JP3860664B2 - 水平偏波無指向性アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やPHS(簡易型携帯電話システム)など、陸上における移動通信の基地局に使用されるアンテナ装置に関し、特に、水平偏波の水平面内無指向性アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアンテナ装置については、近年、前記携帯電話システムの利用者の増加と、移動通信サービスエリアの拡大に伴い、特に、基地局に使用される水平偏波の水平面内無指向性アンテナ装置の開発が、待望されていた。
【0003】
従来、アンテナ装置から放射される水平偏波で水平面内無指向性を得るには、8の字指向性を有する2個のアンテナ素子1a,1bを直交させ、さらにそれぞれのアンテナ素子にほぼ90度の位相差を有するような電力を供給して、放射される水平偏波を合成すればよいことは知られており、テレビジョン放送などに使用されている図7に示すスーパターンスタイルアンテナ装置1をその代表として挙げることができる。
【0004】
しかし、前記アンテナ素子1a,1bへ給電する素子電流の不均一や支持柱2の影響などにより、完全な円形の指向性を得ることは難しく、実際には、図8に示すように、水平面内における偏差が3dBでも無指向性としているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のアンテナ装置1を、移動体通信の基地局に使用するには、その指向性を改善しなければならないという問題点があった。
なお、前記携帯電話には、900MHz帯、PHSには、1.9GHz帯の周波数が割り当てられている。
また、前記アンテナ装置1は、図7に示すように、そのアンテナ素子1aまたは1bの両端間の幅が、使用波長λの0.65λと大きくなり、アンテナ素子の小型化が待望される現在では、細径化の必要があるという問題点があった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、従来の前記アンテナ装置の指向性を改善し、移動体通信の基地局に使用できるような、水平偏波の水平面内での無指向性が得れられるアンテナ装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、アンテナ素子の両端間の幅が小さい、すなわち、細径化された水平偏波無指向性アンテナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、誘電体プリント基板の一方の面の金属箔上に形成される細長いスロットと、該プリント基板の他方の面に前記スロットの幅方向に、該スロットを横切るように形成されるストリップラインとからなるスロットアンテナ素子が、2個、ほぼ直交するように配設されるアンテナ装置であり、その詳細な構成は、次のとおりである。
【0009】
すなわち、前記一方のスロットアンテナ素子に、移相手段を介して、他方のスロットアンテナ素子に対しほぼ90度の位相差を有するような電力を、前記2個のスロットアンテナ素子にそれぞれ供給することにより、水平面内に無指向性が得られるようにする。
【0010】
前記移相手段が、例えばハイブリッド回路、または2分配器により、ほぼ90度の位相差を有するような電力を、前記2個のスロットアンテナ素子にそれぞれ供給することにより、水平面内に無指向性が得られるようにする。
【0011】
そして、前記ストリップラインが、互いに直角に配置される2個のストリップライン素子からなる鈎状のもので、一方のストリップライン素子は、前記スロットをほぼ直角方向に横切るように形成され、他方のストリップライン素子は、前記スロットの長軸に平行に形成され、その一端は前記一方のストリップライン素子端に接続され、その他端は前記スロットのほぼ中心位置に対応する位置に給電端を形成するようにする。
【0012】
さらに、前記水平偏波無指向性アンテナ装置が、垂直方向に複数段に、配設されてなるようにしている。
【0013】
本発明は以上のように、誘電体プリント基板に形成されたスロットアンテナ素子を、2個、該アンテナ素子に形成された組立用スリットを介して、前記スロットを横切る前記ストリップラインのそれぞれを上下に配置しながら、互いにほぼ直交するように配設して、組み立てる。
【0014】
前記組立用スリットは、前記アンテナ素子の前記スロットの中心からその長軸に沿って、該スロットを横切る前記ストリップラインが形成されていない方向に直線状に形成されている。なお、前記2個のアンテナ素子のそれぞれについては、組立後、前記組立用スリットにより分断された、前記スロットを形成している部分の金属箔を、導電材からなる接続部材により互いに溶着により接続して、前記スロットを完全なものに形成している。
【0015】
そして、前記2個のスロットアンテナ素子のそれぞれに、互いにほぼ90度の位相差を有するような電力を供給して、それぞれの指向性を合成することにより、無指向性で、支持柱の影響の強い、従来のアンテナ装置の指向性を改善している。
また、前記誘電体プリント基板に、比誘電率の大きい誘電体基板を採用して、スロットアンテナ素子の両端間の幅を小さくする、すなわち、細径化が図られている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。
図1ないし図5は、本発明の水平偏波無指向性アンテナ装置の一実施の形態を示す図で、図1は、前記水平偏波無指向性アンテナ装置10を構成するスロットアンテナ素子11a,11bを示す図で、図1(a)はアース側面を示す図、図1(b)はストリップライン側面を示す図、図2は、該スロットアンテナ素子11a,11b単体の水平面内指向性を示す図、図3(a)は、前記アンテナ装置10の組立を示す図、図3(b)は、図3(a)のB−B線による主要部の断面図、図4は、前記アンテナ装置10に電力を供給する概略接続図、図5は、図4における前記アンテナ装置10の水平偏波の水平面内指向性を示す図である。
【0017】
図1(a)および図1(b)において、前記アンテナ装置10を構成するスロットアンテナ素子11a(11b)は、長さL1が約0.6λ(ここで、λは、使用する波長を示す)以上、幅W1が約0.2λの矩形状の誘電体プリント基板12が使用される。この誘電体プリント基板12は、その比誘電率が比較的高いため、その幅W1は約0.2λと小さくなっている。
【0018】
前記スロットアンテナ素子11a(11b)は、図1(a)に示すように、該プリント基板の一方の面のアース側を形成する金属箔上に形成される、長さL2が約0.5λ、幅W2が約0.06λの細長い矩形状のスロット13と、図1(b)に示すように、該プリント基板12の他方の面に、互いに直角に配置される2個のストリップライン素子14a,14bからなる鈎状のストリップライン14が形成されている。
【0019】
前記2個のストリップライン素子14a,14bの一方のストリップライン素子14aは、前記プリント基板12の一方の面に形成されている前記スロット13を、ほぼ直角方向(幅方向)に横切るように形成されおり、他方のストリップライン素子14bは、前記スロット13の長軸に平行に形成され、その一端は前記一方のストリップライン素子14aの端に接続され、その他端は、前記スロット13のほぼ中心位置を平行移動させた位置に、給電端15を形成している。なお、前記スロット13への給電は、前記ストリップライン14でオフセット給電することで、整合をとっている。
【0020】
前記スロットアンテナ素子11a(11b)の指向特性は、図2に示すように、ダイポールアンテナと同様に、8の字指向性である。
【0021】
ところで、前記2個のスロットアンテナ素子11a,11bを、互いに直交するように組み立てて、前記アンテナ装置10にするため、前記2個のスロットアンテナ素子11a,11bのそれぞれに、組立用スリット12bが形成されている。
【0022】
この組立用スリット12bは、前記それぞれのスロットアンテナ素子11a,11bの前記スロット13の中心Oから長軸13aに沿って、該スロット13を横切る前記ストリップライン14が形成されていない方向に直線状に延びて形成されるとともに、該スロット13の反対側の端部に接して、組立後の他方のスロットアンテナ素子11b(11a)の分断されたアース側金属箔12a,12aを互いに接続するための接続部材16を挿通するスリット12cが形成されている。
【0023】
このような前記2個のスロットアンテナ素子11a,11bを、図3(a)に示すように、それぞれのアンテナ素子11a,11bに形成された組立用スリット12b,12bを介して、前記スロットを横切る前記ストリップライン14,14のそれぞれを上下に配置しながら、ほぼ直交するように配設して、前記アンテナ装置10に組み立てている。
このため、前記アンテナ装置10を小型にすることができる。
【0024】
組立後、図3(b)に示すように、前記スロットアンテナ素子11a,11bのそれぞれについて、前記組立用スリット12b,12bにより分断された、前記スロット13,13をそれぞれ形成している部分の金属箔12a,12aを、断面がT字形状の銅系などの金属材からなる接続部材16により、前記スリット12cに挿通させながら、互いに溶着、接続するとともに、他方のスロットアンテナ素子11b,11aのアース面を形成している金属箔12aをも、同時に溶着、接続して、前記スロット13,13を完全な方形のスロットに形成しながら、前記2個のスロットアンテナ素子11a,11bを互いに直交するように固着している。
【0025】
前記スロットアンテナ素子11a,11bを2個、互いに直交するように組み立てた前記アンテナ装置10に対して、該スロットアンテナ素子11a,11bのそれぞれに、図4に示すように、一方のスロット放射素子11bに、ハイブリッド回路17を介して、他方のスロット放射素子11aに対しほぼ90度の位相差を有するように、それぞれの給電端15,15とアース側金属箔12a,12aとの間に給電すると、図5に示すように、水平偏波の水平面内無指向性が得られる。
すなわち、水平偏波の水平面内の全周方向において、指向特性の偏差が1.5dB以内であることが確認された。
【0026】
図6は、図4の他の例を示す、前記水平偏波無指向性アンテナ装置10に電力を供給する概略接続図である。
前述のように組み立てられた前記アンテナ装置10に対して、該スロットアンテナ素子11a,11bのそれぞれに、図6に示すように、一方のスロット放射素子11bに、2分配器18を介して、他方のスロット放射素子11aに対しほぼ90度の位相差が得られるように、給電ケーブル19を使用して、それぞれの給電端15,15とアース側金属箔12a,12aとの間に給電すると、図5と同様に、水平偏波の水平面内無指向性が得られる。
すなわち、水平偏波の水平面内の全周方向において、指向特性の偏差が1.5dB以内であることが確認された。
【0027】
次いで、前記アンテナ装置10を垂直方向に複数段に、配設するとともに、該スロットアンテナ素子11a,11a,11b,11bのそれぞれに、一方のスロット放射素子11b,11bに、前記ハイブリッド回路17または2分配器18を介して、他方のスロット放射素子11a,11aに対しほぼ90度の位相差が得られるように、それぞれの給電端15,15とアース側金属箔12a,12aとの間に給電することもできる。
【0028】
なお、本発明の技術は前記実施の形態における技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の水平偏波無指向性アンテナ装置によれば、誘電体プリント基板にそれぞれ形成されるスロットアンテナ素子が、2個、ほぼ直交するように配設されるアンテナ装置であって、前記一方のスロットアンテナ素子に、移相手段を介して、他方のスロット放射素子に対しほぼ90度の位相差を有するような電力を、前記2個のスロットアンテナ素子にそれぞれ供給することにより、水平面内に無指向性が得られるので、従来の前記アンテナ装置の指向性を改善し、移動体通信の基地局に使用できるような、水平偏波の水平面内で無指向性が得れられるとともに、アンテナ素子の両端間の幅を小さく、すなわち、細径化することができる。
【0030】
すなわち、本発明の前記アンテナ装置によれば、放送に使用されているアンテナ装置のように支持柱、例えば鉄塔の影響を受けず、水平偏波の水平面内の全周方向において、指向性偏差が1.5dB以内の無指向性に改善することができ、細径化が可能となる。
また、本発明の前記アンテナ装置によれば、携帯電話に限らずPHSなどの基地局のアンテナ装置に好適で、そのサービスエリアを広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水平偏波無指向性アンテナ装置の一実施の形態を示す、該アンテナ装置を構成するスロットアンテナ素子の図で、図1(a)はアース側面を示す図、図1(b)はストリップライン側面を示す図である。
【図2】図1のスロットアンテナ素子の、周波数が900MHz帯における水平面内指向性を示す図である。
【図3】図3(a)は、前記水平偏波無指向性アンテナ装置の組立を示す図、図3(b)は、図3(a)のB−B線による主要部の断面図である。
【図4】前記アンテナ装置に電力を供給する概略接続図である。
【図5】図4および図6の接続による、周波数が900MHz帯における前記アンテナ装置の水平偏波の水平面内指向特性図である。
【図6】図4の他の例を示す、前記アンテナ装置に電力を供給する概略接続図である。
【図7】従来の水平偏波無指向性アンテナ装置としてのスーパターンスタイルアンテナ装置を示す図である。
【図8】図7のスーパターンスタイルアンテナ装置の指向特性を示す図である。
【符号の説明】
10 水平偏波無指向性アンテナ装置
11a,11b スロットアンテナ素子
12 誘電体プリント基板
12a アース側金属箔
12b 組立用スリット
12c スリット
13 スロット
13a 長軸
14 ストリップライン
14a,14b ストリップライン素子
15 給電端
16 接続部材
17 ハイブリッド回路
18 2分配器
19 給電ケーブル(位相差を得るための給電ケーブル)
O スロットの中心
Claims (3)
- 誘電体プリント基板の一方の面の金属箔上に形成される細長いスロットと、該プリント基板の他方の面に前記スロットの幅方向に、該スロットを横切るように形成されるストリップラインとからなるスロットアンテナ素子が、2個、ほぼ直交するように配設されるアンテナ装置であって、
前記一方のスロットアンテナ素子に、移相手段を介して、他方のスロットアンテナ素子に対しほぼ90度の位相差を有するような電力を、前記2個のスロットアンテナ素子にそれぞれ供給することにより、水平面内に無指向性が得られることを特徴とする水平偏波無指向性アンテナ装置。 - 前記移相手段が、ハイブリッド回路、または2分配器であることを特徴とする請求項1に記載の水平偏波無指向性アンテナ装置。
- 前記水平偏波無指向性アンテナ装置が、垂直方向に複数段に、配設されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水平偏波無指向性アンテナ装置。
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| JP14065498A JP3860664B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 水平偏波無指向性アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14065498A JP3860664B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 水平偏波無指向性アンテナ装置 |
Publications (2)
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| JP14065498A Expired - Lifetime JP3860664B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 水平偏波無指向性アンテナ装置 |
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1998
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