JP3855882B2 - カートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に装着されるカートリッジに関し、特に、印刷装置と無線通信を利用して所定の通信を行うカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタ等の印刷装置に装着されるカートリッジには、そのカートリッジの製造番号や製造日、充填されたインクの種類などの個体情報を記録したメモリを備えたものがあり、また、残存するインク量を測定するためのセンサを備えたものも提案されている。印刷装置は、このようなカートリッジと所定の通信を行うことにより種々の情報をカートリッジ側とやり取りすることができる。通信は、印刷装置とカートリッジとを電気的に接触させて行うものと、電磁波を利用して非接触式に行うものがあった。印刷装置と非接触式に通信を行うカートリッジの場合は、印刷装置から直接電力が供給されないため、受信した電磁波を利用して電磁誘導により電力を生成している。電磁誘導により生成した電力は2系統の電源系統に分けられ、それぞれ上述のメモリ部と検出部とに接続されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電源系統を2系統用いることにより、回路構成は複雑になっていた。特に、電磁波を利用して電磁誘導により電力を生成する場合は、電力供給が限られるので、2つの電源回路を持つ余裕がなく、回路構成を単純化する要求が存在した。他方、圧電素子を用いた検出部は、圧電素子を駆動するのに高い電力が必要であり、検出部用の電源回路をメモリ部用の電源回路と兼用することは困難であった。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、メモリ部側の処理に影響を与えることなく、1つの電源系統でメモリ部と検出部とに電力を供給する機能を備えたカートリッジを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決する本発明のカートリッジは、
印刷装置に装着される、印刷用の記録材料を収容したカートリッジであって、
センサを用いて該記録材料に関する物理量の検出を行なう検出部と、
少なくとも当該カートリッジに関する情報を不揮発的に記憶するメモリ部と、
前記印刷装置との間で無線通信を行なう通信部と、
該通信部を介して、前記印刷装置から発信された所定の制御コマンドを受信する受信部と、
当該受信した制御コマンドに基づいて、前記検出部または前記メモリ部を動作させる制御部と、
前記印刷装置から電磁誘導を利用して電力を受け取り、少なくとも前記検出部および前記メモリ部に電力を供給する単一の電源部と、
前記電源部から前記検出部への前記電力供給および前記電源部から前記メモリ部への前記電力供給のいずれか一方を行う電力供給制御手段と、
を備えることを要旨としている。
【0006】
本発明のカートリッジによれば、メモリ部側に影響を与えることなく、1つの電源系統でメモリ部と検出部とに電力を供給することが可能になる。また、メモリ部へのアクセスと、検出部による検出処理を異なるタイミングで行なうようにすれば、メモリ部へアクセスする際の電力と検出部による検出処理を行なうための電力はお互いに影響を与えなくなる。また、圧電型のセンサの場合、複数回電圧を加えれば、検出に必要な電力を確保できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)インク容器の概略構成:
以下、本発明の実施の形態について実施例に基づき説明する。図1は、インク容器100の外観斜視図である。インク容器100の下部には、プリンタの印刷ヘッドにインクを供給するためのインク供給口110が設けられており、上部にはプリンタと電波により通信するためのアンテナ120や、インク量を測定するセンサSSを含むロジック回路130が備えられている。なお、本実施例ではインクジェット記録装置に用いられるインク容器100について説明するが、インク容器100に限らず、レーザプリンタに用いるトナーを収容したトナー容器であってもよい。
【0008】
本実施例では、センサSSに圧電アクチュエータを用いるものとした。インク容器100は、圧電アクチュエータに電圧を印加して逆圧電効果により圧電素子を振動させ、その残留振動の圧電効果により発生する電圧の変化からその振動周波数を測定する。この周波数は、インク容器に残存するインク量に応じて変化するため、インク量の測定に用いることができる。出願人の実験によれば、この周波数が90KHzのときはインクが十分に存在し、110KHzのときはないものとして判別することができた。もちろん、この周波数はインク容器の容積に応じて変化するものであり、すべてのインク容器について一義的に定められるものではない。なお、本実施例では、センサとして圧電アクチュエータを用いて説明したが、容器内のインクやトナー等の記録材料の状態を測定することが可能であれば、他のセンサであっても良い。
【0009】
(2)インク容器の電気構成:
図2は、インク容器100に備えられたロジック回路130のブロック図である。ロジック回路130は、RF回路200、制御部210、EEPROM220、インク量検出部230、電力生成部240を備えている。
【0010】
RF回路200は、アンテナ120を介してプリンタPTから受信した電波を復調する復調部201と、制御部210から入力した信号を変調してプリンタPTに送信する変調部202とを備えている。プリンタPTは27.12MHzの搬送波を発信しており、この搬送波をASK変調することにより制御コマンドをインク容器100に送信する。ASK変調とは搬送波の振幅をデジタル信号に対応させて変化させる方式である。
【0011】
一方、制御部210からプリンタPTに返信されるコマンドやデータは、変調部202によりPSK変調して送信を行う。PSK変調とは、搬送波の位相をデジタル信号に対応させて変化させる方式である。プリンタPTとインク容器100とは、このような方式により相互に通信を行う。なお、ここで説明した変調方式は例示に過ぎず、他の変調方式を利用可能であることはいうまでもない。
【0012】
本実施例では、制御部210は、CPU211,ROM212,RAM213を備えており、復調部201により復調された制御コマンドに応じて種々の処理を行うものとした。この処理は、例えば、EEPROM220に記録された情報を読み出してプリンタPTに送信したり、インク量検出部230を用いてインク量を検出したりする処理である。これらの処理は、コンピュータを用いず、ロジック回路のみによるハードウェアシーケンスにより実現することも可能である。
【0013】
電力生成部240は、RF回路200が受信した搬送波を整流して電力を生成する。ここでは、生成される電力の出力電圧は5Vである。図では結線を省略したが、電力生成部240は、RF回路200や制御部210、EEPROM220等に接続されており、その出力は、各々を駆動するための電力源として用いられる。
【0014】
EEPROM220にはインク容器100の製造番号や製造日、充填されたインクの種類等の情報が予め記録されている。制御部210は、プリンタPTからの指示によりこれらの情報をEEPROM220から読み取り、送信する。EEPROM220には、上記以外の情報も書込み可能であり、例えば後述の方法によって検出したインク量に関するデータを書き込むことができる。なお、データの消去や書き込みにはEEPROM220内部では5Vよりも高い電圧(6V〜12V)が必要になるため、チャージポンプを内蔵している。
【0015】
(3)インク量検出部の回路構成:
図3は、インク量検出部230の回路構成である。図示するようにインク量検出部230は、制御部210からの充電信号を入力する端子TAと、放電信号を入力する端子TB、および、コンパレータCPの信号を制御部210に出力する端子TCとを備えている。
【0016】
トランジスタTr1はPNP型トランジスタであり、ベースは端子TAと接続され、エミッタは電力生成部240に接続されている。そしてコレクタは抵抗器R1を介してセンサSSに接続されている。一方、トランジスタTr2はNPN型トランジスタであり、ベースは端子TBに接続され、コレクタは抵抗器R2を介してセンサSSに接続されている。そしてエミッタは接地されている。
【0017】
センサSSの一端は接地されており、抵抗器R1,R2を介してトランジスタTr1,Tr2と接続された他端はアンプAPにも接続されている。アンプAPはさらにコンパレータCPに接続されており、コンパレータCPの出力端子は端子TCに接続されている。
【0018】
(4)処理
以下、インク容器における処理について説明する。図4は、制御部210が制御コマンドを受信した際の処理を示すフローチャートである。制御部210は、プリンタPTから復調部201を介して制御コマンドを受信すると(ステップS20)、制御コマンドを制御コマンドテーブル260に受信日時をあわせて保存する(ステップS25)。
【0019】
図5は、制御部210がメモリアクセス処理とインク量測定処理の制御をする処理を示すフローチャートである。まず、先述した制御コマンドテーブル260から、保存日時の最も古い制御コマンドを検索する(ステップS30)。制御コマンドテーブルに制御コマンドが保存されていない場合は(ステップS35)、何もしないで処理を終える。制御コマンドが存在した場合(ステップS35)、その制御コマンドがメモリアクセス処理を指示する制御コマンドなのか、インク量測定処理を指示する制御コマンドなのか判別する(ステップS40)。
【0020】
メモリアクセス処理を指示する制御コマンドである場合(ステップS40)、メモリアクセス処理を行なう(ステップS50)。メモリアクセス処理では、制御部210が、EEPROM220に保存されているインク残量情報やインク容器を特定するためのID情報などを読み出したり、EEPROM220にインク残量情報などを書き込んだりする。制御部210は、情報を読み出した場合は、その情報を変調部202を介してプリンタPTに送信する。
【0021】
一方、インク量測定処理を指示する制御コマンドである場合は(ステップS40)、インク量測定処理を行なう(ステップS50)。図6は、インク量測定処理を表わすフローチャートである。まず、制御部210は、充電信号をインク量検出部230に出力する(ステップS101)。次に、所定時間経過後に放電信号を出力する(ステップS102)。制御部210は、ステップS101とステップS102の処理を2回繰り返す(ステップS100,S103)。その後、インク量検出部230からのコンパレータ出力を入力する(ステップS104)。制御部210はこのコンパレータ出力からセンサSSの振動周波数を測定し、その周波数に応じてインク量の状態を判別する(ステップS105)。制御部210は、この周波数が90KHzのときはインクが十分に存在すると判断し(ステップS106)、110KHzの時にはないものとして判断する(ステップS107)。このように判断した結果は、RF回路200を介してプリンタPTに送信する(ステップS108)。制御部210は、以上の処理によりインク容器内に残存するインク量を測定する。
【0022】
以下、図7で示すタイミングチャートと図3を参照して上記動作を説明する。トランジスタTr1は、制御部210からの充電信号がハイになるとオン状態となる。そのため、電力生成部240により生成した電圧が抵抗器R1を介してセンサSSに印加されることとなり、センサSSの圧電素子が逆圧電効果によって歪む。次に、制御部210が充電信号をローにして放電信号をハイにすると、トランジスタTr2がオン状態になり、センサSSが抵抗器R2を介して放電される。通常、圧電素子を振動させるために18V程度の高い電圧が必要となるが、電力生成部240は、5Vしか生成しない。よって、圧電素子の振動に必要なエネルギを圧電素子に与える為に、圧電素子に2回電圧を加える。つまり、先述したように、制御部210は、充電信号出力と放電信号出力を2度繰り返す。そのエネルギによってセンサSSの圧電素子は振動し、圧電効果によって電圧の変化が生じる。アンプAPはこの電圧の変化を増幅する。コンパレータCPは、この増幅された電圧の変化をハイ/ローの2つの信号に変換して制御部210に出力する。制御部210は、このように入力した信号から、センサSSの振動周波数を算出して、インク容器100内のインク量を測定する。
【0023】
以上説明した実施例によれば、1つの電力源でメモリアクセス処理に必要になる電力とインク量測定処理に必要になる電力を確保することが可能となる。メモリアクセス処理とインク量測定処理を異なるタイミングで行ない、お互いに他の処理の影響を受けることもない。また、圧電素子に複数回電圧を加えることで、インク量測定処理において必要なエネルギを確保することが可能となる。また、メモリアクセス処理に必要な最低限の電圧も確保されている。
【0024】
更に、1つの電力源で回路構成を行なうことにより、回路構成を簡略化することが可能になる。特に本発明では電磁誘導による発電を行なっており、電力供給が限られているため、1つの電源回路で発明を構成することが望ましく、その点でも回路構成を簡略化できる点はメリットである。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に様々な形態で実施しうることは勿論である。例えば、上記インク量測定処理では、ステップS108においてインクの残存状態を表すデータをプリンタに送信するものとしたが、それと同時に、あるいは代替してEEPROM220にそのデータを書き込むこととしてもよい。こうすることにより、インク容器100をプリンタPTから取り外して他のプリンタに装着した場合に、再度インク量の測定をしなくても即座にインクの残存状態を知ることができる。
【0026】
また、実施例では、インクを収容するインク収容室を1つ具備したインク容器100について説明したが、インク収容室を複数有するインク容器100にも本発明を適用可能である。このようなインク容器100では、インク収容室毎に異なる種類のインクを収容することができるため、収容室毎にセンサとEEPROMを備えることが多い。
【0027】
更に実施例では、圧電素子が十分振動するだけのエネルギを圧電素子に対して与えるために、センサSSに2度加圧したが、2度に限らず、必要ならば更に多くの回数分加圧してもよい。また、1度の加圧で与えるエネルギが圧電素子の振動に十分ならば、1度の加圧でもよい。また、圧電素子が十分振動するだけのエネルギを圧電素子に対して与えるためには、コンデンサを設けてもよい。
【0028】
また、実施例では、制御部210はコンパレータ出力からセンサSSの振動周波数を測定し、その周波数に応じてインク量の状態を判別し、結果をプリンタPTに送信するが、インク有無の判断を行なうことなく、コンパレータ出力の複数パルスの期間だけ基準クロックをカウントして、そのカウント結果だけを送信するものとしてもよい。
【0029】
更に、本発明のインク容器において、アンテナ120およびロジック回路130の全部または一部を1チップ化したシステムLSIとして構成しても良い。
【0030】
更に実施例では、プリンタPT側のアンテナは送受信共用アンテナで、ロジック回路130側のアンテナ120も送受信共用アンテナであるが、プリンタPT側のアンテナは送信用アンテナと受信用アンテナが別個に存在し、ロジック回路130側のアンテナ120のみ送受信共用アンテナであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク容器100の外観斜視図である。
【図2】インク容器100のロジック回路のブロック図である。
【図3】インク量検出部230の回路構成である。
【図4】制御コマンド受信時の制御部210のフローチャートである。
【図5】制御部210がメモリアクセス処理とインク量測定処理の制御をする処理を示すフローチャートである。
【図6】制御部210が実行するインク量測定処理のフローチャートである。
【図7】インク量検出部230を構成する回路のタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…インク容器
110…インク供給口
120…アンテナ
130…ロジック回路
200…RF回路
201…復調部
202…変調部
210…制御部
220…EEPROM
230…インク量検出部
240…電力生成部
260…制御コマンドテーブル

Claims (6)

  1. 印刷装置に装着される、印刷用の記録材料を収容したカートリッジであって、
    センサを用いて前記記録材料に関する物理量の検出を行なう検出部と、
    少なくとも前記カートリッジに関する情報を不揮発的に記憶するメモリ部と、
    前記印刷装置との間で無線通信を行なう通信部と、
    前記通信部を介して、前記印刷装置から発信された所定の制御コマンドを受信する受信部と、
    当該受信した制御コマンドに基づいて、前記検出部または前記メモリ部を動作させる制御部と、
    前記印刷装置から電磁誘導を利用して電力を受け取り、少なくとも前記検出部および前記メモリ部に電力を供給する単一の電源部と、
    前記電源部から前記検出部への前記電力供給および前記電源部から前記メモリ部への前記電力供給のいずれか一方を行う電力供給制御手段と、
    を備えたカートリッジ。
  2. 請求項1記載のカートリッジであって、
    前記電力供給制御手段は、前記検出部と前記メモリ部とを排他的に動作させる手段であるカートリッジ。
  3. 請求項1記載のカートリッジであって、
    前記電力供給制御手段は、前記センサへの電力供給を、時間的に分離された複数回の電圧印加により実現する手段であるカートリッジ。
  4. 請求項1記載のカートリッジであって、
    前記メモリ部は、前記不揮発的な記憶のために、データの読み出しに要する電圧より高い電圧を用いて、記憶したデータの書き換えを行なう記憶素子を備えたカートリッジ。
  5. 請求項1記載のカートリッジであって、
    前記印刷用の記録材料はインクまたはトナーであるカートリッジ。
  6. 請求項1記載のカートリッジであって、
    前記センサが、圧電素子を用いたものであるカートリッジ。
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