JP3852596B2 - ターゲットボード及び電子光学機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体と、移動体に搭載される電子光学機器の基準軸のずれを測定するターゲットボード及び、前記電子光学機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光軸を検出するための装置としては、レーザレーダを使用しターゲットボードに設置したリフレクタからの反射光を検出することで光軸ずれを検出するような装置があった。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−29536号公報(第8頁、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光軸の検出方法は、レーザレーダを使用するため、赤外線を検出する電子光学機器の光軸とそれを搭載する移動体との基準軸をあわせる場合に、電子光学機器にレーザレーダを内蔵するか、電子光学機器にレーザレーダを取り付けるための基準面をつくり、そこにレーザレーダを取り付ける必要があるため、電子光学機器の寸法が大きくなったり、電子光学機器の搭載場所によっては、レーザレーダの取付けが困難で、光軸の調整が非常に時間がかかったりした。また、移動体に搭載される電子光学機器は、移動体が野外で使用される場合、雨滴などによりレンズの表面露出部分に徐々に傷を受け、性能が劣化していくため、一定期間ごとにレンズ表面の傷み具合を測定し、必要に応じて表面レンズを交換する等の処置を実施する。従来は、この場合にもレンズの表面にレーザ光をあて、レーザ光の反射量を測定するような装置をとりつける必要があり前述と同様の問題があった。
【0005】
本発明は上記のような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、軸ずれ量の測定を容易に行うために使用するターゲットボード及び、基準軸を容易に合わせることができる電子光学機器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のターゲットボードは、赤外線を検出する電子光学機器を搭載する移動体で、電子光学機器の光軸と当該電子光学機器を搭載する移動体の基準軸との軸ずれ量の測定を行うために使用するターゲットボードにおいて、当該移動体の基準軸を設定するために、当該移動体に取り付けられた整合望遠鏡を通して観測し、当該整合望遠鏡の目盛りとあわせるためのマーカを有する基準面と、前記基準面を駆動するための駆動機構と、前記基準面から所定位置離れ、電子光学機器の光軸の調整及び感度の補正を行うための複数の熱源から成る位置基準熱源と、を備えるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるターゲットボードを示すものである。図1におけるターゲットボードは、基準面9と基準面9を駆動するための駆動機構として、移動台3と、上下移動ハンドル4と、移動バー5と、左右移動ハンドル6とターゲット面保持機構7と、回転ハンドル8を、また、基準面9から所定位置離れた位置基準熱源として正面熱源10を持つ。このうち、移動台3と上下移動ハンドル4は基準面9を上下方向に、移動バー5と左右移動ハンドル6は基準面9を左右方向に、ターゲット面保持機構7と回転ハンドル8は回転方向に、各々駆動できる駆動機構である。
【0009】
以下、本発明品の動作について説明する。ターゲットボードの脚1には柱2が固定されている。柱2には移動台3が取り付けらえている。移動台3は上下移動ハンドル4をまわすと柱2に固定してあるギアレール上をギアが回転することにより上下に位置を変えられる構造になっている。移動台3の上には移動バー5が設置してある。移動バー5は左右移動ハンドル6を回転させることで、ターゲット面保持機構7を左右に移動させる構造になっている。ターゲット面保持機構7は内部にターゲット面を回転させるギア機構を持ち、回転ハンドル8を回転させることでターゲット面を回転させることができる。ギアを一例に示したが、ギア以外の駆動機構であっても良い。
【0010】
ターゲット面の上部には正面熱源10、左熱源11、右熱源12という複数の熱源が配置されている。正面熱源10は基準面9を移動体の軸に正対させることで、移動体と電子光学機器に軸ずれがない場合、電子光学機器の正面にくるよう配置されている。つまり、基準面9と正面熱源10との位置関係が、移動体に備えられた電子光学機器と整合望遠鏡等との基準軸の位置関係と同じである。また、左熱源11と右熱源12は正面熱源10から同距離をとって左右に配置されている。すなわち、正面熱源10は、左熱源11と右熱源12の中心に配置されている。なお、各熱源は、温度制御可能が可能である構成でも良い。また、熱源は黒体であっても良い。
【0011】
ターゲット面のうちターゲット面保持機構7に固定されている基準面9は、移動体に取り付けられた整合望遠鏡を通して観測し、整合望遠鏡の目盛りと基準面9上のマーカとをあわせるように上下、左右、回転方向に動かすことでターゲット面全体が移動体と正対するように作られている。
【0012】
図2に実施の形態1を使用し軸ずれを計測するための構成のブロック図を示す。図2に示す電子光学機器13は、位置基準熱源を検知する検知器17と、位置基準熱源の方向を出力する追尾回路として追尾処理回路20と、基準値と位置基準熱源の方向とのずれ量を検出するずれ量検出器として操作表示器21を備えている。
【0013】
以下、電子光学機器13による軸ずれ検出について述べる。電子光学機器13は移動体14に搭載されている。移動体14には別に整合望遠鏡15が取り付けられている。整合望遠鏡15は移動体に取り付けられた場合、中心軸16が移動体14の基準軸に平行かつ、基準軸から見て一定位置にくるような取付けインターフェイスを持っている。
【0014】
ターゲットボードは移動体14の前方に基準面9が中心軸16に対して正対するように設置される。電子光学機器13は検知器17、ジンバル18、ジンバル制御回路19、追尾処理回路20、操作表示器21により構成される。
【0015】
検知器17は外界の赤外光を集光し、それを光電変換後、画像信号として出力する。画像信号はジンバル18を経由し追尾信号処理回路20に送られる。追尾信号処理回路20では画像信号上の明るい点を目標として検出し、操作表示器21に映像及びシンボル情報として送信する。操作表示器21に表示された情報を見てオペレータが目標を選択操作すると操作表示器21は追尾信号回路20に対し選択された目標を指示する。追尾信号処理回路20は選択した目標の方向を画像信号上の位置から割り出しジンバル制御回路19に角度方向として指示する。ジンバル制御回路19は追尾信号処理回路20から受けた角度方向指示に基づきジンバル18に対し駆動指令を行う。
【0016】
ジンバル18はジンバル制御回路19の指令に基づきジンバルを駆動するとともに検知器17の光軸が現在向いている方向を検出しジンバル制御回路19に出力する。検知器17の光軸方向の情報は追尾信号処理器20を経由し操作表示器21におくられ数値データとして表示される。上記の動作により、ジンバル18の駆動が完了すると操作表示器21に表示される画像上では指定された目標が画像の中央に来るとともに、その目標の方向が表示されることになる。
【0017】
中心軸16と基準面9を正対させることにより、正面熱源10は検知器17と正対するため、電子光学機器13と移動体14の間に軸ずれがなければ、オペレータが操作表示器21の示す画像上で目標として正面熱源10を選択した場合、検出される正面熱源10の方向は上下方向、左右方向とも0を示すことになる。
【0018】
しかしながら、電子光学機器13の取付けにおいては、通常整合望遠鏡15の取付けほどの精度が確保できないため、軸ずれが発生する。軸ずれが発生している場合、操作表示器21により検出される正面熱源10の方向はそのまま上下方向及び左右方向の軸ずれ量となる。また、中心軸16と基準面9が正対しており、電子光学機器13と移動体14に回転方向の角度ずれがない場合、左熱源11と右熱源12の方向検出において、上下方向に検出角度の差が出ないはずであるので、これらの熱源方向の角度差を検出することで回転方向のずれ量を測定することができる。
【0019】
この実施の形態では、以上説明したように、ターゲットボード上の基準位置に熱源を設置しそれを観測させることで、移動体とそれに搭載されている電子光学機器の軸ずれ量を計測することができる。
【0020】
実施の形態2.
上記のように、実施の形態1の説明中に示した電子光学機器13では、移動体14と電子光学機器13の軸ずれ量を測定することが可能であるが、軸ずれを補正する機能がないため、目標方向を求めるために、電子光学機器13からの方向出力を測定した軸ずれ量により座標変換してから使用する必要があり、たいへん不便である。図3はかかる問題を解決するために実施した、この発明の実施の形態2を示すブロック図であり、上記、電子光学機器13にずれ量を補正する軸ずれ補正回路22を追加したもので、軸ずれ補正回路22以外の各構成要素についての機能は図2で示したものと同じである。
【0021】
以下軸ずれ補正の動作を説明する。軸ずれ補正回路22は、制御回路23と角度記憶回路24と座標変換回路25により構成される。制御回路23は操作表示器21経由でオペレータから軸ずれ測定の指令を受けると、ターゲットボード上の正面熱源10の追尾を行い、出力される目標方向を上下方向及び左右方向の軸ずれ量として検出し、角度記憶回路24に記憶する。座標変換回路25は角度記憶回路24に記憶された値を使用し、入力される方向を記憶されているずれ量の分座標変換を行い、ずれ量の補正された方向を出力する。制御回路23は座標変換回路25から出力される正面熱源10の方向が上下、左右とも0になったことを確認すると、左熱源11と右熱源12の追尾を順次行い各々の方向を検出するとともに、その上下方向、左右方向の差から回転方向のずれ量の算出を行い、回転方向の軸ずれ量として角度記憶回路24に記憶する。以後、座標変換回路25は既に記憶されている上下及び左右方向の軸ずれ量と新しく入力された回転方向の軸ずれ量をあわせ入力された角度の座標変換を行うので、左熱源11と右熱源12の上下方向の出力は0になることになる。制御回路23は再度左熱源11と右熱源12の追尾を行い出力される角度方向が期待通りであることを確認し軸ずれ測定を終了する。軸ずれ補正完了後、検出される角度はすべて制御回路23及び座標変換回路25を経由して操作表示器21に出力されるため、オペレータは軸ずれを気にすることなく出力結果を使用することができる。
【0022】
この実施の形態では、以上説明したように、電子光学機器内に軸ずれ補正回路を設けることにより自動的に角度出力の軸ずれを補正することができる。
【0023】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3におけるターゲットボードを示すものである。図4のターゲットボードは、温度制御可能な高温熱源として、高温側基準熱源26を、温度制御可能な低温熱源として低温側基準熱源27を保有している。また、28は温度湿度計であり、他の構成要素は実施の形態1のターゲットボードと同じである。なお、高温側基準熱源26、低温側基準熱源27とも正面熱源10からみて一定距離、一定面積を持つよう設置されている。本発明も図2で示したような方法で移動体14搭載してある電子光学機器13と正対させて使用する。高温側基準熱源26と低温側基準熱源27はその面全体を設定された均一温度にすることができる熱源である。温度湿度計28は計測したターゲットボードの環境温度、湿度と移動体14との距離から赤外線の大気透過率を推定し、高温側基準熱源26と低温側基準熱源27の設定温度を定める。図5に実施の形態3のターゲットボードを電子光学機器13で撮像した場合の画像イメージを図6に図5の点線29の電気信号出力イメージを示す。図5に示すとおり、赤外線画像上では高温側基準熱源26が明るく、低温側基準熱源27が暗く写る。高温側基準熱源26と低温側基準熱源27の温度は大気透過率によるエネルギーの減衰も考慮にいれ設定されるため、測定される信号出力とノイズの比は電子光学機器13に性能劣化が発生していない限り一定値以上となる。すなわち、図5の点線29の信号出力は図6に示すイメージになるが、図6において信号出力量30はノイズ量31の規定値倍以上観測できるはずである。逆にこの信号出力量30がノイズ量31の既定値倍未満である場合、電子光学機器13は性能劣化を生じていると考えられる。この性能劣化は、電子光学機器13に故障が検出されていない状態においては、機外表面に露出しているレンズが雨滴等を受けたために傷つき、光学系の透過率が下がったために発生していると考えることができる。
【0024】
この実施の形態では、以上説明したように、ターゲットボード上の基準位置に規定温度になる熱源を設置しそれを観測させることで、電子光学機器の性能劣化量を計測することができる。
【0025】
実施の形態4.
上記のように、実施の形態3を用いて電子光学機器13の、光学系の劣化量を測定することが可能であるが、電子光学機器13には信号出力量やノイズ量を測定する機能がないため、信号出力をオシロスコープ等の計測器で測定し判定する必要があり、たいへん不便である。図7はかかる問題を解決するために実施した、この発明の実施の形態4を示すブロック図である。図7の電子光学機器は、位置基準熱源の高温熱源と低温熱源を検知する検知器17と、高温熱源と低温熱源との検知器出力から電子光学機器の感度を推定する感度測定部として信号出力計測回路32を保有している。また、この電子光学機器は基本的には、上記、電子光学機器13に信号出力計測回路32を追加したもので、信号出力計測回路32以外の各構成要素についての機能は図2で示したものと同じである。
【0026】
以下信号出力計測の動作を説明する。信号出力計測回路32は、制御回路33と画像計測回路34により構成される。制御回路33は操作表示器21経由でオペレータから信号出力計測の指令を受けると、ターゲットボード上の正面熱源10の追尾を行うとともに、画像計測回路34に取得した画像と画像上の高温側基準熱源26が写る領域を出力する。画像計測回路34は指定された領域の平均信号強度とばらつきを測定し制御回路33に出力する。高温側基準熱源26の測定が終了すると制御回路33は画像計測回路34に低温側基準熱源27が写る領域を指示する。画像計測回路34は同様に低温基準熱源26の平均信号強度とばらつきを測定し制御回路33に出力する。制御回路33は以上の測定データをもって現状の信号強度を計算し、規定値と比較判定した後、操作表示器21に算出された信号強度と判定結果を出力する。オペレータはこの結果を見ることで、自ら計測器を持って測定することなく装置の性能状態を知ることができる。
【0027】
この実施の形態では、以上説明したように電子光学機器内に信号出力計測回路を設けること自動的に装置の性能劣化量を計測することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のターゲットボードによれば、軸ずれ量の測定を容易に行うことができる。また、本発明の電子光学機器によれば、基準軸を容易に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すターゲットボードの外形図である。
【図2】 実施の形態1の使用法を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を示す外形図である。
【図5】 実施の形態3の赤外線撮像イメージを示すイメージ図である。
【図6】 実施の形態3を赤外線撮像した場合の信号強度イメージを示すイメージ図である。
【図7】 この発明の実施の形態4を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:脚
2:柱
3:移動台
4:上下移動ハンドル
5:移動バー
6:左右移動ハンドル
7:ターゲット面保持機構
8:回転ハンドル
10:正面熱源
11:左熱源
12:右熱源
13:電子光学機器
14:移動体
15:整合望遠鏡
16:中心軸
17:検知器
18:ジンバル
19:ジンバル制御回路
20:追尾処理回路
21:操作表示器
22:軸ずれ補正回路
23:制御回路
24:角度記憶回路
25:座標変換回路
26:高温側基準熱源
27:低温側基準熱源
28:温度湿度計
29:点線
30:信号出力量
31:ノイズ量
32:信号出力計測回路
33:制御回路
34:画像計測回路

Claims (7)

  1. 赤外線を検出する電子光学機器を搭載する移動体で、電子光学機器の光軸と当該電子光学機器を搭載する移動体の基準軸との軸ずれ量の測定を行うために使用するターゲットボードにおいて、
    当該移動体の基準軸を設定するために、当該移動体に取り付けられた整合望遠鏡を通して観測し、当該整合望遠鏡の目盛りとあわせるためのマーカを有する基準面と、
    前記基準面を駆動するための駆動機構と、
    前記基準面から所定位置離れ、電子光学機器の光軸の調整及び感度の補正を行うための複数の熱源から成る位置基準熱源と、
    を備えるターゲットボード。
  2. 前記駆動機構は、
    前記基準面を上下、左右、回転方向のいずれかに駆動できる駆動機構である
    請求項1に記載のターゲットボード。
  3. 前記基準面と前記位置基準熱源との位置関係が、移動体に備えられた電子光学機器と整合望遠鏡等との基準軸の位置関係と同じである
    請求項1に記載のターゲットボード。
  4. 前記位置基準熱源は、
    中心付近に温度制御可能な熱源を備える請求項1に記載のターゲットボード。
  5. 前記位置基準熱源は、
    それぞれが温度制御可能な複数の熱源を備える請求項1に記載のターゲットボード。
  6. 前記位置基準熱源は、
    温度制御可能な高温熱源と、温度制御可能な低温熱源とを備える請求項1に記載のターゲットボード。
  7. 請求項4から請求項6のいずれかに記載の熱源が黒体である請求項1に記載のターゲットボード。
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