JP3906103B2 - エレクトロルミネッセンス素子およびエレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子およびエレクトロルミネッセンス表示装置に関し、特に光学素子の発光輝度を調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下「有機EL表示装置」ともいう)は自己発光のため液晶パネルに比べて視野角が広く、またバックライトが不要なため薄くて軽い表示装置であり、近い将来、液晶表示装置に代わるものとして注目されている。とくに、薄膜トランジスタをスイッチング素子として備えるアクティブマトリクス型の有機EL表示装置は、近年、実用化に向けて熾烈な開発競争の最中にある。
【0003】
図1は、従来のアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の1画素分の回路構成を示す。各画素には、アドレストランジスタ10、コンデンサ16、駆動トランジスタ18および有機発光ダイオード(OLED)20が含まれている。水平走査信号VSCAN12をアドレストランジスタ10のゲート電極に入力することにより、画素のアドレスが指定され、データ信号VDATA14をアドレストランジスタ10のドレイン電極に入力することによって、駆動トランジスタ18を起動するための電圧が供給される。水平走査信号VSCAN12が「ハイ」の場合、データ信号VDATA14によりコンデンサ16が充電されて電荷が蓄えられ、コンデンサ16の電圧が駆動トランジスタ18の閾値電圧を超えると、駆動トランジスタ18が導通して、有機発光ダイオード20が発光する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
有機発光ダイオード20の発光輝度は、コンデンサ16の電圧によって定まる。したがって、発光輝度−電流特性が既知の有機発光ダイオード20と、ゲート電圧−電流特性が既知の駆動トランジスタ18を用いれば、コンデンサ16の蓄積電荷をこれらの特性に基づいて所望の値に設定することにより、有機発光ダイオード20の所望の発光輝度を得ることができると考えられていた。このような知見に基づき、従来はデータ信号VDATA14の振幅を設定することにより、有機発光ダイオード20の発光輝度の設定を行っていた。
【0005】
しかしながら、有機発光ダイオード20は、その点灯時間や発光輝度に応じて経年変化による輝度劣化を生じ、また発光色ごとにその劣化速度も異なっている。そのため、製造時には既知であった有機発光ダイオード20の発光輝度−電流特性も、時間の経過とともにズレが生じてくる。また、製造バラツキにより、有機EL表示装置における全ての有機発光ダイオード20が、全く同一の発光輝度−電流特性を有しているわけではない。そのため、データ信号VDATA14により輝度調整を行っても、実際には所望の発光輝度を得ることは困難であったという問題がある。特に同一位置に同一画像を長時間表示させるような使用を行っている場合には、一部の有機発光ダイオード20の発光特性が劣化することにより画面に焼付きが発生し、表示装置としての品質が著しく損なわれる現象が認められている。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題を解決することのできるEL素子およびEL表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様は、所定の色で発光する光学素子と、光学素子の光量を検出してこの光量に対応する電圧信号を出力する光電変換素子と、データ信号を供給するデータ信号供給部と、前記データ信号と前記電圧信号の大小を比較するコンパレータと、電圧値が所定の範囲内で連続的に変化するサーチ信号を供給するサーチ信号供給部と、前記コンパレータによる比較結果が切り替わるまで、サーチ信号により充電される蓄電部と、前記蓄電部の電圧に基づいて前記光学素子を制御する駆動部とを備えたエレクトロルミネッセンス素子を提供する。光学素子は、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機発光ダイオードなどの発光素子であってよい。蓄電部は代表的にはコンデンサであってよい。また、光電変換素子は、代表的にはフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子であり、光が入射されることによりその光量に応じた電気信号を生成する機能を有するものであればよい。この本発明の態様においては、光電変換素子は、光量に対応する電圧信号を出力する機能を有する。この光電変換素子を用いて光学素子の光量をモニタすることにより、光学素子の発光輝度を所望の設定輝度に保つことが可能となる。
【0008】
この有機エレクトロルミネッセンス素子では、前記駆動部は、前記光学素子に接続された駆動トランジスタであって、前記蓄電部の電圧が前記駆動トランジスタのゲート電極に印加されることにより、前記光学素子に駆動電流が供給される。アクティブマトリクス型の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記サーチ信号供給部は、水平走査信号に同期して前記サーチ信号を供給してもよい。前記サーチ信号供給部は、水平走査期間内において電圧値が所定の範囲内で変化するサーチ信号を供給することが好ましい。
【0009】
本発明の別の態様は、それぞれ所定の色で発光する複数の光学素子と、各光学素子に対して設けられ、各光学素子の光量を検出して、この光量に対応する電圧信号を出力する光電変換素子と、データ信号を供給するデータ信号供給部と、データ信号と電圧信号の大小を比較するコンパレータと、電圧値が所定の範囲内で連続的に変化するサーチ信号を供給するサーチ信号供給部と、前記コンパレータによる比較結果が切り替わるまで、サーチ信号により充電される蓄電部と、前記蓄電部の電圧に基づいて前記光学素子を制御する駆動部とを備えたエレクトロルミネッセンス表示装置を提供する。光電変換素子を用いて光学素子の光量をモニタすることにより、光学素子の発光輝度を所望の設定輝度に保つことが可能となる。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや組み替えも、本発明の態様として有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス型の有機EL表示装置における有機EL素子100の1画素分の回路構成を示す。有機EL表示装置においては、それぞれ所定の色で発光する複数の画素がマトリクス状に配置され、カラー表示を実現する。有機EL表示装置は、有機EL素子100の回路構成を画素数分備える。
【0012】
有機EL素子100は、アドレストランジスタ10、コンデンサ16、駆動トランジスタ18、有機発光ダイオード20、タイミング制御部24、走査信号供給部30、データ信号供給部40、サーチ信号供給部50、コンパレータ60、スイッチトランジスタ70および光電変換素子80を備える。このうち、信号供給用の構成として、走査信号供給部30は、水平走査信号VSCAN12をアドレストランジスタ10のゲート電極およびサーチ信号供給部50に供給し、データ信号供給部40は、データ信号VDATA14をアドレストランジスタ10のドレイン電極に供給する。データ信号は、有機EL表示装置の画面に表示される画像を構成する映像信号であって、有機EL表示装置に備えられるアンテナを通じて外部から供給されてもよく、また有機EL表示装置内部においてMPU(Micro Processing Unit)などにより生成されてもよい。なお、このデータ信号VDATA14は、1画素分のデータ信号を示している。本明細書において、ドレイン電極とソース電極は、互いに入れ替わって構成されてもよいことに留意されたい。サーチ信号供給部50は、電圧値が所定の範囲内で連続的に変化するサーチ信号VSEARCH52をスイッチトランジスタ70のドレイン電極に供給する。サーチ信号供給部50は、水平走査信号VSCAN12に同期してサーチ信号VSEARCH52を供給する。水平走査信号VSCAN12およびデータ信号VDATA14の供給タイミングは、タイミング制御部24により制御される。なお、図2においてサーチ信号VSEARCH52の供給タイミングが水平走査信号VSCAN12により制御されているが、この供給タイミングはタイミング制御部24により制御されてもよい。
【0013】
光電変換素子80は、有機発光ダイオード20の光量を検出して、この光量に対応する電圧信号を出力する。例えば、光電変換素子80は、フォトダイオードやフォトトランジスタなどにより構成され、有機発光ダイオード20の光量を正確に検出するために、外界からの影響を受けず且つ有機発光ダイオード20に対向する位置に設けられてもよい。光電変換素子80は、コンパレータ60およびスイッチトランジスタ70、駆動トランジスタ18などとともにフィードバックループを形成し、有機発光ダイオード20の光量をモニタして、他のフィードバック構成とともに有機発光ダイオード20の発光輝度が設定輝度となるように駆動トランジスタ18のゲート電極に印加する駆動電圧72を調整する役割を担う。データ信号供給部40は、有機発光ダイオード20の発光輝度と光電変換素子80の出力との関係に基づいて、設定輝度に相当する電圧値を示すデータ信号VDATA14を出力する。
【0014】
コンパレータ60は、アドレストランジスタ10のソース電極から出力されるデータ信号42と、光電変換素子80から出力される電圧信号82の大小を比較する。データ信号42の方が大きい場合、コンパレータ60は、「ハイ」である比較結果信号62をスイッチトランジスタ70のゲート電極に出力して、スイッチトランジスタ70をオンにする。スイッチトランジスタ70が導通している間、サーチ信号VSEARCH52は時間の経過とともに大きい電圧値を示すように連続的に変化し、コンデンサ16に蓄積される電荷量は次第に大きくなっていく。駆動トランジスタ18の駆動電圧72が大きくなると、有機発光ダイオード20に供給される駆動電流も大きくなり、発光輝度も高くなるため、光電変換素子80から出力される電圧信号82の振幅も大きくなって、ある時点でアドレストランジスタ10から出力されるデータ信号42の振幅を超えることとなる。このとき、コンパレータ60による比較結果が切り替わり、コンパレータ60は「ロー」である比較結果信号62を出力して、スイッチトランジスタ70をオフにする。コンデンサ16には、データ信号VDATA14により設定された発光輝度を実際に得るための電荷が蓄積され、次の水平走査信号VSCAN12が供給されるまでの間、有機発光ダイオード20の発光輝度を所望の値に保持する。
【0015】
このように、本実施の形態における有機EL素子100は、実際の有機発光ダイオード20の光量をモニタして、その光量に対応する電圧信号82の振幅が、設定輝度に対応するデータ信号VDATA14(42)の振幅よりも大きくなった時点の駆動電圧72を保持するため、有機発光ダイオード20の発光輝度を、データ信号VDATA14により定められる設定輝度に等しくすることが可能となる。このようなフィードバックをかけることにより、素子劣化が生じている場合であっても駆動トランジスタ18の駆動電圧72をその分引き上げて設定するため、本実施の形態における有機EL素子100は、データ信号VDATAにより設定された所望の発光輝度を得ることが可能となる。
【0016】
図3は、有機EL素子100における各信号の振幅およびタイミングを示すタイミングチャートである。理解を容易にするために、回路内の電荷の漏洩や電圧降下分については無視する。水平走査信号VSCAN12およびデータ信号VDATA14が所定のタイミングでアドレストランジスタ10に供給される。データ信号VDATA14の振幅はVrefである。水平走査信号VSCAN12のハイ期間は、水平走査期間に相当する。サーチ信号VSEARCH52がこの水平走査信号VSCAN12に同期してスイッチトランジスタ70に供給される。この例では、駆動トランジスタ18がNMOSトランジスタで構成されるため、サーチ信号VSEARCH52がVLからVHの範囲内で連続的に電圧値を大きくするように設定されているが、駆動トランジスタ18がPMOSトランジスタで構成される場合には、サーチ信号VSEARCH52はVHからVLまで連続的に電圧値を小さくするように設定される。いずれの場合であっても、駆動トランジスタ18の駆動電圧72を水平走査期間内に設定する必要があるため、サーチ信号VSEARCH52は、水平走査期間内にVLを下限とVHを上限とした範囲内で変化するように設定される。
【0017】
水平走査信号VSCAN12およびデータ信号VDATA14がアドレストランジスタ10に入力されると、データ信号42がアドレストランジスタ10から出力される。水平走査期間の初期にはデータ信号42が電圧信号82よりも大きいため、コンパレータ60の比較結果信号62はハイとなり、NMOSトランジスタであるスイッチトランジスタ70が導通する。コンデンサ16には、駆動トランジスタ18のゲート電極に印加される駆動電圧72が設定される。この駆動電圧72は、スイッチトランジスタ70が導通されている間、供給されるサーチ信号VSEARCH52に応じて大きくなる。駆動トランジスタ18が導通することにより、有機発光ダイオード20に駆動電流が流れ、有機発光ダイオード20が発光する。この発光は光電変換素子80により検出されて、電圧信号82に変換される。
【0018】
電圧信号82がデータ信号42の振幅Vrefを超えると、コンパレータ60の比較結果信号62が切り替わりローとなる。それにより、スイッチトランジスタ70のゲートがオフとなり、駆動電圧72が、そのときの電圧値に保持される。コンデンサ16の容量は、この駆動電圧72を次の水平走査信号VSCAN12がくるまで保持する程度に大きいことが好ましく、その場合には有機発光ダイオード20の発光輝度を所望の値に一定に保つことが可能となる。
【0019】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに、さらにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。なお、実施の形態においては、EL素子が有機発光ダイオードを有した有機EL素子の場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、EL素子は、無機発光素子を光学素子として備えた無機EL素子であってもよいことは当業者に理解されるところである。
【0020】
また、図2においては有機発光ダイオード20のアノードが電源電圧VLEDに接続されており、駆動トランジスタ18がNMOSトランジスタで構成されているが、有機発光ダイオード20のカソードが接地されてもよく、その場合には駆動トランジスタ18がPMOSトランジスタで構成されるのが好ましい。そのときには、図4に示すように、サーチ信号VSEARCH52は、水平走査期間においてVHからVLに連続的に小さくなり、図3に示したサーチ信号VSEARCH52を反転した信号となる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、光学素子の発光輝度を所望の設定輝度に調整することのできるEL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のアクティブマトリクス型の有機EL表示素子の1画素分の回路構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス型の有機EL表示装置における有機EL素子の1画素分の回路構成を示す図である。
【図3】 有機EL素子における各信号の振幅およびタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】 水平走査期間において連続的に小さくなるサーチ信号の振幅波形を示す図である。
【符号の説明】
10・・・アドレストランジスタ、18・・・駆動トランジスタ、20・・・有機発光ダイオード、24・・・タイミング制御部、30・・・走査信号供給部、40・・・データ信号供給部、50・・・サーチ信号供給部、60・・・コンパレータ、70・・・スイッチトランジスタ、80・・・光電変換素子、100・・・有機EL素子。
Claims (5)
- 所定の色で発光する光学素子と、
光学素子の光量を検出して、この光量に対応する電圧信号を出力する光電変換素子と、
データ信号を供給するデータ信号供給部と、
前記データ信号と前記電圧信号の大小を比較するコンパレータと、
電圧値が所定の範囲内で連続的に変化するサーチ信号を供給するサーチ信号供給部と、
前記コンパレータによる比較結果が切り替わるまで、サーチ信号により充電される蓄電部と、
前記蓄電部の電圧に基づいて前記光学素子を制御する駆動部と、
を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。 - 前記駆動部は、前記光学素子に接続された駆動トランジスタであって、前記蓄電部の電圧が前記駆動トランジスタのゲート電極に印加されることにより、前記光学素子に駆動電流が供給されることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 前記サーチ信号供給部は、水平走査信号に同期して前記サーチ信号を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 前記サーチ信号供給部は、水平走査期間内において電圧値が所定の範囲内で変化するサーチ信号を供給することを特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- それぞれ所定の色で発光する複数の光学素子と、
各光学素子に対して設けられ、各光学素子の光量を検出して、この光量に対応する電圧信号を出力する光電変換素子と、
データ信号を供給するデータ信号供給部と、
データ信号と電圧信号の大小を比較するコンパレータと、
電圧値が所定の範囲内で連続的に変化するサーチ信号を供給するサーチ信号供給部と、
前記コンパレータによる比較結果が切り替わるまで、サーチ信号により充電される蓄電部と、
前記蓄電部の電圧に基づいて前記光学素子を制御する駆動部と、
を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
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