JP3842428B2 - ベローズの横方向動的バネ定数測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば除振用に用いられる2段または3段等のベローズの横方向の動的バネ定数を測定するベローズの横方向動的バネ定数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム製のベローズは、種々の分野で使用されており、高い耐圧性を付与する目的で布をゴム内に埋め込んだ布入のベローズが開発されている。また、例えば、精密測定装置、半導体回路の焼き付け装置等の振動吸収部材としての用途等における応答性を向上させるために、ゴムの厚みの薄いベローズも開発されている。ベローズの構造は、一般に、相対向する1組のリング状の端面部と、これら端面部の外周縁部を相互に連接するように設けられた蛇腹状の壁面部とを備えている。このような構造のベローズを、布入りベローズとして製造する場合、まず、加硫前のゴムを使用して金型でベローズのプレフォームを成形する。次いで、このプレフォームの外側に布を巻き付け、その後、金型内で加熱、加圧することにより加硫を行い、この際、一時的に軟化したゴム材が布に浸透するので、加硫成形後のベローズは内部に布が埋め込まれた構造となる。
【0003】
ベローズが振動吸収部材として除振装置に使用される場合、除振装置における除振性能は、ベローズの軸方向の動的バネ定数、横方向の動的バネ定数により決定され、一般にはバネ定数が小さい程、優れた除振性能を備えた除振装置を得ることができる。したがって、除振装置の設計にあたっては、予め、使用するベローズの特性を十分に把握していることが重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベローズはその構造上、横方向の動的バネ定数を実験的に求めるのが困難であり、従来より、横方向の動的バネ定数の測定装置に関する提案は何らなされていなかった。
【0005】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、ベローズの横方向の動的バネ定数を簡単かつ正確に測定することができるベローズの横方向動的バネ定数測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のベローズの横方向動的バネ定数測定装置は、ベローズの軸方向に対して直角な方向である横方向の振動荷重をベローズに加えて、その反力から動的バネ定数を測定するベローズの横方向動的バネ定数測定装置であって、該装置は、一対のベローズを並列配置して保持するベローズ保持部と、振動荷重をベローズ保持部に伝達する入力部と、ベローズ間に配置され、両ベローズの総合反力を出力する出力部とを有し、前記測定対象となる一対のベローズは、同一仕様のベローズであり、前記ベローズ保持部は、前記一対のベローズをベローズの軸方向上下に並列配置して保持するようになっており、当該一対のフランジの間に掛け渡されて一対のベローズをその軸方向外方から挟み込むように支持固定する外保持治具と、当該一対のフランジの間に配置されてベローズをその軸方向内方から支持固定する内保持治具とを有し、前記外保持治具は、挟み込んだ一対のフランジを着脱自在に取り付けられるようになっており、前記内保持治具は、一対のフランジの間に揺動自在に配置され、前記出力部に取り付けられるようになっており、前記入力部には、ベローズの軸方向に対して直角な方向である横方向の正弦振動荷重が、導入されるとともに、当該正弦振動荷重が前記外保持治具に固定された一対のベローズの軸方向上下に伝達され、さらに当該一対のベローズと、当該一対のベローズの間に介在されている前記内保持治具とを介して前記出力部へと伝達され出力されるように構成される。
【0007】
また、本発明の横方向動的バネ定数測定装置において、入力部に疲労試験機が接続されるとともに、出力部にロードセルが接続されるように構成される。
【0008】
また、本発明の横方向動的バネ定数測定装置において、前記ベローズ保持部と前記入力部とは一体化されており、前記ベローズ保持部は、ベローズを介して入力部と連結されてなるように構成される。
【0010】
本発明によれば、疲労試験機等から入力部に横方向の振動荷重が加えられ、その振動荷重は入力部からベローズ保持部へと伝達される。ベローズ保持部には、一対のベローズが並列配置の状態で保持されており、これらベローズ間には出力部が配置されている。ベローズ間に配置された出力部は、両ベローズの総合反力を出力する。
【0011】
したがって、この総合反力をロードセル等の測定装置で算出し、算出されるバネ定数に1/2を乗じることにより、各ベローズの横方向の動的バネ定数が算出される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明のベローズの横方向動的バネ定数測定装置について説明する前に、測定対象となるベローズの構造について説明する。
【0014】
図3は本発明の横方向動的バネ定数測定装置の測定対象となるベローズの一例を示す斜視図であり、図4は図3に示されるベローズの平面図であり、図5は図4に示されるベローズのA−A矢視半片断面図である。図3〜図5において、ベローズ1は布入りベローズとして形成されており、相対向する1組のリング状のゴム製の対向面部2A,2Bと、対向面部2A,2Bの各外周縁部を相互に連接するように設けられたゴム製の蛇腹状壁面部3とを備えている。
【0015】
対向面部2A,2Bは、それぞれリング状の平板形状をなし、中心部に開口部4を備えるとともに、内周縁部の外側にビード部5、内側にビード部(糸ビード)6が形成されている。また、蛇腹状壁面部3は複数の山部3a(図示例では2つの山部)と、山部3a,3aの間に位置する谷部3bを有している。そして、このベローズ1には、耐圧性を付与する目的で、対向面部2A,2Bおよび蛇腹状壁面部3に連続した基布と称される布10が埋め込まれている。
【0016】
なお、本実施形態では、横方向動的バネ定数測定装置の測定対象となるベローズとして布入りベローズを例示したが、これに限るものではなく、基布の埋め込まれていないベローズや、その他の形式のベローズをも測定対象とすることができる。また、蛇腹状壁面部に2つの山部を有する2段のベローズについて説明したが、3つの山部を有する3段のベローズや、それ以上の段数のベローズをも測定対象とすることができる。
【0017】
本発明のバネ定数測定装置は、このようなベローズ1に横方向の振動荷重を加えて、その反力を測定し、横方向の動的バネ定数を算出するための装置である。ここで、ベローズの横方向とは、図3に示されているように、ベローズ1の軸方向Yと直角な方向Xをいう。
【0018】
図1は、本発明の横方向動的バネ定数測定装置の一例を示す側面図である。図示されているように、本発明の横方向動的バネ定数測定装置20には、横方向の振動荷重をベローズ保持部40に伝達する入力部30が備えられている。
【0019】
入力部30は、図示しない疲労試験機等の荷重出力部に接続される入力軸31と、この入力軸31を支持する筒体状のボス部33とから構成されている。この入力軸31にはネジ溝32が形成されており、例えばこのネジ溝32等を利用して疲労試験機等の試験機の荷重出力部に接続される。
【0020】
ベローズ保持部40は、一対のベローズ1A,1Bを上下に並列配置して保持するようになっており、相対向するように配置される一対の矩形フランジ41,42と、これらフランジ41,42の間に掛け渡されてベローズ1A,1Bをその軸方向外方から挟み込むように支持固定する矩形状の外保持治具43A,43Bと、フランジ41,42の間に配置されてベローズ1A,1Bをその軸方向内方から支持固定する矩形の内保持治具44A,44Bとから構成されている。
【0021】
外保持治具43A,43Bは、フランジ41,42の間に掛け渡すように配置され、ボルト45によって着脱自在に取り付けられている。一方、内保持治具44A,44Bは、フランジ41,42の間に揺動自在に配置され、後述する出力部50に取り付けられている。
【0022】
ベローズ保持部40にベローズ1A,1Bを並列保持する場合、ベローズ1A,1Bは内保持治具44A,44Bに取り付けられた後、外保持治具43A,43Bに取り付けられる。ここで、測定対象となるベローズ1A,1Bは、等しいバネ定数を有するように設計された同一仕様のベローズである。
【0023】
まず、内保持治具44A,44Bへのベローズ1A,1Bの取り付けは、各ベローズ1A,1Bの軸方向内方の対向面部の内側に円板状治具47を内装し、内保持治具44A,44Bから円板状治具47にボルトを締結することにより、内保持治具44A,44Bと円板状治具47との間にベローズ1A,1Bの対向面部を挟み込んで保持するようになっている。
【0024】
外保持治具43A,43Bへのベローズ1A,1Bの取り付けは、各ベローズ1A,1Bの他方の対向面部の内側にリング状治具46を内装し、外保持治具43A,43Bからリング状治具46にボルトを締結することにより、外保持治具43A,43Bとリング状治具46との間にベローズ1A,1Bの対向面部を挟み込んで保持するようになっている。
【0025】
この状態でフランジ41,42を介してボルト45を外保持治具43A,43Bの側面に締結することにより、外保持治具43A,43Bがフランジ41,42間に固定される。
【0026】
なお、上記入力部30を構成するボス部33は、ベローズ保持部40を構成するフランジ41に固定されている。
【0027】
また、ベローズ1A,1B間には、両ベローズ1A,1Bの総合反力を出力する出力部50が備えられている。出力部50は、内保持治具44A,44B間に挟持固定される取付け治具51と、内保持治具44A,44Bの出力側端面を支持する筒体状のボス部52と、このボス部52内に挿通支持されている出力軸53とから一体的に構成されている。この出力軸53にはネジ溝54が形成されており、例えばこのネジ溝54等を利用して図示しないロードセル等の測定装置に接続されている。
【0028】
上記矩形フランジ42には開口部49が形成されており、ボス部52および出力軸53は開口部49内に揺動自在に挿通されている。すなわち、出力部50を構成する取付け治具51、ボス部52および出力軸53は、矩形フランジ42とは接触していない。
【0029】
以上のように構成された本発明の横方向動的バネ定数測定装置を使用して、ベローズの横方向動的バネ定数の測定が以下の要領で行われる。
【0030】
本発明の横方向動的バネ定数測定装置20は、同一仕様のベローズを2つずつ測定する装置である。横方向の動的バネ定数の測定に際して、ベローズ1A,1Bは本測定装置20のベローズ保持部40に並列配置の状態で保持される。
【0031】
ベローズの取り付けの具体的な一例を以下に示す。まず、矩形フランジ42の開口部49内に、出力部50のボス部52および出力軸53が挿通される。次に、出力部50の取付け治具51に、予めベローズ1A,1Bの取り付けられた内保持治具44A,44Bが取り付けられる。
【0032】
ここで、内保持治具44A,44Bへのベローズ1A,1Bの取り付けは、各ベローズ1A,1Bの軸方向内方の対向面部の内側に円板状治具47を内装し、内保持治具44A,44Bから円板状治具47にボルトを締結することにより、内保持治具44A,44Bと円板状治具47との間にベローズ1A,1Bの対向面部を挟み込んで行われる。
【0033】
ベローズ1A,1Bの取り付けられた内保持治具44A,44Bが出力部50の取付け治具51に取り付けられた後、外保持治具43A,43Bが取り付けられる。外保持治具43A,43Bの取り付けは、各ベローズ1A,1Bの他方の対向面部の内側にリング状治具46を内装し、外保持治具43A,43Bからリング状治具46にボルトを締結することにより、外保持治具43A,43Bとリング状治具46との間にベローズ1A,1Bの対向面部を挟み込んで行われる。
【0034】
そして、この状態でフランジ41,42を介してボルト45を外保持治具43A,43Bの側面に締結することにより、外保持治具43A,43Bがフランジ41,42間に固定され、ベローズ1A,1B、内保持治具44A,44Bおよび出力部50が支持されることになる。
【0035】
また、入力部30の入力軸31は疲労試験機が接続され、出力部50の出力軸53はロードセルに接続される。
【0036】
このように本測定装置20にベローズ1A,1Bを並列保持した後、疲労試験機により正弦波荷重をベローズ1A,1Bに加え、その総合反力をロードセルで測定する。このとき、例えば、ベローズの内圧は2.5kgf/cm2 、ストロークは±1mmとし、ベローズのゴム材質にはニトリルゴム(NBR)を使用した。
【0037】
すると、例えば、図2に示されているようなループ曲線を描く荷重−変位線図が得られる。図2において、△ABCの傾きが動的バネ定数である。
【0038】
したがって、k=(P1+P2)/(δ1+δ2)となる。
【0039】
また、総合反力から得られるバネ定数kは、ベローズ1Aのバネ定数をk1、ベローズ1Bのバネ定数をk2とした場合、k=k1+k2で求めることができる。この場合、同一仕様のベローズ1A,1Bが並列配置されているので、k1=k2であると考えることができ、算出されたバネ定数に1/2を乗じることにより、1つのベローズの横方向の動的バネ定数を簡単かつ正確に求めることができ、ベローズの特性を適確に把握することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、入力部に疲労試験機が接続されるとともに、出力部にロードセルが接続されているが、これに限るものではなく、振動荷重を出力する他形式の試験機や、反力を測定する他形式の測定装置をも採用することができ、汎用性を有するものである。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ベローズの横方向の動的バネ定数を簡単かつ正確に測定できる横方向動的バネ定数測定装置を提供することができる。したがって、本発明の横方向動的バネ定数測定装置により、ベローズの特性を適確に把握することができる。また、本発明の横方向動的バネ定数測定装置は、既存の試験機や測定装置と組み合わせて使用することができるので、汎用性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の横方向動的バネ定数測定装置の一例を示す一部破断側面図である。
【図2】本発明の横方向動的バネ定数測定装置から得られる荷重−変位線図である。
【図3】本発明の横方向動的バネ定数測定装置の測定対象となるベローズの一例を示す斜視図である。
【図4】図3に示されるベローズの平面図である。
【図5】図4のA−A矢視半片断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…ベローズ
2A,2B…対向面部
3…蛇腹状壁面部
10…布
20…横方向動的バネ定数測定装置
30…入力部
31…入力軸
33…ボス部
40…ベローズ保持部
41,42…矩形フランジ
43A、43B…外保持治具
44A,44B…内保持治具
46…円板状治具
47…リング状治具
50…出力部
51…取付け治具
52…ボス部
53…出力軸
Claims (3)
- ベローズの軸方向に対して直角な方向である横方向の振動荷重をベローズに加えて、その反力から動的バネ定数を測定するベローズの横方向動的バネ定数測定装置であって、
該装置は、
一対のベローズを並列配置して保持するベローズ保持部と、
振動荷重をベローズ保持部に伝達する入力部と、
ベローズ間に配置され、両ベローズの総合反力を出力する出力部とを有し、
前記測定対象となる一対のベローズは、同一仕様のベローズであり、
前記ベローズ保持部は、前記一対のベローズをベローズの軸方向上下に並列配置して保持するようになっており、当該一対のフランジの間に掛け渡されて一対のベローズをその軸方向外方から挟み込むように支持固定する外保持治具と、当該一対のフランジの間に配置されてベローズをその軸方向内方から支持固定する内保持治具とを有し、
前記外保持治具は、挟み込んだ一対のフランジを着脱自在に取り付けられるようになっており、
前記内保持治具は、一対のフランジの間に揺動自在に配置され、前記出力部に取り付けられるようになっており、
前記入力部には、ベローズの軸方向に対して直角な方向である横方向の正弦振動荷重が、導入されるとともに、当該正弦振動荷重が前記外保持治具に固定された一対のベローズの軸方向上下に伝達され、さらに当該一対のベローズと、当該一対のベローズの間に介在されている前記内保持治具とを介して前記出力部へと伝達され出力されるようになっていることを特徴とするベローズの横方向動的バネ定数測定装置。 - 前記入力部に疲労試験機が接続されるとともに、前記出力部にロードセルが接続される請求項1に記載のベローズの横方向動的バネ定数測定装置。
- 前記ベローズ保持部と前記入力部とは一体化されており、前記ベローズ保持部は、ベローズを介して入力部と連結されてなる請求項1または請求項2に記載のベローズの横方向動的バネ定数測定装置。
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