JP3850246B2 - 温度プロテクション回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線機器の送信段などにおいて、回路が高温になったときにそれを検知して、回路の動作を制限する温度プロテクション技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8に示すのは、従来の無線機が備えている温度プロテクション回路の一例であり、ここではマイコンで送信出力を制御している無線機を取り上げている。
この図で示される送信パワーアンプ段は、出力制御入力の電圧に応じて、その送信出力を可変できるアンプであり、マイコン(制御部)のD/Aコンバーターの出力によって制御されている。一例としてここでは、送信出力は制御電圧(D/Aコンバーター出力)に比例して大きくなるものとする。
図8では、複数箇所の温度を検出するために複数個(n個)のサーミスター(TH1〜THn)を用いた温度−電圧変換回路(以下、サーミスター回路という)を使用している。また、これらのサーミスター回路(1〜n)は、サーミスターの温度での抵抗値変化を利用した極一般的なものである。
【0003】
図9は、図8に示したサーミスター回路の特性例を示す図であり、高温になると次第に電圧が下がるようになっている。そして、これらのサーミスター回路(1〜n)は、マイコンのA/Dコンバーター入力に、それぞれ別々に入力されている。このマイコンは、A/Dコンバーター入力が、ある「しきい値」(プロテクション動作の温度に相当する)を下回ると、送信回路の電力を下げる動作をしたり、送信を中止したりといった保護動作をする。
の特性例、Vd=5V時の例であり、100℃以上でプロテクションを働かせるためには、A/Dコンバーターの温度判定のしきい値は約1.7Vとなることを示している。仮に130℃で動作させたいのであれば約0.7Vが温度判定のしきい値となる。このような特性は、サーミスターや抵抗との組み合わせによって左右されるため、ここではあくまでも一例として示したものである。
【0004】
また、図8に示した従来の回路は、A/Dコンバーターを使用しているため、ある1温度でのみ動作するだけではなく、例えば100℃から130℃までは送信出力を30%落とし、130℃以上では送信出力を80%落とすといったような連続的な制御が可能である。もしも、通常の入力ポートを使用したのならば、ある特定のしきい値を境に1点だけの制御となってしまう。
なお、図中では各サーミスター回路(1〜n)と送信パワーアンプ段とが離れているように描かれているが、実際にはお互いが十分近い位置にあり、送信段各部の温度を検出するのに最適な場所に配置されているものとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の温度プロテクション回路には、次のような問題点があった。すなわち、温度測定箇所を1箇所のみならず複数箇所を設定する場合には、サーミスター回路のそれぞれに対応する別々のA/Dコンバーターが必要となるため、組み合わされるマイコンも複数のA/Dコンバーターを装備した高価なものとなってしまい、そのうえ、回路内の配線も増えて、構造も複雑になってしまう。
【0006】
本発明による温度プロテクション回路および電子装置は、上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の箇所の温度測定を1つのA/Dコンバーターで検出することができ、しかも一箇所の測定される温度は連続的な値を検出することができて、制御がしやすい温度プロテクション回路、およびこの回路を備える電子装置、を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所望の目的を達成するために、本発明による温度プロテクション回路は、以下のように構成されるものである。
(1)無線機器の送信段における温度プロテクション回路であって、
複数箇所に配設されてその温度に依存する出力電圧を発生し、
温度が上昇して所定の温度になると第1の所定電圧を発生する出力手段を備えた複数個のサーミスター回路と、
温度と出力電圧とが連続的な相関関係を有し、その温度に依存する出力電圧を発生する1つのサーミスター回路と、
前記複数個のサーミスター回路と前記1つのサーミスター回路の各出力を、ダイオードを介して接続したOR回路と、
前記OR回路の出力電圧が入力される1つのA/Dコンバーターと、
前記1つのA/Dコンバーターに入力される前記OR回路の出力電圧に基づいて送信出力を制御する制御部と、を備えて構成され、
前記複数個のサーミスター回路のすべてと前記1つのサーミスター回路が前記所定の温度以下のときは、前記1つのサーミスター回路からの出力電圧が前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに入力されることにより、
前記制御部は前記1つのサーミスター回路からの出力電圧に基づいて送信出力の制御を行い、
前記複数個のサーミスター回路の1つ以上が前記所定の温度になったときは、該複数個のサーミスター回路の出力手段は、前記第1の所定電圧を前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに出力し、
前記1つのサーミスター回路のみが前記所定の温度になったときは、該1つのサーミスター回路は、第2の所定電圧を前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに出力し、
前記制御部は、前記第1の出力電圧以上の電圧または前記第2の出力電圧以下の電圧において、送信出力を制御することにより、プロテクション動作を行う、温度プロテクション回路とした。
(2) ( )の温度プロテクション回路において、
前記出力手段は、スイッチング素子またはインバーター素子を含んで構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明による温度プロテクション回路の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明による温度プロテクション回路の第一の実施の形態を示す構成図であり、図2は、図1に示した回路のa点における電圧:温度特性を示す図である。また、図3は、図1に示した回路のb点における電圧の変化の様子の一例であって、サーミスター1〜nの温度が等しい場合を示す図であり、図4は、同じくb点における電圧の変化の様子を示す別の例であり、サーミスター1のみが高温になった場合を示す図である。そして、図5は、図1に示した回路における制御部(マイコン)の動作一覧の一例を示す図である。さらに、図6は本発明による温度プロテクション回路の第2の実施の形態を示す構成図であり、図7は同じく第3の実施の形態を示す構成図である。
【0009】
さて図1には、本発明による温度プロテクション回路の第一の実施の形態を示しており、ここでも、制御部(マイコン)で送信出力を制御されている無線機を取り上げる。
送信パワーアンプ段は、出力制御入力の電圧に応じて、その送信出力を可変できるアンプ手段であり、マイコンのD/Aコンバーターの出力によって制御されている。一例としてここでは、送信出力は制御電圧(D/Aコンバーター出力)に比例して大きくなるものとする。
サーミスター回路1は、順方向電圧の小さいダイオードD1(ショットキーバリアダイオード等)を介して、マイコンのA/Dコンバーターに接続される。サーミスター回路2〜nは、スイッチングトランジスタQ2〜Qnおよび抵抗R'2〜R'nによって構成されるスイッチング回路と、順方向電圧の小さいダイオードD2〜Dn(ショットキーバリアダイオード等)を介して、前と同じマイコンのA/Dコンバーターに接続される。
【0010】
この図1で、スイッチングトランジスタ(Q2〜Qn)は、非常にゲインの高いトランジスタ増幅器によって構成される。これは、サーミスターの温度特性が緩やかなため、ある温度(しきい値)以上で急峻にスイッチング動作をさせるためである。一般にバイポーラトランジスタを使用した場合、しきい値は0.6から0.7Vとなるため、動作させたい温度でサーミスター回路がこの電圧となるよう、最適な抵抗分割や特性のよいサーミスターを選択する。
そして、急峻なスイッチング特性のためにトランジスタの増幅率は出来る限り高くすることが望ましく、そのためにトランジスタの多段接続回路や論理回路を用いたトリガ回路等を使用してもよい。つまり、このスイッチングトランジスタは、サーミスターがある温度以上になった時にVdを出力するための回路であり、この一例として、スイッチングトランジスタ1段で示しているものである。
【0011】
次の図2は、一例として、Vd=5V、スイッチングトランジスタのONするスレッショルド電圧を0.7V、そのときのサーミスターの温度を130℃としたときのa点における電圧の動きを示した図である。 130℃以下では、サーミスターと抵抗とによって分圧された電圧は0.7V以上となるため、スイッチングトランジスタはON状態となり、a点の電圧は0Vとなる。また130℃以上では、サーミスターと抵抗とによって分圧された電圧は0.7V以下となるため、スイッチングトランジスタはOFF状態となり、a点の電圧はVdとなる。
【0012】
これらサーミスター回路1〜nは、順方向電圧の小さいダイオードD1〜Dn(ショットキーバリアダイオード等)を介して、お互いにカソードを突き合わせてひとまとめにされて繋がれ、OR回路として形成されて、A/Dコンバーターへ入力される。
図3と図4とは、図1に示した回路のb点における電圧の変化の様子の一例を示しており、この図3においては説明を簡単にするために、まず、サーミスター1〜nが同じ温度で変化したときの例を示すこととする。ここでは、Vd=5V、D1〜Dnの順方向電圧を0.2V、130℃以上でサーミスター回路2〜nのいずれか(またはそれらすべて)が動作したとする。
【0013】
図3において、-50〜130℃までは、サーミスター回路2〜nは0Vを出力するため、D2〜Dnはカットオフとなり、b点における電位は、サーミスター回路1の電圧からD1の順方向電圧0.2Vを差し引いたものとなる。
130℃以上では、サーミスター回路2〜nのいずれか(またはそれらすべて)がVdを出力するため、D2〜DnはON状態となり、VdからD2〜Dnの順方向電圧0.2Vを差し引いた電圧を出力する。5−0.2=4.8V。
【0014】
また、図4は、サーミスター回路1のみが高温になったときのb点における電圧の動きを示す。ここでは一例として、Vd=5V、D1〜Dnの順方向電圧を0.2Vとしている。130℃以上では、D2〜Dnはカットオフ状態なので、bの電位はサーミスター回路1の電圧からD1の順方向電圧の0.2Vを差し引いたものとなる。
この図4の例では、130℃以上ではbの電位は0.5V以下となるので、マイコンのプロテクション動作は0.5V以下とすればよいが、サーミスター回路2〜nは、130℃以上では 5−0.2=4.8Vを出力するため、これを加味すると「0.5V以下または4.8Vで」プロテクションをかけるということになる。
【0015】
次にマイコン(制御部)における制御について述べる。A/Dコンバーターの入力はb点の電圧なので、130℃以上でプロテクションを動作させるには、図3のようにD2〜Dnが130℃に達した場合と、図4のようにD1が130℃に達した場合のOR動作にする。つまり「4.8V以上または0.5V以下となったときにプロテクション動作をする」ということになる。
【0016】
また、従来の回路と同様に、本発明でもA/Dコンバーターを使用し、サーミスター回路1の電圧をそのまま入力しているため、ある1温度でのみ動作するだけでなく、例えば、100℃までは送信アンプ出力100%で動作しているが、100℃から130℃までは送信出力を30%落とし、130℃以上では50%落とすといったような連続的な制御が可能である。図は上述した動作に関する一例を示すものであり、マイコンの動作を一覧表にして示したものであり、温度範囲とそれぞれのA/Dコンバーター・送信アンプ出力・D/Aコンバーター出力との関係を示す。
ここで、A/Dコンバーターのしきい値は、部品の特性のばらつきやノイズなどの影響を考慮していないが、確実な動作のためにはこの電圧は若干マージンを持って設定されるとよい。
【0017】
そして、図の-50℃付近でもb点の電圧は4.8Vに近づくが、通常無線機では-30℃程度までが動作保証温度のため問題になることは少ないが、誤動作を避けるためにサーミスター回路1に供給するVdだけ、他のVdより若干低く設定することにより、これを回避することができる。
また、本発明にかかる図1と図6においても、従来例である図8と同様に、図中では各サーミスター回路と送信アンプ段とが離れて描かれているが、実際には近くに配置されているものであり、送信段の熱を検出するのに最適な位置に置かれているものとしてよい。
【0018】
次の図6は、本発明による温度プロテクション回路の第2の実施の形態を示す構成図であり、図1におけるスイッチングトランジスタの代替として、インバーターICを使用した例である。これまで説明してきたように、スイッチングトランジスタの目的は、サーミスター回路2〜nの出力をアナログ電圧からHi/Loの論理値に変換するものであるから、ゲインの高いロジックICでも代用が利くことを示している。
【0019】
また図7は、本発明による温度プロテクション回路の第3の実施の形態を示す構成図であり、先に示した図1および図6においては、送信アンプ段の送信出力制御をD/Aコンバーターによって行っていたが、図7の場合は、D/Aコンバーターを用いない例を示すものである。この図において、P1とP2は、マイコンの出力ポートであり、それぞれトランジスタQP1とQP2とをON/OFFさせる働きを持つ。いずれのトランジスタもOFFの時が出力制御の電圧は最も高く、次にQP1のみがONのとき電圧が高く、QP2がONになると0Vとなる。これはあくまでもD/Aコンバーターを用いない例のひとつにすぎず、抵抗やトランジスタを種々組み合わせることにより、段階的な電圧を作り出すことは容易である。
【0020】
以上のとおり本発明について述べてきたが、ここで本発明のポイントとなる構成をまとめて示せば、次のとおりである。
(1)複数個のサーミスター回路がダイオードOR回路によってつながれ、A/Dコンバーターに入力される構成を備える。
(2) ある一つのサーミスター回路を除いて、他のサーミスター回路はスイッチング回路を介し、一定の温度以上ではVdを出力し、それ以下ではダイオードによってカットオフ状態となる構成を備える。
(3) ある一つのサーミスター回路では、連続的な温度の検出を可能とする構成を備える。
【0021】
【発明の効果】
本発明の温度プロテクション回路および電子装置によれば、複数の箇所の温度測定を1つのA/Dコンバーターで検出することができ、しかも一箇所の測定される温度は、論理回路のようにHi/Loではなく、連続的な値を検出することができて、制御がしやすい温度プロテクション回路およびこの回路を備える電子装置、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による温度プロテクション回路の実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1に示した回路のa点における電圧(対)温度特性の一例を示す図である。
【図3】図1に示した回路のb点における電圧の変化の様子の一例を示す図であって、サーミスター1〜nの温度が等しい場合を示す。
【図4】図1に示した回路のb点における電圧の変化の様子の一例を示す図であって、サーミスター1のみが高温になった場合を示す。
【図5】図1に示した回路において、マイコン(制御部)の動作一覧の一例を示す図である。
【図6】本発明による温度プロテクション回路の第2の実施の形態を示す構成図であり、図1におけるスイッチングトランジスタの代わりに、インバーターICを使用した例である。
【図7】本発明による温度プロテクション回路の第3の実施の形態を示す構成図であり、送信アンプ段の出力制御に、D/Aコンバーターを用いない場合の一例を示すものである。
【図8】従来の回路例を示しており、複数箇所の温度を検出するために複数個(n個)のサーミスターを用いた温度−電圧変換回路(サーミスター回路)の一例を示す構成図である。
【図9】従来の特性例を示しており、図8に示したサーミスター回路の特性例を示す図である。
【符号の説明】
TH サーミスター
D ダイオード
Q スイッチングトランジスタ
Vd 電圧
R 抵抗
a点、b点 電圧の測定箇所
P1、P2 出力ポート
QP1、QP2 トランジスタ

Claims (2)

  1. 無線機器の送信段における温度プロテクション回路であって、
    複数箇所に配設されてその温度に依存する出力電圧を発生し、
    温度が上昇して所定の温度になると第1の所定電圧を発生する出力手段を備えた複数個のサーミスター回路と、
    温度と出力電圧とが連続的な相関関係を有し、その温度に依存する出力電圧を発生する1つのサーミスター回路と、
    前記複数個のサーミスター回路と前記1つのサーミスター回路の各出力を、ダイオードを介して接続したOR回路と、
    前記OR回路の出力電圧が入力される1つのA/Dコンバーターと、
    前記1つのA/Dコンバーターに入力される前記OR回路の出力電圧に基づいて送信出力を制御する制御部と、を備えて構成され、
    前記複数個のサーミスター回路のすべてと前記1つのサーミスター回路が前記所定の温度以下のときは、前記1つのサーミスター回路からの出力電圧が前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに入力されることにより、
    前記制御部は前記1つのサーミスター回路からの出力電圧に基づいて送信出力の制御を行い、
    前記複数個のサーミスター回路の1つ以上が前記所定の温度になったときは、該複数個のサーミスター回路の出力手段は、前記第1の所定電圧を前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに出力し、
    前記1つのサーミスター回路のみが前記所定の温度になったときは、該1つのサーミスター回路は、第2の所定電圧を前記OR回路を経由して前記1つのA/Dコンバーターに出力し、
    前記制御部は、前記第1の出力電圧以上の電圧または前記第2の出力電圧以下の電圧において、送信出力を制御することにより、プロテクション動作を行う、ことを特徴とする温度プロテクション回路。
  2. 請求項に記載の温度プロテクション回路において、
    前記出力手段は、スイッチング素子またはインバーター素子を含んで構成されることを特徴とする温度プロテクション回路。
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