JP3865302B2 - 味付け油揚げの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、味付け油揚げの製造方法に関し、特に調味液を多く含んだソフト感のあるキツネ色をした味付け油揚げを大量生産するのに最適な味付け油揚げの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、味付け油揚げを大量生産する方法としては、レトルト商品にかかる製造方法が一般的に実施されている。
【0003】
レトルト商品にかかる製造方法は、例えば、油揚げの油抜きをしていないそのままの生あげと調味液を袋に入れて真空包装した後、130〜140℃の高温状態で味付け及び殺菌等の処理を行うものである。
【0004】
そのため、レトルト商品にかかる製造方法では、100℃を超える高温処理を要することから、油揚げの表面に黒っぽい波ができたり、破れやすくなるばかりでなく、油揚げの皮が固くなるため、ふっくらしたソフト感がある美味しい味付け油揚げを製造することは困難である。
【0005】
一方、レトルト商品にかかる製造方法以外の味付け油揚げの製造方法については、例えば、味の濃度に変化のない安定した味付けができる油揚げの味付け方法を提供する発明が考えられている(特開平2−92250号公報)。
【0006】
これによれば、釜の中に油揚げを調味液とともに入れた状態において、釜を密閉し加熱することにより釜の中を加圧に保持する工程と、釜を密閉して冷却することにより釜の中を常温よりも高い調味液の温度で減圧に保持する工程とを繰り返して行う油揚げの味付け方法が記載されている。
【0007】
しかしながら、上記の方法では、加圧と減圧によって油揚げが収縮と膨張を繰り返し、油揚げに調味液を浸透させるようにしたものであるから、味付けを行っている過程において、油揚げがしわになったり折れ曲がったりすることになるので、後でこれを拡げる手間が必要となるばかりでなく、油揚げの型くずれが起きやすく商品価値が著しく低下するという問題がある。
【0008】
また、油抜きの工程と味付けの工程を同一の釜で順次実施するようにすると、釜内の油抜き用熱湯と味付け用調味液をその都度入れ替える作業が必要になるので、作業工程が煩雑になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、調味液を多く含んだソフト感のあるキツネ色をした味付け油揚げを大量生産するのに最適な味付け油揚げの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、各側面部及び底面部に多数の小孔を設けた油揚げ収納ケース内に油揚げを複数枚積み重ねて収納し、次にステンレス製枠組内に前記油揚げ収納ケースを複数段積み重ねて収容した後、前記ステンレス製枠組を油抜釜に入れて90〜100℃の熱湯で約1時間程度かけて油揚げの油抜きを行なった後に前記ステンレス製枠組を前記油抜釜から搬出して油揚げに含まれる水分を複数枚積み重ねられた油揚げの自重により絞り出して十分に取り除き、その後前記ステンレス製枠組を調味液が入った真空圧力二重釜内に入れて釜内の温度を87〜92℃に加熱調節し、かつ、釜内の気圧を下げながら約1時間程度かけて油揚げをたきあげて味付けを行うことを特徴とする。
【0011】
このように、釜内の温度を100℃以下の適温範囲内で十分時間をかけてじっくりと油抜き処理(90〜100℃の熱湯で約1時間程度かける)及び味付け処理(87〜92℃に加熱調節し、かつ、釜内の気圧を下げながら約1時間程度かける)を行うことにより、レトルト商品にかかる製造方法により味付け処理された油揚げとは異なり、外観、食感等が非常に良くて美味しい油揚げを製造することが可能となる。
【0012】
また、味付け処理の過程において、釜内を減圧しながら加熱することにより、加圧と減圧によって油揚げが収縮と膨張を繰り返して油揚げに調味液を浸透させるような従来考えられている方法とは異なり、油揚げの型くずれを防止することが可能となる。
【0013】
また、油抜き処理の工程と味付け処理の工程にそれぞれ別個の釜(油抜き釜と真空圧力二重釜)を使用したことにより、同一の釜を使用した場合と比較して釜内の油抜き用熱湯と味付け用調味液をその都度入れ替える作業が不要になるため、作業工程が簡素化される。
【0014】
さらに、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の味付け油揚げの製造方法により油揚げの味付けを行なった後、油揚げを取り出して真空パック包装したものを高温状態でボイル殺菌した後直ちに低温状態で冷却することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参酌しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明にかかる味付け油揚げの製造方法の一連の製造工程を示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、本発明にかかる味付け油揚げの製造方法の一連の製造工程は、油揚げ収納ケース内に油揚げを収納し、そのケースをステンレス製枠組内に収容する工程(S10)、熱湯で油揚げの油抜きを行なう工程(S20)、調味液で味付けを行う工程(S30)、真空パック包装を行う工程(S40)、ボイル殺菌する工程(S50)、冷却する工程(S60)から構成される。
【0018】
上記製造工程中、S10乃至S30からなる工程は、油揚げの油抜き及び味付け処理に直接関係するものであるが、S40乃至S60からなる工程は、味付け油揚げの商品価値を保存維持するための工程であるので、この商品価値を保存維持するための工程については、商品の保管・流通の形態に応じて適宜最適な方法を採用することができる。
【0019】
以下、各工程ごとの実施手順及び使用される装置について順次説明する。
【0020】
先ず、図1に示す油揚げ収納ケース内に油揚げを収納し、そのケースをステンレス製枠組内に収容する工程(S10)について説明する。
【0021】
図2は、本発明にかかる油揚げ収納ケースの一実施例を示す斜視図である。また、図3及び図4は、本発明にかかる油揚げ収納ケース内に油揚げを収納した状態(正面及び平面)の一例を示す説明図である。
【0022】
図2に示すように、油揚げ収納ケース1の各側面部及び底面部には、多数の小孔2が設けられている。これにより、後述する後工程において真空圧力二重釜10内で油揚げをたきあげて味付けを行うときに(図7参照)、真空圧力二重釜10内の調味液が対流して多数の小孔2を通し全ての油揚げに十分浸透する。
【0023】
S10の工程では、図3及び図4に示すように、油揚げ収納ケース1内に油揚げ(生揚げ)Aを5枚積み重ねたものを縦横4列並べて収納する。油揚げ(生揚げ)Aの収納枚数については、油揚げ(生揚げ)Aの大きさ・形状によって適宜変更することができる。なお、本発明にかかる味付け油揚げの製造方法では、特注の特厚すしあげ(厚さ15ミリメートル、重量14グラム)に対しても調味液を多く含んだソフト感のある味付けを行うことが可能である。
【0024】
図5は、本発明にかかるステンレス製枠組の一実施例を示す斜視図である。また、図6は、本発明にかかる油揚げ収納ケースをステンレス製枠組内に収容した状態(正面)を示す説明図である。
【0025】
上述したように、油揚げ収納ケース1内に油揚げ(生揚げ)Aを複数枚積み重ねたものを縦横に並べて収納した後、図6に示すように油揚げ収納ケース1をステンレス製枠組3内に複数段積み重ねて収容する。
【0026】
図5及び図6に示すように、ステンレス製枠組3の上面中央部に係止部4が設けられており、前面中央の縦方向に縦枠5が留め具6により着脱自在に取り付けられる。
【0027】
係止部4は、別途設置された電動クレーンに取り付けたフックを係止させるものである。ステンレス製枠組3は、電動クレーンにより吊り上げられて、油抜釜(図示省略)又は真空圧力二重釜10に搬入され、油抜き又は味付け処理後は、油抜釜(図示省略)又は真空圧力二重釜10から搬出される。係止部4の形状・構造等は、図示したものに限られず任意のものを適宜選択することができる。
【0028】
図6に示すようにステンレス製枠組3内には、油揚げ収納ケース1が左右2列に並べられ9段に重ねて収容される。各列の最上段の油揚げ収納ケース1の上面には、小孔付き板7が載置されている。
【0029】
縦枠5及び留め具6は、ステンレス製枠組3内に収容した油揚げ収納ケース1が、作業工程中においてステンレス製枠組3の正面から脱落しないように、作業の安全性を高めるために設けられている。縦枠5及び留め具6の形状・構造等は、図示したものに限られず任意のものを適宜選択することができる。
【0030】
次に、図1に示す熱湯で油揚げの油抜きを行なう工程(S20)について説明する。
【0031】
油揚げ収納ケース1内に多数の油揚げAが収納された状態のステンレス製枠組3を油抜釜(図示省略)に入れて、90〜100℃の熱湯で約1時間程度かけて油揚げの油抜きを行なう。このように、釜内の温度を100℃以下の適温範囲内で十分時間をかけて油抜きを行うことが、レトルト商品にかかる製造方法と相違する点であるが、油を抜きすぎると光沢がなくなるという問題が生じるので、90〜100℃の熱湯で約1時間程度かけて行うのが最適である。
【0032】
油抜きを行うときには、油抜釜(図示省略)の熱湯に蒸気を入れて加熱する方法を採用することができる。この場合、油揚げAから抜き出た油分は、熱湯の上方に浮き出てくるため、油抜釜(図示省略)の上部内面の所定箇所に油分を排出するための排出口を設けておくと、油抜き後の油抜釜(図示省略)の洗浄処理を簡素化できる。
【0033】
その後、油抜釜(図示省略)から熱湯を排出する又はステンレス製枠組3を油抜釜(図示省略)から搬出すると、油揚げAが含んでいる水分は、複数枚積み重ねられた油揚げAの自重により絞り出されるため、水分が十分に取り除かれることになる。
【0034】
次に、図1に示す調味液で味付けを行う工程(S30)について説明する。
【0035】
図7は、本発明にかかる真空圧力二重釜にステンレス製枠組を入れた状態を示す説明図である。
【0036】
上述したように油抜きをした後、ステンレス製枠組3を調味液が入った真空圧力二重釜10に入れる。図7に示すように、真空圧力二重釜10は、密閉蓋11、釜本体12、外釜13から構成されている。釜本体12と外釜13の間には、蒸気を通す空間14が形成されおり、真空圧力二重釜10の正面の上部付近には、釜内の調味液の量を視認するための窓15が設けられている。
【0037】
味付けを行うときは、図7に示すように真空圧力二重釜10に入れられたステンレス製枠組3が全体的に調味液内に浸かるように調味液を適宜補充しながら、釜内の温度を87〜92℃に加熱調節し、かつ、別途設置された真空ポンプにより釜内の気圧を下げながら約1時間程度かけて油揚げをたきあげて味付けを行う。このとき、油揚げAが多数収納された油揚げ収納ケース1の各側面部及び底面部並びに小孔付き板7に多数の小孔が設けられているため、釜内の加熱された調味液が対流して多数の小孔を通し全ての油揚げAに十分に浸透する。
【0038】
このように、釜内の温度を100℃以下の適温範囲内で十分時間をかけてじっくりたきあげることが、レトルト商品にかかる製造方法と相違する点である。このため、レトルト商品の如く油揚げの表面に黒っぽい波ができたり、破れやすくなるのを防ぐことができるばかりでなく、油揚げの皮が固くなることもなく、ふっくらしたソフト感があるキツネ色をした美味しい味付け油揚げを製造することができる。
【0039】
また、釜内を減圧しながら加熱するようにしたので、加圧と減圧によって油揚げが収縮と膨張を繰り返して油揚げに調味液を浸透させるような従来考えられている方法とは異なり、味付けを行っている過程において、油揚げがしわになったり折れ曲がったりすることを防ぐことができる。
【0040】
最後に、図1に示す真空パック包装を行う工程(S40)、ボイル殺菌する工程(S50)、冷却する工程(S60)について簡単に説明する。
【0041】上述のように味付け処理を行った後、油揚げAを油揚げ収納ケース1から取り出して真空パック包装する(S40)。そして、おいしさを保つために真空パック包装したものを約98℃の高温状態で1時間30分〜2時間かけてボイル殺菌した後(S50)、直ちに約−2℃の低温状態で約1時間程度かけて冷却することにより(S60)、菌の増殖を防止する。このように、上記製造工程により出来上がった商品は、チルド商品であるため10℃以下の温度で冷蔵することが必要である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、100℃以下の適温範囲内で十分時間をかけてじっくりと油抜き及び味付け処理を行うことにより、レトルト商品にかかる製造方法により製造された味付け油揚げとは異なり、調味液を多く含んだソフト感のあるキツネ色をした味付け油揚げを大量生産することが可能となる。
【0043】
また、釜内を減圧しながら加熱調節することにより、味付け処理の過程において、油揚げの型くずれを防止することが可能となる。
【0044】
さらに、油抜きの工程と味付けの工程を別個の釜で順次実施するようにしたので、同一の釜で処理する場合と比較して釜内の油抜き用熱湯と味付け用調味液をその都度入れ替える作業が不要であるから、作業工程が簡素化され作業の効率性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる味付け油揚げの製造方法の一連の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】 本発明にかかる油揚げ収納ケースの一実施例を示す斜視図である。
【図3】 本発明にかかる油揚げ収納ケース内に油揚げを収納した状態(正面)の一例を示す説明図である。
【図4】 本発明にかかる油揚げ収納ケース内に油揚げを収納した状態(平面)の一例を示す説明図である。
【図5】 本発明にかかるステンレス製枠組の一実施例を示す斜視図である。
【図6】 本発明にかかる油揚げ収納ケースをステンレス製枠組内に収容した状態(正面)を示す説明図である。
【図7】 本発明にかかる真空圧力二重釜にステンレス製枠組を入れた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A 油揚げ
1 油揚げ収納ケース
2 小孔
3 ステンレス製枠組
4 係止部
5 縦枠
6 留め具
7 小孔付き板
10 真空圧力二重釜
11 密閉蓋
12 釜本体
13 外釜
14 空間
15 窓

Claims (2)

  1. 各側面部及び底面部に多数の小孔を設けた油揚げ収納ケース内に油揚げを複数枚積み重ねて収納し、次にステンレス製枠組内に前記油揚げ収納ケースを複数段積み重ねて収容した後、前記ステンレス製枠組を油抜釜に入れて90〜100℃の熱湯で約1時間程度かけて油揚げの油抜きを行なった後に前記ステンレス製枠組を前記油抜釜から搬出して油揚げに含まれる水分を複数枚積み重ねられた油揚げの自重により絞り出して十分に取り除き、その後前記ステンレス製枠組を調味液が入った真空圧力二重釜内に入れて釜内の温度を87〜92℃に加熱調節し、かつ、釜内の気圧を下げながら約1時間程度かけて油揚げをたきあげて味付けを行うことを特徴とする味付け油揚げの製造方法。
  2. 請求項1に記載の味付け油揚げの製造方法により油揚げの味付けを行なった後、油揚げを取り出して真空パック包装したものを高温状態でボイル殺菌した後直ちに低温状態で冷却することを特徴とする味付け油揚げの製造方法。
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