JP3854594B2 - 拡管試験方法とその治具 - Google Patents

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Description

本発明は、特に小径鋼管の拡管試験方法と拡管試験に用いる治具に関するものである。
例えば、電縫鋼管は、供給される帯鋼をその両側から順次円筒状に曲げられ溶接機でその接合部を高周波電流により加熱、溶接されて製造される。このように製造された電縫鋼管はその溶接部が十分な強度に保たれているか否かを確認するために、従来より種々の試験が行われている。例えば、JIS規格のG0202には押広げ試験が規定されている。
この押広げ試験は、電縫鋼管を70mm程度の長さに輪切りにして円筒状の試験片とし、前記試験片を頂角が60度の円錐形の治具に乗せ、試験片を上方から押圧することによりラッパ形に拡管させて、拡管部に割れが生じたか否かを調べる試験である。
図4は、前記押広げ試験方法を示す図であり、定盤2上に設置された頂角が60度の円錐形の治具3上に試験片1を同軸に乗せ、前記試験片1をその上端からプレス装置4で押圧している状態を示している。11は試験片の上端を押圧されることにより下方で拡管されている拡管部である。前記拡管部11が所定の拡管量に到達した時にプレス装置4での押圧を止め、治具3から試験片1を取り出し前記拡管部11での割れの有無を調べる。
例えば、ボイラチューブの場合は、前記押広げ試験における拡管量は種類によって異なるがおよそ外径の20%程度に規定され、問題なく拡管することができ拡管部の割れ発生の有無を調べることができる。また、前記JIS規格に替わる押広げ試験方法として、試験片の端部に、先端に向けて外周のみを切削して外径が縮小するテーパー状に形成した後、前記試験片に形成したテーパー部を上向きにし、そのテーパー部が形成された端部に逆円錐形状の治具を同軸に押し込む試験方法がある。
特許第2966326号公報
しかし、JIS規格のG0202に規定の押広げ試験は、せいぜい外径の20%程度の拡管量による試験であるのに対し、例えば肉厚が1mmにも満たないフィラーチューブのように外径に対する肉厚の比が小さく、しかも外径寸法と同量の拡管量の試験になると、試験片の押圧部にガイドがないため試験片自身が目標の拡管量に達するまでに図4に示す試験片1の上部に座屈12が生じ、正確な押広げ試験ができないという問題がある。
また、特許文献1に記載された方法は、試験片の端部に先端に向けて外径を縮小するテーパー部を形成した後、前記テーパー部を形成した試験片の上方から逆円錐形の治具を押し込む試験方法であるため、肉厚の薄いテーパー部からの割れが発現されやすく微少疵の検査には効果的である反面、前記フィラーチューブの試験のように外径寸法と同量の拡管量とする押広げ試験になると試験片が割れてしまい押広げ試験にならないという問題がある。
本発明における拡管試験方法は、定盤上に設置した、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠内に試験片を挿入し、前記試験片内に下部が試験片の内径に相当し上部が最終拡管量に満たない少拡管量の拡管プラグを挿入して前記拡管プラグを押圧する作業を、順次、小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値の、上部が大拡管量となる拡管プラグに交換して行うことで最終拡管量とすることとしている。
また、前記拡管試験方法は、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠と複数の拡管プラグからなり、前記拡管プラグの下部は試験片の内径に相当する第一の円柱部と、前記第一の円柱部の上方を径大に導く第一の截頭逆円錐部と、前記第一の截頭逆円錐部の上方に連なる第二の円柱部を少なくとも形成し、前記複数の拡管プラグは、前記第二の円柱部に導く截頭逆円錐部の小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値であり、また、前記第二の円柱部の径が最大の拡管プラグは前記外枠の内部形状より試験片の肉厚分小さい最終拡管内径に相当する形状である拡管試験治具を使用するにより実施できる。
本発明の拡管試験方法は、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠内に試験片を挿入することで、試験片の下部全表面を外枠の内部下部で保持し、しかも試験片内に挿入した前記拡管プラグの押圧力は、拡管プラグの数に分割されて拡管に作用し試験片自身に負荷される押圧力が少なくなり、試験片を直接押圧することによる座屈発生等の問題が生じない。しかも拡管製品の加工に近似した外枠と拡管プラグを使用する拡管試験方法であるので試験結果の信頼性が高められる。また拡管試験に使用する治具は特殊な加工を施したり精密機器を採用するものでもなく、安価に作成できその保管管理も容易にできるという利点がある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者は、従来からの押広げ試験方法を実施した場合に試験片に座屈が生じる原因について種々の検討を行った。
前記図4に示す従来の押広げ試験方法であると、
1)1回のプレスで試験片1を最終拡管量まで拡管させるために、拡管部11全域に円周方向に発生する引張り力に勝る押圧力を負荷せねばならないこと、
2)円錐形の治具3と試験片1間に大きな摩擦力が発生し、摩擦力に勝る押圧力も負荷せねばならないこと、
3)押圧力を負荷する試験片1には、その変形を防止するためのガイドがないこと、
等により試験片1上端にプレス装置4の非常に大きな押圧力を必要とする。
そして、試験片1の上部でその円周方向の一部に耐座屈力の限界を超えると、その箇所が座屈の起点となり耐座屈力が飽和になっている円周方向に伝播して座屈が生じ、同時にその衝撃で上下方向にも広がり一定幅の座屈12となることが判明した。この座屈12は、試験片1の内外面が凹凸となる小さな蛇腹状である。
このような座屈12は、外径に対する肉厚の比が小さくなると発生しやすくなるが、従来からの押広げ試験では外径の2倍まで拡管する必要がなかった。また、拡管の途中で座屈が発生した場合にはその時点で合格と判定していた。そのため座屈の発生を抑制する押広げ試験方法が今まで考慮されていなかった。
そこで本発明者は、座屈の発生を防止るために、
1)1回のプレスで試験片を最終拡管量まで拡管させずに、拡管を数回に分けて行うと、拡管部に発生する摩擦力も試験片に負荷される圧縮力も大幅に低減されること、
2)拡管のためのプレス装置での押圧力を試験片に直接負荷せず、座屈の直接原因をなくすこと、
3)試験片に拡管を付与しない部分は、試験片をそのままの形状に保ち座屈を防ぐための原形保持部を試験治具に形成すること、
4)鋼管を拡管製品に加工する際の加工内容に似せ、拡管試験の信頼性を高めること、
5)簡素でその取り扱いが容易な拡管治具とすること、
等を考慮した。
すなわち、本発明に係る拡管試験方法は、定盤上に設置した、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠内に試験片を挿入し、前記試験片内に下部が試験片の内径に相当し上部が最終拡管量に満たない少拡管量の拡管プラグを挿入して前記拡管プラグを押圧する作業を、順次、小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値の、上部が大拡管量となる拡管プラグに交換して行うことで最終拡管量とする拡管試験方法である。
また、本発明に係る拡管試験治具は、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠と複数の拡管プラグからなり、前記拡管プラグの下部は試験片の内径に相当する第一の円柱部と、前記第一の円柱部の上方を径大に導く第一の截頭逆円錐部と、前記第一の截頭逆円錐部の上方に連なる第二の円柱部を少なくとも形成し、前記複数の拡管プラグは、前記第二の円柱部に導く截頭逆円錐部の小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値であり、また、前記第二の円柱部の径が最大の拡管プラグは前記外枠の内部形状より試験片の肉厚分小さい最終拡管内径に相当する形状である拡管試験治具であり、場合によっては前記拡管プラグは、前記第一の截頭逆円錐部と第二の円柱部の間に、前記第一の截頭逆円錐部に連なる第三の円柱部と前記第三の円柱部の上方に径大に導く第三の截頭逆円錐部を形成した拡管試験治具である。
本発明において、拡管するための拡管プラグを複数にして順次拡管するようにしたのは、一度に最終拡管量まで拡管させずに少量の拡管量を重ねることにより試験片下部に負荷される圧縮力を低減させると共に、拡管製品に加工する際の拡管内容に似せ拡管試験の信頼性を高めるためである。
また、拡管プラグを複数設けるのに反し外枠を一つにするのは、外枠の内部上部は最終拡管量まで拡管する過程で試験片を拘束せずに無用な歪みを試験片に与えないためであり、同時に外枠への試験片の取り付けの手数を省くためである。
そして、外枠の内部下部を試験片の外径と同寸法にしたのは、試験片を外枠内に挿入し試験片の上端から拡管プラグを挿入して拡管する際、下部に負荷される圧縮力で試験片が蛇腹状の座屈や変形するのを抑制し試験片の原形を保持するためである。試験片の外径規制は変形の余地を少なくし変形防止の最も効果的なものである。
さらに、外枠の上部を最終拡管量を規定する形状としたのは、試験片の一層薄肉厚になる拡管部分に必要以上の無駄な変形の発生を防ぎ、拡管製品の拡管形状に沿わせた拡管試験とするためである。
拡管プラグの下部を試験片の内径に相当する第一の円柱部としたのは、前記外枠の内部下部とで試験片を挟む状態として、試験片の下部変形をより一層防ぐと共に拡管プラグの拡管押圧の際の安定下降を導くためである。また、拡管プラグの各円柱部間に截頭逆円錐部を設けたのは、試験片の拡管開始部に発生する歪みを集中させず、同時に、加工製品形状に似せた試験とするためである。
同様に拡管プラグの最大拡管部を円柱部にするのも拡管製品形状に似せた試験とするためである。
更に、第一の截頭逆円錐部と第二の円柱部の間に、前記第一の截頭逆円錐部に連なる第三の円柱部とその上方に径大に導く第三の截頭逆円錐部を形成すると、試験片に発生する変形歪みが第三の円柱部分で途切れ、截頭逆円錐部での変形歪みの蓄積が減少し、試験作業者による拡管プラグの押圧速度等の試験環境の変化に余裕を持たせることができる。
なお、“外径に相当”“内径に相当”とは“外径に同一”“内径に同一”ということではなく、「外枠内に試験片の安定挿入の可能範囲」、「試験片内に拡管プラグの安定挿入の可能範囲」で、直径差で1mm以内である。
以下、本発明の拡管試験治具の一例を示す図面により説明する。なお、同じ部分には同じ符号を付与している。
図1は本発明おける3個の拡管プラグを示し、図2は前記拡管プラグと対をなす外枠の断面図を示している。
図1における拡管プラグは拡管部を第二の円柱部と第三の円柱部の2段に設けた例であり、図1の(a)図は最も小さい小拡管プラグ5、(c)図は最も大きい最大拡管プラグ7、(b)図は(a)図と(c)図の各拡管プラグの中間の大きさの中拡管プラグ6を示している。
(a)図において、51は小拡管プラグ5の第一の円柱部であって円筒状に切断した試験片の内径に相当する径にしている。また、第一の円柱部51の下端は試験片の内部に挿入容易なように円周に沿って角Cを取っている。52は第一の截頭逆円錐部であって前記第一の円柱部51の上方に形成して試験片を拡管させるための第三の円柱部53に連らなっている。54は前記第三の円柱部53の径より更に大きく拡管するための第三の截頭逆円錐部であって、この第三の截頭逆円錐部54の上方に第二の円柱部55を形成している。前記第二の円柱部55はこの小拡管プラグ5の中で最も径が大きいが、試験片の拡管量を少しに留める値である。
(b)図の中拡管プラグ6の第一の円柱部51、第一の截頭逆円錐部52、第三の円柱部53の各部の大きさは、小拡管プラグ5の大きさと同じ大きさであり、また第三の截頭逆円錐部64の広がり角度も小拡管プラグ5の広がり角度と同じ値である。その截頭逆円錐部の長さを長くすることにより拡張量を大きくし、従ってこの第三の截頭逆円錐部64に連なる第二の円柱部65は小拡管プラグ5の円柱部55に比べて大きくしている。
(c)図は最大拡管プラグ7であって、この第一の円柱部51、第一の截頭逆円錐部52、第三の円柱部53の各部の大きさは、前記小拡管プラグ5、中拡管プラグ6のものと同じ大きさで、また第三の截頭逆円錐部74は中拡管プラグ6のものと同様にその長さを長くすることにより拡張量を大きくしている。そしてこの第三の截頭逆円錐部74に連なる第二の円柱部75の径は、前記小拡管プラグ5、中拡管プラグ6のものに比べて最も大きくなり、最終拡管量における試験片の内径に相当するものであり、例えば、第一の円柱部51の径の約2倍に相当する。
図2に示す外枠8は、図1に示す拡管プラグに対応する外枠8であり、81は第一の円柱部51に対応する第一の円柱孔であって、試験片の外径に相当し、拡管プラグの円柱部51の径に対しては試験片の肉厚分大きい径の開口となっている。同様に82は拡管プラグの第一の截頭逆円錐部52に対応する第一の截頭逆円錐孔であって、第一の截頭逆円錐部52に対し試験片の肉厚分大きい径の開口となっている。また、83は第三の円柱部53に対応する第三の円柱孔であって円柱部53の径に対し試験片の肉厚分大きい径の開口となっている。
84、85は最大拡管プラグ7の第三の截頭逆円錐部74とそれに連なる第二の円柱部75の径に対応する第三の截頭逆円錐孔と第二の円柱孔であって、試験片の肉厚分大きい径の開口となっている。すなわち、外枠8に形成した内部の空間は、最大拡管プラグ7よりも試験片の肉厚分のみ大きい孔形を形成したものである。
そして、外枠8、拡管プラグ5、6、7の高さは、外枠8より拡管プラグ5、6、7を高くして外枠8への挿入、取り出しを容易としている。同様に試験片の長さも外枠8の高さよりも長いが拡管プラグ5、6、7の高さよりは短い値にして、拡管試験を容易にしている。
図3は前記した各拡管プラグと外枠8からなる試験治具を使用して拡管試験をする場合の一例を示す図である。
先ず、定盤2上に外枠8を設置する。次いで前記外枠8の高さよりやや長めに輪切りにされた試験片1を挿入する。外枠8の第一の円柱孔は前記試験片1の外径に相当するから、試験片1を定盤2上まで容易に挿入可能で外枠8の第一の円柱孔81と試験片1間には大きな隙間が生じず、しかも図示のように第一の円柱孔81の長さを適度に設けているので試験片1は安定した状態に設定でき、試験片1に押縮力が負荷されても第一の円柱孔81で試験片1の変形が抑制される。
次いで、前記外枠8内に設定された試験片1内に該試験片1の高さより長い小拡管プラグ5を挿入する。小拡管プラグ5の第一の円柱部51の径は試験片1の内径に相当し、また第一の円柱部51の下端は円周に沿って角Cを取っているので試験片1内への挿入は容易に行われる。小拡管プラグ5の第一の円柱部51が試験片1内への挿入された時点で、前記小拡管プラグ5をその上端からプレス装置4で押圧し、第一の截頭逆円錐部52、第三の円柱部53、第三の截頭逆円錐部54、第二の円柱部55に相当する部位の試験片1を拡管する。
このように試験片1に直接押圧力を加えず、また小拡管プラグ5における第三の円柱部53および第二の円柱部55の拡管量は最終拡管量の1/3程度で拡管プラグ5の押圧時に試験片1に加わる圧縮力を弱めている。
また第一の円柱部51と第一の円柱孔81を比較的長くしているので、第二の円柱部55が試験片1に達する時にはすでに第一の円柱部51の一部が外枠8の第一の円柱孔81に達し、小拡管プラグ5の円柱孔内への安定挿入と試験片1をその内面側から保持する形となっている。
小拡管プラグ5の下端が定盤2に達すると、プレス装置4を上昇をさせ、小拡管プラグ5を試験片1内から抜き取り、替って試験片1内に中拡管プラグ6を挿入する。
中拡管プラグ6は試験片1内で第三の截頭逆円錐部64の箇所までプレス装置4を作動させることなく挿入でき、かかる状態から再度試験片1の上方に突き出た中拡管プラグ6の上端からプレス装置4で押圧する。この押圧で試験片1は第三の截頭逆円錐部64の一部分と第二の円柱部65で拡管され、その新たな拡管量は最終拡管量の1/3程度である。
中拡管プラグ6の下端が定盤2に達すると、プレス装置4を上昇をさせ、中拡管プラグ6を試験片1内から抜き取り、替って試験片1内に最大拡管プラグ7を挿入する。
最大拡管プラグ7は試験片1内で第三の截頭逆円錐部74の箇所までプレス装置4を作動させることなく挿入でき、かかる状態から再度試験片1の上方に突き出た最大拡管プラグ7の上端からプレス装置4で押圧する。この押圧で第三の截頭逆円錐部74と第二の円柱部75により試験片1を最終拡管量まで拡管させる。
このように、拡管プラグに加える押圧力を拡管力に変換しながら試験片1に加え、しかも1拡管当たりの拡管量を拡管プラグの数により分散させ、製品形状に類似した円筒上に拡管している。しかも、中拡管プラグと最大拡管プラグでの拡管の際には、拡管プラグの押圧に伴なう試験片1への圧縮力は試験片の下方のみならず、第一の截頭逆円錐孔82や第三の截頭逆円錐孔84の一部でも吸収されることになる。
以下、本発明の拡管方法の実施例を示す。対象鋼管は電縫管によるフィラーチューブで拡管量は2D(D:試験片の外径)である。
本発明における試験方法は、外枠と3個の拡管プラグで順次拡管して所定の拡管量まで拡管する。
1.試験片
鋼管サイズ:外径25.4mm、肉厚0.8mm、長さ105mm
2.拡管プラグ
拡管プラグ数:小拡管プラグ、中拡管プラグ、最大拡管プラグの3種類
拡管プラグの全長:各拡管プラグ共に120mm
各拡管プラグ共に第一の円柱部:外径23.5mm、長さ40mm
各拡管プラグ共に第三の円柱部:外径26.1mm、長さ10mm
最大拡管プラグの第二の円柱部:外径48.9mm
なお、第一の円柱部と第三の円柱部の間、第三の円柱部と第二の円柱部の間には截頭逆円錐部を形成し、第一の円柱部の下端の円周部は2mmの角を取っている。
3.外枠
外枠の全長:100mm
第一の円柱孔:内径25.4mm、長さ40mm
第三の円柱孔:内径28.0mm、長さ10mm
第二の円柱孔:内径50.8mm、長さ15mm
従来例における試験方法は、定盤上に設置された頂角が60度の円錐形の治具の上に試験片を同軸状に乗せ、この試験片の上端からプレス装置で押圧する。
試験片のサイズは外径25.4mm、肉厚0.8mm、長さ70mmである。
本発明例、従来例共に50本の試験片について実施した結果、本発明例では50本全量について試験片に座屈が発生せず拡管試験を実施することができた。一方、従来例では全試験片についてほぼ1.5 D(D:試験片の外径)に拡管したところで上部に座屈が生じ拡管試験に至らなかった。
このように、従来からの押広げ試験方法では不可能であった肉厚0.8mmの薄肉厚鋼管の2D(D:試験片の外径)までの拡管試験が、本発明方法によれば全量可能となった。
以上の実施例では、3個の拡管プラグに第一の截頭逆円錐部と第三の截頭逆円錐部を設け、この拡管プラグに対応した外枠により2段に試験片を拡管する例を説明したが、本発明では1段または3段以上の拡管でも同等の結果を得ることができる。また、拡管試験の際に拡管プラグに少量の潤滑油を塗布することもできる。
電縫鋼管に限らずどのような方法で製造された鋼管であれ、鋼管の特性によりJIS規格等で規定された押広げ試験方法での試験が不可能な時にも適用できる。
本発明おける拡管プラグを示した図であり、(a)は小拡管プラグ、(b)は中拡管プラグ、(c)は最大拡管プラグを示した図である。 外枠の断面図を示した図である。 本発明の外枠と拡管プラグを使用した拡管試験方法の一例を示す図である。 従来の押広げ試験方法を示す図である。
符号の説明
1 試験片 11 拡管部
12 座屈
2 定盤
3 円錐形の治具
4 プレス装置
5 小拡管プラグ
51 第一の円柱部 52 第一の截頭逆円錐部
53 第三の円柱部 54 第三の截頭逆円錐部
55 第二の円柱部
6 中拡管プラグ 64 第三の截頭逆円錐部
65 第二の円柱部
7 最大拡管プラグ 74 第三の截頭逆円錐部
75 第二の円柱部
8 外枠 81 第一の円柱孔
82 第一の截頭逆円錐孔 83 第三の円柱孔
84 第三の截頭逆円錐孔 85 第二の円柱孔

Claims (3)

  1. 拡管試験方法において、
    定盤上に設置した、内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠内に試験片を挿入し、
    前記試験片内に下部が試験片の内径に相当し上部が最終拡管量に満たない少拡管量の拡管プラグを挿入して前記拡管プラグを押圧する作業を、順次、小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値の、上部が大拡管量となる拡管プラグに交換して行うことで最終拡管量とすることを特徴とする拡管試験方法。
  2. 内部下部が試験片の外径に相当し内部上部が最終拡管量を規定する外枠と複数の拡管プラグからなり、
    前記拡管プラグの下部は試験片の内径に相当する第一の円柱部と、前記第一の円柱部の上方を径大に導く第一の截頭逆円錐部と、前記第一の截頭逆円錐部の上方に連なる第二の円柱部を少なくとも形成し、
    前記複数の拡管プラグは、前記第二の円柱部に導く截頭逆円錐部の小径部が同じ径で、広がり角度も同じ値であり、また、前記第二の円柱部の径が最大の拡管プラグは前記外枠の内部形状より試験片の肉厚分小さい最終拡管内径に相当する形状であることを特徴とする拡管試験治具。
  3. 前記拡管プラグは、前記第一の截頭逆円錐部と第二の円柱部の間に、前記第一の截頭逆円錐部に連なる第三の円柱部と前記第三の円柱部の上方に径大に導く第三の截頭逆円錐部を形成したことを特徴とする請求項2記載の拡管試験治具。
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