JP3857945B2 - 流量制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス等の流体の流量を連続制御する流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソレノイド部及びこのソレノイド部の励磁により変位するプランジャ部を有する電磁駆動部と、プランジャ部に対して一体に設けることにより流路を開閉する弁部を備え、ソレノイド部に印加する励磁電圧を可変して、流体の流量を連続制御できるようにした流量制御弁は知られている。この場合、弁部は、バネ部材により弾性支持し、ソレノイド部の励磁によりプランジャ部に付与される吸引力に対するバランスを取っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の流量制御弁は、次のような問題点があった。即ち、図7に、ノーマルオープンタイプ(非通電時に全開)の流量制御弁における励磁電圧対流量特性を示すが、従来の流量制御弁は、点線で示す励磁電圧対流量特性Prのように、励磁電圧を0〔V〕から上昇させた場合、同図中、5〔V〕付近(Xc点)から急激に流量の変化率が大きくなる。したがって、流量が少なくなる範囲では、励磁電圧を僅かに変化させただけでも流量は大きく変化することになり、制御が不安定になるとともに、高精度かつ信頼性の高い流量制御を行うことができない問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、全制御範囲において、高精度の流量制御、さらには安定性及び信頼性の高い流量制御を行うことができるとともに、容易かつ低コストに実施できる流量制御弁の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明は、ソレノイド部3及びこのソレノイド部3の励磁により変位するプランジャ部4を有する電磁駆動部2と、プランジャ部4に対して一体に設けることにより流路Fを開閉する弁部5を備えるとともに、弁部5をバネ機構により弾性支持してなる流量制御弁1を構成するに際して、中心側から周縁側に至る複数の板バネ部7as…,7bs…を有し、かつプランジャ部4の変位位置に対応して異なるバネ定数となる二枚のバネ部材7a,7bを重ね合わせたバネ機構6を備え、一のバネ部材7aを、周縁側をソレノイド部3に対して固定し、かつ中心側を弁部5に固定するとともに、他のバネ部材7bを、周縁側をソレノイド部3に対して固定し、かつ中心側をプランジャ部4の変位位置に対応して弁部5に係止させてなることを特徴とする。
【0006】
この場合、好適な実施の形態により、電磁駆動部2は、ソレノイド部3の内部における一側に、プランジャ部4の端面に対向するポール部10を備えて構成できるとともに、弁部5は、プランジャ部4から軸方向に突出したシャフト部11と、このシャフト部11の先端に設けた弁本体部12により構成できる。
【0007】
これにより、弁部5は、プランジャ部4の変位位置に対応して異なるバネ定数となる複数のバネ部材7a,7bを組合わせたバネ機構6により弾性支持されるため、例えば、ノーマルオープンタイプの流量制御弁1の場合、ソレノイド部3を励磁し、励磁電圧を0〔V〕から上昇させれば、一のバネ部材7aにより支持される弁部5は、最初に、バネ部材7aのみのバネ定数に基づく弾性に抗して変位し、流量は緩やかに減少する。一方、弁部5が、バネ部材7aのみでは流量の変化率が急激に大きくなる位置又はその前後位置(予め設定した所定位置)に達すれば、他のバネ部材7bと弁部5が係止し、弁部5は、バネ部材7aと7bを組合わせたバネ定数に基づく弾性に抗して変位する。よって、急激に流量の変化率が大きくなる不具合が回避され、流量の変化率が緩やかな状態で流量を0まで変化させることが可能となる。
【0008】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0009】
まず、本実施例に係る流量制御弁1の構成について、図1〜図6を参照して説明する。
【0010】
例示の流量制御弁1は、ノーマルオープンタイプであり、図1に示すように、基本的な構成として電磁駆動部2と弁部5を備える。電磁駆動部2は、磁性材で形成した細長い長方形プレートをコの字形に折曲したヨーク21を備え、このヨーク21の内側に、コイルボビン22にワイヤWを巻回して構成したソレノイド部3を収容する。そして、コイルボビン22の一端面22s側から、コイルボビン22の内部に、磁性材で形成したコア部23を挿入するとともに、ヨーク21の開放側には、磁性材で形成したサブヨーク24を架設固定する。この場合、コア部23は、内端に軸方向へ刳り貫いた凹部23sを有するとともに、固定ネジ25によりサブヨーク24の内面に固定される。なお、26,27は、コイルボビン22の両側に配したセパレータである。
【0011】
また、コイルボビン22の他端面22t側におけるセパレータ27に対向するヨーク21には開孔部28を形成し、非磁性のステンレス材により形成したガイド筒29を挿入する。この場合、ガイド筒29は、ヨーク21から外方に突出するアウタ部29oと、開孔部28を通してコイルボビン22の内部に挿入するインナ部29iからなる。この際、インナ部29iの先端側は、コア部23の外周面に嵌合させる。一方、ガイド筒29の内部には、凹部23sに挿入する凸部4sを有する磁性材で形成したプランジャ部4をスライド自在に収容し、さらに、プランジャ部4の端面に対向する磁性材で形成したポール部10を収容する。なお、ソレノイド部3は、当該ソレノイド部3を励磁(通電)する通電部30に接続するとともに、この通電部30はソレノイド部3に印加する励磁電圧を可変する制御部31に接続する。以上により、電磁駆動部2が構成される。
【0012】
他方、弁部5はプランジャ部4に対して一体に設ける。このため、上述したプランジャ部4及びポール部10は、弁部5を装着した状態でガイド筒29に収容する。弁部5は、非磁性材で形成したシャフト部11と、このシャフト部11の先端を大径化し、この先端面に円盤形の弁部材32を埋設した弁本体部12を一体に有する。また、弁部5には、プランジャ部4の変位位置に対応して異なるバネ定数となる一対のバネ部材7a,7bを組合わせたバネ機構6を装着する。
【0013】
図4にバネ部材7aを、図5にバネ部材7bをそれぞれ示す。バネ部材7aは、円形のバネ板材13aに打抜孔を形成することにより、中心に挿通孔13asを設けるとともに、中心側から周縁側に至る三つの板バネ部7as…を設けて構成する。また、バネ部材7bは、円形のバネ板材13bに打抜孔を形成することにより、中心に挿通孔13bsを設けるとともに、中心側から周縁側に至る三つの板バネ部7bs…を設けて構成する。この場合、打抜孔の形状や大きさにより板バネ部7as…,7bs…の数量,長さ及び幅を任意に設定できる。
【0014】
そして、シャフト部11の後端側を、バネ部材7aの挿通孔13as及びバネ部材7bの挿通孔13bsに対して順番に通し、この後、シャフト部11の外周面に形成したネジ部に、係合ナット33を螺着する。これにより、一のバネ部材7aの中心側が、弁本体部12の背面と係合ナット33間に挟まれて固定されるとともに、他のバネ部材7bの中心側は、弁本体部12と係合ナット33間に遊びを有する状態で装着され、このバネ部材7aと7bによりバネ機構6が構成される。この場合、係合ナット33は、図2に示すように、プランジャ部4の変位位置に対応してバネ部材7bに係止可能な段差係止部33sを有する。
【0015】
一方、弁部5を、プランジャ部4に固定するに際しては、まず、シャフト部11を、後端側からポール部10の中心に形成した貫通孔、さらにはプランジャ部4の中心に形成した貫通孔へ順番に挿通させる。そして、プランジャ部4に挿通させたシャフト部11に対して、プランジャ部4の凸部4s側の端面に螺着した規制ネジ35により軸方向への位置規制を行うとともに、プランジャ部4の外周面から螺着した固定ネジ36により固定する。なお、シャフト部11は、ポール部10に対してスライド自在となる。
【0016】
この後、プランジャ部4及びポール部10をガイド筒29に内部に収容する。この際、ポール部10に形成した段差が、ガイド筒29の内面に形成した段差に係止することにより、ポール部10の収容位置が規制される。これにより、シャフト部11は、プランジャ部4から軸方向に突出し、ポール部10を貫通してヨーク21から突出したガイド筒29の内部に臨むとともに、ポール部10は、コイルボビン22の他端面22t付近に配される。
【0017】
また、ガイド筒29(アウタ部29o)の内部には、固定筒37を挿入し、この固定筒37とポール部10間に、バネ部材7aと7bの周縁側を挟むとともに、さらに、ガイド筒29に内周面に、弁座ブロック38を螺着して固定筒37,ポール部10及びバネ部材7a,7bの周縁側を固定する。この場合、弁座ブロック38は、中心に、弁本体部12に対向する流入口Riを有するとともに、この流入口Riの周りに周方向に一定間隔置きに形成した六つの流出口Ro…を有する。これにより、流入口Riから弁本体部12が収容される弁室Rfを通って流出口Ro…に至る流路Fが構成される。
【0018】
次に、本実施例に係る流量制御弁1の動作について、図1〜図7を参照して説明する。
【0019】
まず、非通電時には、ソレノイド部3は励磁されないため、弁部5の位置は、バネ機構6によって規制される。即ち、図2に示すように、バネ部材7a,7bは中立位置にあるため、弁部5は上昇した開位置となる。したがって、図1に示すように、例えば、ガス等の流体を、白抜矢印Wiの方向から流入口Riに供給すれば、流路Fを通り、流出口Ro…から白抜矢印Woの方向に流出する。
【0020】
一方、制御部31により通電部30を制御し、ソレノイド部3に所定の励磁電圧を印加すれば、ソレノイド部3から磁束が発生する。この磁束は、ポール部10とプランジャ部4間では軸方向に通過するとともに、コア部23とプランジャ部4間では、凹部23sと凸部4sの存在により径方向(放射方向)に通過する。したがって、軸方向におけるコア部23とプランジャ部4間には、ほとんど吸引力が発生しないのに対し、軸方向におけるポール部10とプランジャ部4間には、吸引力が発生する。この結果、変位自在のプランジャ部4は、固定されたポール部10に吸引され、図1中、下方へ変位する。
【0021】
この場合、弁部5は、プランジャ部4の変位位置に対応して異なるバネ定数となる複数のバネ部材7a,7bを組合わせたバネ機構6により弾性支持されるため、例示するノーマルオープンタイプの流量制御弁1の場合には、ソレノイド部3に印加する励磁電圧を、0〔V〕から徐々に上昇させることにより、一のバネ部材7aにより支持される弁部5は、最初に、バネ部材7aのみのバネ定数に基づく弾性に抗して下方へ変位する。この結果、弁部5による開度が徐々に小さくなり、流量は緩やかに減少する。このときの励磁電圧対流量特性Poを図7に実線で示す。
【0022】
そして、弁部5が、バネ部材7aのみでは流量の変化率が急激に大きくなる位置、即ち、図7のXc点に対応する予め設定した所定位置に達すれば、図3に示すように、係合ナット33の段差係止部33sがバネ部材7bの中心側に係止し、弁部5は、バネ部材7aと7bを組合わせたバネ定数に基づく弾性に抗して変位する。この結果、急激に流量の変化率が大きくなる不具合が回避され、流量の変化率が緩やかな状態で流量を0(閉位置)まで変化させることが可能となる(図7に実線で示す励磁電圧対流量特性Po参照)。
【0023】
よって、このような本実施例に係る流量制御弁1によれば、弁部5は、プランジャ部4の変位位置に対応して異なるバネ定数となる一対のバネ部材7a,7bを組合わせたバネ機構6により弾性支持されるため、全制御範囲において、高精度の流量制御、さらには安定性及び信頼性の高い流量制御が可能となる。また、バネ機構6は、中心側から周縁側に至る複数の板バネ部7as…,7bs…を設けた一対のバネ部材7a,7bにより構成されるとともに、一のバネ部材7aは、周縁側がソレノイド部3に対して固定され、かつ中心側が弁部5に固定されるとともに、他のバネ部材7bは、周縁側がソレノイド部3に対して固定され、かつ中心側がプランジャ部4の変位位置に対応して弁部5に係止される構成を採用したため、容易かつ低コストに実施可能となる。
【0024】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,材料,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、ノーマルオープンタイプの流量制御弁1を例示したが、ノーマルクローズタイプ(非通電時に全閉)にも同様に適用できる。また、バネ機構6は、一対のバネ部材7a,7bを用いた二段タイプを例示したが、任意数量のバネ部材7a…を用いた複数段タイプにより構成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
このように、本発明に係る流量制御弁は、中心側から周縁側に至る複数の板バネ部を有し、かつプランジャ部の変位位置に対応して異なるバネ定数となる二枚のバネ部材を重ね合わせたバネ機構を備え、一のバネ部材を、周縁側を前記ソレノイド部に対して固定し、かつ中心側を弁部に固定するとともに、他のバネ部材を、周縁側をソレノイド部に対して固定し、かつ中心側をプランジャ部の変位位置に対応して弁部に係止させてなるため、次のような顕著な効果を奏する。
【0026】
(1) 全制御範囲において、高精度の流量制御、さらには安定性及び信頼性の高い流量制御を行うことができる。
【0027】
(2) バネ機構を、中心側から周縁側に至る複数の板バネ部を設けた二枚のバネ部材により構成したため、容易かつ低コストに実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る流量制御弁の縦断側面図、
【図2】同流量制御弁に備える弁部の開位置におけるバネ機構の縦断側面図、
【図3】同流量制御弁に備える弁部の閉位置におけるバネ機構の縦断側面図、
【図4】同流量制御弁に備えるバネ機構の一のバネ部材の平面図、
【図5】同流量制御弁に備えるバネ機構の他のバネ部材の平面図、
【図6】図1中A−A線における半断面を含む底面図、
【図7】流量制御弁の励磁電圧対流量特性図、
【符号の説明】
1 流量制御弁
2 電磁駆動部
3 ソレノイド部
4 プランジャ部
5 弁部
6 バネ機構
7a バネ部材
7b バネ部材
7as… 板バネ部
7bs… 板バネ部
10 ポール部
11 シャフト部
12 弁本体部
F 流路

Claims (3)

  1. ソレノイド部及びこのソレノイド部の励磁により変位するプランジャ部を有する電磁駆動部と、前記プランジャ部に対して一体に設けることにより流路を開閉する弁部を備えるとともに、前記弁部をバネ機構により弾性支持してなる流量制御弁において、中心側から周縁側に至る複数の板バネ部を有し、かつ前記プランジャ部の変位位置に対応して異なるバネ定数となる二枚のバネ部材を重ね合わせたバネ機構を備え、一のバネ部材を、周縁側を前記ソレノイド部に対して固定し、かつ中心側を前記弁部に固定するとともに、他のバネ部材を、周縁側を前記ソレノイド部に対して固定し、かつ中心側を前記プランジャ部の変位位置に対応して前記弁部に係止させてなることを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記電磁駆動部は、前記ソレノイド部の内部における一側に、前記プランジャ部の端面に対向するポール部を備えることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
  3. 前記弁部は、前記プランジャ部から軸方向に突出したシャフト部と、このシャフト部の先端に設けた弁本体部を備えることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
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