JP3836729B2 - 無線伝送制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信において移動機と基地局の通信を制御する無線伝送制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信の場合、有線通信に比べて伝送路の状態は劣悪である。送信された信号は、建物や樹木などの障害物、地形や天候の影響を受け、反射、透過、回折を起こし、信号の強度や位相が異なった信号となって受信される。特に移動通信の場合は、基地局と移動機との距離の変化や障害物による直接波の遮断が頻繁に起こるため、再送制御を行っても、再送が頻発し伝送効率が悪くなってしまうことがある。このような理由から、無線通信では、誤り訂正の技術が不可欠で、送信データに冗長情報を付加する誤り訂正符号を用いることもそのひとつである。しかし、誤り訂正符号は、再送回数を低減させることはできるが、冗長情報を付加するため、実際に伝送できる情報量も少なくしてしまう。
【0003】
このような問題を改善するために、伝送路の状態を監視し、その状態に適した誤り制御方式を選択する従来技術として、特開2000−253095号公報がある。
【0004】
図17を参照して、特開2000−253095号公報に示された誤り訂正の選択方法を説明する。図17は、基地局Kと3台の車両に搭載された移動局M1〜M3を示している。基地局Kと移動局M1〜M3は、複数の符号化率を選択して通信を行うことができる。この場合、移動局M1〜M3は、基地局Kとの通信エリア内に移動局M1、M2、M3の順番で入ってきている。移動局M1は3つの基地局の中で最初に基地局Kとの通信を行っているので、基地局Kとの伝送路の状態を把握している。従って、基地局Kと移動局M1の路車間通信の通信品質を示す誤り制御情報を移動局M2に送信することができる。移動局M2は、移動局M1から受信した誤り制御情報に基づき基地局Kとの路車間通信の符号化率を決定し通信を行い、その通信結果の誤り制御情報を後方の移動局M3に送信する。
【0005】
このように、この従来技術においては、基地局Kとの通信エリア内の移動局が、後続車両に搭載されている移動局に対して誤り制御情報を伝えることで、後方の移動局は、基地局Kに適応した符号化率を選択して通信を行い、情報量の低減を抑えるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、電波状態が極度に悪く、誤り訂正技術だけでは補えないような場合は、再送制御を繰り返してしまうという問題がある。
【0007】
図18に示すように、移動機1が目的地2に到達するまでの経路上には、天候の影響などで電波状態が極度に悪い地域3が存在する場合がある。このような場合は、地域3を通過するまでは何回再送を行っても失敗する可能性が高く、上記従来技術では再送制御を繰り返し、基地局と移動局間のトラフィックが増大してしまう。その結果、セル内の干渉が増えて無線システムとしてのスループットが低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、この従来技術では、再送を繰り返したり、移動局が常時伝送路の状態を監視する必要があるため、移動局の消費電力が増加し、バッテリーの消耗が激しくなるという問題もある。
【0009】
さらに、誤り制御情報を後続車に伝えるための車車間通信の車間距離は一定ではない。そのため、車間距離が短くなると、通信を行う時間も短くなり、たとえば、移動局M2が基地局Kと通信を行って通信品質を移動局M3に送信する前に、移動局M3が基地局Kとの通信エリアに侵入してしまう場合や、先行車両がなく通信品質を受信できない場合は、基準値で通信を行わなければならないという問題もある。特に車間距離が短い場合は、通信品質が悪化することが予測できる場合でも通信を高速化する時間も限られてしまう。
【0010】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、基地局と移動局が通信中に、2局間の伝送路の状態が極めて悪い地域を予測し、その地域に入る前に高速で通信を行って終了させるようにし、伝送路の状態が極めて悪い地域内では、無駄な再送処理を軽減させる無線伝送制御システムを得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる無線伝送制御システムは、移動機およびカーナビゲーションを搭載している複数の車両と、路上に設置される複数の路側機と、前記複数の路側機と送受信失敗情報の集中管理を行う路側機制御サーバとを備え、前記移動機と前記カーナビゲーションが無線通信を行い、該カーナビゲーションと前記路側機が無線通信を行い、前記路側機と前記路側機制御サーバがネットワークを介して通信を行うことで前記移動機と前記路側機制御サーバが通信を行うことができる無線伝送制御システムにおいて、前記移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、移動機がカーナビゲーションに対して送受信失敗通知を送信し、前記送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは前記移動機に再送中断通知を送信し該移動機の再送を中止させるとともに前記送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を前記路側機を介して前記路側機制御サーバに通報し、前記路側機制御サーバは、前記送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、前記路側機は前記路側機制御サーバから受信した通知用送受信失敗情報を用いて記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに対し前記変更された送受信失敗情報を通知し、前記カーナビゲーションは、前記送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、この生成した通信制御情報に基づく移動機の通信制御を行うことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、移動機がカーナビゲーションに対して送受信失敗通知を送信し、送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは移動機に再送中断通知を送信し移動機の再送を中止させるとともに送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を路側機を介して路側機制御サーバに通報し、路側機制御サーバは、送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、路側機は路側機制御サーバから受信した通知用送受信失敗情報を用いて記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに対し変更された送受信失敗情報を通知し、カーナビゲーションは、送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、この生成した通信制御情報に基づく移動機の通信制御を行うようにしている。
【0013】
つぎの発明にかかる無線伝送制御システムは、上記の発明において、前記カーナビゲーションは、前記車両の現在位置と前記送受信失敗地帯の2地点の距離に基づいて、前記通信制御情報を転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知の何れか一つに決定し、前記移動機は、前記転送レート高速化通知を受信した場合、基地局との通信を高速通信に切り換え、前記再送中断通知を受信した場合、基地局との通信で失敗が発生しても前記再送再開通知を受信するまでの間は再送通信を行わないことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、カーナビゲーションは、車両の現在位置と送受信失敗地帯の2地点の距離に基づいて、通信制御情報を転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知の何れか一つに決定し、移動機は、転送レート高速化通知を受信した場合、基地局との通信を高速通信に切り換え、再送中断通知を受信した場合、基地局との通信で失敗が発生しても再送再開通知を受信するまでの間は再送通信を行わないようにしている。
【0015】
つぎの発明にかかる無線伝送制御システムは、上記の発明において、前記路側機は、カーナビゲーションから前記送受信失敗情報を受信した場合、受信した送受信失敗情報に含まれる位置情報に基づき受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバへ伝送する必要性があるか否かを判断し、必要がある場合のみ受信した送受信失敗情報を前記路側機制御サーバに伝達することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、路側機は、カーナビゲーションから送受信失敗情報を受信した場合、受信した送受信失敗情報に含まれる位置情報に基づき受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバへ伝送する必要性があるか否かを判断し、必要がある場合のみ受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバに伝達するようにしている。
【0017】
つぎの発明にかかる無線伝送制御システムは、上記の発明において、前記路側機制御サーバは、集中管理している送受信失敗情報を定期的にチェックし、前記送受信失敗情報の受信日時に基づいて、該送受信失敗情報の必要の有無を判断し、必要のない送受信失敗情報を削除するよう前記路側機に通知することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、路側機制御サーバは、受信日時に基づいて送受信失敗情報を管理し、定期的に送受信失敗情報の必要性を判断し、必要のない送受信失敗情報は路側機サーバと路側機から削除するようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる無線伝送制御システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1〜図14を用いてこの発明の実施の形態1を説明する。この実施の形態1では、携帯電話やPHS(personal handyphone system)やPDA(Personal Digital Assistance)などの移動体通信を行う移動機とカーナビ(カーナビゲーション)を搭載した複数の車両で、それぞれの移動機が基地局と通信を行っている時に電波状態の悪い地帯を走行して、基地局との通信に再送処理が頻繁に発生する場合、移動機はその状況を送受信失敗通知として自車に搭載されたカーナビに通知する。通知を受けたカーナビは、移動機に再送中断通知を送信して移動機の再送処理を中止させるとともに、GPS(Global Positioning System:全地球無線測位システム)を用いて測定した現在地の位置情報を移動機から送信された送受信失敗通知に付加した送受信失敗情報を形成し、この送受信失敗情報を路側機に通知する。通知を受けた路側機は、この送受信失敗情報をネットワークを介して複数の路側機と送受信失敗情報を管理している路側機制御サーバに通知する。このようにして移動機と基地局の通信状態が悪い位置情報が路側機制御サーバに集まってくる。これらの情報は路側機制御サーバから路側機を介してカーナビに通知される。カーナビは路側機から通知された複数の送受信失敗情報と走行ルートから電波状態の悪い送受信失敗地帯を予測し、移動機の通信制御を行うための通信制御情報(転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知)を自車の移動機に送信し、移動機の通信制御を行う。
【0021】
移動機からカーナビ、路側機、路側機制御サーバへの通信を上り通信、路側機制御サーバから路側機、カーナビ、移動機への通信を下り通信とする。
【0022】
図1は、実施の形態1の無線伝送制御システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1における無線伝送制御システムは、移動機20とカーナビ30を搭載している複数の車両(この場合先行車両10a、対向車両10b、後続車両10cの3台)と、それぞれの車両に搭載されているカーナビ30と、無線通信を行う複数の路側機40a〜40c(この場合3台)と、ネットワークを介して路側機40a〜40cと接続され、路側機40a〜40cの制御を行う路側機制御サーバ50と、カーナビ30が位置情報を取得するために用いられるGPS衛星60で構成されている。
【0023】
先行車両10aと後続車両10cは同一方向に、対向車両10bは先行車両10aの前方から先行車両10aに向かって、それぞれの車両に搭載されているカーナビ30に設定されている目的地に向かって走行している。先行車両10aは路側機40aの通信エリアを走行し、対向車両10bは路側機40bの通信エリアを走行し、後続車両10cは路側機40cの通信エリアを走行している。先行車両10aと対向車両10bは基地局との通信に再送が繰り返されているものとする。路側機40a〜40cは、それぞれが記憶している送受信失敗情報を当該通信エリア内を走行中の車両に搭載されているカーナビ30が受信できるように、送受信失敗情報を一定時間間隔で送信し続けている。なお、移動機20が通信回線に接続するための基地局については図示していないが、先行車両10a、対向車両10b、後続車両10cに搭載されている移動機20は同じ基地局と通信しているものとする。
【0024】
図2は、図1に示した移動機20の構成を示すブロック図である。移動機20は、通信制御情報送受信部21と、送受信制御部22と、送受信実施部23を備えている。
【0025】
移動機20の通信制御情報送受信部21は、Bluetoothなどの無線通信を用いて自車に搭載されたカーナビ30と相互通信を行う。送受信制御部22は、カーナビ30から送信された通信制御情報に基づいて送受信実施部23の制御を行う。送受信実施部23は、基地局への送受信を行う。
【0026】
図3は、図1に示したカーナビ30の構成を示すブロック図である。カーナビ30は、移動機通信部31と、位置情報測定部32と、送受信失敗情報生成部33と、移動機通信制御部35と、路側機通信部34を備えている。
【0027】
移動機通信部31は、Bluetoothなどの無線通信を用いて自車の移動機20と相互通信を行う。位置情報測定部32は、GPS衛星60から発せられた電波を受信して、その電波に基づいてカーナビ30が所在する緯度、経度などの位置情報を算出する。送受信失敗情報生成部33は、自車の移動機20から送信された送受信失敗通知に位置情報測定部32で測定された位置情報を付加し、送受信失敗情報を生成する。路側機通信部34は、無線通信を用いて路側機40a〜40cと相互通信を行う。移動機通信制御部35は、路側機から受信した送受信失敗情報に基づき、移動機20に対して通信制御情報を送信する必要があるか決定し、送信が必要な場合は、通信制御情報を生成する。
【0028】
図1に示した路側機40a〜40cは全て同じ機能を備えている。図4に示した路側機40aの構成を示すブロック図を参照して路側機の機能を説明する。路側機40aは、カーナビ通信部41と、送受信失敗情報管理部42と、送受信失敗情報記憶部43と、路側機制御サーバ通信部44を備えている。
【0029】
カーナビ通信部41は、無線通信を用いてカーナビ30と相互通信を行う。送受信失敗情報管理部42は、カーナビ30から受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバ50に送信する必要の有無の判断と送受信失敗情報の管理を行う。送受信失敗情報記憶部43は、送受信失敗情報とその受信日時を記憶する。路側機制御サーバ通信部44は、ネットワークを介して路側機制御サーバ50と通信を行う。
【0030】
図5は、図1で示した路側機制御サーバ50の構成を示すブロック図である。路側機制御サーバ50は、路側機通信部51と、送受信失敗情報管理部52と、記憶部53を備えている。
【0031】
路側機通信部51は、ネットワークを介して路側機40a〜40cと通信を行う。送受信失敗情報管理部52は、路側機40a〜40cから受信した送受信失敗情報を集中管理し、記憶部53に記憶されている路側機の配置位置と送受信失敗情報に含まれる位置情報に基づき、路側機40a〜40cに配信する送受信失敗情報を決定する。記憶部53は、送受信失敗情報と複数の路側機の配置位置を記憶している。
【0032】
つぎに、図6〜図15を参照して実施の形態1の無線伝送制御システムの動作を説明する。
【0033】
図6は、先行車両10aの移動機20の上り通信の動作を示すフローチャートである。先行車両10aは、走行中に移動機20を使用して基地局を介して通信を行っている。つまり、通信制御情報送受信部21がカーナビ30からの通信制御情報を受信していない場合は、送受信実施部23は、通信回線、インターネットを介してメールやwww(World Wide Web)閲覧などを行っている。送受信実施部23は、通話中に基地局との間に通信の失敗が発生すると(図6ステップS100)、再送通信を行い、再送通信にも失敗すると送受信制御部22に再送通信が失敗したことを知らせる(図6ステップS101、S102)。
【0034】
送受信制御部22は、送受信実施部23から再送通信が失敗したことを通知されると、送受信失敗通知を送信するかどうか判断を行う(図6ステップS103)。例えば、先行車両10aが、トラックや車高の高い車の側を走行したために一時的に送受信が不安定になり発生した再送失敗であるのか、天候や地形などの問題で継続的に発生した再送失敗であるのかなどの状況判断をするために、予め一定時間tと回数xを決めておき、t時間内に再送失敗がx回を越えた場合受信失敗通知の送信が必要であるというような判断基準に従って送受信失敗通知の送信を行うかを決定する。送受信失敗通知を送信する必要があると判断された場合(図6ステップS104)、通信制御情報送受信部21は、当該移動機と基地局との再送通信に失敗が発生したことを知らせる送受信失敗通知を先行車両10a(自車)のカーナビ30に送信する(図6ステップS105)。
【0035】
図7は、先行車両10aのカーナビ30の上り通信の動作を示すフローチャートである。移動機通信部31は、先行車両10aの移動機20から送信された送受信失敗通知を受信すると、その通知を送受信失敗情報生成部33に転送する(図7ステップS200、S201)。送受信失敗情報生成部33は、移動機通信部31から送受信失敗通知を受け取ると、位置情報測定部32に位置情報の問い合わせを行う。位置情報測定部32は、GPS衛星60を用いて現在の位置情報を測定し、送受信失敗情報生成部33に測定した位置情報を通知する(図7ステップS202)。位置情報を受け取った送受信失敗情報生成部33は、送受信失敗通知に位置情報と先行車両10aの移動方向の情報を付加した送受信失敗情報を生成する(図7ステップS203)。路側機通信部34は、送受信失敗情報生成部33で生成された送受信失敗情報を路側機40aに送信する(図7ステップS204)。また、移動機通信部31は、自車の移動機20の再送を中止させるため再送中断通知を送信する(図7ステップS205)。なお、詳細な動作については後述するが、再送中断通知を受信した先行車両10aの移動機20は、基地局との通信に失敗が発生しても再送通信は行わない。
【0036】
図8は、路側機40aの上り通信の動作を示すフローチャートである。カーナビ通信部41は、先行車両10aのカーナビ30から送信された送受信失敗情報を受信すると、この送受信失敗情報を送受信失敗情報管理部42に転送する(図7ステップS301、S302)。送受信失敗情報管理部42は、送受信失敗情報記憶部43に既に記憶されている送受信失敗情報を読み出す。読み出された送受信失敗情報に含まれる位置情報と現時点で受信した送受信失敗情報に含まれる位置情報から2地点の距離を算出し、2地点の距離が最も近い送受信失敗情報を選出する。最も近い2地点の距離を予め決められていたTr1<Tr2の関係が成り立つ2つの距離設定値Tr1、Tr2と比較する(図8ステップS303)。2地点の距離が設定値Tr1よりも近かった場合は(図8ステップS304)、受信した送受信失敗情報を破棄して処理を終了する(図8ステップS305)。つまり、きわめて近い距離にあるので、記憶されている送受信失敗情報と同一情報と判断する。
【0037】
算出された2地点の距離が設定値Tr1より離れていて、設定値Tr2より近い場合は(図8ステップS306、Yes)、現時点で受信した送受信失敗情報を破棄し、記憶されていた送受信失敗情報の受信日時を現在時刻に変更する(図8ステップS307、S308)。算出された2地点が設定値Tr2より離れている場合は、受信した送受信失敗情報と記憶されている送受信失敗情報は別の情報と考えられるので、受信した送受信失敗情報に受信日時を付加する(図8ステップS309)。路側機制御サーバ通信部44は、ネットワークを介して受信日時付き送受信失敗情報を路側機制御サーバ50に送信する(図8ステップS310)。
【0038】
図9は、路側機制御サーバ50の動作を説明するためのフローチャートである。路側機通信部51は、路側機40aから送信された受信日時付き送受信失敗情報を受信すると送受信失敗情報管理部52に転送する(図9ステップS400、S401)。送受信失敗情報管理部52は、記憶部53に記憶されている受信日時付き受信失敗情報を読み出し、これらに受信した受信日時付き受信失敗情報を含めて受信日時順に並べ替える(図9ステップS402、403)。
【0039】
受信した受信日時付き送受信失敗情報と記憶部53に記憶されている受信日時付き送受信失敗情報を比較して送受信失敗情報が一致する場合は(図9ステップS404、Yes)、古い受信日時付き送受信失敗情報を削除し、受信した受信日時付き送受信失敗情報を記憶部53に記憶して処理を終了する(図9ステップS405、S406)。
【0040】
受信した受信日時付き送受信失敗情報と記憶部53に記憶されている受信日時付き送受信失敗情報を比較して送受信失敗情報が一致するものがない場合は(ステップS404、No)、受信した受信日時付き送受信失敗情報が記憶部53に記憶される(図9ステップS407)。送受信失敗情報管理部52は、記憶部53に記憶されている路側機40a〜40cの配置位置情報を読み出す(図9ステップS408)。読み出した路側機40a〜40cの配置位置と受信した受信日時付き送受信失敗情報に含まれている位置情報から、受信した送受信失敗情報を配信すべき路側機を決定する(図9ステップS409)。配信すべき路側機(この場合は路側機40a〜40c)が決定すると、通知用送受信失敗情報を生成する。通知用送受信失敗情報は、受信日時付きの送受信失敗情報に、路側機を識別するためのIDと、送受信失敗情報を追加または削除するという情報を持つ制御フラグとを付加した情報である。具体的には、先行車両10aから送られてきた送受信失敗情報を路側機40a〜40cに追加するために、受信日時付きの送受信失敗情報に路側機40a〜40cのそれぞれに対応するIDと追加フラグを付加した通知用送受信失敗情報を生成する(図9ステップS410)。路側機通信部51は、生成された通知用送受信失敗情報を路側機40a〜40cに送信する(図9ステップS411)。
【0041】
上述したように先行車両10aの移動機20が基地局との通信で再送が頻発した場合、路側機制御サーバ50に受信日時付きの送受信失敗情報が送信されてくる。対向車両10bが走行している地域も電波状態が悪いため、対向車両10bからも受信日時付きの送受信失敗情報が路側機40bを介して路側機制御サーバ50に送信されてくるが、その動作は先行車両10aと同様となるのでここではその説明を省略する。
【0042】
図10は、路側機40aの下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。路側機40b、40cも同様の動作を行う。路側機制御サーバ通信部44は、通知用送受信失敗情報を受信すると、この受信した通知用送受信失敗情報を送受信失敗情報管理部42に転送する(図10ステップS500、S501)。通知用送受信失敗情報に含まれる制御フラグが追加フラグか削除フラグかを判定する(図10ステップS502)。削除フラグの場合は送受信失敗情報記憶部43に記憶されている送受信失敗情報の中から、通知用送受信失敗情報に含まれる送受信失敗情報と一致する情報を削除する(図10ステップS503)。追加フラグの場合は、送信されてきた通知用送受信失敗情報からIDと追加フラグを除く受信日時付き送受信失敗情報を送受信失敗情報記憶部43に記憶する(図10ステップS504)。
【0043】
送受信失敗情報管理部42は、送受信失敗情報記憶部43に記憶されている情報が変更されると、記憶されている送受信失敗情報をカーナビ30に送信可能なフォーマットに変換する(図10ステップS505)。変換された送受信失敗情報は、カーナビ通信部41を介して先行車両10a(路側機40bは対向車両10b、路側機40cは後続車両10c)のカーナビ30が受信できるように、一定間隔で送信される(図10ステップS506)。
【0044】
図11は、カーナビ30の下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。路側機通信部34が送受信失敗情報を受信すると、この送受信失敗情報は移動機通信制御部35に転送される(図11ステップS600、S601)。移動機通信制御部35は、位置情報測定部32に現在の位置を問い合わせる(図11ステップS602)。位置情報測定部32は、GPS衛星60を用いて現在の位置情報を測定し、移動機通信制御部35に測定した位置情報を通知する(図11ステップS603)。移動機通信制御部35は、測定された位置情報と現在のルートを照合し、通信制御情報の通知の必要性を判断する(図11ステップS604、S605)。
【0045】
図12と図13のフローチャートを参照して、通信制御情報の通知の必要性の判定手順を説明する。路側機通信部34が受信し移動機通信制御部35に転送された送受信失敗情報には、送受信失敗の位置情報と車両の移動方向情報が含まれているので、この送受信失敗情報は、例えば、「位置XからM時方向に向かって走行を行ったときに送受信が失敗した」という意味を含んでいる。このような情報を複数受信している。従って、移動機通信制御部35は、路側機から受信した送受信失敗情報に基づき、走行ルート上に送受信失敗情報の示す位置があるか否かを判断する(図13ステップS700)。ルート上に送受信失敗情報の示す位置があり、その移動方向情報がルート上の進行方向とほぼ一致している場合は(図13ステップS701、Yes)、その送受信失敗情報の位置Xを送受信失敗地帯開始ポイントと判断する(図13ステップS702)。
【0046】
一方、送受信失敗情報の示す位置が走行ルート上にあるが、その移動方向情報がルート上の進行方向とほぼ逆方向である場合は、(図13ステップS701、No)、送受信失敗情報の位置を送受信失敗地帯終了ポイントと判断する(図13ステップS703)。このような、送受信失敗情報、走行ルートが逆方向である対向車両からの送受信失敗情報に基づいて得られる。
【0047】
このようにして得られた開始ポイントおよび終了ポイントによって送受信失敗地帯を検索することができる。
【0048】
このように受信した全ての送受信失敗情報について、その送受信失敗エリアが走行ルート上にある場合は送受信失敗地帯開始ポイントと送受信失敗地帯終了ポイントに分類する動作を繰り返し、走行ルート上に存在する送受信失敗地帯を検索する(図13ステップS704)。送受信失敗情報に含まれる位置情報が走行ルート上から離れているものは不要と判断して、送受信失敗地帯開始ポイント、送受信失敗地帯終了ポイントのどちらにも分類しない。
【0049】
図12の場合は、出発地75から目的地76までルート70を通って走行する。路側機から受信した送受信失敗情報の中に、「位置XからM時方向に向かって走行したときに送受信が失敗した」という送受信失敗情報Mがあるとする。位置Xがルート70上にあり、かつM時方向は当該車両の進行方向とも一致するので、位置Xが送受信失敗地帯の開始ポイントXとなる。また、「位置YからN時方向に向かって走行した場合、受信が失敗した」という情報が得られる場合は、位置Yがルート70上にあり、N時方向は、当該車両の位置Yでの進行方向と逆方向なので、位置Yが送受信失敗地帯の終了ポイントYとなる。このようにして、送受信失敗地帯が検索される。
【0050】
送受信失敗地帯の検索が終了すると、カーナビ30の移動機通信制御部35は、現在自車の移動機20が再送中断中であるか否かを判断する(ステップS705)。すなわち、移動機20に最後に通知した通信制御情報が再送中断通知である場合は、現在再送中断中であると判断し、移動機20に再送中断通知を送信していない場合は、再送中断中ではないと判断する。現在再送中断中であると判断した場合、カーナビ30の移動機通信制御部35は、現在位置と送受信失敗地帯開始ポイントとの距離を、設定値Th1と比較する(図13ステップS706)。そして、現在位置と送受信失敗地帯の終了ポイントの距離が予め決められた設定値Th1よりも近かった場合は(図13ステップS706、Yes)、現在送受信失敗地帯を通過中でその後すぐに送受信失敗地帯を通過してしまうと予測し再送再開通知を移動機20に送信すると判断する(図13ステップS707)。すなわち、この場合は、直ぐに電波状況が改善されることが予測されるので、再送再開通知を送るのが必要であると判断している。一方、現在位置と送受信失敗地帯終了ポイントの距離が設定値Th1よりも離れている場合は(図13ステップS706、No)、現在送受信失敗地帯を通過中でまだしばらくは電波状況も改善されないと予測し、再送再開通知の送信は必要ないと判断する(図13ステップS708)。
【0051】
また、ステップS705において、現在再送中断中でないと判断された場合、(図13ステップS705、No)、カーナビ30の移動機通信制御部35は、現在位置と送受信失敗地帯の開始ポイントとの距離を、設定値Th2、Th3(Th2<Th3の関係が成り立つように設定されている)と比較する(ステップS709)。そして、現在位置と送受信失敗地帯の開始ポイントとの距離が設定値Th2よりも近かった場合は(図13ステップS709、Yes)、その後すぐに送受信失敗地帯に侵入すると予測し、再送中断通知を移動機20に送信すると判断する(図13ステップS710)。現在位置と送受信失敗地帯開始ポイントの距離が設定値Th3とTh2の間にある場合は(図13ステップS711、Yes)、まだ余裕はあるが送受信失敗地帯に近づいていると予測し、通信を高速化して終了できるように移動機20に転送レート高速化通知を送信すると判断する(図13ステップS712)。現在位置と送受信失敗地帯開始ポイントの距離が設定値Th3より離れている場合は(図13ステップS711、No)、送受信失敗地帯まで十分な距離があると予測し、移動機20に対し特に通知を行わないと判断する(図13ステップS713)。
【0052】
図12の場合は、出発地75から目的地76のルート上に送受信失敗地帯の開始ポイントXと終了ポイントYで示される送受信失敗地帯が存在する。車両が現在位置71にあるときには、送受信失敗地帯開始ポイントXとの距離は直線距離でx1であり、設定値Th3より離れているので通信制御情報の通知は不要と判断される。車両が現在位置72にあるときには、送受信失敗地帯の開始ポイントXとの距離は現在位置71より近くなり直線距離でx2となる。距離x2はTh3より近くTh2より離れているため、現在行っている通信を送受信失敗地帯に入る前に終了させるために転送レート高速化通知の送信が必要であると判断される。車両が現在位置73にあるときには、送受信失敗地帯開始ポイントXからの距離はx3でTh2より近くなり、送受信失敗地帯に直ぐに侵入していくので、再送中断通知が必要であると判断される。車両が現在位置74にあるときには、車両と終了ポイントYとの距離が、設定値Th1よりも小さい状況であるので、車両が送受信失敗地帯終了ポイントを通過終了したばかりと判断し、通常の通信状態に戻すために再送再開通知の送信が必要であると判断される。
【0053】
なお、カーナビ30においては、判断基準となる設定値Th1、Th2、Th3を任意に設定変更することができる。
【0054】
このようにして移動機通信制御部35は、通信制御情報を決定する。通知する通信制御情報が存在する場合(図11ステップS606)、移動機通信部31は、通信制御情報を移動機20に送信する(図11ステップS607)。
【0055】
移動機通信制御部35は、送受信失敗地帯を通り抜け、走行ルート上に送受信失敗地帯がなくなるまで、定期的に位置情報を測定し、ルートの照合を行い通信制御情報を送信する必要があるか否かを判断し、送信する必要がある場合は送信を行う動作を繰り返し(図11ステップS603〜S608)、完全に送受信失敗地帯を脱出した場合は、再送再開通知を移動機通信部31から送信する(図11ステップS609)。
【0056】
図14は、移動機20の下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。通信制御情報送受信部21は、通信制御情報を受信すると送受信制御部22に転送する(図14ステップS800、S801)。受信した通信制御情報が転送レート高速化通知の場合は(図14ステップS802)、基地局との通信の転送レートを高速化するように送受信実施部23の設定を行い、送受信実施部23は基地局との通信を高速で行う(図14ステップS803)。通話中に基地局との間に通信の失敗が発生すると(図14ステップS804)再送通信を行い、再送通信にも失敗すると送受信制御部22に再送通信が失敗したことを知らせる(図14ステップS805、S806)。
【0057】
送受信制御部22は、送受信失敗通知を送信するかどうか判断を行う(図14ステップS807)。例えば、先行車両10aが、トラックや車高の高い車の側を走行したために一時的に送受信が不安定になり発生した再送失敗であるのか、天候や地形などの問題で継続的に発生した再送失敗であるのかなどの状況判断をするために、予め一定時間tと回数xを決めておき、t時間内に再送失敗がx回を越えた場合受信失敗通知の送信が必要であるというような判断基準に従って送受信失敗通知の送信を行うかを決定する。送受信失敗通知を送信する必要があると判断された場合(図14ステップS808)、通信制御情報送受信部21は、失敗が発生したことを知らせる送受信失敗通知を送信する(図14ステップS809)。つぎに、送受信制御部22は、転送レートを通常に切り換えるよう送受信実施部23に通知し、送受信実施部23は、転送レートを通常に切り換えて通信を行う(図14ステップS810)。
【0058】
通信制御情報が、再送中断通知だった場合は(図14ステップS811、Yes)、送受信制御部22は、通信中に通信失敗が発生しても再送通信を行わないよう送受信実施部23に再送中断の設定を行い、つぎに再送再開の設定がされるまで送受信実施部23は基地局との通信に失敗が発生しても再送を行わない(図14ステップS812)。通信制御情報が再送再開通知の場合は(図14ステップS811、No)、送受信制御部22は、通信中に送信失敗が発生した場合、再送通信を行うよう送受信実施部23に再送通信の設定を行い、送受信実施部23は再送中断の設定が行われるまで、基地局との通信に失敗が発生すると再送通信を行う(図14ステップS813)。
【0059】
図1の場合は、先行車両10aと対向車両10bに搭載されているそれぞれの移動機20に再送の失敗が発生し、路側機40a、40bを介して路側機制御サーバ50に新しく送受信失敗情報が追加され、その情報が路側機40a〜40cに送信され追加される。後続車両10cのカーナビ30は、路側機40cから送信される送受信失敗情報を受信して送受信失敗地帯を予測し、搭載されている移動機20の通信の制御を行うことができる。
【0060】
このようにこの実施の形態1では、移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、カーナビゲーションに対して送受信失敗通知を送信し、送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは、移動機に再送中断通知を送信し移動機の再送を中止させるとともに、送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を路側機を介して路側機制御サーバに通報し、路側機制御サーバは、送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、路側機は通知用送受信失敗情報から路側機が記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに変更された送受信失敗情報を通知し、前記カーナビゲーションは、送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、移動機の通信制御を行うようにしているため、移動機と基地局が無駄な通信を行わずにセル内の干渉を減らし、効率よく無線システムを活用することで、スループットを向上することができる。
【0061】
また、カーナビゲーションは、車両の現在位置と送受信失敗地帯の距離に基づいて、移動機に対して送信する通信制御情報を、転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知の何れかに決定し、移動機は、転送レート高速化通知を受信した場合は、基地局との通信を高速通信に切り換えて通信を早く終了するようにし、再送中断通知を受信した場合は、再送再開通知を受信するまでは、基地局との通信で失敗が発生しても再送を行わないようにしているため、移動機の消費電力を減らし、バッテリーの消耗を抑えることができる。
【0062】
さらに、カーナビゲーションが通信失敗地域を予測するための送受信失敗情報は、移動機がカーナビゲーションに送信する送受信失敗通知を基に生成され、路側機が伝達する際に、それぞれが伝達の必要性があるかどうかを判断して、必要がある場合のみ路側機制御サーバに伝達して路側機制御サーバが集中管理を行うようにしているため、必要最低限のデータのやり取りで、路側機制御サーバが管理する送受信失敗情報を最新の状態にすることができる。
【0063】
なお、移動機20が再送中断通知を受信し、再送を行わずに動作する場合、送受信制御部22は、なんらかの原因で再送再開通知が送信されてこなかった場合を考え、任意のタイマをセットしておき、タイムアウトした場合には、自律的に移動機20が再送再開の設定を行い、カーナビ30が移動機に対して送信した通信制御情報が再送中断通知以外であると通知するようにしておくとよい。
【0064】
実施の形態2.
図15を用いてこの発明の実施の形態2を説明する。この実施の形態2は、路側機制御サーバによる路側機での送受信失敗情報の管理に関するものである。この実施の形態2の無線伝送制御システムの構成は、図1に示すものと同様となるのでここではその説明を省略する。
【0065】
図15は、路側機制御サーバ50が記憶している送受信失敗情報の管理動作を説明するためのフローチャートである。送受信失敗情報管理部52は、記憶部53に記憶されている受信日時付き送受信失敗情報を読み出し、受信日時が予め決められた期間より古い送受信失敗情報を検索する(ステップS900)。古い送受信失敗情報があった場合は、記憶部53に記憶されている路側機の配置位置情報を読み出す(ステップS901)。送受信失敗情報管理部52は、送受信失敗情報に含まれる位置情報と記憶部53から読み出した路側機の配置位置情報から2地点の距離を算出し、算出した距離が規定値内に位置している路側機を送受信失敗情報を削除すべき路側機として決定する(ステップS902)。送受信失敗情報管理部52は、送受信失敗情報を削除する情報を配信すべき路側機が決定すると、受信日時付きの送受信失敗情報に路側機を識別するためのIDと送受信失敗情報を削除するという情報を持つ制御フラグ(ここでは削除フラグ)を付加した通知用送受信失敗情報を生成する。(ステップS903)。路側機通信部51は、通知用送受信失敗情報を送信する(ステップS904)。
【0066】
路側機制御サーバ50から送信された通知用送受信失敗情報を受信した路側機の動作は、実施の形態1で説明した図10の路側機40aの下り通信のフローチャートと同様となるのでここでは詳細な説明は省略する。
【0067】
すなわち、路側機制御サーバ50から通知用送受信失敗情報を受信した路側機は、制御フラグを確認し、この場合は削除フラグが付加されているので送受信失敗情報記憶部43に記憶されている受信日時付き送受信失敗情報の中から、通知用送受信失敗情報に含まれる受信日時付き送受信失敗情報と一致する送受信情報を検索して削除する。
【0068】
このように実施の形態2では、路側機制御サーバは、受信日時に基づいて送受信失敗情報を管理し、定期的に送受信失敗情報の必要性を判断し、必要のない送受信失敗情報は路側機サーバと路側機から削除するようにしているため、必要最低限のデータのやり取りで、路側機制御サーバが管理する送受信失敗情報と路側機が記憶する送受信失敗情報を最新の状態にすることができる。
【0069】
特に、渋滞時に移動機が通信中の場合に、トラックなどの車高が高い車両によって電波状態が悪くなり基地局との送受信が失敗してしまったような、一時的な要因によって路側機制御サーバに登録された送受信失敗情報を削除する場合に有効となる。
【0070】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3の無線伝送制御システムの構成を示すブロック図である。実施の形態3の無線伝送制御システムは、先行列車80a、対向列車80b、後続列車80cの列車が走行している。先行列車80aは、車両93、94が連結されている。対向列車80bは、車両95、96が連結されている。後続列車80cは、車両91、92が連結されている。車両91、93、95には、移動機20と中継装置90とカーナビ30がそれぞれ搭載されている。車両92、94、96には、それぞれ中継装置90と移動機20が搭載されている。図1に示した実施の形態1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0071】
中継装置90は、移動機20とカーナビ30の中継を行い、カーナビ30と1対複数の通信が可能な通信制御を行う機能を備えている。
【0072】
実施の形態3では、先行列車80aと対向列車80bが移動機20と基地局の通信状態が悪い遅滞を走っている場合について動作を説明する。
【0073】
車両93内で使用されている移動機20は、図6のフローチャートに示した移動機上り通信処理にしたがって、車両93に搭載されている中継装置90を介して車両93のカーナビ30に送受信失敗通知を送信する。車両93のカーナビ30は、中継装置90を介して移動機20から送受信失敗通知を受信すると、図7のフローチャートに示したカーナビ上り通信処理にしたがって、路側機40aに送受信失敗情報を送信する。車両93に搭載されているカーナビ30から送受信失敗通知を受信した路側機40aは、図8のフローチャートに示した路側機上り通信処理にしたがって、送受信失敗情報を路側機制御サーバ50に送信する必要がある場合は(この場合は必要)受信日時付き送受信失敗情報を路側機制御サーバ50にネットワークを介して送信する。
【0074】
車両95で使用されている移動機20についても、車両93内で使用されている移動機20の動作と同様に路側機40bを介して受信日時付き送受信失敗情報を路側機制御サーバ50に送信する。
【0075】
路側機40a、40bから受信日時付き送受信失敗情報を受信した路側機制御サーバ50は、図9のフローチャートに示した通信制御情報更新処理にしたがって、受信した受信日時付き送受信失敗情報を新しい情報として追加し、路側機40a〜40cに対して通知用送受信失敗情報を送信する。
【0076】
路側機制御サーバ50から通知用送受信失敗情報を受信した路側機40aは、図10のフローチャートに示した路側機下り通信処理にしたがって、車両93のカーナビ30が送受信失敗情報を受信できるように、一定間隔で送信する。路側機40bは、車両95のカーナビ30に、路側機40cは、車両91のカーナビ30に対して同様の処理を行う。
【0077】
カーナビ30は、図11のフローチャートに示したカーナビ下り通信処理にしたがって、中継装置90を介して複数の移動機20の通信制御を行う。
【0078】
このように実施の形態3では、列車にカーナビを搭載し、中継装置を介してカーナビと移動機が1対複数で通信を行えるようにして、移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、カーナビゲーションに対して中継装置を介して送受信失敗通知を送信し、送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは、移動機に中継装置を介して再送中断通知を送信し移動機の再送を中止するとともに、送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を路側機を介して路側機制御サーバに通報し、路側機制御サーバは、送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、路側機は通知用送受信失敗情報から路側機が記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに変更された送受信失敗情報を通知し、前記カーナビゲーションは、送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、中継装置を介して列車内の複数の移動機の通信制御を行うようにしているため、移動機と基地局が無駄な通信を行わずにセル内の干渉を減らし、効率よく無線システムを活用することで、スループットを向上することができ、列車内で通信中の移動機の数が多いほどこの効果は高くなる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、移動機がカーナビゲーションに対して送受信失敗通知を送信し、送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは移動機に再送中断通知を送信し移動機の再送を中止させるとともに送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を路側機を介して路側機制御サーバに通報し、路側機制御サーバは、送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、路側機は路側機制御サーバから受信した通知用送受信失敗情報を用いて記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに対し変更された送受信失敗情報を通知し、カーナビゲーションは、送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、この生成した通信制御情報に基づく移動機の通信制御を行うようにしているため、移動機と基地局が無駄な通信を行わずにセル内の干渉を減らし、効率よく無線システムを活用することで、スループットを向上することができる。
【0080】
つぎの発明によれば、カーナビゲーションは、車両の現在位置と送受信失敗地帯の2地点の距離に基づいて、通信制御情報を転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知の何れか一つに決定し、移動機は、転送レート高速化通知を受信した場合、基地局との通信を高速通信に切り換え、再送中断通知を受信した場合、基地局との通信で失敗が発生しても再送再開通知を受信するまでの間は再送通信を行わないようにしているため、移動機の消費電力を減らし、バッテリーの消耗を抑えることができる。
【0081】
つぎの発明によれば、路側機は、カーナビゲーションから送受信失敗情報を受信した場合、受信した送受信失敗情報に含まれる位置情報に基づき受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバへ伝送する必要性があるか否かを判断し、必要がある場合のみ受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバに伝達するようにしているため、必要最低限のデータのやり取りで、路側機制御サーバが管理する送受信失敗情報を最新の状態にすることができる。
【0082】
つぎの発明によれば、路側機制御サーバは、受信日時に基づいて送受信失敗情報を管理し、定期的に送受信失敗情報の必要性を判断し、必要のない送受信失敗情報は路側機サーバと路側機から削除するようにしているため、必要最低限のデータのやり取りで、路側機制御サーバが管理する送受信失敗情報と路側機が記憶する送受信失敗情報を最新の状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の無線伝送制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示した移動機の構成を示すブロック図である。
【図3】 図1に示したカーナビの構成を示すブロック図である。
【図4】 図1に示した路側機の構成を示すブロック図である。
【図5】 図1に示した路側機制御サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】 図1に示した移動機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】 図1に示したカーナビの上り通信の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】 図1に示した路側機の上り通信の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】 図1に示した路側機制御サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】 図1に示した路側機の下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】 図1に示したカーナビの下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】 通信制御情報の通知の必要性の判定方法を説明するための図である。
【図13】 通信制御情報の通知必要性の判定方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】 図1に示した移動機の下り通信の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】 実施の形態2の路側機制御サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】 実施の形態3の無線伝送制御システムの構成を示すブロック図である。
【図17】 従来の技術を説明するための図である。
【図18】 電波状態の悪いエリアを示す図である。
【符号の説明】
1 移動局、2、76 目的地、3 電波状態が極度に悪い地域、10a 先行車両、10b 対向車両、10c 後続車両、20 移動機、21 通信制御情報送受信部、22 送受信制御部、23 送受信実施部、30 カーナビ、31 移動機通信部、32 位置情報測定部、33 送受信失敗情報生成部、34路側機通信部、35 移動機通信制御部、40a、40b、40c 路側機、41 カーナビ通信部、42、52 送受信失敗情報管理部、43 送受信失敗情報記憶部、44 路側機制御サーバ通信部、50 路側機制御サーバ、51 路側機通信部、53 記憶部、60 GPS衛星、70 ルート、71、72、73、74 現在位置、75 出発地、80a 先行列車、80b 対向列車、80c 後続列車、91、92、93、94、95、96 車両、M1、M2、M3 移動局。
Claims (4)
- 移動機およびカーナビゲーションを搭載している複数の車両と、路上に設置される複数の路側機と、前記複数の路側機と送受信失敗情報の集中管理を行う路側機制御サーバとを備え、前記移動機と前記カーナビゲーションが無線通信を行い、該カーナビゲーションと前記路側機が無線通信を行い、前記路側機と前記路側機制御サーバがネットワークを介して通信を行うことで前記移動機と前記路側機制御サーバが通信を行うことができる無線伝送制御システムにおいて、
前記移動機が基地局との通信中に送受信を失敗し再送を繰り返すと、移動機がカーナビゲーションに対して送受信失敗通知を送信し、前記送受信失敗通知を受信したカーナビゲーションは前記移動機に再送中断通知を送信し該移動機の再送を中止させるとともに前記送受信失敗通知に現在の位置情報を付加した送受信失敗情報を前記路側機を介して前記路側機制御サーバに通報し、前記路側機制御サーバは、前記送受信失敗情報の位置情報に基づき通知用送受信失敗情報を配信する路側機を決定し、前記路側機は前記路側機制御サーバから受信した通知用送受信失敗情報を用いて記憶している送受信失敗情報を変更し走行中の車両に搭載されているカーナビゲーションに対し前記変更された送受信失敗情報を通知し、前記カーナビゲーションは、前記送受信失敗情報に基づき送受信失敗地帯を予測して通信制御情報を生成し、この生成した通信制御情報に基づく移動機の通信制御を行うことを特徴とする無線伝送制御システム。 - 前記カーナビゲーションは、前記車両の現在位置と前記送受信失敗地帯の2地点の距離に基づいて、前記通信制御情報を転送レート高速化通知、再送中断通知、再送再開通知の何れか一つに決定し、
前記移動機は、前記転送レート高速化通知を受信した場合、基地局との通信を高速通信に切り換え、前記再送中断通知を受信した場合、基地局との通信で失敗が発生しても前記再送再開通知を受信するまでの間は再送通信を行わないことを特徴とする請求項1に記載の無線伝送制御システム。 - 前記路側機は、カーナビゲーションから前記送受信失敗情報を受信した場合、受信した送受信失敗情報に含まれる位置情報に基づき受信した送受信失敗情報を路側機制御サーバへ伝送する必要性があるか否かを判断し、必要がある場合のみ受信した送受信失敗情報を前記路側機制御サーバに伝達することを特徴とする請求項1または2に記載の無線伝送制御システム。
- 前記路側機制御サーバは、集中管理している送受信失敗情報を定期的にチェックし、前記送受信失敗情報の受信日時に基づいて、該送受信失敗情報の必要の有無を判断し、必要のない送受信失敗情報を削除するよう前記路側機に通知することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の無線伝送制御システム。
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