JP3904227B2 - 小型モータの給電機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばミリマシーン用の超小型駆動用モータや無音振動アラーム機能付き腕時計用の振動モータなど、極小径サイズの小型モータに関するものであり、さらに詳しくはモータの給電機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、外径φ5mm前後の小型円筒モータの需要は、分銅付きの振動モータとしてペイジャー・PHS・携帯電話等の移動体通信機器に、あるいは装置部品の駆動用モータとしてOA機器・精密機器・ラジコン模型等の各装置内部に数多く搭載され、それぞれ実用化されてきた。そして近年では、例えば胎空内診断治療等の精密医療機器、あるいは自走型管内環境確認装置等のマイクロ・ミリマシーン的なハイテク産業機器への搭載を主目的とした、超小型モータとしての更なる需要があり、極小径・極小尺化の要望が年々高まっている。
【0003】
しかしモータがより小径小型になればなるほど、各部品の製造及びその組立が難しくなるばかりでなく、設計段階における各部品の構成・寸法・配置・取付け、及び電源部側からの給電配線等の取回し機構の省スペース化の問題が発生する。特に外径φ3mm以下の極小径型のモータでは、前記給電配線機構をどのような構造にするか、また小径化・省スペース化を図る最良な設置個所をどこに配置するかが小径化設計の重要なポイントとなる。
【0004】
このため一般的には、構造的にモータの種類として、極小径サイズに有利な構造であるブラシと整流子を必要としないブラシレスモータが極小モータの主流となりつつあり、また同時に、モータのエネルギー効率が高く、製造が比較的容易となるという理由から、永久磁石型回転子を有し、扁平の界磁コイルを円筒円周上に複数個有するタイプのブラシレスモータが用いられている。
【0005】
この永久磁石型回転子を有する従来型のブラシレスモータの一例を、図3及び図4に示す。図3において1は、出力軸2を一端に有する回転子であり、軸受ホルダー6及び略円筒体ホルダー15を介して、ハウジング7の両端軸中心部に装着された二つの軸受4により、回転自在に支承されている。
【0006】
また5は、自己融着線を扁平リング状に重ね巻して構成した少なくとも3個以上の単品のボビンレスコイルを、円筒状ハウジング7内周面に円周方向均等角度に配置した回転磁界を発生させるための界磁コイルユニットで、この各界磁コイル5により形成される回転磁界に追従して、回転子1が回転する。また同扁平状の界磁コイル5は、図3の略円筒体ホルダー15外周面に沿って曲げられ、接着固定された状態で、円筒状ハウジング7内径に挿入して嵌合固定することができ、小型モータの組立を容易にする工夫がなされている。
【0007】
また、図3に示す9は、前記複数個の扁平状巻線の界磁コイル5から引き出されたタップ線であり、略円筒体ホルダー15端部に装着された金属製の中継ピン16の一端側に接続され、他端側には駆動回路に接続されるリード線17が接続されて給電機構の導通経路が形成されている。また、3は回転子1に付属したスラスト板で、同スラスト板3と固定子側軸受4により形成される空隙を規制して、回転子1のスラスト方向のガタを制限するために間挿され設けられている。
【0008】
また別の一例の図4の構成では、前記図3と同様な手法で、固定子コイル部分の組立を容易にするため、回路配線が形成された一枚のフレキシブル基板18上に、3個以上の扁平形状のボビンレスコイルを用いた界磁コイル5が装着され、ハウジング7内径面に、そのフレキシブル基板18の円筒巻き部分が内壁面に沿うように曲げられて挿入固定されている。これら基板上のボビンレスコイルは円筒の円周方向均等角度に配され、回転磁界を形成する構造となっている。また、前記フレキシブル基板18の給電配線部は、ハウジング7の円筒状筐体外周部に設けられた開口部19より、ハウジング7外部へ引き出され、筐体外周に飛び出た状態で駆動回路側へ接続されている。
【0009】
以上のように、図3及び図4に代表される従来型のブラシレスモータを基本とする小径モータの給電機構は、組立作業上の容易さ、組立中あるいは運転中の界磁コイルタップ線9の断線防止、または界磁コイル5に別体で複数の扁平巻線コイルを用いることにより生じ得る界磁コイルユニットの回転子側への脱落を防止するため、同界磁コイル5を略円筒体ホルダー15外周部に、あるいは円筒形状に曲げたフレキシブル基板18の内周部といった円筒状構造体の一面に接着固定した後、ハウジング7内径に挿入固定するのが一般的であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来型の上記構造では、同じ扁平巻線形態の界磁コイル5、同じ性能の回転子磁石の仕様のものであっても、各々の設計構造上、回転子1とハウジング7との間に、図3の構成の場合は略円筒体ホルダー15が、また、図4の場合はフレキシブル基板18が径方向の厚み寸法に介在する分だけ、磁気的ギャップ幅が増加するため、当然、パーミアンス係数が低下し、回転子1の発生トルクが低下するという欠点を有していた。
【0011】
さらに図4に示す構造の場合、フレキシブル基板18を開口部19を通じてハウジング7外部に取り出そうとすると、フレキシブル基板18の厚み分だけ、ハウジング7外径の一部に突起凸部が露出するため、極小径の有益性が損なわれてしまうという外径寸法増大の欠点を有していた。また、図3におけるリード線17を用いたものでも、中継ピン16との結線のための半田付け作業があり、リード線の線径が細く、取付け組み込み時の変形による導通不良及び断線の心配があった。
【0012】
さらに、界磁コイルユニットに複数個の扁平型のボビンレスコイルを用いた場合、その磁気突極性に起因した円周方向のトルクムラが生じるという欠点も有しており、コイル側の改良も望まれていた。
【0013】
また設計上、モータの筐体外径が小径になればなるほど軸受の外径寸法も小さくせざるおえない。しかし小径化にともなう軸受の強度的な問題、さらに焼結含油軸受を用いる場合には、軸受部の理論上の保油量から考えて軸受体積はより大きい方が好ましいなど、軸受部分の設計上の問題も多々ある。このため、軸受径寸法が比較的大きくできる図4に示すような給電機構として、軸受ホルダー6端面軸方向ではなく、ハウジング7外径側から給電を行うことが考えられたが、外径寸法が増大してしまう欠点があった。
【0014】
また、別体で複数の扁平巻線コイルを用いることにより生じ得る界磁コイルユニットの回転子側への脱落を防止するため、同界磁コイル5を略円筒体ホルダー15外周部に、あるいは円筒形状に曲げたフレキシブル基板18の内周部といった円筒状構造体の一面に接着固定する構造的な部品が必要不可欠であった。
【0015】
以上のことから、モータの小型化・極小径化を進めるには、構造的にスペースをとらない給電機構で信頼性があり、長寿命で組立が容易で、かつ量産性がある新規な構造が望まれていた。
【0016】
本発明は、モータの小型化・極小径及び小尺化に対し必要不可欠な給電機構として、円筒径方向に導通配線部が突出せず、また界磁コイルタップ線部分での断線の心配がなく、また回転のトルクムラが少なく、かつ磁気的ギャップ幅を最小限に設定できる構造の小型モータの給電機構を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、主に固定子側の給電機構部の構造とハウジング内に設置する磁界発生用の界磁コイルにある。つまり本発明は、外径φ3 mm 以下の小型モータにおいて、ハウジング内部の巻線コイル部分に、一体形状でカップ式あるいはベル式の円筒巻線コイルで亀甲巻等により組立てられた界磁コイルを配置し、前記界磁コイルからデルタ結線あるいはスター結線した界磁コイルタップ線を引き出し、導電性材料からなる接続端子を前記界磁コイルのタップ線側に備え、界磁コイルタップ線が前記接続端子に接続され、電気絶縁性材料からなる略円筒型の端子ホルダーにより、前記界磁コイル及び接続端子の導通部全体がハウジングに対し同軸方向一体に嵌合固定された固定子一端側であって、同接続端子の他端側にプリント配線が施された接続部がリング状で配線部が帯状のフレキシブル基板の接続穴部が取り付けられるとともに、対向する軸受ホルダーの接続端子キャップ部で接続端子と共にフレキシブル基板を挟み込んで嵌合固定し、前記界磁コイルタップ線が接続端子を介してフレキシブル基板の接続穴部と接続され、軸受ホルダーの外周部分で、前記フレキシブル基板を円筒状ハウジングの切り欠き部に沿って折り曲げて給電経路部分を形成した小型モータの給電機構である。
【0018】
つまり本発明の給電機構は、従来型の扁平状ボビンレスコイルを連ねた界磁コイルユニットに対してカップ式の円筒状巻線コイル、あるいはベル式の円筒巻線コイルからなるかご型の界磁コイル8を用いて複数相を一体化し、界磁コイルタップ線9をデルタ結線あるいはスター結線して接続端子10を介してフレキシブル基板13の接続穴部とそれぞれ接続し、外径方向に突出する帯状のフレキシブル基板13を、ハウジング7外周一端部に形成した切り欠き部に沿って埋め込む形で導通経路を確保した給電機構である。
【0019】
【実施例】
本発明の実施例を、外径φ2mm仕様モータの設計例である図1、図2及び図5を用いて説明する。なお、図において、前記図3及び図4と同符号の部品は同じ機能を有する部品であるため、説明を省略する。
【0020】
図1において8は、一般的な円筒コアレスモータの回転子ロータ部に使用されるカップ式の円筒状巻線コイル(あるいはベル式の円筒巻線コイル等のかご型巻線)からなる界磁コイル8であり、ハウジング7内径に嵌合するように挿入固定されている。
【0021】
そして円筒巻線の界磁コイル8のタップ線側には、導電性材料からなる接続端子10が備えられ、界磁コイルタップ線9がこの接続端子10に外周部で接続され、さらに電気絶縁性材料からなる略円筒型の端子ホルダー11により、界磁コイル8と共に導通部全体がハウジング7に対し同軸方向一体に保持され、嵌合固定されている。
【0022】
また、同接続端子10の他端側には、プリント配線が施された接続部がリング状で配線部分が帯状のフレキシブル基板13の接続穴部が取り付けられ、それを軸受ホルダー6の接続端子キャップ部12で被せるように挟み込む形で、フレキシブル基板13を間挿しながらハウジング7に固定している。図5に、接続端子10とフレキシブル基板13の組み込み時の詳細な斜視図を示す。なお、フレキシブル基板13の配線パターン及び接続穴部の形状においてはこれに限定することはなく、例えば接続穴部を略Uの字型にし、位置出しを容易にすることも考えられる。
【0023】
この新規構造によれば、界磁コイル8、接続端子10、端子ホルダー11は一体に構成されてハウジング7側に挿入固定されるため、以後、組立時に界磁コイルタップ線9に対し曲がり等のストレスがかからず、組立中、あるいは組立後の運転動作中の接続端子部分との断線を防止できる。
【0024】
また、円筒状ハウジング7本体には、図2及び図5に示すような前記帯状部分のフレキシブル基板13の引き出し位置から円筒端部開口部外方向へ、略コの字形の切り欠き部14が180度方向に二カ所設けられており、円周方向に引き出された帯状部分のフレキシブル基板13は、軸受ホルダー6外周でほぼ直角に折り曲げられた後、前記切り欠き部14内の凹部に納められ、収納される。したがって、フレキシブル基板13の厚みがハウジング7の筐体肉厚より薄ければ、ハウジング7外周径方向に凸部が形成されることはない。
【0025】
本発明の設計仕様では、筐体であるハウジング7の外径はφ2.0mm、同肉厚は0.1mmであり、フレキシブル基板13の厚みが0.08mmのものを用いているので、ハウジング7外周径方向に凸部が形成されることはなく、実際の外径寸法は最小径に収まる。
【0026】
また、接続端子10と軸受4、及びフレキシブル基板13のプリント配線部との短絡を避けるために、軸受ホルダー6は電気絶縁性材料からなるものを装着し、図1に示すような接続端子キャップ部12を一部に設けている。また軸受ホルダー6の側面には、ハウジング7の切り欠き部14にそれぞれ対応する平面部20が二カ所に設けられている。
【0027】
また界磁コイル8は、一般的な従来の円筒コアレスモータの回転子ロータ部に使用されるようなカップ式の巻線(かご型巻線)であり、界磁コイル8全体が円筒形状一体で、強度的にも径方向の変形が少なく強固である。特にハウジング7内径に接着しなくても、端子ホルダー11と一体に固定されているので、外的な衝撃による変形、脱落は皆無であり、回転子1の回転動作を妨げるような心配は一切ない。
【0028】
また、回転磁界を発生させる界磁コイルとしての機能も、従来の扁平巻線コイルを複数個連ねたものに比べ、略円筒体ホルダー15あるいはフレキシブル基板18の円筒状構造体がない分、磁気ギャップ幅を小さくできるため、従来型以上のトルク発生効率が得られ、小型モータとしてより小径化を図ることができた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳しく述べたとおり、本発明の構造では、回転子とハウジングとの間に従来見られたような、略円筒体ホルダーあるいはフレキシブル基板等の界磁コイル接着固定のための円筒状構造体が介在しないため、同じ径寸法であっても、構造設計上において磁気的ギャップ幅を最小限にでき、有効に磁気発生トルクを得ることができる。
【0030】
また、界磁コイルにカップ式の円筒巻線コイル、あるいはベル式の円筒巻線コイル等のかご型巻線を用いることにより、構造的にも磁気的な突極性が小なくなり、円筒円周方向の発生トルクムラを低減することができる。また、強度的にもカップ式コイル、あるいはベル式コイルは円筒形状を呈しているためコイル単体で充分に強固であり、固定子側の界磁コイルとして、回転子部への脱落・変形を根本的に解消できる。
【0031】
また、小径化を極限まで詰めて設計した場合、ハウジングの一部に切り欠き部を設けて導通経路部を凹部に収納することにより、ハウジング外径方向に突出する部分が一切なくなり、極小径モータの給電機構として小径化の有益性を最大限発揮することができる。特に外径φ2.0mm以下になった場合の効果はより大きい。
【0032】
また、本発明の構造では、給電機構部を軸受ホルダー端面の軸方向ではなく、ハウジング外径側から給電配線を行うことにより、その分、軸受ホルダー径方向に余空間が生じるため、軸受径をハウジング内径に対し最大寸法に設計できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給電機構を説明する断面図。
【図2】本発明の給電部フレキシブル基板を接続したモータの外観図。
【図3】従来の給電機構を説明する断面図。
【図4】従来の他の給電機構を説明する断面図。
【図5】本発明の接続端子給電部分の組み込み斜視図。
【符号の説明】
1 回転子
2 出力軸
3 スラスト板
4 軸受
5 界磁コイル
6 軸受ホルダー
7 ハウジング
8 界磁コイル
9 界磁コイルタップ線
10 接続端子
11 端子ホルダー
12 端子キャップ部
13 フレキシブル基板
14 切り欠き部
15 略円筒体ホルダー
16 中継ピン
17 リード線
18 フレキシブル基板
19 開口部
20 平面部
Claims (1)
- ハウジングを筐体とする外径φ3 mm 以下の小型モータにおいて、ハウジング内部の巻線コイル部分に、一体形状でカップ式あるいはベル式の円筒巻線コイルで亀甲巻等により組立てられた界磁コイルを配置し、前記界磁コイルからデルタ結線あるいはスター結線した界磁コイルタップ線を引き出し、導電性材料からなる接続端子を前記界磁コイルのタップ線側に備え、界磁コイルタップ線が前記接続端子に接続され、電気絶縁性材料からなる略円筒型の端子ホルダーにより、前記界磁コイル及び接続端子の導通部全体がハウジングに対し同軸方向一体に嵌合固定された固定子一端側であって、同接続端子の他端側にプリント配線が施された接続部がリング状で配線部が帯状のフレキシブル基板の接続穴部が取り付けられるとともに、対向する軸受ホルダーの接続端子キャップ部で接続端子と共にフレキシブル基板を挟み込んで嵌合固定し、前記界磁コイルタップ線が接続端子を介してフレキシブル基板の接続穴部と接続され、軸受ホルダーの外周部分で、前記フレキシブル基板を円筒状ハウジングの切り欠き部に沿って折り曲げて給電経路部分を形成したことを特徴とする小型モータの給電機構。
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