JP3890432B2 - 補強金具付き吊子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補強金具に用いる補強金具付き吊子に係り、特に吊子のエンボス面と円弧部或いは屈曲部とに補強金具を係合させて、補強金具付き吊子を一体化させることで容易に堅固な構成を図ることを目的とした補強金具に用いる補強金具付き吊子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の補強金具及び補強金具付き吊子は、折板屋根材とタイトフレームとの密な固定を図る目的で、介在させる固定用金具として使用されている。
【0003】
このような補強金具或いは補強金具付き吊子には、従来各種構造のものが知られている。例えば、図8の上方に示されている補強金具100は、側面L字状をなし、その起立面101は、3つに分かれて左右の円弧部102,102は、若干前方に膨らんでおり、中央は平坦部103としてある。底面104は、前記円弧部102,102と平坦部103とに沿って若干上方に膨らんだ左右の円弧部105,105と中央の平坦部106とを備え、これら円弧部105,105と平坦部106の長さは、起立面101より長目形状としてある。107は、前記平坦部106の略中央部に設けた縦長状のボルト穴である。
【0004】
また、図8の下方に示されている補強金具付き吊子110は、上記補強金具100と吊子111とが一体化されている。つまり、この吊子111は、従来公知の構造であり、外向きの幅広な屈曲部112に続いて略直角な折曲げ部113を介して幅広の垂下面114を経て、再度内向きに略直角な折曲げ部115を介して先細り状の底面116が形成されている。また、底面116の略中央部には、縦長状の縦長穴117が設けられている。
【0005】
そして、この吊子111と補強金具100との縦長穴117とボルト穴107とを一致させて、これらの垂下面114と底面116とに補強金具100を配した後、補強金具100の端部と吊子111の端部とにスポット溶接118を施して両者一体化させた補強金具付き吊子110が構成されている。
【0006】
さらに、実用新案出願公告昭和50年9136号公報には、馳締屋根に使用する吊子として取付部に設けた一側縁の垂直面の上端に薄い巻込部を有する円弧部の構成が開示されている。また、実用新案出願公告昭和51年18578号公報には、同様な吊子に貫通孔と合致するボルト孔を設けた扁平の筒状座金をボルト孔と貫通孔が合致するような構成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの補強金具及び補強金具付き吊子には、次のような解決すべき課題がある。
▲1▼ 図8に示す補強金具は、補強金具の起立面及び底面に円弧部を設けて強度的に堅固な構成としているが、まだ強度が不足している。特に、屋根材の引張り荷重が吊子だけにかかり、屋根材が外れたり、吊子が変形しまうことがある。また、このような負荷のため、屋根材が上方に持上げられ、屋根材の引張り荷重が吊子にかかる欠点がある。
▲2▼ 同様に図8に示す補強金具付き吊子では、屋根材を取付けた後の圧縮強度はタイトフレームの片側(高い段部側)にのみ荷重がかかり、偏荷重となり、強度不足になっている。
▲3▼ 実用新案公報の2件では、構成部材数が多くなるし、補強金具と吊子とがスポット溶接などで固定するため、手間がかかるし、コストがかかり、高価にならざるを得ないものがある。
▲4▼ 従来のスポット溶接或いは上記2件の公報などに開示されている一体化構成のものは、コスト高のために現在では、ほとんど採用されていない。
【0008】
本発明は、このような観点に鑑み種々研究の結果、特に補強金具と吊子とが一体化されて強度的に堅固な構成なり、構成部品数を簡素化でき、その組立ても簡素化できることを主目的とする補強金具付き吊子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の発明は、一枚の金属板を用いて前板を省いた開口部と、中央の背板と左右の側板とが絞り加工により形成され、前記側板の上端に外向きの耳片と、底板の略中央部に縦長状のボルト穴とが設けられている補強金具を、外向きの屈曲部を設けた幅広な上端に続いて略直角な折曲げ部を経て、順次幅狭となる垂直板が形成され、幅狭となる垂直板の先端部に内向きに略直角な折曲げ部を経て上向きの円弧部と略縦長状の縦長穴とが形成された底板が設けられ、また、垂直板の下端部に係合用の突起として内向きにエンボス面が形成されている吊子に対して、補強金具の背板の上端を吊子のエンボス面の下端に係合させると共に、補強金具の底板の先端部を吊子の円弧部に係合させることで一体化させ、補強金具のボルト穴と吊子の縦長穴とが一致するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第2の発明は、上端に外向きの屈曲部或いは円弧部に続いて、略直角な折曲げ部を経て下端部に外向きのエンボス面を設けた垂直板と、続く略直角な折曲げ部を経て先端に上向きの円弧部或いは屈曲部と略中央部に縦長穴とを設けた底板とからなる吊子に、補強金具の背板の上端を吊子のエンボス面に係合させ、底板の先端を屈曲部或いは円弧部を介して前記縦長穴とボルト穴とを一致させて吊子と補強金具とが一体化させていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第3の発明は、前記垂直面のエンボス面は、切起こしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第4の発明は、補強金具の起立面は、平坦部であり、底面はこの平坦部より若干長目の長尺平坦部であり、この底面の略中央部に縦長状のボルト穴が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第5の発明は、補強金具の起立面は、若干外向きに膨らんだ左右の円弧部と平坦部とであり、底面は前記起立面に沿う長目の上向きに膨らんだ左右の円弧部と中央の平坦部とであり、この平坦部の略中央部に縦長状のボルト穴が設けられていることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明に係る第1の発明によれば、補強金具は、その背板と左右の側板とが一枚の金属板を使用して絞り加工に形成されているため、従来の補強金具に比べて強靱となり、堅固な補強金具付き吊子が構成できる。
【0015】
第2の発明によれば、屋根材を取付けた後の圧縮強度は、タイトフレームの両側に均等に荷重がかかることにより補強金具付き吊子は堅固となる。また、従来のスポット溶接を使用しなくても、補強金具を吊子のエンボス面と屈曲部或いは円弧部とに係合できるため、補強金具が外れることがない簡易な組立てとなる。しかも、この係合の際、屈曲部或いは円弧部片の端部を若干潰すことで、さらに堅固に一体化できる補強金具付き吊子となる。
【0016】
さらに、補強金具の耳片で屋根材の上板を受けることにより、この屋根材は沈むことがなくなり、例えば、軒先面戸などの納めが良好になり、美観に優れた屋根を構成できる。また、ハゼ締め機を用いてハゼを締める作業にも、上板にかかるハゼ締め機の重量にも耐え沈まず、綺麗にハゼ締め作業を行うことができる。
【0017】
本発明の第3発明によれば、切起こした垂直面のエンボス面を構成したことにより、補強金具の背板及び起立面は堅固に保持できる。
【0018】
本発明の第4の発明によれば、吊子と補強金具とが簡易な構成で一体化できるものである。
【0019】
本発明の第5の発明によれば、補強金具の起立面及び底面にそれぞれ若干膨らんだ左右の円弧部を設けたことにより、その強度が増して堅固な構成となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に係る補強金具の例を示す斜視図、図2は、同補強金具を吊子に取付けた補強金具付き吊子の第1例を示す斜視図、図3は、同使用状態を示す断面図、図4は、補強金具付き吊子の第2例を示す斜視図、図5は、補強金具付き吊子のさらに第3例を示す斜視図、図6は、補強金具付き吊子の第4例を示す斜視図、図7は、補強金具付き吊子の第5例を示す斜視図である。
【0021】
まず、図1〜図3に示す補強金具1の例を説明する。この補強金具1は、所定の厚みを有する一枚の金属板、例えば、亜鉛メッキ鋼板や高耐性圧延鋼板、着色亜鉛鉄鈑、溶融アルミニウムメッキ鋼板及び塗装ステンレス鋼板などの金属板を使用している。
【0022】
このような一枚の四辺形状の金属板を使用して前板を省いて開口部2とし、中央の背板30と左右の側板31,31とを備えており、これらは絞り加工により形成されている。そして、側板31,31の上端に外向きの耳片35,35がそれぞれ形成され、底板36の略中央部に縦長状のボルト穴37が設けられている。なお、図示省略してあるが、側板31,31は、前方程低い形状に形成し、使用するタイトフレームの頂面に傾斜面がある場合に対応できるように構成してもよい。
【0023】
また、図2に示す補強金具付き吊子5は、上記補強金具1に吊子50を取付けた第1例である。この吊子50は、外向きの屈曲部51を設けた幅広な上端に続いて略直角な折曲げ部52を経て、順次幅狭となる垂直板53が形成され、幅狭となる垂直板53の先端部に内向きに略直角な折曲げ部54を経て上向きの円弧部55と略縦長状の縦長穴56とが形成された底板58が設けられている。また、垂直板53の下端部に係合用の突起として内向きにエンボス面57が形成されている。そして、この吊子50に補強金具1の背板30の上端を係合させると共に、底板36の先端部を円弧部55に係合させることで一体化させ、ボルト穴37と縦長穴56とが一致するようにしてある。
【0024】
ここで、吊子50に補強金具1を組立てる方法を説明する。まず、補強金具1の底板36の後端面を円弧部55に挿入させ、続いて底板36の中央部を下方に押しながら背板30の上端をエンボス面57の下端に係合させると、吊子50と補強金具1とは一体化できる。図示省略するが、垂直板53の屈曲部51は、円弧部としてもよいし、底板58の円弧部55は、屈曲部としてもよい。なお、これらの形状は、以下説明する吊子の構成にも対応でき同様である。
【0025】
このような補強金具付き吊子5は、図3に示すようにタイトフレーム6を使用して折板屋根材Yを葺上げることができる。このタイトフレーム6は、その頂面60が段部61になっており、その傾斜部62,62を介して折板屋根材Yの上板Y1と下板Y2とが頂面60において、馳締め63させてある。詳しくは、段部61に一体化させた補強金具付き吊子5を配し、そのボルト穴37と縦長穴56とにボルト65とナット66を介して吊子5を締付けている。
【0026】
これと共に、吊子5を介して介在させた上・下板Y1,Y2の接合部は、その長目の屈曲部51を介してよりよい馳締め63が施され、安定した折板屋根材Yが葺上げられている。
【0027】
図4は、上記吊子5の垂直板53に設けた係合用突起としてエンボス面57に代えて切起こした切起こしエンボス面58が形成されている第2例を示し、吊子50Aを使用した補強金具付き吊子5Aの例であり、その他の構成は同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0028】
図5は、上記従来の補強金具100を使用した第3例であり、この補強金具100に吊子50を使用して補強金具付き吊子5を構成している。これらの構成については、既に段落「0003」などで補強金具100の構成を説明してあるため、その説明を省略する。
【0029】
図6は、上記垂直板53に設けた係合用突起として切起こしエンボス面59が形成されている補強金具付き吊子5Aを使用した吊子50Aの第4例であり、その他の構成は同じであるため、詳しい説明は省略する。
【0030】
図7は、これらと異なる補強金具120を使用した補強金具付き吊子5Bを示す第5例である。この吊子120は、平坦な起立面121に略直角な折曲げ部122を介して若干長目の長尺平坦面123を形成し、この長尺平坦面123の略中央部に縦長状のボルト124が設けられている。
【0031】
そして、上記吊子5,5Aと異なる構成の吊子5Bを使用し、その屈曲部或いは円弧部51が、幅広の形状に構成されており、垂直板53A及び底板58Aもこの屈曲部或いは円弧部51と同様に略幅広の形状に構成されている。また、底板58Aの円弧部或いは屈曲部55も同様であり、垂直板53Aに設けたエンボス面57,59も同様である。
【0032】
これら補強金具付き吊子5,5A,5Bの使用方法は、図3に示すような頂面60に段部61を備えるタイトフレーム6を使用するとよく、その説明は省略する。
【0033】
このように本発明によれば、補強金具1,100,120が構成され、また、補強金具付き吊子5,5A,5Bが構成されているが、これらの組合わせは、特に限定されるものではなく、これら補強金具1,100,120と補強金具付き吊子5,5A,5Bとを任意に選択して適宜使用することにより、適宜所望の組合わせを選択することができる。このため、従来のように面倒なスポット溶接を施すことがなく簡易に一体化できるため、その組立てが容易となるし、その接合部も堅固な密な接合ができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、上記構成であれば、次のような効果がある。
(1)本発明の補強金具は、一枚の金属板を使用して絞り加工で形成してあるため、吊子と補強金具とが簡易に一体化を図ることができ、堅固な補強金具付き吊子を提供できる。
(2)本発明では、折板屋根材を取付けた後の圧縮強度は、タイトフレームの両側に均等に荷重がかかり、補強金具付き吊子は堅固なものとなる。
(3)本発明は、補強金具を吊子のエンボス面或いは切起こしエンボス面と、円弧部或いは屈曲部とに係合できるため、補強金具が外れることがなくなり、簡易な組立てができる。
(4)本発明では、接合部での接合の際、その屈曲部或いは屈曲部の端部を若干潰すことで、さらに堅固に一体化できる。
(5)本発明では、補強金具の上部において屋根材の上板が上側となるため、この屋根材は沈み窪むことがなくなり、軒先面戸などの納めが良好になり、美観に優れた屋根を構成できる。
(6)本発明では、ハゼ締め機を用いてハゼを締める作業を行う場合、上板にかかるハゼ締め機の重量にも耐え沈まず、綺麗にハゼ締め作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る補強金具の例を示す斜視図。
【図2】 同補強金具を吊子に取付けた補強金具付き吊子の第1例を示す斜視図。
【図3】 同使用状態を示す断面図。
【図4】 補強金具付き吊子の第2例を示す斜視図。
【図5】 補強金具付き吊子の第3例を示す斜視図。
【図6】 補強金具付き吊子の第4例を示す斜視図。
【図7】 補強金具付き吊子の第5例を示す斜視図。
【図8】 補強金具付き吊子の従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 補強金具 2 開口部
30 背板 31 側板
35 耳片 36 底板
37 ボルト穴 50 吊子
51 屈曲部 52,54 折曲げ部
53 垂直板 55 円弧部
56 縦長穴 57 エンボス面
58 底板

Claims (5)

  1. 一枚の金属板を用いて前板を省いた開口部と、中央の背板と左右の側板とが絞り加工により形成され、前記側板の上端に外向きの耳片と、底板の略中央部に縦長状のボルト穴とが設けられている補強金具を、
    外向きの屈曲部を設けた幅広な上端に続いて略直角な折曲げ部を経て、順次幅狭となる垂直板が形成され、幅狭となる垂直板の先端部に内向きに略直角な折曲げ部を経て上向きの円弧部と略縦長状の縦長穴とが形成された底板が設けられ、また、垂直板の下端部に係合用の突起として内向きにエンボス面が形成されている吊子に対して、
    補強金具の背板の上端を吊子のエンボス面の下端に係合させると共に、補強金具の底板の先端部を吊子の円弧部に係合させることで一体化させ、補強金具のボルト穴と吊子の縦長穴とが一致するようにしてあることを特徴とする補強金具付き吊子。
  2. 上端に外向きの屈曲部或いは円弧部に続いて、略直角な折曲げ部を経て下端部に外向きのエンボス面を設けた垂直板と、続く略直角な折曲げ部を経て先端に上向きの円弧部或いは屈曲部と略中央部に縦長穴とを設けた底板とからなる吊子に、補強金具の背板の上端を吊子のエンボス面に係合させ、底板の先端を屈曲部或いは円弧部を介して前記縦長穴とボルト穴とを一致させて吊子と補強金具とが一体化させていることを特徴とする補強金具付き吊子。
  3. 垂直面のエンボス面は、切起こしてあることを特徴とする請求項2記載の補強金具付き吊子。
  4. 補強金具の起立面は、平坦部であり、底面はこの平坦部より若干長目の長尺平坦部であり、この底面の略中央部に縦長状のボルト穴が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の補強金具付き吊子。
  5. 補強金具の起立面は、若干外向きに膨らんだ左右の円弧部と平坦部であり、底面は前記起立面に沿う長目の上向きに膨らんだ左右の円弧部と中央の平坦部であり、この平坦部の略中央部に縦長状のボルト穴が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の補強金具付き吊子。
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