JP3860558B2 - 表示パネル、液晶表示パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型のパーソナル・コンピュータ(PC)に適した液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PC、その他各種モニタ用の画像表示装置として、液晶表示装置の普及は目覚ましいものがある。この種の液晶表示装置は、一般に、液晶表示パネルの背面に照明用の面状光源であるバックライトを配設し、所定の広がりを有する液晶層を全体として均一な明るさに照射することで、液晶層に形成された画像を可視像化するように構成されている。
このバックライトは、熱陰極や冷陰極の蛍光ランプを光源として採用し、これらの蛍光管によるいわゆる線状光源からの光を液晶表示パネル全面に照射する必要があり、そのために直下型とサイドライト型(エッジライト型)の二方式が従来から採用されている。この直下型のバックライト・ユニットは、液晶表示パネルの直下に蛍光管を置きその上に調光板と拡散板を設置したものである。一方、サイドライト型は、透明な樹脂製の導光板の二辺または一辺に蛍光管を設置して、導光板に入射させた光を導光板の裏面に加工した反射部によって液晶表示パネル面方向に向け、拡散板を用いて均一な面状の光を与えるものである。サイドライト型のバックライトは、直下型のバックライトに比べて薄型とすることができるため、ノート型PCなどの携帯機器の表示装置に適している。
【0003】
液晶表示装置に要求される特性として、広い角度からでも明るい画面を見ることができるということがある。
画面を明るくするためには、バックライトの輝度を上げることが最も効果的な手法であるが、消費電力の増大を招くという欠点がある。特に、携帯機器の場合には、内蔵バッテリを使用することを想定しているために、バックライトの特性を上げて画面を明るくするという手法は採用しがたいところがある。
広い角度からでも明るい画面を見るための要素として、従来から、液晶表示装置は、拡散板を用いている。拡散板は、導光板から照射された光をより放射分布の広い光として画像表示面から出射させることにより、広い角度から見た場合でも画面を明るく認識させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
詳しくは後述するが、拡散板は、光の透過量を減少させる要素となっている。したがって、拡散板を取り除けば、液晶表示装置としての輝度を向上することができる。しかし、拡散板は広い角度から見た場合でも画面を明るく認識させるという重要な役割を果たしているため、拡散板を取り除くことは現実には困難であった。
したがって本発明は、輝度を向上できるとともに、液晶表示パネルからの出射光の放射分布を高めることのできる液晶表示パネルおよび液晶表示装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述のように、液晶表示装置の輝度を向上させるための1手法として、拡散板を取り除くことが考えられる。拡散板は、PETフィルムのような透明基板表面に、光透過性樹脂とアクリル粒子やシリカ粒子等の光散乱性粒子とからなる光拡散層を形成した構造をしている。したがって、蛍光管等の光源から発光された光が拡散板を通過するとその輝度は少なからずとも低下する。つまり、輝度を低下させる要因となる拡散板を取り除けば、液晶表示装置としての輝度を向上させることができるのである。ところが、拡散板を取り除いてしまうと、均一な面状の光を液晶表示パネルに対して照射することができなくなるから、拡散板を単純に取り除くことはできない。
【0006】
拡散板は、放射分布の広い光を液晶表示パネルに供給する役割を果たす。つまり、液晶表示パネルに入射される前に、光に所定の広がりを持たせるのが拡散板である。ところが、液晶表示パネルに入射される前に所定の広がりを持つことは、液晶表示装置にとって必須ではない。液晶表示パネルから出射される出射光が所定の広がりを持っていれば良いのである。液晶表示パネルは、厚さ0.7mm程度の2枚のガラス基板が光学素子としての液晶材料で満たされた液晶層を挟んで積層した構造をなす。ここで、カラー液晶表示装置として主流をなすTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)型の液晶表示装置は、一方のガラス基板がアレイ基板を構成し、他方のガラス基板がカラー・フィルタ基板を構成する。アレイ基板およびカラー・フィルタ基板の表面には、各々偏光板が積層されている。バックライトからの光は、偏光板、アレイ基板、カラー・フィルタ基板および偏光板を順次透過した後に、外部に出射される。したがって、カラー・フィルタ基板に積層された偏光板から出射される際に、放射分布の広い光として出射することができれば、拡散板を取り除ける可能性がある。
カラー・フィルタ基板に積層された偏光板と空気とは屈折率が異なるから、当該偏光板から出射される光がその出射面に対して角度を持てば、放射分布の広い光として出射することが可能になる。
【0007】
以上のような光の通過挙動を実現するために、本発明では光の収束手段、例えばレンチキュラー・レンズを用いることを提案する。つまり、例えば、液晶層上に焦点を有するレンチキュラー・レンズをアレイ基板の入光面側に配置し、バックライト・ユニットから照射される光をレンチキュラー・レンズに通過させることによって、液晶表示パネル内部、例えば液晶層上に収束させるのである。液晶層上に収束された光は、カラー・フィルタ基板を透過する際には所定の角度を持って拡散し、さら偏光板から出射される際には、空気との屈折率との差異から、より広い角度の光として出射される。
【0008】
液晶層上に収束させることは、副次的に以下のような輝度向上効果をもたらす。アレイ基板上には、TFT、TFTを駆動するための信号線、走査線といった配線が形成されている。これらは、液晶表示パネルにおける光の透過を妨げる遮光部となる。液晶表示装置の高精細化が進むと、一定面積に占めるTFT、信号線、走査線の割合が増えるため、光が透過する部分の面積、つまり開口率が低下する。開口率の低下は、液晶表示装置の輝度低下をもたらす。バックライトから照射された光が、理想的には、TFT、信号線、走査線といった遮光部を逃れて液晶表示パネルを透過すれば、開口率が下がったとしても理論的には輝度を低下させることはない。
前述のようにレンチキュラー・レンズを用いれば、液晶層上に光を収束することができる。この収束位置を、例えば、隣接する走査線間、つまり画素内に設定すれば、走査線によって遮光されていた分の光を液晶表示パネルから出射させることができるから、同一の光源を用いることを前提とすると、従来の液晶表示装置よりも高い輝度を確保することができるのである。
【0009】
本発明の液晶表示パネルは以上の検討結果、知見に基づくものであり、光源から照射される光を制御する光学素子を備えた直視型の表示装置に用いられる表示パネルであって、光透過性材料から構成されかつ前記光源から照射される光を受光する第1の基板と、光透過性材料から構成されかつ前記第1の基板を透過した光を受光するとともにその画像表示面から前記光が出射する第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板との間に配置されかつ前記光学素子が満たされた光学素子層と、前記光源から照射される光を前記光学素子層上に収束させる光収束手段と、を備えることを特徴とする表示パネルである。
本発明の表示パネルは、光源から照射される光を光学素子層上に収束させる光収束手段を備えている。光学素子層上で収束された光は、光学素子層を通過した後に前記第2の基板を通過する過程で所定の角度をもって拡散し、前記所定の角度よりも広い角度で前記第2の基板から出射することができる。つまり、従来のように拡散板を用いなくても、表示パネルから放射分布の広い光を出射できるから、輝度を向上できるとともに、広い角度から見た場合でも画面を明るく認識することができる。また、光収束手段による収束の位置を適切に設定すれば、前述した遮光部による光の遮光を部分的に回避することも可能になる。
【0010】
本発明の表示パネルにおいて、ドット・マトリックス状に配列された複数の画素を備える場合、前記光収束手段は、前記画素の列または行に対応して形成することができる。画素列または画素行ごとにレンチキュラー・レンズを設ける形態が該当する。
なお、本発明の光収束手段としては、レンチキュラー・レンズの他に、複眼レンズを用いることもできる。
また、以上の本発明の表示パネルにおいて、前述した液晶表示パネルの場合、第1の基板とは偏光板およびアレイ基板を含み、また第2の基板とは偏光板とカラー・フィルタ基板とを含む概念である。
【0011】
本発明の表示パネルの典型的な適用例として液晶表示装置がある。したがって本発明は、一対の長辺および一対の短辺を備える矩形状の画素がマトリックス状に形成されたアレイ基板と、前記アレイ基板と所定の間隙を隔てて対向配置されるカラー・フィルタ基板と、前記間隙に位置する液晶層と、前記短辺に沿って延びる複数のレンチキュラー・レンズと、を備えた直視型の液晶表示パネルであって、前記レンチキュラー・レンズは前記アレイ基板が光源からの光を受ける面側に配置され、かつ隣接する前記レンチキュラー・レンズ同士の境界が前記画素の短辺に沿うように前記レンチキュラー・レンズを配置してあることを特徴とする液晶表示パネルを提供する。
本発明の液晶表示パネルにおいて、レンチキュラー・レンズが光源からの光を受光する。その光は、レンチキュラー・レンズにより、アレイ基板からカラー・フィルタ基板の間で一端収束するが、所定角度で拡散しつつカラー・フィルタ基板を透過する。カラー・フィルタ基板を透過し、さらには液晶表示パネルが標準的に備えている偏光板を透過した後に外部に出射される光は、空気との屈折率の差異により、放射分布が広くなる。したがって、拡散板を設けることなく、拡散板を設けたと同様の効果を得ることができるのである。
【0012】
本発明の液晶表示パネルにおいて、前記レンチキュラー・レンズは、その焦点を前記光学素子層上で結ぶことが望ましい。また本発明の液晶表示パネルにおいて、前記レンチキュラー・レンズは、その焦点を前記画素の投影面の範囲内で結ぶことが望ましい。このようなレンズの設計とすることにより、アレイ基板上に形成される走査線で光が遮蔽されることを防止することが可能となる。つまり、開口率に拘わらず、液晶表示パネルの輝度を向上することができる。
さらに本発明の液晶表示パネルは直視型の液晶表示装置に適用されるものであり、その場合、前記画素における一対の短辺の間隔は100〜300μmの範囲で設定される。
【0013】
本発明は以上の液晶表示パネルを用いた液晶表示装置も提供する。すなわち本発明の液晶表示装置は、液晶層を含むとともに画像表示面を備えた液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに対して光を照射するための光源と、前記液晶表示パネルと前記光源との間に配置されかつ前記光源から照射された光を前記液晶表示パネル内で収束させるレンズと、を備え、前記光源から照射された光は、前記液晶表示パネル内で収束した後に第1の角度を持って拡散し、かつ前記第1の角度より大きい第2の角度で前記画像表示面から出射するように構成されていることを特徴とする。
したがって、本発明の液晶表示パネルによれば、拡散板を設けることなく、放射分布の広い光を出射することが可能となる。
【0014】
本発明の液晶表示装置において、前記レンズは、前記光源から照射された光が前記液晶層またはその近傍で収束するように構成すれば、前記光源から照射された光は、前記液晶層またはその近傍で収束した後に第1の角度を持って拡散し、かつ前記第1の角度より大きい第2の角度で前記画像表示面から出射することができる。
また本発明の液晶表示装置によれば、前記光源から照射される光の半値幅よりも前記画像表示面から出射される光の半値幅を大きくすることができる。
また本発明の液晶表示装置によれば、前記光源から照射される光の半値幅を、±5〜15°とすることが望ましい。
さらに本発明の液晶表示装置によれば、前記画像表示面から出射される光の半値幅が、±15〜30°とすることが望ましい。
本発明の液晶表示装置のより具体的な構造として、前記光源から照射された光を前記液晶表示パネルに導くとともにその出光面にプリズム構造を形成する導光板と、前記導光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されるとともに前記導光板の出光面に望む面に前記導光板に形成されたプリズム構造と交差するプリズム構造が形成されたプリズム・シートと、前記液晶表示パネルの前記プリズム・シートに臨む面に配置されたレンチキュラー・レンズと、をさらに備え、前記液晶表示パネルは前記画像表示面側にレンズ構造を含まないことが望ましい。そしてさらに、前記導光板の前記プリズム構造は前記導光板内における光の進行方向に沿って形成することが望ましい。
【0015】
本発明では以下の液晶表示装置を提供する。つまり本発明は、表示信号を供給するための複数の信号線と走査信号を供給するための複数の走査線とがマトリックス状に配列されたアレイ基板と、前記アレイ基板と所定の間隙を隔てて対向配置されるカラー・フィルタ基板と、前記間隙に位置する液晶層とを有する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面に設けられかつ少なくとも1つの入光面および前記入光面から入光した光が発光するための発光面を備えた導光板と、前記導光板の入光面に沿って配置されたランプと、前記導光板と前記液晶表示パネルとの間に設けられかつ前記走査線に平行な方向に延びる複数のレンチキュラー・レンズと、を備えたことを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、ランプから出射された光は導光板を介してレンチキュラー・レンズに照射される。レンチキュラー・レンズに照射された光は、アレイ基板〜カラー・フィルタ基板の範囲内で収束する。一端収束した光は、所定の角度を持って拡散し、カラー・フィルタ基板を透過した後に液晶表示パネルの外部に出射される。その際、液晶表示パネルと空気との屈折率の相違から、出射される光はより広い角度で放射する。
【0016】
本発明の液晶表示装置において、前記複数のレンチキュラー・レンズの配列ピッチと前記複数の走査線の配列ピッチとが一致するように構成することが望ましい。
また本発明の液晶表示装置において、前記導光板の前記発光面には、前記導光板内における光の進行方向に対して平行な方向に延びる第1のプリズムを複数形成し、かつ前記導光板と前記レンチキュラー・レンズとの間に、前記導光板内における光の進行方向に対して垂直な方向に延びる第2のプリズムを複数形成したプリズム・シートを配置することが望ましい。レンチキュラー・レンズに照射する光の集光度を向上するためである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態に基づき説明する。
図1は本実施の形態による液晶表示装置1の主要構成断面を示している。
液晶表示装置1は、表示ユニット2とバックライト・ユニット3とから構成される。この液晶表示装置1は、TFT型の液晶表示パネル表示装置である。
表示ユニット2は、液晶表示パネル4と、レンチキュラー・レンズ・シート5とが積層された構造をなしている。液晶表示パネル4は、従来公知の液晶表示パネルと同様に、アレイ基板とカラー・フィルタ基板とを積層した構造をなした、図中の上面が画像表示面となる直視型のパネルである。アレイ基板およびカラー・フィルタ基板とは所定の間隙をおいて対向配置されており、その間隙には液晶材料が封入されている。液晶材料は、周知のように、光の透過を制御する光学素子である。アレイ基板上には、スイッチング素子としてのTFTが形成されている。また、アレイ基板上には、TFTへ走査信号を供給するための複数の走査線とTFTへ表示信号を供給するための複数の信号線とがマトリックス状に形成されている。2本の走査線および2本の信号線で囲まれる領域が単一の画素を構成し、TFTは当該画素内の走査線および信号線の交点近傍に配置される。アレイ基板上には、当該画素がドット・マトリックス状に配列されていることになる。
【0018】
レンチキュラー・レンズ・シート5は、図示しない偏光板を介して液晶表示パネル4に積層されている。レンチキュラー・レンズ・シート5は、図1に示したように、平板状の基体51上に複数のレンズ52が周期的に配列された構造を有している。図2に液晶表示パネル4とレンチキュラー・レンズ・シート5の配置関係を説明するための図を示す。つまり、図2は液晶表示パネル4の平面図と表示ユニット2の断面図とを対応して示している。
図2において、前述した走査線41は液晶表示パネル4の水平方向に配線されており、信号線42は液晶表示パネル4の垂直方向に配線されている。そして、走査線41および信号線42で囲まれる領域が画素43を構成する。なお、図2においては、理解を容易にするために走査線41および信号線42は点線で示している。
図2に示すように、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ51は、一対の長辺および一対の短辺とからなる画素43の短辺に沿って延びている。また、液晶表示パネル4とレンチキュラー・レンズ・シート5とは、液晶表示パネル4の走査線41間のピッチとレンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ51間のピッチとが一致するように積層されている。つまり、レンチキュラー・レンズ・シート5の隣接するレンズ52,52境界が液晶表示パネル4の走査線41と重なるように配置される。最も望ましくは、前記境界と走査線41の幅方向中央とが一致するように配置する。レンチキュラー・レンズ・シート5の各レンズ52は、平行光が照射された場合に液晶表示パネル4の液晶層で焦点を結ぶように設計してある。通常、液晶表示パネル4を構成するアレイ基板とカラー・フィルタ基板とは、同一の厚さを有しているため、各レンズ52は、液晶表示パネル4の厚さ方向中央部で焦点を結ぶように設計されることになる。このような設計を採用する理由は追って説明する。なお、レンチキュラー・レンズ・シート5は、以上のような形状、寸法を除けば、従来公知の仕様を採用すればよい。
【0019】
図3にバックライト・ユニット3の斜視図を示す。バックライト・ユニット3は、光源であるランプ6と、ランプ6からの発光光を受光しかつ面状光として発光させるための導光板7と、ランプ6からの発光光を導光板7に効率よく供給するためのリフレクタ8と、導光板7の背面側に配置される反射板9と、プリズム・シート10とから構成される。なお、本発明において、導光板7の表示ユニット2に臨む側を表面側と、またその反対の側を背面側と定義する。
ランプ6には、熱陰極蛍光管あるいは冷陰極蛍光管が用いられる。導光板7は厚さ2〜3mm程度のアクリル樹脂、例えばポリメチルメタクリレートから構成される。導光板7のうち、ランプ6と対向する面を入光面と呼び、表示ユニット2と対向する面を発光面と呼ぶ。ランプ6からの発光光は、直接またはリフレクタ8から反射されて入光面から導光板に入光する。導光板7を全反射しながら進行する光は、導光板7の背面側に配置される反射板9によって導光板7の表面側に向けた面状光として発光する。リフレクタ8は、例えば、ステンレス鋼板あるいは黄銅板をプレス加工により図示の形状に形成し、その内面にAgをスパッタしたPETフィルムをラミネートすることにより構成される。反射板9としては、厚さ50μm程度のPET製粘着テープにAgあるいはAlを蒸着により被覆したもの、あるいは白色のフィルムを用いることができる。
【0020】
本実施の形態によるバックライト・ユニット3は、表示ユニット2に対して照射される光の集光度合いを高くするための工夫がなされている。具体的には、導光板7の表面側にプリズム71を形成し、さらに導光板7の表面側にプリズム・シート10を配置している。プリズム・シート10は、導光板7と表示ユニット2との間に存在することになる。導光板7に構成されたプリズム71は、その稜線がランプ6と直交するように形成される。つまり、導光板7内の光の進行方向に対して平行な方向に沿ってプリズム71は形成されている。プリズム71の頂角は、70°〜130°の範囲とすることが望ましい。プリズム71は導光板7の上面に設けても下面に設けてもかまわない。なお、プリズム・シート10は、その上面にプリズムを形成することもできる。また、プリズム・シート10は、その下面に稜線がランプ6と平行になるようにプリズムを形成している。つまり、プリズム・シート10のプリズムは、導光板7内の光の進行方向に対して垂直な方向に沿って形成されている。プリズム・シート10の頂角は、60°〜75°の範囲とすることが望ましい。本実施の形態によるバックライト・ユニット3は、ランプ6と平行な方向の集光を導光板7に形成したプリズム71が受け持ち、ランプ6と垂直な方向の集光をプリズム・シート10が受け持つ。ただし、このプリズム・シート10の集光は、導光板7が楔形形状をしているために生ずる全反射の崩壊によって前記発光面から出射してくる光を対象とする。
集光度合いの評価として、中央部を最大の輝度とし、輝度が最大輝度の半分になる角度(以下、半値幅という)を指標とすることが行われている。つまり、この半値幅が小さいほど集光度合いが強いことを示している。本実施の形態によるバックライト・ユニット3の半値幅を測定したところ、±10°であった。従来のバックライト・ユニットが±25°程度であったことから、本実施の形態によるバックライト・ユニット3は、集光度合いが相当向上したことが判明した。
【0021】
図4は、本実施の形態による液晶表示装置1において、バックライト・ユニット3を発光させたときの液晶表示パネル4における光の透過状態を示す断面模式図である。
図4に示すように、液晶表示パネル4は、図示しないバックライト・ユニット3の存在する図中下方から、レンチキュラー・レンズ・シート5、偏光板24、アレイ基板21、液晶層23、カラー・フィルタ基板22および偏光板25が積層した構造をなしている。アレイ基板21上には、走査線41が形成されている。走査線41の幅方向中心とレンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52,52の境界とが一致するように、レンチキュラー・レンズ・シート5の配置を設定してある。また、前述のように、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52は、液晶層23上で焦点を結ぶように設計されている。
図4は、バックライト・ユニット3から発光された平行光(点線で示す)がレンチキュラー・レンズ・シート5に対して照射された状態を示している。さて、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52に照射された光は、レンズ52により液晶層23内に存在する焦点上に収束される。液晶層23内に存在する焦点上で収束された光は、焦点、つまり液晶層23を通過するとカラー・フィルタ基板22内において角度をλ1もって拡散しながら進行する。
カラー・フィルタ基板22を透過した後に偏光板25から出射される際、放射角度はλ1より大きいλ2となる。つまり、カラー・フィルタ基板22および偏光板25は屈折率がおよそ1.5であるから、カラー・フィルタ基板22を透過して偏光板25から出射される光の放射角度λ2は、カラー・フィルタ基板22および偏光板25を透過する際の放射角度λ1よりも大きくなる。したがって、本実施の形態による液晶表示装置1は、液晶表示パネル4を斜め方向から見る場合でも、拡散板を用いることなく、所定の明るさを確保することができる。
図8は、レンチキュラー・レンズ・シート5を設けない場合の光の透過状況を示している。なお、図4と同一の部分には同一の符号を付してある。図8の例では、偏光板24に照射された光のうち一部は走査線41で遮蔽される。遮蔽されなかった他の光はカラー・フィルタ基板22および偏光板25を透過するが、偏光板25表面に対して垂直に出射するため、放射角度が広がるという効果を期待することができない。
【0022】
本実施の形態による液晶表示装置1は、拡散板を用いることなく、所定の明るさを確保することができるという利点の他に、従来の液晶表示装置に比べて輝度を向上することができるという利点を副次的に有している。以下、この輝度向上効果について説明する。
レンチキュラー・レンズ・シート5を備えていない従来の液晶表示装置は、図8に示したように、アレイ基板21を進行する光の一部は、アレイ基板21上に形成されている走査線41、信号線42等によって遮蔽されてしまう。つまり、アレイ基板21上に形成されている走査線41、信号線42等が液晶表示パネル4の光透過率を低減させていた。
これに対して本実施の形態による液晶表示装置1は、図4に示すように、液晶表示パネル4に入射された光がレンチキュラー・レンズ・シート5によって走査線41,41の間に収束されるから、走査線41によって遮蔽されることはない。現実の装置においては、製造誤差等によって走査線41によって遮蔽される可能性があるが、その場合でも従来の液晶表示装置に比べれば遮蔽される量はごく僅かである。したがって、従来の液晶表示装置に比べて輝度を向上することができるのである。
ここで、本実施の形態による液晶表示装置1は、前述したように、導光板7にプリズム71を設け、さらにプリズム・シート10を設けてバックライト・ユニット3から照射される光の集光度合いを高めている。これは、走査線41,41間を透過できずに走査線41にて遮蔽される可能性を低減するためである。この集光度合いは、半値幅で±5〜15°の範囲とすることが望ましい。±15°を超えると集光度合いが不足し、±5°未満では集光度合いが強すぎて偏光板25から出射される光の放射分布を十分に確保できなくなるおそれがあるからである。偏光板25から出射される光の半値幅については、±15〜30°とすることが望ましい。±15°未満では広い角度から見た場合の明るさが不足し、±30°を超えると正面の明るさが不足するためである。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態による液晶表示装置1は、液晶表示パネル4の所定位置にレンチキュラー・レンズ・シート5を配置したため、拡散板を設けることなく、所定の広がりを持った出射光を得ることができる。しかも、アレイ基板21上の走査線41による遮光を防止することができるので、輝度をより向上することができる。
【0024】
図4に示した例では、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52の焦点を液晶層23上で結ぶように設定したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、図5に示すように、レンズ52の焦点をアレイ基板21内で結ぶように設計してもよい。そして、図5から理解できるように、レンズ52の焦点をアレイ基板21内で結ぶように設計しても、図4で示した液晶表示装置1と同様の効果を得ることができる。
また、レンズ52の焦点は、図6に示すように、カラー・フィルタ基板22内でレンズ52の焦点を結ぶようにすることもできる。その場合でも、図6から理解できるように、図4で示した液晶表示装置1と同様の効果を得ることができる。
【0025】
さらに、図4で示した例では、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52,52の境界線が走査線41,41の幅方向中央に一致している。この図4の形態は最も望ましい形態であるが、本発明の効果を得るための必須の構成ではない。図7に示すように、レンズ52,52の境界線と走査線41,41の幅方向中央とがずれていても、図4と同様の効果を得ることができる。つまり、図7に示すように、レンズ52,52の境界線と走査線41,41の幅方向中央とがずれていても、レンズ52の焦点が、隣接する走査線41,41の間、つまり画素43の投影面の範囲内に存在すれば、本発明の効果を十分に享受することができる。逆に、レンズ52の焦点が、走査線41の投影面内に存在する場合には、走査線41がレンズ52を通過した光を遮蔽することになる。
【0026】
以上説明した実施の形態では、レンチキュラー・レンズ・シート5を偏光板24の下面に配置したが、アレイ基板21と偏光板24との間にレンチキュラー・レンズ・シート5を配置することもできる。ただし、この形態では、レンチキュラー・レンズ・シート5が、偏光板24による偏光をキャンセルしてはならない。本発明者等の検討によると、レンチキュラー・レンズ・シート5が紫外線硬化型樹脂で構成され、そのレンズ52の軸方向に対して平行に偏光が入射すれば、偏光のキャンセルは生じない。つまり、偏光板24の偏光方向とレンズ52の軸方向とを一致させれば良い。
また、本実施の形態による液晶表示装置1では、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52を画素43の短辺に沿って画素43の列に対応して形成した。しかし、レンズ52を画素43の長辺に沿って画素43の行に対応して形成することもできる。ただし、通常、液晶表示パネル4は、信号線42,42の間隔は走査線41,41の間隔の1/3しかない。そのため、画素43の行に対応したレンチキュラー・レンズ・シート5を設ける場合、製造の困難性の問題がある。したがって、本実施の形態のように、レンチキュラー・レンズ・シート5のレンズ52を画素43の短辺に沿って画素43の列に対応して形成することが望ましい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、輝度を向上できるとともに、放射分布の広い光を出射させることのできる液晶表示パネルおよび液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態による液晶表示装置の主要構成断面を示す図である。
【図2】 本実施の形態による液晶表示パネルとレンチキュラー・レンズ・シートの配置関係を説明するための図である。
【図3】 本実施の形態によるバックライト・ユニットの分解斜視図である。
【図4】 本実施の形態による液晶表示装置において、バックライト・ユニットを発光させたときの液晶表示パネルにおける光の透過状態を示す断面模式図である。
【図5】 本実施の形態による液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図6】 本実施の形態による液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図7】 本実施の形態による液晶表示装置の変形例を示す図である。
【図8】 本実施の形態による液晶表示装置の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1…液晶表示装置、2…表示ユニット、21…アレイ基板、22…カラー・フィルタ基板、23…液晶層、24,25…偏光板、3…バックライト・ユニット、4…液晶表示パネル、41…走査線、42…信号線、43…画素、5…レンチキュラー・レンズ・シート、51…基体、52…レンズ、6…ランプ、7…導光板、71…プリズム、8…リフレクタ、9…反射板、10…プリズム・シート
Claims (13)
- 光源から照射される光を制御する光学素子を備えた直視型の表示装置に用いられる表示パネルであって、
光透過性材料から構成され、かつ前記光源から照射される光を受光する第1の基板と、
光透過性材料から構成され、かつ前記第1の基板を透過した光を受光するとともに、この画像表示面から前記光が出射する第2の基板と、
前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置され、かつ前記光学素子が満たされた光学素子層と、
前記光源から照射された光を前記光学素子層上に収束させる複数のレンチキュラー・レンズと、を備え、
前記第1の基板は、表示信号を供給するための複数の信号線と、走査信号を供給するための複数の走査線とを有し、
前記複数のレンチキュラー・レンズによって収束された光は、隣り合う信号線間の領域内又は隣り合う走査線間の領域内に到達して前記光学素子層を透過し、
各レンチキュラー・レンズは、少なくとも1つの隣り合うレンチキュラー・レンズと、これらレンズ曲面が連続するように構成されていることを特徴とする表示パネル。 - 前記光学素子層上で収束された光は、前記光学素子層を透過した後に前記第2の基板を透過する過程で所定の角度をもって拡散し、かつ前記所定の角度よりも広い角度で前記第2の基板から出射することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
- 前記表示パネルはドット・マトリックス状に配列された複数の画素を備え、前記複数のレンチキュラー・レンズは、前記画素の列または行に対応して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
- 一対の長辺および一対の短辺を備える矩形状の画素がマトリックス状に形成されたアレイ基板と、
前記アレイ基板と所定の間隙を隔てて対向配置されるカラー・フィルタ基板と、
前記間隙に位置する液晶層と、
前記短辺に沿って延びる複数のレンチキュラー・レンズと、を備えた直視型の液晶表示パネルであって、
前記レンチキュラー・レンズは、前記アレイ基板が光源からの光を受ける面側に配置され、かつ隣接する前記レンチキュラー・レンズ同士の境界が前記画素の前記短辺に沿うように配置されており、
前記レンチキュラー・レンズは、この焦点を前記画素の投影面の範囲内で結び、各レンチキュラー・レンズは、少なくとも1つの隣り合うレンチキュラー・レンズと、これらレンズ曲面が連続するように構成されていることを特徴とする液晶表示パネル。 - 前記レンチキュラー・レンズは、この焦点を前記液晶層上で結ぶことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示パネル。
- 前記画素における一対の短辺の間隔が、100〜300μmであることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示パネル。
- 液晶層を含むとともに、画像表示面を備えた液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに対して光を照射するための光源と、
前記液晶表示パネルと前記光源との間に配置され、かつ前記光源から照射された光を前記液晶表示パネル内で収束させるレンズと、を備え、
前記液晶表示パネルは、前記光源から照射された光が、該液晶表示パネル内で収束した後に第1の角度を持って拡散し、かつ前記第1の角度より大きい第2の角度で前記画像表示面から出射するように構成されており、
前記光源から照射される光の半値幅が、−15〜−5°又は5〜15°の範囲内であることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記レンズは、前記光源から照射された光が前記液晶層またはその近傍で収束するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記光源から照射される光の半値幅よりも前記画像表示面から出射される光の半値幅が大きいことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 液晶層を含むとともに、画像表示面を備えた液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルに対して光を照射するための光源と、
前記液晶表示パネルと前記光源との間に配置され、かつ前記光源から照射された光を前記液晶表示パネル内で収束させるレンズと、を備え、
前記液晶表示パネルは、前記光源から照射された光が、前記液晶表示パネル内で収束した後に第1の角度を持って拡散し、かつ前記第1の角度より大きい第2の角度で前記画像表示面から出射するように構成されており、
前記画像表示面から出射される光の半値幅が、−30〜−15°又は15〜30°の範囲内であることを特徴とする液晶表示装置。 - 表示信号を供給するための複数の信号線と走査信号を供給するための複数の走査線とがマトリックス状に配列されたアレイ基板と、前記アレイ基板と所定の間隙を隔てて対向配置されるカラー・フィルタ基板と、前記間隙に位置する液晶層とを有する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面に設けられ、かつ少なくとも1つの入光面および前記入光面から入光した光が発光するための発光面を備えた導光板と、
前記導光板の入光面に沿って配置されたランプと、
前記導光板と前記液晶表示パネルとの間に設けられ、かつ前記走査線に平行な方向に延びる複数のレンチキュラー・レンズと、を備え、
前記複数のレンチキュラー・レンズの配列ピッチと前記複数の走査線の配列ピッチとが一致し、
前記複数のレンチキュラー・レンズは、隣り合う信号線間の領域内又は隣り合う走査線間の領域内に向けて、前記ランプからの光を収束させ、該光が前記液晶表示パネルを透過することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記導光板の前記発光面には、前記導光板内における光の進行方向に対して平行な方向に延びる第1のプリズムが複数形成されており、
前記導光板と前記レンチキュラー・レンズとの間に、前記導光板内における光の進行方向に対して垂直な方向に延びる第2のプリズムを複数形成したプリズム・シートが配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。 - 前記信号線及び走査線がマトリクス状に配置されており、
前記複数のレンチキュラー・レンズの配列ピッチと前記複数の走査線の配列ピッチとが一致することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
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