JP3932811B2 - 産業車両におけるカメラ昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフォークリフト等のようにマストに沿って昇降する荷役用のキャリッジを備えた産業車両において、高い位置で荷役作業をする際にフォーク等の荷役具の作業エリアを撮影するカメラユニットを備えた産業車両におけるカメラ昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、この種の産業車両であるフォークリフトは、フォーク等の荷役具(アタッチメント)を有した荷役機器(キャリッジ)を昇降させる多段式のマストを車体に備える。例えば棚の高所で荷取りや荷置きをする際は、運転者は荷役レバー(リフトレバー)を操作して多段式マストを油圧駆動で伸長させ、マストに沿ってフォーク等の荷役具を上昇させ、荷役具を棚面や棚上のパレットに対し所定の位置に位置合わせをする位置決め操作(荷役レバー操作)を行う。
【0003】
この際、運手者は高所(例えば3〜6メートル)を仰ぎ見ながらフォークがパレットの穴または棚面の少し上方位置に合ったかどうかを目で確認しつつ荷役レバーを操作する必要がある。しかし、高所を下方から仰ぎ見ながらフォークとパレット等が水平方向に位置合わせされたかを目で判断することは非常に困難で、熟練者でもこの位置合わせに時間を要するという問題があった。例えば荷役レバーを操作しながらフォークを徐々に荷や棚に近づけるなど慎重操作を強いられるため、作業効率がかなり低下するという問題があった。
【0004】
そこで、従来、例えば荷役機器にカメラを取り付け、フォーク正面に見える棚やパレット等の様子を撮影した画像を、運転席にいる運転者が表示装置の画面を通して見られるようにすることで、高所でのフォークの位置合わせ作業を支援する装置が知られている。
【0005】
従来装置では、カメラは、フォークの先端部や側部に固定したり、マストの所定位置に固定された構成が知られている。カメラの固定箇所としては、作業エリアを略正面から撮影できる場所が望ましい。しかしフォークの根本付近に固定すると、荷取りするときは作業エリアを広く撮影できても、荷置きするときにフォーク上の荷が邪魔になって荷置き先の棚面周辺の作業エリアが狭い範囲しか撮影されないなどの問題があった。そのため、カメラの取り付け位置がフォーク先端部やフォーク側面などカメラの小型化が必要な場所に制限されたり、撮影する角度が悪く適切な画像支援が困難な場所に制限され、最適な支援が行われ難いという問題があった。
【0006】
これに対し、例えば米国特許5586620号には、カメラが昇降機構と共にキャリッジ(荷役機器)に取り付けられ、フォークが最下降位置から少し上昇するとカメラが下降し、フォークが最下降位置に下降する際は最下降位置に達するまでにカメラが上昇して保護位置に格納される昇降式のカメラ昇降装置を備えるものが開示されている。このカメラ機構であれば、フォーク上昇時にはカメラがキャリッジから下降してフォーク正面の撮影ができ、フォークを最下降させた時には、カメラが上昇して保護位置に格納されるため、カメラが床面に衝突することが回避される。カメラはバネで下方に付勢されており、キャリッジが最下降位置付近まで下降するとマスト側に設けられたプレートに当たってカメラがバネの付勢力に抗して上昇して保護位置に格納される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォークが最下降位置に下降する過程でプレートに当たってカメラを保護位置に上昇させて格納する機械的構造を採用していたため、フォークが最下降付近以外の揚高にあるときは常にカメラが下方に突出した状態にあった。つまりフォークの昇降動作と連動して一義的にカメラ位置が決まるため、フォーク位置決め操作の支援を必要とする高所では、カメラが下方に突出した状態にあったため、荷役作業時にカメラが周辺物と干渉する恐れがあった。また、カメラの撮影位置はフォークに対して所定距離下方の位置に固定であった。
【0008】
また荷取り時にはフォークの根本付近から正面の作業エリアを撮影し、フォーク上の荷が邪魔する荷置き時にはカメラをフォークの根本付近から少し下降させて撮影することで作業エリアを広く確保することが考えられる。
【0009】
またカメラで撮影した画像を基に画像認識技術を用いて、目標物に対するフォークの位置をコンピュータで認識し、フォークを目標物等に合わせるための支援を音声アナウンスなどの方法で積極的に行うことも考えられる。この場合、パレットや棚などの目標物を正面から撮影することが好ましい。すなわち、荷取り時はパレットを目標物としたいし、荷置き時は棚を目標物としたい。しかし、従来装置では、カメラ位置が固定であったため、作業内容毎に異なる目標物に合わせてカメラ位置を変更させることができなかった。
【0010】
また米国特許5586620号には、一つのカメラが複数の位置に移動する構成や、2つのカメラで複数の撮影位置を切り換え可能な構成も開示されている。しかし、カメラを任意の揚高で位置変更してその撮影位置を切換えることはできなかった。また、複数のカメラを配置することは、カメラが余分に必要になるうえ、表示装置の画面への表示制御も複雑になるという問題があった。
【0011】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、カメラユニットを荷役具の揚高に関係なく任意の揚高で移動可能とし、高所で行われる荷役作業を、適切な撮影画像を提供することにより効果的に支援できる産業車両におけるカメラ昇降装置を提供することにある。
【0012】
第2の目的は、第1の目的を達成するに当たり、カメラユニットの昇降にアクチュエータを用いても、カメラユニットが仮に床面に当たったときの衝撃がアクチュエータへ伝わることを小さく抑えることができる産業車両におけるカメラ昇降装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記第1及び第2の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、車体に設けられたマストに沿って荷役用のキャリッジを昇降させる荷役装置を備えた産業車両において、前記キャリッジに取り付けられた状態で該キャリッジが有する荷役具の作業エリアを撮影するカメラユニットと、前記カメラユニットと前記荷役具との相対移動を可能とする移動機構と、前記カメラユニットを前記荷役具に対して相対移動させるために駆動されるアクチュエータとを備え、前記移動機構は、前記カメラユニットを前記キャリッジに対して昇降可能に支持する昇降機構であって、該昇降機構は、前記カメラユニットを吊り下げ支持する可撓性動力伝達部材と、前記カメラユニットを下方へ付勢するダンパとを備え、前記昇降機構では、前記カメラユニットは前記可撓性動力伝達部材を介して吊り下げ支持された状態で前記アクチュエータと作動連結され、前記アクチュエータは、その駆動によって正逆転駆動されると共に前記可撓性動力伝達部材を巻回する回転体を備え、前記アクチュエータの駆動によって前記回転体が正逆転駆動されることで該回転体から前記可撓性動力伝達部材が繰り出し及び巻き取りされることにより前記カメラユニットは吊り下げ支持された状態で昇降動し、前記キャリッジの下方に突出する撮影位置と、前記キャリッジの下方に突出しない格納位置との二位置に昇降するよう構成され、前記キャリッジが最下降位置の揚高に達するまでに前記カメラユニットの格納位置への格納が完了するよう前記アクチュエータを駆動するとともに、その格納に必要な移動ストローク分の時間を確保するために低揚高側に設定された格納作動範囲を除きこれより高揚高側の範囲においては任意の揚高で、前記カメラユニットを撮影位置に下降させるよう前記アクチュエータを駆動制御する制御手段を備えたことを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、荷役用のキャリッジに設けられたカメラユニットは、アクチュエータの駆動によって移動機構を介することで荷役具に対して相対移動する。このため、カメラユニットの撮影位置を、アクチュエータの駆動によって任意の揚高で位置調整することが可能となり、カメラユニットの撮影位置が荷役具やキャリッジの揚高に拘束されることがない。例えば荷役内容(例えば荷取りと荷置き)等に応じて撮影位置を変更することも可能となる。また例えば撮影が不要なときにはカメラユニットを格納させておくことも可能となる。
【0016】
また、キャリッジが最下降位置に下降する際にその揚高が予め低揚高側に設定された格納作動範囲内に達するとアクチュエータが駆動され、キャリッジが最下降位置に達するまでにカメラユニットは格納位置に格納される。このため、カメラユニットが床面等に衝突することが回避される。格納作動範囲を除くこれより高揚高側の範囲においては、カメラユニットは任意の揚高で撮影位置に下降される。つまり、カメラユニットを必要時のみ撮影位置に下降させることが可能となる。よって、カメラユニットがキャリッジの下方へ突出状態に配置される時間を少しでも減らせ、突出状態にあるカメラユニットが周辺物との干渉(衝突)する心配を少しでも減らすことができる。また、昇降機構によって、カメラユニットは、可撓性動力伝達部材を介して吊り下げ支持された状態でアクチュエータと作動連結されている。すなわち、カメラユニットは、アクチュエータが駆動されることによって可撓性動力伝達部材に吊り下げ支持された状態で上昇または下降する。例えばアクチュエータの故障等が原因で、カメラユニットが上昇不能となってそのままキャリッジが最下降位置まで下降されてカメラユニットが床面に当たっても、この際、可撓性動力伝達部材が弛む(撓む)ことによって、カメラユニットが受ける衝撃が緩和され、しかもアクチュエータに衝撃が伝わり難い。また、アクチュエータの駆動によって回転体から可撓性動力伝達部材が繰り出し及び巻き取りされることによってカメラユニットは昇降する。可撓性動力伝達部材は回転体に巻回されて、繰り出された必要分以外は回転体に収納されるため、アクチュエータおよび昇降機構などからなる構成を比較的コンパクトに配置できる。また、アクチュエータと作動連結された状態で、可撓性動力伝達部材を介して吊り下げ支持されたカメラユニットは、ダンパにより下方へ付勢される。カメラユニットを下降させる際は、可撓性動力伝達部材が弛み気味になるためこの弛みに起因するカメラユニットのがたつきが心配されるが、カメラユニットはダンパによる下方の付勢力によって可撓性動力伝達部材に張力が付与された状態に位置決めされることで、カメラユニットのがたつきが小さく抑えられる。このため、カメラユニットの撮影振れ等の不具合が解消され易い。また、カメラユニットが仮に床面に当たってもその時の衝撃がダンパによって緩和される。また、カメラユニットはダンパにより下方へ付勢されることによって滑らかに下降する。またカメラユニットを上昇させるときにも、変位に比例して弾性力が大きくなるバネなどの付勢手段を用いた場合に比べ、アクチュエータにかかる負荷が相対的に少なく済む。よって、例えばアクチュエータの小型化に寄与する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記格納位置も撮影する位置であって、前記制御手段は、前記カメラユニットを前記撮影位置に配置する下降と、前記格納位置に配置する上昇とを、前記格納作動範囲を除くこれより高揚高側の範囲内の任意の揚高で行うよう前記アクチュエータを駆動制御することを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、カメラユニットの撮影位置への下降と、格納位置への上昇は、キャリッジの揚高が低揚高側一部範囲を除くこれより高揚高側の範囲内にある際に任意の揚高で行われる。つまり、必要な撮影位置に応じてカメラユニットが上昇または下降し、格納位置と撮影位置との二位置で撮影することが可能になる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記格納位置とは、前記カメラユニットの撮影部が前記荷役具の荷取り部と略同一の高さに配置される位置であることを要旨とする。
【0020】
この発明によれば、格納位置ではカメラユニットによって荷役具の荷取り部と略同一の高さ位置から作業エリアが撮影されるため、荷役具の位置合わせがし易い角度からの撮影画像が得られる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記撮影位置とは、前記荷役具に取った荷に遮られることのない視点から作業エリアを撮影可能な位置であることを要旨とする。
【0022】
この発明によれば、カメラユニットが撮影位置に移動することによって、荷役具に取った荷に遮られることのない視点から作業エリアを撮影することが可能になる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記キャリッジは前記マストに沿って昇降する昇降部材と、該昇降部材に対し傾動可能に設けられた傾動部材と、該傾動部材に対し車幅方向に移動可能に設けられたサイドシフタとを備え、前記荷役具は前記サイドシフタに一体に取り付けられ、前記カメラユニットは、前記サイドシフタに対し昇降可能に設けられていることを要旨とする。
【0024】
この発明によれば、マストに沿ってキャリッジが昇降することで荷役具は一緒に昇降(リフト)し、傾動部材が昇降部材に対し傾動することで荷役具は傾動(ティルト)し、サイドシフタが傾動部材に対し車幅方向に移動することで荷役具は左右に移動する。荷役具を左右に移動させたときは、サイドシフタに設けられたカメラユニットも荷役具と一緒に左右に移動するため、荷役具に対する撮影画像の角度が左右にシフトすることがなく一定に保つことが可能となる。
【0032】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記昇降機構では、前記可撓性動力伝達部材と前記カメラユニットとの連結部には、前記可撓性動力伝達部材に張力を付与するテンショナーが介装されていることを要旨とする。
【0033】
この発明によれば、テンショナーによって可撓性動力伝達部材に張力が付与されてその弛みが解消されるため、アクチュエータの回転体で乱巻きが起き難くなる。
【0034】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記アクチュエータは、電動アクチュエータであることを要旨とする。
この発明によれば、カメラユニットが仮に床面に当たってもその際の衝撃が電動アクチュエータに伝わり難いため、シリンダ等のアクチュエータに比べ比較的損傷を受けやすい電動アクチュエータを使用しても安心である。また電動アクチュエータを使用することで多様な制御に対応し易いうえ、比較的位置精度も出やすい。
【0037】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、前記昇降機構は、前記カメラユニットを昇降案内するガイドレールと、該カメラユニットのケース側面に設けられて前記ガイドレール上を転動する案内輪と、前記案内輪のスラスト方向の荷重を受ける受圧部材とを備えていることを要旨とする。
【0038】
この発明によれば、カメラユニットはそのケース側面に設けられた案内輪がガイドレール上を転動することでガイドレールに案内されて昇降する。この際、案内輪のスラスト方向の荷重は受圧部材が受けるため、案内輪にスラスト荷重が加わることが回避される。このため、案内輪の早期破損などの不具合が回避され易い。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を産業車両としてのフォークリフトに具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0040】
図1に示すように、産業車両としてのリーチ型フォークリフト(以下、フォークリフトという)1は、例えば工場内での荷役作業をするために使用される。荷役作業として、例えば工場内に立設された棚に対して荷役具としてのフォーク2を昇降させて荷取りおよび荷置き作業を行う。荷取り作業は、棚に格納された荷を載せたパレットにフォーク2を差し込んで荷取りする作業で、フォーク2をパレットの差込穴に位置合わせする必要がある。また荷置き作業は、フォーク2上に載せた荷(パレット)を棚の棚面に置く作業で、フォーク2を棚面の上方所定高さ(棚面から例えば10〜20cm上方の高さ)に位置合わせする必要がある。
【0041】
このフォークリフト1は前二輪・後一輪駆動の3輪車タイプであり、左右の前輪(従動輪)4は、車体3の前部から前方へ延出する左右一対のリーチレグ5の先端部にそれぞれ取付けられている。後側一輪は操舵輪を兼ねた駆動輪(以下、駆動操舵輪という)6となっており、駆動操舵輪6は車体3に配備されたバッテリ7を電源として駆動される走行用モータ8の動力により走行駆動される。なお、後輪として駆動操舵輪6を補助するキャスタ(図示せず)も設けられている。
【0042】
車体3の後部右部分には立席タイプの運転席9が設けられている。運転席9の側方(左隣)に立設された収容ボックス3Aの上面にはハンドル(ステアリングホイール)10が設けられている。ハンドル10を操作することで駆動操舵輪6は操舵される。
【0043】
車体3の前部には、荷役装置(マスト装置)11が左右一対のリーチレグ5に沿って前後方向に移動可能に装備されている。荷役装置11には車体3の底部に配設されたリーチシリンダ(油圧シリンダ)12のピストンロッド12aが連結されており、リーチシリンダ12の駆動により荷役装置11は前後方向に移動(リーチ動作)する。すなわち、従来技術で述べた米国特許に開示の車両ではパンタグラフリーチ式であったのに対し、本実施形態の車両は、マストリーチ式を採用している。
【0044】
荷役装置11は多段式(本例では3段式)マスト13と、リフトシリンダ14(片側のみ図示)とを備えている。マスト13はアウタマスト15、ミドルマスト16およびインナマスト17の3段がスライド可能に係合されてなる。各マスト15,16,17は左右一対のマスト材と両マスト材を連結するビーム材から構成されている。
【0045】
マスト13には、荷役用のキャリッジ(フォーク装置)18が昇降可能に装備されている。キャリッジ18はインナマスト17に案内されると共にチェーン機構(図示せず)を介してインナマスト17に吊り下げられた状態にある。マスト13の背後に配設された左右一対のリフトシリンダ14が駆動されることにより、マスト13のスライド伸縮を伴ってキャリッジ18がマスト13に沿って昇降する。但し、このマスト13はテレスコピック式であり、キャリッジ18が最下降位置からマスト上端位置まで上昇した後、はじめて多段式マスト13の伸長動作が開始される。フォーク2は最高約6メートルまで上昇する。
【0046】
フォークリフト1には、高所(高揚高範囲)でのフォーク2の位置合わせ操作を支援する荷役操作支援装置(フォーク位置決め操作支援装置)20が設けられている。荷役操作支援装置20は、キャリッジ18の前面中央部に装備されたカメラ昇降装置21を備える。カメラ昇降装置21は、そのハウジング22の下端から下方へ出没する昇降式のカメラユニット23を備えている。ハウジング22はキャリッジ18の幅方向中央部に縦長に延びた状態に組付けられ、その前面はバックレスト24の前面とほぼ面一となっている。カメラユニット23はそのケース25の下端部にカメラ(CCDカメラ)26を内蔵し、ケース25の前面下端部に撮影部(レンズ部)26Aを有している。
【0047】
カメラユニット23はハウジング22内に格納された格納位置(図2参照)と、図1に示す下降位置(図3参照)との二位置間を昇降する。ハウジング22の前面下部には、格納位置に配置されたカメラユニット23の撮影部26Aと相対する位置に撮影窓22Aが形成されており、格納位置からでもカメラ26によってフォーク2の前面の画像を撮影できるようになっている。つまりカメラ昇降装置21ではカメラ26によって格納位置と下降位置の二位置からフォーク2の真正面(前正面)の画像を撮影できる。
【0048】
ルーフ27には運転席9に立つ運転者からよく見える位置に表示装置(液晶ディスプレイ装置(LCD))28が取り付けられている。荷役作業時にカメラ26によって撮影されたフォーク真正面の棚やパレットの画像が、表示装置28の画面に映し出されるようになっている。
【0049】
以下、キャリッジ18およびカメラ昇降装置21の構成について説明する。ここで、図2,3,7はキャリッジの正面視を示し、図2はカメラユニットの格納状態、図3はカメラユニットの下降状態、図7はキャリッジのサイドシフト(左右移動)状態をそれぞれ示す。また図4はキャリッジの側断面視を示し、図8はキャリッジの平面視を示す。また図5,6はカメラ昇降装置を示し、図5は正断面視、図6は一部分解斜視をそれぞれ示す。
【0050】
まずカメラ昇降装置21が取付けられているキャリッジ18の構造について、図4,6,7に基づいて説明する。
キャリッジ18は、リフトブラケット30、フィンガバー31、シフタ(サイドシフタ)32、バックレスト24およびフォーク2から構成される。なお、フォーク2はアタッチメントであるため、荷役作業の用途に応じて他のアタッチメントと交換可能である。
【0051】
リフトブラケット30はマスト13間に昇降可能に配備されている。すなわちリフトブラケット30はインナマスト17の案内面(内面)上を転動するローラ30A(図4に示す)をその両側面に複数個(2個)ずつ備え、チェーン(図示せず)により昇降可能に吊り下げ支持されている。フィンガバー(傾動支持部材)31はリフトブラケット30に対し前後に傾動可能な状態で支持されている。シフタ32はフィンガバー31に対し左右にスライド可能な状態で取付けられている。すなわちフィンガバー31の上下両端に固定された車幅方向に延びる上下一対の支持レール33に対し、シフタ32の二本のガイドレール34がそれぞれ係合することで、シフタ32はレール33に沿って車幅方向(左右方向)にスライド可能となっている。バックレスト24はシフタ32の上部に固定されている。またフォーク2はシフタ32に着脱可能に取り付けられている。
【0052】
リフトブラケット30には、フィンガバー31を傾動させるティルトシリンダ35が配設されている。ティルトシリンダ35が駆動されることでフィンガバー31は傾動動作し、これによってフォーク2がティルト動作する。またフィンガバー31の上部にはサイドシフトシリンダ36が設けられており、そのピストンロッド36Aはシフタ32と連結されている。サイドシフトシリンダ36が駆動されることにより、シフタ32はフィンガバー31に対してその幅中心(図3における▼印)から左右に一定距離(例えば50〜100mm内の設定値)ずつ相対移動可能となっている。
【0053】
次に、カメラ昇降装置21の構成を、図2〜図9に基づいて詳述する。
カメラ昇降装置21は、シフタ32の幅中央部に組付けられた左右一対のガイドレール40A,40Bを備えている。カメラユニット23は、左右のガイドレール40A,40Bに案内されて昇降可能に支持されている。カメラユニット23のケース25は断面コ字形の柱状で、その底部にカメラ26の収容空間を区画する隔壁25Aが形成されている。カメラ26はレンズ部26Aを一部除くその周りを緩衝材(防振ゴム)37によって覆われている。運転者の誤操作などによってカメラユニット23が周辺の障害物と仮に衝突しても、その際の衝撃を緩衝材37が吸収するため、カメラ26が衝撃から保護される。また、左右のガイドレール40A,40Bには十分剛性のあるマストレール材が使用されており、運転者が誤操作でケース25を棚などに衝突させて多少の衝撃が加わっても簡単には壊れないように剛性のある材料で覆っている。
【0054】
ケース25の左右側壁には、それぞれ上下2個ずつのローラ(ローラベアリング)41が回転可能に設けられている。各ローラ41はガイドレール40A,40B上を転動する。ケース25の左右側壁には、上下一対のローラ41間にスラスト荷重を受けたときの軸受として機能する受圧部材としての樹脂ブロック42がそれぞれ固定されている。樹脂ブロック42はローラ41にスラスト荷重が掛からないようにガイドレール40A,40Bの内壁と摺接する。
【0055】
バックレスト24において、左右のレール40A,40B間に相当するその上部領域には支持板24Aが固定されており、この支持板24A上にアクチュエータとしての電動モータユニット(電動アクチュエータ)43が配設されている。電動モータユニット43は、電動モータ44、ギヤボックス45および回転体としてのドラム46を備えている。ドラム46内には可撓性動力伝達部材としてのワイヤ47が巻回されている。ドラム46から下方へ延びるワイヤ47はケース25の幅中心線上に位置し、その下端はテンショナー48を介してケース25の内壁に連結されている。電動モータ44が正逆転駆動されることにより、ギヤボックス45を介してドラム46が正逆転をし、ドラム46に巻回されたワイヤ47が巻き取りおよび繰り出しされるようになっている。電動モータ44によるワイヤ47の巻き取り・繰り出しによりケース25を昇降させる。
【0056】
またケース25内には付勢手段としてのガスダンパ49が配設されている。左右のガイドレール40A,40Bの上端部はビーム材(板材)50で連結されており、ガスダンパ49の基端部はこのビーム材50に固定されている。ガスダンパ49はケース25の幅中心位置に上下に延びる状態に配置され、その下端側にピストンロッド51を配置した向きにある。ピストンロッド51の下端部はケース25の隔壁25Aと連結固定されている。ガスダンパ49はケース25を下方へ押圧付勢する状態にある。
【0057】
電動モータユニット43から延びるワイヤ47は、カメラユニット23をその自重およびガスダンパ49の押圧力による下向きの力に抗して吊り下げ支持している。よって、電動モータユニット43からワイヤ47が繰り出されることでカメラユニット23は下降し、ワイヤ47が巻き取られることによってカメラユニット23は上昇する。
【0058】
ビーム材50には左右一対のストッパ(L字型ブラケット)52が固定されており、カメラユニット23の上昇時にケース25の上端面がストッパ52に当たることにより、カメラユニット23は上限位置に位置規制される。またケース25の側壁内面にはL字型ブラケット53が固定されており、カメラユニット23の下降時に、シフタ32に固定されたストッパ(L字型ブラケット)54にこのブラケット53が当たることにより、カメラユニット23は下限位置に位置規制される。
【0059】
また図4に示すように、シフタ32には、カメラユニット23の格納位置(上昇位置)と下降位置とを検知するための位置検知スイッチ(リミットスイッチ)55,56が配設されている。ケース25には、カメラユニット23が上限位置に達する少し手前で上限位置検知スイッチ55により検知され得る部位に被検知部(凸面)が形成されている。また、ケース25には、カメラユニット23が下限位置に達する少し手前で下限位置検知スイッチ56により検知され得る部位に被検知部(凸面)が形成されている。本例では、2つの位置検知スイッチ55,56を、ケース25の左右側壁と個別に相対する二位置に配置し、ケース25の左右側壁端面(側壁背面)に上下方向に高低差(凹凸)をつけた面加工を施すことにより、被検知部(凸面)を面加工により形成している。
【0060】
カメラユニット23の上昇時は上限位置検知スイッチ55の検知用触子が凸面(被検知部)に乗り上げることで、カメラユニット23が上限位置に達したことが検知され、カメラユニット23の下降時は下限位置検知スイッチ56の検知用触子が凸面(被検知部)に乗り上げることで、カメラユニット23が下限位置直前に達したことが検知される。つまり各位置検知スイッチ55,56によって、カメラユニット23の上限エンドと下限エンドが検知される。電動モータユニット43は、各位置検知スイッチ55,56の検知信号を基に停止制御される。なお、ケース25に部材(ドグ)を取り付けて被検知部とすることもできる。
【0061】
ケース25内にはケーブルベア57が設けられており、カメラ26の電気配線はケーブルベア57の中を通って配線されている。カメラ26の電気配線は電動モータユニット43や各種スイッチ55,56などの他の電気配線と共に、インナマスト17に取着されたプーリ(図示せず)を経由して車体3内のコントローラ58と接続されている。なお、ガイドレール40A,40B、ローラ41、ワイヤ47、ガスダンパ49などにより移動機構及び昇降機構が構成される。
【0062】
ここで、カメラ昇降機構として、ワイヤ47とダンパ49を使用する連結構成を採用した理由を説明する。一つの理由は、故障などの異常時における機器の破損等の防止のためである。すなわち電源等の故障で電動モータ44が万一動かなくなってカメラユニット23が下降したまま上昇できなくなったときに、フォーク2を最下降させてカメラユニット23が床面に衝突することがあり得るが、このときのカメラ26や電動モータ44に加わる衝撃を極力小さく抑える。カメラユニット23が床面に衝突した際は、その衝撃力に逆らわずワイヤ47が弛むとともにガスダンパ49が衝撃吸収をするので、カメラ26の破損を回避できる。また、ワイヤが弛むのみで電動モータ44には衝撃が伝わらないので、電動モータ44が破損する心配もない。
【0063】
またワイヤ47とダンパ49を使用する連結構成を採用することによる不都合も少なからずあるため、これを解決する構成ともなっている。例えばカメラユニット23にガタがあると、画像振れによる画像品質低下や、カメラ振動による早期故障が心配される。そのため、カメラユニット23の上昇位置と下降位置においてカメラ位置が固定されるようにしている。つまり、カメラユニット23の上昇位置(格納位置)では、電動モータ44のギヤボックス45内にあるウォームギヤによってドラム46がロックされ、下方に引っ張られた状態で張ったワイヤ47の上端をロックして、カメラ26を不動な状態に位置固定する。また、カメラユニット23の下降位置では、ワイヤ47に張力がないもののガスダンパ49の下方の押圧力でカメラ26にガタがでないようにしている。よって、カメラ26にガタがないようにカメラ位置を固定できるので、画像振れやカメラ振動が抑えられる。
【0064】
また、電動モータユニット43からワイヤ47を繰り出す際におけるカメラユニット23の下降速度は、カメラユニット23の自重に依存させただけでは高速化が困難なため、下降速度を高速化させるための機能もガスダンパ49は有している。よって、ガスダンパ49によりカメラユニット23は速やかに下降する。また、カメラユニット23の昇降速度はガスダンパ49のストローク速度によって制御されるため、カメラユニット23の昇降速度がほぼ一定となる。なお、ガスダンパ49の押圧力は、あまり大きくし過ぎると電動モータ44に大きな動力が必要になるので、上記目的および機能に合った適切な値に設定されている。
【0065】
図9はワイヤとケースとの連結部に介在するテンショナーを示す側断面である。テンショナー48は、ケース25の前面内壁にボルト60によって固定された固定ホルダ61と、固定ホルダ61の下側に対向配置される可動ホルダ62と、両ホルダ61,62間に介装されたバネ(スプリング)63とから構成されている。ワイヤ47は、固定ホルダ61と可動ホルダ62の各軸心位置に形成された各貫通孔61A,62Aを貫通すると共に、ワイヤ47の下端に固定された円柱状のストッパ64が可動ホルダ62の底壁上の凹部に係止した状態にある。バネ63は両ホルダ61,62の対向箇所に形成された溝61B,62B内に上下端を収納する状態に装着されている。同図(a)は、ワイヤ47が繰り出されてカメラユニット23が下降する過程およびカメラユニット23の停止時の状態を示す。また同図(b)は、ワイヤ47が巻き取られてカメラユニット23が上昇する過程の状態を示す。
【0066】
同図(a)に示すように、ワイヤ47が繰り出される際およびケース25の停止時は、ワイヤ47が多少弛み気味に繰り出されてもワイヤ47はバネ63によって下方へ引っ張られることによりワイヤ47に張力が付与される。ワイヤ47が巻き取りされる際は、同図(b)に示すように、ワイヤ47が巻き取られる際の張力によってバネ63が圧縮されて両ホルダ61,62が当接し、この当接状態のままケース25は上方へ引き上げられる。よって、ワイヤ47の巻き上げ時に比べ、ワイヤ47に弛みが起き易いケース25の下降時または停止時には、テンショナー48によってワイヤ47は常に張力が付与された状態に保たれる。このため、ワイヤ47の弛みが原因で電動モータユニット43のドラム46内で起こるワイヤ47の乱巻きなどの不具合が発生し難くなる。
【0067】
次に、カメラユニットの格納位置と下降位置について説明する。
図2に示すように、格納位置にあるときのカメラ26の撮影高さ、すなわちハウジング22の撮影窓22Aの高さは、フォーク2の上面(荷載置面)高さより少し高い位置に位置設定されている。フォーク2を使って荷役作業を行う際は、フォーク2を高さ方向および左右方向に位置決めする必要があることから、撮影位置は、車幅方向には二本のフォーク2の中央部で、高さ方向にはフォーク2(詳しくはフォークが前方へ延出する荷取り部)の高さとほぼ同じ高さであることが望ましい。しかし、カメラユニット23がキャリッジ18から突出していると周辺の障害物等との干渉が心配されるため、この実施形態では、カメラユニット23をキャリッジ18にほぼ完全に格納できる範囲で、フォーク2の高さにできるだけ近づけられる高さに撮影部(レンズ部)26Aを配置できるよう格納位置を設定している。
【0068】
つまり、フォーク2は、シフタ32等のフォーク2以外のキャリッジ部分底面高さより少し下方に位置するので、格納位置における撮影部26Aの位置は、フォーク2の上面より少し高い位置となる。撮影位置はフォーク2の上面より少し高くなっているものの、その距離は、本実施形態では、フォーク2の上面から20cm以内の範囲と僅かであるので、十分許容できる範囲である。また車幅方向には、二本のフォーク2の中央部に撮影部26Aが位置するので、二本のフォーク2の位置を見定めるのに最適な角度から撮った画像を提供できる。よって、第1の撮影位置として設定された格納位置では、フォーク2の略正面を撮影可能である。ここで、格納位置は荷役具としてのフォーク2と「略同一の高さ」と認められる範囲にあり、例えばフォーク2の先端を撮るときの仰角が10度以内の範囲となる撮影位置であれば「略同一の高さ」の範囲とみなし得る。
【0069】
なお、フォークの種類の違いやアタッチメントの種類の違いなどによって、格納位置での撮影視点とアタッチメント(荷役具)との高さ方向距離が許容できないほど離れる場合は、カメラユニットを荷役具の底面より上方の範囲内で、荷役具以外のキャリッジから突出する格納位置としてもよい。この場合、床面に当たるのは荷役具でカメラユニットが床面に当たることはない。また、カメラユニット23がほぼ完全に格納される格納位置では撮影はせず、撮影時には荷役具の高さにまで下降する構成でもよい。
【0070】
ここで、フォーク2上に荷が無ければ、格納位置においも撮影窓22Aからフォーク真正面の作業エリアを撮影できるが、フォーク2上に荷があるときは、フォーク2上の荷が邪魔になって撮影窓22Aからはフォーク真正面の作業エリアを撮影できない。このため、フォーク2を位置決めする際に、フォーク2上に荷がない荷取り時はカメラユニット23を格納位置に配置し、フォーク2上に荷がある荷置き時のみカメラユニット23を格納位置から下降位置に下降させる。第2の撮影位置としての下降位置は、フォーク2上の荷(パレット)に妨げられず作業エリアを撮影可能な高さ位置で、フォーク2の下面より所定距離下方の位置に設定されている。下降位置としては、フォーク2上の荷の先端(前端)を撮る仰角が例えば5度を超えることが望ましい。本実施形態では、カメラユニット23の格納位置から下降位置までの移動距離は、例えば20〜40cmの範囲内の値である。この移動距離(下降距離)が長いほど作業エリアの視野範囲を広げられるが、この距離が長過ぎると、カメラユニット23の移動に時間がかかり過ぎたり、フォーク2が最下降するまでにカメラユニット23を格納し切れないなどの不都合があるため、これらの点を考慮して移動距離は設定されている。
【0071】
次に、荷役操作支援装置20の電気的構成を説明する。
図10に示すように、コントローラ58には、カメラ(CCDカメラ)26、電動モータ44(電動モータユニット43)、上限位置検知スイッチ55,下限位置検知スイッチ56、揚高センサ70、荷重センサ71が接続されている。またコントローラ58には、リフトレバー72,リーチレバー73,サイドシフトレバー74,ティルトレバー75の操作を検知する各センサ76,77,78,79、および操作ボタンスイッチ80が電気的に接続されている。またコントローラ58には、表示装置28、荷役モータ81、各種電磁切換弁82,83,84,85のソレノイドと電気的に接続されている。各種電磁切換弁82,83,84,85は、荷役系油圧回路を構成するオイルコントロールバルブ86に組付けられたもので、リフト用電磁切換弁82、リーチ用電磁切換弁83、サイドシフト用電磁切換弁84、ティルト用電磁切換弁85である。
【0072】
揚高センサ70は、フォーク2の揚高を検出するもので、例えばマスト13の所定高さに取り付けられたリミットスイッチで構成される。また揚高を連続的に検出できる揚高センサを使用することもできる。揚高を連続検出可能な揚高センサとしては、例えばワイヤの繰り出し量をドラム回転量から検出するワイヤ巻取式センサが挙げられる。もちろん、リフトシリンダのストローク長を検出するストロークセンサを使用することもできる。揚高センサ70は、スイッチであれば設定揚高を検知したときに検知信号をコントローラ58に出力する。また揚高を連続検出可能な揚高センサであれば、フォーク2の揚高に応じた値の検出信号をコントローラ58に出力する。
【0073】
荷重センサ71は、フォーク2上の荷の重量を検出するもので、例えば圧力センサにより構成される。荷重センサ71はフォーク2上の荷の重量に応じた値の検出信号をコントローラ58に出力する。
【0074】
また操作ボタンスイッチ80は、例えばリフトレバー72のノブに設けられ、後述するフォーク位置決め制御を行うときに運転者が操作するものである。
荷役モータ81は荷役ポンプ87を駆動するためのもので、荷役ポンプ86の駆動によってオイルコントロールバルブ82に作動油を供給する。
【0075】
各種電磁切換弁82,83,84,85は、オイルコントロールバルブ86内における油路の切換制御に使用され、電磁切換弁82,83,84,85による油路の切換制御によって、リフトシリンダ14,リーチシリンダ12,サイドシフトシリンダ36、ティルトシリンダ35がそれぞれ油圧制御される。コントローラ58は荷役操作がなされたことによって各センサ76,77,78,79のいずれか一つから検知信号を入力すると、電磁切換弁82,83,84,85のうちその検知したセンサに対応する電磁切換弁を電流値制御し、シリンダ12,14,35,36のうちその荷役操作に応じたシリンダを駆動させる。
【0076】
すなわち、リフトレバー72を操作することによりリフトシリンダ14が駆動され、これによってフォーク2の昇降操作が可能となっている。またリーチレバー73を操作することによりリーチシリンダ12が駆動され、これによってフォーク2(荷役装置11)のリーチ操作が可能となっている。さらにサイドシフトレバー74を操作するとサイドシフトシリンダ36が駆動され、これによってフォーク2のサイドシフト操作が可能となっている。またティルトレバー75を操作するとティルトシリンダ35が駆動され、これによってフォーク2の傾動操作が可能となっている。
【0077】
コントローラ58は、主制御部90、カメラ昇降制御部91,画像生成部92,画像処理部93および荷役制御部94などを備えている。カメラ昇降制御部91は、揚高センサ70、荷重センサ71および位置検知スイッチ55,56から入力する各信号を基に電動モータ44を駆動制御するものである。
【0078】
画像生成部92は、CCDカメラ26から入力された画像信号を基に画像データを生成し、画像データを表示装置28に出力することで、表示装置28の画面にカメラ26の撮影画像を表示させる。画像処理部93は、画像生成部92で生成された画像データを基に画像認識処理を行い、フォーク2の位置を割り出す演算と、フォーク2を位置決めのために移動させるべき方向(上下と左右)および距離の演算とを行う。そして、画像処理部93は、演算で求めた方向および距離だけフォーク2を移動させるための位置制御データ(各方向のシフト量)を荷役制御部94に出力する。
【0079】
荷役制御部94は、各センサ76〜79からの信号を基に電磁切換弁82〜85の電流値制御と荷役モータ81の駆動制御を行う。また、荷役制御部94は、画像処理部93からの位置制御データを基にリフト用電磁切換弁82とサイドシフト用電磁切換弁84を電流値制御して、リフトシリンダ14とサイドシフトシリンダ36を駆動制御する。なお、主制御部90、カメラ昇降制御部91,画像生成部92,画像処理部93および荷役制御部94はマイクロコンピュータおよびメモリによって構成される。
【0080】
ここで、画像認識処理について説明する。
パレットおよび棚には荷取りや荷置きをする際の正面所定箇所に、位置検出用マークが記されている。コントローラ58はカメラ26が捕らえた画像を画像処理することで、画像認識処理(例えばプレートマッチング処理)によってマークの位置を割り出してパレットに対するフォーク2の位置のずれ量を算出する。そして、算出した位置のずれ量を補完するようにフォーク2を上下または左右に移動させて、フォーク2をパレットの差込穴と一致する正規の位置に自動制御によって位置合わせする。フォーク2がパレットの差込穴に一致していることが運転者の目線から確認できる低揚高では自動制御は行われず、フォーク2が所定高さ以上の高揚高にあるときにだけこの自動制御が実行される。本実施形態では、この自動制御が実行される高揚高範囲を2メートルを超える範囲に設定している。
【0081】
位置決め自動制御を実行する揚高範囲を2メートルを超える範囲に設定しているのは、フォーク2を最下降させるときにフォーク2が最下降位置に達するまでにカメラユニット23の格納位置への上昇を完了させるためである。つまり、カメラユニット23の格納のための上昇を開始しなければならない揚高Hoは、カメラユニット23の格納所要時間T1秒、フォーク2の最大下降速度V1とすると、揚高Ho =V1×T1で表され、この揚高Ho に少し余裕をみた揚高H(=Ho +ΔH)以下では、カメラユニット23の上昇動作を強制し、カメラユニット23の床面への衝突を回避するよう設定している。この実施形態では、この揚高Hの値を2メートルとし、2メートル以下の揚高範囲をカメラユニット23を強制的に格納させる格納作動範囲とし、2メートルを超える揚高範囲でのみ位置決め自動制御を行う。荷置き時にカメラユニット23を下降できない格納作動範囲(本例では2メートル以下)の制限があるものの、フォーク2の低揚高時は、運手者の目線からでもフォーク2が棚やパレットに対して位置合わせされたかどうかをある適度正確に判断できるため、荷役作業上特に不都合はない。
【0082】
コントローラ58は、荷重センサ71から入力する信号の検出値を基にフォーク2上の荷の有無を判断する。フォーク2上に荷が無いと判断したときは荷取りモードとし、フォーク2上に荷があると判断したときは荷置きモードとする。荷取りモードのときは、カメラユニット23の撮影する位置を格納位置とし、荷置きモードのときは、カメラユニット23の撮影位置を下降位置とする。フォーク2の揚高が、上記格納作動範囲を外れ2メートルを超える高揚高範囲にあるときは、荷取りモードではカメラユニット23を下降位置にあれば格納位置に配置するよう上昇制御し、荷置きモードではカメラユニット23を格納位置にあれば下降位置に配置するよう下降制御する。例えばフォーク2上に荷を載せた荷置きモードで、フォーク2を格納作動範囲内の揚高から2メートルを超える高所に上昇させるときは、2メートルを超える高揚高範囲に入ると、カメラユニット23の下降が開始される。
【0083】
但し、カメラユニット23の上昇制御と下降制御の切り換わり点が2メートルの一点であると、2メートル付近の揚高位置でチャタリングが起きる心配があるので、実用上は、上昇と下降の切り換わりの揚高にヒシテリシスを設けることが望ましい。このため、本実施形態では、詳細には、揚高2000mm以下あるいは荷取りモードでカメラユニット23を下降位置から格納位置に上昇させ、揚高2050mm以上かつ荷置きモードでカメラユニット23を格納位置から下降位置に下降させる制御ロジックを採用する。この場合、揚高センサ70がリミットスイッチであれば、2000mmと2050mmの2種類の揚高を検知できるようにスイッチ式の揚高センサ70を2箇所に配置する。
【0084】
フォークの位置決め自動制御を行いたいときは、リフトレバー72のノブに設けられた操作ボタンスイッチ80を操作する。パレットには差込穴のある側面の一定箇所にパレット位置検出用マークが貼り付けまたは印刷され、棚の棚面を形成する各棚部(横架材)にはその正面の一定個所に棚位置検出用マークが貼り付けまたは印刷されている。コントローラ58は、操作ボタンスイッチ80の操作を検知すると、自動位置決めモードに入り、カメラ撮影画像の画像認識処理を実行する。荷取りモードのときはパレット位置検出用マークを識別し、そのマークの画面上の3次元位置座標を割り出す。一方、荷置きモードのときは棚位置検出用マークを識別し、そのマークの画面上の3次元位置座標を割り出す。荷取りモードか荷置きモードかが決まれば、撮影画面においてフォーク2が位置決め目標とすべき正規の位置にあるときにマークがあるべき3次元位置座標(目標位置座標)(Xo,Yo,Zo)が決まる。マークの認識位置座標(X1,Y1,Z1) と目標位置座標(Xo,Yo,Zo) とからと、この3次元空間において上下と左右の二次元平面座標(XY平面座標)(X1 1)と(Xo o)を一致させるためのフォーク2の上下方向および左右方向のシフト量を演算する。そして、この演算結果を荷役制御部94に送り、荷役制御部94は演算結果のシフト量だけフォーク2を移動制御させるように電磁切換弁82,84を制御する。この結果、コントローラ58による自動制御によってフォーク2がその際の荷役モード(荷取りモードまたは荷置きモード)に応じた目標位置に位置合わせされる。
【0085】
すなわち、荷取りモードであれば、フォーク2がパレットの差込穴に一致するよう自動位置制御される。また荷置きモードであれば、フォーク2が棚の格納部に対しフォーク幅中心が格納部幅中心に一致した状態で棚面よりも一定距離(約10〜20cmの範囲内の値)上方の設定高さに配置されるよう自動位置制御される。
【0086】
ここで、たとえフォーク2が正規の位置に位置合わせされても、パレットが僅か(2,3度)に傾いているだけでフォーク2はパレットに差し込まれない。このため、フォーク2の上下方向と左右方向の位置制御は自動で行うが、パレットの差込穴にフォーク2を挿入する最後のリーチ動作は、運転者自身が判断して操作するようにしている。なお、その他の自動制御として、フォーク2のティルト角を角度センサ(例えばポテンショメータ)でみて、フォーク2を水平に角度制御する自動水平制御を採用している。
【0087】
また、カメラ昇降装置21がシフタ32に組付けられていることから、フォーク2の左右方向の移動と共にカメラユニット23も一緒に移動する。すなわち、図3に示すようにシフタ32の幅中心がキャリッジ18(リフトブラケット30)の幅中心(▼印位置)に一致する状態のときは、フォーク2とカメラユニット23の幅中心は共にキャリッジ18の幅中心に一致する。そして図7に示すように、シフタ32を例えば右方向(図面に向かって左方向)に移動させたときには、フォーク2とカメラユニット23は共にシフタ32と一緒に右方向に移動し、シフタ32の幅中心(▽印位置)がキャリッジ18の幅中心(▼印位置)からずれても、フォーク2とカメラユニット23の幅中心は共にシフタ32の幅中心に一致する。このため、サイドシフト機構を備えたキャリッジ18で、フォーク2を左右にサイドシフトさせても、常に2本のフォーク2間中央位置からの撮影が可能となる。よって、サイドシフト機能によりフォーク2を左右に移動させたときに、表示装置28の画面上に映し出される画像の撮影角度が変化することがない。つまり常にフォーク2の真正面の画像を捕らえるので、撮影画像からフォーク2の位置確認をより正しくできるとともに、画像認識処理する際にも撮影角度の違いを考慮した演算が不要で、演算内容簡易化および演算時間短縮に寄与する。
【0088】
また、荷置きモードの必要時のみカメラユニット23を下降させて撮影エリアをなるべく広く確保するようにしている。このため、荷置きのときでも、下降位置からの撮影によってフォーク2上に荷があっても荷にあまり遮られず、作業エリアが広い範囲で撮影される。このため目標のマークが撮影範囲から外れる頻度が少なく、マークが撮影範囲から外れることに起因する制御の遅れが起き難い。また荷置きモードである必要時のみカメラユニット23を下降させることから、下降させたカメラユニット23を誤操作などによって棚に当てて破損させる心配を極力減らすことができる。またカメラユニット23を下降させるときの電動モータユニット43の駆動音などが騒音と原因となる心配があるが、必要時のみカメラユニット23を下降させることで、この種の駆動音による騒音も極力減らすことができる。
【0089】
この実施の形態では、以下の効果が得られる。
(1)電動モータユニット43を使用してカメラユニット23を昇降させる機構であるため、カメラユニット23をフォーク2の高さに制約されず任意に昇降させることができる。そしてカメラユニット23を必要時のみ下降させるので、キャリッジ18から突出した状態(下降位置)にあるカメラユニット23が誤操作などによって周辺物(棚など)に当たる不具合を極力減らすことができる。またフォーク2の最下降時にはカメラユニット23が自動格納されるため、カメラ26の破損を防止できる。
【0090】
(2) カメラ26がフォーク根本部に配置されるため、フォーク正面の作業エリアを運転者にとって最も作業し易い撮影角度から撮影できる。これはフォーク位置合わせの作業時間の短縮に繋がる。フォーク中心から左右にシフトしたカメラ位置で目標物を斜めから撮影した画像であると、目標物に対するフォーク位置を算出する演算処理が複雑になるが、正面からの撮影画像を用いるので、目標物に対するフォーク位置を算出する演算処理が比較的簡単で済む。またカメラ26が2本のフォーク間中央部に位置することから、目標物をほぼ中央に据えて広い領域を見ることができ、表示装置28の画面上の視野、および画像処理のための視野を広く確保できる。
【0091】
(3) 荷を積んだ荷置きモードの場合はカメラ26をフォーク2の下方へ下降させることにより、前方視野を確保できるため、運転者は荷置き時にも表示装置28の画面を通して作業エリアを確認できるうえ、フォーク2の位置決め自動制御の支援を受けることができる。
【0092】
(4) カメラ昇降装置21をシフタ32に取り付けたことにより、左右方向におけるフォーク2との相対位置が常時変化しない位置にカメラ26が配置されるので、フォーク2をサイドシフトさせたときにもカメラ画像は左右にオフセットしない。よって、フォーク2が左右のどのシフト位置にあっても常時同じ撮影角度からの画像を見て荷役作業をすることができ、運転者が違和感を覚えることがない。またフォーク2を左右にシフトさせてもフォーク正面の撮影角度が変化しないことから、画像処理の演算も比較的簡単で済む。
【0093】
(5) ワイヤ47を介して吊り下げるとともにガスダンパ49により下方へ押圧付勢した構成を採用している。このため、万一、電動モータユニット43が故障し、フォーク2を最下降させる際にカメラユニット23が下降位置から上昇しなかったとしても、カメラユニット23が床面に当たったときのカメラ26の衝撃はガスダンパ49が吸収するため、カメラ26の破損を防ぐことができる。また、この際の衝撃は電動モータユニット43には伝わらず、電動モータユニット43の破損も防止できる。
【0094】
(6) カメラユニット23の上昇位置では、電動モータ44のギヤボックス45内にあるウォームギヤでドラム46をロックし、ワイヤ47を張力のかかった状態のままロックすることで、カメラ26を不動な状態に固定することができる。また、カメラユニット23の下降位置では、ワイヤ47に張力があまりなくてもガスダンパ49の下側への押圧力でカメラ26にガタがでない。よって、カメラ26にガタがないようにカメラ位置を固定できるので、振動によるカメラ26の故障を画像振れや招く恐れがない。また画像振れが抑えられることから、カメラ26からの画像を処理して行われるフォーク2の位置決め精度を高く保つことができる。
【0095】
(7) ガスダンパ49のストローク速度によってカメラユニット23の昇降速度が決まるので、カメラユニット23の昇降速度をほぼ一定にすることができる。
【0096】
(8)またテンショナー48があることで、カメラユニット23の下降時や停止時におけるワイヤ47の弛みを抑制できるため、電動モータユニット43のドラム46内におけるワイヤ47の乱巻きを防ぐことができる。
【0097】
(9) スライド部であるガイドレール40A,40Bには、高剛性かつ高荷重のレール材を使用しているので、運転者が誤操作でケース25をぶつけても破損や変形等することがない。
【0098】
なお、実施の形態は上記に限定されず、次の態様での実施も可能である。
○ 可撓性動力伝達部材を使ってカメラユニット23を吊り下げる機構は、前記第1の実施形態の構成に限定されない。例えば図11に示すように、電動モータ96とベルト97を使用する構成でもよい。アクチュエータとしての電動モータ96の出力軸にはドラム98が連結されており、ドラム98に巻回されたベルト97の下端にカメラユニット23は吊り下げ支持されている。電動モータ96が駆動制御されることによりドラム98が正逆転制御され、ベルト97の巻き取りおよび繰り出しが行われ、これによってカメラユニット23はガイドレール40A,40Bに案内されて昇降制御される。同図ではカメラ昇降装置の機構部分のみ示しているが、センサ類や制御内容等については前記実施形態と同様である。この構成によっても、ワイヤ47がベルト97に替わっただけで機構の基本原理は同じなので、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0099】
○ 可撓性動力伝達部材を使用し、カメラユニット23を可撓性動力伝達部材を介して吊り下げ支持する機構に限定されない。例えば図12に示すように、アクチュエータとして油圧シリンダ99を使用し、油圧シリンダ99のピストンロッド99Aの先端(下端)にカメラユニット23を直接連結する。油圧シリンダ99が駆動されることでピストンロッド99Aが伸縮駆動されることにより、カメラユニット23は昇降する。油圧シリンダ99はその油圧回路に設けられた電磁切換弁(図示せず)がコントローラによって励消磁制御されることにより駆動制御され、コントローラによりカメラユニット23は昇降制御される。同図ではカメラ昇降装置の機構部分のみ示しているが、センサ類や制御内容等については前記実施形態と同様である。この構成によっても、カメラユニット23を、揚高に関係なく任意の揚高で昇降させることができる。よって、キャリッジ18から突出するカメラユニット23が誤操作などにより周辺物と干渉する頻度を極力減らすことができる。その他、可撓性動力伝達部材に因らない効果を、前記実施形態と同様に得ることができる。さらに油圧シリンダ99なので、電動アクチュエータに比べ衝撃に十分強く、仮にカメラユニット23から衝撃がピストンロッド99Aに伝わっても破損し難い。なお、アクチュエータとして油圧シリンダに替え、空圧シリンダを使用することもできる。
【0100】
○ カメラユニットはキャリッジの下方に出没する機構に限定されない。例えばフォーク以外の荷役具を使用する場合は、その使用する荷役具の種類によっては、キャリッジの上方に出没するようにカメラユニットを昇降させる構成でもよい。
【0101】
○ アクチュエータはキャリッジに取付けられていることに限定されない。例えばアウタマストにアクチュエータを取付け、ワイヤやベルト、チェーンなどの可撓性動力伝達部材を介してカメラユニットに連結させる構成を採用することもできる。この場合、フォークを上昇させるリフトシリンダ等の荷役具昇降駆動用の駆動手段と同期させるようにアクチュエータを駆動制御し、カメラユニット23をキャリッジに対し昇降させるときのみアクチュエータを独立に制御する。この構成によると、ワイヤやベルト等の可撓性動力伝達部材が長く必要になるものの、カメラユニット23を昇降制御することはできる。
【0102】
○ 荷役具とカメラユニットとを相対移動させる移動機構は、荷役具をキャリッジ18に対し移動可能とする機構であってもよい。この場合、カメラユニットはキャリッジに固定され、アクチュエータによって荷役具をキャリッジに対し移動駆動させる。この構成によっても、荷役具とカメラユニットとの相対位置を変更できるので、撮影位置を移動させることはできる。もちろん複数のアクチュエータによってカメラユニットと荷役具の両者を駆動させる構成でも構わない。
【0103】
○ 可撓性動力伝達部材によってカメラユニット23を吊り下げる構成で使用するアクチュエータは、電動モータなどの回転式アクチュエータに限定されない。例えば油圧シリンダや空圧シリンダなどのシリンダを使用することもできる。すなわちシリンダのピストンロッドの先端にワイヤやベルト等の可撓性動力伝達部材を固定し、シリンダのピストンロッドの先端から可撓性動力伝達部材を介してカメラユニット23を吊り下げ支持することもできる。前記実施形態と同様に、カメラユニット23はダンパで下方へ押圧付勢する。シリンダを駆動させることによりカメラユニットは吊り下げ状態で昇降する。この構成によっても、可撓性動力伝達部材およびダンパを使用したことによる効果(カメラ破損防止等)が、同様に得られる。シリンダとしては、油圧シリンダ、空圧シリンダの他、電動アクチュエータとしての電動パワーシリンダが挙げられる。電動パワーシリンダを使用したときにはカメラユニット23の衝撃が伝わらないので破損防止を期待できる。また可撓性動力伝達部材としては、ワイヤ、ベルト、チェーンなどが挙げられる。
【0104】
○ 可撓性動力伝達部材は、アクチュエータのドラム等の回転体に巻き取り・繰り出される構成に限定されない。例えばワイヤやベルト等の可撓性動力伝達部材を掛装するプーリやスプロケットを介してカメラユニットを吊り下げた機構を採用することもできる。もちろんこの場合のアクチュエータはシリンダであっても構わない。
【0105】
○ 目標対象は荷役具の正面に限定されない。例えばフォーク以外のアタッチメントを使用する荷役作業の場合で、位置合わせの目標対象が正面以外の場合は、その目標対象を撮影できる向きにカメラユニットを配置する。例えば荷を上側から把持するクランプを荷役具として使用する産業車両では、クランプを具備した荷役機器の下方を撮影するようにカメラユニットを配置する。また、カメラユニットは上下に昇降する機構ではなく、前後または左右など上下以外の所定方向に移動する機構を用いるものでもよい。
【0106】
○ アクチュエータは、キャリッジ側ではなくカメラユニット側に配設されていてもよい。つまりキャリッジに対し移動する可動側のカメラユニットのケース内にアクチュエータを配設する。電気配線等の取り回しが複雑にはなるが、カメラユニットを移動可能に駆動させることはできる。
【0107】
○ ダンパは、ガスダンパに限定されない。油圧ダンパやスプリングダンパでもよい。
○ 産業車両はリーチ型フォークに限定されない。カウンタバランス型フォークリフトでもよい。また荷役用のマストを備えた、フォークリフト以外の産業車両であってもよい。
【0108】
前記各実施形態から把握できる技術思想を、以下に記載する。
(1)前記カメラユニットは前記アクチュエータの駆動によって前記キャリッジに対し出没可能に移動する。
【0109】
(2)前記移動機構は、前記カメラユニットを前記キャリッジに対し昇降させる昇降機構である。
(3)前記(2)の技術的思想において、前記カメラユニットは、前記アクチュエータが駆動されることによって、前記キャリッジの下方に突出する撮影位置と、前記キャリッジの下方に突出しない格納位置との二位置を昇降する。
【0110】
(4)前記アクチュエータは、前記格納作動範囲を除くこれより高揚高側の任意の揚高で、前記カメラユニットを撮影位置と格納位置との二位置に昇降させるよう駆動される。
【0111】
(5)前記キャリッジはその下端に前記荷役具が位置する構成のものであって、前記カメラユニットの前記撮影位置とは、前記カメラユニットが前記荷役具の下方に突出するように配置される位置であり、前記キャリッジの前記格納位置とは、前記カメラユニットが前記荷役具の下端より少なくとも上方に配置される位置である。
【0112】
(6)前記格納位置は前記荷役具以外のキャリッジ部分に格納される位置であり、前記撮影位置は、前記カメラユニットが前記荷役具よりも下方へ突出するように配置される位置である。
【0113】
(7)前記カメラユニットは前記荷役具の作業エリアを撮影する撮影部(26A)を有し、前記撮影位置とは、前記カメラユニットの撮影部が前記キャリッジの下方に突出するように配置される位置である。
【0114】
(8)前記(7)の技術的思想において、前記撮影位置とは、前記カメラユニットの撮影部が前記荷役具の下方に突出するように配置される位置である。
(9)前記カメラユニットは単一のカメラ(26)を備え、1つの撮影部(26A)を有する。
【0115】
(10)前記アクチュエータおよび前記昇降機構は、前記キャリッジに設けられている。
【0116】
(11)前記キャリッジが有する荷役具は一対のフォークであって、前記カメラユニットは車幅方向において該一対のフォーク間に昇降可能に配置されている。
【0117】
(12)前記(11)の技術的思想において、前記カメラユニットは車幅方向において前記一対のフォーク間略中央位置に配置されている。
(13)前記キャリッジが有する荷役具は一対のフォークであって、前記カメラユニットは該フォークの正面を撮影するとともに、前記キャリッジに対し前記一対のフォーク間中央位置に昇降可能に配設され、前記アクチュエータにより前記カメラユニットは前記キャリッジ内に格納される格納位置と、該格納位置よりも下方でかつ前記フォークの下面より下方に突出して位置する撮影位置との間を昇降するよう駆動される。
【0118】
(14)前記カメラユニットは前記荷役具の正面を撮影する撮影部を有する。
(15)前記可撓性動力伝達部材は、ワイヤ、ベルト、チェーン、ケーブルのうちいずれか1つである。
【0119】
(16)産業車両は前記荷役具が車体に対してリーチするリーチ型産業車両であって、前記カメラユニットは荷役具と共にリーチ移動可能に設けられている。この構成によれば、昇降式のカメラユニットは、荷役具をリーチさせるときに一緒に目標物(例えばパレットや棚)に近づくので、荷役具をリーチさせたときには目標物を大きく映し出すことができる。従って、荷役具を多少なりともリーチさせたときは、例えば撮影画面を通してする荷役具の位置合わせ操作がし易いとか、荷役具の位置が合ったかどうかの確認がし易いなどの効果が得られる。
【0120】
(17)産業車両は、前記マストが車体に対して前後方向に移動可能に設けられており、前記荷役具が前記マストの前後方向の移動によってリーチ動作するマストリーチ式である。
【0121】
【発明の効果】
以上詳述したように各請求項の発明によれば、カメラユニットを荷役具の揚高に関係なく任意の揚高で移動可能とし、高所で行われる荷役作業を、適切な撮影画像を提供することにより効果的に支援することができる。
【0122】
また、さらにカメラユニットの昇降にアクチュエータを用いても、カメラユニットが仮に床面に当たったときの衝撃が、アクチュエータへ伝わることを小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態におけるフォークリフトの斜視図。
【図2】 カメラ昇降装置を備えたキャリッジの正面図。
【図3】 カメラユニットを下降させた状態を示すキャリッジの正面図。
【図4】 キャリッジの側断面図。
【図5】 カメラ昇降装置の正断面図。
【図6】 カメラ昇降装置の一部分解斜視図。
【図7】 サイドシフト状態を示すキャリッジの正面図。
【図8】 荷役装置の一部平断面図。
【図9】 テンショナーの側断面図。
【図10】 荷役操作支援装置の電気的構成図。
【図11】 別例におけるカメラ昇降装置を備えたキャリッジの正面図。
【図12】 図11と異なる別例のカメラ昇降装置を備えたキャリッジの正面図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…荷役具としてのフォーク、3…車体、11…荷役装置、13…マスト、14…キャリッジ、23…カメラユニット、26…カメラユニットを構成するカメラ、26A…撮影部(レンズ部)、30…昇降部材としてのリフトブラケット、31…傾動部材としてのフィンガバー、32…サイドシフタ、40A,40B…移動機構及び昇降機構を構成するガイドレール、41…移動機構及び昇降機構を構成するとともに案内輪としてのローラ、42…移動機構及び昇降機構を構成するとともに受圧部材としての樹脂ブロック、43…アクチュエータ及び電動アクチュエータとしての電動モータユニット、44…アクチュエータを構成する電動モータ、46…回転体としてのドラム、47…移動機構及び昇降機構を構成するとともに可撓性動力伝達部材としてのワイヤ、48…テンショナー、49…移動機構及び昇降機構を構成するとともに付勢手段としてのガスダンパ、58…制御手段としてのコントローラ。
Claims (8)
- 車体に設けられたマストに沿って荷役用のキャリッジを昇降させる荷役装置を備えた産業車両において、
前記キャリッジに取り付けられた状態で該キャリッジが有する荷役具の作業エリアを撮影するカメラユニットと、
前記カメラユニットと前記荷役具との相対移動を可能とする移動機構と、
前記カメラユニットを前記荷役具に対して相対移動させるために駆動されるアクチュエータとを備え、
前記移動機構は、前記カメラユニットを前記キャリッジに対して昇降可能に支持する昇降機構であって、該昇降機構は、前記カメラユニットを吊り下げ支持する可撓性動力伝達部材と、前記カメラユニットを下方へ付勢するダンパとを備え、前記昇降機構では、前記カメラユニットは前記可撓性動力伝達部材を介して吊り下げ支持された状態で前記アクチュエータと作動連結され、前記アクチュエータは、その駆動によって正逆転駆動されると共に前記可撓性動力伝達部材を巻回する回転体を備え、前記アクチュエータの駆動によって前記回転体が正逆転駆動されることで該回転体から前記可撓性動力伝達部材が繰り出し及び巻き取りされることにより前記カメラユニットは吊り下げ支持された状態で昇降動し、前記キャリッジの下方に突出する撮影位置と、前記キャリッジの下方に突出しない格納位置との二位置に昇降するよう構成され、
前記キャリッジが最下降位置の揚高に達するまでに前記カメラユニットの格納位置への格納が完了するよう前記アクチュエータを駆動するとともに、その格納に必要な移動ストローク分の時間を確保するために低揚高側に設定された格納作動範囲を除きこれより高揚高側の範囲においては任意の揚高で、前記カメラユニットを撮影位置に下降させるよう前記アクチュエータを駆動制御する制御手段を備えた産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項1に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記格納位置も撮影する位置であって、前記制御手段は、前記カメラユニットを前記撮影位置に配置する下降と、前記格納位置に配置する上昇とを、前記格納作動範囲を除くこれより高揚高側の範囲内の任意の揚高で行うよう前記アクチュエータを駆動制御する産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項2に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記格納位置とは、前記カメラユニットの撮影部が前記荷役具の荷取り部と略同一の高さに配置される位置である産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項2に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記撮影位置とは、前記荷役具に取った荷に遮られることのない視点から作業エリアを撮影可能な位置である産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記キャリッジは前記マストに沿って昇降する昇降部材と、該昇降部材に対し傾動可能に設けられた傾動部材と、該傾動部材に対し車幅方向に移動可能に設けられたサイドシフタとを備え、
前記荷役具は前記サイドシフタに一体に取り付けられ、
前記カメラユニットは、前記サイドシフタに対し昇降可能に設けられている産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記昇降機構では、前記可撓性動力伝達部材と前記カメラユニットとの連結部には、前記可撓性動力伝達部材に張力を付与するテンショナーが介装されている産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記アクチュエータは、電動アクチュエータである産業車両におけるカメラ昇降装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の産業車両におけるカメラ昇降装置において、
前記昇降機構は、前記カメラユニットを昇降案内するガイドレールと、該カメラユニットのケース側面に設けられて前記ガイドレール上を転動する案内輪と、前記案内輪のスラスト方向の荷重を受ける受圧部材とを備えている産業車両におけるカメラ昇降装置。
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