JP3855923B2 - スターターモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの始動に使用されるスターターのスターターモータに関し、とくにスターターモータの組付性の向上にかかわる。
【0002】
【従来の技術】
スターターモータは、ヨーク内周に、主磁極として複数個の竿状永久磁石(主磁石)を等間隔に配置している。この主磁石を配置するために、周方向に隣り合う主磁石の間に、前記主磁極の周方向側面に対し弾性力を付与する一対の側板を有し、かつ該一対の側板の間に補助極が設置可能な磁石保持部材を設置している(たとえば、特許文献1参照)。磁石保持部材は板バネ製であり、ヨークの内周壁に軸方向に係止される底板と、該底板の両側を略直角に折り曲げた一対の側板とを備えた、略コ字形の断面を有する。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−261989公報(第1〜8頁、図1〜図9)
【0004】
磁石保持部材の一対の側板の軸方向端部には、主磁極(主磁石)を組つけ後に周方向外側に広げられ、主磁極の軸方向端面を支持する支持片が設けられている。一対の側板には、内径側端部を内側に約90度折り曲げて形成され、補助極の内周面を支持可能な棚縁が形成されている。各棚縁の長手方向(軸方向)先端部は、側板と切り込みにより切り離されるとともに外径方向に折り曲げられ、補助極の軸方向端面を係止可能な係止片となっている。このため、支持片と係止片とは直行的な位置関係にある。この磁石保持部材は、多数個をパーツフィーダに投入して1個づつ組付治具に供給され、自動組み付けされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の磁石保持部材は、支持片の内径方向への高さが係止片の高さより低く、支持片と係止片との間に大きい隙間が存在している。このため、多数個の磁石保持部材をパーツフィーダに投入した際に、この隙間に他の磁石保持部材の一部分が入り込み、支持部が互いに絡み合い分離が困難となる。この結果、パーツフィーダによる部品の供給が円滑にできず生産性が悪い問題があった。
【0006】
【目的】
請求項1に記載の発明の目的は、多数個をパーツフィーダに投入した際に磁石保持部材同士が絡み合うことを防止できるスターターモータの提供にある。
請求項2または3に記載の発明の目的は、主磁極を挿入する作業が円滑にできる磁石保持部材を備えたスターターモータの提供にある。
請求項4に記載の発明の目的は、主磁極を挿入する作業が円滑にできるとともに主磁極の周方向の保持力が大きくできる磁石保持部材を備えたスターターモータの提供にある。
請求項5に記載の発明の目的は、パーツフィーダにより磁石保持部材を供給する際の自由度を増大し組付性を向上した磁石保持部材を備えたスターターモータの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のスターターモータは、磁石保持部材は、一対の側板の軸方向端部に形成され、主磁極を嵌め込んだ後に周方向外側に広げられ主磁極の軸方向端面を支持する支持片と、一対の側板の内径側端部を内側に折り曲げて形成され、補助極の内周面を支持可能な棚縁と、該棚縁の軸方向先端を側板から切り離すとともに外径方向に曲げて形成され、補助極の軸方向端面を支持可能な係止片とを備え、支持片は係止片に対し、内径方向に同等又はそれ以上の高さを有する。
【0008】
この発明では、支持片が係止片より内径方向に同等又はそれ以上の高さを有するため、支持片と係止片と間の隙間が減少する。このため、他の磁石保持部材が隙間に入りにくくなり、磁石保持部材同士の絡みが減少する。また、主磁極の軸方向端面を支持する支持片が長くなるため、主磁極の保持力を増大できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、支持片の端部および一対の側板の端部に、後退するテーパーを形成している。この構成では、主磁極を磁石保持部材の間へ挿入する際に、主磁極の端面と磁石保持部材の端面とが引っ掛かることによる主磁極の挿入不良を低減でき、組付性が向上できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、支持片は、側板より周方向外側に弾性変形可能に突き出している。この構成では、主磁極の挿入時に治具により支持片を周方向内側に容易に弾性変形させることができる。このため、主磁極の挿入性が向上し、磁石の挿入不良が低減するとともに組付性が向上する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、支持片と周方向にラップしている係止片の部位に、切欠き部を形成している。この構成によれば、主磁極を磁石保持部材へ挿入する際に、支持片が切欠き部に入り込んで周方向内側に弾性変形できるため、主磁極の挿入性が向上する。また、一対の側板を外側に開いて設定することが可能になるため、主磁極側面により強い弾力を付与することができ、主磁極の保持力が増大する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、支持片および側板は、磁石保持部材の軸方向に左右対称形状となっている。このため、磁石保持部材の供給および組付に双方性があり、生産性が向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の形態であるスターターモータ(以下、モータ)1を使用したスタータを示し、オーバーランニングクラッチ11、マグネットスイッチ12を備えている。モータ1の回転は出力軸からピニオンギアが配備されているオーバーランニングクラッチ11に伝達される。オーバーランニングクラッチ11は、始動時にマグネットスイッチ12によるレバー操作によって軸方向に押し出され、エンジンのクランクシャフトに取り付けられたリングギア(いずれも図示せず)に一時的にかみ合い、モータ1の回転力をリングギアに伝達してエンジンをクランキングする。
【0014】
モータ1は直流モータであり、円筒状のヨーク10の両端に、フロントカバー14およびリアカバー15を接合し、スルーボルト16で締結したハウジング内に、電機子17を回転自在に配置している。
【0015】
図2、図3に示す如く、ヨーク10の内周壁には、磁石保持部材2と、矩形断面を有する竿状永久磁石からなる主磁極3とが交互に等間隔に配置されている。主磁極3内には矩形断面を有する小型の竿状永久磁石からなる補助極4が挿入されている。なお、補助極4を省略した型式も使用されている。
【0016】
ヨーク10は、軟鉄板を円筒形に加工して形成され、主磁極3は、半径方向にS極とN極とが現れるように着磁されている。周方向に隣り合う主磁極3は、磁極が異なるように着磁されている。補助極4は、主磁極3と同様に週方向に交互にS極とN極とが現れるように着磁されている。だだし、隣接する主磁極3に内周側に現れる磁極と同一極性を有するように着磁されている。
【0017】
主磁極3は、主磁極3と交互にヨーク10の内周壁に固着された板バネ製の磁石保持部材2によって保持されている。磁石保持部材2は、前後および左右で対称構造となっており、ヨーク10の内周壁に打ち出し成形され突起18、18に係合する窓20、20を備えた底板21を備える。底板21の両側からは、内径(中心)方向に約90度折り曲げた側板22、22が設けられており、略コ字形の断面を有する。
【0018】
底板21の幅は、主磁極3、3の間の幅とほぼ同一であり、側板22、22は内径側が幾分広開した状態となっている。これにより、主磁極3は、両側面31、31が側板22、22の弾性力により周方向に付勢され、ヨーク10の内周壁に周方向に保持されている。側板22の軸方向の両先端には、欠落部23を介して底板21から側板22と略同方向に支持片5が設けられている。支持片5は、主磁極3を隣り合う磁石保持部材2の側板22、22の間に嵌め込んだ後に、周方向外側に広げられ、主磁極3の軸方向端面32、32を支持し、主磁極3を軸方向に保持する作用を有する。
【0019】
磁石保持部材2は、側板22、22の中心側端部を、略90度内側(周方向)に折り曲げて形成した棚縁24、24を有する。各棚縁24の軸方向両端部25、25は、角に設けた切り込み26、26で側板22、22と分離されるとともに、幾分外径側に曲げられている。両端部25、25の先端部は、約120度外径側に折り曲げて形成され補助極4の軸方向端面41を係止する係止部6、6となっている。底板21には、軸方向両側に周方向に対抗したコ字形の切り込みを入れ、内径側に折り曲げた切り起こし片27、27が設けられている。
【0020】
補助極4は、棚縁24、24に内周面42を支持されるとともに、弾性を有する切り起こし片27、27に外周面43を押圧されることにより径方向の移動を規制されている。また、係止部6、6により軸方向端面41、41を係止されて軸方向への移動が規制されている。
【0021】
支持片5の径方向高さは、組み付け前の状態で、係止部6の径方向高さより内径側に少なくとも同等か、それ以上の高さを有する。すなわち、磁石保持部材2は、主磁極3を保持する支持片5の径方向長さが、係止部6の位置より内径側にある。このため、磁石保持部材2の隙間50に、他の磁石保持部材2の一部が入り込む確率が減少する。また、支持片5の径方向長さが長いため、主磁極3を軸方向に保持する作用が増大する。
【0022】
支持片5の軸方向両端および側板22の軸方向両端には、後退方向(挿入方向)にテーパー51およびテーパー28が設けてある。このため、ヨーク10の内周壁に取り付けた磁石保持部材2、2の間に、竿状の主磁極3を挿入する作業において、主磁極3の先端が支持片5または側板22の端部に引っかかり難くなる。この結果、組み付け作業が円滑にでき生産性が向上する。
【0023】
さらに、支持片5が組み付け前の状態で、棚縁24および係止部6より周方向外側に弾性変形が可能に突き出して形成されている。このため、主磁極3を挿入する際に、治具により支持片5を周方向内側に弾性変形させておくことが容易にできる。この結果、磁石保持部材2、2の間に、主磁極3を挿入する作業において、主磁極3の先端が支持片5に引っかかる不具合を低減でき、生産性が向上する。
【0024】
図7に示すように、第2実施例にかかる磁石保持部材2は、支持片5の組み付け前の状態で、支持片5と周方向にラップする係止部6の先端部外側に切欠き61を設けている。この切欠き61は、主磁極3を挿入する際に、支持片5が内周方向に弾性変形することを許容するため、主磁極3の挿入作業が容易になる。また、主磁極3の挿入前の状態では側板22をさらに外側に広げて設定することが可能になり、これにより主磁極3の両側面31により強い弾性力を付与できるため、主磁極3の保持強度が増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスターターモータを装着したスタータの側面図である。
【図2】スターターモータのヨークの正面図である。
【図3】スターターモータのヨークの側面図である。
【図4】磁石保持部材の斜視図である。
【図5】磁石保持部材の断面図である。
【図6】磁石保持部材の側面図である。
【図7】第2実施例の磁石保持部材の斜視図および側面図である。
【符号の説明】
1 スターターモータ
10 ヨーク
2 磁石保持部材
21 底板
22 側板
24 棚縁
3 主磁極
4 補助極
5 支持片
50 隙間
6 係止部(係止片)
61 切欠き
Claims (5)
- ヨーク内周に、軸方向に平行した一対の側板を有し該一対の側板の間に補助極が設置可能な複数の磁石保持部材を等間隔に取り付け、該磁石保持部材間に竿状を呈する磁石からなる主磁極を嵌め込んで、前記側板の弾性力で前記主磁極の周方向側面を挟持するスターターモータにおいて、
前記磁石保持部材は、前記一対の側板の軸方向端部に形成され、前記主磁極を嵌め込んだ後に周方向外側に広げられ前記主磁極の軸方向端面を支持する支持片と、前記一対の側板の内径側端部を内側に折り曲げて形成され、前記補助極の内周面を支持可能な棚縁と、該棚縁の軸方向先端を前記側板から切り離すとともに外径方向に曲げて形成され、前記補助極の軸方向端面を支持可能な係止片とを備え、
前記支持片は前記係止片に対し、内径方向に同等又はそれ以上の高さを有することを特徴とするスターターモータ。 - 請求項1に記載のスターターモータにおいて、前記支持片の端部および前記一対の側板の端部に、後退する方向のテーパーを設けたことを特徴とするスターターモータ。
- 請求項1または2に記載のスターターモータにおいて、前記支持片は、前記側板より周方向外側に弾性変形可能に突き出していることを特徴とするスターターモータ。
- 請求項3に記載のスターターモータにおいて、前記支持片と周方向にラップしている前記係止片の部位に切欠きを形成し、前記側板の内径側の周方向外側への広開を許容したことを特徴とするスターターモータ。
- 請求項3または4に記載のスターターモータにおいて、前記支持片および前記側板は、前記磁石保持部材の軸に直行する方向に対称であることを特徴とするスターターモータ。
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