JP3840571B2 - 除湿素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0003】
本願発明は、吸着剤の吸着作用を利用して湿り空気の除湿を行うようにした除湿素子、及びこの除湿素子に用いられる吸着用素子に関するものである。
【従来の技術】
【0004】
従来より、吸着剤の吸着作用を利用した除湿素子が知られており、図16及び図17には、かかる除湿素子の従来の構造例を示している。
【0005】
この従来の除湿素子Z0は、多数の通風路35,35,・・を備えるとともに該通風路35の内面には吸着剤が担持された吸着用素子31と、多数の通風路45,45,・・を備えた冷却用素子41とを、該各通風路35と該通風路45とが相互に略直交するように90°の平面位相をもって順次積層して構成される。
【0006】
そして、この除湿素子Z0においては、上記各吸着用素子31,31,・・の各通風路35,35,・・に湿り空気(即ち、被処理空気)を流通させる一方、上記各冷却用素子41,41,・・の上記各通風路45,45,・・には冷却用空気を流通させ、上記吸着用素子31側では上記通風路35の壁面に担持された吸着剤によって湿り空気の水分を吸着除去してこれを低湿度空気とする一方、該吸着用素子31側での水分の吸着により発生する吸着熱を上記冷却用素子41の通風路45を流通する冷却用空気との熱交換によって吸収し、これによって上記吸着剤の吸着能を長期に亙って良好に維持するものである。
【0007】
ところで、図16及び図17に示すように、従来の除湿素子Z0においては、これを構成する上記吸着用素子31と冷却用素子41のうち、上記吸着用素子31は、これを波板状に屈曲する通風路形成材32と該通風路形成材32の両面に固着された平板状の一対の平板材33,33とで構成する。そして、この通風路形成材32と平板材33は、共にセラミック繊維を素材とした繊維紙によって構成され、且つその表面にはそれぞれシリカゲル等の吸着剤が担持されている。
【0008】
一方、上記冷却用素子41は、波板状に屈曲する通風路形成材42と該通風路形成材42の両面に固着された平板状の一対の平板材43,43とで構成される。この通風路形成材42と平板材43は、共に金属薄板、例えばアルミ薄板で形成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記吸着用素子31と冷却用素子41とを順次交互に積層して除湿素子Z0を構成した場合、図17に示すように、上記吸着用素子31側の通風路35と上記冷却用素子41側の通風路45とは、上記吸着用素子31側の一方の平板材33と上記冷却用素子41側の一方の平板材43とが衝合した二枚合わせの壁部を介して隣設している。従って、上記吸着用素子31の通風路35側の湿り空気と上記冷却用素子41の通風路45側の冷却用空気との間の熱交換、即ち、上記吸着用素子31側から上記冷却用素子41側への熱伝達は、常に、該各平板材33,43でなる二枚合わせの壁部を介して行われることになる。
【0010】
この結果、上記吸着用素子31と上記冷却用素子41との間での熱伝達時の伝熱抵抗が大きく、このため冷却用空気による吸着熱の除去能力が低下し、延いては除湿素子の除湿能力の低下を招来し、従って除湿素子の能力維持という点において改善の余地を有するものであった。
【0011】
そこで本願発明では、吸着用素子と冷却用素子との間における伝熱性能を高めることで高水準の除湿能力を長期に亙って維持するようにした除湿素子、及びこの除湿素子に用いるに好適な吸着用素子を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0013】
本願の第1の発明では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する第1通風路3を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する第2通風路4を備えた冷却用素子2とを交互に積層して構成される除湿素子において、上記吸着用素子1の第1通風路3と上記冷却用素子2の第2通風路4とが一枚の板材Pを介して隣設するとともに、上記板材Pが、上記吸着用素子1に固定された繊維紙でなる平板材12であって、該平板材12は上記冷却用素子2の第2通風路4に直接臨むとともに、該第2通風路4側の表面のみに気液の流通を阻止する分離シート層14が設けられていることを特徴としている。
【0014】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る除湿素子において、上記冷却用素子2の上記通風路形成材21を台形波板状の屈曲板材で構成したことを特徴としている。
【0015】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る除湿素子において、上記冷却用素子2の上記通風路形成材21を上記冷却用素子2の厚さ方向に立設される複数枚の隔壁23で構成したことを特徴としている。
【0016】
本願の第4の発明では、上記第1の発明に係る除湿素子において、上記分離シート層14を、プラスチックフィルムの貼着により、又は金属材の蒸着により、又は有機バインダーの塗布により、構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0018】
(イ) 本願の第1の発明にかかる除湿素子によれば、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する第1通風路3を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する第2通風路4を備えた冷却用素子2とを交互に積層して構成される除湿素子において、上記吸着用素子1の第1通風路3と上記冷却用素子2の第2通風路4とを一枚の板材Pを介して隣設させているので、例えば従来のようにこれら両通風路3,4を二枚の板材を介して隣設させた構成の場合に比して、該両通風路3,4間における伝熱性能が向上し、冷却用空気Abによる吸着熱の吸収除去作用が促進され、結果的に、除湿素子の除湿能力が長期に亙って高水準に維持され、延いては該除湿素子の商品価値の向上にも寄与するものである。
【0019】
また、上記吸着用素子1の第1通風路3と上記冷却用素子2の第2通風路4との間に一枚の板材Pのみが介在する構成であることから、例えば従来のようにこれらの間に二枚の板材が介在する場合に比して、板材の介在数が減少する分だけ、上記除湿素子の高さ方向(即ち、上記吸着用素子1と冷却用素子2との積層方向)における寸法が小さくなりそのコンパクト化が図れるとともに、部材点数の減少によるコストダウンも図れることになる。
【0020】
さらに、上記板材Pを、上記吸着用素子1の固定された繊維紙でなる平板材12で構成し、該平板材12を上記冷却用素子2の第2通風路4に直接臨ませるとともに、該第2通風路4側の表面のみに気液の流通を阻止する分離シート層14を設けているので、該両通風路3,4間を、気液の流通を許容する性状をもつ繊維紙でなる上記平板材12によって区画した構成であるにも拘わらず、上記分離シート層14によってこれら両通風路3,4間が完全に分離され、該両通風路3,4相互間における水分とか空気の相互流通が確実に阻止され、熱伝達のみが許容されることで、上記(イ)に記載の効果が確実に得られるとともに、さらにこれに加えて、上記板材Pを繊維紙でなる平板材12で構成したことで、例えばこれを金属材で構成する場合に比して、その軽量化及び低コスト化が図れることにもなる。
【0021】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる除湿素子によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記冷却用素子2の上記通風路形成材21を台形波板状の屈曲板材で構成しているので、該通風路形成材21によって形成される第2通風路4の断面形状が矩形形状に近づき、その分だけ有効断面積(即ち、該第2通風路4のうち、空気流通部として有効に機能する部分の断面積)が増大し、その結果、冷却用空気Abの流通抵抗が減少しその流量が増加することで、該冷却用空気Abによる吸着熱の除去能力が向上し、延いては除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0022】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる除湿素子によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記冷却用素子2の上記通風路形成材21を上記冷却用素子2の厚さ方向に立設される複数枚の隔壁23で構成しているので、例えばこれを屈曲板材で構成する場合に比して、その軽量化あるいは低コスト化が図れ、延いては除湿素子をより軽量に且つより安価に提供することが可能となる。
【0023】
(ニ) 本願の第4の発明にかかる除湿素子によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記分離シート層14を、プラスチックフィルムの貼着により、又は金属材の蒸着により、又は有機バインダーの塗布により、構成しているので、例えば該分離シート層14をプラスチックフィルムの貼着により構成した場合にはプラスチックフィルムそのものが安価であることから低コスト化が図れ、また、上記分離シート層14を金属材の蒸着により構成した場合にはその層厚さが極めて小さいことからこれが伝熱抵抗となることがほとんどなく伝熱性能がより一層促進され、さらに、上記分離シート層14を有機バインダーの塗布により構成した場合にはその塗布作業が容易であることから低コスト化が図れる、等の効果が得られるものである。
【発明の実施の形態】
【0024】
以下、本願発明にかかる除湿素子及びこれに用いるに好適な吸着用素子をそれぞれ実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0025】
A:除湿素子について
I:第1の実施形態
図1〜図3には、本願発明の第1の実施形態にかかる除湿素子Z1を示している。この除湿素子Z1は、本願請求項1及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図1に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層するとともに、この積層体を、図3に示すように、その積層方向両端部にそれぞれ端板9,9を装着するとともにこれら端板9,9を積層体の四隅に沿って配置される四本の枠材10,10,・・によって連結し、これらを一体化して構成される。以下、上記吸着用素子1と冷却用素子2とについて、それぞれその具体的構成を説明する。
【0026】
上記吸着用素子1は、図1及び図2(尚、図2においては、説明の便宜上、上記冷却用素子2の平面位相を90°ずらせて上記吸着用素子1と同じ平面位相として図示している。以下、他の実施形態における図5、図7、図9、図11、図14においても同様である)に示すように、次述の通風路形成材11と一対の平板材12,12とで構成された両面段ボール状の形態を有している。
【0027】
即ち、上記通風路形成材11は、セラミック繊維を用いた繊維紙で構成されるものであって、繊維紙の厚さ方向に交互に折曲させた全体として波板状の形態をもつ屈曲板材とされている。また、上記一対の平板材12,12は、共にセラミック繊維を用いた繊維紙で平板状に形成されており、上記通風路形成材11の両面にそれぞれ接合固定され、該通風路形成材11と一体化される。そして、これらの一体化状態においては、上記通風路形成材11の各谷部のそれぞれによって平行に延びる多数の第1通風路3,3,・・が形成されている。
【0028】
さらに、このように一体化された上記通風路形成材11と一対の平板材12,12の表面にそれぞれシリカゲル等の適宜の吸着剤を担持して所要の吸着能力を付与するとともに、上記一対の平板材12,12のうち、一方の平板材12の外表面には分離シート層14を形成することで、上記吸着用素子1が構成される。
【0029】
ここで、上記分離シート層14は、上記平板材12の気液の流通を阻止し、上記第1通風路3を次述する冷却用素子2側の第2通風路4と完全に分離させるためのものであって、例えば上記平板材12の表面にプラスチックフィルムを貼着することで、又は上記平板材12の表面に金属材(例えば、アルミニュム)を蒸着することで、又は上記平板材12の表面に水系ウレタン樹脂等の有機バインダーを塗布することで、得られる。
【0030】
一方、上記冷却用素子2は、図1及び図2に示すように、次述の通風路形成材21と平板材22とで構成された片面段ボール状の形態を有している。
【0031】
即ち、上記通風路形成材21は、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板を、その厚さ方向に交互に折曲させた全体として波板状の形態をもつ屈曲板材で構成されている。また、上記平板材22は、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板で平板状に形成されている。
【0032】
そして、上記通風路形成材21の一方の面に上記平板材22を接合固定してこれらを一体化することで、上記冷却用素子2が得られる。また、この一体化状態においては、上記通風路形成材21の各谷部のそれぞれによって、平行に延びる多数の第2通風路4,4,・・が形成されている。
【0033】
以上のように構成された上記吸着用素子1及び上記冷却用素子2を、該吸着用素子1の上記分離シート層14を備えた平板材12を上記冷却用素子2の上記通風路形成材21の各山部に対向させるとともに、相互に90°の平面位相をもたせて順次交互に積層し、さらにこの積層体を上記端板9,9と上記枠材10,10,・・とによって固結することで、図3に示すように矩形ブロック状の外観形態をもつ除湿素子Z1が得られる。
【0034】
この除湿素子Z1においては、上記各吸着用素子1,1,・・の各第1通風路3,3,・・に被処理空気Aaとして湿り空気を流す一方、上記各冷却用素子2,2,・・の各第2通風路4,4,・・に冷却用空気Abを流すことで、上記被処理空気Aaに含まれている水分が上記吸着用素子1に担持された吸着剤によって吸着除去されるとともに、この水分の吸着によって生じる吸着熱が上記冷却用空気Abとの熱交換によって該冷却用空気Ab側に放熱される。この結果、上記吸着剤の吸着能力が長期に亙って良好に維持され、上記除湿素子Z1は高い除湿性能を発揮することになる。
【0035】
ところで、この実施形態の除湿素子Z1においては、上記吸着用素子1と冷却用素子2の構成に本願請求項1及び請求項4に係る発明が適用されることで、より高水準の除湿性能が確保されるものである。
【0036】
即ち、この実施形態の除湿素子Z1では、図2に示すように、上記吸着用素子1の上記分離シート層14を備えた一方の平板材12側においては、その第1通風路3,3,・・と上記冷却用素子2側の上記第2通風路4,4,・・とが、該一方の平板材12のみを介して隣設するとともに、これら両通風路3,4間が上記分離シート層14によって完全に分離されている。従って、この一方の平板材12側においては、該一方の平板材12のみが、上記吸着用素子1側の第1通風路3と上記冷却用素子2側の第2通風路4の間における伝熱抵抗として存在することになる。
【0037】
一方、上記吸着用素子1の他方の平板材12は、上記冷却用素子2の平板材22と衝合しており、従ってこの他方の平板材12側においては該他方の平板材12と上記冷却用素子2側の平板材22の二つの板材が伝熱抵抗として存在することになる。
【0038】
このため、上記吸着用素子1の上記一方の平板材12側と上記他方の平板材12側とを比較した場合、該一方の平板材12側においては上記他方の平板材12側よりも伝熱抵抗が少なく、その分だけ吸着熱の放熱効率が高く、除湿性能も高く維持されることになる。
【0039】
従って、この実施形態の除湿素子Z1においては、例えば上記一方の平板材12側と他方の平板材12側の双方においてそれぞれ二つの板材が伝熱抵抗として存在する構成の場合(即ち、図16に示す従来構造の除湿素子Z0の場合)に比して、除湿素子Z1全体としての伝熱性能が高く、それだけ除湿素子Z1の除湿性能が長期に亙って良好に維持されることになる。
【0040】
また、この実施形態の除湿素子Z1においては、上記吸着用素子1の一方の平板材12側では、積層方向に隣設する上記第1通風路3と上記第2通風路4との間に該一方の平板材12のみが介在する構成であることから、例えば該一方の平板材12側においても上記他方の平板材12のように該平板材12と上記冷却用素子2の平板材22の二つの板材が介在する構成とする場合に比して、板材の介在数が減少する分だけ、上記除湿素子Z1の高さ方向の寸法が小さくなり、そのコンパクト化が図れるとともに、部材点数の減少によるコストダウンも可能となる。
【0041】
尚、この実施形態においては、上記吸着用素子1の一対の平板材12,12のうち、上記分離シート層14を備えた一方の平板材12が特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0042】
II:第2の実施形態
図4及び図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる除湿素子Z2を示している。この除湿素子Z2は、本願請求項1及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図4に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成されるものであり、その基本構成は上記第1の実施形態に係る除湿素子Z1と同様であって、これと異なる点は上記吸着用素子1の構成にある。
【0043】
即ち、上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1の吸着用素子1では、上記通風路形成材11の両面にそれぞれ平板材12を設けていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z2では上記通風路形成材11の一方の面のみに上記平板材12を設けるとともに、該平板材12の外面に上記分離シート層14を設けている(換言すれば、この実施形態の除湿素子Z2における上記吸着用素子1は、上記第1の実施形態に係る除湿素子Z1の上記吸着用素子1において上記他方の平板材12を除去した構成とされている)。
【0044】
かかる構成の吸着用素子1を採用し、これを上記冷却用素子2と交互に積層して除湿素子Z2を構成した場合、図5に示すように、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・と上記冷却用素子2の各第2通風路4,4,・・は、該冷却用素子2の一方の面側では上記吸着用素子1の平板材12のみを介して、また他方の面側では上記冷却用素子2の平板材22のみを介して、それぞれ隣設することになり、上記第1通風路3と第2通風路4との間における伝熱性能が上記吸着用素子1と冷却用素子2との接触部位の全てにおいて向上し、この結果、上記除湿素子Z2はより高い除湿能力をもつことになる。
【0045】
また、この実施形態の除湿素子Z2では、上記吸着用素子1の一方の面だけに上記平板材12を設けているので、例えば上記第1の実施形態の除湿素子Z1における上記吸着用素子1のようにその両面にそれぞれ上記平板材12を配置した構成のものに比して、該平板材12の数が減少する分だけ、上記除湿素子Z2の高さ方向のコンパクト化がさらに促進されることにもなる。
【0046】
尚、上記以外の部分の構成及び作用効果等は全て上記第1の実施形態の場合と同様であるので、該第1の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明は省略する。
【0047】
また、この実施形態においては、上記吸着用素子1の上記平板材12と、上記冷却用素子2の上記平板材22とが、共に特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0048】
III:第3の実施形態
図6及び図7には、本願発明の第3の実施形態にかかる除湿素子Z3を示している。この除湿素子Z3は、本願請求項1及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図6に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成されるものであり、その基本構成は上記第1の実施形態に係る除湿素子Z1と同様であって、これと異なる点は上記吸着用素子1及び上記冷却用素子2の構成にある。
【0049】
即ち、上記吸着用素子1については、上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1の吸着用素子1では上記通風路形成材11の両面にそれぞれ平板材12を設けるとともに、この一対の平板材12,12のうちの一方の平板材12の表面のみに上記分離シート層14を設けていたのに対して、この実施形態の吸着用素子1では上記吸着用素子1の両面にそれぞれ設けられる一対の平板材12,12の双方の表面にそれぞれ上記分離シート層14を設けている。また、上記冷却用素子2については、上記第1の実施形態の冷却用素子2ではこれを通風路形成材21と平板材22とで構成していたのに対して、これを通風路形成材21のみで構成している。
【0050】
かかる構成の吸着用素子1及び冷却用素子2を採用し、これを交互に積層して除湿素子Z3を構成した場合、図7に示すように、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・と上記冷却用素子2の各第2通風路4,4,・・は、その全ての接触部において該吸着用素子1の平板材12のみを介して隣設することになる。この結果、上記第1通風路3と第2通風路4との間における伝熱性能が、上記第1の実施形態の場合よりもさらに向上し、上記除湿素子Z3はより高い除湿能力をもつことになる。
【0051】
また、この実施形態の除湿素子Z3では、上記冷却用素子2が上記通風路形成材21のみで構成されていることから、例えば上記第1の実施形態における冷却用素子2のようにこれを通風路形成材21と平板材22の二つの部材で構成するような場合に比して、部材点数が少なく、それだけ低コスト化が促進されることになる。
【0052】
尚、上記以外の部分の構成及び作用効果等は全て上記第1の実施形態の場合と同様であるので、該第1の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明は省略する。
【0053】
また、この実施形態においては、上記吸着用素子1の一対の平板材12,12がそれぞれ特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0054】
IV:第4の実施形態
図8〜図10には、本願発明の第4の実施形態にかかる除湿素子Z4を示している。この除湿素子Z4は、本願請求項1,請求項2及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図8に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成されるものであり、その基本構成は上記第3の実施形態に係る除湿素子Z3と同様であって、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0055】
即ち、上記第3の実施形態にかかる除湿素子Z3の冷却用素子2では、これを波板状の屈曲板材でなる通風路形成材21のみで構成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z4における冷却用素子2は、該冷却用素子2を台形波板状の屈曲板材でなる通風路形成材21のみで構成している。従って、これら両者は上記通風路形成材21の屈曲形態と、該通風路形成材21によって形成される上記第2通風路4の断面形状とが異なるものである。
【0056】
このような構成の冷却用素子2を採用し、これを上記吸着用素子1と交互に積層して除湿素子Z4を構成した場合、図9に示すように、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・のうち、上記通風路形成材21の底面に対応するものは該底面と上記吸着用素子1の平板材12との二つの板材を介して該冷却用素子2側の第2通風路4と隣設するが、上記通風路形成材21の開口側に対応するものは該平板材12のみを介して上記第2通風路4と隣設することになり、上記第1通風路3と第2通風路4の間の伝熱性能は、後者の方が前者よりも高くなる。
【0057】
従って、上記除湿素子Z4全体としてみた場合の伝熱性能は、例えば従来の除湿素子(図17を参照)のように吸着用素子1側の第1通風路3と冷却用素子2側の第2通風路4が全て二枚の板材を介して隣設する構造のものに比して、より高いものとなり、この結果、除湿素子Z4はより高水準の除湿性能をもつことになる。
【0058】
また、この実施形態の除湿素子Z4では、上記冷却用素子2の第2通風路4が台形状の断面形状をもつことから、例えば第1の実施形態の除湿素子Z1における冷却用素子2のように第2通風路4が三角形の断面形状をもつものに比して、該第2通風路4の有効断面積が大きく、それだけ冷却用空気Abの流量が増加し、吸着熱の放熱作用がより一層促進され、この結果、除湿素子Z4の除湿性能がより一層向上することになる。
【0059】
尚、上記以外の部分の構成及び作用効果等は全て上記第1及び第3の実施形態の場合と同様であるので、該第1及び第3の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明は省略する。
【0060】
また、この実施形態においては、上記吸着用素子1の一対の平板材12,12がそれぞれ特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0061】
V:第5の実施形態
図11及び図12には、本願発明の第5の実施形態にかかる除湿素子Z5を示している。この除湿素子Z5は、本願請求項1,請求項2及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図11に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成されるものであり、その基本構成は上記第4の実施形態に係る除湿素子Z4に類するものであって、これと異なる点は上記吸着用素子1の構成にある。
【0062】
即ち、上記第4の実施形態における上記吸着用素子1は、これを共に繊維紙でなる波板状の通風路形成材11と一対の平板材12,12とで構成していたのに対して、この実施形態の吸着用素子1は、上記通風路形成材11はこれを繊維紙で波板状に形成するものの、上記一対の平板材12,12はこれをアルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板で構成するとともに、該各平板材12,12の上記通風路形成材11に対向する面にはそれぞれ吸着剤を担持して吸着剤層18を形成している。
【0063】
尚、上記冷却用素子2については、上記第4の実施形態における冷却用素子2と同様に、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板により台形波板状に形成された屈曲板材で構成している。
【0064】
以上の如き構成の吸着用素子1を採用し、これを上記冷却用素子2と交互に積層して除湿素子Z5を構成した場合、図12に示すように、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・のうち、上記通風路形成材21の底面に対応するものは該底面と上記吸着用素子1の平板材12との二つの板材を介して該冷却用素子2側の第2通風路4と隣設するが、上記通風路形成材21の開口側に対応するものは該平板材12のみを介して上記第2通風路4と隣設することになり、上記第1通風路3と第2通風路4の間の伝熱性能は、後者の方が前者よりも高くなる。
【0065】
従って、上記除湿素子Z5全体としてみた場合の伝熱性能は、例えば従来の除湿素子(図19を参照)のように吸着用素子1側の第1通風路3と冷却用素子2側の第2通風路4が全て二枚の板材を介して隣設する構造のものに比して、より高いものとなる。
【0066】
また、この場合、例えば上記平板材16をアルミ薄板等の金属薄板で構成した場合には、例えばこれを上記第4の実施形態のように繊維紙で構成する場合に比して、該金属材の熱伝達率が高い分だけ上記両通風路3,4相互間の熱伝達が更に促進されることになる。しかも、この熱伝達率の高い上記平板材16に吸着剤が直接担持されていることで、該吸着剤において発生する吸着熱の冷却用空気Ab側への放熱効率も向上することになる。
【0067】
これらの相乗効果として、上記除湿素子Z5は、より一層高水準の除湿能力を有することになる。
【0068】
尚、上記以外の部分の構成及び作用効果等は全て上記第1及び第4の実施形態の場合と同様であるので、該第1及び第4の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明は省略する。
【0069】
また、この実施形態においては、上記吸着用素子1の一対の平板材16,16がそれぞれ特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0070】
VI:第6の実施形態
図13〜図15には、本願発明の第6の実施形態にかかる除湿素子Z6を示している。この除湿素子Z6は、本願請求項1,請求項3及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、図13に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層し、且つこの積層体を上下一対の端板9,9と四本の枠材10,10,・・によって固結して構成されるものであり、その基本構成は上記第5の実施形態に係る除湿素子Z5に類するものであって、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0071】
即ち、上記第5の実施形態では上記冷却用素子2をアルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板でなる台形波板状の屈曲板材で構成していたのに対して、この実施形態では、上記冷却用素子2を、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板でなる複数の帯板状の隔壁材23,23,・・所定間隔で対向配置してなる通風路形成材21のみで構成している。
【0072】
尚、上記吸着用素子1については、上記第5の実施形態における吸着用素子1と同様に、繊維紙でなる通風路形成材11とアルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板でなる一対の平板材16,16で構成している。
【0073】
以上の如き構成の冷却用素子2を採用し、これを上記吸着用素子1と交互に積層して除湿素子Z6を構成した場合、図14に示すように、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・は、全て上記平板材16のみを介して上記冷却用素子2の第2通風路4,4,・・と隣設することになる。
【0074】
従って、上記除湿素子Z6は、例えば従来の除湿素子(図19を参照)のように吸着用素子1側の第1通風路3と冷却用素子2側の第2通風路4が全て二枚の板材を介して隣設する構造のものに比して、より高い伝熱性能をもつことになる。 また、この場合、例えば上記平板材16をアルミ薄板等の金属薄板で構成した場合には、例えばこれを上記第4の実施形態のように繊維紙で構成する場合に比して、該金属材の熱伝達率が高い分だけ上記両通風路3,4相互間の熱伝達が更に促進されることになる。しかも、この熱伝達率の高い上記平板材16に吸着剤が直接担持されていることで、該吸着剤において発生する吸着熱の冷却用空気Ab側への放熱効率も向上することになる。
【0075】
これらの相乗効果として、上記除湿素子Z6は、より一層高水準の除湿能力を有することになる。
【0076】
さらに、この実施形態の除湿素子Z6においては、上記冷却用素子2を、所定間隔で対向配置される複数枚の隔壁材23,23,・・でなる通風路形成材21のみで構成しているので、例えばこれを屈曲板材で構成するような場合に比して、その軽量化あるいは低コスト化が図れ、延いては上記除湿素子Z6をより軽量に且つより安価に提供することが可能となるものである。
【0077】
尚、上記以外の部分の構成及び作用効果等は全て上記第1,第4及び第5の実施形態の場合と同様であるので、該第1,第4及び第5の実施形態における該当説明を援用することでここでの説明は省略する。
【0078】
また、この実施形態においては、上記吸着用素子1の一対の平板材16,16がそれぞれ特許請求の範囲中の「板材P」に該当する。
【0079】
B:吸着用素子について
続いて、上記各除湿素子に用いるに好適な吸着用素子について、その構造等を実施形態に基づいて具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図2】 図1に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図4】 本願発明の第2の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図5】 図4に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図6】 本願発明の第3の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図7】 図6に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図8】 本願発明の第4の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図9】 図8に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図10】 図8に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図11】 本願発明の第5の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図12】 図11に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図13】 本願発明の第6の実施形態に係る除湿素子を示す要部分解斜視図である。
【図14】 図13に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図15】 図13に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図16】 従来の除湿素子の要部分解斜視図である。
【図17】 図16に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1は吸着用素子、2は冷却用素子、3は第1通風路、4は第2通風路、9は端板、10は枠材、11は通風路形成材、12は平板材、14は分離シート層、16は平板材、18は吸着剤層、21は通風路形成材、22は平板材、23は隔壁材、Aaは被処理空気、Abは冷却用空気、Z1〜Z6は除湿素子である。
Claims (4)
- 吸着剤が担持され且つ被処理空気(Aa)が流通する第1通風路(3)を備えた吸着用素子(1)と、冷却用空気(Ab)が流通する第2通風路(4)を備えた冷却用素子(2)とを交互に積層して構成される除湿素子であって、
上記吸着用素子(1)の第1通風路(3)と上記冷却用素子(2)の第2通風路(4)とが一枚の板材(P)を介して隣設するとともに、
上記板材(P)が、上記吸着用素子(1)に固定された繊維紙でなる平板材(12)であって、該平板材(12)は上記冷却用素子(2)の第2通風路(4)に直接臨むとともに、該第2通風路(4)側の表面のみに気液の流通を阻止する分離シート層(14)が設けられていることを特徴とする除湿素子。 - 請求項1において、
上記冷却用素子(2)の上記通風路形成材(21)が台形波板状の屈曲板材で構成されていることを特徴とする除湿素子。 - 請求項1において、
上記冷却用素子(2)の上記通風路形成材(21)が上記冷却用素子(2)の厚さ方向に立設される複数枚の隔壁(23)で構成されたことを特徴とする除湿素子。 - 請求項1において、
上記分離シート層(14)が、プラスチックフィルムの貼着により、又は金属材の蒸着により、又は有機バインダーの塗布により、構成されていることを特徴とする除湿素子。
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