JP3925760B2 - 内燃機関用発電装置および車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用発電装置および車両に関し、特に、燃料消費を抑制しつつ内燃機関を運転することができるように制御される内燃機関用発電装置および該発電装置を搭載した車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の発電機の構成を示す図である。発電機50は固定子54と回転子52とからなり、固定子54には3相巻線55が巻かれ、回転子52には巻線53が巻かれている。回転子52にはブラシ56を通じて電源51から直流が供給される。このような発電機を自動車用のオルタネータとして使用する場合、回転子52を内燃機関(エンジン)に連結して回転させることにより発電する。オルタネータつまり発電機50で発生した電力は、バッテリならびに点火系統および電装系統に供給される。
【0003】
上記構成の発電機50では、電源51から回転子52に供給される電流が一定であれば、その発電量は回転子52の回転速度に依存する。つまりオルタネータの発電量はエンジンの回転数によって決定される。一方、エンジンの回転数が一定の場合には、回転子52に供給する直流のデューティ(オン時間の割合)によって発電量が変化する。
【0004】
また、回転子52が直流によって励磁されると、回転子52と固定子54との間には回転子52と固定子54とが引き合うように電磁力が作用するため、回転子52を回転させるためにはこの電磁力以上の力を回転子52に与えなければならない。この力はエンジンから与えられる。エンジンは前記電磁力以上の力で発電機を回転させて発電するため、燃料を消費している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
オルタネータの発電効率は、回転子に供給される電流と回転子の回転数(エンジンの回転数)によって決定される。したがって、同じ発電量であってもエンジンの回転数(車両の場合は車速の関数である)によっては、発電効率の悪いポイントで発電されていることがあり、そのときには燃料消費量が多くなっている。換言すれば、一定回転数でエンジンが運転されている場合、発電量および発電効率によって燃料消費量が変わってくる。
【0006】
車両の運行中に燃料残量がわずかになった場合、運転者は、急加速等を避けて、できるだけ燃料消費が少なくなるような運転をして給油所までの走行を心掛ける。しかし、上述のようにオルタネータの発電量や発電効率によって燃料消費量が増大し、運転者の意に反して給油所までに燃料が尽きてしまうことがあり、運転者は不便を強いられるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決し、燃料残量が微少となった場合に、できるだけ燃料消費量が少なくなるような発電状態にすることができる内燃機関用発電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、変速運転される内燃機関を原動機とする誘導機と、前記原動機を付勢するために用意された燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに、その出力を増大させるために前記誘導機の力率を向上させる力率制御手段と、力率向上による増大に見合う分の出力を低下させるため前記誘導機の入力電流を低減させる入力制御手段とを具備した点にある。
【0009】
第1の特徴によれば、誘導機を駆動する原動機の燃料が残り少なくなったときに、誘導機の力率が向上され、その力率向上によって増大した分の出力は入力電流を低減させることによって元に戻される。結果的に出力は一定に保持されるが、誘導機の発電トルクは低減し、原動機の消費燃料を少なくすることができる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加え、前記誘導機の出力を消費する電気負荷の大きさを検出する電気負荷検出手段を具備し、前記電気負荷検出手段によって電気負荷が予定値以上であるときにのみ前記力率向上および前記入力電流低減を行う点にある。第2の特徴によれば、電気負荷が大きく、発電量もこれに見合って大きい場合に限り発電トルクを小さくして燃料消費を抑える動作が実行される。発電量が大きい場合には発電トルクが大きく、したがって燃料消費も多いので、第1の特徴による作用が特に有効である。
【0011】
本発明の第3の特徴は、変速運転される内燃機関を原動機とする誘導機と、前記原動機を付勢するために用意された燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに、前記誘導機の出力側を短絡させる短絡手段と、前記誘導機の出力側短絡に伴い、前記原動機による前記誘導機の回転方向に付勢力を付加するためのアシストトルクを発生させるように前記誘導機の入力周波数を制御する回転磁界制御手段とを具備した点にある。第3の特徴によれば、誘導機が電動機として機能し、原動機の負荷が軽減される方向に付勢力が作用するので、原動機の燃料消費が抑えられる。
【0012】
本発明の第4の特徴は、第3の特徴に加え、バッテリ充電状態が良好か否かを検出するバッテリ状態検出手段を具備し、前記バッテリ状態検出手段によってバッテリ充電状態が良好であることが検出されたときにのみ前記短絡および前記アシストトルクの発生動作を行う点にある。
【0013】
第3の特徴によれば、誘導機は発電を行わず、電気負荷はバッテリからの電流供給によって負担されるので、バッテリの充電が不十分である場合は電気負荷に対応できない。第4の特徴によれば、バッテリ充電状態が良好である場合に限り誘導機を電動機として機能させるようにした。
【0014】
本発明の第5の特徴は、変速運転される内燃機関を原動機とする誘導機と、前記原動機を付勢するために用意された燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、バッテリ充電状態が良好か否かを検出するバッテリ状態検出手段と、前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出され、かつ前記バッテリ状態検出手段によってバッテリ充電状態が良好であることが検出されたときに前記誘導機の入力を制御して発電量を低減させる発電量制御手段とを具備した点にある。第5の特徴によれば、原動機の燃料が残り少なくなったときに、バッテリ充電状態が良好である場合に限り、発電量が低減されて発電トルクが低減され、原動機の燃料消費が抑えられる。
【0016】
本発明の第6の特徴は、第1〜5のいずれかの特徴を有する内燃機関用発電装置と、前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに最寄りの給油所までの経路案内をするナビゲーションシステムとを具備した車両にある。第6の特徴によれば、誘導機の発電トルクを少なくするとともに、自動的に最寄りの給油所までの経路案内が行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る車両用発電装置(オルタネータ)の断面図、図12はオルタネータの巻線(コイル)の断面図である。このオルタネータ1は回転子1Rおよび固定子1Sの双方にそれぞれ3相巻線つまり3相界磁コイル11,12を巻回した誘導機である。
【0018】
両図において、オルタネータ1の回転軸13にはコイル11およびコイル11を巻回した回転子1Rが固定され、回転子1Rの外周にはコイル12を巻回した固定子1Sが前記回転子1Rと同軸で配置されている。回転軸13はフロントベアリング15aおよびリアベアリング15bにより、ハウジング17に回転自在に支持されている。回転軸13の一端にはプーリ14が固定され、他端にはロータ1Rのコイル11へ励磁電流を供給するためのブラシ19a,19b,19cにそれぞれ接触するスリップリング18a,18b,18cが固定されている。プーリ14はエンジンのクランク軸に結合された別のプーリにベルト(いずれも図示しない)を介して連結され、エンジンから回転軸13に動力が伝達される。回転軸13の回転数はエンジンの回転数と前記2つのプーリのプーリ比によって決定される。
【0019】
ハウジング17内の前記回転軸13他端側には、後で詳述する回転子励磁装置2、ACG・ECU3、切換制御装置5、短絡装置8、および出力制御装置7が配置されている。これら装置は、ハウジング17のデッドスペースを有効に利用して配置されており、かつ互いに近接配置されているので配線の取り回しも良好である。
【0020】
図2は、オルタネータ1の制御部の構成を示すブロック図である。オルタネータ1の発電量は、回転子1Rと固定子1Sとの相対回転速度Nに依存する。ここで、相対回転速度Nは回転子1Rの回転速度N1のほか、回転子1Rに交流が供給されたときに発生する回転磁界の回転速度N2によって規定される。すなわち、相対回転速度Nは次式(1) で表される。
N=N1+N2…(1)
図2において、回転子励磁装置2は回転子1Rのコイル11(11a,11b,11c)に交流を供給する。この交流によって回転磁界が発生する。コイル11に供給される交流の位相、振幅、および周波数によってオルタネータ1の出力は決定される。
【0021】
ACG・ECU3はエンジンECU4と通信してエンジン回転数Neを検出し、回転磁界の回転速度N2を算出して回転子励磁装置2に通知する。すなわち、ACG・ECU3はエンジン回転数Neとプーリ比とに基づいて算出される回転子1Rの回転速度N1を算出し、前記相対回転速度N(=回転速度NX )から回転速度N1を減算して回転磁界の回転速度N2を求める。
【0022】
固定子1Sのコイル12(12a,12b,12c)は出力制御装置7に接続されていて、オルタネータ1で発電された電力はこの出力制御装置7を介してバッテリ9に蓄積される。出力制御装置7はレギュレータと整流回路とを含んでおり、入力された交流をバッテリ9に適合した電圧の直流に変換して出力する。バッテリ9は図示しない点火系統や電装に電流を供給する。
【0023】
上記構成において、エンジンの燃料残量がわずかになった場合、本実施形態ではオルタネータ1を次のように制御する。まず、第1にオルタネータ1の固定子1S側の力率改善による発電効率の向上を図った。すなわち、固定子1Sのコイル12に誘起される電流および電圧の位相差θを小さくして力率を向上させることにより、発電効率を改善して燃料消費量が少なくなるようにした。
【0024】
図5は固定子1Sのコイル12に流れる電流および電圧ならびに電力の波形図である。同図から理解できるように、電流Iと電圧Vとの位相差θがある場合の電力実効値W1(図5(b))は、位相差θがない場合の電力実効値W0(図5(a))よりも小さい。電圧および電流の大きさは変化していないので入力エネルギには変化がない。入力エネルギに変化がなく、出力エネルギ(電力)は大きくなっているので、位相差θが小さいほど発電効率(=出力エネルギ/入力エネルギ)は向上する。
【0025】
前記位相差θは次のようにして制御できる。図6はコイル12のインピーダンスZが固定されている場合の抵抗値RおよびリアクタンスXと位相差θとの関係を示す図である。この図のように、インピーダンスZが一定であれば、位相差θを変化させるには抵抗値RおよびリアクタンスXを変化させればよい。
【0026】
図7は燃料減少時の力率制御のフローチャートである。ステップS1では、電気負荷検出手段により検出された電気負荷Ei[A] が予定値Eref 以上であるか否かを判断する。電気負荷にはヒューズボックスを介してバッテリ9から電流が供給されるので、電気負荷の大きさは、例えばバッテリ9とヒューズボックスとの間に流れる電流を測定することで検出できる。発電を行っていない場合または発電量が少ない場合には力率を改善しても燃料消費に対する効果が少ないので、発電を行っている場合または発電量がある程度以上である場合にだけ以下の制御を実行するための判断である。
【0027】
ステップS1が肯定ならばステップS2に進み、燃料残量が少ないか否かを判断する。具体的には、燃料残量が予定量F未満になったときに警告灯を付勢するため出力される指示信号の有無によって判断できる。燃料が残りわずかになったときにこの力率制御を行うためである。
【0028】
ステップS2が肯定ならばステップS3に進む。ステップS3ではナビゲーションシステムに給油所誘導指令を出力させる。車両には、運転者の要求に応答して最寄りの給油所までの経路案内をする機能を有するナビゲーションシステムが搭載されていることがある。この機能は現在位置検出手段および給油所位置情報記憶手段等を具備する周知の手段により達成することができる。ここでは、このナビゲーションシステムの機能を運転者の要求にかかわらず、燃料残量がわずかになった場合に自動的に作動させる。なお、このステップS3は任意に選択可能であり、必須の処理ではない。
【0029】
ステップS4では、オルタネータ1の出力側つまり固定子1S側の電圧Vおよび電流Iの位相差θを算出し記憶する。位相差θは、図8中の式を使用して求めることができる。つまり、電圧Vのピーク時間隔(時間T1)を基準として、このピーク時間隔と電流Iのピーク時間隔(時間T2)との時間間隔(T1−T2)に基づいて位相差θは算出できる。
【0030】
ステップS5では前記電圧Vと電流Iに基づきインピーダンスZを算出する。算出式は図7中に示す。ステップS6ではインピータダンスZおよび位相差θに基づいて抵抗値RおよびリアクタンスXを算出する。抵抗値RおよびリアクタンスXの算出式は図中に示す。この算出式は図6から容易に導かれる。
【0031】
ステップS7ではインピーダンスZを変化させずに位相差θが0°に近付くように抵抗値RおよびリアクタンスXを変化させて力率を向上させる。具体的には、コイル12に可変抵抗および可変コンデンサを接続し、位相差θを一定量変化させるため抵抗およびコンデンサの値を予定量ずつ変化させる。なお、インピーダンスZを一定に維持する場合は抵抗値RとリアクタンスXとを制御するのがよいが、インピーダンスZの変動が許容される場合は、リアクタンスXのみを変化させて力率を改善するようにしてもよい。
【0032】
ステップS8では、位相差θが0°か否かを判断し、これが肯定となるまでステップS7の処理を継続する。ステップS8が肯定となったならば、そのときのパラメータ(リアクタンスXと抵抗値R)を保持した後、ステップS9に進む。ステップS9では、回転子1Rに入力する交流の電流値を低減させる。これによって発電トルクを低減し、エンジンの負荷を小さくするためである。回転子1Rへ入力される電流を低減するためには、例えば、回転子1Rのインピーダンスを増大させればよい。なお、回転子1Rの励磁電圧を下げて、電流を低減させてもよい。
【0033】
ステップS10ではオルタネータ1の出力電圧が予定値Vref になったか否かを判断する。この判断が肯定となるまでステップS9の処理を継続する。力率改善によって出力電力が増大するとバッテリ9が過充電となるおそれがある。そこで、回転子1Rへの入力を低減して出力電圧を予定値Vref に制限するためである。ステップS10が肯定となったならば、そのときのパラメータ(回転子1Rのインピーダンス)を保持した後、このフローを抜ける。
【0034】
図1は、上記電流負荷変動時の処理のためのACG・ECU3の要部機能を示すブロック図である。同図において、燃料残量検出手段つまり燃料残量検出部20は燃料タンク内の燃料が予定値F以下に減少したときに力率制御手段としての力率増大部21を付勢する。力率増大部21はオルタネータ1の固定子1Sの前記位相差θを小さくして力率を増大させる。力率検出部22は出力電圧と出力電流との位相差θを監視していて、位相差θが0°になったときに力率増大部21に停止信号s1を出力する。力率増大部21は信号s1に応答して力率の増大動作を停止する。
【0035】
一方、出力監視部24はバッテリ9が過充電とならないように出力電圧を監視する。そして、出力電圧を予定値Vref に維持するため、入力制御手段としての回転子電流制御部25に制御信号を供給する。出力監視部24は、出力電圧が予定値Vref より高い場合、回転子電流を低減するための指示を回転子電流制御部25に出力する。回転子電流制御部25は電流低減指示に従って回転子1Rに電流を供給する。
【0036】
次に、燃料残量減少時の処理の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、燃料残量が減少したときに発電を停止して、バッテリ9からの電流供給で電気負荷に対応する。すなわち、固定子1Sの3相出力を短絡し、オルタネータ1を電動機として作動させることによりエンジン回転方向にトルク(アシストトルク)を発生させて燃料消費を抑制するようにした。電気負荷はバッテリ9でのみ負担するので、バッテリ9の充電状態が良好な場合にのみ、この処理を実行する。また、電動機として最も高い出力トルクが得られるように、つまり最大トルクが発生するポイントにすべりSを設定するように回転子1Rの回転磁界を制御する。
【0037】
図3は、第2実施形態に係るオルタネータ1の制御部の構成を示すブロック図であり、図2と同符号は同一または同等部分を示す。同図において、短絡装置8は固定子1Sを短絡するための短絡手段であり実質的には抵抗体から構成できる。スイッチ29は燃料残量が予定値F以下になったときに短絡装置8側に切り換えられ、バッテリへの充電は停止される。周波数算出装置30は燃料残量が予定値F以下になったときに最大の出力トルクが得られるように回転子1Rの回転磁界を発生させるための周波数を算出する。算出式は後述する。算出された周波数は回転子励磁装置2に入力され、回転子励磁装置2は該周波数の電流を回転子1Rに供給する。周波数算出装置30および回転子励磁装置2は回転磁界制御手段を構成する。
【0038】
図9は、第2実施形態の動作を示すフローチャートである。ステップS20では、燃料残量が少ないか否かを判断する。具体的には、燃料残量が予定量F未満になったときに警告灯を付勢するために出力される指示信号の有無によって判断できる。ステップS21ではバッテリ充填状態が良好であるか否かが判断される。電気負荷はバッテリ9で負担するので、充電状態が良好なときにのみこの制御を行うためである。
【0039】
バッテリ状態が良好であったならばステップS22に進む。ステップS22ではナビゲーションシステムに給油所誘導指令を出力させる。これは上述のステップS3と同様の処理である。ステップS23ではスイッチ29を切り換え、固定子1Sのコイル12を互いに短絡させる。ステップS24ではエンジン回転数に基づいて、出力トルクが最大となるように回転子1Rに供給する交流の周波数fを算出する。
【0040】
このような周波数fを決定するためには、出力トルクが最大となるようなすべりSを求める。出力トルクとすべりSとの関係はオルタネータ1の特性として予め分かっているので、その関係に基づいて予めすべりSを記憶手段に保持しておき、そのすべりSを使用して周波数fを求める。図10に、トルク特性の一例を示す。すべりSと回転子1Rの回転数(=エンジン回転数×プーリ比)N1から、次式(2) を使用して周波数fを算出する。
周波数f[Hz]=P/120×(N1[rpm] /(1−S))…(2)
ステップS25では、式(2) に従って算出された周波数fの交流を回転子1Rに入力する。ステップS26では、バッテリ充電量が所定値以下か否かを判断し、この判断が否定である場合はステップS24,S25を継続する。
【0041】
一方、ステップS26が肯定の場合、つまりバッテリ9の端子電圧が所定値以下に低下した場合は、ステップS27に進む。ステップS27ではバッテリ9の放電を回避するため前記スイッチ29を出力制御装置7側に切り換える指示を出力する。この指示により、固定子1Sのコイル12の短絡を解除する。ステップS28では、最高効率ηmax で発電できるような回転速度Nx を得るための周波数fを決定し、その周波数fに従って回転子1Rに交流を供給する。これによって、オルタネータ1は再び発電機として動作する。
【0042】
次に、燃料残量減少時の処理の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、燃料残量が減少したときに発電量を低減させて発電トルクを低減させるようにした。発電トルクの低減により、発電のために消費される燃料が減少するので、走行距離を延長することができる。ここでは発電量を減少させるために、回転子1Rへ入力される交流の周波数および電流値を小さくした。
【0043】
図4は第3実施形態におけるACG・ECU3の要部機能を示すブロック図である。同図において、燃料残量検出部31は燃料タンク内の燃料が予定値F以下に減少したときに回転子制御部32を付勢する。回転子制御部32は回転子1Rに入力する交流の周波数および電流値を小さくするための指示を回転子励磁装置2に出力する。回転子励磁装置2は前記指示に従って周波数と電流値を決定し、その周波数と電流値の交流を回転子1Rに入力する。回転子制御部32および回転子励磁装置2は発電量制御手段を構成する。
【0044】
バッテリ状態検出手段つまりバッテリ状態検出部33はバッテリ9の端子電圧が所定値以上にあるときに、状態が良好であることを示す信号s2を出力し、回転子制御部32はこの信号s2が入力された場合にのみ前記周波数と電流値とを減少させる指示を出力するようにする。
【0045】
このように、上述の各実施形態によれば、燃料残量が予定値よりも少なくなった場合、発電効率を向上させたり、エンジンに対するトルクを軽減したりして燃料消費を抑制するようにした。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果がある。
(1) 請求項1の発明では、誘導機の力率が向上され、その力率向上によって増大した分の出力は入力電流を低減させるので、結果的に出力を一定に保持しつつ誘導機の発電トルクを低減させて消費燃料を少なくすることができる。
(2) 請求項2の発明では、請求項1の効果を最大限に引き出すことができ、燃料節約効果が大きい。
(3) 請求項3の発明では、誘導機が電動機として機能し、原動機の負荷が軽減される方向に付勢力が作用し原動機の燃料消費が抑えられる。
(4) 請求項4の発明では、バッテリ充電状態が良好である場合に限り誘導機を電動機として機能させることができ、電動機で発電しないときでも電気負荷を負担できる。
(5) 請求項5の発明では、原動機の燃料が残り少なくなったときに発電量が低減されて発電トルクが低減され、原動機の燃料消費が抑えられる。特に、誘導機の発電量が低減したときでも、バッテリからの電流供給によって電気負荷を負担できるように、バッテリの充電が十分である場合に限り誘導機の発電量が低減される。
(6) 請求項6の発明では、原動機の燃料消費が抑制されるとともに、最寄りの給油所までの経路が案内されるので、燃料切れで路上停止することを回避できる。
このように、いずれの請求項の発明においても、発電によって原動機に負荷となる発電トルクが低減されて燃料消費が抑制され、例えば給油所までの走行を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るオルタネータの要部構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るオルタネータの基本構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係るオルタネータの要部構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第3実施形態に係るオルタネータの要部構成を示すブロック図である。
【図5】 オルタネータの出力の位相差を示す波形図である。
【図6】 出力の位相差と抵抗値およびリアクタンスの関係を示す図である。
【図7】 本発明の第1実施形態に係るオルタネータの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】 位相差の計算方法を示す図である。
【図9】 本発明の第2実施形態に係るオルタネータの制御動作を示すフローチャートである。
【図10】 誘導機のすべりと出力トルクとの関係を示す図である。
【図11】 本発明の一実施形態に係るオルタネータの断面図である。
【図12】 オルタネータの巻線(コイル)部分での断面図である。
【図13】 従来の発電装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…オルタネータ、 2…回転子励磁装置、 3…ACG・ECU、 7…出力制御装置、 8…短絡装置、 9…バッテリ、 20…燃料残量検出部、 21…力率増大部、 22…力率検出部、 24…出力監視部、 25…回転子電流制御部
Claims (5)
- 変速運転される内燃機関を原動機として駆動される誘導機と、
前記原動機を付勢するために用意された燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、
前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに、前記誘導機の力率を向上させてその出力を増大させる力率制御手段と、
前記力率向上による増大に見合う分の出力を低下させるため前記誘導機の入力電流を低減させる入力制御手段とを具備したことを特徴とする内燃機関用発電装置。 - 前記誘導機の出力を消費する電気負荷の大きさを検出する電気負荷検出手段を具備し、
前記電気負荷検出手段によって電気負荷が予定値以上であるときにのみ前記力率向上および前記入力電流低減を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用発電装置。 - 変速運転される内燃機関を原動機として駆動される誘導機と、
前記原動機を付勢するために用意された燃料の残量を検出する燃料残量検出手段と、
前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに、前記誘導機の出力側を短絡させる短絡手段と、
前記誘導機の出力側短絡に伴い、前記原動機による前記誘導機の回転方向に付勢力を付加するためのアシストトルクを発生させるように前記誘導機の入力周波数を制御する回転磁界制御手段とを具備したことを特徴とする内燃機関用発電装置。 - バッテリ充電状態が良好か否かを検出するバッテリ状態検出手段を具備し、
前記バッテリ状態検出手段によってバッテリ充電状態が良好であることが検出されたときにのみ前記短絡および前記アシストトルクの発生動作を行うことを特徴とする請求項3記載の内燃機関用発電装置。 - 請求項1〜4のいずれか一つに記載の内燃機関用発電装置と、
前記燃料残量検出手段によって燃料残量が予定量になったことが検出されたときに最寄りの給油所までの経路案内をするナビゲーションシステムとを具備したことを特徴とする車両。
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