JP3843038B2 - 圧縮空気除湿装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器内の圧縮空気を冷凍サイクルにおける蒸発器によって冷却することにより、圧縮空気に含まれている水分を結露させて除湿可能に構成された圧縮空気除湿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧縮空気除湿装置として、図4に示す除湿装置51が従来から知られている。この除湿装置51は、エアーコンプレッサー(図3参照。以下、「コンプレッサー」ともいう)Cによって圧送された圧縮空気に含まれる水分を結露させて除湿する熱交換器2と、熱交換器2内で圧縮空気を冷却する冷凍サイクル53とを備えている。この場合、熱交換器2は、導入口2aから導入した圧縮空気を、一次冷却部11、二次冷却部12および再熱部13からなる気体流路を経て排出口2bから排出可能に構成されている。また、熱交換器2には、除湿によって生じた水分を外部に排水するためのドレントラップ9が各排水口2c,2dにそれぞれ取り付けられている。一方、冷凍サイクル53は、熱交換器2の二次冷却部12内に配設されて冷媒の気化熱によって圧縮空気を冷却する蒸発器21と、気化した冷媒を一定の圧送能力で圧送する圧縮機62と、圧縮した気化冷媒を凝縮(液化)させる凝縮器23と、液化冷媒を一次的に貯留する受液器24と、液化冷媒を降圧させるキャピラリチューブ65とを備えている。この除湿装置51は、図3に示すように、例えば、コンプレッサーCと共に建物R1の室内ID1(機械室)に設置されている。
【0003】
この除湿装置51では、まず、圧縮機62を駆動させることにより、冷凍サイクル53内で冷媒を循環させる。この際に、受液器24内の液化冷媒がキャピラリチューブ65を通過して蒸発器21内に吐出され、吐出された液化冷媒が蒸発器21内で気化することにより、その気化熱によって熱交換器2の二次冷却部12が冷却される。次に、この状態でコンプレッサーCを駆動することにより、ダクトD1(図3参照)を介して導入口2aから水分を含んだ圧縮空気が熱交換器2内に導入される。この際に、熱交換器2内に導入された圧縮空気は、一次冷却部11を通過する際に予備冷却され、次いで、二次冷却部12を通過する際に、蒸発器21によって露点温度以下に冷却される。この結果、圧縮空気中の水分が、蒸発器21に取り付けられたフィンの表面に結露水として結露し、この結露水は、熱交換器2の底部に向けて流れ落ちて排水口2cからドレントラップ9を経て外部に排出される。
【0004】
一方、二次冷却部12内で除湿された圧縮空気は、再熱部13を通過する際に、導入口2aから導入される圧縮空気によって再熱された後、排出口2bから排出される。この後、図3に示すように、除湿装置51によって除湿された圧縮空気は、建物R2の室内ID2に設置された供給対象体X(一例として、各種エアツール)にダクトD2を介して供給される。この場合、除湿装置51による圧縮空気の除湿が不完全なときには、例えば屋外ODが比較的低温となる冬季において、除湿後の圧縮空気中に残留する水分がダクトD2の中で結露水として結露し、この結露水が圧縮空気と共に供給対象体Xに供給されてしまう。したがって、従来の除湿装置51では、コンプレッサーCによって圧送された圧縮空気を確実に除湿するために、二次冷却部12を露点温度まで冷却するのに十分な冷媒を圧送可能なように圧縮機62の圧送能力を規定している。この結果、屋外ODが低温の冬季であったとしても、ダクトD2内での結露が回避されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の除湿装置51には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、前述したように、圧縮空気がコンプレッサーCによって圧縮されてから供給対象体Xに供給されるまでの間に露点温度以下まで冷却された場合、その圧縮空気中の水分が結露して、その結露水が圧縮空気に混入する。したがって、圧縮空気中に結露水が混入しないように、四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない露点温度まで圧縮空気を冷却して除湿する必要がある。このため、従来の除湿装置51では、圧縮空気の除湿に際して、冷凍サイクル53の圧縮機62が、ダクトD2内などで結露水を生じさせない程度に圧縮空気を除湿可能な目標露点温度以下に二次冷却部12内を保つのに十分な冷媒を圧送し得る一定の圧送能力で常時運転されている。この場合、屋外ODの温度が比較的高温となり、空気中に含まれる水分量が多い夏季などでは、除湿装置51による除湿後の圧縮空気中に多少の水分が含まれていたとしても、外気温が高いため、圧縮空気がダクトD2内でなどで露点温度に達するまで冷却されることがなく、圧縮空気中の水分がダクトD2内や供給対象体Xにおいて結露することはない。したがって、夏季などにおいて、たとえ二次冷却部12を冬季の外気温とほぼ等しい目標露点温度、または四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度まで冷却しないとしても、結露水が圧縮空気と共に供給対象体Xに供給されることがないため、実際には弊害が生じない。
【0006】
しかし、従来の除湿装置51では、冬季においてダクトD2の中での結露を防止すべく、冬季であってもダクトD2内などで結露水が生じない目標露点温度まで二次冷却部12を冷却可能な圧送能力で圧縮機62を常時運転している。このため、夏季などにおいては、二次冷却部12を必要以上に冷却し、かつ、大気中に含まれている水分を大量に凝縮させる結果、圧縮空気の冷却負荷が増加するのみならず、低温まで冷却することで凝縮される水分量が増えることに起因して、凝縮潜熱による負荷も増加するため、必要以上に電力を消費しているという課題がある。また、従来の除湿装置51では、圧縮機62が一定の圧送能力で常時運転されることによって二次冷却部12が四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度まで圧縮空気を冷却して除湿するように維持されている。このため、排出口2bからから排出される圧縮空気も比較的低温となる結果、屋外ODが高温の夏季などには、ダクトD2の外表面に大気中の水分が結露して、必要以上に冷却するのに費やしたエネルギが大気中に放出されてしまうという課題もある。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、電力消費を低減し得る圧縮空気除湿装置を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る圧縮空気除湿装置は、エアーコンプレッサーによって圧縮されて熱交換器内に導入された空気を冷凍サイクルにおける蒸発器によって冷却して当該空気中の水分を結露させることにより除湿する圧縮空気除湿装置であって、前記冷凍サイクルの凝縮器に対する気化冷媒の圧送量を調節可能な圧送量可変形の冷媒圧縮手段と、前記エアーコンプレッサーによって圧縮される屋外の前記空気の温度を検出する温度検出手段と、当該圧縮空気除湿装置の設置場所における室温および前記屋外の温度の差温についての差温情報を記憶する記憶部と、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記冷媒圧縮手段を制御して前記冷凍サイクルの冷凍能力を調節する制御部とを備え、前記温度検出手段は、前記室温を検出する温度センサと、当該温度センサによって検出された前記室温および前記記憶部に記憶されている前記差温情報に基づいて前記圧縮される屋外の空気の温度を演算する演算部とを備えて構成されている。
【0009】
この場合、前記記憶部に記憶されている前記差温情報を補正する差温補正情報を入力可能に構成された操作部を備え、前記制御部が前記操作部を介して入力された前記差温補正情報に基づいて前記記憶部に記憶されている前記差温情報を補正して当該補正後の差温情報を新たな前記差温情報として前記記憶部に記憶させるのが好ましい。
【0010】
また、前記冷媒圧縮手段が、インバータ制御方式の冷媒圧縮機を備えて構成され、前記制御部が前記冷媒圧縮機の運転状態を制御することによって前記冷媒圧縮手段の圧送能力を調節するのが好ましい。
【0011】
また、前記冷媒圧縮手段が、複数の冷媒圧縮機を備えて構成され、前記制御部が前記各冷媒圧縮機を個別に駆動制御することによって前記冷媒圧縮手段の圧送能力を調節するのが好ましい。
【0012】
また、前記制御部が前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記冷媒圧縮手段の圧送能力を段階的に調節するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る圧縮空気除湿装置の好適な発明の実施の形態について説明する。なお、従来の除湿装置51と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0014】
最初に、除湿装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0015】
同図に示すように、除湿装置1は、熱交換器2、冷凍サイクル3、インバータ4、記憶部5、制御部6、操作部7および温度センサTSを備えている。この場合、温度センサTSは、制御部6と相俟って本発明における温度検出手段を構成するものであって、一例として、除湿装置1およびコンプレッサーCと共に建物R1の室内ID1に設置されて室内ID1の室温を検出し、検出した温度についての検出信号Sを出力する。一方、熱交換器2は、全体として円筒状に形成されると共に、圧縮空気を導入する導入口2aと、除湿した圧縮空気を排出する排出口2bとが形成されている。この場合、図3に示すように、熱交換器2の導入口2aには、ダクトD1を介してコンプレッサーCが接続され、排出口2bには、ダクトD2を介して供給対象体Xが接続されている。
【0016】
冷凍サイクル3は、図1に示すように、蒸発器21、冷媒圧縮機22、凝縮器23、受液器24および電子膨張弁25を備えている。蒸発器21は、熱交換器2の二次冷却部12内に配設されて冷媒の気化熱によって圧縮空気を冷却する。冷媒圧縮機(以下、「圧縮機」ともいう)22は、本発明における冷媒圧縮手段に相当し、冷媒の圧送能力をリニアに可変制御可能な圧送量可変型の圧縮機で構成されている。具体的には、この除湿装置1では、インバータ4によって供給されるインバータ出力に応じて圧送量を多段階に可変させるインバータ制御方式の圧縮機が採用されている。この圧縮機22は、制御部6の制御下でインバータ4によってインバータ出力が供給されることにより、所定の圧送能力で気化冷媒を圧送して冷凍サイクル3内で冷媒を循環させる。電子膨張弁25は、制御部6の制御下で蒸発器21内に吐出させる液化冷媒の流量を調節する。インバータ4は、制御部6の制御下で圧縮機22にインバータ出力を供給する。記憶部5は、室内ID1の室温と、屋外ODの温度(すなわち、ダクトD2が通過する部位の温度)との差温についての差温データDt(本発明における「差温情報」)、およびインバータ4を制御するための制御データDpを記憶する。
【0017】
この差温データDtについては、使用開始に先立って除湿装置1の設置環境に応じて生成されて記憶部5に記憶させられる。この場合、室内ID1の室温と、屋外ODの温度との差温は、除湿装置1の設置環境によって異なる。具体的には、例えば、除湿装置1の設置場所である建物R1が比較的狭く、かつ除湿装置1やコンプレッサーCと共に複数の機器が設置されているときには、除湿装置1、コンプレッサーCおよび各種機器の発熱に起因して室内ID1の温度が屋外ODよりも大きく温度上昇する。また、例えば、建物R1が比較的広く、かつ除湿装置1やコンプレッサーCのほかに発熱する機器が存在しないときには、屋外ODの温度に対して室内ID1の室温を上昇させる要素が除湿装置1およびコンプレッサーCのみとなって、室温の上昇に与える影響が小さいため、室内ID1の温度が屋外ODと殆ど変わらない状態となる。このように、除湿装置1の設置環境に応じて室内ID1の室温と屋外ODの温度との差温が異なるため、設置環境に応じた差温データDtを生成して記憶部5に記憶させる。なお、この除湿装置1では、室温と外気温との一般的な関係に基づいて生成された差温データDtが初期値として記憶されている。したがって、後述するように初期値としての差温データDtを設置環境に応じて補正することにより、その設置環境に適した差温データDtが生成されて記憶部5に記憶される。
【0018】
一方、制御データDpは、屋外ODの温度に応じてインバータ4を介して圧縮機22の運転状態を制御するためのデータで構成されている。この場合、圧縮機22の運転状態を屋外ODの温度に対応させて無段階または多段階に変化させることもできるが、その制御が比較的煩雑となる。このため、この除湿装置1では、屋外ODが低温のとき、および高温のときの2段階で制御する。具体的には、制御データDpは、一例として、屋外ODの温度が20℃未満のときには、二次冷却部12を露点温度(一例として、10℃)まで冷却するのに十分な冷媒を圧送可能な圧送能力で圧縮機22を運転させ、屋外ODの温度が20℃以上のときには、二次冷却部12を露点温度より僅かに高い温度(一例として、15℃)まで冷却するのに十分な冷媒を圧送可能な圧送能力で圧縮機22を運転させる旨のデータで構成されている。
【0019】
制御部6は、本発明における温度検出手段の演算部および本発明における制御部として機能するものであって、温度センサTSによって出力された検出信号S(室内ID1の室温)と、記憶部5に記憶されている差温データDtとに基づいて屋外ODの温度を演算すると共に、その演算結果に応じてインバータ4を制御することにより、圧縮機22による冷媒の圧送能力(すなわち、冷凍サイクル3の冷凍能力)を調節制御する。この場合、制御部6は、実際には、コンプレッサーCの運転状態(すなわち、熱交換器2に圧送される圧縮空気の流量)に応じて圧縮機22の冷媒圧送能力を調節制御しているが、本発明の実施の形態では、本発明についての理解を容易とするために、この圧縮空気量に応じた冷媒圧送能力の調節制御に関する構成およびその動作についての説明を省略する。操作部7は、記憶部5に記憶されている差温データDtを設置環境に応じて補正するための各種情報(本発明における「差温補正情報」)を入力する各種スイッチが配列されて構成されている。
【0020】
次に、除湿装置1による圧縮空気に対する除湿方法について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0021】
この除湿装置1の使用に際しては、まず、除湿装置1の設置環境に応じて、記憶部5に記憶されている初期値としての差温データDtを補正する。具体的には、除湿装置1およびコンプレッサーCを建物R1の室内ID1に設置した後に、コンプレッサーCを駆動させて圧縮空気を除湿装置1に供給させる。この状態でコンプレッサーCを暫く運転した後に、操作部7を操作することにより、制御部6に対して差温データDtを補正させる補正処理を実行させる。この補正処理では、制御部6は、まず、室内ID1の室温と屋外ODの温度とをそれぞれ取得する。この際に、室内ID1の室温については、制御部6が温度センサTSの検出信号Sに基づいて演算する。また、屋外ODの温度については、例えばオペレータが、温度計を用いて外気温を測定した後に、操作部7を介して除湿装置1に入力する。
【0022】
次に、制御部6は、オペレータに対して現在の季節を特定可能な情報(この場合、一例として、12ヶ月のうちのいずれの月に属するかの情報)の入力を要求する。この場合、図2に示すように、屋外ODの温度と室内ID1の室温との温度差t1,t2は、屋外ODの温度が高い夏季と、屋外ODの温度が低い冬季とで相違する。したがって、温度センサTSを介して測定した室内ID1の室温に対して、四季を通じて同一値の差温を加算して屋外ODの温度を演算した場合には、空気中に含まれる水分量の違いによるコンプレッサーCの発熱量の変化や、日照状態の影響を受けて、演算結果が実際の温度とは相違することがある。このため、この除湿装置1では、各月毎に異なる差温を記述した差温データDtを使用することで、演算結果と実際の温度との誤差が四季を通じて小さくなるようにしている。したがって、制御部6は、差温データDtの補正時において、オペレータによって入力された「月」に関する情報に基づいて、補正実施時点の「月」を特定し、特定した「月」についての差温を補正する。
【0023】
具体的には、制御部6は、温度センサTSによって出力された検出信号Sに基づいて演算した室内ID1の室温と、操作部7を介して入力された屋外ODの温度との差温を演算する。この際に、演算結果と記憶部5に記憶されている差温データDtに対応する差温とが異なるときには、差温データDtを補正する。これにより、オペレータによって入力された「月」に関する差温の補正処理が完了する。次いで、制御部6は、演算した差温に対して、予め規定された月毎の変化率に基づいて加減算することにより、その他の11ヶ月に関する差温を補正する。これにより、12ヶ月分の差温についての補正が完了し、除湿装置1の設置環境に合致する差温データDtが記憶部に記憶される。なお、上記した補正処理は、除湿装置1の設置の際に1回行うだけでよく、使用開始後においては、建物R1に新たな熱源(コンプレッサーC以外の各種装置など)が配設されたときに差温データDtを補正すればよい。
【0024】
一方、圧縮空気の除湿に際しては、まず、制御部6が、屋外ODの温度に応じてインバータ4を制御することにより、圧縮機22を所定の圧送能力で運転させる。具体的には、制御部6は、まず、温度センサTSによって出力された検出信号Sと、記憶部5に記憶されている差温データDtとに基づいて、屋外ODの温度を演算する。次に、制御部6は、演算結果(屋外ODの温度)が20℃以上であるか否かを判別する。この際に、例えば、屋外ODの温度が低い冬季には、制御部6は、演算結果が20℃を下回ると判別して、制御データDpに基づき、圧縮空気がダクトD2などで冷却される温度よりも低温となるように二次冷却部12を目標露点温度以下(この場合、一例として10℃)まで冷却するのに十分な冷媒を圧送可能な圧送能力で圧縮機22を運転させるようにインバータ4を制御する。これに応じて、インバータ4は、所定のインバータ出力を圧縮機22に供給する。この際には、圧縮機22が、蒸発器21内の気化冷媒を吸入して凝縮器23に順次圧送する。これに伴い、受液器24内の液化冷媒が、電子膨張弁25を介して蒸発器21内に吐出された後に、蒸発器21内で膨張して気化する。これにより、二次冷却部12が目標露点温度以下に冷却される。
【0025】
次に、この状態でコンプレッサーCを駆動する。この際に、コンプレッサーCは、室内ID1の空気を吸引して熱交換器2に圧送する。これにより、水分を含んだ圧縮空気がダクトD1を介して導入口2aから熱交換器2内に導入される。同時に、屋外ODの空気が建物R1に設けられた吸気孔VI(図3参照)を介して室内ID1に吸引される。この場合、熱交換器2内に導入された圧縮空気は、コンプレッサーCによって圧縮されることによって40℃以上に加熱される。次いで、圧縮空気は、一次冷却部11を通過する際に予備冷却され、かつ、二次冷却部12を通過する際に、蒸発器21によって目標露点温度まで冷却される。この際に、圧縮空気内の水分は、蒸発器21に取り付けられたフィンの表面に結露水として結露した後、熱交換器2の底部に向けて流れ落ちて、排水口2cを介して熱交換器2から外部に排出される。一方、二次冷却部12内で目標露点温度以下に冷却されて、ほぼ完全に除湿された圧縮空気は、再熱部13を通過する際に、導入口2aから導入される圧縮空気の熱を奪うことによって再熱された後、排出口2bから熱交換器2の外部に排出される。この後、図3に示すように、除湿装置1によって除湿された圧縮空気は、建物R2の室内ID2に設置された供給対象体XにダクトD2を介して供給される。この場合、ダクトD2を通過する圧縮空気が除湿装置1によってほぼ完全に除湿されているため、屋外ODが低温の冬季であったとしても、ダクトD2の中での結露が回避される。この結果、除湿された圧縮空気が供給対象体Xに供給される。
【0026】
一方、温度センサTSによって出力された検出信号Sと差温データDtとに基づいて演算した屋外ODの温度が20℃以上のとき(夏季)には、制御部6は、制御データDpに基づき、二次冷却部12を四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度よりも僅かに高い温度(この場合、15℃)まで冷却するのに十分な冷媒を圧送可能な圧送能力で圧縮機22を運転させるようにインバータ4を制御する。これに応じて、インバータ4は、所定のインバータ出力を圧縮機22に供給する。これにより、二次冷却部12が15℃まで冷却される。次に、コンプレッサーCを駆動することにより、水分を含んだ圧縮空気が導入口2aから熱交換器2内に導入される。この場合、熱交換器2内に導入された圧縮空気は、二次冷却部12を通過する際に、蒸発器21によって15℃まで冷却される。この際に、圧縮空気内の水分は、蒸発器21に取り付けられたフィンの表面に結露水として結露した後、熱交換器2の底部に向けて流れ落ち、排水口2cを介して熱交換器2から外部に排出される。一方、二次冷却部12を通過する際に除湿された圧縮空気は、排出口2bから熱交換器2の外部に排出される。この後、図3に示すように、除湿装置1によって除湿された圧縮空気は、建物R2の室内ID2に設置された供給対象体XにダクトD2を介して供給される。
【0027】
この場合、二次冷却部12内の温度が四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度よりも僅かに高い15℃のため、除湿後の圧縮空気には、若干多めの水分が含まれている。しかし、前述したように、この圧縮空気が通過するダクトD2の周囲(すなわち、屋外OD)や供給対象体Xの周囲が比較的高温の夏季においては、圧縮空気中に若干多めの水分が含まれていたとしても、この水分がダクトD2の中で結露しないため、実際には弊害が生じない。したがって、使用に影響がない程度まで十分に除湿した圧縮空気を供給対象体Xに供給することができる。なお、制御部6は、除湿装置1による圧縮空気の除湿に際して、温度センサTSによって出力された検出信号Sと差温データDtとに基づいて屋外ODの温度を定期的(この場合、一例として数分間隔)に演算し、その演算結果に応じてインバータ4を制御する。したがって、図3に点Aで示すように、屋外ODの温度(演算結果)が20℃を下回ったときには、制御部6は、二次冷却部12を10℃まで冷却可能な圧送能力で圧縮機22が稼働するようにインバータ4を制御する。また、同図に点Bで示すように、屋外ODの温度(演算結果)が20℃以上となったときには、制御部6は、二次冷却部12を15℃まで冷却可能な圧送能力で圧縮機22が稼働するようにインバータ4を制御する。これにより、たとえ夏季であったとしても、屋外ODの温度が低下したときには圧縮空気がほぼ完全に除湿されるため、ダクトD2内での結露を回避することができる。
【0028】
このように、この除湿装置1によれば、制御部6が屋外ODの温度に応じて圧縮機22の圧送能力(運転状態)を制御して冷凍サイクル3の冷凍能力を調節することにより、圧縮空気を完全に除湿する必要のない夏季など(屋外ODが高温のとき)には、圧縮機22の消費電力を十分に低減することができる。この場合、屋外ODの温度が低いときには、制御部6がインバータ4を制御して二次冷却部12を四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度まで冷却可能な圧送能力で圧縮機22を運転させることにより、屋外ODの温度が低い冬季であったとしても、ダクトD2内での結露を回避することができる。一方、屋外ODが高温の夏季においては、二次冷却部12が15℃まで冷却されるため、除湿に際して二次冷却部12を四季を通じてダクトD2内などで結露水を生じさせない目標露点温度まで冷却した場合と比較して、熱交換器2から排出される圧縮空気(除湿後の圧縮空気)が高温となる結果、ダクトD2の外表面における結露を回避することができる。さらに、この除湿装置1によれば、冷凍サイクル3における凝縮器23に対する気化冷媒の圧送量を調節可能な圧送量可変形(インバータ制御方式)の圧縮機22を備えたことにより、屋外ODの温度に応じた運転状態の変更のみならず、コンプレッサーCによって圧送される圧縮空気量に応じて、きめ細かな圧送能力の調節を行うこともできる。このため、圧縮機22の消費電力をさらに低減することができると共に、ダクトD2内外での結露の発生を回避することができる。
【0029】
また、この除湿装置1によれば、設置場所(この場合、室内ID1)の室温と吸気孔VIを介してコンプレッサーCによって室内ID1に吸引される空気(すなわち、屋外OD)の温度との差温についての差温データDtを記憶する記憶部5を備えて、制御部6が温度センサTSによって出力された検出信号Sと差温データDtとに基づいて演算した屋外ODの温度に応じて圧縮機22の圧送能力(すなわち、冷凍サイクル3の冷凍能力)を調節することにより、例えば、温度センサTSを屋外ODに設置して屋外ODの温度を直接的に測定する構成と比較して、温度センサTSを容易に設置することができると共に、温度センサTS用の信号ケーブルを容易に引き回すことができる。この場合、制御部6が室内ID1の室温と差温データDtとに基づいて演算した屋外ODの温度に応じてインバータ4を制御することにより、屋外ODの温度を直接的に測定してインバータ4を制御する制御方法と同様にして、冷凍サイクル3の冷凍能力(圧縮機22の圧送能力)を適切に調節することができる。
【0030】
さらに、この除湿装置1によれば、記憶部5が操作部7を介して入力された差温補正情報(屋外ODの温度に関する情報)に基づいて記憶部5に記憶されている差温データDtを補正して補正後の差温データDtを新たな差温データDtとして記憶部5に記憶させることにより、除湿装置1の設置環境に応じて冷凍サイクル3の冷凍能力(この場合、圧縮機22の圧送能力)を適切に調節することができる。また、制御部6が屋外ODの温度に応じて圧縮機22の圧送能力(すなわち、冷凍サイクル3の冷凍能力)を2段階(この場合、一例として20℃未満のとき、および20℃以上のときの2段階)に調節することにより、無段階、または多段階に調節する制御方法と比較して調節制御が容易となる結果、制御部の処理能力を高める必要がないため、その分、除湿装置1の製造コストを低減することができる。この場合、例えば圧縮機22の圧送能力を比較的短い周期で多段階(または無段階)に調節したとしても、二次冷却部12内が目標の温度まで下降または上昇するのにある程度の時間を要するため、比較的短い周期での多段階の調節は、現実には意味を有さない。したがって、上記した除湿装置1のような2段階、または3〜5段階程度の調節であっても、ダクトD2内外での結露の発生を有効に回避しつつ、圧縮機22による消費電力を十分に低減することができる。
【0031】
なお、本発明は、上記本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、インバータ制御方式の圧縮機22を採用した例について説明したが、本発明における圧送量可変形の冷媒圧縮手段の構成はこれに限定されず、例えば、圧送能力が固定の圧縮機を複数備えて構成してもよい。この構成であっても、圧縮機の運転台数を個別に制御することで、上記した除湿装置1と同様にして、冷媒の圧送能力、すなわち、冷凍サイクル3の冷凍能力を調節することができる。この構成によれば、冷媒圧縮手段を比較的低コストで構成することができるため、除湿装置1全体としての製造コストを低減することができる。また、本発明の実施の形態では、コンプレッサーCおよび除湿装置1と、供給対象体Xとをそれぞれ異なる設置場所(この場合、建物R1,R2)に設置した例について説明したが、本発明における除湿装置1の設置形態はこれに限定されず、1つの建物内にコンプレッサーC、除湿装置1および供給対象体Xを設置することもできる。さらに、本発明の実施の形態では、温度センサTSを熱交換器2と共に室内ID1に設置した例について説明したが、本発明はこれに限定されず、温度センサTSを屋外ODに設置してもよい。この構成によれば、差温データDtに基づく屋外ODの温度に関する演算処理を不要とすることができるため、制御部6の負担を軽減することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、制御部が温度検出手段によって検出された温度に応じて冷媒圧縮手段を制御して冷凍サイクルの冷凍能力を調節することにより、圧縮空気を完全に除湿する必要のない夏季など(屋外が高温のとき)には、冷媒圧縮手段の消費電力を十分に低減することができる。この場合、屋外の温度が低いときには、制御部が冷媒圧縮手段を制御して熱交換器内を露点温度まで冷却することにより、圧縮空気がほぼ完全に除湿される結果、送風管内などでの結露を回避することができる。一方、屋外が高温の夏季においては、熱交換器内が露点温度よりも僅かに高い温度まで冷却されるため、除湿に際して熱交換器内を露点温度まで冷却した場合と比較して、熱交換器から排出される圧縮空気(除湿後の圧縮空気)が高温となる結果、送風管の外表面における結露を回避することができる。
【0033】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、演算部が温度センサによって検出された室温と記憶部に記憶されている差温情報とに基づいて圧縮される空気の温度を演算すると共に、制御部が演算部の演算結果に応じて冷媒圧縮手段を制御することにより、例えば、温度センサを屋外に設置して屋外の温度を直接的に測定する構成と比較して、温度センサを容易に設置することができると共に、温度センサ用の信号ケーブルを容易に引き回すことができる。この場合、制御部が演算部の演算結果に応じて冷媒圧縮手段を制御することにより、屋外の温度を直接的に測定して冷媒圧縮手段を制御する制御方法と同様にして、冷凍サイクルの冷凍能力(圧縮機の圧送能力)を適切に調節することができる。
【0034】
さらに、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、制御部が記憶部に記憶されている差温情報を補正した差温情報を新たな差温情報として記憶部に記憶させることにより、圧縮空気除湿装置の設置環境に応じて補正した差温情報に基づいて、冷凍サイクルの冷凍能力を適切に調節することができる。
【0035】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、制御部がインバータ制御方式の冷媒圧縮機の運転状態を制御して圧送能力を調節することにより、エアーコンプレッサーによって圧縮される空気の温度(屋外の温度)に応じての冷媒圧縮手段に対する調節のみならず、エアーコンプレッサーによって圧送される圧縮空気量に応じて、きめ細かに圧送能力を調節することができる。したがって、冷媒圧縮手段による消費電力をさらに低減することができる。
【0036】
さらに、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、制御部が各冷媒圧縮機を個別に駆動制御して圧送能力を調節することにより、比較的低コストで冷媒圧縮手段を構成することができるため、圧縮空気除湿装置全体の製造コストを十分に低減することができる。
【0037】
また、本発明に係る圧縮空気除湿装置によれば、制御部が温度検出手段によって検出された温度に基づいて冷媒圧縮手段の圧送能力を段階的に調節することにより、圧送能力を無段階、または多段階に調節する制御方法と比較して調節制御が容易となる結果、制御部の処理能力を高める必要がないため、その分、圧縮空気除湿装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る除湿装置1の構成を示す構成図である。
【図2】 屋外ODの温度、室内ID1の室温、およびコンプレッサーCによって圧送された圧縮空気の温度の関係を示す特性図である。
【図3】 除湿装置1の設置場所(建物R1)と圧縮空気の供給先(建物R1の供給対象体X)との位置関係の一例を示す構成図である。
【図4】 従来の除湿装置51の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 除湿装置
2 熱交換器
2a 導入口
2b 排出口
2c,2d 排水口
3 冷凍サイクル
4 インバータ
5 記憶部
6 制御部
7 操作部
9 ドレントラップ
12 二次冷却部
21 蒸発器
22 圧縮機
23 凝縮器
24 受液器
25 電子膨張弁
C コンプレッサー
D1,D2 ダクト
Dt 差温データ
Dp 制御データ
ID1,ID2 室内
t1,t2 温度差
TS 温度センサ
OD 屋外
R1,R2 建物
S 検出信号
X 供給対象体
Claims (5)
- エアーコンプレッサーによって圧縮されて熱交換器内に導入された空気を冷凍サイクルにおける蒸発器によって冷却して当該空気中の水分を結露させることにより除湿する圧縮空気除湿装置であって、
前記冷凍サイクルの凝縮器に対する気化冷媒の圧送量を調節可能な圧送量可変形の冷媒圧縮手段と、前記エアーコンプレッサーによって圧縮される屋外の前記空気の温度を検出する温度検出手段と、当該圧縮空気除湿装置の設置場所における室温および前記屋外の温度の差温についての差温情報を記憶する記憶部と、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記冷媒圧縮手段を制御して前記冷凍サイクルの冷凍能力を調節する制御部とを備え、
前記温度検出手段は、前記室温を検出する温度センサと、当該温度センサによって検出された前記室温および前記記憶部に記憶されている前記差温情報に基づいて前記圧縮される屋外の空気の温度を演算する演算部とを備えて構成されている圧縮空気除湿装置。 - 前記記憶部に記憶されている前記差温情報を補正する差温補正情報を入力可能に構成された操作部を備え、前記制御部は、前記操作部を介して入力された前記差温補正情報に基づいて前記記憶部に記憶されている前記差温情報を補正して当該補正後の差温情報を新たな前記差温情報として前記記憶部に記憶させる請求項1記載の圧縮空気除湿装置。
- 前記冷媒圧縮手段は、インバータ制御方式の冷媒圧縮機を備えて構成され、前記制御部は、前記冷媒圧縮機の運転状態を制御することによって前記冷媒圧縮手段の圧送能力を調節する請求項1または2記載の圧縮空気除湿装置。
- 前記冷媒圧縮手段は、複数の冷媒圧縮機を備えて構成され、前記制御部は、前記各冷媒圧縮機を個別に駆動制御することによって前記冷媒圧縮手段の圧送能力を調節する請求項1または2記載の圧縮空気除湿装置。
- 前記制御部は、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて、前記冷媒圧縮手段の圧送能力を段階的に調節する請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置。
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