JP3843498B2 - 発電プラントの制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば産業用蒸気の有効利用を目的とした発電プラントの制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の発電プラントの制御システムとして、特開平8−165906号公報に開示されているものが知られている。
図5は、上述の発電プラントの制御システムを示すブラシレス励磁方式の同期発電機の制御システム構成図である。
【0003】
図5において、自動電圧調整装置20は、同期発電機1の出力電圧を電圧検出用変成器(PT)2を介して検出し、この検出値が所定の値になるように同期発電機1の励磁機3の界磁巻線3aに流す界磁電流(If)を電流検出器4により検出して調整する。自動電圧調整装置20の出力は、切換リレー5の接点5aを介して点弧角調整装置6に入力され、点弧角調整装置6ではサイリスタ7に調整された界磁電流(If)を流す点弧角で点弧信号を発生することで、同期発電機1の出力電圧は所定の電圧値に保たれる。
【0004】
上述の通常運転中に、自動電圧調整装置20に故障が発生すると、自動電圧調整装置20より切換リレー5に故障信号を発し、切換リレー5の接点5aで、簡易電圧調整装置30の出力に切り換えられる。
切り換わった簡易電圧調整装置30では、故障直前の自動電圧調整装置20の出力値を簡易電圧調整装置30から点弧角調整装置6へ入力しつつ、励磁機3の界磁電流(If)を電流検出器4により検出して、この界磁電流(If)を所定の値になるように調整動作をすることでショックレスに切り換えが行われ、同期発電機1の運転を継続する。
【0005】
すなわち図5に示した自動電圧調整装置20および簡易電圧調整装置30で構成される従来例では、故障した自動電圧調整装置20から簡易電圧調整装置30に切り換わってこの発電プラントの運転を継続する際に、簡易電圧調整装置30にはこの切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備えている。
【0006】
図6は、上述の発電プラントの制御システムを示す蒸気タービン設備の制御システム構成図である。
図6において、調速制御装置40は、タービン10の回転速度を回転数ピックアップ11により検出し、この検出値が所定の値になるようにタービン10の蒸気加減弁12の弁開度を開度検出器13により検出して調整する。調速制御装置40の出力は、切換リレー14の接点14aを介してアクチェータ15に入力され、アクチェータ15により蒸気加減弁12の弁開度を調整することで、タービン10の回転速度は所定の値に保たれる。
【0007】
上述の通常運転中に、調速制御装置40に故障が発生すると、調速制御装置40より切換リレー14に故障信号を発し、切換リレー14の接点14aで、簡易調速制御装置50の出力に切り換えられる。
切り換わった簡易調速制御装置50では、調速制御装置40が故障直前の弁開度の記憶値を設定値とし、蒸気加減弁12の弁開度を開度検出器13により検出して、この弁開度を前記設定値になるように調整動作をすることでショックレスに切り換えが行われ、タービン10の運転を継続する。
【0008】
すなわち図6に示した調速制御装置40および簡易調速制御装置50で構成される従来例では、故障した調速制御装置40から簡易調速制御装置50に切り換わってこの発電プラントの運転を継続する際に、簡易調速制御装置50にはこの切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の発電プラントの制御システムにおいて、図5または図6に示した従来の構成例ともに、故障した自動電圧調整装置20または調速制御装置40を修復して通常の運転状態に復旧させる際には、一旦この発電プラントを停止させるようにしていた。
【0010】
しかしながら発電プラントを停止させることは、電力系統に影響を与えるのみならず、経済的損失が発生するという難点があった。また、蒸気タービン設備では一旦停止すると、再起動して電力の供給を開始するまでにかなりの時間を要し、煩雑な起動操作が必要であった。
この発明の目的は、上記問題点を解決する発電プラントの制御システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明は、蒸気タービン設備,同期発電機などから構成される発電プラントであって、同期発電機の出力電圧を検出して、この検出値が所定の値になるように同期発電機に界磁電流を供給する励磁機の界磁電流を検出して調整する自動電圧調整装置が故障したときに、前記励磁機の界磁電流を検出して、この検出値が所定の値になるよう調整する簡易電圧調整装置に切り換えて発電プラントの運転を継続する発電プラントの制御システムにおいて、前記故障した自動電圧調整装置が修復して前記簡易電圧調整装置から前記自動電圧調整装置に切り換えるときには、前記自動電圧調整装置の調節器の出力値として前記簡易電圧調整装置の出力値に相当する値を保持させるとともに前記調節器の電圧設定値入力を電圧検出値に切り換え、前記調節器の入力偏差が所定値以下となったときに、前記簡易電圧調整装置での発電プラントの運転から該自動電圧調整装置での運転への切り換えを行うことにより、切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備える。
【0012】
また、第2の発明は、蒸気タービン設備,同期発電機などから構成される発電プラントであって、蒸気タービンの回転速度を検出して、この検出値が所定の値になるように蒸気加減弁の開度を検出して調節する調速制御装置が故障したときに、前記蒸気加減弁の開度を検出してこの検出値が所定の値になるよう調整する簡易調速制御装置に切り換えて発電プラントの運転を継続する発電プラントの制御システムにおいて、前記故障した調速制御装置が修復して前記簡易調速制御装置から前記調速制御装置に切り換えるときには、前記調速制御装置の調節器の出力値として前記簡易調速制御装置の出力値に相当する値を保持させるとともに前記調節器の回転速度設定値入力を回転速度検出値に切り換え、前記調節器の入力偏差が所定値以下となったときに、前記簡易調速制御装置での発電プラントの運転から前記調速制御装置での運転に切り換えを行うことにより、切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備える。
【0013】
この発明によれば、発電プラントを通常運転に復旧させる際にも、この制御システムに後述の切換ショック防止機能を備えて、該発電プラントを停止させることなく運転を継続できるようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施例を示す発電プラントの制御システムの部分構成図であって、図5に示した発電プラントの制御システムの自動電圧調整装置60の詳細回路構成図である。
図1において、自動電圧調整装置60は電圧調整部60aと切換演算回路60bとから構成され、電圧調整部60aと切換演算回路60bとは個別にこの制御システムから着脱できるものとする。
【0015】
図1に示した電圧調整部60aは電圧検出用変成器(PT)2からの電圧を直流値に変換する電圧検出回路61と、通常運転時の同期発電機1の出力電圧を設定する電圧設定器62と、電圧設定器62の設定値と電圧検出回路61の検出値との偏差を求める加算演算器63と、この偏差を比例・積分(PI)演算して界磁電流設定値として出力する調節器64と、この界磁電流設定値と電流検出器4の検出値(If)との偏差を求める加算演算器65と、この偏差を所定のゲイン(KACR )倍した点弧角設定値を出力する増幅器66と、この点弧角設定値をリニアライズ(cosα)して点弧角(α)を出力する関数演算器67とにより、この発電プラントの通常運転状態の調整動作が行われる。
【0016】
図1に示した電圧調整部60aが故障して、簡易電圧調整装置30でのこの発電プラントの運転から前記通常運転状態に復旧させる手順を、図2に示す切換演算回路60bの詳細回路構成図に基づいて以下に説明をする。
図2において、前記故障した電圧調整部60aが修復されて、この制御システムに装着されると、電圧調整部60aの故障を監視する故障監視回路72からは正常信号が出力される。ノット回路73の出力であるこの正常信号と、発電機1の出力電圧を監視する発電機電圧監視回路74の出力が正常(発電機電圧:V,110%≧V≧80%)である条件と、切換リレー5が簡易電圧調整装置30側になっている条件(切換リレー5が励磁)と、外部より切換指令が発せられている条件とが成立するとアンド回路75が動作をし、追従開始リレー68が励磁される。
【0017】
追従開始リレー68が励磁されると、電圧調整部60aでは簡易電圧調整装置30の出力の点弧角(α)から点弧角設定値を演算する関数(cos-1α)演算を関数演算器69で行い、関数演算器69の出力を前記KACR での除算を除算演算器70で行い、この除算値と電流検出器4の検出値(If)との加算を加算演算器71で行うと、この加算値は簡易電圧調整装置30の出力の点弧角(α)に相当する調節器64の出力値となる。
【0018】
追従開始リレー68の接点68aが電圧検出回路61側に閉じ、調節器64の入力はほぼ零となり、追従開始リレー68の接点68bが閉じることにより調節器64の出力値をこの値に保持される。
次に、追従開始リレー68が励磁され、入力監視回路回路76による調節器64の入力が所定の値(1%)以下になるとアンド回路77が動作をし、この動作によりタイマ78を起動させ、例えば5秒経過するとタイムアップし、フリップ・フロップ79に入力され、切換リレー5が励磁から無励磁となり、切換リレー5の接点5aにより、点弧角調整装置6の入力は電圧調整部60aの出力に切り換わる。
【0019】
同時に、追従開始リレー68も無励磁となるので、電圧設定器62の設定値と電圧検出回路61の検出値との偏差を比例・積分(PI)演算して界磁電流設定値を出力する調節器64の出力値も、追従開始リレー68の接点68bを介した保持値から、ショックレスに変化しつつ該設定値に基づく調整動作に入り、この発電プラントは通常運転状態となる。
【0020】
この通常運転中に、万一電圧調整部60aが故障すると、故障監視回路72が動作をし、フリップ・フロップ79により即時に切換リレー5が無励磁から励磁となり、簡易電圧調整装置30側に切り換わる。
図3は、この発明の第2の実施例を示す発電プラントの制御システムの部分構成図であって、図6に示した蒸気タービン設備の制御システムの調速制御装置80の詳細回路構成図である。
【0021】
図3において、調速制御装置80は調速制御部80aと切換演算回路80bとから構成され、調速制御部80aと切換演算回路80bとは個別にこの制御システムから着脱できるものとする。
図3に示した調速制御部80aは回転数ピックアップ11からパルスを周波数に変換する周波数検出器81と、通常運転時のタービン10の回転速度を設定する周波数設定器82と、周波数設定器82の設定値と周波数検出器81の検出値との偏差を求める加算演算器83と、この偏差を比例・積分(PI)演算して出力する調節器84と、調節器84の出力値と所定のゲイン(KM )倍する増幅器85と、増幅器85の出力値から折線特性(A)の関数演算をして、弁開度設定値として出力する関数演算器86と、この弁開度設定値と弁開度検出器13から弁開度検出値との偏差を求める加算演算器87と、加算演算器87の出力をアクチュエータ15に出力することにより、この蒸気タービン設備の通常運転状態の調整動作が行われる。
【0022】
図3に示した調速制御部80aが故障して、簡易調速制御装置50でのこの蒸気タービン設備の運転から前記通常運転状態に復旧させる手順を、図4に示す切換演算回路80bの詳細回路構成図に基づいて以下に説明をする。
図4において、前記故障した調速制御部80aが修復されて、この制御システムに装着されると、調速制御部80aの故障を監視する故障監視回路91からは正常信号が出力される。ノット回路92の出力であるこの正常信号と、タービン10の回転速度を監視する回転速度監視回路93の出力が正常(タービン回転数:r、r≦103%)である条件と、切換リレー14が簡易調速制御装置50側になっている条件(切換リレー14が励磁)と、外部より切換指令が発せられている条件とが成立するとアンド回路94が動作をし、追従開始リレー88が励磁される。
【0023】
追従開始リレー88が励磁されると、調速制御部80aでは簡易調速制御装置50の出力値から前記折線特性(A)とは逆特性の折線特性(B)の関数演算を関数演算器89で行い、関数演算器89の出力を前記KM での除算を除算演算器90で行うと、この除算値は簡易調速制御装置50の出力に相当する調節器84の出力値となる。
【0024】
追従開始リレー88の接点88aが周波数検出器81側に閉じ、調節器84の入力はほぼ零となり、追従開始リレー88の接点88bが閉じることにより調節器84の出力値をこの値に保持される。
次に、追従開始リレー88が励磁され、入力監視回路95による調節器84の入力が所定の値(0.5%)以下になるとアンド回路96が動作をし、この動作によりタイマ97を起動させ、例えば5秒経過するとタイムアップし、フリップ・フロップ98に入力され、切換リレー14が励磁から無励磁となり、切換リレー14の接点14aにより、アクチュエータ15の入力は調速制御部80aの出力に切り換わる。
【0025】
同時に、追従開始リレー88も無励磁となるので、周波数設定器82の設定値と周波数検出器81の検出値との偏差を比例・積分(PI)演算して出力する調節器84の出力値も、追従開始リレー88の接点88bを介した保持値からショックレスに変化しつつ該設定値に基づく調整動作に入り、この蒸気タービン設備は通常運転状態となる。
【0026】
この通常運転中に、万一調速制御部80aが故障すると、故障監視回路91が動作をし、フリップ・フロップ98により即時に切換リレー14が無励磁から励磁となり、簡易調速制御装置50側に切り換わる。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、故障した自動電圧調整装置または調速制御装置を修復し、この発電プラントを通常運転に復旧させる際にも、この制御システムには上述の切換ショック防止機能を備えて、該発電プラントを停止させることなくショックレスに切り換えが行われ、冗長性を有する動作信頼性の高い発電プラントの制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す発電プラントの制御システムの部分構成図
【図2】図1の動作を説明する詳細回路構成図
【図3】この発明の第2の実施例を示す発電プラントの制御システムの部分構成図
【図4】図3の動作を説明する詳細回路構成図
【図5】発電プラントの制御システムを示すブラシレス励磁方式の同期発電機の制御システム構成図
【図6】発電プラントの制御システムを示す蒸気タービン設備の制御システム構成図
【符号の説明】
1…同期発電機、2…電圧検出用変成器、3…励磁機、4…電流検出器、5…切換リレー、6…点弧角調整装置、7…サイリスタ、10…タービン、11…回転数ピックアップ、12…蒸気加減弁、13…弁開度検出器、14…切換リレー、15…アクチェータ、20…自動電圧調整装置、30…簡易電圧調整装置、40…調速制御装置、50…簡易調速制御装置、60…自動電圧調整装置、60a…電圧調整部、60b…切換演算回路、61…電圧検出回路、62…電圧設定器、63…加算演算器、64…調節器、65…加算演算器、66…増幅器、67…関数演算器、68…追従開始リレー、69…関数演算器、70…除算演算器、71…加算演算器、72…故障監視回路、73…ノット回路、74…発電機電圧監視回路、75…アンド回路、76…入力監視回路回路、77…アンド回路、78…タイマ、79…フリップ・フロップ、80…調速制御装置、80a…調速制御部、80b…切換演算回路、81…周波数検出器、82…周波数設定器、83…加算演算器、84…調節器、85…増幅器、86…関数演算器、87…加算演算器、88…追従開始リレー、89…関数演算器、90…除算演算器、91…故障監視回路、92…ノット回路、93…回転速度監視回路、94…アンド回路、95…入力監視回路、96…アンド回路、97…タイマ、98…フリップ・フロップ。

Claims (2)

  1. 蒸気タービン設備,同期発電機などから構成される発電プラントであって、同期発電機の出力電圧を検出して、この検出値が所定の値になるように同期発電機に界磁電流を供給する励磁機の界磁電流を検出して調整する自動電圧調整装置が故障したときに、前記励磁機の界磁電流を検出して、この検出値が所定の値になるよう調整する簡易電圧調整装置に切り換えて発電プラントの運転を継続する発電プラントの制御システムにおいて、前記故障した自動電圧調整装置が修復して前記簡易電圧調整装置から前記自動電圧調整装置に切り換えるときには、前記自動電圧調整装置の調節器の出力値として前記簡易電圧調整装置の出力値に相当する値を保持させるとともに前記調節器の電圧設定値入力を電圧検出値に切り換え、前記調節器の入力偏差が所定値以下となったときに、前記簡易電圧調整装置での発電プラントの運転から該自動電圧調整装置での運転への切り換えを行うことにより、切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備えたことを特徴とする発電プラントの制御システム。
  2. 蒸気タービン設備,同期発電機などから構成される発電プラントであって、蒸気タービンの回転速度を検出して、この検出値が所定の値になるように蒸気加減弁の開度を検出して調節する調速制御装置が故障したときに、前記蒸気加減弁の開度を検出してこの検出値が所定の値になるよう調整する簡易調速制御装置に切り換えて発電プラントの運転を継続する発電プラントの制御システムにおいて、前記故障した調速制御装置が修復して前記簡易調速制御装置から前記調速制御装置に切り換えるときには、前記調速制御装置の調節器の出力値として前記簡易調速制御装置の出力値に相当する値を保持させるとともに前記調節器の回転速度設定値入力を回転速度検出値に切り換え、前記調節器の入力偏差が所定値以下となったときに、前記簡易調速制御装置での発電プラントの運転から前記調速制御装置での運転に切り換えを行うことにより、切り換えによるショックの発生を防止する切換ショック防止機能を備えたことを特徴とする発電プラントの制御システム。
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