JP3853395B2 - 薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電気的特性に優れた半導体を得る方法に関するものである。さらに本発明は、特性の優れた半導体装置の作製方法に関するものである。さらに本発明は、優れた特性を有する薄膜トランジスタ(以下TFTという)を得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄膜半導体素子として薄膜トランジスタ(一般にTFTと称される)が知られている。この薄膜トランジスタは絶縁表面を有する基板(例えばガラス基板)上に数百〜数千Åの薄膜半導体(一般に珪素半導体)を形成し、該薄膜半導体を活性層として半導体装置を構成するものである。
【0003】
TFTの応用分野としては、例えば液晶表示装置やイメージセンサー等の電気光学装置がある。これは、ガラス基板上に直接形成されたTFTを用いて、画素の駆動や周辺ドライバー回路を構成するものである。
【0004】
基板としてガラス基板を用いた場合において、その表面に形成される薄膜珪素半導体は、非晶質または結晶性を有する状態となる。結晶性を有する状態というのは、多結晶状態や微結晶状態、さらは非晶質と結晶構造とが混在した状態をいう。
【0005】
非晶質を用いたTFTは動作速度や電気的特性に不満な点があり、応用範囲が限定される。一方、結晶性を有する珪素膜(以下結晶性珪素膜という)を用いた場合には、高速動作、高電気特性を得ることができる。
【0006】
しかしながら、結晶性を有する珪素膜を用いてTFTを作製した場合、そのOFF電流の存在が問題となる。例えばNチャネル型TFTにおいて、ゲイト電極に負の電圧を加えた場合、原理的にはソース・ドレイン間に電流は流れない。これは、ゲイト電極に負の電圧を加えた場合、チャネル部分がP型になり、ソース及びドレインとの間でPN接合が形成されるからである。しかし、実際には、結晶性珪素膜中には、結晶粒界や欠陥さらには不対結合手が存在しており、それらに起因した多数の準位が存在しており、PN接合の逆方向において、それらの準位を介しての電荷の移動が生じる。よって、PN接合部分に電界が集中した場合、前記欠陥やトラップを介してのソース/ドレイン間における逆方向への電流の漏れが生じる。結果的にゲイト電極に負の電圧を加えた場合、ソース・ドレイン間において電流(OFF電流)が流れてしまう。
【0007】
この問題を解決するためのものとして、チャネルとドレインの間に電界の集中が起こらないように、チャネル・ドレイン間に電界緩和領域を形成する方法がある。これはLDD(ライト・ドープ・ドレイン)と呼ばれる技術である。これは、チャネル(I型)とドレイン(N型)との間にライトドープされた領域(弱いN型)を形成し、チャネルとドレインとの接合部分に電界集中が生じないようにするものである。
【0008】
またLDDと同様な作用効果を得る方法として、オフセットゲイトを設ける手法も知られている。これは、チャネルとして機能する領域とドレイン領域との間にドレイン領域として機能しない領域を設けることにより、チャネルとドレインとの間の電界集中を避けるものである。
【0009】
以上のように、膜中の欠陥やトラップが原因で、TFTのオフ電流が増大するという問題がある。さらに、膜中の欠陥やトラップは、膜中におけるキャリアの移動を阻害するものであり、TFTの動作を妨げる。
【0010】
一方、TFTにおいては、チャネルとゲイト絶縁膜との界面特性が極めて重要であ。この界面特性が悪いと、TFTの特性は大きく損なわれる。この界面特性は界面準位という指標で評価される。この界面準位は、欠陥や不対結合手に起因するものである。高い特性を有するTFTを得るためには、チャネルとゲイト絶縁膜との界面における界面準位を小さくすることが重要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、TFTのOFF電流の問題や、チャネルとゲイト絶縁膜との界面における界面準位の問題を解決するために、薄膜珪素半導体中の準位(これらは不対結合手に関係する)を減少させる技術を提供することを課題とする。
【0012】
さらに本発明は特性の優れたTFTを得ることを課題とする。さらに本発明は、準位の存在が少ない珪素半導体膜を得ることを課題する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の主要な構成は、
薄膜トランジスタの作製方法であって、
活性層を形成する工程と、
該活性層上にゲイト絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極を覆って窒化珪素膜を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜と前記窒化珪素膜とを介して前記活性層に水素、フッ素、塩素から選ばれた一種または複数種類のイオンを注入する工程と、
全体を加熱処理する工程と、
を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成において、絶縁表面を有する基板というのは、例えばガラス基板、絶縁膜が形成されたガラス基板、絶縁膜が形成された半導体基板、絶縁膜が形成された金属基板、その他絶縁物で構成される基板をいう。
【0015】
珪素半導体膜としては、非晶質珪素半導体、結晶性珪素半導体を挙げることができる。これらの珪素半導体膜は、プラズマCVD法や減圧熱CVD法によって形成される。また結晶性珪素膜として、プラズマCVD法や減圧熱CVD法によって形成された非晶質珪素膜を加熱やレーザー光またはそれと同等の強光の照射によって結晶化させたものを用いることができる。
【0016】
イオンを注入する方法としては、公知のイオン注入装置やプラズマドーピング装置を用いればよい。イオンの作製方法としては、高周波放電によってプラズマを生じさせ、イオンを生成する方法、質量分離によってイオンを生成させる方法を用いることができる。本発明において必要なイオン注入装置は、水素、フッ素、塩素から選ばれた少なくとも1種類のイオンに対して、加速電圧を加えることにより、当該イオンを基体に打ち込むことのできる構成である。なお、本明細書中においては、イオン化したものを総称してイオンと称する。例えば水素イオンという場合には、H+ イオン、H2 + イオン、H3 + イオン等が含まれることとなる。
【0017】
窒化珪素膜を形成し、しかる後に窒化珪素膜を介して水素、フッ素、塩素から選ばれた少なくとも1種類のイオンを注入するのは、注入されたイオンを活性層中に閉じ込め、その効果を持続させるためである。水素、フッ素、塩素のイオンは、珪素との結合力が強く、珪素の不対結合手を中和することができる。窒化珪素膜は、その中和効果を持続させるためのものである。窒化珪素膜を形成することで、前記元素の離脱を防ぐことができ、その効果を高めることができる。そして、デバイスとしての安定性を高めることができる。
【0018】
窒化珪素膜は、注入されたイオンに対するバリア層として機能する。即ち、水素、フッ素、塩素から選ばれた元素が脱ガス化しないようなバリア層として機能する。このバリア層としては、窒化珪素膜の他に窒化アルミ膜、酸化アルミ膜、酸化窒化アルミ、酸化窒化珪素膜を用いることができる。酸化窒化アルミは、AlOx y で示される。酸化窒化珪素膜は、SiOx y で示され、窒化珪素膜に比較して、応力緩和機能が高いので、デバイスを被覆する被膜としても有効に機能する。
【0019】
全体を加熱処理するのは、前工程でイオン注入された原子を珪素半導体内に閉じ込め、さらに注入された元素による不対結合手の中和を促進させるためである。この加熱処理を行う雰囲気は、H2 、N2 、Ar、He、O2 で可能である。また、この雰囲気中をフッ素や塩素を主成分としたものとすることも効果的である。特に水素、フッ素または塩素を主成分とした雰囲気中でこのアニールを行うと、このアニールにおける珪素半導体中や珪素半導体の界面における不対結合手を中和する効果を得ることがでる。この工程において、注入されたイオンによって珪素膜中の不対結合手が中和され、不対結合手に起因する準位(トラップ)や欠陥を減少させることができる。
【0020】
本発明の他の主要な構成は、
薄膜トランジスタの作製方法であって、
活性層を形成する工程と、
該活性層上にゲイト絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜を介して、前記活性層中に水素、フッ素、塩素から選ばれた一種または複数種類のイオンを注入する工程と、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極を覆って窒化珪素膜を形成する工程と、
前記ゲイト絶縁膜と前記窒化珪素膜とを介して前記活性層に水素イオンを注入する工程と、
全体を加熱処理する工程と、
を有することを特徴とする。
【0021】
一般に珪素半導体膜を利用してTFTを構成する場合、絶縁ゲイト型電界効果トタンジスタの構成が採用される。そして、ゲイト絶縁膜として酸化珪素膜や窒化珪素膜が採用される。この場合、珪素半導体膜とゲイト絶縁膜との界面特性が極めて重要となる。
【0022】
そこで、上記発明においては、珪素半導体膜上に絶縁膜を形成した状態において、水素、フッ素、塩素から選ばれたイオンを注入することにより、珪素半導体中における珪素の不対結合手の中和と同時に、珪素半導体と絶縁膜との界面における界面準位を減少を得るものである。界面準位は、不対結合手に起因するものであるので、水素、フッ素、塩素から選ばれたイオンの注入によって、不対結合手を中和させることができる。そして界面準位を減少させることができる。
【0023】
上記構成において、水素、フッ素、塩素から選ばれたイオンの投影飛程を珪素半導体膜と絶縁膜との界面近傍とすることでその効果をさらに大きくすることができる。投影飛程とは、固体中に打ち込まれたイオンの静止位置について、最も確立の高い深さを与える指標である。従って、当該イオンの投影飛程を珪素半導体膜と絶縁膜との界面近傍にするということは、珪素半導体膜と絶縁膜との界面近傍に最も多くの当該イオンが打ち込まれるようにすることを意味する。この結果、珪素半導体膜と絶縁膜との界面近傍を中心に珪素の不対結合手の中和が行われることなり、珪素半導体膜と絶縁膜との界面における界面準位を大きく減少させることができる。
【0024】
また上記構成において、水素、フッ素、塩素から選ばれたイオンの投影飛程を珪素半導体膜と絶縁膜との界面における珪素半導体側にすることはさらに有効である。これは、界面準位の原因となる珪素の不対結合手が珪素半導体側により多く存在しているからである。
【0025】
そしてさらに全体を水素雰囲気中あるいは水素を主成分とする雰囲気、またはフッ素あるいは塩素を主成分とする雰囲気中において、加熱処理することにより、不対結合手を中和した元素を閉じ込め、安定した状態を得ることができる。
【0026】
また本発明の他の主要な構成は、イオン化された水素、フッ素、塩素から選ばれた元素のイオンに対して、バリア層として機能する層を介して前記元素のイオンを注入すること、及びその後の加熱処理を施すことを特徴とする。
【0027】
さらに本発明の他の主要な構成は、ゲイト電極をマスクとして、珪素半導体膜で構成された活性層にイオン化された水素、フッ素、塩素から選ばれた元素のイオンを注入することを特徴とする。注入する元素として水素を選択し、さらにプラズマドープング法を用いた場合、H+ イオン、H2 + イオン、H3 + イオンが注入されることになるが、H2 + イオンとH3 + イオンとはイオン半径が大きいので、ゲイト電極で防止される。即ち、ゲイト電極がマスクとなる。従って、H2 + イオンとH3 + イオンとに関して考えた場合、ゲイト電極をマスクとしてイオン注入が行われることになる。
【0028】
【作用】
珪素膜に対してイオン化された水素の注入を行うことで、珪素膜中における不対結合手を中和することができ、その電気特性を向上させることができる。
【0029】
特に窒化珪素膜を形成した後に、水素、フッ素または塩素のイオンを注入し、しかる後に水素雰囲気中において加熱処理を行うことによって、前記注入された原子を窒化珪素膜の作用で珪素膜中に閉じ込めることができ、この原子によるトラップ準位や欠陥の中和の効果を大きくすることができる。
【0030】
また、珪素膜に対する不純物のイオン注入やレーザー光の照射の後に、珪素膜に窒化珪素膜を介して水素、フッ素または塩素のイオンを注入することで、イオン注入やレーザー光の照射によって脱離した水素、フッ素または塩素を補うことができる。
【0031】
そして、以上の水素、フッ素または塩素のイオンの注入に加えて、さらに当該注入された原子を含む雰囲気または当該元素の雰囲気中で加熱処理を加えることによって、注入されたイオンを珪素膜中に閉じ込めることができ、その効果をさらに大きくすることができる。
【0032】
【実施例】
以下において本発明を利用したTFTの作製工程を示す。以下に示す各実施例においては、TFTの各作製工程において本発明を実施する例を示すが、複数の実施例を組み合わせることも当然可能である。例えば、必要とする複数の工程において、水素、フッ素または塩素のイオンの注入を行うことが可能である。
【0033】
〔実施例1〕
本実施例は、絶縁表面を有する基板上に形成された結晶性を有する薄膜珪素半導体膜(結晶性珪素膜という)に対して、水素イオンの注入を行い、前記結晶性珪素膜中に存在する不対結合手や欠陥を消失させ、膜中のトラップを減少させるものである。そしてこの結晶性珪素膜を用いてTFTを作製する例である。
【0034】
図1に本実施例の作製工程を示す。本実施例では絶縁表面を有する基板としてガラス基板を用い、その表面にTFTを形成する例を示す。まずガラス基板11として、コーニング7059ガラスを用意する。そしてその表面に下地膜となる酸化珪素膜(図示せず)をスパッタ法により2000Åの厚さに形成する。次に非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって1000Åの厚さに形成する。そして加熱あるいはレーザー光または強光の照射、さらにはそれらを組み合わせた方法により、非晶質珪素膜を結晶化させる。こうして結晶性珪素膜が得られる。
【0035】
次に、TFTの活性層として必要とされる形状に結晶性珪素膜をパターニングし、図1(A)の12で示される活性層を得る。
【0036】
次にゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜13をスパッタ法で1000Åの厚さに形成する。そして、アルミニウムを主成分とする膜を5000Åの厚さに蒸着法で形成する。このアルミニウムを主成分とする膜をパターニングしてゲイト電極14を形成する。さらに陽極酸化法を用いてこのアルミニウムを主成分とする材料で構成されたゲイト電極14の周囲に酸化物層15を形成する。この酸化物層15は、例えば2000Åの厚さに形成される。この酸化物層15が存在することで、後の一導電型を付与する不純物のイオン注入工程において、ゲイト電極14の側面にマスクが設けられた形となり、オフセットゲイト領域を形成することができる。(図1(B))
【0037】
なおゲイト電極を、他の金属材料や半導体材料、さらにはそれらの積層体や混合物で構成するのでもよい。
【0038】
そしてP(燐)イオンの注入を行い、16と18で示される領域にPイオンを注入する。この時、酸化物層15がマスクとなり、10で示される部分をオフセットゲイト領域として設けることができる。
【0039】
なお、本実施例においては、この工程において、Pイオンを注入したので、完成したTFTはNチャネル型となる。ここでBイオンを注入すれば、Pチャネル型のTFTを得ることができる。
【0040】
次に、(B)の工程で注入されたPイオンの活性化と、イオン注入時に受けたダメージを回復させるためにレーザー光の照射によるアニールを行う。ここでは、KrFエキシマレーザーを用い、100〜300mJ/cm2 のパワー密度で1〜数ショットの照射を行う。この工程において、レーザー光の照射と同時に300度程度の加熱を併用することは効果的である。こうしてソース/ドレイン領域,16/18を形成することができる。また同時に自己整合的にチャネル形成領域17が形成される。
【0041】
また、レーザー光の照射の代わりに、それと同等の強光、例えば赤外光を照射しアニールを行うのでもよい。赤外光は、ガラス基板には吸収されにくく、珪素には吸収され易いので、珪素のみを選択的に加熱することができる。このような赤外光を用いた加熱は、RTA(ラピッド・サーマル・アニール)とよばれている。またヒータ等による加熱手段を用いて、アニールを行うのでもよい。
【0042】
次に窒化珪素膜をシランとアンモニアを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により、窒化珪素膜23を1000Åの厚さに形成する。この窒化珪素膜は、Si34-x (-0.3 ≦x≦1)で示される。
【0043】
そして水素イオンをイオンドーピング方によって、下記の条件で窒化珪素膜23を介して注入する。(図1(C))
加速電圧:40KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【0044】
上記水素イオンの注入工程において注入された水素イオンは、窒化珪素膜23が存在するために活性層中に閉じ込められることになる。即ち、注入されたイオンが後に外部に放出されたりすることがない状態とすることができる。また、上記のようにして水素イオンが注入されることによって、活性層中の水素元素の濃度は、0.001原子%〜5原子%程度となる。勿論この数値は、上記のドーピングの条件等で制御することができる。
【0045】
図8の上記の条件で水素イオンを注入した後における水素元素の濃度分布を示す。図8に示されるのは、図1(C)に示すような状態でソース/ドレイン領域に対して、SIMS(2次イオン分析方法)を用いて水素元素の濃度分布を調べたものである。図8を見ると分かるように、水素元素の濃度は、深さが約2100Åの所で最大となっている。活性層の上には、1000Åの厚さの酸化珪素膜13とその上の1000Å厚の窒化珪素膜23が設けられているので、図8に示される表面から約2100Åの深さというのは、活性層の表面から約100Åの深さの場所ということになる。
【0046】
活性層中において、活性層とゲイト絶縁膜である酸化珪素膜13との界面付近における不対結合手は、界面準位の存在を招くことになるので、図8に示すような分布で水素元素を存在させることは、界面準位を減少させることに大きな効果がある。
【0047】
ここで、プラズマドーピング法を用いるのは、その生産性の高いからである。水素イオンを注入する方法としては、イオンドーピング法があるが、これは質量分離を行う必要があり大面積に対する生産性が低いという問題がある。
【0048】
本実施例のようにプラズマドーピング法を用いて水素イオンを注入する場合、H+ イオン、H2 + イオン、H3 + イオンが注入される。H+ イオンは、ゲイト電極を通過し、チャネンル形成領域17にも進入するが、H2 + イオン、H3 + イオンはイオン半径が大きいので、ゲイト電極で防止され、ソース/ドレイン領域16、18に注入されることになる。即ち、ソース/ドレイン領域には、H+ イオンとH2 + イオンとH3 + イオンとが注入されることになる。バリア層である窒化珪素膜を介してソース/ドレイン領域への水素イオンを注入することの効果は極めて大きいもので、チャネル形成領域への水素イオンの注入を行わなくても相当の効果を得ることができる。従って、水素イオンが主にソース/ドレイン領域に注入されるプラズマドーピング法を用いても相当の効果を得ることができる。また、プラズマドーピング法を用いた場合、大面積に対してイオン注入を行うことができるので、生産性に優れるという別の効果を得ることができる。
【0049】
次に、層間絶縁膜19として酸化珪素膜を8000Å程度の厚さにTEOSを原料としたプラズマCVD法で形成する。このプラズマCVD法での酸化珪素膜の成膜においては、加熱温度を350度以下とすることが必要である。これは、(C)の工程で注入された水素イオンの離脱を防ぐためである。また窒化珪素膜23が存在しているので、この工程における水素の離脱を防ぐことができる。
【0050】
次に、配線のための穴開けパターニングを行い、アルミニウムまたはアルミニウムと他の金属との多層膜を用いて、電極20と21とを形成する。さらにファイナルコート膜として窒化珪素膜22を1000〜5000Å、例えば3000Åの厚さに形成する。この窒化珪素膜22の形成は、シランとアンモニアとを原料ガスとしたプラズマCVD法を用いればよい。(図1(D))
【0051】
そして最後に、常圧の水素雰囲気中において、200〜450度の温度で1時間の水素化アニールを行い、TFTを完成する。この水素化アニールによって、(A)の工程でイオン注入された水素を活性層内に閉じ込めるとともに、さらに徹底して活性層内の不対結合手や欠陥を減少させることができる。なお、ファイナルコート膜である窒化珪素膜の形成前に水素化アニールを行い、その後にファイナルコート膜を形成することで、水素の脱離を防ぐ構成とすることができる。この工程において、電極20と21とのコンタクトホールを伝わって水素が活性層中に進入し、活性層の水素化が行われる。
【0052】
図7に本実施例に示した工程により作製したTFTの特性(A)と、本実施例に示す構成において、水素イオンの注入を行わなずに作製したTFTとの特性(B)とを示す。図7を見れば明らかなように、本実施例に示した水素イオン注入を行うことによって、OFF電流の低減を実現できる。これは、水素イオンの作用によって、活性層中における珪素の不対結合手(ダングリングボンド)を中和することができ、そのことによって、リーク電流(OFF電流)の原因となる欠陥や準位を減少させることができたためと理解される。
【0053】
〔実施例2〕
本実施例は、ゲイト電極の形成後に窒化珪素膜の形成を行ない、その後にソース/ドレイン領域形成のための不純物イオンの注入を行ない、さらに水素イオンの注入を行う例である。
【0054】
図2に本実施例の作製工程を説明する。図2に示される符号は特に断らない限り、図1に示すものと同じ部分を示す。本実施例においては、絶縁表面を有する基板としてコーニング7059ガラス基板を用いる。まず、ガラズ基板11上に下地膜(図示せず)として酸化珪素膜を2000Åの厚さにスパッタ法によって成膜する。
【0055】
次に非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって1000Åの厚さに形成する。そして加熱あるいはレーザー光または強光の照射、さらにはそれらを組み合わせた方法により、非晶質珪素膜を結晶化させる。こうして結晶性珪素膜が得られる。
【0056】
次に、TFTの活性層として必要とされる形状に結晶性珪素膜をパターニングする。さらにゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜13を1000Åの厚さにスパッタ法によって成膜する。(図2(A))
【0057】
次にアルミニウムを主成分とする膜を5000Åの厚さに蒸着法で形成する。このアルミニウムを主成分とする膜をパターニングしてゲイト電極14を形成する。さらに陽極酸化法を用いてこのアルミニウムを主成分とする材料で構成されたゲイト電極14の周囲に酸化物層15を形成する。この酸化物層15は、例えば2000Åの厚さに形成される。
【0058】
なおゲイト電極を、他の金属材料や半導体材料、さらにはそれらの積層体や混合物で構成するのでもよい。
【0059】
次に窒化珪素膜23をシランとアンモニアとを原料としたプラズマCVD法で1000Åの厚さに形成する。(図2(B))
【0060】
そしてP(燐)イオンの注入を行い、16と18で示される領域にPイオンを注入する。この時、酸化物層15と窒化珪素膜23とがマスクとなり、10で示される部分をオフセットゲイト領域として設けることができる。(図2(C))
【0061】
なお、本実施例においては、この工程において、Pイオンを注入したので、完成したTFTはNチャネル型となる。ここでBイオンを注入すれば、Pチャネル型のTFTを得ることができる。
【0062】
次に、(C)の工程で注入されたPイオンの活性化と、イオン注入時に受けたダメージを回復させるためにレーザー光の照射によるアにールを行う。ここでは、KrFエキシマレーザーを用い、100〜300mJ/cm2 のパワー密度で1〜数ショットの照射を行う。この工程において、レーザー光の照射と同時に300度程度の加熱を併用することは効果的である。こうして、ソース/ドレイン領域,16/18を得ることができる。また自己整合的にチャネル形成領域17が形成される。
【0063】
なお上記アニール工程は、前述の赤外光の照射によるRTAや加熱によるものでもよい。
【0064】
次に水素イオンの注入を行ない、活性層中に存在するトラップや欠陥を減少させる。水素イオンの注入条件は以下の通りである。(図2(D))
加速電圧:40KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【0065】
次に、層間絶縁膜19として酸化珪素膜を8000Å程度の厚さにTEOSを原料としたプラズマCVD法で形成する。このプラズマCVD法での酸化珪素膜の成膜においては、加熱温度を350度以下とすることが必要である。これは、(B)の工程に注入された水素イオンの離脱を防ぐためである。
【0066】
次に、配線のための穴開けパターニングを行い、アルミニウムまたはアルミニウムと他の金属との多層膜を用いて、電極20と21とを形成する。さらにフィナルコート膜として窒化珪素膜22を形成する。(図2(E))
【0067】
そして最後に、常圧の窒素雰囲気中において、200〜450度の温度で1時間の水素化アニールを行い、TFTを完成する。この水素化アニールは、(B)の工程でイオン注入された水素を活性層内に閉じ込めるとともに、さらに徹底して活性層内の不対結合手や欠陥を減少させるためのものである。
【0068】
〔実施例3〕
本実施例は、活性層とゲイト絶縁膜との界面およびその近傍におけるトラップや欠陥を減少させるようにした例である。図3に本実施例の作製工程を示す。まず、下地膜である酸化珪素膜が2000Åの厚さに形成されているガラス基板を用意する。ここではコーニング7059ガラス基板を用いる。
【0069】
下地膜が形成されたガラス基板11上に非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって1000Åの厚さに形成する。そして加熱あるいはレーザー光または強光の照射、さらにはそれらを組み合わせた方法により、非晶質珪素膜を結晶化させる。こうして結晶性珪素膜が得られる。
【0070】
次に、TFTの活性層として必要とされる形状に結晶性珪素膜をパターニングし活性層12を得る。そしてゲイト絶縁膜として酸化珪素膜13をスパッタ法によって成膜する。そして以下の条件で水素イオンの注入を行う。(図3(A))
加速電圧:40KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【0071】
上記イオン注入を行うことによって、活性層12、特にチャネル形成領域とゲイト絶縁膜との界面およびその近傍におけるトラップや欠陥を減少させることができる。このイオン注入の効果をさらに高めるために、水素イオンの注入における投影飛程を活性層12とゲイト絶縁膜である酸化珪素膜13との界面近傍とすることは有効である。このようにすることよって、水素イオンを注入することの効果を活性層12とゲイト絶縁膜との界面およびその近傍において得ることができる。
【0072】
次にアルミニウムを主成分とする膜を5000Åの厚さに蒸着法で形成する。このアルミニウムを主成分とする膜をパターニングしてゲイト電極14を形成する。さらに陽極酸化法を用いてこのアルミニウムを主成分とする材料で構成されたゲイト電極14の周囲に酸化物層15を形成する。この酸化物層15は、例えば2000Åの厚さに形成される。
【0073】
そしてP(燐)イオンの注入を行い、16と18で示される領域にPイオンを注入する。この時、酸化物層15と窒化珪素膜23とがマスクとなり、10で示される部分をオフセットゲイト領域として設けることができる。(図3(C))
【0074】
ここで、水素イオンの注入を行う。イオン注入条件は以下の通りである。(図3(D))
加速電圧:40KeV
ドーズ量:2×1016cm-2
【0075】
次に、(C)および(D)の工程で注入されたPイオンと水素イオンの活性化と、(C)の工程におけるPイオン注入時に受けたダメージを回復させるためにレーザー光の照射によるアにールを行う。ここでは、KrFエキシマレーザーを用い、100〜300mJ/cm2 のパワー密度で1〜数ショットの照射を行う。この工程において、レーザー光の照射と同時に300度程度の加熱を併用することは効果的である。(図示せず)
【0076】
上記アニール工程は、前述の赤外光の照射にようRTAや加熱によるものでもよい。
【0077】
次に、他の実施例と同様に層間絶縁膜の成膜、配線のための穴開けパターニングを行い、アルミニウムまたはアルミニウムと他の金属との多層膜を用いた電極の形成、常圧の水素雰囲気中における加熱処理を行うことによりTFTを完成する。
【0078】
〔実施例4〕
本実施例は、TFTの作製工程において、ゲイト電極の形成後に水素イオン野注入を行い、さらに窒化珪素膜でなるバリア層を形成することを主な特徴とするものである。
【0079】
図4に本実施例の作製工程を示す。本実施例では絶縁表面を有する基板としてガラス基板を用い、その表面にTFTを形成する例を示す。まず、ガラス基板11として、コーニング7059ガラスを用意する。そしてその表面に下地膜となる酸化珪素膜(図示せず)をスパッタ法により2000Åの厚さに形成する。次に非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって1000Åの厚さに形成する。そして加熱あるいはレーザー光または強光の照射、さらにはそれらを組み合わせた方法により、非晶質珪素膜を結晶化させる。こうして結晶性珪素膜が得られる。
【0080】
次に、TFTの活性層として必要とされる形状に結晶性珪素膜をパターニングし、図4(A)の12で示される活性層を得る。
【0081】
次にゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜13をスパッタ法で1000Åの厚さに形成する。そして、アルミニウムを主成分とする膜を5000Åの厚さに蒸着法で形成する。このアルミニウムを主成分とする膜をパターニングしてゲイト電極14を形成する。さらに陽極酸化法を用いてこのアルミニウムを主成分とする材料で構成されたゲイト電極14の周囲に酸化物層15を形成する。この酸化物層15は、例えば2000Åの厚さに形成される。この酸化物層15が存在することで、後の一導電型を付与する不純物のイオン注入工程において、ゲイト電極14の側面にマスクが設けられた形となり、オフセットゲイト領域を形成することができる。(図4(B))
【0082】
なおゲイト電極を、他の金属材料や半導体材料、さらにはそれらの積層体や混合物で構成するのでもよい。
【0083】
そしてP(燐)イオンの注入を行い、16と18で示される領域にPイオンを注入する。この時、酸化物層15がマスクとなり、10で示される部分をオフセットゲイト領域として設けることができる。
【0084】
なお、本実施例においては、この工程において、Pイオンを注入したので、完成したTFTはNチャネル型となる。ここでBイオンを注入すれば、Pチャネル型のTFTを得ることができる。
【0085】
次に、水素イオンをイオンドーピング方によって、下記の条件で窒化珪素膜を介して注入する。(図4(B))
加速電圧:35KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【0086】
ここで、プラズマドーピング法を用いるのは、その生産性の高いからである。水素イオンを注入する方法としては、イオンドーピング法があるが、これは質量分離を行う必要があり大面積に対する生産性が低いという問題がある。
【0087】
次に、(B)の工程で注入されたPイオンの活性化と、イオン注入時に受けたダメージを回復、さらに水素イオンの活性のためにレーザー光の照射によるアニールを行う。ここでは、KrFエキシマレーザーを用い、100〜300mJ/cm2 のパワー密度で1〜数ショットの照射を行う。この工程において、レーザー光の照射と同時に300度程度の加熱を併用することは効果的である。こうしてソース/ドレイン領域,16/18を形成することができる。また同時に自己整合的にチャネル形成領域17が形成される。さらに注入された水素イオンを活性化することができる。
【0088】
また、レーザー光の照射の代わりに、それと同等の強光、例えば赤外光を照射しアニールを行うのでもよい。赤外光は、ガラス基板には吸収されにくく、珪素には吸収され易いので、珪素のみを選択的に加熱することができる。このような赤外光を用いた加熱は、RTA(ラピッド・サーマル・アニール)とよばれている。またヒータ等による加熱手段を用いて、アニールを行うのでもよい。
【0089】
次に注入された水素イオンが脱ガス化しないようにするためのバリア層として機能する窒化珪素膜23をシランとアンモニアを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により、1000Åの厚さに形成する。この窒化珪素膜は、Si34-x (-0.3 ≦x≦1)で示される。(図4(C))
【0090】
バリア層である窒化珪素膜23を形成することによって、注入された水素イオンを活性層中に閉じ込められることができ、注入された水素イオンが後に外部に放出されたりすることがない状態とすることができる。
【0091】
次に、層間絶縁膜19として酸化珪素膜を8000Å程度の厚さにTEOSを原料としたプラズマCVD法で形成する。このプラズマCVD法での酸化珪素膜の成膜においては、加熱温度を350度以下、好ましくは300度〜350度の温度で行うことが必要である。これは、(B)の工程で注入された水素イオンの離脱を防ぐためである。また窒化珪素膜23が存在しているので、この工程における水素の離脱を防ぐことができる。
【0092】
次に、配線のための穴開けパターニングを行い、アルミニウムまたはアルミニウムと他の金属との多層膜を用いて、電極20と21とを形成する。さらにファイナルコート膜として窒化珪素膜22を1000〜5000Å、例えば3000Åの厚さに形成する。この窒化珪素膜22の形成は、シランとアンモニアとを原料ガスとしたプラズマCVD法を用いればよい。
【0093】
最後に酸素、窒素、アルゴンまたはヘリウム雰囲気中において350度の温度加熱処理を行う。この加熱処理によって、注入された水素イオンが最終的に活性化され、欠陥やダングリングボンドの中和が行われる。こうしてTFTを完成する。(図4(D))
【0094】
〔実施例5〕
本実施例は、Pチャネル型TFTとNチャネル型TFTとを相補型に構成したTFT(C/TFTという)の例を示す。図5に本実施例の相補型に構成されたTFTの例を示す。本実施例においてはガラス基板501を用いる。まずガラス基板501上に下地膜として酸化珪素膜502を2000Åの厚さにスパッタ法によって成膜する。次に活性層を構成する半導体層を形成する。ここでは、プラズマCVD法またはLPCVD法によって、非晶質珪素膜を1000Åの厚さに形成する。そして加熱による結晶化あるいは強光またはレーザー光の照射による結晶化を行い、結晶性を有する珪素膜を形成する。この珪素膜をパーニングし、後にNチャネル型TFT及びPチャネル型の活性層503を形成する。
【0095】
次にゲイト絶縁膜504を1000Åの厚さにスパッタ法またはプラズマCVD法で形成する。さらにアルミニウムを主成分とする被膜を5000Åの厚さに形成し、パターニングを行うことにより、ゲイト電極506と507を形成する。506で示されるゲイト電極はNチャネル型TFTのゲイト電極であり、507で示されるゲイト電極はPチャネル型TFTのゲイト電極となる。
【0096】
ここで酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液中においてゲイト電極506と507とを陽極として、陽極酸化を行い、酸化物層508、509を形成する。この酸化物層の厚さは2000Å程度である。この酸化物層の厚さが後の不純物イオン注入工程において、マスクとなりオフセットゲイト領域を形成することができる。
【0097】
次に水素イオンに対するバリア層として機能する窒化珪素膜510を2000Åの厚さに形成する。そして、一方のTFTが形成される領域をレジスト511でマスクしてリン(P)イオンを注入する。こうして不純物領域512、516を形成する。この不純物領域512と516とがソース/ドレイン領域となる。また同時にオフセット領域513、515が形成される。また同時にチャネル形成領域514が形成される。
【0098】
次にレジスト511を取り除き、先にリン(P)イオンが注入された部分のTFT領域をレジスト(図示せず)でマスクし、ボロン(B)イオンの注入を行う。こうして、ソース/ドレイン領域517、521、オフセットゲイト領域518、520、チャネル形成領域519が形成される。
【0099】
次にレジストを取り除き、図5(B)に示すように全体に水素イオンの注入を行う。この時水素イオンは、バリア層である窒化珪素膜510を介して、活性層領域に注入される。
【0100】
次にレーザー光または強光の照射による活性化を行い。各ソース/ドレイン領域を完成する。
【0101】
次に層間絶縁膜522をプラズマCVD法で形成する。そして、コンタクトホールを形成する。一方のTFT(図面左側のTFT)であるNTFTのソースまたはドレイン電極523と、他方のTFT(図面右側のTFT)であるPTFTのドレインまたはソース電極525と、2つのTFTの一方の出力の共通電極524とを形成する。
【0102】
最後に窒素雰囲気中において350度の加熱処理を行い、注入された水素イオンの活性化(この工程で珪素に不対結合手が中和される)し、相補型に構成されたTFT(C/TFT)を完成する。
【0103】
〔実施例6〕
図6には、1枚のガラス基板上にディスプレーから、CPU、メモリーまで搭載した集積回路を用いた電気光学システムのブロック図を示す。ここで、入力ポートとは、外部から入力された信号を読み取り、画像用信号に変換し、補正メモリーは、アクティブマトリクスパネルの特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネルに固有のメモリーである。特に、この補正メモリーは、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして有し、個別に補正するためのものである。すなわち、電気光学装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲の画素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥をカバーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲の画素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信号を送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにするものである。
【0104】
CPUとメモリーは通常のコンピュータのものと同様で、特にメモリーは各画素に対応した画像メモリーをRAMとして持っている。また、画像情報に応じて、基板を裏面から照射するバックライトを変化させることもできる。
【0105】
本実施例において用いられるTFTは、本明細書において説明したTFTを適時利用することができる。
【0106】
〔実施例7〕
本実施例は、実施例1で示した水素イオン注入の工程において、水素のイオンではなく、フッ素のイオンを注入する場合の例である。本実施例においては、プラズマドーピング法を用いて、フッ素イオンの注入を行う。ここでは、ドーピングガスとしてフッ素ガスまたは四フッ化珪素(SiF4 )を用いる。また投影飛程は、活性層とゲイト絶縁膜との界面近傍になるようにする。以下に具体的な条件を示す。 加速電圧:60KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【0107】
〔実施例8〕
本実施例は、実施例1で示した水素イオン注入の工程において、水素のイオンではなく、塩素のイオンを注入する場合の例である。本実施例においては、プラズマドーピング法を用いて、塩素イオンの注入を行う。ここでは、ドーピングガスとして塩素ガスを用いる。また投影飛程は、活性層とゲイト絶縁膜との界面近傍になるようにする。以下に具体的な条件を示す。
加速電圧:60KeV
ドーズ量:1×1016cm-2
【発明の効果】
窒化珪素膜を介して珪素半導体膜に対して水素イオンの注入を行うことによって、珪素半導体膜中における不対結合手を中和させることができ、珪素半導体膜内部の準位を減少させることができる。また水素イオンの注入を行った半導体膜を用いて、TFTを作製することで、高い特性を有するTFTを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す。
【図2】 実施例の作製工程を示す。
【図3】 実施例の作製工程を示す。
【図4】 実施例の作製工程を示す。
【図5】 実施例の作製工程を示す。
【図6】 実施例の作製工程を示す。
【図7】 実施例で作製したTFTの特性を示す。
【図8】 注入された水素イオンの濃度分布を示す。
【符号の説明】
11・・・・ガラス基板
12・・・・活性層
13・・・・酸化珪素膜
14・・・・ゲイト電極
15・・・・酸化物層
16・・・・ソース/ドレイン領域
18・・・・ドレイン/ソース領域
17・・・・チャネル形成領域
19・・・・層間絶縁膜
20・・・・電極
21・・・・電極
22・・・・窒化珪素膜
23・・・・窒化珪素膜
501・・・ガラス基板
502・・・下地膜(酸化珪素膜)
503・・・活性層
504・・・ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜)
506・・・ゲイト電極
507・・・ゲイト電極
508・・・酸化物層
509・・・酸化物層
510・・・窒化珪素膜(バリア層)
511・・・レジスト
512・・・ソース/ドレイン領域
513・・・オフセットゲイト領域
514・・・チャネル形成領域
515・・・オフセットゲイト領域
516・・・ドレイン/ソース領域
517・・・ドレイン/ソース領域
518・・・オフセットゲイト領域
519・・・チャネル形成領域
520・・・オフセットゲイト領域
521・・・ソース/ドレイン領域
522・・・層間絶縁膜
523・・・電極
524・・・電極
525・・・電極

Claims (14)

  1. 絶縁表面を有する基板上に珪素半導体膜を形成し、
    前記珪素半導体膜上にゲイト絶縁膜を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜を介して前記珪素半導体膜に水素元素または当該水素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極を覆って窒化珪素膜を形成し、
    前記ゲイト電極をマスクとして一導電型を付与する不純物を注入することによりソース領域及びドレイン領域を形成し、
    前記窒化珪素膜上から前記ゲイト電極をマスクとして水素元素または当該水素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記珪素半導体膜を加熱することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記水素元素または当該水素元素からなる化合物をイオン化して前記珪素半導体膜にH イオン、H イオン及びH イオンのいずれかを注入することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  3. 絶縁表面を有する基板上に珪素半導体膜を形成し、
    前記珪素半導体膜上にゲイト絶縁膜を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜を介して前記珪素半導体膜にフッ素元素または当該フッ素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極を覆って窒化珪素膜を形成し、
    前記ゲイト電極をマスクとして一導電型を付与する不純物を注入することによりソース領域及びドレイン領域を形成し、
    前記窒化珪素膜上から前記ゲイト電極をマスクとしてフッ素元素または当該フッ素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記珪素半導体膜を加熱することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  4. 絶縁表面を有する基板上に珪素半導体膜を形成し、
    前記珪素半導体膜上にゲイト絶縁膜を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜を介して前記珪素半導体膜に塩素元素または当該塩素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜及び前記ゲイト電極を覆って窒化珪素膜を形成し、
    前記ゲイト電極をマスクとして一導電型を付与する不純物を注入することによりソース領域及びドレイン領域を形成し、
    前記窒化珪素膜上から前記ゲイト電極をマスクとして塩素元素または当該塩素元素からなる化合物をイオン化して注入し、
    前記珪素半導体膜を加熱することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、
    前記窒化珪素はSi(4−x)(−0.3≦x≦1)で表されることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  6. 請求項乃至のいずれか一において、
    常圧雰囲気で前記珪素半導体膜を加熱することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  7. 請求項乃至のいずれか一において、
    水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素、フッ素及び塩素のいずれかを主成分とする雰囲気において前記珪素半導体膜を加熱することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記イオンを注入する方法はプラズマドーピング法であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一において、
    記ゲイト電極をマスクとして一導電型を付与する不純物を注入することによりソース領域及びドレイン領域を形成した後、前記ソース領域及び前記ドレイン領域にレーザを照射して活性化することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  10. 請求項1乃至のいずれか一において、
    記ゲイト電極をマスクとして一導電型を付与する不純物を注入することによりソース領域及びドレイン領域を形成した後、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に赤外光を照射して活性化することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一において、
    前記ソース領域及び前記ドレイン領域にイオンを注入した後、加熱温度350℃以下で層間絶縁膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一において、
    前記珪素半導体膜はレーザを照射することにより結晶化させた結晶性珪素膜であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一において、
    前記ゲイト絶縁膜は酸化珪素膜または窒化珪素膜からなることを特徴する薄膜トランジスタの作製方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一において、
    前記ゲイト電極はアルミニウム主成分とする材料、または半導体材料前記アルミニウム主成分とする材料との多層膜からなることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
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