JP3915567B2 - 非酸化亜鉛系ゴム組成物およびそれを用いたホース - Google Patents

非酸化亜鉛系ゴム組成物およびそれを用いたホース Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非酸化亜鉛系ゴム組成物およびそれを用いたホースに関するものであり、詳しくは、自動車用ラジエーターホースやヒーターホース等のエンジン冷却系配管等に用いられる、非酸化亜鉛系ゴム組成物およびそれを用いたホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用ラジエーターホースやヒーターホース等のエンジン冷却系配管としては、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)を基材とするゴム組成物の加硫材を、内層に用いたホースが良く使用されており、その加硫成型に当たっては、硫黄加硫系や過酸化物加硫系が代表的に用いられている。硫黄加硫系においては、加硫促進助剤として酸化亜鉛(亜鉛華)を配合することが不可欠とされており、過酸化物加硫系においても、酸化亜鉛は熱老化時の「ラジカルキャッチャー」として耐熱性維持に重要な役割を果たすと理解されている。
【0003】
ところが、上記酸化亜鉛は、ゴム組成物の加硫反応後には、その一部が亜鉛塩の形態で加硫材中に存在し、次第に加硫材の表面へ移行して冷却液中へ溶出するとともに、冷却液中に含まれるリン酸成分と反応して、不溶性の化合物を生成することが分かっている。そして、これがホースの内周壁面に析出して、ホース目詰まりの原因となったり、ホースと接続用パイプとのシール部に析出して液洩れの原因になったりするという不具合を起こしていた。
【0004】
このような不具合を解消するためには、例えば、上記の亜鉛溶出を抑制するゴム組成物配合処方の開発等も考えられるが、しかし特段の問題を伴うことなく酸化亜鉛を不要化(亜鉛フリー化)することができれば、極めて有効な対策となる。但し、かかる亜鉛フリー化は、酸化亜鉛の配合を前提とする硫黄加硫系にはなじまず、また、エンジン冷却系配管ホース等に用いられる過酸化物加硫系のEPDM組成物において熱老化の進行等の懸念が生じる。
【0005】
そこで、亜鉛フリー化として、酸化亜鉛に代えて、酸化マグネシウムを配合してなる過酸化物加硫系のEPDM組成物(特開平11−21395号)や、ヨウ素価およびエチレン比が特定の範囲内にあるEPDMを用いた、過酸化物加硫系のEPDM組成物(特開2001−40158号)等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、過酸化物加硫系のEPDM組成物において、酸化亜鉛は上述のようにラジカルキャッチャーとして重要な役割を果たしており、これを配合しない場合には、耐熱老化性の劣化が懸念される。また、近年の自動車分野においては、エンジンルームの容積の小スペース化や高性能化が急速に進み、それに使用されるホース等においても、従来よりも高いレベルの耐熱性が要求されるようになっており、上記特開平11−21395号や特開2001−40158号に記載のゴム組成物では、高いレベルの耐熱性を充分に満足することが困難である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、いわゆる亜鉛フリー化を実現することができ、しかも耐熱性に非常に優れた、非酸化亜鉛系ゴム組成物およびそれを用いたホースの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)および(B)とともに、下記の(C)を必須成分とし、かつ、上記(C)の配合割合が、上記(A)100重量部に対して1.5〜15重量部の範囲内に設定され、加硫促進助剤としての酸化亜鉛を配合していない非酸化亜鉛系ゴム組成物を第1の要旨とし、上記非酸化亜鉛系ゴム組成物を用いたホースを第2の要旨とする。
(A)エチレン−プロピレン系ゴム。
(B)過酸化物加硫剤。
(C)エポキシ樹脂。
【0009】
すなわち、本発明者らは、いわゆる亜鉛フリー化を実現することができ、耐熱性にも非常に優れたホースを得るべく、ホース形成材料であるゴム組成物を中心に鋭意研究を重ねた。その結果、過酸化物加硫系のEPDM組成物において、エポキシ樹脂を特定の割合で配合すると、耐熱性が著しく向上することを見いだし、本発明に到達した。この原因は明らかではないが、上記エポキシ樹脂がラジカルキャッチャーとなり、EPDMの主鎖切断(低分子化)による軟化・劣化を防止するためと推測される。
【0010】
なお、本発明において、非酸化亜鉛系ゴム組成物もしくは亜鉛フリー化とは、ゴム組成物中に、加硫促進助剤としての酸化亜鉛(亜鉛華)を配合していないという趣旨であり、老化防止剤や加硫促進剤等の一部に含まれている亜鉛を全く含有していないという趣旨ではなく、ホース性能等に支障がない程度の微量であれば、老化防止剤や加硫促進剤等の成分の一部としての亜鉛を含有しても差し支えない。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物は、エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)と、過酸化物加硫剤(B成分)と、エポキシ樹脂(C成分)とを用いて得ることができる。そして、本発明では、上記エポキシ樹脂(C成分)を用い、その配合割合を特定の範囲内に設定することが最大の特徴である。
【0013】
上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)としては、上記ゴム組成物の基材として用いられるものであれば特に限定するものではなく、例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)や、EPMにジエン系モノマー(第3成分)を共重合させてなるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0014】
上記EPDMに用いられるジエン系モノマー(第3成分)としては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかでも、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)を、単独でもしくは併せて用いることが好ましい。
【0015】
上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)は、エチレン比率が48〜70重量%の範囲内のものが好ましく、特に好ましくはエチレン比率が50〜60重量%の範囲内のものである。また、上記EPDMは、ヨウ素価が6〜30の範囲内のものが好ましく、特に好ましくはヨウ素価が10〜24の範囲内のものである。一般に過酸化物系のEPDM組成物において、老化防止剤を併用した場合、この老化防止剤が過酸化物加硫剤を消費してEPDMの加硫を阻害する傾向が見られるが、ヨウ素価が特定の範囲内にあるEPDMを用いると、老化防止剤による加硫阻害作用を相殺することができるため好ましい。
【0016】
上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)とともに用いられる過酸化物加硫剤(B成分)としては、特に限定はなく、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,4′−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、ジクミルパーオキサイドが好適に用いられる。
【0017】
上記過酸化物加硫剤(B成分)の配合割合は、上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、1〜10部の範囲内が好ましく、より好ましくは3〜7部の範囲内である。すなわち、B成分が1部未満であると、加硫が不充分で、ホースとしてのシール性に劣る傾向がみられ、逆にB成分が10部を超えると、硬くなりすぎるとともに、破断伸びが低下したり、圧縮永久歪みが大きくなり、ホースとしての機能が低下する傾向がみられるからである。
【0018】
上記A成分およびB成分とともに用いられるエポキシ樹脂(C成分)は、分子内にエポキシ基(オキシラン環)を有するものであれば特に限定はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0019】
上記エポキシ樹脂(C成分)の配合割合は、上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)100部に対して1.5〜15部の範囲内に設定する必要があり、好ましくは5〜10部の範囲内である。すなわち、C成分が1.5部未満であると、耐熱性の向上効果が不充分であり、逆にC成分が15部を超えると、エポキシ樹脂の粘着性によりロール加工性が悪くなるとともに、ムーニー粘度が低くなり、押し出し成形時にへたりが生じるからである。
【0020】
本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物には、上記A〜C成分に加えて、耐熱性の観点から、老化防止剤を配合することが好ましい。上記老化防止剤としては、特に限定はないが、キノリン系老化防止剤およびフェニルアミン系老化防止剤の少なくとも一方を用いることが好ましい。
【0021】
上記キノリン系老化防止剤としては、例えば、トリメチルジヒドロキノリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0022】
上記フェニルアミン系老化防止剤としては、例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】
上記老化防止剤の配合割合は、上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)100部に対して0.5〜10部の範囲内が好ましく、特に好ましくは2〜6部の範囲内である。すなわち、上記老化防止剤が0.5部未満であると、耐熱性の向上効果が小さく、逆に老化防止剤が10部を超えると、老化防止剤が過酸化物加硫剤(B成分)を消費して、エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)の加硫阻害が始まるため、圧縮永久歪み特性が悪化する傾向がみられるとともに、初期引張強さ(TB)も低下する傾向がみられるからである。
【0024】
なお、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物には、上記各成分に加えて、耐熱性の観点から、受酸剤を配合することが好ましい。上記受酸剤としては、ラジカルキャッチャーとなり得るものであれば特に限定はなく、例えば、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0025】
上記受酸剤の配合割合は、上記エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)100部に対して、3〜40部の範囲内に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜30部の範囲内である。すなわち、上記受酸剤が3部未満であると、耐熱性の向上効果が小さく、逆に上記受酸剤が40部を超えると、補強性が弱くなり、初期引張強さ(TB)が低下する傾向がみられるとともに、受酸剤の粘着性によりロール加工性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0026】
なお、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物には、上記各成分に加えて、共架橋剤、カーボンブラック,クレー等の充填剤、パラフィン系オイル等の軟化剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0027】
本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物は、上記A〜C成分および必要に応じて老化防止剤、受酸剤等を配合し、これらをロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより調製することができる。
【0028】
本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物は、自動車等の車両におけるエンジンとラジエータとの接続に用いられるラジエーターホースや、エンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホースとして好適に用いることができる。なお、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物は、ラジエーターパッキン用材料や耐熱防振ゴム材料等として使用することも可能である。
【0029】
本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物を用いてなるホースは、例えば、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物を、マンドレルを用い押し出し成形したのち、その全体を所定の条件で加硫し、ついで、マンドレルを引き抜くことにより作製することができる。
【0030】
このようにして得られる本発明のホースの厚みは、ホースの用途によって異なるが、通常、1.5〜12mm程度の範囲内であり、ホースの内径は、ホースの用途によって異なるが、通常、5〜50mm程度の範囲内である。
【0031】
なお、本発明のホースは、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物からなる単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。この場合、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物からなる層は、ホースの最内層とすることが好ましい。
【0032】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0033】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
【0034】
〔EPDM〕
住友化学工業社製、エスプレン532、ヨウ素価:12、エチレン比率:51重量%
【0035】
〔EPM〕
住友化学工業社製、エスプレン201、ヨウ素価:0、エチレン比率:49重量%
【0036】
〔過酸化物加硫剤〕
ジクミルパーオキサイド(日本油脂社製、パークミルD−40)
【0037】
〔共架橋剤〕
エチレングリコールジメタクリレート(精工化学社製、ハイクロスED)
【0038】
〔エポキシ樹脂▲1▼〕
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)
【0039】
〔エポキシ樹脂▲2▼〕
トリメチルプロパントリグリシジルエーテル(日本油脂社製、エピオールTMP−100)
【0040】
〔エポキシ樹脂▲3▼〕
脂環式ジエポキシド(日本油脂社製、エピオールD−126)
【0041】
〔キノリン系老化防止剤〕
トリメチルジヒドロキノリン(精工化学社製、ノンフレックスRD)
【0042】
〔フェニルアミン系老化防止剤〕
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(精工化学社製、オゾノン3C)
【0043】
〔ニッケル系老化防止剤〕
2−メルカプトベンズイミダゾール(大内新興化学社製、ノクラックMB)
【0044】
〔受酸剤〕
酸化マグネシウム(協和化学工業社製、協和マグ♯150)
【0045】
〔受酸剤〕
水酸化カルシウム(近江化学社製、Cal−Z)
【0046】
〔受酸剤〕
ハイドロタルサイト化合物▲1▼(協和化学工業社製、DHT−4A)
【0047】
〔受酸剤〕
ハイドロタルサイト化合物▲2▼(協和化学工業社製、DHT−4A2)
【0048】
〔加硫促進助剤〕
酸化亜鉛(三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種)
【0049】
〔充填剤〕
カーボンブラック(旭カーボン社製、旭♯52)
【0050】
〔充填剤〕
クレー(R.T.Vanderbilt社製、デキシクレー)
【0051】
〔パラフィン系オイル〕
出光石油社製、ダイアナプロセスPW−380
【0052】
【実施例1〜17、比較例1〜3】
下記の表1〜表4に示す各成分を同表に示す割合で配合し、バンバリーミキサーおよびロールを用いて混練して、ゴム組成物を調製した。そして、このゴム組成物を160℃で45分間プレス加硫して、厚み2mmのゴムシートを作製した。
【0053】
【表1】
Figure 0003915567
【0054】
【表2】
Figure 0003915567
【0055】
【表3】
Figure 0003915567
【0056】
【表4】
Figure 0003915567
【0057】
このようにして得られた実施例品および比較例品を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表5〜表8に併せて示した。
【0058】
〔練り加工性〕
各ゴム組成物の構成成分を上記表に示す割合で配合し、バンバリーミキサー(A練り)およびロール(B練り)を用いて混練する際の、練り加工性を評価した。評価は、材料の粘着性が高く練り加工性が悪いものを×、練り加工性が若干劣る傾向がみられるものを△、練り加工性が優れるものを○とした。
【0059】
〔常態時物性〕
各ゴムシートを用いて、JIS 5号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6251に準じて、引張強さ(TB)、伸び(EB)および硬さ(HA)を測定した。なお、引張強さ(TB)および伸び(EB)については、値が大きい程良好であり、硬さ(HA)については、60〜75(point)の範囲内のものが良好である。
【0060】
〔耐熱性〕
各ゴムシートを165℃×240時間の条件で熱老化させた後、JIS 5号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6251に準じて、引張強さ(TB)、伸び(EB)および硬さ(HA)を測定した。また、引張後外観について、折れ等の異常がないかを目視観察し、異常がないものを○、異常があるものを×として評価を行った。熱老化時間を480時間に変更した場合についても、上記と同様にして、引張強さ(TB)、伸び(EB)および硬さ(HA)を測定するとともに、引張後外観についても評価を行った。
【0061】
〔圧縮永久歪み〕
各ゴムシートを用いて、JIS K 6262に準じ、温度175℃、試験時間24時間、圧縮率25%の条件で、歪み率(%)を測定した。
【0062】
〔体積抵抗率〕
各ゴムシートを用いて、JIS K 6911に準じて、体積抵抗率を測定した。なお、体積抵抗率は、値が大きい程良好である。
【0063】
〔亜鉛溶解性〕
日本ケミカル工業社製のLLC(ロングライフクーラント)の50vol %濃度蒸留水溶液(エンジン冷却液)を調製し、このエンジン冷却液10部に対して、各ゴムシート1部の割合で、23℃において24時間浸漬した。その後、浸漬液を濾過し、常法に従って、濾液中に溶出した亜鉛濃度(ppm)を定量し、亜鉛溶解性の評価を行った。評価は、亜鉛濃度が1ppm未満のものを○、亜鉛濃度が1ppm以上のものを×とした。
【0064】
【表5】
Figure 0003915567
【0065】
【表6】
Figure 0003915567
【0066】
【表7】
Figure 0003915567
【0067】
【表8】
Figure 0003915567
【0068】
上記結果から、実施例品は、耐熱性が非常に優れており、かつ亜鉛溶解性が優れていることもわかる。したがって、上記実施例品は、自動車用ラジエーターホースやヒーターホース等のエンジン冷却系配管等に用いられる、ホース用材料として最適であることがわかる。
【0069】
これに対して、比較例1品は、エポキシ樹脂を配合していないため、480時間熱老化後に折れ等の異常が生じ、耐熱性に劣ることがわかる。比較例2品は、エポキシ樹脂の配合量が上限値を超えているため、粘着性が高くロール加工性が劣るとともに、ムーニー粘度が低いため押し出し成形時にへたりが生じるものと思われる。比較例3品は、加硫促進助剤として酸化亜鉛を配合しているため、亜鉛が抽出され、亜鉛溶解性が劣ることがわかる。したがって、比較例3品のゴム組成物を用いて作製したホースは、ホース目詰まりや、ホースと接続用パイプとのシール部における液洩れ等の不具合が生じるものと思われる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物は、エチレン−プロピレン系ゴム(A成分)および過酸化物加硫剤(B成分)とともに、エポキシ樹脂(C成分)を必須成分とし、かつ、上記エポキシ樹脂(C成分)の配合割合を特定の範囲内に設定したものであるため、従来に比べて、耐熱性が著しく向上している。そのため、本発明の非酸化亜鉛系ゴム組成物からなるホースは、近年のエンジンルームの小スペース化や高性能化による、耐熱性アップの要求に充分に応えることができるものである。また、本発明のゴム組成物は、非酸化亜鉛系のゴム組成物であるから、本発明のホースは、亜鉛塩の生成によるホース目詰まりや、ホースと接続用パイプとのシール部における液洩れ等の不具合を生じないものとなる。さらに、上記EPDM等のエチレン−プロピレン系ゴム(A成分)は、離型性に富み、ロール浮きがし易い材料であるが、エポキシ樹脂(C成分)を併用すると、このエポキシ樹脂(C成分)が粘着付与剤としても働くため、ゴム組成物の練り加工性が向上するという効果も奏する。
【0071】
また、特定の老化防止剤を特定の割合で配合すると、耐熱性がさらに向上するため好ましい。さらに、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト化合物等の受酸剤を特定の割合で配合すると、これらの受酸剤がラジルカキャッチャーとして働くため、耐熱性がさらに向上する。

Claims (6)

  1. 下記の(A)および(B)とともに、下記の(C)を必須成分とし、かつ、上記(C)の配合割合が、上記(A)100重量部に対して1.5〜15重量部の範囲内に設定され、加硫促進助剤としての酸化亜鉛を配合していないことを特徴とする非酸化亜鉛系ゴム組成物。
    (A)エチレン−プロピレン系ゴム。
    (B)過酸化物加硫剤。
    (C)エポキシ樹脂。
  2. キノリン系およびフェニルアミン系の少なくとも一方の老化防止剤を含有している請求項1記載の非酸化亜鉛系ゴム組成物。
  3. 上記老化防止剤の配合割合が、上記(A)100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲内に設定されている請求項2記載の非酸化亜鉛系ゴム組成物。
  4. 受酸剤を含有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の非酸化亜鉛系ゴム組成物。
  5. 上記受酸剤の配合割合が、上記(A)100重量部に対して3〜40重量部の範囲内に設定されている請求項4記載の非酸化亜鉛系ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の非酸化亜鉛系ゴム組成物を用いたことを特徴とするホース。
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