JP3918436B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶セル内に散乱反射層を有する液晶表示装置およびその製造方法に関し、より詳細には、視差による画像ボケが軽減され、且つ明るくて均一な反射表示品質が得られると共に製造が容易な液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の反射型の液晶表示装置の一例の一部の断面図を示したものである。この液晶表示装置は単純マトリクス型の液晶セル1を備えている。液晶セル1はガラス基板やフィルム基板等からなる表示面側基板2および背面側基板3を備えている。表示面側基板2の内面には信号電極4および配向膜5が設けられている。背面側基板3の内面にはアルミニウム等からなる反射層6、赤、緑、青のカラーフィルタ要素7、保護膜8、走査電極9および配向膜10が設けられている。
【0003】
そして、表示面側基板2と背面側基板3とはほぼ方形枠状のシール材(図示せず)を介して貼り合わされ、シール材の内側における両基板2、3の配向膜5、10間には液晶11が封入されている。表示面側基板2の外面には位相差板12が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面には偏光板13が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面には散乱板14が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられている。
【0004】
そして、この液晶表示装置では、散乱板14の外面側から入射された外光を散乱板14、偏光板13、液晶11、カラーフィルタ要素7等を透過させて反射層6で反射させ、この反射光をカラーフィルタ要素7、液晶11、偏光板13、散乱板14等を透過させて散乱板14の外面側に散乱出射させ、これにより表示を行う。この場合、反射層6で反射されて液晶11、偏光板13等を透過した光を散乱板14で散乱させるのは、鏡面反射を防止し、視認性に優れたペーパーホワイト色を得るためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような液晶表示装置では、反射層6と散乱板14との間に表示面側基板2等があるため、斜めに視角を変えた際に像が惚ける所謂視差による画像ボケが発生するという問題があった。また、視差による画像ボケを軽減するため、散乱板14による散乱量をあまり大きくすることができず、十分なペーパーホワイト色が得られないという問題もあった。この発明の課題は、視差による画像ボケが軽減され、且つ明るくて均一な視認性に優れた表示品質が得られる液晶表示装置を単純な工程により製造することができるようにした液晶表示装置の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記課題を解決するため、請求項1に記載のように、表示面側基板と背面側基板との間に液晶を封入してなる液晶セルの前記背面側基板の内面に光散乱機能と光反射機能の双方の機能を有する散乱反射層が設けられた液晶表示装置の製造方法であって、ベースフィルム上に後工程での剥離を容易にする境界面を形成するための離型層と、所定の粒径の粒子を含む光学等方性材料からなり、前記粒子の表面に沿った凹凸形状の凹凸表面を有する支持部材層とを順次積層して転写フィルムを形成する工程と、前記転写フィルムの前記支持部材層を前記背面側基板の内面に圧着した後、前記転写フィルムのうち前記ベースフィルムおよび前記離型層を前記支持部材層から剥離して、前記背面側基板の内面に凹凸表面を有する前記支持部材層を転写し、この支持部材層の凹凸面上に反射膜を形成することにより、前記背面側基板の内面に散乱反射部材層を形成する工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明の液晶表示装置の製造方法においては、請求項2に記載したように、散乱反射部材層を形成する工程が、支持部材層の凹凸面上に、入射光の一部分を透過させる反射膜を形成することにより背面側基板の内面に散乱半透過反射層を形成する工程であることが好ましい。その場合、請求項3記載のように、前記散乱半透過反射層の前記液晶側に保護層を積層する工程をさらに備え、前記保護層と前記支持部材層および前記液晶のうちの少なくとも2つを、それぞれの屈折率が実質的に同一な物質で形成することが好ましい。
そして、請求項1に記載の発明によれば、液晶セルの背面側基板の内面に、所定の粒径の粒子を含む光学等方性材料からなり、前記粒子の表面に沿った凹凸形状の凹凸表面を有する支持部材層により形成された散乱反射層を転写形成するから、上述した所望の散乱反射機能を備えた散乱反射層を容易に形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1実施形態における反射型の液晶表示装置の要部の一部を拡大した断面図を示したものである。この液晶表示装置は単純マトリクス型の液晶セル21を備えている。液晶セル21はガラス基板やフィルム基板等からなる表示面側基板22および背面側基板23を備えている。表示面側基板22の内面には信号電極24および配向膜25が設けられている。背面側基板23の内面には、表面が凸凹な支持層26が設けられている。支持層26上には、支持層26の凸凹な表面に追従する凸凹な表面を有する光反射材料からなる散乱反射層27が設けられている。散乱反射層27上には赤、緑、青のカラーフィルタ要素(カラーフィルタ層)28、保護膜(平坦化膜)29、走査電極30および配向膜31が設けられている。
【0008】
そして、表示面側基板22と背面側基板23とはほぼ方形枠状のシール材(図示せず)を介して貼り合わされ、シール材の内側における両基板22、23の配向膜25、31間には液晶32が封入されている。表示面側基板22の外面には位相差板33が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面には偏光板34が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられいる。
【0009】
そして、この液晶表示装置では、偏光板34の外面側から入射された外光を偏光板34、液晶32、カラーフィルタ要素28等を透過させて散乱反射層27で散乱反射させ、この散乱反射光をカラーフィルタ要素28、液晶32、偏光板34等を透過させて偏光板34の外面側に出射させ、これにより表示を行う。この場合、偏光板は液晶セル21の表示面側に偏光板34を1枚設けただけであり、液晶セル21の表裏両面に設ける場合に比べて採り込んだ外光をより有効に利用することができる。
【0010】
このように、この液晶表示装置では、液晶セル21の背面側基板23の内面に設けられた支持層26上に散乱反射層27を設けているので、すなわち、反射層に散乱層を兼ねさせているので、反射と散乱が同時に行われ、したがって視差による画像ボケを軽減することができる。
【0011】
次に、この液晶表示装置の一部の製造方法について、つまり、散乱反射層27の形成方法について、図2を参照して説明する。まず、図2(A)に示す転写フィルム41を用意する。この転写フィルム41は、ポリエチレンテレフタレート等からなるベースフィルム42の図での下面に、シリカや樹脂等からなる所定の粒径の粒子43を含むメラミン系樹脂等からなる後工程での剥離を容易にする境界面を形成するための離型層44、アクリル系樹脂等の光学等方性材料からなり支持層を形成するための支持部材層26´およびプロピレン系フィルム等からなるカバーフィルム45が順次積層された構造となっている。この場合、離型層44の下面は、粒子43の粒径や混入量等を制御することにより、所期の大きさの凸凹が均一に形成された面となっている。したがって、支持部材層26´の離型層44の下面と接する面も、離型層44の凸凹に追従した所期の大きさの凸凹が均一に形成された面となっている。
【0012】
次に、転写フィルム41のうちカバーフィルム45を支持部材層26´から剥離し、次いで図2(B)に示すように、転写フィルム41の支持部材層26´の平坦な下面を背面側基板23の上面(内面)にローラ等を用いて圧着した後、ベークすることにより支持部材層26´を硬化させて背面側基板23の上面に固着させる。支持部材層26´が感光性樹脂からなる場合には、紫外線照射により硬化させるようにしてもよい。
【0013】
次に、転写フィルム41のうちベースフィルム42および粒子43を含む離型層44を支持部材層26´から剥離する。すると、図2(C)に示すように、背面側基板23の上面には、所期の大きさの凸凹が均一に形成された表面を有する支持層26が残される。次に、図2(D)に示すように、支持層26上にスパッタ法や蒸着法等によりアルミニウム、銀、銀−パラジウム合金、銀−パラジウム−銅合金等の金属からなる反射層を成膜して散乱反射層27を形成する。この場合、散乱反射層27の膜厚は1000〜1500Å程度と比較的薄いので、散乱反射層27は支持層26の凸凹な表面に沿うように形成され、その表面は支持層26の凸凹な表面に追従したそれとほぼ同じ大きさの凸凹な面となる。そして、この散乱反射層27上に、図1に示すように、カラーフィルタ要素28、保護膜29、走査電極30および配向膜31を形成することになる。
【0014】
このように、この散乱反射層の形成方法では、転写フィルム41の離型層44の下面を、粒子43の粒径や混入量等を制御することにより、所期の大きさで均一な凸凹面とすることができるので、支持部材層26´の離型層44と接する面を容易に同じ大きさの所期の凸凹が均一に形成された面とすることができる。この結果、背面側基板23の上面に転写された支持層26上にスパッタ法や蒸着法等により散乱反射層27を形成するだけで、散乱反射層27の表面を容易に所期の大きさの凸凹が均一に形成された面とすることができる。
【0015】
この場合、例えば、支持層26をフォトリソグラフィ法により形成する場合、マスクのパターン、露光、現像、ベークの各条件で支持層26の表面の凸凹を制御することになるので、支持層26の表面の凸凹にばらつきが生じやすい。支持層26の表面の凸凹にバラツキが生じた場合、その上に成膜される散乱反射層27の表面の凸凹にもバラツキが生じるため、十分な反射輝度が得られなかったり、反射輝度のバラツキが生じたり、製品ごとに反射輝度のバラツキが生じたりしてしまう。
【0016】
このように、支持層26をフォトリソグラフィ法により形成する場合、散乱反射層27の表面を所期の凸凹な面とすることは困難であり、均一な反射表示品質を得ることができない。これに対し、上記実施形態の場合には、背面側基板23の上面に転写された支持層26の表面を容易に所期の凸凹な面とすることができ、その上に成膜される散乱反射層27の表面も容易に所期の凸凹な面とすることができるので、均一な反射表示品質を得ることができる。即ち、上記実施形態の場合には、所期の大きさで均一な凸凹表面を有する散乱反射層27の形成が容易であり、ひいては均一な反射表示品質を得る液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0017】
次に、この発明の第2実施形態における液晶表示装置において散乱反射層を形成する場合について、図3を参照して説明する。まず、図3(A)に示す転写フィルム51を用意する。この転写フィルム51は、ベースフィルム52の図での下面に、離型層53、シリカや樹脂等からなる所定の粒径の粒子54を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料からなる支持部材層55´およびカバーフィルム56が順次積層された構造となっている。この場合、支持部材層55´の離型層53と接する面は、粒子54の粒径や混入量等を制御することにより、所期の大きさの凸凹が均一に形成された面となっている。
【0018】
次に、転写フィルム51のうちカバーフィルム56を支持部材層55´から剥離し、次いで図3(B)に示すように、転写フィルム51の支持部材層55´の下面を背面側基板57の上面(内面)にローラ等を用いて圧着した後、ベークすることにより支持部材層55´を硬化させて背面側基板57の上面に固着させる。支持層26が感光性樹脂からなる場合には、紫外線照射により硬化させるようにしてもよい。
【0019】
次に、転写フィルム51のうちベースフィルム52および離型層53を支持部材層55´から剥離する。すると、図3(C)に示すように、背面側基板57の上面には、粒子54を含む凸凹な表面を有する支持層55が残される。次に、図3(D)に示すように、支持層55上にスパッタ法や蒸着法等によりアルミニウム、銀、銀−パラジウム合金、銀−パラジウム−銅合金等の金属からなる散乱反射層58を成膜する。この場合も、散乱反射層58の膜厚は1000〜1500Å程度と比較的薄いので、散乱反射層58は支持層55の凸凹な表面に沿うように形成され、その表面つまり反射面は支持層55の凸凹な表面に追従した所期の大きさの凸凹が均一に形成された面となる。
【0020】
このように、この散乱反射層の形成方法では、転写フィルム51の支持層55の離型層53と接する面を、粒子54の粒径や混入量等を制御することにより、所期の凸凹な面とすることができるので、背面側基板57の上面に転写された支持層55上にスパッタ法や蒸着法等により散乱反射層58を形成するだけで、散乱反射層58の表面を容易に所期の大きさの凸凹が均一に形成された面とすることができる。したがって、均一な反射表示品質を得ることができる液晶表示装置を容易に製造することができる。なお、粒子54を含む支持層55を印刷法により形成するようにしてもよい。
【0021】
次に、この発明の第3実施形態としての液晶表示装置において散乱反射層を形成する場合について、図4を参照して説明する(ただし、この場合、散乱反射層の表面は平坦である。)。まず、図4(A)に示す転写フィルム61を用意する。この転写フィルム61は、ベースフィルム62の図での下面に、離型層63、二酸化チタン等の金属酸化物、シリカ、マイカ、シリコンパウダー等の光散乱粒子材料(図示せず)を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料からなる散乱反射層を形成するための散乱反射部材層64´およびカバーフィルム65が順次積層された構造となっている。
【0022】
次に、転写フィルム61のうちカバーフィルム65を散乱反射層64から剥離し、次いで図4(B)に示すように、転写フィルム61の散乱反射部材層64´の下面を背面側基板66の上面(内面)にローラ等を用いて圧着した後、ベークすることにより散乱反射層64を硬化させて背面側基板66の上面に固着させる。散乱反射部材層64´の光学等方性材料が感光性樹脂からなる場合には、紫外線照射により硬化させるようにしてもよい。次に、転写フィルム61のうちベースフィルム62および離型層63を散乱反射部材層64´から剥離する。すると、図4(C)に示すように、背面側基板66の上面には、表面が平坦な散乱反射層64が残される。
【0023】
この場合、散乱反射層64は、二酸化チタン等の金属酸化物、シリカ、マイカ、シリコンパウダー等の光散乱粒子材料を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料からなっているので、光散乱粒子材料の混入量を光を透過させることなく必要な反射と散乱の両機能が得られるように制御することにより、上述した実施形態の散乱反射層と同様に、視差による画像ボケを軽減することができ、また明るくて均一な反射表示品質を得ることができる。また、散乱反射層64を形成する場合、転写フィルム61の散乱反射層64を背面側基板66の上面に転写するだけであるので、所望の均一な反射表示品質を備えた液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0024】
次に、この発明の第4実施形態としての液晶表示装置において散乱反射層を形成する場合について、図5を参照して説明する。まず、図5(A)に示す転写フィルム71を用意する。この転写フィルム71は、ベースフィルム72の図での下面に、離型層73、二酸化チタン等の金属酸化物、シリカ、マイカ、シリコンパウダー等の光散乱粒子材料(図示せず)を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料からなる散乱反射部材層74´およびカバーフィルム75が順次積層された構造となっている。この場合、散乱反射部材層74´は、必要且つ十分な光散乱機能が得られるように光散乱粒子材料の含有量と膜厚を調整してある。従って、本実施形態の散乱反射層74は、入射光の一部分は反射されずに透過する散乱半透過反射層である。
【0025】
次に、転写フィルム71のうちカバーフィルム75を散乱反射部材層74´から剥離し、次いで図5(B)に示すように、転写フィルム71の散乱反射部材層74´の下面を背面側基板66の上面(内面)に予め設けられたアルミニウム、銀、銀−パラジウム合金、銀−パラジウム−銅合金等の金属からなる反射金属膜77の上面にローラ等を用いて圧着した後、ベークすることにより散乱反射部材層74´を硬化させて反射金属膜77の上面に固着させる。散乱反射部材層74´の光学等方性材料が感光性樹脂からなる場合には、紫外線照射により硬化させるようにしてもよい。次に、転写フィルム71のうちベースフィルム72および離型層73を散乱反射部材層74´から剥離する。すると、図5(C)に示すように、背面側基板66上の反射金属膜77の上面には、表面が平坦な散乱反射層74が残される。
【0026】
この場合、背面側基板66上の反射金属膜77の上面に、主として散乱機能を有する散乱反射層74を設けているので、反射金属膜77と散乱反射層74とで必要とされる反射と散乱の両機能が発揮され、したがって視差による画像ボケを軽減することができ、また明るくて均一な反射表示品質を得ることができる。また、散乱反射層74を形成する場合、転写フィルム71の散乱反射部材層74´を背面側基板66上の反射金属膜77の上面に転写するだけであるので、明るくて均一な反射表示品質を備えた液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0027】
なお、上記第3、第4実施形態では、散乱反射層64、74を二酸化チタン等の金属酸化物、シリカ、マイカ、シリコンパウダー等の光散乱粒子材料を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料により形成した場合について説明したが、これに限らず、蛍光材料を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料により形成するようにしてもよく、また蛍光材料のみにより形成するようにしてもよい。また、上記第3、第4実施形態では、散乱反射層64、74を転写法により形成する場合について説明したが、これに限らず、印刷法により形成するようにしてもよい。即ち、凸版の印刷版を用いて光散乱粒子材料や蛍光材料を含むアクリル系樹脂等の光学等方性材料を透明基板に直接印刷する方法である。
【0028】
また、上記各実施形態では、この発明を反射型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば図6に示すこの発明の第5実施形態のように、半透過反射型の液晶表示装置にも適用することができる。次に、この半透過反射型の液晶表示装置について説明するが、図6において、図1と同一名称部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0029】
図6に示す液晶表示装置では、背面側基板23の外面に位相差板81が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面に偏光板82が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面側にバックライト83が配置されている。そして、第1実施形態と同様に所定の大きさの凹凸面を備えた光学等方性材料からなる支持層26が背面側基板23の内面に形成され、この凹凸面上に金属層からなる散乱半透過反射層27Aが設けられている。散乱半透過反射層27Aは、膜厚を300〜700Å程度と薄くするかスリット等を形成することにより、必要な光散乱反射機能と光透過機能を有する構造となっている。尚、上記第3実施形態のように凹凸支持層を形成せずに散乱反射層を光学等方性材料に光散乱粒子を混入させて形成する場合は、膜厚を薄く或いは光散乱粒子材料等の混入量を少なく調整することにより、所望の散乱半透過反射層を形成することができる。
【0030】
そして、この液晶表示装置を反射型として使用する場合には、バックライト83を点灯させず、表示面側の偏光板34の外面側から入射された外光を偏光板34、液晶32、カラーフィルタ要素28等を透過させて散乱半透過反射層27Aで散乱反射させ、この散乱反射光をカラーフィルタ要素28、液晶32、偏光板34等を透過させて偏光板34の外面側に出射させ、これにより表示を行う。一方、この液晶表示装置を透過型として使用する場合には、バックライト83を点灯させ、バックライト83からの光を偏光板82、散乱半透過反射層27A、カラーフィルタ要素28、液晶32、偏光板34等を透過させて偏光板34の外面側に出射させ、これにより表示を行う。
【0031】
ところで、この液晶表示装置の散乱半透過反射層27Aが、図7に示すように、凸凹な表面を有する支持層26上に設けられた金属層からなる場合、透過型として使用するとき、同図において矢印で示すように、膜厚が比較的大きい支持層26と保護層29との間および保護層29と液晶(層)32との間で屈折率の差に起因してバックライト83から出射された平行光がそれら各部材を透過するうちに徐々に拡散されて表示の明るさが低下する。なお、散乱半透過反射層27A及びカラーフィルタ要素28を透過する際の屈折は、夫々の膜厚が薄いために無視できる。ここで、一例として、支持層26、散乱半透過反射層27A、カラーフィルタ要素28、保護層29、液晶(層)32の各膜厚は、2.5μm、0.2μm、1.0μm、2.5μm、5μmである。
【0032】
そこで、まず、保護層29と液晶32の屈折率を実質的に同一にする。本実施形態では常光屈折率noが1.5、異常光屈折率neが1.9のp型液晶を使用しているから、保護層29を液晶32の常光屈折率(1.5)と同一の屈折率を有するアクリル系樹脂によって形成する。これにより、図8において矢印で示すように、保護層29から電極30、配向膜31を経て液晶32に至る光路において屈折による光の拡散がほぼ無くなる。なお、電極30や配向膜31も膜厚が薄いためにそれらを透過する際の屈折は無視できる。更に、支持層26および保護層29を液晶32の常光屈折率(1.5)と実質的に同一の屈折率を有するアクリル系樹脂によって形成すると、図9において矢印で示すように、バックライト83から出射された光をほとんど拡散させずに液晶32まで透過させることができる。これにより、バックライト83から液晶セルに入射された光が無駄なく表示に利用され、明るい表示が得られる。即ち、本実施形態の液晶表示装置によれば、反射型表示を行う場合は、散乱半透過反射層による光散乱反射機能により、表示領域全体が均一に明るい視認性に優れた反射表示品質が得られ、透過表示を行う場合は、透過光の拡散が防止されて光の利用効率に優れた明るい透過表示品質が得られる。
【0033】
なお、上記各実施形態では、この発明を単純マトリクス型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示すこの発明の第6実施形態のように、アクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用することができる。次に、このアクティブマトリクス型の液晶表示装置について説明する。
【0034】
この液晶表示装置はアクティブマトリクス型の液晶セル91を備えている。液晶セル91はガラス基板やフィルム基板等からなる表示面側基板92および背面側基板93を備えている。表示面側基板92の内面には赤、緑、青のカラーフィルタ要素94、共通電極95および配向膜96が設けられている。背面側基板93の内面には薄膜トランジスタ97、絶縁膜98、画素電極99および配向膜100が設けられている。この場合、絶縁膜98は、例えば図1に示す支持層26と同様に、所期の大きさの凸凹が均一に形成された表面を有するものからなっている。したがって、この絶縁膜98上に設けられた画素電極99の表面も所期の凸凹が形成された面となっている。また、画素電極99はアルミニウム、銀、銀−パラジウム合金、銀−パラジウム−銅合金等の金属からなり、散乱反射層を兼ねている。
【0035】
そして、表示面側基板92と背面側基板93とはほぼ方形枠状のシール材(図示せず)を介して貼り合わされ、シール材の内側における両基板92、93の配向膜96、100間には液晶101が封入されている。表示面側基板92の外面には位相差板102が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられ、その外面には偏光板103が粘着剤層(図示せず)を介して貼り付けられている。
【0036】
そして、この液晶表示装置では、偏光板103の外面側から入射された外光を偏光板103、カラーフィルタ要素94、液晶101等を透過させて画素電極99で散乱反射させ、この散乱反射光を液晶101、カラーフィルタ要素94、偏光板103等を透過させて偏光板103の外面側に出射させ、これにより表示を行う。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、液晶セルの背面側基板の内面に、所定の粒径の粒子を含む光学等方性材料からなり、前記粒子の表面に沿った凹凸形状の凹凸表面を有する支持部材層により形成された散乱反射層を、液晶セルの背面側基板の内面に転写形成するから、上述した所望の散乱反射機能を備えた散乱反射層を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態における液晶表示装置の要部の一部を拡大した断面図。
【図2】(A)〜(D)はそれぞれ図1に示す散乱反射層の形成方法を説明するために示す断面図。
【図3】(A)〜(D)はそれぞれこの発明の第2実施形態における液晶表示装置において散乱反射層の形成方法を説明するために示す断面図。
【図4】(A)〜(C)はそれぞれこの発明の第3実施形態における液晶表示装置において散乱反射層の形成方法を説明するために示す断面図。
【図5】(A)〜(C)はそれぞれこの発明の第4実施形態における液晶表示装置において散乱反射層の形成方法を説明するために示す断面図。
【図6】この発明の第5実施形態における液晶表示装置の要部の断面図。
【図7】図6に示す液晶表示装置を透過型として使用する場合の問題点を説明するために示す断面図。
【図8】図7に示す問題点を解決する第1の方法を説明するために示す断面図。
【図9】図7に示す問題点を解決する第2の方法を説明するために示す断面図。
【図10】この発明の第6実施形態における液晶表示装置の要部の断面図。
【図11】従来の液晶表示装置の一例の一部の断面図。
【符号の説明】
21 液晶セル
22 表示面側基板
23 背面側基板
24 信号電極
25 配向膜
26 支持層
27 散乱反射層
28 カラーフィルタ要素
29 保護膜
30 走査電極
31 配向膜
32 液晶
33 位相差板
34 偏光板

Claims (3)

  1. 表示面側基板と背面側基板との間に液晶を封入してなる液晶セルの前記背面側基板の内面に光散乱機能と光反射機能の双方の機能を有する散乱反射層が設けられた液晶表示装置の製造方法であって、
    ベースフィルム上に後工程での剥離を容易にする境界面を形成するための離型層と、所定の粒径の粒子を含む光学等方性材料からなり、前記粒子の表面に沿った凹凸形状の凹凸表面を有する支持部材層とを順次積層して転写フィルムを形成する工程と、
    前記転写フィルムの前記支持部材層を前記背面側基板の内面に圧着した後、前記転写フィルムのうち前記ベースフィルムおよび前記離型層を前記支持部材層から剥離して、前記背面側基板の内面に凹凸表面を有する前記支持部材層を転写し、この支持部材層の凹凸面上に反射膜を形成することにより、前記背面側基板の内面に散乱反射部材層を形成する工程とを具備することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発明において、前記散乱反射部材層を形成する工程は、支持部材層の凹凸面上に、入射光の一部分を透過させる反射膜を形成することにより、背面側基板の内面に散乱半透過反射層を形成する工程であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の発明において、前記散乱半透過反射層の前記液晶側に保護層を積層する工程をさらに備え、前記保護層と前記支持部材層および前記液晶のうちの少なくとも2つを、それぞれの屈折率が実質的に同一な物質で形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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