すように、CNB砥石を用いて硬度を上げた板52をスリット加工し、溝幅80μm以下の成形溝111を形成する。
【0022】
最後に、図4(f)に示すように、凸部51および板52の不要な外周部を放電加工により除去して成形部11を形成する。
このように、熱処理を行う前、すなわち厚板50の硬度が比較的低い状態で材料供給孔121を形成することにより、ドリル加工を高速かつ高精度に行うことが可能となる。また、成形溝111をスリット加工する前に、熱処理により板52の硬度を上げている。硬度が上がることにより材料の粘りが低下することから研削抵抗が低減されるため、スリット加工を高速かつ高精度に行うことができる。この成形溝111に限らず、溝幅130μm以下のスリット加工を行う場合には、被加工材を熱処理して硬度を上げた後に溝を加工することにより高速かつ高精度な加工を行うことができる。さらに、熱処理により厚板50および板52の硬度が増して高硬度の押出ダイス10が得られるため、押出ダイス10の耐摩耗性が向上して押出ダイス10の寿命を従来に比べて延長することができる。
【0023】
厚板50の材質としては、SKD61以外にもSKD11などの合金工具鋼、SKH51などの高速度工具鋼が使用可能である。また、板22の材質としては、厚板50とは異なる材質であって耐摩耗性に優れた超硬などを用いることにより、さらに押出ダイス10の寿命を延長することも可能である。
なお、板52の熱拡散接合および熱処理時の歪みによりガイド溝112の溝ピッチが変化することがある。この場合にガイド溝112と成形溝111とが位置ずれしてもガイド溝112と成形溝111とを連通させられるように、ガイド溝112の溝幅は成形溝111の溝幅の二倍以上とすることが好ましい。
【0024】
続いて、押出ダイス10の製造方法の他の例を図5に示す。
図5(a)に示すように、熱処理を行っていないSKD61からなり供給部12となる板60を用意し、図5(b)に示すように、この板60をドリル加工して板60を貫通する材料供給孔121を形成する。また、図5(c)に示すように、熱処理を行っていないSKD61からなり成形部11となる板61を別途用意し、図5(d)に示すように、この板61にスリット加工を行ってガイド溝112を形成する。
【0025】
次いで、図5(e)に示すように、ガイド溝112側の面を接合面として、板61を板60に熱拡散接合する。上記押出ダイス10の製造方法の一例と同様に熱処理を行って板60、61の硬度を上げたのち、図5(f)に示すように、板61をスリット加工して成形溝111を形成する。
最後に、図5(g)に示すように、板61の不要な外周部を放電加工により除去して成形部11を形成する。
【0026】
次に、このダイス部5における材料流れを説明する。
ピストン3の押出圧力により、図1の上方から材料供給孔121に供給された材料2は、図1に矢印Aで示すように、材料供給孔121の押出側端部からガイド溝112の格子点に供給される。ガイド溝112から成形溝111に流入する際の流動抵抗により、図1および図3に矢印Bで示すように、各材料供給孔121から供給された材料2はガイド溝112の全体に分配されてガイド溝112を満している。したがって、隣接する材料供給孔121から供給された材料2はガイド溝112内において連結される。そして、矢印CおよびC1 で示すように、ピストン3の押出圧力によりガイド溝112内の材料2が成形溝111内に供給され成形部11の押出側から押し出されることにより、格子状に連結されたセル壁1aが成形される。このとき、前述のようにガイド溝112の開口部112aは環状凸部31によって供給側から長さL0 の位置まで塞がれているため、開口部112aから外被形成路113へと流出する材料2の流れは抑えられている。これにより、ハニカム構造体1の外周付近のセル壁1aを形成する材料流れC1 も充分な流量を有するため、外周付近のセル壁1aの欠損を防止することができる。
【0027】
一方、ピストン3の押出圧力により、図1の上方から材料供給孔122に供給された材料2は、図1に矢印Dで示すように、貫通孔32を経由して外被形成路113へと流入する。この外被形成路113内において、材料2はテーパ面21aによって絞られる。さらに、前述のように成形部11の外周において成形溝111と外被形成路113とは連通しているので、ハニカム構造体1の外周付近のセル壁1aを形成する材料流れC1 の一部は図1で矢印C2 で示すように外被形成路113へと流入する。矢印C2 で示す材料流れが矢印Dで示す材料流れと合流することによりセル壁1aと外被1bとが連結される。この矢印C2 で示す材料流れは、矢印C1 で示す材料流れの流量をハニカム構造体1の外周付近のセル壁1aが欠損するほど減らすことはない。そして、図1に矢印Eで示すように、この合流した材料が内周面21bの押出側端部から押し出されることにより、セル壁1aと連結された外被1bが形成される。外被1bの壁厚さは、内周面21bと成形部11の外周面との間隔により決定される。ここで、テーパ面21aにより外被形成路113の幅が材料押出側に向かって徐々に狭くなるため、外被1bを形成する材料の流れを安定させることができ、外被1bの壁厚を一定に保つことができる。このようにして、材料流れCおよびC1 から形成されるセル壁1aと材料流れEから形成される外被1bとが連結されたハニカム構造体1が押出成形される。
【0028】
ここで、材料流れEの流速に対して材料流れCおよびC1 の流速が大きいと、外被1bを形成する材料が不足して外被bに欠損が生じる。この場合には、環状凸部31の高さL0 がより小さい整流板に交換してガイド溝112の押出側の一部を外被形成路113と連通させる。これにより、ガイド溝112内の材料2の一部が外被形成路113へと流出して外被形成路113を流通する材料量が増加し、材料流れEの流速を大きくして材料流れCおよびC1 の流速と等しくなるように調節することができる。
【0029】
逆に、材料流れCおよびC1 の流速に対して材料流れEの流速が大きいと、外被1bを形成する材料が過剰となって外被bおよび外周部のセル壁1aに歪みが生じる。この場合には、環状凸部31の高さL0 がより大きい整流板に交換して成形溝111と外被形成路113との連通を供給側の一部で遮断する。これにより、材料流れC2 の流量を抑えて外被形成路113を流通する材料量を減少させ、材料流れEの流速を小さくして材料流れCおよびC1 の流速と等しくなるように調節することができる。このとき、環状凸部31により成形溝111と外被形成路113との連通を完全に遮断すると、セル壁1aを形成する材料2と外被1bを形成する材料とが混合しないためセル壁1aと外被1bとの連結強度が不足する。したがって、環状凸部31の高さは成形溝11の少なくとも供給側の一部が外被形成路113と連通する程度に設定する。
【0030】
このように、環状凸部31の高さによりセル壁1aと外被1bとが等しい速度で押出されるように調節し、これにより外周部のセル壁1aおよび外被1bに歪みや欠損などのないハニカム構造体1を押出成形することができる。
【0031】
本発明の一実施例によるハニカム構造体押出装置によると、整流板30に設けられた環状凸部31の内周面が成形部11の外周面に密着してガイド溝112と外被形成溝113との連通をほぼ遮断しているので、成形部11の外周においてガイド溝112から外被形成路113へ材料2が流出することを抑制している。これにより、成形部11の外周付近に位置する成形溝111の部分にも充分な材料2が供給されるので、外周付近のセル壁1aの欠損を防止することができる。また、整流板30を交換して環状凸部の高さを変更することにより、ガイド溝112および成形溝111から外被形成路113に流入する材料量を制御し、セル壁1aと外被1bとが等しい速度で押出されるように調節することができる。これにより、外周部のセル壁1aおよび外被1bに歪みや欠損などのないハニカム構造体1を得ることができる。
【0032】
押出ダイスの供給側に制御プレートが設けられていた従来技術とは異なり、本発明の一実施例では整流板30が押出ダイス10の供給側に設けられているため押出ダイス10を取外すことなく整流板30を交換することができるので、整流板30の交換作業が容易である。したがって、この整流板の交換により上記のようにセル壁1aと外被1bとが等しい速度で押出されるように調節したりハニカム構造体1の外径を変更したりする際の段取替えが容易である。
【0033】
なお、上記実施例ではセル壁形成溝110がガイド溝112と成形溝111との二段溝構造の成形部11を備えたハニカム構造体押出装置について説明したが、セル壁形成溝が成形溝のみからなる一段溝構造の成形部を備えたハニカム構造体押出装置に本発明を適用してもよい。この場合にも、上記実施例のように整流板の内周面を成形部の外周面に当接させてセル壁形成溝と外被形成路との連通を部分的に遮断することにより、外被形成路に供給される材料量を制御してセル壁と外被とが等しい速度で押出されるように調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例において用いられるハニカム構造体押出装置のダイス部を示す要部断面図である。
【図2】 図1のII方向矢視図である。
【図3】 図1のIII−III線断面図である。
【図4】 本発明の一実施例において用いられるハニカム構造体押出装置の押出ダイスの製造方法の一例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の一実施例において用いられるハニカム構造体押出装置の押出ダイスの製造方法の他の例を示す斜視図である。
【図6】 本発明の一実施例において用いられるハニカム構造体押出装置を示す模式的断面図である。
【図7】 本発明の一実施例により成形されたハニカム構造体を示す斜視図である。
【図8】 従来のハニカム構造体押出装置の押出ダイスを示す模式的断面図である。
【図9】 従来のハニカム構造体押出装置の押出ダイスを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ハニカム構造体
1a セル壁
1b 外被
2 材料
3 シリンダ
4 ピストン
5 ダイス部
7 シール部材
8 Oリング
10 押出ダイス
11 成形部
12 供給部
20 押出マスク
30 整流板(制御プレート)
31 環状凸部
32 貫通孔
110 セル壁形成構
111 成形溝
112 ガイド構
113 外被形成路
121 材料供給孔(第1材料供給孔)
122 材料供給孔(第2材料供給孔)
Claims (3)
- 互いに連結したセル壁と、内部にこのセル壁を収容しこのセル壁の周囲に連結する筒状の外被とからなるハニカム構造体を押出成形可能なハニカム構造体押出方法であって、
材料供給側に開口する複数の第1材料供給孔および前記第1材料供給孔群を囲んで配置され材料供給側から前記ハニカム構造体の押出側まで貫通する複数の第2材料供給孔を有する供給部と、前記供給部の押出側に続いて前記第2材料供給孔群の内側に設けられ前記第1材料供給孔に連通するとともに押出側に開口し前記セル壁を成形可能なセル壁形成溝を有する成形部とからなる押出ダイスと、前記第2材料供給孔に連通する貫通孔を有し、前記成形部を囲んで前記供給部の押出側に当接する環状の制御プレートと、前記制御プレートの押出側に当接し、前記成形部の外周との間に前記セル壁形成溝に連通し前記外被を成形可能な環状の外被形成路を形成する押出マスクとを備えたハニカム構造体押出装置を用い、
前記制御プレートの内周面を前記成形部の外周面に供給側から押出側に向けて所定幅で当接させることにより、前記セル壁形成溝と前記外被形成路との連通を部分的に遮断し、
前記外被形成路における材料流れの流速に対して前記セル壁形成溝における材料流れの流速が大きい場合に、内周面が前記成形部の外周面に前記所定幅よりも小さい幅で当接する前記制御プレートへ交換することにより、前記外被形成路における材料流れの流速を大きくして前記セル壁形成溝における材料流れの流速と等しくなるように調節することを特徴とするハニカム構造体押出方法。 - 互いに連結したセル壁と、内部にこのセル壁を収容しこのセル壁の周囲に連結する筒状の外被とからなるハニカム構造体を押出成形可能なハニカム構造体押出方法であって、
材料供給側に開口する複数の第1材料供給孔および前記第1材料供給孔群を囲んで配置され材料供給側から前記ハニカム構造体の押出側まで貫通する複数の第2材料供給孔を有する供給部と、前記供給部の押出側に続いて前記第2材料供給孔群の内側に設けられ前記第1材料供給孔に連通するとともに押出側に開口し前記セル壁を成形可能なセル壁形成溝を有する成形部とからなる押出ダイスと、前記第2材料供給孔に連通する貫通孔を有し、前記成形部を囲んで前記供給部の押出側に当接する環状の制御プレートと、前記制御プレートの押出側に当接し、前記成形部の外周との間に前記セル壁形成溝に連通し前記外被を成形可能な環状の外被形成路を形成する押出マスクとを備えたハニカム構造体押出装置を用い、
前記制御プレートの内周面を前記成形部の外周面に供給側から押出側に向けて所定幅で当接させることにより、前記セル壁形成溝と前記外被形成路との連通を部分的に遮断し、
前記セル壁形成溝における材料流れの流速に対して前記外被形成路における材料流れの流速が大きい場合に、内周面が前記成形部の外周面に前記所定幅よりも大きい幅で当接する前記制御プレートへ交換することにより、前記外被形成路における材料流れの流速を小さくして前記セル壁形成溝における材料流れの流速と等しくなるように調節することを特徴とするハニカム構造体押出方法 - 前記成形部の押出側に設けられる成形溝と、前記成形部の供給側に前記成形溝に対応した形状に設けられ前記成形溝よりも広幅のガイド溝とからなる前記セル壁形成溝を有する前記ハニカム構造体押出装置を用いることを特徴とする請求項1または2記載のハニカム構造体押出方法。
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