JP3846536B2 - イオン除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中のイオン物質を静電力を利用して除去するイオン除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加湿器、洗濯機、食器洗浄器、浄水器などの電気機器には水道水や井戸水さらには雨水が使用されている。これらの水中にはカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオン、塩素イオンなどの陰イオン、電荷をもつシリカなどがそれぞれ含まれている。これにより、加湿器では陽イオンやシリカが水蒸気発生部にスケールとして固着されるため、水蒸気の発生量は少なくなって加湿能力が低下する。さらに、カルシウムやマグネシウムなどのスケールが水蒸気発生部から放出されて室内に飛散し、室内が白粉で汚染されるという不具合を生じる。
【0003】
また、洗濯機においては水中のイオン物質が洗剤の界面活性剤の効力を低下させ、これによって洗濯物の洗浄効率が低くなるという問題が生じる。
さらに、食器洗浄器においては洗浄後の食器に付着した水分が乾燥し、食器の表面に前述のイオン物質などがスケールとして固着されるので不衛生となることがある。また、ミネラル水生成器の場合はイオンのバランスが美味しさに影響していることから、イオン物質量を制御する機構を備えることが望ましい。
【0004】
こうした前述の問題点を解決するために、イオン交換膜あるいはイオン交換樹脂を使用した電気透析法のイオン除去装置により、水中のイオン物質を除去することができる。図13は、例えば特開平7−301441号公報に開示された加湿機の水経路に配設されるイオン交換膜の電気透析法のイオン除去装置を示す断面図である。
【0005】
図13において、1は直方体形状のケース、2はケース1の一側に形成する水入口部、3はケース1の他側に形成する水出口部、4は水出口部3の上方及び下方にそれぞれ形成する廃液出口部、5はケース1内の上部であってその長手方向に配設される平板状の負側集電極、6は負側集電極5の上部に接続する負極リード線、7はケース内1の下部であってその長手方向に配設される平板状の正側集電極、8は正側集電極7の下部に接続する正極リード線、9はこれらの集電極の間であって負側集電極5の近傍の位置に設けられる帯状のカチオン交換膜、10はこれらの集電極の間であって正側集電極7の近傍の位置に設けられる帯状のアニオン交換膜である。なお、双方の交換膜は平板状の電極に対して平行状態となるように配置される。11はケース1内の両側に配置して双方の交換膜の両端部と接触し、この交換膜を支持する通水性を有する支持部材である。12はこうした構成を有するイオン除去装置と連結される廃液タンクである。
【0006】
次に、こうした構成を有する電気透析法のイオン除去装置の動作について、図13を併用して説明する。ケース1の水入り口部2から水を流入させた状態で、負側集電極5と正側集電極6との間に所定の直流電圧を印加する。これにより、水中の陽イオン物質は負側集電極5に、陰イオン物質は正側集電極7にそれぞれ静電力作用で吸引される。そして、陽イオン物質のみを通過させる機能を有するカチオン交換膜9と陰イオン物質のみを通過させる機能を有するアニオン交換膜10との間を流れる一部の陽イオン物質はカチオン交換膜9を通過して負側集電極5に吸引される。また、その個所の一部の負イオン物質はアニオン交換膜10を通過して正側集電極6に吸引される。したがって、カチオン交換膜9とアニオン交換膜10との間に存在する水中のイオン物質は殆ど除去される。このような動作によってイオン除去された水は、水出口部3を通って加湿機の貯水タンク(図示なし)に貯蔵される。一方、集電極と交換膜との間を流れる水中にはイオン物質が濃縮された状態で存在し、濃縮状態のイオン溶液は廃液出口部4を通じて廃液タンク10に排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気透析法のイオン除去装置は、前述のように水中のイオン物質を集電極に吸引させてスケールなどの不純物を除去している。しかし、集電極と交換膜との間を流れる濃縮されたイオン溶液を廃液タンクに溜め、使用者はそのタンクに溜まったイオン溶液を毎回捨てるというメンテ作業に煩わしさを生じる問題点があった。
【0008】
この発明は、水中のイオン物質をイオン除去装置で除去してスケールの発生を防止すると共に、電極に堆積したイオン物質を定期的に脱離させる脱離手段を付加して水中のイオン除去能力の向上を維持することを目的としたものである。また、脱離されたイオン物質を含む水の排出作業が非常に簡便であるという利点がある。
【0009】
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るイオン除去装置は、正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、正負の多孔質極板における正側および負側の集電極との接触面に金、白金、パラジウム、粉末活性炭のいずれかをコーティング処理したものである。
【0010】
また、正負の多孔質極板における正側および負側の集電極との非接触状態である個所に導電性樹脂を充填したものである。
【0011】
また、正側および負側の集電極をそれぞれ前記正負の多孔質極板に押し付ける押しバネを備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1と図2は、この発明に係るイオン除去装置における実施の形態を示す断面図である。図1と図2において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。13はケース1内の上部に配設される平板状の負側集電極5の下面と接触するように設けられる負極板、14はケース1内の下部に配設される平板状の正側集電極7の上面と接触するように設けられる正極板である。負極板13および正極板14は例えば厚さが数100μmであって、通液性を有する多孔質形状であることが好ましい。
【0014】
また、負極板13と正極板14の電極材料は例えば活性炭繊維、多孔質の金属、多孔質の導電性高分子、活性炭あるいは金属の微粒子を多孔質の支持体に担持させた部材の何れかの導電体を使用しても良い。その他の電極材料として、チタン酸バリウムあるいはチタン酸ジルコン酸鉛などの多孔質の誘電体、誘電体の微粒子を多孔質の支持体に担持させた部材の何れかの誘電体を用いても良い。15は負極板13と正極板14との隙間に配置される絶縁スペーサ、16は負極板13と正極板14とを短絡するスイッチである。なお、負極板13や正極板14が導電体の場合はそれぞれの集電極を取り除いて負極リード線6、正極リード線8を各極板へ直に接続するように構成しても良い。さらに、双方の極板材料が誘電体の場合は極板間に絶縁性スペーサ15を設けなくても良い。
【0015】
また、負側集電極5と例えば活性炭繊維から成る負極板13との接触抵抗を出来る限り小さくしてイオン除去性能を高める目的で、図3(a)の要部の拡大図に示すように負極板13の活性炭繊維の表面に予め金、白金、パラジウム、粉末活性炭(図中のA部)などの何れかをコーティング処理する。これにより、活性炭繊維の表面の孔部がそれらの導電性物質で埋められ、電気的なブリッジ効果で接触抵抗が小さくなると推測する。また、図3(b)に示すように負側集電極5と活性炭繊維の負極板13とが非接触状態である個所に導電性樹脂を充填し、接触抵抗を小さくするように工夫しても良い。さらに、図3(c)に示すように負極板13が例えば多孔質の金属の場合、負側集電極5の上部に押しバネ17を設けて所定のバネ力(荷重)でその集電極を極板側に押しつけ、接触抵抗を小さくするように工夫しても良い。こうした構成は、正側集電極7や正極板14側でも適用する。
【0016】
次に、こうした構成をもつ水中のイオン除去装置の動作について、図1を併用して説明する。水はケース1の一側に設けられる水入り口部2を通って支持部材11を通過した後で、直流電圧が印加される例えば活性炭繊維から成る負極板13や正極板14を貫通して流れていく。このとき、負極板13には負電荷が蓄積し、この負電荷の静電力作用によって水中の陽イオン物質が負極板13側に吸引されて吸着する。さらに、正極板14には正電荷が蓄積し、この正電荷の静電力作用によって水中の陰イオン物質が正極板14側に吸引されて吸着する。この後で、陽イオン物質や陰イオン物質が殆ど含んでいない水はケース1の他側に設けられる支持部材11を通過して水出口部3から放出される。
【0017】
ここで、負極板13と正極板14との間に印加する直流電圧は予め一定電圧に設定する他に、ケース1の水出口部3にイオン検出器を設けて(図示なし)水のイオン濃度を検出し、その検出量に基づいて直流電圧の大きさを決定しても良い。なお、直流電圧の上限値は極板間で水の電気分解による爆発性の水素や酸素が発生することを抑制したり、水中の塩素が酸化されて有害な次亜塩素酸ナトリウムが生成されないように数ボルトに設定することが好ましい。
【0018】
次に、負極板13や正極板14のクリーニング動作、即ち各極板に吸引して堆積されるイオン物質の脱離動作について、図2に示すイオン除去装置の断面図を併用して説明する。この動作では、極板間に直流電圧を印加する印加動作を停止させ、これと同時に集電極を介して極板と接続されるスイッチ16をON状態とする。これにより、各極板に蓄積する電荷(電気量)は消失される。このような状態において、ケース1の水入り口部2から水を流入した場合に各極板に堆積しているイオン物質が水の流れの勢いで容易に脱離し、それが水出口部3を通って流れ出す。このとき、各極板に電荷が蓄積されていないのでクリーニング時に使用される水に含まれるイオン物質は、その極板側に吸引されて吸着することはない。
【0019】
また、各極板のクリーニング動作を実行させるタイミングについて、以下に述べる。ケース1の水出口部3にイオン検出器を設け(図示なし)、この検出器からの検出量が所定値に至ったときに水中のイオン濃度が高くなってスケールなどの不純物が増え、各極板のイオン除去性能は低下したと判断する。そして、その判断結果を基に使用者にクリーニング作業を促すような報知動作を実行させる。さらに、他のクリーニング動作の実行タイミングとしてイオン除去能力に対する各極板の処理水量を予め推測し、この後で流量と処理時間とを検出してそれらの積が処理水量に至った場合に各極板のクリーニング動作の報知を実行させるように構成しても良い。
【0020】
また、水中のイオン除去の処理量をアップさせるために、図4に示すような電極積層構造のイオン除去装置が提案される。図4において、ケース1内の上部から下部に跨って負側集電極5と正側集電極7とを互い違いに積層されるように複数枚配置する。そして、集電極間に負極板13と正極板14とを配設し、それらの極板に蓄積される電荷が積層するように構成しても良い。
【0021】
また、イオン除去装置を構成する各集電極や各極板は、図5に示すように水流に対して対向させるように配置しても良い。こうした電極の配置構成の場合は、集電極を通水性を有するようにメッシュ状に形成する。これにより、水はケース1の入り口部2から一方の支持部材11を通り、さらに負側集電極5から負極板13を通過していく。この後で、その水は絶縁スペーサ15から正極板14を通り、さらに正側集電極7から水出口部3を通過していく。
【0022】
また、図6の斜視図に示すようにイオン除去装置は円筒形状の負極板13や正極板14で構成され、負極板13の片側周縁部に負側集電極5を設け、正極板14の片側周縁部に正側集電極7を設けるようにしても良い。ここでは、ケース1を円形状としてその両側に水入り口部2を設け、その下部に水出口部3を設けるように構成する。さらに、ケース1の上部に水入り口部2から流入した水がイオン除去装置を通過して上方に噴出すことを抑えるために封止板18を設けた。また、各極板が導電体の場合は極板間に短絡防止用の絶縁スペーサ15を設ける。このように構成されたイオン除去装置は、水が各極板の外周部から内周部へと向かって通過していき、この過程で水中のイオン物質が除去される。そして、イオン物質が除去された水はケース1の水出口部3を通って外部に排出される。
【0023】
以上のように、負極板13と正極板14との間に直流電圧を印加し、かつそれらの極板を短絡するように構成したことにより、水中のイオン物質を効率良く除去すると共に各極板のクリーニング動作を実行させてイオン除去能力の向上を維持するイオン除去装置を提供できる。
【0024】
実施の形態2.
図7は、この発明のイオン除去装置を例えばスチーム式加湿器に組み込んだ場合における実施の形態を示す断面図である。図7において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。19は加湿器本体、20は加湿器本体19内に配設する水タンク、21は水タンク20の下部に着脱自在に取り付けられるキャップであって、キャップ21の内部には実施の形態1で開示した円筒形状のイオン除去装置(図示なし)が格納する。22はキャップ21の側面部に設けられるL字状のリード線収納ホルダーであり、その収納ホルダー22の内部にはイオン除去装置を構成する各集電極から引き出される複数のリード線が収容される。
【0025】
23はL字状のリード線収納ホルダー22と対向した状態で接続する電源供給ホルダーである。24は水タンク19内の水をキャップ21の底部に突出した状態で固着される給水弁25を通じて受け入れる水受け皿である。26は水受け皿24内の水を配管27を通じて導入し、その水を加熱器(図示なし)によって加熱蒸発させる蒸発部である。28は蒸発部26から発生した水蒸気を冷却する冷却部、29は冷却部28によって冷却された水蒸気を外部へ勢い良く拡散させる拡散部材である。
【0026】
また、図8は水タンク20の下部に取り付けられるキャップ21近傍の拡大断面図である。図8において、30はリード線収納ホルダー22の先端部に配置されるリード線収納ホルダー用電極部であり、その収納ホルダー用電極部30にはイオン除去装置を構成する各集電極から引き出される負極リード線6や正極リード線8が接続される。31は電源供給ホルダー23の先端部に配置される電源供給ホルダー用電極部であって、収納ホルダー用電極部30と対向した配置構成となっている。なお、電源供給ホルダー用電極部31から負極電源リード線32や正極電源リード線33が引き出される。
【0027】
また、図9(a)はリード線収納ホルダー用電極部30近傍の内部構造を示す図である。図9(a)において、34はリード線収納ホルダー用電極部30の先端部の一側に固着される第1の負電極であって、その負電極34から負極電源リード線6が引き出される。35はリード線収納ホルダー用電極部30の先端部の他側に固着される第1の正電極であって、その正電極35から正極リード線8が引き出される。そして、第1の負電極34と第1の正電極35との間に空隙部(図中のA部)を形成させる。36は負極リード線6と正極リード線8とを短絡あるいは開放させる押し方式のスイッチ部である。そのスイッチ部36は板状の開閉接点36a、開閉接点36aにバネ力を付与するコイルバネ36b、コイルバネ36bを保持するストッパ36cから成る。
【0028】
また、図9(b)は電源供給ホルダー用電極部31近傍の内部構造を示す図である。図9(b)において、37は電源供給ホルダー用電極部31の先端部の一側に固着される第2の負電極であって、その負電極37から負極電源リード線32が引き出される。38は電源供給ホルダー用電極部31の先端部の他側に固着される第2の正電極であって、その正電極38から正極電源リード線33が引き出される。39は第2の負電極37と第2の正電極38との間に突出された状態で形成する押し棒である。その押し棒39は、リード線収納ホルダー用電極部30の先端部に形成する空隙部を貫通してコイルバネ36bのバネ力が付与されている板状の開閉接点36aを押すような仕組みとなっている。これにより、開閉接点36aはON状態からOFF状態となる。
【0029】
次に、こうした構成を有する円筒形状のイオン除去装置を加湿器本体に組み込んだ場合の水中のイオン除去動作について、図8を併用して説明する。図8において、水が収容されている水タンク20を加湿機本体に装着した場合に、キャップ21の底部に配設される給水弁25の一部(図8中のA部)が水受け皿24の押し部材(図8中のB部)で押される。このときに、水タンク20内の水がイオン除去装置を構成する積層状態であって円筒形状の各極板の外周部を通過して内周部へと流れる。そして、水が開弁状態の給水弁25を通じて水受け皿24に流入される。
【0030】
これと同時に、キャップ21の側面部に設けられるリード線収納ホルダー22の先端部のリード線収納ホルダー用電極30と電源供給ホルダー23の先端部の電源供給ホルダー用電極部31とが接続され、かつリード線収納ホルダー22内に設けられたスイッチ部36がOFF状態となる。したがって、直流電圧が電源供給ホルダー23からリード線収納ホルダー22を介してイオン除去装置の各極板に印加される。これにより、水タンク20から流出された水中のイオン物質が各極板に吸引されて吸着し、イオン物質を殆ど含まない水が水受け皿24に導かれる。そして、水受け皿24内の水は所定の動作経路で気化状態となって外部へ拡散される。
【0031】
次に、イオン除去装置の各極板のクリーニング動作について以下に述べる。加湿器本体19から水タンク20を取り外した場合は、キャップ21の底部に設けられる給水弁25の一部(図8中のA部)が水受け皿24の押し部材(図8中のB部)から離れて非接触状態となるので、その給水弁25は閉弁状態となる。これと同時に、リード線収納ホルダー22と電源供給ホルダー23とは非接続状態となり、かつリード線収納ホルダー21内に設けられたスイッチ部36がON状態となる。これにより、イオン除去装置の各極板に直流電圧が印加されず、負極板13と正極板14とが短絡状態となる。
【0032】
この後で水タンク20からキャップ21を取り外し、図10の断面図に示すようにキャップ21の底部に設けられる給水弁25の外周部と係示するようにクリーニング用アダプター40を装着する。クリーニング用アダプター40は給水弁25の外周部と係止するリング状の支持部材40aと、その支持部材40aの内周面に形成されるL字状の押し部材40bから構成する。
【0033】
そして、キャップ21にクリーニング用アダプター40を装着した場合、給水弁25の一部(図10中のA部)がそのアダプター40のL字状の押し部材40bで押されるので、給水弁25は開弁状態となる。次に、例えば水道水をケース1の入り口部2を通じて円筒形状の各極板の外周部から内周部へと流入させ、内周部から出た水を開弁状態の給水弁25を通過させて外部に排出する。この過程で、各極板に吸着されているイオン物質は水道水の流れによって容易に脱離されることになる。
【0034】
また、イオン除去装置はキャップ21の内部に格納させる他に水受け皿24の内部に設けたり、水受け皿24と蒸発部26との間に介在する配管27の内部に設けるようにしても良い。
【0035】
また、前述のイオン除去装置は水を加熱器で加熱蒸発させる方式を有する加湿機へ組み込む他に、例えば水を超音波素子で微細なミストに生成して噴霧させる方式あるいは水を空気流で気化させる方式を有する加湿器へ組み込むようにしても良い。
【0036】
以上のように、水タンク20の下部に設けられるキャップ21内にイオン除去装置を格納し、この水タンク20を加湿器本体に装着したことにより水中のイオン物質を効率良く除去することができる。また、加湿器本体19から水タンク20取り外した後でキャップ21内のイオン除去装置を水洗浄することにより、各極板に吸着されているイオン物質が容易に脱離されてクリーニング動作を実行できる。
【0037】
実施の形態3
図11は、この発明のイオン除去装置をミネラル水生成器に組み込んだ場合における実施の形態を示す断面図である。図11において、実施の形態1および実施の形態2と同一の符号は同一または相当部分を示す。41はミネラル水生成器本体、42はミネラル水生成器本体41内の下方に配設して入水管43から流入された水中の粗ゴミを捕捉するプレフィルタであって、例えば活性炭粒子あるいは中空糸膜などから構成される。44はプレフィルタ42の上部に配置される実施の形態1で開示した例えば積層方式の平板型イオン除去装置あるいは円筒形状のイオン除去装置、45はプレフィルタ42とイオン除去装置44とを接続する第1の配管、46はイオン除去装置44の上部に配置されるミネラル成分除放装置、47はイオン除去装置44とミネラル成分除放装置46との間に配設する第1の電磁弁、48は第1の電磁弁47の出力部から延設される第2の配管、49はミネラル成分除放装置46の上部に接続される第3の配管である。
【0038】
なお、ミネラル成分除放装置46内には麦飯石が充填され、水量の増大に伴ってカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどのイオン物質の溶出量が増えるものである。50はイオン除去装置44を構成する極板間に直流電圧を印加したり又は極板間に直流電圧を印加しない状態でそれらを短絡するように構成された電圧供給切り替え回路である。なお、電圧供給切り替え回路50の動作内容は切替えスイッチ51で設定される。
【0039】
次に、ミネラル水生成器の動作について図11を併用して説明する。この動作において、切り替えスイッチ51の設定により電圧供給切り替え回路50を動作させ、イオン除去装置44の極板間に直流電圧を印加する。このとき、第1の電磁弁47はOFF状態である。そして、水は入水管43から流入してプレフィルタ42を通過し、これにより水中の1ミクロン〜100ミクロンの大きさのゴミや菌などが捕捉される。なお、プレフィルタ42が活性炭から成る場合は、水に含有するトリハロメタンやシマジンなどの有害有機物、さらにカルキ成分の悪臭物質を除去できる。次に、プレフィルタ42で濾過された水は第1の配管45を通じてイオン除去装置44に流入する。そして、イオン除去装置44から放出されたイオン物質を殆ど含まない水は第1の電磁弁47のIN側からOUT1側を抜けてミネラル成分除放装置46に流入する。この後で、ミネラル成分除放装置46ではイオン除去された水にカルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオンなどのミネラル成分をそれぞれ添加し、所定のミネラル成分の濃度となるようにする。そして、ミネラル成分除放装置46で生成されたミネラル水は第3の配管49を通じて浄水器本体41の外部に放出される。
【0040】
次に、イオン除去装置44を構成する各極板のクリーニング動作について説明する。この動作では、切り替えスイッチ51の設定により電圧供給切り替え回路50を動作させ、イオン除去装置44の極板間に直流電圧を印加しない状態でそれらの極板を短絡する。このとき、第1の電磁弁47はON状態である。そして、水はプレフィルタ42から第1の配管45を通じてイオン除去装置44に流入する。この後で、イオン除去装置44から放出する各極板から脱離されたイオン物質を含む水は第1の電磁弁47のIN側からOUT2側を抜け、第2の配管48を通じて浄水器本体41の外部に排出される。
【0041】
また、イオン除去装置44をミネラル水生成器本体41へ着脱自在に装着させ、この着脱動作に連動して水中のイオン物質の除去動作や正負の極板のクリーニング動作を実行させるように構成しても良い。
【0042】
以上のように、ミネラル水生成器本体41にイオン除去装置44を設けて水中のイオン物質を除去し、その後でイオン除去された水にミネラル成分を所定量だけ添加させるように構成したことにより、美味しい水を生成する浄水器を提供できる。また、イオン除去装置44を構成する各極板のクリーニング手段を付加することで、イオン除去能力の向上を実現できる。
【0043】
実施の形態4.
図12は、この発明のイオン除去装置を洗濯機に組み込んだ場合における実施の形態を示す断面図である。図12において、実施の形態1乃至実施の形態3と同一の符号は同一または相当部分を示す。52は実施の形態1で開示したイオン除去装置44を格納する洗濯機のトップカバー、53はトップカバー52内に格納されるイオン除去装置44の下部に接続される第4の配管、54はイオン除去装置44の上部に接続される第5の配管であってその配管54の先端部に第2の電磁弁55のIN側が接続する。そして、第2の電磁弁55のOUT1側に第6の配管56が接続され、さらにその電磁弁55のOUT2側に第7の配管57が接続される。ここで、第6の配管56の先端部はトップカバー52の下部を貫通して洗濯兼脱水槽(図示なし)側に延びている。また、第7の配管57の先端部は洗濯機本体(図示なし)の外部に延設される。
【0044】
次に、洗濯機にイオン除去装置44を組み込んだ場合の水中のイオン除去の動作について図12を併用して説明する。洗濯機の電源スイッチ(図示なし)をONさせて、イオン除去装置44の各極板に直流電圧が印加するように設定しておく。このとき、第2の電磁弁55はOFF状態である。そして、水道水は開弁状態である洗濯機用給水弁(図示なし)から第4の配管53を通じてイオン除去装置44に流入される。したがって、水中のイオン物質であるカルシウムやマグネシウムなどが殆ど除去される。この後で、イオン物質を含まない水が第5の配管54を通じて第2の電磁弁55のIN側からOUT1側を抜け、第6の配管56を介して洗濯兼脱水槽側に流入される。これにより、洗濯兼脱水槽内でその水を使用して洗濯物を洗った場合に、洗剤に含まれる界面活性剤の効力は低下することがなく洗浄効率が向上する。
【0045】
次に、イオン除去装置44を構成する各極板のクリーニングの動作について説明する。バックカバー52に設けられたクリーニング用スイッチ(図示なし)をONさせて、イオン除去装置44の極板間に直流電圧を印加しない状態でそれらの極板を短絡するように設定しておく。このとき、第2の電磁弁55はON状態である。そして、水道水は開弁状態である洗濯機用給水弁から第4の配管53を通じてイオン除去装置44に流入される。この後で、イオン除去装置44を構成する各極板から脱離されたイオン物質を含む水は第5の配管54を通じて第2の電磁弁55のIN側からOUT2側を抜け、第7の配管57を介して洗濯機本体の外部に排出される。
【0046】
また、イオン除去装置44を前述のようにトップカバー52内に格納し、即ち据え付け状態として水道水のイオン物質の除去動作や各極板のクリーニングの動作を実行させる他に、イオン除去装置44をトップカバー52へ着脱自在に装着させ、この着脱動作に連動して水中のイオン物質の除去動作や正負の極板のクリーニング動作を実行させるように構成しても良い。
【0047】
以上のように、洗濯機本体にイオン除去装置44を組み込んでイオン物質を殆ど含まない水を生成し、その水で洗濯物を洗った場合に洗剤に含まれる界面活性剤の効力を低下することがなく洗濯物に対しての洗浄効率を向上させることができる。
【0048】
なお、実施の形態1で開示したイオン除去装置を加湿器、ミネラル水生成器、洗濯機の電気機器に使用する他に、例えば食器洗浄器や浄水器の給水経路に設けて極板間に直流電圧を印加したり、あるいは極板間を短絡するように構成しても良い。
【0049】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0050】
この発明に係わるイオン除去装置は、正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正負の多孔質極板における前記正側および負側の集電極との接触面に金、白金、パラジウム、粉末活性炭のいずれかをコーティング処理したので、負の集電極と負の極板との接触抵抗および正の集電極と正極板との接触抵抗を出来る限り小さくしてイオン除去性能を高めることができ、例えば加湿器の水タンクの下部に設けられるキャップ内にイオン除去装置を格納し、この水タンクを加湿器本体に装着したことで水中のイオン物質を効率良く除去することができる。また、加湿器本体から水タンク取り外した後でキャップ内のイオン除去装置を水洗浄することにより、各極板に吸着されているイオン物質が脱離してクリーニング動作を実行できる。
【0051】
また、正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正負の多孔質極板における前記正側および負側の集電極との非接触状態である個所に導電性樹脂を充填したので、負の集電極と負の極板との接触抵抗および正の集電極と正極板との接触抵抗を出来る限り小さくしてイオン除去性能を高めることができる。
【0052】
また、正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正側および負側の集電極をそれぞれ前記正負の多孔質極板に押し付ける押しバネを備えたので、負の集電極と負の極板との接触抵抗および正の集電極と正極板との接触抵抗を出来る限り小さくしてイオン除去性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るイオン除去時の平板型のイオン除去装置を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1に係る電極クリーニング時の平板型のイオン除去装置を示す断面図である。
【図3】 実施の形態1に係るイオン除去装置の要部の断面図である。
【図4】 実施の形態1に係るイオン除去時の平板型積層方式のイオン除去装置を示す断面図である。
【図5】 実施の形態1に係る他のイオン除去装置を示す断面図である。
【図6】 実施の形態1に係る円筒形状のイオン除去装置を示す断面図である。
【図7】 実施の形態2に係るイオン除去装置付き加湿器を示す断面図である。
【図8】 実施の形態2に係る加湿器用水タンクのキャップ内部の断面図である。
【図9】 実施の形態2に係る水タンクのキャップ部に設けられる一構成部品の要部の断面図である。
【図10】 実施の形態2に係る水タンクのキャップ部に構成部品が装着される状態を示す断面図である。
【図11】 実施の形態3に係るイオン除去装置付きミネラル水生成器を示す断面図である。
【図12】 実施の形態4に係るイオン除去装置付き洗濯機のバックパネル内部を示す構成図である。
【図13】 従来のイオン除去装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケース、2 水入り口部、3 水出口部、4 廃液出口部、5 負側集電極、6 負極リード線、7 正側集電極、8 正極リード線、9 帯状のカチオン交換膜、10 帯状のアニオン交換膜、11 支持部材、12 廃液タンク、13 負極板、14 正極板、15 絶縁スペーサ、16 短絡スイッチ、17押しバネ、18 封止板、19 加湿機本体、20 水タンク、21 キャップ、22 リード線収納ホルダー、23 電源供給ホルダー、24 水受け皿、25 給水弁、26 蒸発部、27 配管、28 冷却部、29 拡散部材、30 リード線収納ホルダー用電極部、31 電源供給ホルダー用電極部、34 第1の負電極、35 第1の 正電極、36 スイッチ部、37 第2の負電極、38 第2の正電極、39 押し棒、40 クリーニング用アダプター、41ミネラル水生成器、42 プレフィルタ、43 入水管、44 イオン除去装置、45 第1の配管、46 ミネラル成分除放装置、47 第1の電磁弁、48 第2の電磁弁、49 第3の配管、50 電圧供給切り替え回路、51 切り替えスイッチ、52 トップカバー、53 第4の配管、54 第5の配管、55 第2の電磁弁、56 第6の配管、57 第7の配管。

Claims (3)

  1. 正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正負の多孔質極板における前記正側および負側の集電極との接触面に金、白金、パラジウム、粉末活性炭のいずれかをコーティング処理したことを特徴とするイオン除去装置。
  2. 正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正負の多孔質極板における前記正側および負側の集電極との非接触状態である個所に導電性樹脂を充填したことを特徴とするイオン除去装置。
  3. 正側および負側の集電極と、この正側および負側の集電極のそれぞれに接触するように設けられ、表面に凹凸部を有する正負の多孔質極板と、この正負の各多孔質極板間を電気的に短絡する短絡手段とを備え、給水経路の途中に配設されるイオン除去装置であって、前記正側および負側の集電極をそれぞれ前記正負の多孔質極板に押し付ける押しバネを備えたことを特徴とするイオン除去装置。
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