JP3883128B2 - データ伝送方法及び伝送装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明はデータ伝送方法及び伝送方法に係り、特に複数の加入者に対する集線機能を有する交換機によって割り当てられたベアラチャネルによって加入者に対する通信を実施するアクセス系伝送装置及び同伝送装置に適用し得るデータ伝送方法及び伝送装置に関する。
背景技術
近年伝送装置のソフトウェア指向が急速に進んでおり、特に、所謂V5.2インターフェース仕様(主に交換機に関する規格)のIDLC(インテグレーテッドディジタルループキャリア)等を構成するアクセス系(ユーザに最も近い系統)伝送装置に適用され得るデータ伝送装置においては、PSTN/ISDNやディジタルPABXとの接続、更にそれぞれのサービスにおいてもPSTNでは2W/4W(2線/4線)での多様な交換機信号仕様、64KBサービス等、ISDNではBasic RateやPrimary Rate等、更に又高次群側ではPDHやSDH等、或いは加入者試験を行う為の試験ユニット、更にはV5システムにおいてはV5プロトコルを制御する制御ユニットや装置内クロスコネクト設定を行うユニットの機能等、多種多様な機能がソフトウェアによって実現されている。そしてこのような実現すべき機能の多様化に伴い、それらを制御するソフトウエアの種類も多様化しており、これら多種のソフトウエアについては、バグ修正、新機能の追加、所謂アップグレード等の目的でセンターから随時ファイルのダウンロードによるインサービスアップグレードが行われている。
ところで上記アクセス系伝送装置はキャビネットシステム等の利用によって屋外設置されることも多く、これまで上記インサービスアップグレード用のソフトウエア(ファイルデータ等)は呼接続用のベアラチャネルとは別の制御信号専用のDCC(データコミュニケーションチャネル)等を経由してリモート局に転送することによって当該伝送装置に転送していた。ところが、例えば利用する伝送路がSTM1仕様のものである場合、上記DCCの転送速度はネットワーク全体で192Kbps(RSDCCの場合)程度であり、DCCで伝送するデータには更に上記アップグレード用ファイルデータ以外にも通常のネットワーク監視情報や各種の制御情報も含まれる為これらの情報の流れを阻害せずにデータ転送するために必要なファイルデータを各局に転送する為には膨大な時間がかかる場合がある。或いは同ファイルデータ転送中、逆に上記ネットワーク監視情報の収集処理、制御情報の転送処理速度にも悪影響が及ぶことも考えられる。
このような事態の発生を防止するためには上記アップグレード用ファイルデータ転送用専用回線を確保すること等が考えられるが、現実的には通信資源の量的制限等によってそのような対処方法は現実的では無い場合が多い。そこで、上記データ転送用に専用回線の確保等の対処を行うことなくアップグレード用ファイルデータ転送を高速に行え且つその他の通常の監視/制御の処理に悪影響を与えずに効率的に当該データ転送が行えるための手法が望まれている。
ここで、従来このようなデータファイル等のデータ転送は例えば下記の様な手順A)又はB)で実施される。
A)制御システム(NMSやローカルの装置制御システム)から各NE(ネットワークエレメント、即ちこの場合ネットワークを構成する各アクセス伝送装置)に対して上記DCCを使用してセンターからログインする。次に装置制御用言語(TL1など)パケットの情報エリアを使用して当該データをASCIIコードで転送先NEのファイルバッファ等に転送する。そしてこのような処理を転送先NE数及び転送するファイル数分繰り返す。
B)やはりDCCを経由して、OSI7層(OSIはオープン・システム・インターコネクションの略称)プロトコルで提供されるFTAM(ファイル・トランスファ・アクセス・アンド・マネージメント)サービス等を使用する。この場合、転送速度はSTM1、RSDCCを使用して約67Kbps(転送効率約35%)程度である。
なおここで転送速度改善の為、ファイルを圧縮して転送する等の方法が採用されているが、そのような手法によっても上記の物理的な速度範囲を超えることはできない。
上記の如く、これらの方法では、データ転送に膨大な時間がかかる場合があり、更に転送中DCCに負荷をかける為、通常の監視処理/制御処理にも悪影響を与えかねない。
発明の要約
本発明は上記問題点に鑑み、インサービスアップグレード用データ等のデータ転送に要する時間の効果的短縮、及びDCC等の制御信号専用チャネルにかかる負荷を軽減可能な方法を提供することを目的としている。
上記目的の達成のため、本発明は、集線機能によってベアラチャネルが随時割り当てられる通信システムにおいて、使用されていないベアラチャネルをアクセス系伝送装置用アップグレードのためのデータ転送用に使用する構成である。
或いは、本発明では、集線機能によってベアラチャネルが随時割り当てられる通信システムであり、通信処理されるデータは加入者向けデータとそれ以外のデータよりなる通信システムにおいて、上記加入者向けデータの通信に使用されていないベアラチャネルを上記それ以外のデータの転送用に使用する構成である。
このように本発明では、集線機能によるベアラチャネル割り当て処理に関し割り当てられていない状態にあるベアラチャネル(空きベアラチャネル)を有効に利用してインサービスアップグレード用データのデータ転送用に使用することにより、従来同目的のために使用していたDCC等を使用せずにすむため、同じDCC等を使用して行われている通常のネットワーク監視制御業務に対する悪影響を防止し、且つ比較的容量の大きな空きベアラチャネルを使用することによってDCC等の使用時に比して大幅にデータ伝送速度を改善可能であり、当該データ転送に要する時間を大幅に短縮可能である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図と共に説明する。
近年、上記アクセス系伝送装置(ANと称する)と交換機(LEと称する)間インターフェースの標準化が進み、AN/LE間で決められたプロトコルでシグナリング(交換機信号種別)情報やコントロール情報等を通信できるようになり、AN/LE間をディジタル信号で直接接続する構成(IDLC構成)が採用されてきいる。本発明はこのIDLC構成のアクセスネットワークに適用し得るものであり、ここではその一例としてETSI/ITU−T等で標準規格化されているV5.2プロトコルを適用した実施例ついて説明する。
まず、V5.2について簡単に説明する。
図1、図2は、本発明が適用され得る上記V5.2プロトコルが適用されたアクセスネットワークの構成例を示す。これらの例の場合、各アクセス系伝送装置(AN)20−1乃至20−6間は光ファイバ等による伝送路40で結ばれ、他方交換機(LE)10と各アクセス系伝送装置(AN)20−1乃至20−6との間は直接または伝送路30を経由して所謂E1(2.048Mbps、ITU−T、G703規格による)の電気信号で接続されている。また上記各ANは1つのV5インタフェース(V5プロトコルに従うインタフェース、以降V5IFと称する)を有し、この1つのV5IFで最大16個のE1信号まで収容可能である。
ここでV5IFは、LE/AN間のコミュニケーションをとるためのチャネル(コミュニケーション・チャネル、Cチャンネルとも称する)を有し、設定によるが上記Cチャンネルとしては通常E1信号中のTS(タイムスロット)16が使用される。また障害発生時に備え、通常別E1信号に予備Cチャンネル用のTSを割り当てて置き、通常使用されるCチャンネルを伝送するE1信号をプライマリ・リンク、予備をセカンダリ・リンクと称する。このCチャンネルを通して、AN/LE間で下記V5.2、レイヤ3プロトコル処理に関する情報がやりとりされる。
Figure 0003883128
ここでV5IFが収容するE1のCチャンネルと同期用TS0以外のTSはベアラチャネルとして音声信号等を伝送するために使用される。
又V5.2プロトコルは集線機能をサポートしており、具体的には図3に示す構成を有するベアラチャネルのユーザポートに対する割りつけがコールバイコール、即ち呼に応じて随時行われる(LEが決定する)。つまり発呼または着呼が発生した際、空いているベアラチャネルに必要なポートを割りつける。この際のプロトコルの実施の流れの例を図4に示す。
この時、ANは交換機(LE)からの指示に従い、コールバイコールでユーザポートのベアラチャネルへの割り付け(ダイナミッククロスコネクト)を行う(図4のステップS1乃至S9)が、これはCチャンネルを通してやりとりされる交換機からの指示等をANのV5制御部が解析し、ANのE0〈64Kbps〉クロスコネクト設定機能を使用して行う。その後、ダイアル等の信号がやりとりされ、当該通話が確立する(ステップS9以降)。
通常、図1で示される如くのV5.2プロトコルを適用したアクセスネットワークにおいて通常アプリケーションアップグレード用ファイルなどのデータはDCCを通してリモート局に送られ、この場合、前述したようにデータ転送に膨大な時間がかかり、またこれによってDCCに掛かる負荷が高まり、データ転送以外の監視/制御処理に悪影響を及ぼすことが考えられる。この点を解決する為、本発明では未使用状態にある上記ベアラチャネルを使用する手法を適用する。既に述べたようにベアラチャネルは必要に応じて(発呼または着呼が発生した時)割り当て(アロケーション)がなされるため、原理的には割り当てがなされていない際には上記AN−AN間データ転送、即ちインサービスアップグレード用データ転送に使用することが可能である。またこのようにベアラチャネルを使用することで、(64*N)Kbps分の回線を使用可となり、DCC使用の場合の数10〜数100倍の転送速度を確保できる。
即ちアクセス系ネットワークの場合、通常時の回線使用率は平均して15%程度(以下)であるため、集線率4:1で2000チャネルをサポートするANを考えると、この場合V5IF配下のE1リンク16本でベアラチャネル数が約480チャネルであり集線率4:1であるため収容する電話回線数にして480*4=1920チャネルをサポートする構成となる。この場合、2000*15%=300チャネルが使用中とすると、480−300=180分のベアラチャネルが空きチャネルとなる。これを上記データ転送用チャネルとして使用することを考えると、64Kbps*180チャネル使用できることとなり、従来の約180倍の転送速度を確保できる。またこの手法を適用する場合、既に引かれている伝送路のベアラチャネルを使用する為、データ転送用に別に専用回線を増設する必要も無い。
更にこの手法を適用した場合、V5IFに収容されているE1リンク内のベアラチャネルを利用するため、V5IF及びそれに収容されるE1リンクは各AN毎に設けられているので、各AN毎に同時に複数のデータ転送用回線を確保する事も可能である。
以下に本発明の実施例の構成を詳細に説明する。
尚、ここでは図1に示すリング構成のネットワークを例に取って説明するが、本発明はこのような構成の通信網に限らず、ポイントツーポイント構成のネットワーク等(例えば図2の構成)にも同様にして適用可能である。
本実施例は、ある時間に使用されていない(つまり割り当てられていない状態の)ベアラチャネルをAN−AN間のデータ転送用回線として使用する構成を有する。尚、本発明を適用可能なIDLCアクセスネットワークにおいて空きベアラチャネルを利用する為の具体的手法について以下に説明するが、本発明が適用可能な範囲はこれら具体例のみに限定されることはなく、これ以外の構成を有するIDLCアクセスネットワークにおいて空きベアラチャネルを利用する構成としても適用可能である。
まず、データ送信局としてのリング構成通信網におけるCOT局(セントラル・オフィス・ターミナル、即ちLEと直接接続される中央局としてのAN)、並びにデータ受信局としてのリング構成通信網におけるRT局(リモート・ターミナル、やはりAN)について説明する。
前述した如くV5.2プロトコルによってLE−AN間で制御情報のやりとりを行う構成においてはAN側でTSの割り当て情報を持っているため、この情報を基に空きベアラチャネルを決定し、上記データ転送用チャネルとして割り当て、データ転送を行う構成である。
AN−AN(即ちCOT−RT)間データ転送を実現する為の手順は以下の通りである。
▲1▼AN−AN(COT−RT)間データ転送制御用通信回線(コミュニケーション・チャネル)の確保。
▲2▼データ転送用回線(空きベアラチャネル)の決定。
▲3▼当該データ転送用回線のデータ送信側/データ受信側での確保及び解放。
▲4▼当該データ転送に関する各種制御(データ正常性チェック/データ再送/発着呼発生時の制御など)。
以下、上記▲1▼乃至▲4▼それぞれの手順毎にその詳細について説明する。
▲1▼AN−AN(COT−RT)間データ転送制御用通信回線(コミュニケーションチャネル)の確保
転送するデータの内容にもよるが、ファイル転送等を行う場合、コミュニケーション・チャネルの確保は必須と考えられる。コミュニケーション・チャネルを確保する方法として以下の手法が考えられる。
1)COT側(図1における20−1)よりRT側(同、20−2乃至20−6)にデータ転送をスタートする為の命令を送信する(命令そのものはDCC等を経由して送信する)。命令を受信したRT側ではそのV5.2制御情報内にあるベアラチャネルの割り当て情報を参照して空きベアラチャネルの中から1TSをコミュニケーションチャネルとして割り当てる。そしてどのE1のどのTSを割り当てたかをCOT側に通知する(この通知もDCC等を経由して送信する)。
この際、コミュニケーションチャネルの確保にあたっては、LEからのTS割り当てに関する所定のルールに基きLEからの呼が割り当てられにくいTSを割り当てることが好ましい。即ちV5.2を使用している場合、LEはリンクIDの小さいE1のTS番号の小さいTSから順に割り当てを行うため、上記データ転送用コミュニケーションチャネルは逆にリンクIDの大きいE1のTS番号の大きいTSに割り当てる等の手法を適用することが望ましい。また予め万一割り当てられたコミュニケーションチャネルに対して呼が入って来た場合このチャネルに関してのみLEからの割り当て要求をリジェクトするようにプログラムを組んでおく等の処理を行うようにしてもよい。
また、別の手法として、E1信号内のスペアビット((ITU−T、G.704規格によるNFASビット4〜8)を使用してコミュニケーションチャネルを割り当てる方法等が考えられる。即ち、予め行う設定等によってコミュニケーションチャネルに使用するE1リンクを決めておき、その中のスペアビットに制御情報を挿入する手法である。この場合、情報伝送速度は20Kbpsほどではあるが、データ転送用制御情報をやりとりするには十分と考えられる。
次に上記のような手法を使って確保したコミュニケーションチャネルを通してCOT−RT間で上記データ転送に関する制御情報等をやりとりする。このデータ転送制御情報(以下データ転送プロトコル情報と呼ぶ)の送受信はV5.2プロトコルで使用する標準のプロトコルフォーマットと構造的互換性を持たせることにより、新たなファームウエアを開発することなく、既存のV5.2制御用ファームウエアにデータ転送用制御機能を追加することで実施可能であり、ファームウエア開発規模を大幅に低減することが可能となる。この点について以下に詳述する。
この場合、データ転送プロトコルを送信するフォーマットとしては図5に示すV5.2のプロトコルフォーマットを使用する。
ここで通常V5.2プロトコルではレイヤ2(データリンク層:LAPV5)EFアドレス部においてV5プロトコル自体(エンティティ)とISDNユーザポートアドレスの識別を行う。具体的にはこの部分には、LAPV5EFアドレスとしてISDNユーザポートアドレスを示す0〜8175またはV5レイヤ3のプロトコル自体を識別する為に使用されている8176〜8180が設定される。これに対し、本実施例では、現在未使用のEFアドレス値(EFアドレスは13ビットで表現されるので最大値は8191)である8181〜8191のうちのいずれか1つをデータ転送プロトコル(レイヤ3)自体の識別に使用する。
又図5に示す如く、レイヤ3内では標準のV5.2プロトコルと区別する為、レイヤ3におけるV5プロトコル識別子(レイヤ3メッセージ部の第1オクテット目で01001000固定値)の位置に、データ転送プロトコル識別子として別の値を設定する。この結果、レイヤ2の終端処理に関しては既存ファームウエアに若干修正を加えるだけで実現できる。この場合レイヤ3に関しては識別子による識別の結果当該転送データがデータ転送プロトコルによるものであった場合、レイヤ3内のメッセージ情報をRN側ANに設けたデータ転送プロトコル処理部で処理するようにする。したがってこのための機能をレイヤ3に追加する。またここではHDLCフレームを使用する為、プロトコルデータの正常性確認も同時に実施可能である。
次に本発明の一実施例による上記インサービスアップグレード用データ転送用回線(空きベアラチャネル)の決定処理について説明する。この処理は常にV5.2プロトコルを終端する局で実施されるが、これは、空きベアラチャネル情報(割り当てがなされていないベアラチャネルを示す情報)はV5LE(図1の10)と直接V5プロトコルによる通信を行っているV5終端AN局(同、20−2乃至20−6)が有するためである。なおここで、上記COT−RT間データ転送の場合、RT局(同、20−2乃至20−6)でV5プロトコルを終端しているものとする。
RT局のV5制御部では通常割り当てがなされているTS(ベアラチャネル)情報示すテーブルを保有する。本実施例では、上記データ転送を行う要求があった場合即座に空きベアラチャネルをデータ転送チャネルとして割り当てる目的でV5制御部が持つテーブルとは別にもう1つのテーブル(以下、第2のテーブルと称する)を設けておき、これを各RT局で保有する構成としている。この第2のテーブルではV5プロトコルによる処理上存在する空きTSは全てデータ転送TSとして定義されるものとする。
RT局はデータ転送実施目的のTS(空きベアラチャネル)情報要求を送信側から受信した場合、要求受信直後の、この第2のテーブル(空きベアラチャネル情報テーブル)をもう一方の局(例えばCOT局20−1)にも転送することにより、データ送信側(20−1)とデータ受信側(20−2乃至20−6)とで同一TSをデータ転送に使用することを可能にする。
また、この空きベアラチャネル情報、即ち空きベアラチャネルを示す情報の転送中、及び後述するデータ転送用回線の確保作業中にLEより新たなTS割り当て要求があった場合には、当該TS(ベアラチャネル)を解放する割り込みシーケンスが実施され、TS解放後LEとの間での当該TS割り当ての設定がなされる(詳細は後述)。
次にデータ転送用回線のデータ送信側/データ受信側での確保及び解放処理について説明する。
まずデータ受信側の処理について説明する。ここではCOT20−1からRT20−2乃至20−6にデータ転送(V5プロトコル終端はRT局とする)を行う場合を考える。なおここで、データ受信側のRT局は前述したダイナミッククロスコネクトによるV5.2集線機能を有するため、通常、LE−AN間のV5.2プロトコル処理を通じて伝送路のTS(ベアラチャネル)が特定のユーザポート用に割り当てられ、その後これらTSはダイナミッククロスコネクト機能によって当該RT局の該当するユーザポートに夫々接続される。これに対し本実施例では、上記処理によって伝送路のデータ転送用チャネルとして割り当てられたTSを、上記V5.2のTS割り当て機能で使用するダイナミッククロスコネクト機能によって該当するデータ受信用ポートに接続する(図7参照)。
ここで、図7に示すANを構成する伝送装置の構成においてダイナミッククロスコネクトとは以下の処理を示す。即ち、アクセスネットワークによりPSTNサービスを提供する場合、ANは加入者を収容するためのユーザーポートを持つチャネルユニット103,104、...と、これらを多重化し伝送路に送出する高次群ユニット101を有し、上記ANのクロスコネクト機能とは、これらチャネルユニット内の任意のTS(64Kbps信号)と、高次群ユニットの任意のTS(64Kbps)とを論理的に接続する機能であり(実際にはタイムスイッチ等を用いて実施される)、図中、TSIユニット102で実施される。
ここでV5.2で行うTS割り当て処理とは、このクロスコネクト設定をあらかじめ行っておく(即ちUDLC等で行うスタティッククロスコネクト方式等)のではなく、呼の発生状況に合わせて、TSIユニット102にてLEからの指示により空いているTSにその場でクロスコネクト設定する機能である。このような動的なクロスコネクト設定機能をダイナミッククロスコネクト機能と称するが、本実施例ではこのTSIユニット102によるダイナミッククロスコネクト機能をそのまま利用して指定されたTSを当該データ転送用に設けられたデータ転送用ユニット105のデータ転送ポートに割り当てるものである。
またデータ転送用回線の確保は上の方法とは別に次のような方法でも実現できる。即ち、図8に示す如く、ANを構成する伝送装置の伝送路側の主信号受信部にスイッチを有するスイッチ制御部121を設け、ここでスイッチを制御(スイッチング)することにより当該データ転送回線に割り当てられたTSデータを対応するデータ受信ポートに結合する方法である。
この方法は具体的には以下の如くに実施する。即ち、まず受信E1(通常の加入者データとAN間転送中のインサービスアップグレード用データ等の転送データを含む信号)からクロック抽出部122とフレームパルス抽出部123によってクロックとフレームパルスのデータを取り出す。他方予めデータ転送制御部124で保有する所定のデータ転送用チャネル情報をスイッチ制御部121に渡す。スイッチ制御部121はこれらフレームパルス/クロック/データ転送用チャネル情報でそのスイッチを制御し、加入者データを含むTSと当該AN間転送データを含むTSを適宜スイッチングによって主信号バスとデータ転送制御ユニットのデータ受信部と振り分ける。
以上の処理はデータ受信側の処理であるが、以下にデータ送信側の処理について説明する。
データ送信側処理は上で述べたデータ受信の処理を逆に辿るをことで実現できる。すなわち、所定のデータ転送用TS割り当て情報にしたがってダイナミッククロスコネクト機能によりCOT20−1のデータ転送制御ユニットのデータ送信ポートを伝送路のTSに割り当てることにより当該データ転送回線を確保し、これを使用してデータ送信を行う。
または、図8に示す上記転送データ受信方法を適用し、データ転送制御部からのTS割り当て情報、即ちデータ転送用TS割り当て指示に従って同制御部内のデータ送信部から所望の転送データを出力し、これを受けたスイッチ制御部はE1信号のクロックとフレームパルスのデータによって当該転送データのE1信号内の挿入位置を特定してスイッチを制御し割り当てられたTSに当該AN間転送データを挿入する。
次に上記本発明の一実施例によるインサービスアップグレード用データAN間データ転送に関する各種制御(データ正常性チェック/データ再送/発着呼発生時の制御など)処理について説明する。
図9は上記実施例によるAN間データ転送における各種制御を表す動作シーケンスの例を示す。
図中、ステップS31にてCOT側AN伝送装置20−1からAN間データ転送指示を通知する。RT側AN伝送装置20−2乃至20−6はこの通知を受けるとステップS32にて制御情報通信のためのコミュニケーションチャネルを決定し、決定済みのコミュニケーションチャネルを通知する。COT側ではこれを受けてステップS33にて内部にて対応するコミュニケーションチャネルの決定を行い、その決定に従ってステップS34にて同コミュニケーションチャネルの確保を行う。
他方RT側でも決定済みのコミュニケーションチャネルを確保し、所定のデータ転送用チャネル決定処理によって当該データ転送用チャネルを決定し(ステップS36)、この決定済みのデータ転送チャネルをCOT側に通知する。この通知を受けたCOT側では内部処理にて対応するデータ転送チャネルを決定する(ステップS38)と、このように決定されたデータ転送用チャネルに対し、当該AN間データ転送用ポートをダイナミッククロスコネクトによって接続する(ステップS39)。他方RT側でも同様に決定済みのデータ転送用チャネルに対してAN間データ受信用ポートをダイナミッククロスコネクトによって接続する(ステップS47)。
次にCOT側とRT側との間でデータ送受信準備の完了を確認し合い(ステップS40,S48),その後COT側ではステップS41でデータ転送を開始し、その後ステップS42で送信データの正常性を確認しながら順次データを送信してゆく(ステップS43)。他方RT側ではCOT側でのデータ送信によって送られたデータを受信すると(ステップS49)、その正常性をチェックしながら(ステップS50),順次データを受信してゆく(ステップS51)。
その後所望のデータ送受信が完了したことを確認し合い(ステップs44、S53)、COT側ではデータ送信ポートを当該データ転送チャネルから切断し(ステップS45)、RT側では同様に受信ポートを当該データ転送チャネルから切断し(ステップS54)、当該データ転送処理を終了する(ステップS46,S55)。
次に複数のAN伝送装置への同時転送処理について説明する。
通常V5.2などのIDLC構成のネットワークプロトコルではE1回線は各AN毎に数本〜数十本設けられており、この中で各AN伝送装置が自己専用のE1回線を保有しV5.2プロトコルではこれを各AN毎に終端するため、上述のデータ転送のメカニズムを各AN毎に独立して組み込むことが可能である。従って、COT局から複数のRT局毎にそれぞれデータ転送メカニズムを動作させ、同じデータをそれぞれのAN毎に独立したデータ転送チャネルを通して送信することが可能であり、このようにして複数ANへのデータの同時配信が可能となる。これはファイルなどのデータをネットワーク内全てのAN局に配信する際非常に有効な手法と言える。
この複数AN局へのデータ同時配信(同報)手法は、基本は上述のデータ転送メカニズムに則るが、COT側伝送装置に設けるデータ送信側のデータ転送制御ユニットには若干の機能追加が必要となる。即ち、この場合、考慮する必要があるのは、複数ANに同時にファイルデータ等を送信する場合、AN毎にベアラチャネルの使用状況が異なる為、当該データ転送用として確保できる回線容量(ベアラチャネル数量)がAN毎に異なるという事実である。
これはネットワーク規模がある程度小さく、またデータ転送制御ユニットのハードウエア資源に余裕がある場合は、データ送信回路とデータ(ファイル)の保存メモリを各AN毎に設けることによって適宜バッファリングして対処すること等が可能であるが、このために要する回路等を追加することによって伝送装置の回路規模はかなり大きくなってしまう。従って、1つのバッファメモリと1つの送信回路のみを使って各ANに対してデータ配信をする構成にすることによって回路規模を最小限にすることが望ましい。
その場合、データ転送の速度を全てのAN間で同じ速度にしなければならないため、データ転送用回線確保のシーケンスにおいて、各ANから送られて来るTS割り当て情報を解析し、各AN毎のデータ転送用回線として確保できるチャネル数の最小値を各AN毎に共通のデータ転送用回線容量として決定する機能を追加すればよい。
また、データ転送用に確保したベアラチャネル(各AN毎に回線容量は等しい)は、通常各AN毎に順番に並んでいる訳では無い為、送信データの数フレーム分を一旦送信バッファ等に蓄えておき、ここから1フレーム内の送信データを順次各AN毎のタイミングで送信していくことを可能にする制御が必要となる。なお、上記1フレームとは高次群側伝送路における1フレーム(125μs)であり、この1フレーム中に全AN伝送装置に対するデータ転送用ベアラチャネルがフレーム毎に同じ数だけ現れることになる。
この方法によれば若干のハードウエアの追加と若干のファームウエアへの制御機能の追加で所望の機能を実現でき、その結果ネットワーク全体の機能アップグレード等を一括かつ非常に短時間で完了させる事が可能となる。
上述の如く、本発明は以下の特徴を有する。
V5.2等の集線機能を持つ交換機(LE)とアクセス系伝送装置(AN)によって構成されるアクセスネットワークにおいて、使用されていないベアラチャネルを選択する機能と、このようにして選択されたベアラチャネルをAN−AN間でのデータ転送チャネルとして割り当てる機能を持つ。
又、上記AN−AN間でのデータ転送チャネルとして割り当てられたベアラチャネルに関する情報を当該データを送信する側のANに通知する手段を有する。
又、上記データ転送用として当該データを受信する側のANから通知されたベアラチャネルに関する情報により、その情報によって示されたベアラチャネルに当該転送データを挿入する手段を持つ。
更に、データ転送用に割り当てられデータ転送用に接続されたアラチャネルについて、交換機(LE)からの要求により当該ベアラチャネルに対する接続要求を受信した場合は、当該ベアラチャネルを一旦解放し、LEの指示に従って再接続をする手段を持つ。
又、LEからの指示に従ってLE−AN間で割り当てられたベアラチャネルについて、呼の解放時にベアラチャネルの使用状態(割り当て状態)を監視し、該当ANに対してデータ転送中である場合、呼の解放によって空き状態になったベアラチャネルを当該データ転送用のベアラチャネルとして割り当てる手段を持つ。
受信側ANにおいて、当該転送されたデータの正常性判定手段を持ち、当該データが正常かどうかの判定結果をデータ送信側ANに通知する手段を持つ。
データ送信側ANにて当該転送するデータの正常性を判定する為の情報(例えば周知のCRC,パリティビット等)の挿入手段を持つと共にデータ受信側ANによる転送データの正常性判定結果を入手する手段を持ち、さらに判定結果が異常であった場合に当該データを再送するための手段を持つ。
LE−AN間で使用していない空きベアラチャネルを利用してデータ転送を行うために、データ転送を行うAN−AN間でデータ転送に関する制御を行うためのAN−AN間コミュニケーションチャネルを持つ。
更に、AN−AN間データコミュニケーションチャネルによって伝送される制御データに関する正常性を判定する手段を持つ。
更にネットワーク内の複数のANに対して、それぞれ上記の如くの空きベアラチャネルを選択してそれぞれのAN毎にデータ転送チャネルを設定し、これらを通して複数のANに対して同時にデータ転送を行う手段を持つ。
このように、本発明によれば、従来膨大な時間を要していたアクセス系ネットワーク内の各局へのファイルデータなどの転送時間を大幅に短縮することが出来、かつDCC回線等に対する負荷を効果的に軽減させることが可能なため、通常の監視処理/制御処理の速度に影響を与えずに上記転送処理を実施でき、ネットワークとしてのパフォーマンスを大きく向上させることが可能となる。
なお、本発明は上記実施例に限られず、発明の基本思想に従って様々な実施例への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一実施例を適用可能な通信システム(その1)を示すブロック図である。
図2は本発明の一実施例を適用可能な通信システム(その2)を示すブロック図である。
図3は本発明に適用可能なベアラチャネルの構成例を説明する図である。
図4は本発明を適用可能なベアラチャネルを使用した集線機能を実現するアクセス系伝送装置発呼の際のV5.2プロトコルの処理の流れを概略的に説明するための図である。
図5は本発明に適用可能なV5プロトコル処理の場合において使用されるレイヤ2フレーム及びレイヤ3メッセージの構成を説明するための図である。
図6は本発明に適用可能なV5インタフェースプロトコルにおける本発明によるデータ転送プロトコルの位置づけを説明するための図である。
図7は本発明の一実施例によるダイナミッククロスコネクト機能を利用したAN−AN間データ転送を実現するためのデータ受信側ANの構成を説明するためのブロック図である。
図8は本発明の他の例によるAN−AN間データ転送を実現するためのデータ受信側ANの構成を説明するためのブロック図である。
図9は本発明の一実施例によるAN−AN間データ転送を実現するためのデータ送信側及びデータ受信側の相互の通信動作を含む動作シーケンスを示すフローチャートである。

Claims (5)

  1. 複数加入者の集線機能によって割り当てられたベアラチャネルを使用して通信を実施する通信システムにおいて、
    使用されていないベアラチャネルを加入者側通信を実施するアクセス系伝送装置用アップグレード用データ転送用に使用する構成とされ、
    通信システムにおける複数のアクセス系伝送装置に対して上記使用されていないベアラチャネルを夫々割り当てて各伝送装置毎にデータ転送チャネルを設定し、設定チャネルを通じて上記複数のアクセス系伝送装置に対して同時に当該データ転送を実施する構成とされてなるデータ伝送方法。
  2. 複数加入者の集線機能によって割り当てられたベアラチャネルを使用して通信を実施する通信システムにおいて、
    該通信システムにて通信に供されるデータは加入者向けデータとそれ以外のデータとよりなり、
    上記加入者向けデータの通信に使用されていないベアラチャネルを上記それ以外のデータの転送用に使用する構成とされ、
    通信システムにおける複数のアクセス系伝送装置に対して上記使用されていないベアラチャネルを夫々割り当てて各伝送装置毎にデータ転送チャネルを設定し、設定チャネルを通じて上記複数のアクセス系伝送装置に対して同時に当該データ転送を実施する構成とされてなるデータ伝送方法。
  3. 複数の加入者の集線機能によって割り当てられたベアラチャネルを使用して通信を実施する通信システムに適用される伝送装置であって、
    使用されていないベアラチャネルを加入者側通信を実施するアクセス系伝送装置へのアップグレード用データ転送用に使用することを可能にするプロトコルを実装した構成とされ、
    通信システムにおける複数のアクセス系伝送装置に対して上記使用されていないベアラチャネルを夫々割り当てて各伝送装置毎にデータ転送チャネルを設定し、設定チャネルを通じて上記複数のアクセス系伝送装置に対して同時に当該データ転送を実施する構成とされてなるデータ伝送装置。
  4. 複数の加入者の集線機能によって割り当てられたベアラチャネルを使用して通信を実施する通信システムに適用される伝送装置であって、
    該通信システムにて通信に供されるデータは加入者向けデータとそれ以外のデータとよりなり、
    上記加入者向けデータの通信に使用されていないベアラチャネルを上記それ以外のデータの転送用に使用することを可能にするプロトコルを実装した構成とされ、
    通信システムにおける複数のアクセス系伝送装置に対して上記使用されていないベアラチャネルを夫々割り当てて各伝送装置毎にデータ転送チャネルを設定し、設定チャネルを通じて上記複数のアクセス系伝送装置に対して同時に当該データ転送を実施する構成とされてなるデータ伝送装置。
  5. 複数加入者の集線機能によって割り当てられたベアラチャネルを使用して伝送装置間で通信を実施する通信システムにおけるデータ伝送方法であって、
    前記伝送装置間のデータ転送制御のための通信回線を確保するステップと、
    アップグレード用データ転送のための通信回線としてのベアラチャネルを決定するステップと、
    該データ転送のための通信回線を、データ送信側の伝送装置及びデータ受信側の伝送装置において確保するステップと、
    該データ転送のための通信回線を、データ送信側の伝送装置及びデータ受信側の伝送装置において解放するステップと、
    を含む構成とされ、
    通信システムにおける複数のアクセス系伝送装置に対して上記使用されていないベアラチャネルを夫々割り当てて各伝送装置毎にデータ転送チャネルを設定し、設定チャネルを通じて上記複数のアクセス系伝送装置に対して同時に当該データ転送を実施する構成とされてなるデータ伝送方法。
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