JP3857748B2 - 靴製造方法及びこの方法により製造される靴 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、靴製造方法およびこの方法により製造される靴に関する。
【0002】
【関連する技術】
従来のスポーツ靴たとえば登山靴の製造では、非剛体ソックスを用いている。すなわち、ソックスの上方領域の外縁を、底部が開口した上部体に縫いつけて、ソックスを上部体(アッパー)に結合している。これに続いて、上部体をくつ型の内部に配置し、上部体の端を適合形の中底の上で折り返して中底に縫いつけ或いは糊付けし、これにより、非剛体ソックスを完全に包囲するのに適した閉構造体を得ている。そして、トレッド(踏面部)を備えた靴底を、射出成形または縫いつけによって、上部体の下方に結合させている。
【0003】
EP0152783号に開示された平坦な靴底は、箱型形状の爪先領域を有すると共に、その踵領域にカウンタ(月型)を有している。これらの部品は、側壁によって結合されている。靴底は、これに関連づけられ撓み特性が可変の選択的支持手段を備えている。そして、靴底と靴底部品は、上部体に縫い付けられ又は糊付けされる。
【0004】
US−4,706,316に開示された靴製造方法においても、互いに別体の個別部品を製造する必要がある。そして、個別部品を互いに関連づけて得た上部体に靴底が糊付けされる。
上述した双方の問題解決策は、いずれの場合にも、踵用のカウンタと爪先用のカウンタとを設けた部材を有している。この部材は、その他の靴部品と共に、上部体に縫いつけられ或いは糊付けされる。
【0005】
上記従来方法によれば、上記部材と非剛体ソックスとからなるユニットが半製品として供され、この半製品に種々の部品が装着される。従って、組立ては簡単である。しかしながら、依然として手作業が必要である。
また、上記従来方法では、各種部品を相互に関連づけるための縫いつけ作業又は糊付け作業が必要になる。
【0006】
上記の手作業の性質上、製品の品質は作業者の熟練度に依存し、従って、製品の品質を確実に一定にすることはできない。
また、靴の外側に縫い目があるので、靴の耐水性が相当に低下する。
その上、組立作業コストが高くなり、従って、製品が高価になる。
FR−2208279号に開示の靴製造方法は、靴底部材に結合された上部体からなる半製品の上に合成樹脂材料を成形する工程を含む。この方法には、成形以前に、上部体と靴底部材とを堅固に関連づけねばならないという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、手作業工程数を低減しつつ、靴を製造可能とする高度に工業化された方法を提供することにより、上述の技術的問題点を解決して上記従来技術の欠点を解消することにある。
上記目的の範囲内において、重要な目的は、縫いつけ量および縫いつけ領域を大幅に低減可能な方法を提供することにある。
【0008】
別の重要な目的は、一定品質でかつ高品質の靴を製造可能な方法を提供することにある。
別の重要な目的は、耐水性およびユーザ快適特性に優れた靴を製造可能な方法を提供することにある。
別の目的は、使用における信頼性および安全性に富み、通常の機械、設備を用いて製造可能な靴を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の、及び後述の説明から明かになるその他の目的は、下記の工程を備えた靴製造方法によって達成される。すなわち、靴製造方法は、くつ型に上部体を配置し、また、前記上部体にテンションを加える工程と、爪先領域と、中央部により結合された踵領域とによって構成され、前記爪先領域と前記踵領域における側面に複数の第1の孔が形成された中間部材に前記上部体を乾式結合する工程と、前記中間部材を型の内部に配置し、前記型の中に合成樹脂材料を鋳込むか或いは射出成形し、前記合成樹脂材料を前記第1の孔に進入させて前記上部体に作用させることにより、前記中間部材を前記上部体に結合させて前記爪先領域から前記踵領域に至る半製品を製造する工程と、前記半製品に靴底部材を結合する工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴および利点は、添付図面に非限定的な例としてのみ図示した特定の実施例の詳細な説明から明かとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照すると、参照符号1により一般的に示した非剛体ソックスまたは上部体は、適合形の中底(図示略)と、外側に関連づけられた上部体とを有している。
非剛体ソックスまたは上部体1は、適合形のくつ型(図示略)の内部に配される。そして、上部体にテンションを加えて、くつ型に良好に密着させる。
【0012】
次に、非剛体ソックスまたは上部体1に中間部材2を乾式結合させる。中間部材2は、上部体の下方領域と、踵領域4および爪先領域5の一方または双方とに係わる。踵領域4と爪先領域5は互いに結合されている。
中間部材2の側面には複数の第1の孔6が形成されている。好ましくは、これらの孔を踵領域4と爪先領域5とに形成する。
【0013】
中間部材2の下縁9を越えて突出する突起8を中間部材2の土踏まず領域7に設けても良い。
本発明の方法では、次に、中間部材2を型の内部に配して、必須ではないが好ましくは、単一成分または複合成分からなるポリウレタンなどの、コンパクトな熱可塑性または熱硬化性あるいは膨張性の材料を、少なくとも中間部材2に重なるように、少なくとも1回射出しまたは鋳込む。好適実施例では、2成分からなる膨張性のポリウレタンが用いられ、このポリウレタンは射出された後に型の内部で膨張する。
【0014】
この様にして、参照符号11で一般的に示す半製品が製造される。半製品において、熱硬化性または熱可塑性あるいは膨張性の材料は、中間部材2に形成した孔6に侵入する。また、図2に示すように、熱硬化性または熱可塑性材料は、非剛体ソックスまたは上部体1の踵領域4および爪先領域5に隣接する表面部分に作用して、非剛体ソックスまたは上部体1と最適に結合する。
【0015】
この様にして得た半製品11には如何なる縫い目もなく、非剛体ソックスまたは上部体1の側方および下方領域には、すなわち、歩行中に水と直接に接触する領域には、防水壁が形成されることになる。
そして、糊付けなどの従来法により、或いは、熱可塑性発泡材料あるいは膨張性の材料を、第1の射出と同時に射出しまたは後述のように付加的に射出すること(第2の射出)により、靴底、またはローラスケートなどのその他の靴底部材を、半製品11の下方に結合可能である。図3に示す特定の解決策では、靴底は、2つのトレッド12a、12bから構成される。両トレッドは、踵領域および爪先領域に結合される。
【0016】
ユーザの快適性を向上するためには、所望の撓み特性を有した一つ以上のブロックを空洞部10内に挿入しても良い。
以上のように、本発明によれば、手作業による組立工程数を低減し、かつ、縫い目を非剛体ソックスまたは上部体のみに制限し、或いは、可能ならば非剛体ソックスと上部体との結合部のみに制限しつつ、靴製造の更なる工業化が可能になる。従って、本発明が、企図した目的を達成することは明かである。更に、縫い目は、歩行中に地面に直接に接触しない領域またはその近傍に設けられている。
【0017】
従って、靴の最適防水性が達成される。また、空洞部10内へ適合形の挿入体を挿入可能なので、ユーザの快適性を更に改良できる。この挿入体は、土踏まず領域などの、特に鋭敏な領域における衝撃吸収要素として機能する。
本発明の方法の重要な特徴は、射出成形中に中間部材2を適所に保持可能な特定形状に中間部材2が形成されて、糊付けその他の手段を講じることなしに、中間部材2を上部体に結合可能なことにある。
【0018】
本発明の方法は、勿論、種々に変形可能であり、これらの変形は、全て同一発明概念に入る。
例えば、図5には、中間部材102に乾式結合された非剛体ソックスまたは上部体101が示されている。中間部材は、適合形の第2の孔113を備えている。第2の孔113は、足裏領域に形成され、また、随意には踵領域104および爪先領域105に形成される。
【0019】
本実施例において、この様にして得た中間部材102は、型の内部に配置される。そして、必須ではないが好ましくはコンパクトな熱可塑性または熱硬化性あるいは膨張性の材料の射出または注入(第1の射出または注入)を行う。熱可塑性または熱硬化性あるいは膨張性の材料は、少なくとも中間部材102に作用し、従って、第1の孔に加えて、第2の孔113にも作用する。これにより、熱可塑性または熱硬化性あるいは膨張性の材料が容易に侵入して、空洞部110を形成した領域を除いて足部を実質的に包囲し、非剛体ソックスまたは上部体101と直接に接触することになる。
【0020】
これに続いて、上述の付加的工程を適用することも可能である。すなわち、第2の射出を行うことにより、発泡性または膨張性のポリウレタンなどの、参照符号114で示す可撓性材料の半製品に、トレッド111a及び112bを随意の介在物を介して結合可能である。
可撓性材料114により歩行中の衝撃吸収が可能であり、ユーザの快適性が向上する。
【0021】
図6及び図7に示す別の変形例では、空洞部210を形成する一つ以上の壁215を、半製品211を得た後で、例えば切断により除去するようにしている。次に、半製品211を型の内部に配置して、例えば発泡性または膨張性のポリウレタンなどの、参照符号214で示す可撓性材料を射出する第2の射出を行う。この可撓性材料は、踵および爪先の下方領域ばかりではなく空洞部210にも作用する。第2の射出を行うことにより、ユーザの快適性が更に向上する。
【0022】
次いで、糊付け作業により、或いは、第2の射出に先だって、可撓性材料214の下方にトレッド212a及び212bを適用可能である。後者の場合、可撓性材料214の射出により、トレッド212a及び212bが半製品211に堅固に結合される。
これらの解決策においても、本発明の方法は、手作業を相当に制限しつつ、高度に工業化されることになる。この様に、種々の作業を機械化することにより、及び、従来法による各種部品の結合方法において必要であった接着剤および小型金属部品などの消耗材料の使用低減を図ることにより、製造コストを大幅に低減できる。
【0023】
また、製品の品質レベルは高く、しかも、一定である。更に、正確かつ再現性のある解剖学的形状を得られる。
縫い目の数を相当に低減することは極めて重要である。熱可塑性または熱硬化性あるいは膨張性の材料の射出または注入中に縫い目が当該材料内に埋められるので、少なくとも靴底に隣接しかつ地面に接触する側方および下方領域には、縫い目は見あたらなくなる。
【0024】
また、手作業工程数の削減により、針目孔がある従来の靴にみられた上部体外面の不連続性がなくなるので、靴の防水性および良好な暖かさが最適にもたらされる。
そして、中間部材用の材料およびその後の射出または鋳込み用の材料が、非剛体ソックスまたは上部体の外側に配置されて足と直接に接触しなくなるので、ユーザの快適性が相当に改良される。
【0025】
本発明の個々の部品を構成する材料および寸法を、特定の要件に従って最適なものにすることは勿論可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明の靴製造方法は、くつ型に上部体を配置し、また、前記上部体にテンションを加える工程と、爪先領域と、中央部により結合された踵領域とによって構成され、前記爪先領域と前記踵領域における側面に複数の第1の孔が形成された中間部材に前記上部体を乾式結合する工程と、前記中間部材を型の内部に配置し、前記型の中に合成樹脂材料を鋳込むか或いは射出成形し、前記合成樹脂材料を前記第1の孔に進入させて前記上部体に作用させることにより、前記中間部材を前記上部体に結合させて前記爪先領域から前記踵領域に至る半製品を製造する工程と、前記半製品に靴底部材を結合する工程とを備えるので、手作業工程数を低減しつつ靴を製造可能とする高度に工業化された靴製造方法を提供できる。また、本発明によれば、縫いつけ量および縫いつけ領域を大幅に低減でき、一定品質でかつ高品質の靴を製造できる。更に、耐水性およびユーザ快適特性に優れた靴を製造できる。
【0027】
本発明の靴製造方法により製造される靴は、一定品質かつ高品質であると共に耐水性およびユーザ快適特性に優れ、また、使用における信頼性および安全性に富み、通常の機械、設備を用いて製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間部材が関連づけられる非剛体ソックスの側面図である。
【図2】半製品の側面図である。
【図3】半製品の踵および中足骨領域に関連づけられた2つのトレッドからなる靴底の、半製品の下方への適用を示す側面図である。
【図4】本発明により製造される靴の側面図である。
【図5】本発明の別の態様による靴の長手方向中央面に沿う側面断面図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す側面断面図である。
【図7】本発明の更に別の実施例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1、101 非剛体ソックスまたは上部体
2、102 中間部材
4、104 踵領域
5、105 爪先領域
6 第1の孔
7 土踏まず領域
8 突起
9 中間部材の下縁
10、110、210 空洞部
11、211 半製品
12a、12b、111a、112b、212a、212b トレッド
113 第2の孔
114、214 半製品(可撓性材料)

Claims (13)

  1. くつ型に上部体を配置し、また、前記上部体にテンションを加える工程と、
    爪先領域と、中央部により結合された踵領域とによって構成され、前記爪先領域と前記踵領域における側面に複数の第1の孔が形成された中間部材に、前記上部体を乾式結合する工程と、
    前記中間部材を型の内部に配置し、前記型の中に合成樹脂材料を鋳込むか或いは射出成形し、前記合成樹脂材料を前記第1の孔に進入させて前記上部体に作用させることにより、前記中間部材を前記上部体に結合させて前記爪先領域から前記踵領域に至る半製品を製造する工程と、
    前記半製品に靴底部材を結合する工程と
    を備えることを特徴とする靴製造方法。
  2. 前記中間部材は、土踏まず領域に少なくとも一つの突起を有し、前記突起は、前記中間部材の下縁を越えて突出しかつ少なくとも一つの空洞部を形成することを特徴とする請求項1に記載の靴製造方法。
  3. 熱可塑性発泡材料または膨張性材料を射出することにより、前記靴底を前記半製品に結合させることを特徴とする請求項1に記載の靴製造方法。
  4. 踵領域および爪先領域に結合される2つのトレッドによって、前記靴底部材を構成することを特徴とする請求項1に記載の靴製造方法。
  5. 所望の撓み特性を有する一つ以上のブロックを、少なくとも一つの空洞部内に挿入可能にしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の靴製造方法。
  6. 前記中間部材は、足裏領域に、また、随意には踵領域および爪先領域に、適合形の第2の孔を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の靴製造方法。
  7. 前記合成樹脂の射出または鋳込みは、前記中間部材に形成された第1の孔および第2の孔に作用することを特徴とする請求項6に記載の靴製造方法。
  8. 熱可塑性発泡材料の射出を行うことにより、発泡性または膨張性のポリウレタンなどの可撓性材料を介在させつつ、前記半製品の下方にトレッドを結合可能にしたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の靴製造方法。
  9. 少なくとも一つの空洞部を形成する一つ以上の壁を除去する工程を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の靴製造方法。
  10. 前記半製品を型の内部に配置し、また、可撓性材料の射出を行って、前記靴底部材を前記半製品に結合し、前記可撓性材料は、踵領域および爪先領域の下方ならびに前記少なくとも一つの空洞部に作用することを特徴とする請求項9に記載の靴製造方法。
  11. 鋳造又は射出成形された合成樹脂材料によって中間部材に関連づけられた上部体と、靴底とを備え、
    前記中間部材は、爪先領域と、中央部により結合された踵領域とによって構成されると共に、前記爪先領域と前記踵領域における側面に複数の第1の孔が形成されており、
    前記上部体と前記中間部材とが乾式結合されると共に、前記鋳造又は射出成形の際に前記合成樹脂材料が前記複数の第1の孔に進入して前記上部体に作用することにより前記上部体と前記中間部材とが結合して形成される半製品と、
    前記半製品に結合される靴底部材と
    によって構成したことを特徴とする靴。
  12. 前記中間部材は、足裏領域に、随意には踵領域および爪先領域に形成される適合形の第2の孔を有することを特徴とする請求項11に記載の靴。
  13. 前記合成樹脂材料の射出または鋳込みは、前記中間部材に形成された前記第1および第2の孔に作用することを特徴とする請求項12に記載の靴。
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