JP3857938B2 - 回転センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
2つの回転体(ロータ)と、励磁コイルを有する固定体とを備え、相対回転する2本の軸間におけるトルクを検出する回転センサとして、例えば、トーションバーを介して相対回転する2本の回転軸が連結された自動車のハンドルシャフトにおけるトルクを検出し、ステアリング装置の円滑な電子制御に利用する回転センサが知られている。
【0003】
このような回転センサにおいては、環境温度の変動,電磁ノイズ,前記発振回路における発振周波数の変動,電源電圧あるいは組付け誤差等の外乱によって検出精度が変動し、トルクを正確に検出できなることを避けるため、励磁コイルを2つ使用することで、上記外乱を相殺することが行われている。
ところで、上記回転センサは、自動車等の移動体等に使用する場合には、車載機器類との間における電磁波の影響を防ぐため、電磁環境適合性(EMC: electro-magnetic compatibility)に関する厳しい規格が設けられている。具体的には、電磁波を回転センサの外部へ出さない電磁干渉(EMI: electro-magnetic interference)、外来電磁波に対する電磁感受性(EMS: electro-magnetic susceptibility)の2つの規格がある。
【0004】
このため、上記回転センサは、励磁コイルを収容するコア本体をケースに収納している。この場合、ケースの素材には、強度と電磁遮蔽効果を考慮してアルミニウム等の金属等の導電性素材が使用されている。
このようなケースを用いた固定ケースは、例えば、図4に示す固定ケース1のように、励磁コイル1bを収容した2つのコア本体1aを、導電性素材(例えば、アルミニウム)からなる本体3、上蓋4及び下蓋5を有するケース2内に収容して組み立てられる。
【0005】
ここで、固定ケース1は、2つの励磁コイル1bが区画板3aを中心として面対称に配置され、回転センサに用いたときに、上記外乱が適切に相殺されるように、区画板3aを円筒状の本体3の上下方向中央に設けている。
このため、本体3は、上部と下部に形成された凹溝状の導出部3bから各励磁コイル1bのリード線1cを導出し、サイドケース6内に上下方向に配置したプリント基板7に接続している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、理論上、リード線1c,1cとプリント基板7上に形成された導電パターンとで囲まれて形成された空間もインダクタンスを有する。ところが、このインダクタンスは、センシングに利用できないだけでなく、周囲ノイズを拾い易い。このため、このインダクタンスが小さい程、S/N比が良くなる。即ち、回転センサは、前記リード線の長さが短い程、S/N比が向上してセンサとして優れたものとなる。しかも、2つの励磁コイルを用いた回転センサでは、上記外乱の相殺を考慮すると、2つの励磁コイルのリード線の長さが同じであることが望ましい。また、前記リード線1c,1cとプリント基板7上に形成された導電パターンとで囲まれて形成された上部と下部の空間の面積が同じであることが望ましい。
【0007】
しかし、固定コアが上記のような構造であると、前記リード線が長くなってしまうという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、励磁コイルのリード線の長さを短縮することが可能な回転センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記目的を達成するため、
(I)周方向に配置される第1の導体層を有し、第1のシャフトに取り付けられる第1のロータと、
(II)前記第1のロータの回転軸方向に所定間隔をおいて配置される2つの励磁コイルと、前記各励磁コイルを個々に収容するコア本体とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔を置いて固定部材に取り付けられる固定コアと、
(III)絶縁磁性材から筒状に成形される本体と、該本体に2段に配置される第2の導体層とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔を置いて、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられる第2のロータと
を備え、
(IV)前記第1及び第2のロータの回転に伴う前記励磁コイルのインダクタンス変動に基づいて、前記両シャフトの回転角度或いは相対回転角度を非接触で検出する
回転センサであって、
(V)前記固定コアは、
a 前記2つのコア本体を収容し、前記励磁コイルのリード線を導出する導出部が形成された導電性素材からなる上ケースおよび下ケースと、
b当該両ケース間に配置された導電性素材からなる中間部材と
c前記中間部材と対応する外周部分に、前記中間部材の面と平行になるように配置された配線基板と
を有する構成にしたのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転センサに係る一実施形態として、例えば、自動車においてトーションバーを介して主動シャフトから従動シャフトへ伝達されるステアリングシャフトのトルクを検出する回転センサを図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。
【0010】
回転センサ10は、図1に示すように、第1ロータ11、固定コア12及び第2ロータ13を備え、固定コア12の後述する2つの励磁コイル12bに高周波交流電流を流して第1ロータ11と第2ロータ13との相対回転角度を検出し、この相対回転角度に基づいてトルクを検出する際に使用される。ここで、ステアリングシャフトは、図示しないが、ハンドル側の主動シャフトがトーションバーを介して車輪側の従動シャフトと連結され、主動シャフトは、従動シャフトに対して±8°の範囲内で相対回転する。
【0011】
第1ロータ11は、第2ロータ13と固定コア12との間に配置され、前記主動シャフトに取り付けられる。第1ロータ11は、電気絶縁性を有し、成型性に優れた合成樹脂によって、フランジ11aの外周に回転軸Artと平行する複数の羽板11bを均等に配置して形成されている。各羽板11bは、後述するそれぞれの銅箔13aに対応する間隔で形成され、外表面には銅箔11cが設けられている。
【0012】
このとき、第1ロータ11は、各羽板11bの内表面あるいは絶縁材で製作された筒体の内表面や内部に一定の厚さの導体層(例えば0.2mmの銅箔,或いはアルミニウム,銀等の素材のもの)を銅箔13aに対応させて均等に配置してもよい。
固定コア12は、第1ロータ11と半径方向に数mm程度の僅かなギャップをおいて配置され、ステアリングシャフト近傍に位置する固定部材(図示せず)に固定される。固定コア12は、図1に示すように、励磁コイル12cを収容したコア本体12a,12b、スペーサ12d、上ケース12e、下ケース12f及びサイドケース12gを有し、これらをねじやリベット等で固定して組み立てられる。
【0013】
コア本体12a,12bは、それぞれ電気絶縁性を有するNi−Zn系、Mn−Zn系、Mg−Zn系のフェライトを燒結した燒結体や、ナイロン,ポリプロピレン(PP),ポリフェニレンスルフィド(PPS),ABS樹脂等の電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂に、Ni−ZnやMn−Zn系のフェライトからなる軟磁性材粉を、軟磁性材を10〜70体積%混合した絶縁磁性材からリング状に成形されている。
【0014】
各励磁コイル12cは、コア本体12a,12bからリード線12hが外部へ延出され、後述するプリント基板12k(図2参照)と接続されている。
スペーサ12dは、図2に示すように、上ケース12eと下ケース12fとの間に、上ケース12eと下ケース12fとがスペーサ12dに対して面対称となるように配置され、銅,アルミニウム,銀等の導電性素材からなる円板状の部材である。
【0015】
ケース12e,12f,12gは、交流磁界の遮蔽性を有する導電性素材、例えば、アルミニウム,銅等の金属あるいは炭素を含有する合成樹脂から成形されている。上ケース12e及び下ケース12fは、それぞれコア本体12a,12bを覆うものでリング状に成形され、リード線12hを導出する凹溝状の導出部12jが側部に形成されている。上ケース12e及び下ケース12fは、ダイキャスト法によって製造されている。
【0016】
サイドケース12gは、上ケース12e及び下ケース12fの側部にねじ止めされ、図2に示すように、内部のスペーサ(中間部材)12dと対応する外周部分には、信号処理回路(図示せず)が形成されたプリント基板12kが、スペーサ(中間部材)12dと互いに面が平行になるように取り付けされている。各励磁コイル12cのリード線12hは、プリント基板12kの前記信号処理回路と接続されている。これにより、各励磁コイル12cは、前期信号処理回路から交流電流が流されている。
【0017】
第2ロータ13は、前記主動シャフトに対して相対回転する前記従動シャフトの軸線方向所定位置に取り付けられる。第2ロータ13は、図1に示すように、固定コア12と同じ絶縁磁性材によって円筒状に成形された本体13aと、下ロータ13cとを有し、本体13aの外周には、回転軸Art方向に2段に配置されると共に、周方向に所定間隔、例えば、上下で交互に位置をずらして中心角30°間隔で複数の銅箔13bが設けられている。ここで、第2ロータ13は、導体層であれば、銅箔13bに代えて、例えば、アルミニウム,銀等の素材を使用することができ、銅箔13bを含むこれら導体層は絶縁磁性材の内部に埋め込んでもよい。
【0018】
以上のように構成される回転センサ10は、第1ロータ11を前記主動シャフトに、第2ロータ13を前記従動シャフトに、それぞれ取り付け、固定コア12を前記固定部材に固定すると共に、図1に示すように、上部に上カバー14を、下部に下カバー15を、取り付けてステアリング装置に組み付けられる。
そして、回転センサ10は、ステアリングハンドルの操作によってトーションバーを介して主動シャフトから従動シャフトへ伝達されるステアリングシャフトのトルクを、第1ロータ11と第2ロータ13との相対回転角度に基づき、予め求めてある前記主動シャフトと前記従動シャフトとの間に作用するトルクと、両シャフト間の相対回転角度との関係に基づいて求めることができる。
【0019】
回転センサ10を構成する前記固定コア12は、
a前記2つのコア本体12a、12bを収容し、前記励磁コイル12cのリード線12hを導出する導出部12jが形成された上ケース12eおよび下ケース12fと、
b当該両ケース12e,12f間に配置された導電性素材からなる中間部材12dと
c信号処理回路(図示せず)が形成されたプリント基板12kと
を有している。
そして、前記両ケース12eおよび12fは、前記中間部材12dを介して面対称に配置されている。
さらに、前記プリント基板12kは、前記中間部材12dと対応する外周部分に、前記プリント基板12kと前記中間部材12dの各面とが互いに平行になるように配置され、2つの励磁コイル12cのリード線12hが上ケース12e及び下ケース12fから導出されている。
【0020】
従って、回転センサ10は、2つの励磁コイル12cのリード線12hを最短にすることができる。例えば、図4に示す従来の構造の固定コア1では、リード線1cの長さが20mm必要であったのに対し、固定コア12では僅か5mmしか必要としなかった。
このため、固定コア12は、リード線12hとプリント基板12kの前記信号処理回路と接続する作業を自動半田機を用いて機械化することができ、回転センサの組立て作業に要する時間を飛躍的に短縮することができる。
【0021】
更に、プリント基板12kは、両面の同じ位置にコイルリード線を接続するための半田用ランドを設ければ、簡単に各リード線12hの長さを同じにすることができ、また、上部のリード線12hとプリント基板12k上面に形成された信号処理回路の導電パターンとで囲まれて形成された空間と、下部のリード線12hとプリント基板12k下面に形成された信号処理回路の導電パターンとで囲まれて形成された空間とをほぼ同じ面積にすることができる。
【0022】
ここで、図1の回転センサ10は、2つのシャフト間の±8°の範囲内での相対回転を測定する例を示したが、回転センサを図3に示されるように構成すれば、±90°の範囲内での相対回転を測定することができる。即ち、第1及び第2のロータの回転に伴う励磁コイルのインダクタンス変動に基づいて、シャフトSF1,SF2の回転角度或いは相対回転角度を非接触で検出することができる。
【0023】
ここにおいて、以下に説明する回転センサ20は、第1ロータ21及び第2ロータ23の構成が回転センサ10と若干異なるだけで、その他は回転センサ10と構成が同一である。従って、以下の説明並びに図3においては、回転センサ20は、固定コア12、上カバー14及び下カバー15については同一の符号を用いることで重複した説明を省略し、第1ロータ21と第2ロータ23について説明する。
【0024】
第1ロータ21は、第1ロータ11と同様に、第2ロータ23と固定コア12との間に配置され、前記主動シャフトに取り付けられる。第1ロータ21は、第1ロータ11と同じ合成樹脂によって、図3に示すように、フランジ21aの外周に回転軸Artと並行する羽板21bが周方向に半周に亘って形成されている。羽板21bは、外表面には銅箔21cが設けられている。
【0025】
このとき、第1ロータ21は、第1ロータ11と同様に、羽板21bの内表面あるいは絶縁材で製作された筒体の内表面や内部に一定の厚さの導体層(例えば0.2mmの銅箔,或いはアルミニウム,銀等の素材のもの)を銅箔23aに対応させて配置してもよい。
第2ロータ23は、第2ロータ13と同様に、前記主動シャフトに対して相対回転する前記従動シャフトの軸線方向所定位置に取り付けられる。第2ロータ23は、固定コア12と同じ絶縁磁性材によって円筒状に成形された本体23aと、下ロータ23cとを有している。本体23aは、図3に示すように、外周に回転軸Art方向に2段に配置されると共に、上下の位置をずらした銅箔23bが周方向に沿って半周に亘って設けられている。ここで、第2ロータ23は、第2ロータ13と同様に、銅箔23bに代えて、例えば、アルミニウム,銀等の素材を使用することができ、銅箔23bを含むこれら導体層は本体23aの内部に埋め込んでもよい。
【0026】
尚、上記実施形態はトルクを検出する回転センサの場合について説明したが、回転角度を検出することも可能である。
また、本発明の回転センサは、上記実施形態で説明した自動車のステアリングシャフトの他、例えば、ロボットアームのように、互いに回転する回転軸間の相対回転角度,回転角度,トルクを求めるものであれば、どのようなものにも使用できる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、励磁コイルのリード線の長さを短縮することが可能な回転センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転センサの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の回転センサで用いる固定ケースの断面図である。
【図3】本発明の回転センサの他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】従来の回転センサで用いている固定ケースの断面図である。
【符号の説明】
10 回転センサ
11 第1ロータ
11a フランジ
11b 羽板
11c 銅箔(第1の導体層)
12 固定コア
12a,12b コア本体
12c 励磁コイル
12d スペーサ
12e 上ケース
12f 下ケース
12g サイドケース
12h リード線
12j 導出部
12k プリント基板
13 第2ロータ
13a 本体
13b 銅箔(第2の導体層)
13c 下ロータ
14 上カバー
15 下カバー
20 回転センサ
21 フランジ
21b 羽板
21c 銅箔(第1の導体層)
23 第2ロータ
23a 本体
23b 銅箔(第2の導体層)
23c 下ロータ
Art 回転軸
Claims (1)
- (I)周方向に配置される第1の導体層を有し、第1のシャフトに取り付けられる第1のロータと、
(II)前記第1のロータの回転軸方向に所定間隔をおいて配置される2つの励磁コイルと、前記各励磁コイルを個々に収容するコア本体とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔を置いて固定部材に取り付けられる固定コアと、
(III)絶縁磁性材から筒状に成形される本体と、該本体に2段に配置される第2の導体層とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔を置いて、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられる第2のロータとを備え、
(IV)前記第1及び第2のロータの回転に伴う前記励磁コイルのインダクタンス変動に基づいて、前記両シャフトの回転角度或いは相対回転角度を非接触で検出する
回転センサであって、
(V)前記固定コアは、
a前記2つのコア本体を収容し、前記励磁コイルのリード線を導出する導出部が形成された導電性素材からなる上ケースおよび下ケースと、
b当該両ケース間に配置された導電性素材からなる中間部材と
c前記中間部材と対応する外周部分に、前記中間部材の面と平行になるように配置された配線基板と
を有することを特徴とする、回転センサ。
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