JP3833242B1 - 電子ブレーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】
施設内における装置の実際の稼動状況を反映した適正な定格電流値を決定することを可能ならしめる。
【解決手段】
アンペアカウンタが、各電流値(1Aごとの離散値)以上の電流が連続して流れた時間の最大値(最大通電時間)を記録・更新する。判断部が、定格電流値=n[A]と仮定したときのトリップチャートと最大通電時間とをトリップチャートで規定された範囲の各電流値(離散値)について比較する。判断部は、いずれかの電流値において最大通電時間がトリップチャートを超過した場合、定格電流値を1Aだけ増加させて同様の比較・判断処理を繰り返す。判断部は、すべての電流値において最大通電時間がトリップチャートを上回らない定格電流値に至ったときに、この定格電流値を適正な値と判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子制御される配線用遮断器(電子ブレーカ)に関する。
従来、電力会社と主開閉器契約を締結した場合、電子ブレーカの定格電流値(電流遮断機能を動作させる目安となる電流値)を決定する手順は次のように行われていた。すなわち、電子ブレーカを介して電力が供給される施設内の全ての装置を実際に稼動させてみたときの電流値を定格電流値とする。しかしながら、従来の決定方法には、定格電流値が施設内における装置の実際の稼動状況を反映していないという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、施設内における装置の実際の稼動状況を反映した適正な定格電流値、すなわち装置の稼動を妨げない最小の定格電流値を決定することを可能ならしめる電子ブレーカを提供することを目的とする。
本発明の電子ブレーカは、配線に過電流が流れたときに配線に流れる電流を遮断するための電子ブレーカであって、配線に流れる電流の大きさを検出する電流値検出手段と、各電流値(離散値)以上の電流が連続して流れた時間の最大値(最大通電時間)を記録・更新するアンペアカウンタと、前記最大通電時間を参照して、ある定格電流値が十分に大きいか否かを判断する判断手段とを備え、前記判断手段が、前記最大通電時間と、ある定格電流値における各電流値(離散値)と許容される連続通電時間(許容通電時間)との対応関係を示すトリップチャートとを比較して、いずれかの電流値(離散値)で前記最大通電時間が前記許容通電時間を越えないか判断することを特徴とする。この構成によれば、一定期間に亘って装置を稼動させつつ通電量の実績を監視・記録し、これに基づいた適正な定格電流値が決定される。
通常の用法に従った電子ブレーカの使用に伴い、対象装置の実際の稼動状況を反映した適正な定格電流値を決定することができる。
図7に本実施形態に係る電子ブレーカ1の構造を示す。電子ブレーカ1は、底部の電極(図示されず。)を介して、電力会社と主開閉器契約を締結した業者の施設に設置された装置に電力を供給する幹線に接続され、この幹線の最大電流を制限する。
電子ブレーカ1は、電子ブレーカ1の定格電流値を指定するコンピュータ・プログラムを格納した記録装置を含むカセット3を取り外し可能に収納する収納部を有する。カセット3を収納したとき、記録装置はカセット3底部のコネクタ3cを介して電子ブレーカ1のコンピュータの演算装置からアクセス可能になる。カセット3の正面部には該当する定格電流値が表示されており、使用者が電子ブレーカ1において設定されている定格電流値を一見して把握できるようになっている。図7の例では、電子ブレーカ1の定格電流値は50Aに設定されている。
電子ブレーカ1は、内部に、電流検出装置を制御するコンピュータを備える。コンピュータは、機能的構成要素として、電流値検出部11、アンペアカウンタ12、トリップチャート計算部13、判断部14及び格納部15を備える。電流値検出部11は、一秒おきに幹線に流れている電流の大きさを検出する。
アンペアカウンタ12は、1秒おきに図2に示す現在値テーブル及び最大値テーブルを書き換える。現在値テーブルは、1〜500Aの範囲中の各電流値(1Aごとの離散値)について、当該電流値以上の電流が現在まで連続して幹線に流れていた秒数(連続通電時間)を記録している。最大値テーブルは、連続通電時間の最大値(最大通電時間)を記録している。図2には、幹線に7Aの電流が流れていたところ、次の秒における電流値が4Aに変化した場合に、現在値テーブル及び最大値テーブルの状態がどのように遷移するかが示されている(図2(a)、(b)の状態から、図2(c)、(d)の状態へ遷移)。現在値テーブルでは、4A以下の各電流値については1秒だけ連続通電時間が増えることになり、5A以上の各電流値については0からカウントし直すことになる。最大値テーブルでは、4A以下の各電流値については前回までの連続通電時間が最大通電時間であったので1秒だけ最大通電時間が増えることになり、5A以上の各電流値については最大通電時間の変化がないことになる。図3のアンペアカウンタ記録内容に示すように、1か月単位、過去20か月分について、ブレーカデマンド最大値を記録したときの最大通電時間が格納部15に記録されている。
以下に、図1を参照しつつ、電子ブレーカ1のコンピュータが現在の最大通電時間に基づいてブレーカデマンド(施設を稼動させるのに十分で、かつできるだけ小さい定格電流値)を計算する処理を説明する。
ブレーカデマンドの計算が開始されたとき、最大値テーブルがコンピュータのメモリーに読み取られる(S11)。初期値n=10Aに設定されているとすると、トリップチャート計算部13は、図4に示す表に従い、定格電流値が初期値n=10Aであるときのトリップチャートを計算する(S12)。図4の表の行(No. 1-3)は定格電流値の範囲を規定し、列は「割合p」(%)を規定する。各数値(a、a…、b、b…、c、c…c23)は、定格電流値の該当する「割合」に相当するアンペアにおける許容通電時間(トリップ時間)を示し、各行において割合Pが増大するに従い数値は逓減する。例えば、定格電流=10Aは図4におけるNo. 1の行に該当するので、10×pmin/100[A]のときの許容通電時間(トリップ時間)はa秒であり、10×pmin+i/100[A]のときの許容通電時間(トリップ時間)はa秒である。10×pmin/100[A]以上の電流が幹線にa秒超連続して流れたときに電子ブレーカ1は幹線に流れる電流を遮断する。同様に、10×pmin+i/100[A](iは定数) 以上の電流が幹線にa秒超連続して流れたときにも電子ブレーカ1は幹線に流れる電流を遮断する。
判断部14は、割合p=pmin%に相当する比較電流値における最大通電時間(S11で読み取られたもの)が許容通電時間を越えないか判断する(S13)。最大通電時間が許容通電時間を越えない限り、定数iだけ割合pを増加させつつ同様の比較・判断処理を行っていく。
最大通電時間が許容通電時間を越えた場合、当該定格電流値は小さすぎると判断され、定格電流値nを1Aだけ増加させて、S12及びS13の処理を行う。例えば、初期値n=10Aが小さすぎた場合、次に11Aの定格電流値が適正か判断される。以上の理解を助けるためのグラフを図5に示す。ただし、この例では、pmin=110%とされている。 図5中の実線は定格電流値が39Aの場合のトリップチャートを示し、破線は定格電流値が30Aの場合のトリップチャートを示し、縦棒は最大通電時間を示す。定格電流値が30Aの場合は51A以下の比較電流値において最大通電時間が許容通電時間を上回ってしまうので定格電流値が小さすぎるが、定格電流値が39Aの場合は割合110%以上の全範囲において最大通電時間が許容通電時間を上回ることはないので十分に大きい定格電流値であると判断される。
ある定格電流値nにおいて割合pがpmax%になるまで最大通電時間が許容通電時間を越えなかった場合、この定格電流値が、ブレーカデマンドと決定され、従来値を超える場合、図6に示す「当月内のブレーカデマンド最大値」の欄、「12ヶ月内のブレーカデマンド最大値」の欄がそれぞれ更新される(S14、S15)。また、「当月内のブレーカデマンド最大値」及び「12ヶ月内のブレーカデマンド最大値」は、液晶表示部2に表示される。ブレーカデマンドの計算は一定時間ごとに実行される。
使用者は、液晶表示部2に表示された「当月内のブレーカデマンド最大値」を見て、これが現在設定されている定格電流値より大幅に小さかった場合に電力会社との主開閉器契約をより小さい定格電流値のものに変更して電力基本料金を削減することを考えることができる。また、年間を通して装置稼働率が大きく変化する場合、「12ヶ月内のブレーカデマンド最大値」を参考にして、主開閉器契約の変更の有無を検討するのが適切である。
定格電流値の変更はカセット3を取り替えることにより行われる。電子ブレーカ1は、元のカセット3が取り外されても所定の時間内、あるいは新しいカセット3が挿入されるまでは元の定格電流値で動作を継続するように設計されているので、カセット3を取り替える際に幹線の電流が遮断されなくて済む。
電子ブレーカ1が適正な定格電流値を計算する手順を示す。 現在値テーブル及び最大値テーブルの状態遷移を示す。 月ベースの最大通電時間の履歴情報のデータベースを示す。 トリップチャートの計算表。 最大通電時間とトリップチャートとの比較の説明を補助するグラフ。 月ベースの最大ブレーカデマンドの履歴情報のデータベースを示す。 電子ブレーカ1の構造を示す。
符号の説明
1・・・電子ブレーカ、2・・・液晶表示部、3・・・カセット、3c・・・コネクタ、4・・・操作ボタン部、11〜15・・・ 内蔵コンピュータの機能的構成要素。

Claims (5)

  1. 配線に過電流が流れたときに配線に流れる電流を遮断するための電子ブレーカであって、
    配線に流れる電流の大きさを検出する電流値検出手段と、
    各電流値(離散値)以上の電流が連続して流れた時間の最大値(最大通電時間)を記録・更新するアンペアカウンタと、
    前記最大通電時間を参照して、ある定格電流値が十分に大きいか否かを判断する判断手段とを備え、
    前記判断手段が、前記最大通電時間と、ある定格電流値における各電流値(離散値)と許容される連続通電時間(許容通電時間)との対応関係を示すトリップチャートとを比較して、前記トリップチャートで規定される電流範囲中のいずれかの電流値(離散値)で前記最大通電時間が前記許容通電時間を越えないか判断することを特徴とする電子ブレーカ。
  2. 前記判断手段は、前記の比較・判断処理の結果いずれかの電流値(離散値)で前記最大通電時間が前記許容通電時間を越えた場合、当該定格電流値は十分に大きくないと判断し、より大きい定格電流値について前記の比較・判断処理を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の電子ブレーカ。
  3. 表示手段を備え、
    前記表示手段が、前記電流範囲中のあらゆる電流値(離散値)で前記最大通電時間が前記許容通電時間を越えない定格電流値を適正な定格電流値として表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ブレーカ。
  4. 電子ブレーカの定格電流値を指定するプログラムを格納した記録装置を取り外し可能に収納することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子ブレーカ。
  5. 前記記録装置を取り外した後、一定時間内は動作を維持し、前記一定時間が経過したら配線に流れる電流を遮断することを特徴とする請求項4に記載の電子ブレーカ。
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