JP3880353B2 - アンモニアの回収方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中に含まれるアンモニアを吸着材により効率良く除去し、この吸着させたアンモニアを回収するアンモニアの回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アンモニアは悪臭防止法の特定悪臭物質に指定されており、各種産業分野から発生する排ガス中に含まれていることが予測される。こうしたアンモニア含有排ガスを処理する方法として、これまでも様々提案されており、例えば吸着法や薬剤洗浄法が知られている。
【0003】
上記吸着法では、吸着材として活性炭が一般的に使用されているのであるが、この活性炭のアンモニアに対する吸着容量が非常に低いため、活性炭を頻繁に交換する必要があり、また再生等の後処理方法が問題になる。また、葉液洗浄法や水洗法によってもアンモニアは容易に除去できるが、発生する廃水中のアンモニア態窒素は処理されにくく、河川や海に流出した場合には、大気に放散して臭気を発散したり富栄養化による水質汚濁を招いて二次公害の原因となる。これらの方法以外にも、直接燃焼法や触媒燃焼法も知られているが、これらの方法では常時ガスを加熱する必要があり、低濃度の排ガスを処理するには燃料費が高くなり好ましくない。
【0004】
こうした事情の下で、低濃度且つ大容量の排ガス処理方法として、吸着法と触媒燃焼法を組み合わせた方法も提案されている。この方法は、通常は常温で有害成分を吸着材によって吸着・除去するものであるか、有害成分の吸着量か増加して吸着材の処理能力か低下した段階で、吸着材を加熱して吸着していた有害成分を脱離させて吸着材を再生すると共に、脱離した有害成分を後段の燃焼触媒によって分解・除去するものである。こうした方法では常時加熱する必要がなく、また脱離時のガス量を低減して脱離するガス濃度を高くし、反応熱を生成させることによって燃料費を著しく削減することが可能となる。更に、吸着材は繰り返し使用が可能となり頻繁な交換が不要となる。
【0005】
しかしながらこうした方法においては、吸着材として活性炭が一般的に使用されており、前述の様にこの活性炭はアンモニアの吸着容量が少ないので再生頻度が多くなって好ましくない。そこで、こうした活性炭の代りにゼオライトを吸着材として使用することも提案されているが、ゼオライトは吸着力が強く500℃程度まで加熱しなければ脱離再生できないので、耐熱性に難のあるゼオライトに対して吸着再生を繰り返すことによって吸着容量が低下する可能性がある。
【0006】
一方、吸着材の加熱再生においては濃縮された高濃度のアンモニアが脱離することが予想される。アンモニアは高温雰囲気において酸化されて有害な窒素酸化物を生成するため、700℃以上にガスを加熱する直接燃焼法は高濃度アンモニア含有排ガスの処理には適さない。また触媒燃焼法で一般に使用されている白金系触媒もアンモニアを酸化してNOxを生成し易いことが知られている。例えば特開平2−198638号には、白金系触媒に代わるものとしてNi,Mn,Cu,Feの碑金属酸化物系の触媒がアンモニア分解用として提案されているが、低温での活性が不十分であったり、地球温暖化の原因になるN20の生成が見られ好ましくない。また特開平10−314548号において前段触媒でアンモニアの一部を酸化して生成した窒素酸化物を後段触媒でアンモニアとの選択的接触還元によって処理する方法が提案されているが、この方法では複雑な制御が必要となり、多量の排ガスを処理する工業的な方法としては現実的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は有害な窒素酸化物を生成させることなく、排ガス中に含まれるアンモニアをコンパクトな設備で効率的に除去することができると共に、排ガス中のアンモニアをアンモニア水として確実に回収することができるアンモニアの回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明のアンモニア回収方法は、排ガス中に含まれるアンモニアを、吸着材を用いて吸着する工程A、工程Aで吸着したアンモニアを、吸着材に水蒸気を導入してアンモニアを脱離する工程B、工程Bで脱離させたアンモニアを含むガスを、冷却して凝縮させる工程E、により排ガス中のアンモニアをアンモニア水として回収するものである。
【0009】
更に上記工程Bによりアンモニアを脱離させた後に、水蒸気で処理された吸着材に加熱した空気を導入して乾燥する工程C、乾燥した吸着材に空気を導入して冷却する工程Dを順次実施することによって吸着材は再生され再度吸着材として使用することができる。
【0010】
前記工程A〜Dを実施するに際して、吸着材をロータ内に充填しロータを回転させることによりコンパクトな設備で連続的に排ガスを処理することができる。
【0011】
また前記吸着材としてアンモニアの吸着・脱離特性が優れたTiおよびSiからなる二元系複合酸化物、TiおよびZrからなる二元系複合酸化物、並びにTi、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物のいずれか1種以上を含有するものを使用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、排ガス中に含まれるアンモニアを有効的に処理する方法に関して様々な角度から検討した。その結果、吸着材を用いて上記の様に工程A〜Dを実施することによりアンモニアを連続的に処理することが可能であり、工程Bにて発生するガスを冷却して凝縮させる工程Eを経ることにより容易にアンモニア水として回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
本発明のアンモニア回収方法では、排ガス中に含まれるアンモニアは、最初に工程Aにおいて吸着材と接触しアンモニアが吸着除去された排ガスは系外に排出される。アンモニアの吸着点が飽和すると、吸着材の出口からアンモニアがリークしてくるため、破過する前に吸着材を加熱してアンモニアを脱離させることにより吸着材を再生することが可能である。
【0014】
本発明のアンモニア回収方法で使用される吸着材のアンモニア吸着性能を、予め測定しておくことによりアンモニア吸着容量が求めることができる。これにより排ガス中のアンモニア濃度に合わせて必要な吸着材量を決定したり、吸着材の出口からアンモニアがリークしてくる時間を予測することができる。アンモニアがリークしてくる前に適宜吸着剤を交換することで連続して排ガス中のアンモニアを処理することができる。
【0015】
本発明のアンモニア回収方法において、処理ガス量に対しての吸着材の空間速度は300〜20000hr−1とすることが好ましい。また、吸着材のアンモニア吸着容量が大きいほど空間速度を高めることが可能であり、さらにコンパクトな設備とするためには、上記空間速度を1000hr−1以上とすることが好ましい。
【0016】
本発明は、アンモニアを用いる無機薬品製造や半導体製造等の工程において発生するアンモニアを高濃度に含む工場排ガスや生ゴミ等の処理施設やし尿処理施設から発生する中低濃度のアンモニア含有排ガスに適用することが可能である。吸着材量やサイクル時間を調整することにより排ガスに含まれるアンモニアのガス濃度は、5ppm〜20000ppm程度まで処理することが可能である。
【0017】
次いで、工程Bにおいて吸着材に水蒸気を導入することにより、上記吸着材が加熱され、吸着していたアンモニアを脱離する。水蒸気の温度は、110℃以上であり、好ましくは、110℃〜140℃である。110℃未満であれば、アンモニアの脱離が不十分となり吸着材のアンモニア吸着性能の低下を招くためである。
【0018】
次に工程Cにおいて、水蒸気で処理されることにより高湿状態となった吸着材に、加熱した空気を導入して、水分を追い出して吸着材を乾燥する。乾燥用の空気としては、通常の大気中の空気を使用することができる。上記乾燥用のガスのガス温度は、80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃〜120℃である。ガス温度が80℃未満の場合は吸着材の水分を押い出すのに時間がかかるため好ましくない。乾燥ガスの温度を高めるための熱源としては工程Bで用いる水蒸気を用いて熱交換することが経済的である。
【0019】
上記の、工程Cに次いで工程Dにより吸着剤の再生処理を図ることができる。工程Dにおいては高温となった吸着材に空気を導入して冷却することにより吸着材は再生され、再び排ガス中のアンモニアを効率的に除去することが可能となる。工程Dに係る吸着剤の冷却方法としては、通常の冷却方法を使用することができるが、好ましくは、冷却に用いる空気の温度は、40℃以下であり、より好ましくは30℃以下である。空気の温度が40℃を超えると吸着材の冷却が不十分となり吸着容量の低下を招き所定の性能がえられなくなるためである。吸着材の冷却用空気としては工程Aでアンモニアを吸着処理された排気ガスを使用することにより、ブロアが不要となる。
【0020】
発生源よりアンモニア含有排ガスが連続的に発生する場合は、上記吸着材をロータ内に充填しロータを回転させることによって前記工程A〜Dを順次実施することにより、コンパクトな設備で連続的に排ガスを処理してアンモニアを回収することができる。ロータは工程A〜Dのゾーンに分けられており回転することにより順番に次の工程に移行していく。バッチ方式でも吸着塔を2塔設置することで、2塔で吸着工程Aと再生工程B〜Dを交互に繰り返すことにより、アンモニアを含む排ガスを連続的に処理することができる。またアンモニア排ガスが連続的に発生しない場合は1塔の吸着塔で対応することができる。バッチ方式と比較してロータを用いる回転方式は充填する吸着材の量を大幅に低減することが可能である。
【0021】
本発明のアンモニア回収方法における、工程Eにおいては、工程Bで脱離させたアンモニアを含むガスを冷却して凝縮させる工程Eによりアンモニア水として回収するものである。当該アンモニアガスは水蒸気により脱離させたものであるため、冷却することでアンモニア水とすることができる。当該アンモニアガスを冷却する温度は、2℃〜30℃であり、好ましくは、5℃〜15℃である。
本発明で使用できる吸着材は、一般に使用される活性炭、ゼオライト、活性白土、シリカアルミナ、シリカゲル、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸性を示す酸化物等が使用可能である。特にアンモニアに対して好ましい吸着材としてTiおよびSiからなる二元系複合酸化物、TiおよびZrからなる二元系複合酸化物、並びにTi、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物のいずれか1種以上を含有するものが好ましい。これらは複合酸化物の形態とすることによって、構成する元素単独の酸化物では得られない効果を発揮できる。即ち、Ti,SiおよびZrの夫々の単独酸化物では酸性が弱く酸量も少ないか、TiおよびSiからなる二元系複合酸化物やTiおよびZrからなる二元系酸化物とすることによって、顕著な固体酸性を発現することが、田部浩三(「触媒」:第17巻、No.3、72頁、1975年)によって示されている。
【0022】
同様に、Ti、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物も強い固体酸として作用する。このような固体酸性は、塩基性ガスであるアンモニアの吸着点として働き、一般に使用される活性炭と比較して著しく高いアンモニアの吸着容量を付与することができる。また排ガス中にはアンモニア以外の有機あるいは無機のガス成分が含まれていることがあるが、吸着材として上記Ti系の複合酸化物を用いることにより選択的にアンモニアを吸着除去することが可能であり、不純物の少ないアンモニア水を回収することができる。
当該吸着剤の形状は、粉末状、顆粒状、球状、円柱状、板状や棒状などの各種形状のものが用いられるが、接触面積が大きくて圧力損失が低いハニカム状とすることが好ましい。
【0023】
上記の様なチタン系複合酸化物を製造するに当たっては、次の様にすれば良い。まずTi源としては、塩化チタン、硫酸チタン等の無機性チタン化合物、および蓚酸チタン、テトライソプロビルチタネート等の有機性チタン化合物が挙げられ、Si源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、四塩化ケイ素等の無機性ケイ素化合物、およびテトラエチルシリケート等の有機ケイ素化合物が挙げられる。また、Zr源としては、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等の無機性ジルコニウム化含物、および酢酸ジルコニウム等の有機性ジルコニウム化合物が挙げられる。
【0024】
上記チタン系複合酸化物は、上記Ti源、Si源若しくはZr源を用いて、従来から公知の方法によって製造することができる。例えば、TiとSiからなる二元系複合酸化物を調製する方法としては、下記▲1▼〜▲3▼の方法が挙げられる。
▲1▼四塩化チタンをシリカゾルと共に混合し、アンモニアを添加して沈殿を生成せしめ、この沈殿を洗浄、乾燥後に焼威する方法。
▲2▼四塩化チタンに珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を添加して沈殿(共沈物)を生成させ、これを洗浄、乾燥後に焼成する方法。
▲3▼四塩化チタンの水一アルコール溶液にテトラエチルシリケートを添加して加水分解により沈殿を生成させ、これを洗浄、乾燥後に焼成する方法。
【0025】
上記各方法において、共沈物を300〜650℃で1〜10時間焼成することによって容易にTiおよびSiからなる二元系複合酸化物を得ることができる。また同様にして、Ti源およびSi源、或いはTi源、Si源およびZr源のモル比を適宜調整することにより、二元系若しくは三元系の複合酸化物を得ることができる。
【0026】
上記の様なチタン系複合酸化物はTiの含有率が20〜95モル%のものであることが好ましく、より好ましくは50〜85モル%のものを使用するのが良い。Tiの含有率が20モル%未満或いは95モル%を超えると、上記複合酸化物による好ましい効果が得られにくくなる。このようにして得られたチタン系複合酸化物は、100m2/g以上の高い比表面積を有し、且つ耐熱性も優れているので、この複合酸化物からなる吸着材を繰り返し使用することによる吸着容量の低下が殆ど見られないので、長期に亘る使用が可能である。多孔質で高表面積の複合酸化物を得るという観点からして、上記吸着材にはTi及びSiの二元系複合酸化物を含むものであることが好ましい。
【0027】
これらのチタン系複合酸化物は、優れた成形性を有しており、加圧成形や押出し成形によって所定の形状に成形できるが、圧損が低くガスとの接触効率の高いハニカム形状とすることが好ましい。
【0028】
また上記Ti系の複合酸化物に加えて吸着材にV,W,Moより選ばれる酸化物を0〜20質量%を含有せしめてもよい。特にVを添加することによりアンモニアの吸着性能を著しく高めることが可能となる。
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。図1は本発明に係るアンモニア回収装置の一構成例であり、吸着材を回転ロータに充填して排ガス中のアンモニアを連続的に回収する方法を示す概略説明図である。また図2には図1のアンモニア回収装置における回転ロータ部がA〜Dの各工程を回転により連続的に移行していくことを例示した。
次に、ブロア4によりアンモニアを含有する排ガスが吸引されロータ1に導入される。ロータ内にハニカム状吸着材8が充填されておりロータ回転軸2を中心としてロータ回転用モータ3により回転する。吸着材により排ガスに含まれるアンモニアは選択的に吸着除去され、処理ガスは系外にそのまま排出される。ロータ1は図2の矢印に示す方向に回転しており、上記の吸着工程Aは図のaに示す吸着ゾーンで実施され、回転するに従ってb〜dのゾーンにて工程B〜Dの処理が連続的に実施されていく。
【0030】
bの脱離ゾーンでは水蒸気が導入さ吸着していたアンモニアが脱離する工程Bとなり、水蒸気とアンモニアの混合ガスとして排出され冷却器5で冷却されアンモニア水として凝縮し、アンモニア水回収タンク6にアンモニアが回収される。またcの乾燥ゾーンでは工程Cとなり吸着材に付着した水分が追い出すために加熱した空気が導入され吸着材は乾燥される。さらにdの冷却ゾーンでは低温の空気を導入する工程Dとなり、これにより高温となった吸着材は冷却される。冷却されアンモニア吸着能力が再生された吸着材は再び吸着ゾーンaに移行して工程Aを実施する。この際、回収タンク6よりアンモニアを含むガスが一部パージされるが排ガスライン7をブロア1の入口部に繋ぐことによりアンモニアのリークは防止される。
【0031】
尚、図には示していないが、工程Bで排出される高温の蒸気を含むガスにより工程Cで吸着材を乾燥するガスを熱交換器を介して予熱することが好ましい。また工程Dで導入する冷却ガスとしては工程Aでアンモニアが吸着処理された後のガスを用いても良い。
【0032】
以下に参考例として、本発明に係る吸着剤、具体的には、TiおよびSiの二元系複合酸化物、Ti、Si及びZrの三元系複合酸化物について調製例を示すが、本発明の趣旨に反しない限り本発明に係る吸着剤の調製例は以下の調製方法に限定されるものではない。
【0033】
<TiおよびSiの二元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
シリガゾル24kg(日産化学製NSC一30)に、アンモニア水280L(濃度25%)と水400Lを添加して溶液aを得た。一方、硫酸チタニルの硫酸水溶液153L(Ti O2濃度:250g/L、全硫酸濃度:1100g/L)を水300Lで希釈して溶液bを得た。次に、溶液aを攪拌しなから徐々に溶液bを滴下して共沈ゲルを生成し15時間静置した。得られたゲルを濾過、水洗後200℃で10時間乾燥し、550℃で6時間焼成してTiおよびSiからなる二元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Si(モル比)=80/20、比表面積:160m2/gであった。以下、この二元系複合酸化物を「TS一1」と略記する。
【0034】
上記TS−1粉体に澱粉及び適当量の水を加えて混合しニ一ダで十分に混練した後、押出し成形機でハニカム形状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で2時間空気雰囲気にて焼成しハニカム成形体(目開き:2.1mm、肉厚:0.4mm)を得た。
【0035】
<TiおよびZrの二元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
水1000Lにオキシ塩化ジルコニウム19.3kgを溶解させ、これと硫酸チタニルの硫酸水溶液78L(TiO2濃度:250g/L、全硫酸濃度:1100g/L)を混合して混合溶液を得た。次に、この混合溶液を攪拌しながらアンモニア水を徐々に滴下し、pHを7として共沈ゲルを生成し15時問静置した。得られたゲルを濾過、水洗後200℃で10時問乾燥し、450℃で6時間焼成してTiおよびZrからなる二元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Zr(モル比)=80/20、比表面積:120m2/gであった。以下、この二元系複合酸化物を「TZ一1」と略記する。このようにして得られたTZ−1を上記TS−1と同様にしてハニカム成形体とした。
【0036】
<Ti、SiおよびZrの三元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
TiおよびSiの二元系複合酸化物の調製例において、硫酸チタニルの代りに硫酸チタニルとオキシ塩化ジルコニウムの混合溶液を用いた以外は同様にして、Ti、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Si/Zr(モル比)=80/16/4、比表面積:160m2/gであった。以下、この三元系複合酸化物を「TSZ−1」と略記する。このようにして得られたTSZ−1を前記TS−1と同様にしてハニカム成形体とした。
【0037】
【実施例】
図1及び図2に示すアンモニア回収装置を用いて排ガスに含まれるアンモニアを回収した。処理ガスはアンモニアガス濃度が300ppmであり10m3/minのガス量であった。吸着材0.2m3をロータに充填し、ロータの回転数を0.5rphとした。吸着材として上記調製例に示したチタン系複合酸化物よりなるハニカム状のものをロータに充填した。脱離する蒸気の温度は120℃なるように調整した。
【0038】
吸着処理された排ガスのアンモニア濃度及び回収されたアンモニア水の濃度を表1に示した。また参考のため吸着材としてハニカム状の活性炭あるいはゼオライトを用いた場合の結果も表1に合わせて示した。
【0039】
【表1】
【0040】
表1の結果より本発明の方法によりコンパクトな装置を用いて排ガス中のアンモニアをアンモニア水として回収することが可能である。特に吸看材としてチタン系複合酸化物を用いることにより、従来の活性炭と比較して吸着能力が優れておりコンパクトな設備で排ガスを処理することが可能である。またチタン系複合酸化物は脱離特性が優れており比較的低温でアンモニアが脱離し高い濃度のアンモニア水を回収することができる。
【0041】
【発明の効果】
従来、アンモニアを処理するに際しては酸化により有害な窒素酸化物を生成したり、廃水として排出し閉鎖性海域の富栄養化により水質汚濁を招いたりすることが問題となっていたが、本発明の方法を用いることにより上記二次公害を発生することなく資源を有効的に利用することができる。すなわち本発明は以上の様に構成されており、簡易な装置を用いて排ガス中に含まれるアンモニアを効率的に吸着除去し、アンモニア水として回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を実施する為に構成される回転ロータ式処理装置例の概略構成図である。
【図2】図1に示す処理装置における回転ロータの断面図を示す。
【符号の説明】
1 ロータ
2 ロータ回転軸
3 ロータ回転用モータ
4 ブロア
5 冷却器
6 アンモニア水回収タンク
7 排ガスライン
8 ハニカム状吸着材
a 吸着ゾーン
b 脱離ゾーン
c 乾燥ゾーン
d 冷却ゾーン
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中に含まれるアンモニアを吸着材により効率良く除去し、この吸着させたアンモニアを回収するアンモニアの回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アンモニアは悪臭防止法の特定悪臭物質に指定されており、各種産業分野から発生する排ガス中に含まれていることが予測される。こうしたアンモニア含有排ガスを処理する方法として、これまでも様々提案されており、例えば吸着法や薬剤洗浄法が知られている。
【0003】
上記吸着法では、吸着材として活性炭が一般的に使用されているのであるが、この活性炭のアンモニアに対する吸着容量が非常に低いため、活性炭を頻繁に交換する必要があり、また再生等の後処理方法が問題になる。また、葉液洗浄法や水洗法によってもアンモニアは容易に除去できるが、発生する廃水中のアンモニア態窒素は処理されにくく、河川や海に流出した場合には、大気に放散して臭気を発散したり富栄養化による水質汚濁を招いて二次公害の原因となる。これらの方法以外にも、直接燃焼法や触媒燃焼法も知られているが、これらの方法では常時ガスを加熱する必要があり、低濃度の排ガスを処理するには燃料費が高くなり好ましくない。
【0004】
こうした事情の下で、低濃度且つ大容量の排ガス処理方法として、吸着法と触媒燃焼法を組み合わせた方法も提案されている。この方法は、通常は常温で有害成分を吸着材によって吸着・除去するものであるか、有害成分の吸着量か増加して吸着材の処理能力か低下した段階で、吸着材を加熱して吸着していた有害成分を脱離させて吸着材を再生すると共に、脱離した有害成分を後段の燃焼触媒によって分解・除去するものである。こうした方法では常時加熱する必要がなく、また脱離時のガス量を低減して脱離するガス濃度を高くし、反応熱を生成させることによって燃料費を著しく削減することが可能となる。更に、吸着材は繰り返し使用が可能となり頻繁な交換が不要となる。
【0005】
しかしながらこうした方法においては、吸着材として活性炭が一般的に使用されており、前述の様にこの活性炭はアンモニアの吸着容量が少ないので再生頻度が多くなって好ましくない。そこで、こうした活性炭の代りにゼオライトを吸着材として使用することも提案されているが、ゼオライトは吸着力が強く500℃程度まで加熱しなければ脱離再生できないので、耐熱性に難のあるゼオライトに対して吸着再生を繰り返すことによって吸着容量が低下する可能性がある。
【0006】
一方、吸着材の加熱再生においては濃縮された高濃度のアンモニアが脱離することが予想される。アンモニアは高温雰囲気において酸化されて有害な窒素酸化物を生成するため、700℃以上にガスを加熱する直接燃焼法は高濃度アンモニア含有排ガスの処理には適さない。また触媒燃焼法で一般に使用されている白金系触媒もアンモニアを酸化してNOxを生成し易いことが知られている。例えば特開平2−198638号には、白金系触媒に代わるものとしてNi,Mn,Cu,Feの碑金属酸化物系の触媒がアンモニア分解用として提案されているが、低温での活性が不十分であったり、地球温暖化の原因になるN20の生成が見られ好ましくない。また特開平10−314548号において前段触媒でアンモニアの一部を酸化して生成した窒素酸化物を後段触媒でアンモニアとの選択的接触還元によって処理する方法が提案されているが、この方法では複雑な制御が必要となり、多量の排ガスを処理する工業的な方法としては現実的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は有害な窒素酸化物を生成させることなく、排ガス中に含まれるアンモニアをコンパクトな設備で効率的に除去することができると共に、排ガス中のアンモニアをアンモニア水として確実に回収することができるアンモニアの回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明のアンモニア回収方法は、排ガス中に含まれるアンモニアを、吸着材を用いて吸着する工程A、工程Aで吸着したアンモニアを、吸着材に水蒸気を導入してアンモニアを脱離する工程B、工程Bで脱離させたアンモニアを含むガスを、冷却して凝縮させる工程E、により排ガス中のアンモニアをアンモニア水として回収するものである。
【0009】
更に上記工程Bによりアンモニアを脱離させた後に、水蒸気で処理された吸着材に加熱した空気を導入して乾燥する工程C、乾燥した吸着材に空気を導入して冷却する工程Dを順次実施することによって吸着材は再生され再度吸着材として使用することができる。
【0010】
前記工程A〜Dを実施するに際して、吸着材をロータ内に充填しロータを回転させることによりコンパクトな設備で連続的に排ガスを処理することができる。
【0011】
また前記吸着材としてアンモニアの吸着・脱離特性が優れたTiおよびSiからなる二元系複合酸化物、TiおよびZrからなる二元系複合酸化物、並びにTi、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物のいずれか1種以上を含有するものを使用することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、排ガス中に含まれるアンモニアを有効的に処理する方法に関して様々な角度から検討した。その結果、吸着材を用いて上記の様に工程A〜Dを実施することによりアンモニアを連続的に処理することが可能であり、工程Bにて発生するガスを冷却して凝縮させる工程Eを経ることにより容易にアンモニア水として回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
本発明のアンモニア回収方法では、排ガス中に含まれるアンモニアは、最初に工程Aにおいて吸着材と接触しアンモニアが吸着除去された排ガスは系外に排出される。アンモニアの吸着点が飽和すると、吸着材の出口からアンモニアがリークしてくるため、破過する前に吸着材を加熱してアンモニアを脱離させることにより吸着材を再生することが可能である。
【0014】
本発明のアンモニア回収方法で使用される吸着材のアンモニア吸着性能を、予め測定しておくことによりアンモニア吸着容量が求めることができる。これにより排ガス中のアンモニア濃度に合わせて必要な吸着材量を決定したり、吸着材の出口からアンモニアがリークしてくる時間を予測することができる。アンモニアがリークしてくる前に適宜吸着剤を交換することで連続して排ガス中のアンモニアを処理することができる。
【0015】
本発明のアンモニア回収方法において、処理ガス量に対しての吸着材の空間速度は300〜20000hr−1とすることが好ましい。また、吸着材のアンモニア吸着容量が大きいほど空間速度を高めることが可能であり、さらにコンパクトな設備とするためには、上記空間速度を1000hr−1以上とすることが好ましい。
【0016】
本発明は、アンモニアを用いる無機薬品製造や半導体製造等の工程において発生するアンモニアを高濃度に含む工場排ガスや生ゴミ等の処理施設やし尿処理施設から発生する中低濃度のアンモニア含有排ガスに適用することが可能である。吸着材量やサイクル時間を調整することにより排ガスに含まれるアンモニアのガス濃度は、5ppm〜20000ppm程度まで処理することが可能である。
【0017】
次いで、工程Bにおいて吸着材に水蒸気を導入することにより、上記吸着材が加熱され、吸着していたアンモニアを脱離する。水蒸気の温度は、110℃以上であり、好ましくは、110℃〜140℃である。110℃未満であれば、アンモニアの脱離が不十分となり吸着材のアンモニア吸着性能の低下を招くためである。
【0018】
次に工程Cにおいて、水蒸気で処理されることにより高湿状態となった吸着材に、加熱した空気を導入して、水分を追い出して吸着材を乾燥する。乾燥用の空気としては、通常の大気中の空気を使用することができる。上記乾燥用のガスのガス温度は、80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃〜120℃である。ガス温度が80℃未満の場合は吸着材の水分を押い出すのに時間がかかるため好ましくない。乾燥ガスの温度を高めるための熱源としては工程Bで用いる水蒸気を用いて熱交換することが経済的である。
【0019】
上記の、工程Cに次いで工程Dにより吸着剤の再生処理を図ることができる。工程Dにおいては高温となった吸着材に空気を導入して冷却することにより吸着材は再生され、再び排ガス中のアンモニアを効率的に除去することが可能となる。工程Dに係る吸着剤の冷却方法としては、通常の冷却方法を使用することができるが、好ましくは、冷却に用いる空気の温度は、40℃以下であり、より好ましくは30℃以下である。空気の温度が40℃を超えると吸着材の冷却が不十分となり吸着容量の低下を招き所定の性能がえられなくなるためである。吸着材の冷却用空気としては工程Aでアンモニアを吸着処理された排気ガスを使用することにより、ブロアが不要となる。
【0020】
発生源よりアンモニア含有排ガスが連続的に発生する場合は、上記吸着材をロータ内に充填しロータを回転させることによって前記工程A〜Dを順次実施することにより、コンパクトな設備で連続的に排ガスを処理してアンモニアを回収することができる。ロータは工程A〜Dのゾーンに分けられており回転することにより順番に次の工程に移行していく。バッチ方式でも吸着塔を2塔設置することで、2塔で吸着工程Aと再生工程B〜Dを交互に繰り返すことにより、アンモニアを含む排ガスを連続的に処理することができる。またアンモニア排ガスが連続的に発生しない場合は1塔の吸着塔で対応することができる。バッチ方式と比較してロータを用いる回転方式は充填する吸着材の量を大幅に低減することが可能である。
【0021】
本発明のアンモニア回収方法における、工程Eにおいては、工程Bで脱離させたアンモニアを含むガスを冷却して凝縮させる工程Eによりアンモニア水として回収するものである。当該アンモニアガスは水蒸気により脱離させたものであるため、冷却することでアンモニア水とすることができる。当該アンモニアガスを冷却する温度は、2℃〜30℃であり、好ましくは、5℃〜15℃である。
本発明で使用できる吸着材は、一般に使用される活性炭、ゼオライト、活性白土、シリカアルミナ、シリカゲル、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸性を示す酸化物等が使用可能である。特にアンモニアに対して好ましい吸着材としてTiおよびSiからなる二元系複合酸化物、TiおよびZrからなる二元系複合酸化物、並びにTi、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物のいずれか1種以上を含有するものが好ましい。これらは複合酸化物の形態とすることによって、構成する元素単独の酸化物では得られない効果を発揮できる。即ち、Ti,SiおよびZrの夫々の単独酸化物では酸性が弱く酸量も少ないか、TiおよびSiからなる二元系複合酸化物やTiおよびZrからなる二元系酸化物とすることによって、顕著な固体酸性を発現することが、田部浩三(「触媒」:第17巻、No.3、72頁、1975年)によって示されている。
【0022】
同様に、Ti、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物も強い固体酸として作用する。このような固体酸性は、塩基性ガスであるアンモニアの吸着点として働き、一般に使用される活性炭と比較して著しく高いアンモニアの吸着容量を付与することができる。また排ガス中にはアンモニア以外の有機あるいは無機のガス成分が含まれていることがあるが、吸着材として上記Ti系の複合酸化物を用いることにより選択的にアンモニアを吸着除去することが可能であり、不純物の少ないアンモニア水を回収することができる。
当該吸着剤の形状は、粉末状、顆粒状、球状、円柱状、板状や棒状などの各種形状のものが用いられるが、接触面積が大きくて圧力損失が低いハニカム状とすることが好ましい。
【0023】
上記の様なチタン系複合酸化物を製造するに当たっては、次の様にすれば良い。まずTi源としては、塩化チタン、硫酸チタン等の無機性チタン化合物、および蓚酸チタン、テトライソプロビルチタネート等の有機性チタン化合物が挙げられ、Si源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、四塩化ケイ素等の無機性ケイ素化合物、およびテトラエチルシリケート等の有機ケイ素化合物が挙げられる。また、Zr源としては、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等の無機性ジルコニウム化含物、および酢酸ジルコニウム等の有機性ジルコニウム化合物が挙げられる。
【0024】
上記チタン系複合酸化物は、上記Ti源、Si源若しくはZr源を用いて、従来から公知の方法によって製造することができる。例えば、TiとSiからなる二元系複合酸化物を調製する方法としては、下記▲1▼〜▲3▼の方法が挙げられる。
▲1▼四塩化チタンをシリカゾルと共に混合し、アンモニアを添加して沈殿を生成せしめ、この沈殿を洗浄、乾燥後に焼威する方法。
▲2▼四塩化チタンに珪酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を添加して沈殿(共沈物)を生成させ、これを洗浄、乾燥後に焼成する方法。
▲3▼四塩化チタンの水一アルコール溶液にテトラエチルシリケートを添加して加水分解により沈殿を生成させ、これを洗浄、乾燥後に焼成する方法。
【0025】
上記各方法において、共沈物を300〜650℃で1〜10時間焼成することによって容易にTiおよびSiからなる二元系複合酸化物を得ることができる。また同様にして、Ti源およびSi源、或いはTi源、Si源およびZr源のモル比を適宜調整することにより、二元系若しくは三元系の複合酸化物を得ることができる。
【0026】
上記の様なチタン系複合酸化物はTiの含有率が20〜95モル%のものであることが好ましく、より好ましくは50〜85モル%のものを使用するのが良い。Tiの含有率が20モル%未満或いは95モル%を超えると、上記複合酸化物による好ましい効果が得られにくくなる。このようにして得られたチタン系複合酸化物は、100m2/g以上の高い比表面積を有し、且つ耐熱性も優れているので、この複合酸化物からなる吸着材を繰り返し使用することによる吸着容量の低下が殆ど見られないので、長期に亘る使用が可能である。多孔質で高表面積の複合酸化物を得るという観点からして、上記吸着材にはTi及びSiの二元系複合酸化物を含むものであることが好ましい。
【0027】
これらのチタン系複合酸化物は、優れた成形性を有しており、加圧成形や押出し成形によって所定の形状に成形できるが、圧損が低くガスとの接触効率の高いハニカム形状とすることが好ましい。
【0028】
また上記Ti系の複合酸化物に加えて吸着材にV,W,Moより選ばれる酸化物を0〜20質量%を含有せしめてもよい。特にVを添加することによりアンモニアの吸着性能を著しく高めることが可能となる。
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。図1は本発明に係るアンモニア回収装置の一構成例であり、吸着材を回転ロータに充填して排ガス中のアンモニアを連続的に回収する方法を示す概略説明図である。また図2には図1のアンモニア回収装置における回転ロータ部がA〜Dの各工程を回転により連続的に移行していくことを例示した。
次に、ブロア4によりアンモニアを含有する排ガスが吸引されロータ1に導入される。ロータ内にハニカム状吸着材8が充填されておりロータ回転軸2を中心としてロータ回転用モータ3により回転する。吸着材により排ガスに含まれるアンモニアは選択的に吸着除去され、処理ガスは系外にそのまま排出される。ロータ1は図2の矢印に示す方向に回転しており、上記の吸着工程Aは図のaに示す吸着ゾーンで実施され、回転するに従ってb〜dのゾーンにて工程B〜Dの処理が連続的に実施されていく。
【0030】
bの脱離ゾーンでは水蒸気が導入さ吸着していたアンモニアが脱離する工程Bとなり、水蒸気とアンモニアの混合ガスとして排出され冷却器5で冷却されアンモニア水として凝縮し、アンモニア水回収タンク6にアンモニアが回収される。またcの乾燥ゾーンでは工程Cとなり吸着材に付着した水分が追い出すために加熱した空気が導入され吸着材は乾燥される。さらにdの冷却ゾーンでは低温の空気を導入する工程Dとなり、これにより高温となった吸着材は冷却される。冷却されアンモニア吸着能力が再生された吸着材は再び吸着ゾーンaに移行して工程Aを実施する。この際、回収タンク6よりアンモニアを含むガスが一部パージされるが排ガスライン7をブロア1の入口部に繋ぐことによりアンモニアのリークは防止される。
【0031】
尚、図には示していないが、工程Bで排出される高温の蒸気を含むガスにより工程Cで吸着材を乾燥するガスを熱交換器を介して予熱することが好ましい。また工程Dで導入する冷却ガスとしては工程Aでアンモニアが吸着処理された後のガスを用いても良い。
【0032】
以下に参考例として、本発明に係る吸着剤、具体的には、TiおよびSiの二元系複合酸化物、Ti、Si及びZrの三元系複合酸化物について調製例を示すが、本発明の趣旨に反しない限り本発明に係る吸着剤の調製例は以下の調製方法に限定されるものではない。
【0033】
<TiおよびSiの二元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
シリガゾル24kg(日産化学製NSC一30)に、アンモニア水280L(濃度25%)と水400Lを添加して溶液aを得た。一方、硫酸チタニルの硫酸水溶液153L(Ti O2濃度:250g/L、全硫酸濃度:1100g/L)を水300Lで希釈して溶液bを得た。次に、溶液aを攪拌しなから徐々に溶液bを滴下して共沈ゲルを生成し15時間静置した。得られたゲルを濾過、水洗後200℃で10時間乾燥し、550℃で6時間焼成してTiおよびSiからなる二元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Si(モル比)=80/20、比表面積:160m2/gであった。以下、この二元系複合酸化物を「TS一1」と略記する。
【0034】
上記TS−1粉体に澱粉及び適当量の水を加えて混合しニ一ダで十分に混練した後、押出し成形機でハニカム形状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で2時間空気雰囲気にて焼成しハニカム成形体(目開き:2.1mm、肉厚:0.4mm)を得た。
【0035】
<TiおよびZrの二元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
水1000Lにオキシ塩化ジルコニウム19.3kgを溶解させ、これと硫酸チタニルの硫酸水溶液78L(TiO2濃度:250g/L、全硫酸濃度:1100g/L)を混合して混合溶液を得た。次に、この混合溶液を攪拌しながらアンモニア水を徐々に滴下し、pHを7として共沈ゲルを生成し15時問静置した。得られたゲルを濾過、水洗後200℃で10時問乾燥し、450℃で6時間焼成してTiおよびZrからなる二元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Zr(モル比)=80/20、比表面積:120m2/gであった。以下、この二元系複合酸化物を「TZ一1」と略記する。このようにして得られたTZ−1を上記TS−1と同様にしてハニカム成形体とした。
【0036】
<Ti、SiおよびZrの三元系複合酸化物よりなる吸着材の調製例>
TiおよびSiの二元系複合酸化物の調製例において、硫酸チタニルの代りに硫酸チタニルとオキシ塩化ジルコニウムの混合溶液を用いた以外は同様にして、Ti、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物を得た。得られた複合酸化物は、Ti/Si/Zr(モル比)=80/16/4、比表面積:160m2/gであった。以下、この三元系複合酸化物を「TSZ−1」と略記する。このようにして得られたTSZ−1を前記TS−1と同様にしてハニカム成形体とした。
【0037】
【実施例】
図1及び図2に示すアンモニア回収装置を用いて排ガスに含まれるアンモニアを回収した。処理ガスはアンモニアガス濃度が300ppmであり10m3/minのガス量であった。吸着材0.2m3をロータに充填し、ロータの回転数を0.5rphとした。吸着材として上記調製例に示したチタン系複合酸化物よりなるハニカム状のものをロータに充填した。脱離する蒸気の温度は120℃なるように調整した。
【0038】
吸着処理された排ガスのアンモニア濃度及び回収されたアンモニア水の濃度を表1に示した。また参考のため吸着材としてハニカム状の活性炭あるいはゼオライトを用いた場合の結果も表1に合わせて示した。
【0039】
【表1】
【0040】
表1の結果より本発明の方法によりコンパクトな装置を用いて排ガス中のアンモニアをアンモニア水として回収することが可能である。特に吸看材としてチタン系複合酸化物を用いることにより、従来の活性炭と比較して吸着能力が優れておりコンパクトな設備で排ガスを処理することが可能である。またチタン系複合酸化物は脱離特性が優れており比較的低温でアンモニアが脱離し高い濃度のアンモニア水を回収することができる。
【0041】
【発明の効果】
従来、アンモニアを処理するに際しては酸化により有害な窒素酸化物を生成したり、廃水として排出し閉鎖性海域の富栄養化により水質汚濁を招いたりすることが問題となっていたが、本発明の方法を用いることにより上記二次公害を発生することなく資源を有効的に利用することができる。すなわち本発明は以上の様に構成されており、簡易な装置を用いて排ガス中に含まれるアンモニアを効率的に吸着除去し、アンモニア水として回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を実施する為に構成される回転ロータ式処理装置例の概略構成図である。
【図2】図1に示す処理装置における回転ロータの断面図を示す。
【符号の説明】
1 ロータ
2 ロータ回転軸
3 ロータ回転用モータ
4 ブロア
5 冷却器
6 アンモニア水回収タンク
7 排ガスライン
8 ハニカム状吸着材
a 吸着ゾーン
b 脱離ゾーン
c 乾燥ゾーン
d 冷却ゾーン
Claims (4)
- 排ガス中に含まれるアンモニアを、吸着材を用いて吸着する工程A、工程Aで吸着したアンモニアを、吸着材に水蒸気を導入してアンモニアを脱離する工程B、工程Bで脱離させたアンモニアを含むガスを、冷却して凝縮させる工程E、によりアンモニア水として回収することを特徴とするアンモニアの回収方法。
- 前記工程Bにより、アンモニアを脱離させた後水蒸気で処理された吸着材に、加熱した空気を導入して乾燥する工程C、更に乾燥した吸着材に空気を導入して冷却する工程D、を順次行い再度吸着材として使用することを特徴とする請求項1記載のアンモニアの回収方法。
- 前記吸着材をロータ内に充填し、該ロータを回転させることにより、前記工程A〜Dを実施することを特徴とする請求項1または2に記載のアンモニアの回収方法。
- 前記吸着材が、TiおよびSiからなる二元系複合酸化物、TiおよびZrからなる二元系複合酸化物、並びにTi、SiおよびZrからなる三元系複合酸化物のいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニアの回収方法。
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