JP3907320B2 - プール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プール構造、特に水中で運動する際につかまることのできる器具を備えたプール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運動機能を障害した者のリハビリテーションの一環として、水中における運動が行われてきた。
水中で行う運動は、浮力により体重が軽減されるために、足腰の負担を少なくすることができる点、また、地上では不可能な体位での運動も可能となる点で地上運動に対して利点がある。
【0003】
このような運動を水中で行うことは、たとえば膝又は腰等を痛めた患者にとっては、浮力を利用して体に負担をかけないまま機能回復を行うことができるために有用である。
このような、水中におけるリハビリテーション等を目的として行われているような運動の一つとして、体をひねったり、あるいは脚を伸ばしたりという運動が考えられる。ただ、このような運動に関しては、たとえば脚を水平に伸ばしたり、体をひねったり等の運動をする際に、つかまって体を支持する器具が必要となってくる。
【0004】
ここで、そのような運動に際して、つかまるための器具として二つの方法が考えられる。
第一の方法としては、水中あるいは水中から若干水面上方に突出したような状態でプールの底面から支持棒を突出させ、その支持棒につかまることによって運動を行うようなやり方である。
【0005】
また、第二の方法としては、つかまるためのアームをプールの壁面外部から、あるいはプールの側壁から直に水面上方に突出させ、そのアームにつかまった状態で前述したような運動を行えるようにすることが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述の第一の方法については、プールの底面から突出する支持棒が水泳や歩行訓練などの妨げとなったり、また場合によってはこの支持棒につまずいてしまう等のことが懸念される。したがって水中運動専用のプール以外ではあまり勧められるものではない。
【0007】
一方、第二の方法のように、水面上方につかまるためのアームを突出させることとしても、運動に要するスペースを考慮すると、壁面から、このアームまでをそのスペース分だけ隔てる必要が生ずる。そこで、そのスペース分だけアームの突出部分を長くせざるを得ず、強度的にも問題が生ずる。また、全体としての外観も悪く、かつ、プールサイドを歩く人がそのアーム等につまずいてしまうようなことも想定される。
【0008】
そこで、本発明のうち、請求項1記載の発明は、アームの突出を最小限に押さえつつ水中運動を可能にするとともに、プールサイドの歩行の妨げとならないことを目的とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、アームの幅を小さくすることを目的とする。
【0009】
更に、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の目的に加え、アームにつかまる位置を身長に応じて調整可能とすることを目的とする。
加えて、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明の目的に加え、アームにつかまって行う水中運動を補助することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(請求項1)
上記の課題に鑑み、本発明のうち、請求項1記載の発明は、プール10の側壁11に、プール10内方へ突出した凸部12を連続して設けたプール構造であって、隣接する二つの凸部12、12の上面にそれぞれ立設される縦棒22、22と、これらの縦棒22、22を連結する横棒25とを有するアーム部20を有し、同アーム部20の横棒25は、二つの凸部12、12の間に位置する凹部13の上方に位置することを特徴とする。
【0011】
本請求項に係るプール構造においては、側壁11にプール10内方へ連続して突出する凸部12が設けられる。したがって、凸部12は少なくとも二つ設けられることとなる。そして、それらの凸部12、12の間は、凸部12の先端、すなわちプール10内から見て嵌入した凹部13を形成することとなる。すなわち、凸部13とはプール10の側壁11自体の構造を指し、それに対し凹部13は水をたたえたプール10の一部分を指す。
【0012】
凸部12の縁辺14は直線で形成することも曲線で形成することも可能であるが、平面上で二等辺三角形状を呈するように形成するのが望ましい。すなわち、凸部12をこのように二等辺三角形状とすると、凹部13も同様に二等辺三角形状となる。この凹部12は、本発明の目的上、人が立つことが可能な広さであれば足りる。そして、隣接した二つの凸部12、12を架橋するように、アーム部20が設けられることとなる。
【0013】
このアーム部20の形状は、上述のように二本の縦棒22、22と、これらを連結する横棒25を有していれば、たとえばH字型とすることもできる。しかし、縦棒22の端の露出を避けるために、アーム部20の形状は、コの字型とするのが望ましい。
このアーム部20は、たとえば金属製のパイプをコの字状に屈曲して形成することができる。そして、その両端部はそれぞれ上記凸部12、12の上面に埋設され、固定される。
【0014】
こうすることで、隣接した二つの凸部12、12の間の凹部13の上方に、アーム部20の横棒25が位置することとなる。
ここで、このアーム部20は、つかまりながら水中運動をするためのものであるので、そのためには、たとえば、凸部12、12の壁面間にさし渡した水平な棒でも足りることとなる。ただ、当然その水平な棒と水面との間には、人間の腕の長さ以上の高低差が必要となる。すなわち、プールサイドと水面との高低差を少なくとも人間の腕の長さ以上、たとえば1m以上としなければならず、プール10の構造としては現実的ではない。
【0015】
そこで、本請求項に係る発明のごとくアーム部20を縦棒22、22と横棒25とで形成することで、プールサイドと水面との高低差を通常通りにしたままで、横棒25の高さと水面との高低差を人間の腕の長さ程度とすることが可能となる。
また、横棒25の高さを適当に設定すれば、この横棒25につかまって懸垂したときに、上半身を水面上に位置させつつ、下半身を水中に位置することが可能となる。そして、水中にある分の体重は浮力により支持されるため、腕にかかる負担が軽減される。また、アーム部20は、二つの凸部12、12を架橋して設けられているため、その間の凹部13に立って横棒25につかまることが可能となっている。したがって、懸垂した腕に過度の負担をかけることなく、かつ、プール10の壁面に妨げられることなく、腰や脚の屈伸運動を自由に行うことができる。
【0016】
(請求項2)
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の特徴に加えて、アーム部20は、プール10内方へ突出する突出部21を有することを特徴とする。
すなわち、二つの凸部12、12間に架橋したアーム部20の横棒25につかまって水中運動をするためには、その横棒25は、水中運動が十分なだけの長さが必要となる。
【0017】
そこで、本請求項に係るプール構造で設けられるアーム部20は、プール10の内側へ向かって突出する突出部21を有することとなっている。
この突出部21は、プール10の側壁11の上面に立設した縦棒22、22をプール10内方へ向けて屈曲することで設けることができる。そして、その屈曲の角度により、突出部21を水面と平行に設けることも、水面に向かうように下方へ傾斜させることも可能であるが、実際の使用の便を考慮すると水面から離れるように上方へ傾斜させるのが望ましい。また、縦棒22、22そのものを水面に対し上方へ傾斜をつけて設置することで、縦棒22、22全体を突出部21とすることもできる。
【0018】
ただ、このような突出部21を有するアーム部20は、直線状の側壁であっても設置することは可能である。しかし、横棒25につかまって水中運動するためのスペースを考慮すると、少なくともそのスペース分だけは突出部21をプール10内方へ突出せざるを得ない。そこで、本請求項記載のプール10の側壁11の凸部12、12にこのようなアーム部20を設けることとすると、凸部12、12の間に設けられた凹部13で上記のスペースを確保できるため、直線状の側壁に設ける場合よりも突出部21を短縮することができる。
【0019】
こうすることで、アーム部20が立設される位置と、実際に横棒25につかまる位置とを平面上異なる位置とすることが可能となる。したがって、横棒25の長さを、たとえば肩幅程度にまで短縮することができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の特徴に加えて、突出部21には、複数の横棒25が設けられていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、請求項1の説明に記載したような水中運動を行う場合、横棒25につかまっているときに、少なくとも首から上は水面上に出ている必要がある。そのために、横棒25は適当な高さに設置される必要があるが、水中運動を行う者の身長によって、その適切な高さは異なることとなる。
そこで、アーム部20の中途部分に複数の横棒25を設けることで、水中運動を行う者が自己の身長に適した高さの横棒25をつかんで、最適な運動効果を得ることが可能となる。この横棒25の数は、最低二本あれば本請求項に係る発明の目的は達せられるが、様々な身長の者に対応するために三本以上設けることが望ましい。
【0021】
ここで、異なる高さの横棒25は、突出部21に設けられることにより平面上異なる位置にあることとなる。
また、本請求項に係るプール構造においても、請求項1と同様に、隣接した凸部12、12間にアーム部20が設置される。したがって、突出部21のプール10内方に突出する長さも、異なる高さの横棒25をつかむために平面上必要最小限の距離とすることができる。
【0022】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明の特徴に加えて、凸部12の壁面に手摺り30を設けたことを特徴とする。
リハビリテーション目的で水中運動を行う者は、程度の差こそあれ、身体運動に障害を持つ者である。したがって、このような者が上述のアーム部20の横棒25につかまるのは困難であることも予想される。
【0023】
そこで、本請求項に係るプール構造では、凸部12の縁辺14に手摺り30を設けることとした。こうすることで、凹部13に立つ人が、横棒25につかまるための補助として使用することができる。また、水中運動終了後に、プール10から上がる際の補助とすることもできる。更に、この手摺り30自体につかまる水中運動も可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第一の実施の形態)
図1及び図2は、第一の実施の形態に係るプール構造を示したもので、図1は斜視図、図2は三面図で表している。
【0025】
プール10の側壁11には、直角二等辺三角形状の凸部12が連続して設けられている。凸部12の先端部分にはアールが施されている。隣接した凸部12、12の間のプール10側の空間は、これも直角二等辺三角形状の凹部13となっている。凸部12の基部に相当する凹部13の先端にも、またアールが施されている。
ここで、凹部13の先端から凸部12の先端までの距離、すなわち、上述の直角二等辺三角形の高さに相当する距離は1m程度、また隣接した凸部12、12間の距離は1.6m程度となっており、凹部13に立つ者が後述のアーム部20につかまって水中運動するのには十分である。
【0026】
アーム部20は、隣接した凸部12、12の上面にそれぞれ立設される縦棒22、22と、その縦棒22、22を水平方向に連結する三本の横棒25、25、25とから成る。
縦棒22は「く」の字状に屈曲しており、凸部12の上面に対し垂直に立設される基部23と、プール10の内上方へ向かって傾斜する傾斜部24となっている。それぞれの傾斜部24、24の先端は、横棒25により連結されている。また、この横棒25と平行して、更に二本の横棒25、25が傾斜部21、21を連結している。これにより、アーム部20の、屈曲部分より先端側の部分が、プール10内方へ突出する突出部21となっている。
【0027】
上述のアーム部20は、以下のようにして製作される。まず、パイプ状の鋼材をコの字状に屈曲し、更に平行する部分をそれぞれ「く」の字状に屈曲して、二本の縦棒22、22と一本の横棒25とする。次に、これらの縦棒22、22に、更に二本のパイプ状の鋼材を、横棒25、25として梯子の段のごとく溶接して形成される。
このアーム部20は、凸部12、12の上面に設置された状態で、この上面から最上段の横棒20までの高さが90cm程度となっている。また、各々の横棒25、25、25の間には、15cm程度の高低差が付いている。
【0028】
次に、図3及び図4を参照しつつ、上記のアーム部20を使用した水中運動の例を説明する。
まず、図3に示すように、運動者50は、凹部13に立った状態で、横棒25を手51、51でつかむ。ここで、本実施の形態におけるプール10は、主としてリハビリテーションに使用することを目的としているため、その水深は1.2m程度となっている。ここで、成人男子の標準的な身長を1.7mと想定した場合、凸部22上面から最上段の横棒25までの高さが、上述のように90cmとなっているため、腕52、52を伸ばせば容易に横棒をつかむことが可能である。もし運動者50の身長がこれより低いために最上段の横棒25に手51、51が届かない場合は、中段若しくは下段の横棒25をつかむことができる。
【0029】
次に、図4に示すように、横棒25をつかんだままで、足55、55を水底16から離すとともに、腰53を曲げつつ脚54、54を伸ばす。このとき、横棒25をつかんで全身を懸垂することとなる。しかし、下半身は水中にあるために、その部分の重量は浮力により支持されることとなる。したがって、このような運動を地上で行う場合と比較すると、腕52、52に掛かる負担は軽減される。また、図4のように脚54、54を水平に伸ばす運動そのものも、浮力により容易に行うことができる。また、図4に示す状態から、腰53をひねる運動も可能である。このようにして、障害の程度、あるいはリハビリテーションプログラムの進行程度に応じた、適度の負荷を与える運動を行うことが可能となる。
【0030】
ここで、アーム部20を隣接した凸部12、12の上面に設けたことで、その間に位置する凹部13により、運動者50が立って運動する空間が確保されている。したがって、直線状の側壁11の上面に設ける場合に比べ、突出部21の長さを短くすることができる。そして、突出部21の長さを短くすることで、基部23に架かる力を小さくすることもできる。
【0031】
また、通常はこの凸部12の上を人が歩くことはないため、アーム部20が歩行者の障害となることも避けられる。
(第二の実施の形態)
図5は、本発明の第二の実施の形態を示したものである。本実施の形態では、縁辺14の水面15付近の高さに、水面15と平行な手摺り30を設けることとしている。この手摺り30は、アーム部20につかまる際の補助として用いることができる。また、運動を終えて横棒25から降りる際の補助とすることもできる。また、もちろんこの手摺り30自体につかまり、全身を浮かせることによる水中運動、たとえばバタ足等、も可能である。
【0032】
このように、アーム部20につかまって行う水中運動に際し、その補助とすることができる。
(第三の実施の形態)
また、図6に示す第三の実施の形態のように、縦棒22には基部23を設けずに、凸部12の上面から直に傾斜部24を突出させることも可能である。
【0033】
(第四の実施の形態)
ここで、上述の各実施の形態における数値及び形状は最も適切と思われるものを示したに過ぎず、本願発明は当然これらの数値及び形状に限定されるわけではない。たとえば、縁辺14は特に直線である必要はなく、凹凸さえあれば、図7に示す第四の実施の形態のごとく波状としてもよい。
【0034】
ここで、上述の各実施の形態におけるアーム部20は、プール10の側壁11に設けることとしている。こうすることで、たとえば、アーム部20を水底16から立設させ、横棒25の部分が水面15上に位置するように設けた場合とは異なり、水泳や歩行訓練の妨げとなることはない。したがって、上述の各実施の形態のようにアーム部20を設けることで、このアーム部20を設けたプール10を、水泳や歩行訓練目的にも使用することが可能となり、プール10自体の汎用性を確保することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明の説明によると、アームの突出を最小限に押さえつつ水中運動を可能にするとともに、プールサイドの歩行の妨げも回避することができる。
【0036】
また、請求項2記載の発明の説明によると、請求項1記載の発明の効果に加え、アームの幅を小さくすることをができる。
更に、請求項3記載の発明の説明によると、請求項2記載の発明の効果に加え、アームにつかまる位置を身長に応じて調整することができる。
加えて、請求項4記載の発明の説明によると、請求項1、2又は3記載の発明の効果に加え、アームにつかまって行う水中運動を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るプールの側壁の斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るプールの側壁の一部を示した三面図であり、Aは平面図、Bは正面図、Cは側面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態における水中運動の例を示した正面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態における水中運動の例を示した側面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係るプールの側壁の一部を示した三面図であり、Aは平面図、Bは正面図、Cは側面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態に係るプールの側壁の一部を示した側面図である。
【図7】本発明の第四の実施の形態に係るプールの側壁の斜視図である。
【符号の説明】
10 プール 11 側壁
12 凸部 13 凹部
14 縁辺 15 水面
16 水底
20 アーム部 21 突出部
22 縦棒 23 基部
24 傾斜部 25 横棒
30 手摺り
50 運動者 51 手
52 腕 53 腰
54 脚 55 足

Claims (4)

  1. プールの側壁に、プール内方へ突出した凸部を連続して設けたプール構造であって、
    隣接する二つの凸部の上面にそれぞれ立設される縦棒と、これらの縦棒を連結する横棒とを有するアーム部を有し、
    同アーム部の横棒は、二つの凸部の間に位置する凹部の上方に位置することを特徴とするプール構造。
  2. アーム部は、プール内方へ突出する突出部を有することを特徴とする請求項1記載のプール構造。
  3. 突出部には、複数の横棒が設けられていることを特徴とする請求項2記載のプール構造。
  4. 凸部の壁面に手摺りを設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のプール構造。
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