JP3836660B2 - 感熱複写伝票 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプリンタによる感熱記録によって感熱複写が可能な伝票に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、宅配便等により使用される伝票は、3枚以上が一冊となった感圧複写方式の配送用複写伝票を用い、それにボールペン等で必要な情報を手書きしている。
このような現状に対し、複写伝票の枚数を減らしかつ感圧複写方式ではなく感熱複写方式で情報を記録する形態がすでに提案されている(特願平11−371029号)。この方式では、上下2枚の感熱転写紙から成り、送り先や送り主などの情報をコンピュータから直接書きこむだけでよく、配送業者が中継点等で必要とする情報は伝票に印刷されたバーコード情報によって処理する。この配送用感熱複写伝票は、一度に大量の物品を送付する、いわゆる大口送り主がコンピュータ端末から直接情報を取りこむ場合等に非常に有効である。
【0003】
ところで、配送用の複写伝票には、一般に、「着払」、「元払」および「代引」などの宅配料金の支払い方法によって色分けされており、配達人はその色により料金徴収の有無を確認することができる。例えば、「着払」用の複写伝票は必要な情報を記録する部分が赤色で印刷されており、また「元払」用の複写伝票は緑色、「代引」用伝票はオレンジ色等でそれぞれ印刷されている。
しかしながら、このように色分け印刷された複写伝票は、便利である反面、常に全ての種類の配送用伝票を保管していなければならず、また製造コストも複雑化しかつ高くなる傾向がある。更に、前述のように配送用の複写伝票への情報記録をコンピュータで行なう場合、一般に連続帳票形態の複写伝票をプリンターに供給するが、料金支払方法の異なる情報を記録する際には、その都度印刷を停止し、その情報に対応する色の情報記入欄を有する複写伝票に入れ替えなければならなかったことから、コンピュータの使用による連続処理の利点が半減していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、必要な情報を記録する部分を色分け印刷する必要がなく、1種類の複写伝票で多目的な伝票として使用可能な感熱複写伝票であって、例えば配送用に用いた場合、「着払」、「元払」または「代引」等の機能を果たし得る感熱複写伝票を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、熱的作用により発色する感熱複写伝票に、部分的に熱的作用により発色の色調が異なる感熱発色インキ層を少なくても1つ以上設け、必要に応じて感熱発色インキ層を発色させることにより、従来の伝票の問題点を克服し、上記目的を達成した。
すなわち、本発明の第1の観点は、一方の面に情報に対応する熱的作用を受けてその情報を記録する感熱発色層を有し、他方の面に熱転写層を有する感熱部材と、この感熱部材を透過した熱的作用により、情報を記録することができる感熱発色層または顕色剤層を有する受像部材とを含む感熱複写伝票であって、熱的作用により情報が記録される部分を除く前記層および面から選択される少なくとも1つの箇所に、前記情報の記録のために付与される熱的作用によって、該情報を表す色相とは異なる色相で発色する感熱発色インク層が設けられている、2枚葉の感熱複写伝票を提供する。
【0006】
本発明は、第2の観点として、感熱部材の熱転写層および受像部材の感熱発色層または顕色剤層を有する面とは反対の面と全体的にまたは部分的に接触し得る面およびその面とは反対の面に感圧接着剤層とを有する基材シートと、前記感圧接着剤層と接着するように設けられた剥離紙との組み合わせから成るタックシートを更に含んで成る、3枚葉の感熱複写伝票も提供する。
【0007】
本発明の感熱複写伝票は、熱的作用により情報が記録される部分を除く同一または異なる前記層および/または面に、該情報を表す色相とは異なる色相で発色する感熱発色インク層が1以上設けられていることを特徴とする。また、本発明の感熱複写伝票は、感熱発色インク層が、受像部材および/またはタックシートに含まれる層および/または面に設けられていてもよい。更に本発明の感熱複写伝票は、感熱発色インク層が設けられている部分が、露出されており、かつ前記情報の記録のために付与される熱的作用を直接受け得るものであってもよい。
【0008】
本発明の感熱複写伝票は、感熱部材の感熱発色層上および熱転写層上にオーバーコート保護層を有していてよい。
【0009】
本発明において、感熱部材の熱転写層と感熱発色層または顕色剤層および/または感熱部材の熱転写層または受像部材の感熱発色層または顕色剤層を有する面とは反対の面と基材シートの感圧接着剤層を有する面とは反対の面とが、対向する部材、層または面の周縁部位を接着することにより部分的に接着されていてよい。
【0010】
本発明の第2の観点の感熱複写伝票は、別態様として、感熱部材の熱転写層と前記タックシートの剥離紙を有しない面とが対向する周縁部位が接着された形態を成し、該形態の内部に受像部材が封入されたものも包含する。
【0011】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
先ず、本発明の第1の観点に係る、2枚葉の感熱複写伝票を説明する。
図1〜図4には、以下の手順に従って形成される本発明の感熱複写伝票100a〜100cを示す。ここで、図2は、図3の本発明の感熱複写伝票100bのO−P線における断面図である。
図1〜4の感熱複写伝票100a〜100cは、(1)感熱部材110と(2)受像部材120から構成されており、感熱部材110には基材シート(A)111が含まれ、受像部材120には基材シート(B)121が含まれている。
【0012】
前記基材シート(A)および(B)111および121はそれぞれ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルムおよび紙シート等から任意に選択される材料であってよい。
本発明では、特に好ましくは、感熱部材110中に含まれる基材シート(A)111として、厚さが25〜60g/m2の範囲の材料を使用する。基材シート(A)111の厚さが前記範囲よりも薄いと、原紙表面および/または裏面への各層形成のための塗布工程において、作業性が極端に悪化し、あるいは前記範囲を超えて厚すぎると、サーマルプリンターのサーマルヘッドの熱伝導が悪くなり、受像部材120における十分な転写発色濃度が達成し難くなる。
【0013】
基材シート(A)および(B)表面にはいずれも、通常使用されるインクおよび装置などを用い、単色で(所望により1色以上で)印刷された必要な情報を記録する部分(以下、情報記入欄と呼ぶ。)160を有している。
【0014】
工程( i )感熱部材の調製
基材シート(A)111の情報記入欄160を含む面に感熱発色層112を形成した後、それとは反対の面に熱転写層113を形成する。
【0015】
感熱発色層112は、具体的には、発色剤を、水溶性バインダーに混合してボールミルまたはサンドグラインダー中で8時間粉砕・微粉砕して調製したA液と、顕色剤と水溶性バインダーを水中で粉砕・微粉砕して調整したB液とを混合することにより調製され得る感熱発色層形成用組成物を、基材シート(A)111の情報記入欄160を含む面に塗布量2〜8g/m2で塗布し、乾燥することによって形成される。
【0016】
得られる感熱発色層112は、サーマルプリンターのプリンターヘッドによる80〜110℃の範囲への加熱により発色するが、その色相は、使用する発色剤の種類に依存して変化する。
好適な発色剤は、ロイコ染料であり、具体的には、感熱紙に常用されるトリフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリアゼン系化合物およびスピロピラン系化合物等のロイコ体(例えば、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、2-(N-(3'-トリフルオロメチルフェニル)-アミノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチルアニリノ)-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチルアニリノ)-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチルシクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、ベンゾ-β-ナフトスピロピラン等)のような、青、赤、黒等の各種の色相で発色し得るもの、およびこれらの混合物が挙げられる。発色剤は、固体の形態でそのまま使用してもよい。特に好ましくは、発色剤として、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリドまたは2-(N-(3'-トリフルオロメチルフェニル)-アミノ)-6-ジエチルアミノフルオランを使用する。
【0017】
感熱発色層112に使用される顕色剤としては、感熱紙に一般に使用されるものであってよく、例えば、モンモリロナイト、アタパルジャイト、ベントナイト、活性白土、カオリン等の粘土鉱物、4-t-ブチルフェノール、4-フェニルフェノール、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン[すなわち、ビスフェノールA]、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシフェニルスルホン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ブタン、4-t-ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの重縮合物、α-ナフトール、β-ナフトール、またはサリチル酸誘導体の金属塩のうち5-フェニルサリチル酸の亜鉛塩、5-t-アミルサリチル酸の亜鉛塩、5-(4-ヒドロキシフェニル)-サリチル酸の亜鉛塩、3,5-ジ-α-メチルベンジルサリチル酸の亜鉛塩、3-メチル-5-フェニル-サリチル酸の亜鉛塩、サリチル酸とホルムアルデヒドとの縮合物の亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は単独でまたは組み合わせて使用してよい。
【0018】
前記水溶性バインダーは、従来から感熱紙に用いられるものであってよく、例えば、澱粉、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶液であってよい。感熱発色層形成用組成物にはさらに、無機顔料(カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粒子状無水シリカ等)、増感剤(脂肪酸アミド類、芳香族カルボン酸エステル類、脂肪酸エステル類、芳香族エーテル類等)および滑剤(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸アミド、フッ化エチレン、ケイ酸アルミニウム等)が含有されていてよい。
【0019】
感熱発色層112は、必要に応じて増感剤も含有し得る。好適な増感剤としては、例えばアミド類、フェノール誘導体、フェニルエーテル誘導体、ビフェニルエーテル誘導体、ナフチルフェニル誘導体などが挙げられ、特に80〜180℃の融点を有する物質であってよい。
【0020】
基材シート(A)111の感熱発色層112とは反対の面に形成される熱転写層113は、無色ないしは淡色の発色剤および熱可融性物質(いわゆる、ワックス)を含有する。
熱転写層113に使用される発色剤は、前述の感熱発色層112について列挙したものから好ましく選択することができ、所望の色の感熱記録を得るのであれば、前記感熱発色層112に含まれる発色剤と同一であっても異なっていてもよい。
前記発色剤と混合可能な熱可融性物質は、融点が30〜110℃のワックス状物質である。このようなワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、オーリキュリーワックス、キャンデリラワックス、シュガーケーンワックス、ココナッツワックス、パラフィンワックス、マイクロクリタリンワックス、ヘキストワックス(OP、O等)、パリコワックス(WBワックス等)、NPSワックス、ライスワックス、低分子ポリエチレンワックス、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)、ケトンワックス(ステアロン等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、「ワックス状物質」という用語とは、加熱溶融により低粘度の液状となり、融点以下に冷却すると再び凝固して固体状となる物質を意味するものであって、当該分野において一般に知られている高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルのみを表すものではない。
【0021】
熱転写層用塗布液は、前記熱可融性物質(すなわち、ワックス)と発色剤としてのロイコ染料微粉末とを混合し、所望により、更に可塑剤を添加し、それらを加熱溶融して均一に分散することにより調製される。使用される熱転写層形成用塗布液の融点および粘度は、通常、含有成分の一つであるワックス類の種類およびその使用量によって調整することができる。前記塗布液中の発色剤とワックス類の望ましい配合割合は、例えば、ワックス類100重量部に対して前記発色剤3〜15重量部であってよいが、本発明は、この範囲に限定されるものではない。
【0022】
熱転写層113は、前記熱転写層用塗布液を、前記基材シート(A)111の裏面上にフレキソ印刷またはフレキソ塗工機を用いて塗布量2〜10g/m2で塗布することにより形成され得る。
ここで、熱転写層113の塗工量および表面状態は、グラビアまたはフレキソ印刷版のメッシュによって決定されるが、本発明では、特に、100〜300線/インチ、最も好ましくは120〜200線/インチでかつ深さ10〜60μm、好ましくは深さ30〜50μmのメッシュを有するフレキソまたはグラビア印刷版を用いて塗布することが好ましい。
【0023】
本発明において、前記熱転写層113には、低エネルギーのサーマルプリンターによる複写性のような機能を付与するために、必要に応じて鉱物油、ケイ酸テトラウンデシル、ケイ酸テトラジデシル、ケイ酸テトラトリデシル、塩化パラフィン等の可塑剤等を更に添加することも可能である。
【0024】
本発明の感熱複写伝票100において、より好ましくは、搬送および/または取扱い中に発生する印字記録部の不要な発色汚染を防止するために、感熱発色層112および熱転写層113上にUV硬化性インキから形成される第1および第2オーバーコート保護層115および116を形成する。特に、第2オーバーコート保護層116は、熱転写層113の全面を被覆するように形成され、また第1オーバーコート保護層115は、感熱発色層112上の情報記入欄160における受領印の押捺指定箇所および収入印紙等の貼付指定箇所(図2中、矢印で示す部分)以外の全面を被覆するように形成される。
【0025】
第1および第2オーバーコート保護層115および116を形成するのに好適に使用されるUV硬化性インキは、従来から用いられているものであってよいが、光エネルギーにより乾燥硬化する紫外線硬化性樹脂を含むオーバーコート用インキであってもよく、例えば、特開平11-123870号公報に記載のものが挙げられ、具体的には、紫外線硬化性樹脂;光重合開始剤;増感剤;および、必要に応じて体質顔料等を含有し得る。これらUV硬化性インキは、そのまま使用されても、あるいは従来既知の印刷インキに使用されるワセリン、マット剤、スリップ剤または消泡剤等の助剤;および、アクリルモノマー、プレポリマー等の連鎖移動剤のような紫外線硬化反応機構に有効な各種助剤を更に添加した後、使用されてもよい。
本発明において、第1オーバーコート保護層115形成用UV硬化性インキには更に、アクリレートエステル基含有ポリシロキサン、メルカプト基含有ポリシロキサン等のようなシリコン系潤滑剤を含有していてもよい。
【0026】
前記紫外線硬化性オーバーコート用インキは、その製造工程において、上記各成分の練り合わせ中に部分的に大きな剪断応力がかかることによって系全体が高温とならないように、さらに、その結果、重合反応が部分的に起こることがないように注意する必要があるが、それ以外は、当該分野において通常使用される印刷インキと同様の方法で製造され得る。前記インキはいずれも、例えば、3本ロールミル、サンドミル、KDミル、ボールミル等を用いて各成分を混練し、分散してインキとする。
第1オーバーコート保護層115は、平版、凸版、スクリーン、グラビア、フレキソ印刷法に従い、塗布量0.1〜2.5g/m2の範囲で前記熱転写層14上に塗布された後、紫外線を照射して硬化することにより形成されてよい。
ここで、前記塗布量が0.1g/m2未満であると、貯蔵または搬送中における印字記録部の不要な発色汚染を十分に防止できず、あるいは2.5g/m2を超えると、プリンターの印加エネルギ−による複写が不十分となるため、いずれも好ましくない。
【0027】
ここで、最も好ましくは、感熱部材110の熱転写層113およびそれを被覆する第2オ−バ−コ−ト保護層116はいずれも、後で詳細に説明する第1感熱発色インク層150と対向する部位を除いて形成する。こうすることで、第1感熱発色インク層150が混色して発色することを防止することができる。
【0028】
工程( ii )受像部材の調製
受像部材120は、情報記入欄160を有する面に感熱発色層または顕色剤層122を有する基材シート(B)121を含む。ここで、感熱発色層122は、その組成が、前記感熱部材110に形成される感熱発色層112と同一であっても、所望により発色剤が異なっていてもよい。
【0029】
前記基材シート(B)121に顕色剤層122を形成する場合、顕色剤層122の組成は、熱の付与によって前記熱転写層113から転写されたロイコ染料を発色させ印字記録を形成するものであればよく、好ましくは顕色剤、およびラテックスまたはバインダーを含有する。
顕色剤としては、前記感熱部材110に形成される感熱発色層112中に配合されるものと同様のものが例示されるが、より好ましくは、感熱性に特に優れた2種以上の顕色剤を混合して使用する。本発明で使用するのに最も好ましい顕色剤は、フェノール性物質、例えば2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン[すなわち、ビスフェノールA]あるいは4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシフェニルスルホンとサリチル酸誘導体の亜鉛塩(特に、3,5-ジ-α-メチルベンジル-サリチル酸の亜鉛塩)との混合物である。
顕色剤層122に含まれるラテックスの具体例としては、SBRラテックス、NBRラテックス、PSBRラテックス等が挙げられ、またバインダーの具体例としては、澱粉、ポリビニルアルコール等の水溶液が挙げられる。
顕色剤層122は、例えば、前記ラテックスおよび/または水溶性バインダーの水溶液中に顕色剤をボールミル、サンドグラインダーなどを用いて微分散させた塗布液を、基材シート(B)121の情報記入欄160を有する面に乾燥被覆重量2.0〜7.0g/m2の範囲で塗布し、乾燥することによりを形成され得る。
【0030】
工程( iii )感熱発色インク層の形成
次に、本発明では、熱的作用により情報が記録される部分(すなわち情報記入欄)を除く層および面から選択される部分に、上方記録のために付与される熱的作用により発色し得る感熱発色インク層を設ける。
例えば、図1に示す感熱複写伝票100aでは、受像部材120の感熱発色層または顕色剤層122上に感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱によりピンク色に発色する感熱発色インク層150が形成されている。
【0031】
工程( iv )〜( v )各構成要素の接着
図1〜4に示すように、先ず、第2オーバーコート保護層116と感熱発色層または顕色剤層122とを互いに対向して配置し、感熱発色層または顕色剤層122上の第1感熱発色インク層150が存在しない領域に第1糊剤層117を形成して感熱部材110と受像部材120を互いに接着することにより、本発明の第1の観点の、2枚葉の感熱複写伝票100a〜100cが得られる。
【0032】
工程( vi )カットオフ
本発明において、例えば図2および4に示すように、感熱複写伝票100bおよび100cは、感熱印刷方向の両端部の感熱部材110がカットオフ190されていてよい。このカットオフ工程により、基材シート(B)121表面または感熱発色層または顕色剤層122の左端部190が露出される。
図2〜4に示す別態様の感熱複写伝票100bおよび100cでは、この露出部190にも感熱発色インク層を形成している。
図2に示す感熱複写伝票100bは、受像部材120の感熱発色層または顕色剤層122上に感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱によりピンク色に発色する第1感熱発色インク層150が形成され、そして基材シート(B)121の感熱発色層または顕色剤層122を有しない部分(図中、左端部190)にも、感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱により緑色に発色する第2感熱発色インク層155が形成されている。もう一つの態様としての図4に示す感熱複写伝票100cは、受像部材120の感熱発色層または顕色剤層122上に感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱によりピンク色に発色する第1感熱発色インク層150が形成されており、その感熱発色層または顕色剤層122上であって、表面が露出した部分(図中、左端部190)には、感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱により緑色に発色する第2感熱発色インク層155が形成されている。
【0033】
本発明において、形成される第1および第2感熱発色インク層150および155はいずれも、好ましくは、熱的作用によって記録される情報を表す色相とは異なる色相で発色することを特徴とする。
【0034】
さらに好ましくは、これら第1および第2感熱発色インク層150および155は、互いに発色色相が異なっていてよく、すなわち、使用される発色剤が異なっていてよい。これら感熱発色インク層は、感熱複写伝票の使用目的に応じて熱的作用を加える部分を変更することにより、所定の発色色相の組み合わせを発現し、この組み合わせによって、感熱印刷後の複写伝票が「着払」、「元払」または「代引」のいずれの料金支払い形態を意図するものであるかが決定され、視覚的に容易に判別され得る。(例えば、第1感熱発色インク層150のみが加熱されてピンク色に発色している場合は「着払」配送用伝票であり、第2感熱発色インク層155のみが加熱され緑色に発色している場合は「元払」配送用伝票であり、あるいは両者が共に加熱され発色している場合は「代引」配送用伝票である、等。)
【0035】
本発明の第1の観点において、各感熱発色インク層の形成される位置、面積および形態、およびそれらの発色色相は、図1〜4の例示に限定されるものではなく、複写伝票の使用目的に応じて適宜変化してよい。すなわち、感熱発色インク層は、情報記入欄を有しない部分であれば、上記以外の任意の層または部材の面上に、上記以外の形態で形成することができ、例えば、情報記入欄を囲む全周縁部や、一部周縁部を除くコの字型等に形成されてもよい。
【0036】
さらに、本発明において、露出された感熱発色インク層(例えば、図2および4中の第2感熱発色インク層155)上には、前述と同様のUV硬化性インキを適用してオーバーコート保護層を形成してもよく、これにより、感熱複写伝票100の搬送および/または取扱い中に発生する印字記録部の不要な発色汚染を防止することが可能となる。
【0037】
ここで、第1糊剤層117は、当該分野で通常使用される接着剤または糊剤を使用して形成されてよく、例えば、酢酸ビニルエマルション、エチレン酢酸ビニルエマルション、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、合成ゴムラテックス、およびこれらの接着剤とポリエチレンワックス等のワックスエマルションとの混合物を使用することができる。
【0038】
工程( vii )ダイカット
本発明の更なる特徴としては、感熱複写伝票の所望の位置、特に感熱印刷方向における中央部付近において、感熱部材110と受像部材120とが合わせてダイカット180されていることである。このダイカット180により、感熱部材110と受像部材120は、2つ以上の区分、最も好ましくは2つの区分に分離され得る(図1〜4参照)。
こうして分離された感熱複写伝票100a〜100cでは、ダイカット180から左側は感熱部材110と受像部材120とが第1糊剤層117により接着されていることから1枚の記録用紙が構成され、ダイカット180から右側では感熱部材110と受像部材120から成る2枚の記録用紙が存在する。
さらに感熱部材110と受像部材120は、ダイカット180の代わりに、切断部0.35mm以上、非切断部0.20mm以下のマイクロミシンを施すことによっても2つ以上の区分に分離できる。
【0039】
実施例1の感熱複写伝票100a〜100cはいずれも、複写により、基材シート(A)111の裏面に設けられた熱転写層113が感熱発色層112に付与した熱的作用により保護層116を介して基材(B)121に転写され該熱的作用に応じた情報記録がなされる。それと同時に、それぞれ別途設けられた感熱発色インク層150および155も必要に応じて発色され得る。
【0040】
実施例2
本発明の第2の観点として、3枚葉の複写伝票100dを図5に示す。この複写伝票100dは、別途調製するタックシートを更に含むこと以外は実施例1の複写伝票100a〜100cと同様にして製造される。
【0041】
工程( viii )タックシートの調製
図5に示すように、タックシート130は、基材シート(C)131の一方の面に、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン−ブタジエンゴム系等の任意の感圧接着剤を塗布することによって感圧接着剤層135を形成した後、それを剥離紙140で更に被覆することによって提供される。使用される基材シート(C)は、前記基材シート(A)および(B)について記載したものから任意に選択されてよい。
剥離紙140としては、感熱複写伝票100の使用前の保管中および搬送中における感圧接着剤層135の汚染および他の物品への接着を回避するためのものであり、当該分野において従来から使用されているもの(例えば、シリコーン加工紙、ワックス加工紙等)がいずれも適用できる。
【0042】
工程( ix )感熱発色インク層の形成
本発明の第2観点の感熱複写伝票100dは、例えば、図5に示すような配置で感熱発色インク層を形成する。
例えば、受像部材120の感熱発色層または顕色剤層122上に感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱によりピンク色に発色する感熱発色インク層150を形成し、更に基材シート(C)131の感圧接着剤層127を有しない面にも、感熱印刷方向を横断して帯状に、加熱により緑色に発色する第2感熱発色インク層155を形成することができる。ここで、第2感熱発色インク層155は、所望により、感熱部材110と受像部材120の両端部を予めカットオフすることにより基材シート(C)131の感圧接着剤層127を有しない面の表面が露出している部分(例えば、図5中、左端部190)に形成することも可能である。
【0043】
この複写伝票100dにおいて、第1感熱発色インク層150は基材シート(A)111で外部から保護された状態であればよく、基材シート(B)上121または顕色剤層122または基材シート(C)131上に配置されている。熱量を考慮すると該第1感熱発色インク層150は基材シート(A)111または保護層116に直接接すことが可能な場所が望ましい。すなわち、第1感熱発色インク層150は基材シート(A)111を介した熱的作用により発色可能であり、また基材シート(A)111が保護層として働く位置に配置されている。具体的には感熱部材110と受像部材120の第1感熱発色インク層150周辺は基材シート(C)131に部分的に接着され、感熱部材110は剥離可能な感圧接着剤により基材シート(C)131に固定されている。第1感熱発色層150の位置は、基材シート(A)111上に設けられたオーバーコート保護層115または116が存在する位置の下の受像部材120上に設ける。この構成により、第1感熱発色層150は基材シート(A)111およびオーバーコート保護層115または116により耐候性が向上することになる。
また、第2感熱発色インク層155上にも保護層を設けたほうが好ましく、例えば、オーバーコート保護層115を形成する際に同時に形成することができる。
【0044】
本実施例2では2色の異なる感熱発色インク層150または155を設けているがこれに限ることなく用途によりその色相、数(1以上)および配置を任意に決定することが可能である。
【0045】
工程( x )各構成要素の接着
あるいは、図5に示すように、この2枚葉の感熱複写伝票の基材シート(B)121の感熱発色層または顕色剤層122を有しない面を、基材シート(C)131の感圧接着剤層135を有しない面と互いに対向して配置した後、基材シート(C)131上の第2感熱発色インク層155が存在しない領域に第2糊剤層127を形成して受像部材120とタックシート130とを互いに接着することにより、3枚葉の感熱複写伝票100dを得ることができる。
【0046】
あるいは、別態様として、感熱部材110とタックシート130の対向する周縁部に更なる糊剤層137を形成してもよい(図6参照)。この糊剤層137は、受像部材120に接触しないように形成することが望ましく、それにより、感熱部材110とタックシート130とが封筒状の形態に接合され、その中に受像部材が封入される。
こうすることで、搬送および保管中の感熱部材110とタックシ−トとの剥離が生じず、各部材110および120の汚染も防止できる。
糊剤層の形成には、実施例1において記載した第1糊剤層の形成に使用される接着剤または糊剤を使用してよい。
【0047】
実施例3
実施例1または2と同様にして製造される本発明の感熱複写伝票は、別態様として、図7に示すように連続帳票の形態200で提供されてもよい。図7には、3枚葉の連続帳票形態の感熱複写伝票200を示している。このような形態とすることで、情報記録に関し、サーマルプリンター等を用いた連続印刷が可能となる。
連続帳票の形態の感熱複写伝票200には、所望により、その長手方向の両端部に、ピントラクタで送るためのマージナル部等のサーマルプリンターでの印刷において必要とされる部位・機能を設けることができる。
【0048】
実施例4
更に本発明では、前記実施例2または3と同様にして製造された複写伝票100dの剥離紙140に、感熱印刷方向を横断する幅の中心付近に感熱印刷方向に平行してミシン目加工またはカッティングを施すことも可能である。こうして施されたミシン目または切れ目により、感熱複写伝票100を配送物品に貼付する際の感圧接着剤層135からの剥離紙140の除去がより容易になる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の感熱複写伝票は、1以上の異なる色相で発色し得る感熱発色インク層を同一または異なる部材、層または面上に有することから、感熱記録時に例えば「着払」、「元払」または「代引」などの宅配料金の支払い方法を選択し指定する等を行うと、それぞれに対応した感熱発色インク層の発色の組み合わせを形成することができるため、従来のように複数の目的に応じて多種類の複写伝票の保管が不要である。
【0050】
本発明によれば、プリンターからのエネルギーに直接接触できる位置に感熱発色インク層を設けることにより、特別高エネルギーを印加することなく容易に複数の目的に応じた感熱複写伝票の形成が可能になる。
【0051】
本発明によれば、感熱発色インク層の保護層を上部の基材シートにより兼用することにより特別な保護層を設けることなく輸送時等の引っかき等から発色することを防ぐことが可能であると同時に耐候性の優れた感熱複写伝票を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の観点の2枚葉の感熱複写伝票の第1態様を表す模式的な断面図である。
【図2】 本発明の第1の観点の2枚葉の感熱複写伝票の第2態様を表す模式的な断面図である。
【図3】 図2に示す本発明の感熱複写伝票の平面図である。
【図4】 本発明の第1の観点の2枚葉の感熱複写伝票の第3態様を表す模式的な断面図である。
【図5】 本発明の第2の観点の3枚葉の感熱複写伝票を表す模式的な断面図である。
【図6】 本発明の第2の観点の3枚葉の感熱複写伝票の別態様を表す模式的な平面図である。
【図7】 本発明の連続帳票形態の感熱複写伝票を表す斜視図である。
【符号の説明】
100a、100b、100c、100d…本発明の感熱複写伝票、110…感熱部材、111、121、131…基材シート、112…感熱発色層、113…熱転写層、115、116…オーバーコート保護層、117、127、137…糊剤層、120…受像部材、122…感熱発色層または顕色剤層、130…タックシート、135…感圧接着剤層、140…剥離紙、150、155…感熱発色インク層、160…情報記入欄、180…ダイカット部またはマイクロミシン部、190…カットオフ部、200…本発明の連続帳票形態の感熱複写伝票。

Claims (8)

  1. 一方の面に、情報に対応する熱的作用を受けて該情報を記録する感熱発色層を有し、他方の面に熱転写層を有する感熱部材、および該感熱部材の熱転写層と部分的に接着され、かつ感熱部材を透過した情報態様の熱的作用により情報を記録することができる感熱発色層または顕色剤層を有する受像部材を含む感熱複写伝票において、熱的作用により情報が記録される部分を除く前記層および面から選択される部分に、前記情報の記録のために付与される熱的作用によって、該情報を表す色相とは異なる色相で発色する感熱発色インク層が設けられている感熱複写伝票。
  2. 感熱部材の熱転写層および受像部材の感熱発色層または顕色剤層を有する面とは反対の面と全体的にまたは部分的に接触し得る面を有しかつ該面とは反対の面に感圧接着剤層を有する基材シートと、前記感圧接着剤層と接着するように設けられた剥離紙との組み合わせから成るタックシートを更に含む請求項1記載の感熱複写伝票。
  3. 熱的作用により情報が記録される部分を除く同一または異なる前記層および/または面に、該情報を表す色相とは異なる色相で発色する感熱発色インク層が1以上設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の感熱複写伝票。
  4. 感熱発色インク層が、受像部材および/またはタックシートに含まれる層および/または面に設けられている請求項3記載の感熱複写伝票。
  5. 感熱発色インク層が設けられている部分が、露出されており、かつ前記情報の記録のために付与される熱的作用を直接受け得る請求項4記載の感熱複写伝票。
  6. 感熱部材の感熱発色層上および熱転写層上にオーバーコート保護層を有する請求項1または2記載の感熱複写伝票。
  7. 感熱部材の熱転写層と感熱発色層または顕色剤層および/または感熱部材の熱転写層または受像部材の感熱発色層または顕色剤層を有する面とは反対の面と基材シートの感圧接着剤層を有する面とは反対の面とが、対向する部材、層または面の周縁部位を接着することにより部分的に接着されていることを特徴とする請求項1または2記載の感熱複写伝票。
  8. 感熱部材の熱転写層と前記タックシートの剥離紙を有しない面とが対向する周縁部位が接着された形態を成し、該形態の内部に受像部材が封入されていることを特徴とする請求項7記載の感熱複写伝票。
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