JP3867962B2 - 記録条件決定プログラム及び記録媒体、記録条件決定方法並びに情報記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録条件決定プログラム及び媒体、記録条件決定方法並びに情報記録装置に係り、さらに詳しくは、情報記録の対象媒体として、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体を用いる情報記録装置の制御用コンピュータに実行させる記録条件決定プログラム、及び該記録条件決定プログラムが記録された記録媒体、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体に情報を記録する際の記録条件を決定するための記録条件決定方法並びに該記録条件決定方法の実施に好適な情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータは、その機能が向上するに伴い、音楽や映像といったAV(Audio-Visual)情報を取り扱うことが可能となってきた。これらAV情報の情報量は非常に大きいために、情報記録媒体としてCD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、情報記録装置としての光ディスク装置がパーソナルコンピュータの周辺機器の一つとして普及するようになった。光ディスク装置では、光ディスクのスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面にレーザ光の微小スポットを照射することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置には、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するために、光ピックアップ装置が設けられている。
【0003】
光ディスクでは、マーク(ピット)領域及びスペース領域と呼ばれる2つの反射率の異なる領域によって情報を記録している。例えば、記録層に有機色素を含むCD−R(CD-recordable)やDVD−R(DVD-recordable)などの追記型の光ディスクでは、マーク領域を形成するときにはレーザ光出力を高くして色素を加熱及び溶解し、そこに接している基板部分を変質・変形させている。一方、スペース領域を形成するときには基板が変質・変形しないようにレーザ光出力を再生時と同程度に小さくしている。これにより、マーク領域ではスペース領域よりも反射率が低くなる。
【0004】
しかしながら、同一種類の光ディスクであっても、光ディスクのメーカ(ベンダー)によって、記録層に含まれる有機色素の種類、記録層の厚さ及びトラックピッチの幅などが若干異なっている。このことは、マーク領域を形成する時のレーザ光出力、いわゆる書き込みパワーが同じであっても、光ディスクによっては必ずしも予定した形状のマーク領域が形成されるとは限らないことを意味している。情報の記録時に予定した形状のマーク領域が形成されないと、その情報を正確に再生することが困難となり、いわゆる記録品質が低下することとなる。
【0005】
そこで、追記型の光ディスクには、その光ディスクに最適な書き込みパワーを検出するための試し書き領域が設けられている。この領域はパワーキャリブレーションエリア(Power Calibration Area:以下「PCA」という)と呼ばれている。例えばCD−Rでは、PCAは100個のパーティションに分割されたテストエリアを有している。そして、テストエリアの各パーティションは15個のフレームで構成されている。通常、光ディスク装置では、追記型の光ディスクに情報を記録する際に、1つのパーティションを用いて、一定の線速度でフレーム毎に書き込みパワーを段階的に変化させて所定のデータを試し書きし、その中で最も高い記録品質を示した書き込みパワーを最適な書き込みパワーとして選択する、いわゆるOPC(Optimum Power Control)動作が行われている。
【0006】
線密度が一定の記録媒体の場合には、通常、一定の線速度(CLV:Constant Linear Velocity)で記録媒体を回転させながら記録するため、記録媒体とレーザビームとの相対速度がいつも一定であり、書き込みパワーや記録パルス幅などの記録条件は、一度最適条件を決めてしまえば、全面にわたり変える必要がない。すなわち、この場合には、内周部のPCA領域で、種々の書き込みパワーで試し書きを行ない、その結果に基づいて決定された最適書き込みパワーを用いて、同じ線速度で全面記録しても記録品質の低下は生じない。
【0007】
しかしながら、記録速度の高速化に伴い、CLV方式では内周側にいくほど回転数を高くする必要があるので、モータコストが高くなったり、騒音、振動が増えたり、その他のサーボシステムの設計も困難になってくる。そこで、回転の角速度を一定(CAV:Constant Angular Velocity)として、内周部での回転数を低くし、外周部での回転数を高くする手法が考案された。この場合には、線速度は外周側にいくほど高くなる。すなわち、線速度は半径に比例して高くなる。また適当な半径位置で複数のゾーンに分割し、ゾーン内ではCLVとし、外周側のゾーンほど高い線速度とするZCLV(Zone CLV)という手法も実用化されている。CLV方式及びZCLV方式のいずれにしても、試し書きを行う際の線速度と、実際に情報を記録する際の線速度とは異なる場合が生じる。従って、OPCによって決定された書き込みパワーが、必ずしも最適な書き込みパワーとならない場合があるという不都合があった。
【0008】
この不都合を改善するために、例えば特開2000−200416号公報には、等角速度で回転させた光ディスクのデータ領域にデータの記録を行なう際に、その書き込み位置での線速度と同一の線速度で、試し書き位置に対してレーザ光のレーザ駆動電流値を段階的に変化させて複数段階の記録レーザパワー値による試し書きを行ない、試し書き位置に記録された各データの再生信号から算出した状態情報(例えばアシンメトリ値)に基づいてデータの書き込み位置での最適な記録レーザパワー値を決定する光ディスク記録装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開2000−200416号公報に開示されている光ディスク記録装置では、最適な記録レーザパワー値を決定するのに時間を要し、データの記録時間が長くなるという不都合があった。さらに、例えばCD−Rでは、試し書きは内周のPCAに対して100回までしか許されていないため、試し書きの回数が制限される場合があり、必ずしも全ての追記時に最適な記録レーザパワー値を決定することができるとは限らないという不都合があった。
【0010】
また、内周部では、試し書きが可能な線速度に制限があるために、必要な線速度での最適な記録レーザパワー値を決定することができない場合があるという不都合があった。
【0011】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することができる記録条件決定プログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することができる記録条件決定方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第3の目的は、情報記録媒体への高速度での記録を安定して行うことができる情報記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の観点からすると、情報記録の対象媒体として、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体を用いる情報記録装置に用いられる記録条件決定プログラムであって、外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する手順と;前記決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う手順と;前記1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、前記決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度を決定する手順と;前記1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する手順と;前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する手順と;前記判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させる記録条件決定プログラムである。
【0015】
これによれば、外部からの指示に基づいて、情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域が決定され、その領域のうち1番目の領域で試し書きが行われる。そして、1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度が決定される。また、1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーが推定され、該推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かの判断の結果として、推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、一旦決定された基本線速度は特定領域での試し書きを行う前に修正される。かかる場合には、例えば推定された書き込みパワーが発光源の最大出力パワーを超えると、その基本線速度での試し書きは無意味となるが、基本線速度を修正して新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、特定領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることが可能となる。従って、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0026】
本発明は、第2の観点からすると、本発明の記録条件決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0027】
これによれば、本発明の記録条件決定プログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、所定の領域での有効な試し書きを行うことができ、情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0028】
本発明は、第3の観点からすると、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体に情報を記録する際に記録条件を決定するための記録条件決定方法であって、外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する第1工程と;前記第1工程で決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う第2工程と;前記第2工程での試し書きの結果に基づいて、前記決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度を決定する第3工程と;前記第2工程での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する第4工程と;前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する第5工程と;前記第5工程の判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記第3工程で決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する第6工程と;を含む記録条件決定方法である。
【0029】
これによれば、外部からの指示に基づいて、情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域が決定され(第1工程)、その決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きが行なわれる(第2工程)。そして、1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度が決定される(第3工程)。また、第2工程での試し書きの結果に基づいて、特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーが推定され(第4工程)、該推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かが判断される(第5工程)。そして、第5工程の判断の結果として推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、第3工程で決定された基本線速度は特定領域での試し書きを行う前に修正される(第6工程)。かかる場合には、例えば推定された書き込みパワーが発光源の最大出力パワーを超えると、その基本線速度での試し書きは無意味となるが、基本線速度を修正して新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、特定領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることが可能となる。従って、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0032】
本発明は、第4の観点からすると、情報記録の対象媒体として、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体を用いる情報記録装置であって、外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する決定手段と;前記決定手段で決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う試し書き手段と;前記試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、前記決定手段で決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きの基本線速度を決定する速度決定手段と;前記試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する書き込みパワー推定手段と;前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する判断手段と;前記判断手段の判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記速度決定手段で決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する速度修正手段と;を備える情報記録装置である。
【0033】
これによれば、決定手段で、外部からの指示に基づいて情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域が決定されると、試し書き手段では決定手段で決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きが行われる。そして、速度決定手段では試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、決定手段で決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きの基本線速度が決定される。また、書き込みパワー推定手段では、試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーが推定され、該推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かが判断手段で判断され、該判断手段の判断の結果として推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、速度修正手段では、速度決定手段で決定された基本線速度が特定領域での試し書きを行う前に修正される。かかる場合には、例えば推定された書き込みパワーが発光源の最大出力パワーを超えると、その基本線速度での試し書きは無意味となるが、基本線速度を修正して新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、特定領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることが可能となる。従って、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0037】
図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置20の概略構成を示すブロック図が示されている。
【0038】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、メインコントローラ40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。なお、本実施形態では、一例として光ディスク15にCD−Rが用いられるものとする。
【0039】
前記光ピックアップ23は、光源としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射される光束を光ディスク15の記録面に導くとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置され戻り光束を受光する受光器、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。そして、受光器からは、その受光量に応じた電流(電流信号)が再生信号処理回路28に出力される。
【0040】
前記再生信号処理回路28は、図2に示されるように、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、ATIPデコーダ28e、CDデコーダ28f、CD−ROMデコーダ28g及びD/Aコンバータ28hなどから構成されている。I/Vアンプ28aでは光ピックアップ23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、さらに増幅する。サーボ信号検出回路28bではI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号)を検出する。検出されたサーボ信号は、再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。ウォブル信号検出回路28cではI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてウォブル信号を検出する。ATIPデコーダ28eではウォブル信号からATIP(Absolute Time In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたATIP情報はメインコントローラ40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。RF信号検出回路28dではI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいて再生情報を含むRF信号を検出する。CDデコーダ28fではRF信号に対して誤り訂正処理等を行う。CD−ROMデコーダ28gでは、CDデコーダ28fからの信号に対して更に誤り訂正処理等を行った後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。なお、音楽データの場合にはCDデコーダ28fから信号はD/Aコンバータ28hを介して外部のオーディオ機器などに出力される。
【0041】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33では、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを駆動する駆動信号を生成し、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを駆動する駆動信号を生成する。両駆動信号はサーボコントローラ33からモータドライバ27に出力される。
【0042】
前記モータドライバ27では、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ27では、メインコントローラ40の指示に基づいて、光ディスク15の線速度が一定となるようにスピンドルモータ22を制御する。さらに、モータドライバ27では、メインコントローラ40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23のシークモータを駆動し、光ピックアップ装置23のスレッジ方向(光ディスク15の半径方向)の位置を制御する。
【0043】
前記エンコーダ25では、メインコントローラ40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への記録データを作成する。そして、エンコーダ25では、メインコントローラ40からの指示に基づいて、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、記録データをレーザコントロール回路24に出力する。
【0044】
前記レーザコントロール回路24は、図3に示されるように、LDドライバ24a、パルス設定回路24b及びパワー設定回路24cなどから構成されている。パルス設定回路24bでは、メインコントローラ40からの指示に基づいて、例えば図4に示されるように、エンコーダ25からの記録データ列(WDATA)に対して立ち上がりエッジをθだけ前側にずらしてパルス幅を変更する。パワー設定回路24cでは、メインコントローラ40からの指示に基づいて書き込みパワーを設定する。また、パワー設定回路24cでは、メインコントローラ40からの指示に基づいて書き込みパワーを設定する。LDドライバ24aでは、パルス設定回路24bにてパルス調整された記録データ(WD1)及びパワー設定回路24cにて設定された書き込みパワーに基づいて、光ピックアップ装置23の半導体レーザの出力を制御する。
【0045】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパーソナルコンピュータ)49との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
【0046】
前記ROM39には、メインコントローラ40にて解読可能なコードで記述された後述する記録条件決定プログラムを含むプログラムが格納されている。
【0047】
前記メインコントローラ40は、ROM39に格納されている上記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。なお、光ディスク装置20に電源が投入されると、ROM39に格納されている上記プログラムは、メインコントローラ40のメインメモリ(図示省略)にロードされる。
【0048】
次に、前述のようにして構成された光ディスク装置20を用いて、ホスト49からのOPC要求に応じて、OPC動作を行う場合について図5〜図9を用いて説明する。図5〜図7のフローチャートは、ホスト49からOPC要求コマンドを受信した際に、メインコントローラ40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、図8に示されるように、光ディスク15のリードインの内周側とリードアウトの外周側にOPC動作の際に利用できるPCA領域が設けられているものとする。また、各PCA領域は複数のテストエリアを含んで構成されている。
【0049】
ホスト49からOPC要求コマンドを受信すると、図5のステップ401では、内周側のPCA領域(以下「内周PCA領域」ともいう)を利用してOPC(以下「内周OPC」という)を行うための基本線速度を決定する処理を行う。ここで、図6のフローチャートを用いて、内周OPCでの基本線速度決定処理について詳細に説明する。
【0050】
図6のステップ451では、ホスト49から指定された記録速度に基づいて内周OPCでの所定の基本線速度を設定する。なお、通常、ホスト49は、OPC要求を送信するに先立って、記録速度を指定するコマンドを送信する。
【0051】
ステップ453では、設定した内周OPCでの基本線速度(以下「設定内周基本線速度」という)で光ディスク15を回転させ、内周PCA領域内の所定のテストエリアで設定内周基本線速度におけるサーボ信号を取得する。
【0052】
ステップ455では、サーボ信号に基づいてサーボ制御が可能であるか否かを判断する。ここで、サーボ信号に乱れがある場合には、ステップ455での判断は否定され、ステップ457に移行する。
【0053】
ステップ457では、設定内周基本線速度が1倍速であるか否かを判断する。設定内周基本線速度が1倍速でなければ、ここでの判断は否定され、ステップ459に移行する。
【0054】
ステップ459では、設定内周基本線速度を1段階遅くして新たな設定内周基本線速度とする。そして、ステップ453に戻る。
【0055】
一方、ステップ457において、設定内周基本線速度が1倍速であれば、ここでの判断は肯定され、ステップ461に移行する。
【0056】
ステップ461では、基本線速度決定処理の処理結果を示す内周OPCフラグに内周OPCは不可能であることを意味する「1」をセットする。そして、内周OPCでの基本線速度決定処理を終了する。
【0057】
また、ステップ455において、サーボ信号に乱れがない場合には、ステップ455での判断は肯定され、ステップ463に移行する。
【0058】
ステップ463では、設定内周基本線速度を内周OPCの基本線速度Viとする。
【0059】
ステップ465では、内周OPCフラグに内周OPCは可能であることを意味する「0」をセットする。そして、内周OPCでの基本線速度決定処理を終了する。
【0060】
図5のステップ402では、内周OPCフラグに基づいて内周OPCは可能であるか否かを判断する。ここで、内周OPCフラグが「0」であれば、ステップ402での判断は肯定され、ステップ403に移行する。
【0061】
ステップ403では、内周OPCの基本線速度Viに対応した書き込みパワーの変動範囲を設定する。そして、基本線速度Viに対応するパルス幅補正値(ここではθiとする)をレーザコントロール回路24に通知する。
【0062】
ステップ405では、内周PCA領域内の所定のテストエリアで内周OPCを実行する。
【0063】
ステップ407では、内周OPCが正常に終了したか否かを判断する。ここで、内周OPCが正常に終了した場合には、ステップ407での判断は肯定され、ステップ409に移行する。なお、内周OPCが正常に終了したか否かは、再生信号の上下対称性や振幅などによって判断される。また、最適な書き込みパワーが得られたか否かによって判断しても良い。なお、本実施形態では、内周OPCの結果として、最適な書き込みパワーPwiが得られたものとする。
【0064】
ステップ409では、外周側のPCA領域(以下「外周PCA領域」ともいう)を利用してOPC(以下「外周OPC」という)を行うための基本線速度を決定する処理を行う。ここで、図7のフローチャートを用いて、外周OPCでの基本線速度決定処理について詳細に説明する。
【0065】
図7のステップ501では、ホスト49から指定された記録速度に基づいて、外周OPCでの所定の基本線速度Vsを設定する。
【0066】
ステップ503では、次の(1)式に基づいて、設定された外周OPCでの所定の基本線速度(以下「設定外周基本線速度」という)Vsに対して最適な書き込みパワーPweを推定する。すなわち、内周OPCで得られた最適な書き込みパワーPwiに基づいて外周OPCでの最適な書き込みパワーPweが推定される。そして、次の(2)式及び(3)式に基づいて書き込みパワーの変動範囲を算出する。ここで、Pwelは書き込みパワーの変動範囲における下限値であり、Pwehは書き込みパワーの変動範囲における上限値である。
【0067】
Pwe=(Vs/Vi)×Pwi ……(1)
【0068】
Pwel=Pwe×0.6 ……(2)
【0069】
Pweh=Pwe×1.4 ……(3)
【0070】
ステップ505では、推定された最適な書き込みパワーPweが所定の値Pを超えているか否かを判断する。推定された最適な書き込みパワーPweが所定の値Pを超えている場合には、ステップ505での判断は肯定され、ステップ507に移行する。なお、本実施形態では、所定の値Pとして半導体レーザの最大出力パワーを用いているが、これに限定されるものではなく、ホスト49から任意の値を設定及び任意の値に変更することができる。
【0071】
ステップ507では、光ディスク15での外周OPCにおいて可能な最大線速度を算出する。ここでは、上記(1)式を変形した次の(4)式に基づいて、最大線速度Vmが算出される。そして、最大線速度Vmを新たに設定外周基本線速度Vsとし、ステップ509に移行する。
【0072】
Vm=Vi×P/Pwi ……(4)
【0073】
一方、ステップ505において、推定した最適な書き込みパワーPweが所定の値P以下の場合には、ステップ505での判断は否定され、ステップ508に移行する。
【0074】
ステップ508では、さらに上述の如くして算出された書き込みパワーの変動範囲が所定の範囲外であるか否かを判断する。ここで、書き込みパワーの変動範囲が所定の範囲外である場合には、ステップ508での判断は肯定され、ステップ507に移行する。また、書き込みパワーの変動範囲が所定の範囲内である場合には、ステップ508での判断は否定され、ステップ509に移行する。
【0075】
ステップ509では、設定外周基本線速度Vsを外周OPCでの基本線速度Voと決定し、外周OPCでの基本線速度決定処理を終了する。
【0076】
図5に戻り、ステップ411では、外周PCA領域内の所定のテストエリアでのサーボチェックを行う。すなわち、基本線速度Voで光ディスク15を回転させ、そのときのサーボ信号における乱れを計測する。
【0077】
ステップ413では、サーボ信号における乱れの計測結果に基づいて、サーボ制御を正確に行うことが可能か否かを判断する。サーボ制御を正確に行うことが可能な場合には、ステップ413での判断は肯定され、ステップ415に移行する。
【0078】
ステップ415では、外周OPCでの基本線速度Voに対応した書き込みパワー変動範囲を設定する。そして、次の(5)式に基づいて、最適なパルス幅補正値θoを算出し、レーザコントロール回路24に通知する。(5)式におけるkは実験などから得られた比例定数である。
【0079】
θo=(Vo-Vi)×k+θi ……(5)
【0080】
ステップ417では、外周PCA領域内の所定のテストエリアで外周OPCを実行する。
【0081】
ステップ419では、外周OPCが正常に終了したか否かを判断する。外周OPCが正常に終了した場合には、ステップ419での判断は肯定され、ステップ421に移行する。なお、外周OPCが正常に終了したか否かは、前述した内周OPCの場合と同様にして判断される。また、本実施形態では、最適な書き込みパワーとしてPwoが得られたものとする。
【0082】
ステップ421では、内周OPCの結果と外周OPCの結果とに基づいて、ホストから指定された記録速度Vにおける最適な書き込みパワーを算出する。すなわち、図8(A)に示されるように、次の(6)式に基づいて、最適な書き込みパワーPwvを算出する。
【0083】
Pwv=(Pwo-Pwi)/(Vo-Vi)×V+(Pwi×Vo-Pwo×Vi)/(Vo-Vi) ……(6)
【0084】
また、図8(B)に示されるように、次の(7)式に基づいて、最適なパルス幅補正値θvを求める。
【0085】
θv=(θo-θi)/(Vo-Vi)×V+(θi×Vo-θo×Vi)/(Vo-Vi) ……(7)
【0086】
ステップ422では、OPC処理が正常に終了したことをホストに通知し、OPC処理を終了する。
【0087】
一方、ステップ419において、外周OPCが正常に終了しなかった場合には、ステップ419での判断は否定され、ステップ423に移行する。
【0088】
ステップ423では、外周OPCの基本線速度Voを1段階減速し、新たな外周OPCの基本線速度Voとする。
【0089】
ステップ425では、新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Vi以下であるか否かを判断する。新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Viを超えていれば、ステップ425での判断は否定され、ステップ417に戻る。すなわち、新たな外周OPCの基本線速度Voで再度、外周OPCが行われる。なお、2度目の外周OPCでは、1度目の外周OPCで用いられた外周PCA領域内のテストエリアに続くテストエリアで外周OPCが行われる。
【0090】
一方、ステップ425において、新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Vi以下であれば、ステップ425での判断は肯定され、ステップ427に移行する。
【0091】
ステップ427では、内周OPCの結果のみから、指定された記録速度Vでの最適な書き込みパワーを算出する。すなわち、次の(8)式に基づいて、最適な書き込みパワーPwvを算出する。
【0092】
Pwv=(V/Vi)×Pwi ……(8)
【0093】
また、次の(9)式に基づいて、最適なパルス幅補正値θvを求める。そして、ステップ422に移行する。
【0094】
θv=(V-Vi)×k+θi ……(9)
【0095】
さらに、ステップ413において、サーボ制御を正確に行うことが不可能な場合には、ステップ413での判断は否定され、ステップ429に移行する。
【0096】
ステップ429では、外周OPCの基本線速度Voを1段階減速し、新たな外周OPCの基本線速度Voとする。
【0097】
ステップ431では、新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Vi以下であるか否かを判断する。新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Viを超えていれば、ステップ431での判断は否定され、ステップ411に戻る。すなわち、新たな外周OPCの基本線速度Voで再度、外周PCA領域でのサーボチェックが行われる。
【0098】
一方、ステップ431において、新たな外周OPCの基本線速度Voが内周OPCの基本線速度Vi以下であれば、ステップ431での判断は肯定され、ステップ427に移行する。
【0099】
また、ステップ407において、内周OPCが正常に終了しなかった場合には、ステップ407での判断は否定され、ステップ433に移行する。
【0100】
ステップ433では、OPC処理が正常に終了しなかったことをホストに通知し、OPC処理を終了する。
【0101】
さらに、ステップ402において、内周OPCフラグが「1」であれば、ステップ402での判断は否定され、ステップ433に移行する。
【0102】
ここで、光ディスク装置20における記録時の処理動作について簡単に説明する。なお、ここでは、すでに前述した如く、指定された記録速度に最適な書き込みパワー及び最適なパルス幅補正値は得られているものとする。メインコントローラ40では、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、書き込み要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。再生信号処理回路28では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてATIP情報及びサーボ信号を取得する。そして、ATIP情報はメインコントローラ40に出力され、サーボ信号はサーボコントローラ33に出力される。サーボコントローラ33では、再生信号処理回路28からのサーボ信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動し、フォーカスずれ及びトラックずれを補正する。メインコントローラ40では、ホスト49からの書き込みデータをバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に蓄積するとともに、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたデータ量が所定の値を超えたことの通知を受け取ると、エンコーダ25に記録データの作成を指示する。そして、再生信号処理回路28からのATIP情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシーク動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。メインコントローラ40では、ATIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断するとエンコーダ25に通知する。そして、エンコーダ25では、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ23を介して、記録データを光ディスク15に記録する。
【0103】
次に、ホスト49からの読み出し要求コマンドを受信した際の、光ディスク装置20の処理動作について簡単に説明する。メインコントローラ40では、ホスト49から読み出し要求コマンドを受信すると再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホスト49から読み出し要求を受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。再生信号処理回路28では、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてATIP情報及びサーボ信号などを取得する。そして、ATIP情報はメインコントローラ40に出力され、サーボ信号はサーボコントローラ33に出力される。サーボコントローラ33では、再生信号処理回路28からのサーボ信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動し、フォーカスずれ及びトラックずれを補正する。メインコントローラ40では、ATIP情報に基づいて指定された読み込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシーク動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。メインコントローラ40では、ATIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。そして、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホスト49に送信する。
【0104】
なお、光ディスク装置20では、記録処理及び再生処理が終了するまで、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてサーボ信号を検出し、サーボコントローラ33及びモータドライバ27を介してフォーカスずれ及びトラックずれを随時補正する。
【0105】
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、メインコントローラ40によって、決定手段、試し書き手段、速度決定手段、判別手段、及び速度修正手段が構成されている。
【0106】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のメインコントローラ40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0107】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置によると、ホストからの指示に基づいて、光ディスク15における試し書きの対象領域として内周PCA領域と外周PCA領域が決定され、先ず内周PCA領域(1番目の領域)で試し書きが行われる。そして、内周PCA領域での試し書きの結果に基づいて、外周PCA領域(特定領域)での試し書きにおける基本線速度が決定される。従って、外周PCA領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることができ、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0108】
また、本実施形態によると、内周PCA領域での試し書きの結果に基づいて、外周PCA領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定し、推定された書き込みパワーが所定の値を超える場合にのみ、外周PCA領域での基本線速度を修正し新たな基本線速度としている。従って、例えば推定された書き込みパワーが発光源の最大出力パワーを超えると、その基本線速度での試し書きは無意味となるが、基本線速度を修正して新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、外周PCA領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることが可能となる。そして、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0109】
さらに、本実施形態によると、決定された外周OPCでの基本線速度におけるサーボ信号(制御信号)を取得し、そのサーボ信号に乱れが有る場合に、決定された外周OPCでの基本線速度を修正して新たな基本線速度としている。サーボ信号に乱れが有ると、その基本線速度での試し書きは無意味となるが、予めサーボ信号に乱れがないことが確認された基本線速度を新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、外周PCA領域での試し書きの結果から有効な情報を得ることが可能となる。そして、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態によると、外周PCA領域での試し書きが正常に終了しなかった場合に、外周PCA領域での試し書きの基本線速度を修正して新たな基本線速度とし、その基本線速度で再度試し書きが行われる。従って、ホストから指定された記録速度に対する最適な書き込みパワーを精度良く求めることができる。
【0111】
なお、上記実施形態では、外周OPCでの基本線速度を決定する処理(ステップ409)において、推定された外周OPCでの最適書き込みパワーが所定の値Pを超えるときには、外周OPCが可能な最大の線速度を算出して、新たな外周OPCでの基本線速度とする場合について説明したが、これに限らず、推定された外周OPCでの最適書き込みパワーが所定の値Pを超えるときには、外周OPCを行わずに内周OPCの結果のみから指定された記録速度での最適書き込みパワーを算出しても良い。
【0112】
また、上記実施形態では、外周OPCでの基本線速度を決定する処理(ステップ409)の後で外周OPC位置でのサーボチェックを行う場合について説明したが、これに限らず、外周OPCでの基本線速度を決定する処理に先立って、外周OPCでの所定の基本線速度におけるサーボチェックを行っても良い。
【0113】
さらに、上記実施形態では、ステップ419において、外周OPCの結果が正常終了でないときには、外周OPCでの基本線速度を1段階減速した後、再度外周OPCを行う場合について説明したが、これに限らず、外周OPCの結果が正常終了でないときには、直ちにステップ427に移行し、内周OPCの結果のみから指定された記録速度に最適な書き込みパワーを算出しても良い。
【0114】
また、上記実施形態では、外周OPCを実行するに先立って、外周OPCでの基本線速度におけるサーボチェックを行う場合について説明したが、必ずしも外周OPCでの基本線速度におけるサーボチェックを行わなくても良い。
【0115】
なお、上記実施形態では、線速度が同じときには、最適パルス幅補正値も同じ値である場合について説明したが、これに限らず、例えばWDATAにおけるHighの幅(すなわち記録マーク長)に応じて異なる値を設定してもよい。例えば、Highの幅が短いほど最適パルス幅補正値を長めに設定することにより、記録マーク長が短い場合の記録感度を補正できる場合がある。
【0116】
また、書き込みパワーおよびパルス幅の設定は、固定でもよいが、線速度に応じてそれぞれを設定することが好ましい。線速度による記録マーク長毎の記録感度の違いを補正できるからである。ZCLV方式やCAV方式のように、記録中に線速度を変える場合には、線速度に応じて書き込みパワーやパルス幅を随時、変更しても良い。
【0117】
さらに、上記実施形態では、内周OPCの結果のみから記録速度に最適な書き込みパワーを算出する際に、上記(8)式を用いる場合について説明したが、この(8)式に限らず、例えば、種々の実験結果に統計処理を施して得られた多項式を用いても良い。また、内周OPCの結果のみから記録速度に最適なパルス幅補正値を算出する場合についても、上記(9)式に限らず、例えば、種々の実験結果に統計処理を施して得られた多項式を用いても良い。
【0118】
また、上記実施形態では、内周OPCでの基本線速度決定処理において、ホストから指定された記録速度に基づいて設定された基本線速度におけるサーボ信号に乱れがないことを確認した後で、内周OPCでの基本線速度を決定しているが、これに限らず、設定された基本線速度をそのまま内周OPCでの基本線速度と決定しても良い。
【0119】
さらに、上記実施形態では、試し書きを行う領域が内周PCA領域と外周OPCの2つの領域である場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0120】
また、上記実施形態では、内周OPCの結果に基づいて外周OPCでの基本線速度を決定する場合について説明したが、外周OPCの結果に基づいて内周OPCでの基本線速度を決定しても良い。さらに、ホストから設定された記録速度に基づいて設定された外周OPCでの基本線速度におけるサーボ信号を取得し、そのサーボ信号に乱れが有る場合に、設定された外周OPCでの基本線速度を修正して新たな基本線速度としても良い。これによると、予め制御信号に乱れがないことが確認された基本線速度を新たな基本線速度とすることにより、無駄な試し書きを防止することができ、特定領域での試し書きを有効に行うことが可能となる。そして、結果として情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することが可能となる。なお、サーボ信号に乱れがないことが予想できる場合には、必ずしも、サーボ信号のチェックを行わなくても良い。
【0121】
なお、上記実施形態の光ディスク装置では、記録条件決定プログラムは、ROM39内に記録されているが、他の情報記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、MO等)に記録されていても良い。要するに、記録条件決定プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る記録条件決定プログラム及び記録媒体によれば、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することができるという効果がある。
【0123】
また、本発明に係る記録条件決定方法によれば、情報記録媒体への高速度での記録に最適な記録条件を決定することができるという効果がある。
【0124】
また、本発明に係る情報記録装置によれば、情報記録媒体への高速度での記録を安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における再生信号処理回路の詳細構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1におけるレーザコントロール回路の詳細構成を説明するためのブロック図である。
【図4】パルス幅補正値を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態に係る書き込みパワーの算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5のステップ401の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図7】図5のステップ409の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図8】内周側PCA領域及び外周側PCA領域を説明するための図である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、それぞれ内周OPCの結果と外周OPCの結果とから記録速度Vでの最適書き込みパワー及びパルス幅補正値を算出する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置(情報記録装置)、40…メインコントローラ(決定手段、試し書き手段、速度決定手段、判別手段、速度修正手段)。
Claims (10)
- 情報記録の対象媒体として、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体を用いる情報記録装置に用いられる記録条件決定プログラムであって、
外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する手順と;
前記決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う手順と;
前記1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、前記決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度を決定する手順と;
前記1番目の領域での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する手順と;
前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する手順と;
前記判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させる記録条件決定プログラム。 - 前記判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超える場合に、前記特定領域での試し書きを中断する手順を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1に記載の記録条件決定プログラム。
- 前記基本線速度を決定する手順で決定された基本線速度における制御信号を取得する手順と;
前記取得された制御信号における乱れの有無を判別する手順と;
その判別結果として前記制御信号に乱れが有る場合に、前記特定領域での試し書きの基本線速度を修正して新たな基本線速度とする手順と;を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録条件決定プログラム。 - 前記1番目の領域は前記情報記録媒体の内周側に設けられているPCA領域であり、前記特定領域の1つは前記情報記録媒体の外周側に設けられているPCA領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録条件決定プログラム。
- 前記特定領域で試し書きを行う手順と;
前記特定領域での試し書きが正常に終了したか否かを判断する手順と;
その判断の結果として前記特定領域での試し書きが正常に終了しなかった場合に、前記特定領域での試し書きの基本線速度を修正して新たな基本線速度とする手順と;
該基本線速度にて再度試し書きを行う手順と;を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録条件決定プログラム。 - 前記決定された領域毎に試し書きの基本線速度は互いに異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録条件決定プログラム。
- 外部からの記録要求があったときに、前記複数の領域のうち試し書きが正常に終了した領域での試し書き結果に基づいて、指定された記録速度での最適な書き込みパワーを推定する手順と;
前記推定された書き込みパワーに基づいて前記指定された記録速度を修正する手順と;を前記制御用コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録条件決定プログラム。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録条件決定プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体に情報を記録する際に記録条件を決定するための記録条件決定方法であって、
外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する第1工程と;
前記第一工程で決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う第2工程と;
前記第2工程での試し書きの結果に基づいて、前記決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きにおける基本線速度を決定する第3工程と;
前記第2工程での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する第4工程と;
前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する第5工程と;
前記第5工程の判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記第3工程で決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する第6工程と;を含む記録条件決定方法。 - 情報記録の対象媒体として、スパイラル状又は同心円状の記録領域を有する情報記録媒体を用いる情報記録装置であって、
外部からの指示に基づいて、前記情報記録媒体における試し書きの対象領域として複数の領域を決定する決定手段と;
前記決定手段で決定された複数の領域のうち1番目の領域で試し書きを行う試し書き手段と;
前記試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、前記決定手段で決定された複数の領域のうち2番目以降の少なくとも1つの特定領域での試し書きの基本線速度を決定する速度決定手段と;
前記試し書き手段での試し書きの結果に基づいて、前記特定領域での試し書きに最適な書き込みパワーを推定する書き込みパワー推定手段と;
前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えているか否かを判断する判断手段と;
前記判断手段の判断の結果として前記推定された書き込みパワーが所定の値を超えていると、前記速度決定手段で決定された基本線速度を前記特定領域での試し書きを行う前に修正する速度修正手段と;を備える情報記録装置。
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