JP3832546B2 - 表面処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ボディや自動車部品の塗装ラインに用いられる表面調整処理装置、電着塗装装置その他の表面処理装置に関し、特に槽内に設けられたライザーの運転を制御することで槽内流のバランス調整と省エネとを両立させた表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車ボディの塗装系には、下塗り塗装、中塗り塗装および上塗り塗装からなる3コート塗装系が広く採用されているが、このうちの下塗り塗装工程では、たとえば脱脂処理、表面調整、化成処理あるいは電着塗装などの工程において、自動車ボディを処理液または塗料液中に全没させるディッピング塗装法が広く用いられている。
【0003】
この種のディッピング塗装法においては、連続的に搬送される自動車ボディを所定の時間だけ全没させる必要があるため、槽内には大量の処理液や塗料液が収容されている。
【0004】
なかでも、電着塗料液は、低固形分に希釈されているので、常時あるいは間欠的に撹拌しないと顔料沈降が生じ、また槽内収容量が大量であることから、いったん顔料が沈降すると再分散させるのはきわめて困難である。電着塗料液において顔料の分散が不均一であると、塗膜の光沢が変動し、これが上塗り塗膜にまで影響を及ぼすことになる。
【0005】
また、電気泳動作用により塗膜形成を行う電着塗装においては、塗膜形成時、すなわちディッピング時に被塗面で反応ガスが発生し、この気泡をそのまま放置すると析出中の塗膜内に残留して塗膜欠陥になる。この意味からも、槽内の電着塗料液に適当な流速を与え、これにより反応ガスを被塗面から除去する必要がある。
【0006】
さらに、電着塗装においては、塗膜形成時に反応熱が生じるため、被塗面近傍の塗料温度が上昇し塗膜抵抗が低下するが、これを放置すると局部的に厚膜になる。電着膜厚が不均一であると、塗膜表面品質、たとえば鮮映性や塗り肌も不均一となる他、厚膜すぎるとコスト的にも問題がある。したがって、被塗面に適温の塗料液を送って冷却する意味からも、槽内撹拌が必要となる。
【0007】
一方、塗装工程の前工程である溶接工程では、車体パネルをスポット溶接やアーク溶接などにより接合して組み立てるので、スポット溶接時のスパッタ等の金属粉が自動車ボディに付着したまま塗装工程に搬入される。電着塗装工程の前処理工程では、このような異物を洗浄するために多段の洗浄工程が設けられているが、微細な金属粉や室内に付着した異物を完全に洗い落とすことはできない。
【0008】
こうした金属粉が電着槽内に持ち込まれると、これが自動車ボディの特に水平部などに再付着し、電着塗膜内に入りこんで塗膜欠陥を引き起こすことになる。このため、被塗面に付着しようとする金属粉などの異物を除去し、また濾過器により槽外へ排出する意味からも、槽内撹拌が利用されている。
【0009】
このように、顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止などの諸観点から、槽内の電着塗料液をポンプで吸引し、これを槽内に配置された複数の噴射ノズルから噴射させることにより、電着槽内の撹拌が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電着塗装装置や表面調整処理装置(本明細書ではこれらを総称して表面処理装置という。)では、ラインの稼働中においては塗料液の顔料沈降以外にも、気泡や熱の除去あるいは異物の付着防止といった諸目的があるため、それに応じた流速・流量で槽内撹拌を行う必要があるが、休日またはボディの搬入が一時的に中断する休憩時間や直間においても、稼働中と同じ流速・流量で槽内撹拌を行っていたので、循環系に要するエネルギーが多大となり省エネおよびランニングコストの点で問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、槽内流のバランス調整と省エネとを両立させた表面処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するために、請求項1記載の表面処理装置は、処理液が満たされる処理槽と、前記処理槽内の処理液を吸引して前記処理槽に戻す処理液循環系とを有する表面処理装置において、前記処理液循環系が、前記処理液を処理槽の表面領域に噴射する第1の処理液循環系と、前記処理液を処理槽の底面領域に噴射する第2の処理液循環系とに分割され、互いに独立して制御され、前記第1および第2の処理液循環系は、被処理物の表面処理が行われている稼働時か、被処理物の表面処理が中断されている非稼働時かに応じて、それぞれの循環量が制御され、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第1の処理液循環系を停止または間欠運転とすることを特徴とする。
【0013】
この場合、請求項2記載の表面処理装置のように、前記第1および第2の処理液循環系のそれぞれは、メイン配管と、当該メイン配管から分岐した複数のサブ配管と、当該サブ配管に設けられた噴射ノズルと、前記メイン配管および前記複数のサブ配管の少なくとも一方に設けられた流量調節弁とを有することがより好ましい。
【0015】
フルディップあるいはハーフディップなどのディッピング法を用いた表面処理装置では、顔料沈降の防止あるいは顔料分散の均一化、気泡や熱の除去および異物の付着防止などの諸観点から槽内撹拌が必要とされるが、被処理物の処理が一時的に中断する非稼働中においては、主として顔料沈降の防止を目的とした槽内撹拌を行えば足りる。
【0016】
こうした観点から、請求項1乃至2記載の発明では、処理槽内の処理液を吸引して処理槽に戻す処理液循環系を、処理液を処理槽の表面領域に噴射する第1の処理液循環系と、処理液を処理槽の底面領域に噴射する第2の処理液循環系とに分割し、互いに独立して制御するように構成している。
【0017】
そして、たとえば稼働中においては槽内に適切な流れが生じるように第1および第2の処理液循環系の両方を運転することで被処理物の品質を確保する。その一方で、非稼働中においては、主として処理液の顔料沈降が生じないように第2の処理液循環系を運転する。これにより、非稼働時において第1および第2の処理液循環系で減少させることができた分の運転エネルギが低減されることになる。
【0018】
なお、請求項1における「表面処理装置の非稼働時」とは、被処理物の表面処理がある一定時間以上中断される、たとえば休日、直間、休憩時間などをいい、「表面処理装置の稼働時」とは、それ以外の、被処理物の表面処理が実質的に連続して行われている時間をいう。
【0019】
(2) 上記発明においては特に限定されないが、稼働時および非稼働時に応じた第1および第2の処理液循環系それぞれの循環量の制御の実施形態としては、以下のものを挙げることができる。
【0020】
(2−1)まず、請求項1記載の発明では、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第1の処理液循環系を停止または間欠運転とする。すなわち、非稼働時においては、主に顔料沈降を防止できる槽内撹拌を行えば足りるので、主として表面流を生じさせる第1の処理液循環系を停止して第2の処理液循環系のみの運転によって槽内撹拌を行う。これにより、第1の処理液循環系を停止した分の運転エネルギを低減することができる。
【0021】
ただし、休日などのように非稼働時間が長時間になる場合には、第1の処理液循環系そのものに滞留した処理液に顔料沈降が生じるおそれもあるため、こうしたときは第1の処理液循環系を完全に停止せず、所定時間間隔で運転させることが好ましく、これも本発明の範囲内である。
【0022】
(2−2)請求項3記載の発明では、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の循環量を、当該第2の処理液循環系の稼働時の循環量と同等とする。
【0023】
すなわち、特に第1の処理液循環系と第2の処理液循環系とが同一の循環系で構成されている場合には、第1の処理液循環系を停止または間欠運転とすると、この第1の処理液循環系を循環しなかった量の処理液が第2の処理液循環系に流れ込むことになる。しかしながら、既述したように非稼働時においては主に顔料沈降を防止できる循環量で槽内撹拌を行えば足りるので、第2の処理液循環系の循環量を稼働時と同等の循環量まで絞り、過不足のない循環量とする。これにより、第1および第2の処理液循環系全体の循環量が減少することになり、その減少した分の運転エネルギを低減することができる。
【0024】
(2−3)請求項4記載の発明では、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の少なくとも一のサブ配管系を間欠運転とする。
【0025】
第2の処理液循環系は、稼働時においても非稼働時においても連続運転とすることで顔料沈降を防止することが好ましいが、非稼働時における連続運転は、必ずしも全てのサブ配管系の連続運転のみを意味するものではない。すなわち、第2の処理液循環系が複数のサブ配管系から構成されている場合には、これら複数のサブ配管系を幾つかのグループに分け、交互に運転することで第2の処理液循環系全体として必要な循環量が確保できれば良い。特に本発明では、処理槽内に噴射される処理液の流速を維持しながらさらに処理液の循環量が低減できるので、省エネ効果がより高くなる。
【0026】
またこれに代えて、請求項5記載の発明のように、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の少なくとも一のサブ配管系の循環量を間欠的に減少させることもできる。
【0027】
すなわち、第2の処理液循環系が複数のサブ配管系から構成されている場合には、これら複数のサブ配管系を幾つかのグループに分け、交互に循環量を減少させることで第2の処理液循環系全体として必要な循環量を確保しても良い。特に本発明では、請求項4記載の発明と同様に省エネ効果がより高まることに加え、処理液の循環を停止しないので、噴射ノズルの詰まりを確実に防止することができる。
【0028】
(3) 上記発明の表面処理装置は、限定はされないが、電着塗装装置や表面調整処理装置などに広く適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1乃至3記載の発明によれば、槽内循環系を2つの循環系に分割しているので、非稼働時において、第1および第2の処理液循環系で減少させることができた分の運転エネルギが低減される。したがって、稼働時においては流量バランスに優れる一方で、非稼働時においては省エネ運転を実現できる表面処理装置を提供することができる。
【0030】
これに加えて、請求項4記載の発明によれば、処理槽内に噴射される処理液の流速を維持しながらさらに処理液の循環量が低減できるので、省エネ効果がより高くなる。
【0031】
また請求項5記載の発明によれば、省エネ効果がより高まることに加え、処理液の循環を停止しないので、噴射ノズルの詰まりを確実に防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の表面処理装置を電着塗装装置に適用した実施形態を示す断面図である。
【0033】
まず、図1に示す実施形態の電着塗装装置は、本発明の基本的構成を織り込んだもので、長い船状の電着槽1を有し、この電着槽1内に電着塗料液Lが満たされている。被塗物である自動車ボディおよびその搬送装置の図示は省略するが、自動車ボディは、ハンガに搭載された状態でオーバーヘッドコンベアにより一定速度で搬入され、電着槽1内へボディを全没させるために、このオーバーヘッドコンベアは、電着槽1の入槽側で約20°〜40°の下向き傾斜とされ、電着槽有効範囲においてはボディが全没する高さを保ち、出槽側で約20°〜40°の上向き傾斜とされている。図1において、図の左側が入槽側であり右側が出槽側である。
【0034】
電着槽有効範囲、つまりボディが全没する範囲の電着槽1の長さは、たとえば3分以上の全没時間が確保されるように設定されている。ボディが入槽されると、カチオン型電着塗料では、電着槽1の側壁および底壁に配置された電極板(図示を省略する。)を介して、電着塗料Lに300V前後の直流電圧が印加され、これによりアースされたボディとの間で塗料粒子の電気泳動が生じ、ボディの内外板や袋構造内面に電着塗膜が形成される。
【0035】
電着槽1の出槽側の外部にはオーバーフロー槽2が設けられており、電着槽1とオーバーフロー槽2との間の堰を越えた電着塗料液Lは当該オーバーフロー槽2へ流入する。このオーバーフロー槽2には、塗料配管301を介して、インバータ制御される吸引ポンプ302が設けられており、図示はしないがこの塗料配管301にフィルタや熱交換器が設けられる。
【0036】
ポンプ302の下流側の塗料配管301は、主として槽内の表面領域に電着塗料液Lを噴射する第1の循環系(本発明の第1の処理液循環系に相当する。)31と、主として槽内の底面領域に電着塗料液Lを噴射する第2の循環系(本発明の第2の処理液循環系に相当する。)32とに分割されている。それぞれのメイン配管を、図1に符号311,321にて示す。
【0037】
第1の循環系31においては、メイン配管311の基部に流量調節弁312が設けられ、その下流側が、複数の噴射ノズル314が装着された複数のサブ配管313に分岐されている。同図に噴射ノズル314の噴射方向を矢印で示す。第1の循環系31のサブ配管313は、電着槽1の両側壁に沿って所定のピッチで設けられ、噴射ノズル314からの電着塗料液Lの噴射によって槽内の表面流を出槽側へ向かう方向とする。
【0038】
これに対して、第2の循環系32においては、メイン配管321の基部に流量調節弁322が設けられ、その下流側が、複数の噴射ノズル324が装着された複数のサブ配管323に分岐されている。同図に噴射ノズル324の噴射方向を矢印で示す。第2の循環系32のサブ配管323は、電着槽1の幅方向にわたって底面に沿って設けられ、噴射ノズル324からの電着塗料液Lの噴射によって槽内の底面流を入槽側へ向かう方向とする。
【0039】
なお、第1の循環系31および第2の循環系32のそれぞれに設けられた流量調節弁312,322は電動バルブにて構成され、図外のコントローラからの指令信号によってそれぞれの開度が制御される。
【0040】
次に作用を説明する。
被塗物であるボディを搬送して電着塗装を行う場合(以下、稼働時ともいう。)には、2つの流量調節弁312,322の何れをも開き、第1および第2の循環系31に共通するポンプ302を駆動する。これにより、オーバーフロー槽2内の電着塗料液Lが吸引され、この電着塗料液Lは、フィルタによって濾過され、熱交換器によって適切な温度に調節されたのち、第1の循環系31のメイン配管311と第2の循環系32のメイン配管321とに分流されて、それぞれのサブ配管313,323に設けられた複数の噴射ノズル314,324から電着槽1へ噴射される。これらの噴射ノズル314,324からの塗料液Lの噴射力により、電着槽1の表面領域では入槽側から出槽側へ向かう液流となり、電着槽1の底面領域では出槽側から入槽側へ向かう液流となり、電着槽1全体としては、同図において時計回りの大きな循環流が生じる。
【0041】
このとき、2つの流量調節弁312,322は、表面流と底面流とのバランスが好適となって所望の槽内流が得られるように、それぞれの開度が調節される。また、第1および第2の循環系31,32全体の循環量は、ポンプ302をインバータ制御することで調節することができる。
【0042】
これに対して、休日や長い休憩時間(以下、非稼働時ともいう。)においては、第1の循環系31の流量調節弁312を閉じ、第2の循環系32のみの運転に切り替える。ただし、第1の循環系31のメイン配管311やサブ配管313内に電着塗料液Lが滞留して顔料が沈降するおそれがあるため、たとえば30分に1〜2回の頻度で流量調節弁312を開いても良い。また、非稼働時においては、流量調節弁312を完全に閉じることに代えて、少量の電着塗料液Lが流れるように開度を絞っても良い。
【0043】
第1の循環系31を閉じたりあるいは開度を絞ると、その分の電着塗料液Lが第2の循環系32に流れ込むことになる。したがって、非稼働時においては、稼働時と同等の流量が確保できる程度に、ポンプ302をインバータ制御して当該ポンプ302の吸引量を減少させる。
【0044】
このように、非稼働時においては、第1の循環系31を基本的に停止し、ポンプ302の消費電力を低減するので、その分の省エネ効果が期待できる。また、本実施形態では、第1の循環系31と第2の循環系32とのそれぞれに一つの流量調節弁312,322を設ければ足りるので、設備費を大幅に低減することができる。
【0045】
その他の実施形態
本発明の表面処理装置は上述した実施形態にのみ限定されることなく種々に改変することができる。図2および図3はそれぞれ本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【0046】
図2の電着塗装装置では、第1の循環系31と第2の循環系32とのそれぞれのメイン配管311,321に流量調節弁を設ける代わりに、各メイン配管311,321のサブ配管313,323のそれぞれに流量調節弁312,322が設けられている。
【0047】
これらそれぞれの流量調節弁312,322は、上記実施形態と同様に、図外のコントローラからの指令信号によってその開度が制御される。
【0048】
そして、稼働時には、第1の循環系31の流量調節弁312と、第2の循環系32の流量調節弁322との何れをも開き、ポンプ302を駆動する。これにより、オーバーフロー槽2内の電着塗料液Lが吸引され、この電着塗料液Lは、フィルタによって濾過され、熱交換器によって適切な温度に調節されたのち、第1の循環系31のメイン配管311と第2の循環系32のメイン配管321とに分流されて、それぞれのサブ配管313,323に設けられた複数の噴射ノズル314,324から電着槽1へ噴射される。これらの噴射ノズル314,324からの塗料液Lの噴射力により、電着槽1の表面領域では入槽側から出槽側へ向かう液流となり、電着槽1の底面領域では出槽側から入槽側へ向かう液流となり、電着槽1全体としては、同図において時計回りの大きな循環流が生じる。
【0049】
このとき、複数の流量調節弁312,322は、表面流と底面流とのバランスが好適となって所望の槽内流が得られるように、それぞれの開度が調節され、また、第1および第2の循環系31,32全体の循環量は、ポンプ302をインバータ制御することで調節することができるが、流量調節弁312,322の開度をそれぞれ調節できるので、槽内流の緻密な制御を行うことができる。
【0050】
一方、非稼働時においては、第1の循環系31の各流量調節弁312を閉じ、第2の循環系32のみの運転に切り替える。ただし、第1の循環系31のメイン配管311やサブ配管313内に電着塗料液Lが滞留して顔料が沈降するおそれがあるため、たとえば30分に1〜2回の頻度で流量調節弁312を開いても良いが、複数の流量調節弁312を同時に開くと、ポンプ302の吸引量を増加させる必要が生じるため、順次1本ずつ開いても良い。さらにまた、非稼働時においては、流量調節弁312を完全に閉じることに代えて、少量の電着塗料液Lが流れるように開度を絞っても良い。
【0051】
第2の循環系32においては、第1の循環系31を閉じたりあるいは開度を絞ると、その分の電着塗料液Lが第2の循環系32に流れ込むことになるので、非稼働時においては、稼働時と同等の流量が確保できる程度に、ポンプ302をインバータ制御して当該ポンプ302の吸引量を減少させる。このとき、本実施形態では、サブ配管323毎に流量調節弁322が設けられているので、たとえば1本おきに流量調節弁322を閉じ、これを所定時間間隔で切り替えることで、さらに電着塗料液Lの循環量を低減することもできる。すなわち、ポンプ302の吸引量を減少させても、その分だけサブ配管323を閉じれば、流量調節弁322が開いているサブ配管323の噴射ノズル324から噴射される電着塗料液Lの流速は確保でき、これにより槽内の電着塗料液Lの顔料沈降を防止することができる。
【0052】
このように、非稼働時においては、第1の循環系31を基本的に停止し、ポンプ302の消費電力を低減するので、その分の省エネ効果が期待できる。また、本実施形態では、第1の循環系31と第2の循環系32とのそれぞれのサブ配管313,323のそれぞれに流量調節弁312,322を設けているので、槽内流をより緻密に制御することができる。
【0053】
なお、第2の循環系32のサブ配管323のそれぞれに流量調節弁322を設ける代わりに、たとえば図3に示すようにサブ配管を2系統以上(本例では2系統)323a,323bに分割し、この2系統323a,323bのメイン配管321a,321bにそれぞれ流量調節弁322a,322bを設けても良い。
【0054】
また、図示は省略するが、第1の循環系31も図3に示す第2の循環系32のように、サブ配管313を2系統以上に分割し、この各系統のメイン配管にそれぞれ流量調節弁を設けても良い。
【0055】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…電着槽(処理槽)
2…オーバーフロー槽
3…電着塗料液循環系(処理液循環系)
31…第1の循環系(第1の処理液循環系)
311…メイン配管
312…流量調節弁
313…サブ配管
314…噴射ノズル
32…第2の循環系(第2の処理液循環系)
321…メイン配管
322…流量調節弁
323…サブ配管
324…噴射ノズル
Claims (5)
- 処理液が満たされる処理槽と、前記処理槽内の処理液を吸引して前記処理槽に戻す処理液循環系とを有する表面処理装置において、
前記処理液循環系が、前記処理液を処理槽の表面領域に噴射する第1の処理液循環系と、前記処理液を処理槽の底面領域に噴射する第2の処理液循環系とに分割され、互いに独立して制御され、
前記第1および第2の処理液循環系は、被処理物の表面処理が行われている稼働時か、被処理物の表面処理が中断されている非稼働時かに応じて、それぞれの循環量が制御され、前記表面処理装置の非稼働時には、前記第1の処理液循環系を停止または間欠運転とすることを特徴とする表面処理装置。 - 前記第1および第2の処理液循環系のそれぞれは、メイン配管と、当該メイン配管から分岐した複数のサブ配管と、当該サブ配管に設けられた噴射ノズルと、前記メイン配管および前記複数のサブ配管の少なくとも一方に設けられた流量調節弁とを有することを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
- 前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の循環量を、当該第2の処理液循環系の稼働時の循環量と同等とすることを特徴とする請求項1または2記載の表面処理装置。
- 前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の少なくとも一のサブ配管系を間欠運転とすることを特徴とする請求項2または3記載の表面処理装置。
- 前記表面処理装置の非稼働時には、前記第2の処理液循環系の少なくとも一のサブ配管系の循環量を間欠的に減少させることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の表面処理装置。
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