JP3932985B2 - プレス成形装置およびプレス成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス成形装置およびプレス成形方法に関し、特に、磁気ディスク等に適用されるガラス基板等を製造するのに好適なプレス成形装置およびプレス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガラスやプラスチック等の原材料からなる基板を備えた磁気ディスクが幅広く用いられている。このような磁気ディスク用の基板は、極めて平滑な表面を有していることが求められることから、当初、ガラス材等を所定のサイズに切り抜くと共に、その表面を平滑に研磨することにより製造されていた。しかしながら、このようにディスク用の基板を1枚ずつ作製する手法は、多数の工程と手間を要するものであり、基板の製造コストを低減させる上で大きな問題を有していた。このため、近年では、基板の作製に際して、金型内でガラス等の原材料を加熱、加圧等することにより、その原材料に所望の形状を高精度に転写するプレス成形法が採用されるようになってきている。
【0003】
かかるプレス成形法は、一般に次のような手順に従って行われる。まず、上下の型間(固定型と可動型との間)に原材料となるガラス材等を配置し、金型等の周辺を真空または不活性ガス雰囲気とする。更に、所定の熱源により、金型と原材料とを加熱し、金型および原材料が所定温度に達したならば、金型間で原材料を加圧する。そして、加圧完了後、成形品は、冷却され、金型から取り出される。このようなプレス成形法によれば、成形品に対する後処理が不要となり、高品質な基板を安価に大量生産することが可能となる。
【0004】
ここで、ディスク用基板の成形のように高い加工精度が要求される場合には、金型の温度管理が極めて重要となる。このため、金型および原材料の加熱方式として、温度制御性が良好な高周波誘導加熱方式を採用することが多い。高周波誘導加熱方式を採用するプレス成形装置では、高周波電源に接続された誘導コイルが、導電性を有する金型の周囲に配置される。誘導コイルに高周波電流(交番電流)が供給されると、金型周辺に磁場が形成されて金型には渦電流が流れ、その電流損失により金型自体が発熱することになる。このような高周波誘導加熱方式によれば、被加熱体である金型等を被接触で効率よく加熱可能となり、被加熱体の省熱容量化や設備のクリーン化を図ることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最終的に外径と板厚との比が大きくなるディスク用の基板をプレス成形する場合、原材料として比較的厚さが大きい球状またはマーブル形状の原材料が用いられることから、型同士の相対移動量をある程度大きくせざるを得ない。このため、高周波誘導加熱方式を採用したとしても、誘導コイルと型(特に可動型)との相対位置関係が変動し、2つの型に対する入熱状態が変化する。各型への入熱状態の変化は、2つの型の間に温度差が生じさせ、それにより、高精度なプレス成形の実行が妨げられてしまう。
【0006】
かかる問題を解消するためには、例えば、誘導コイルを金型の軸方向に移動させることや、コイルの巻きピッチを金型の軸方向において変化させること等が考えられる。しかしながら、これらの手法を採用しても、型の移動に良好に追従するように各型の温度を制御することは困難である。また、特開平6−64932号公報には、固定型および可動型の周囲に2体の誘導コイルを配置すると共に、1体の高周波電源の発振周波数を制御して各誘導コイルへの高周波電流の量を変化させることにより、型同士間の温度差を抑制する手法が開示されている。しかしながら、かかる手法によって各誘導コイルへの高周波電流の量を自在に変化させるのは、極めて複雑かつ高価な制御回路等を用いたとしても容易なことではなく、当該手法により、各型の温度を型締めに良好に追従するように制御することは実質的に不可能に近い。この結果、ディスク用基板等のプレス成形に関しては、基板表面のうねりを抑えて平坦度を向上させたり、同一半径上におけるうねりを抑えると共に基板の内外径の寸法精度を向上させたりすることに依然として課題が残されている。
【0007】
そこで、本発明は、金型の温度を良好に制御し得る低コストかつ高精度なプレス成形の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一形態は、金型間の原材料を加熱・加圧することにより所望の成形品をつくり出すプレス成形装置であり、この装置は、金型の周囲に配置された第1の誘導コイルと、金型の周囲に配置された第2の誘導コイルと、第1の誘導コイルに第1の高周波電流を供給する第1の高周波電源と、第2の誘導コイルに第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流を供給する第2の高周波電源とを備えることを特徴とする。
【0009】
このプレス成形装置は、高周波誘導加熱方式により金型および原材料を加熱可能なものである。そして、このプレス成形装置では、金型の周囲に、第1の誘導コイルが配置されると共に、金型の軸方向等において第1の誘導コイルとは異なる位置に第2の誘導コイルが配置される。そして、第1の誘導コイルには、第1の高周波電源から所定の周波数をもった第1の高周波電流が供給され、第2の誘導コイルには、第2の高周波電源から第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流が供給される。
【0010】
このように、このプレス成形装置では、第1の誘導コイルに供給される第1の高周波電流と第2の誘導コイルに供給される第2の高周波電流との周波数が異なっている。従って、第1の誘導コイルにより形成される磁場と第2の誘導コイルによって形成される磁場とが互いに干渉し合うことを確実に抑制することができる。この結果、金型の周囲において、第1の誘導コイルと第2の誘導コイルとを適切な位置に自在に配置することができる。また、第1の高周波電源と第2の高周波電源とは互いに独立しており、それぞれの制御は低コストかつ単純に実行され得るので、第1の誘導コイルによる加熱量と第2の誘導コイルによる加熱量とを個別かつ高精度に調節することができる。この結果、このプレス成形装置によれば、金型の温度を極めて良好かつ柔軟に制御可能となり、歪みや反りが抑制されて高い寸法精度、平坦度および平滑度等を有する成形品を低コストで製造することができる。
【0011】
また、金型は、固定型および可動型を含み、第1の誘導コイルは、固定型の外周面を概ね囲むように配置される一方、第2の誘導コイルは、可動型の外周面を概ね囲むように配置されていると好ましい。このような構成を採用すれば、固定型および可動型の温度を極めて良好かつ柔軟に制御可能となり、低コストで高精度なプレス成形を実現することができる。
【0012】
更に、第1の誘導コイルと第2の誘導コイルとの間には、第1の誘導コイルによる磁場と第2の誘導コイルによる磁場との干渉を防止するためのシールド部材が配置されていると好ましい。このような構成を採用すれば、第1の高周波電流の周波数と第2の高周波電流の周波数とが比較的近い場合であっても、第1の誘導コイルにより形成される磁場と第2の誘導コイルによって形成される磁場とが互いに干渉し合うことを確実に抑制することができるので、実用上極めて良好な結果が得られる。
【0013】
また、金型は、固定型および可動型を含み、第1の誘導コイルは、固定型および可動型の双方を加熱することができるように配置される一方、第2の誘導コイルは、固定型と可動型との間に生じた温度差を補正することができるように配置されていると好ましい。
【0014】
このような構成のもとでは、例えば、第1の誘導コイル(メインコイル)が、固定型および可動型の何れか一方を主に加熱するように、固定型および可動型の双方の周囲に配置され、第2の誘導コイル(サブコイル)が、固定型および可動型の他方を主に加熱するように配置される。このような構成を採用しても、金型の温度を極めて良好かつ柔軟に制御可能となり、歪みや反りが抑制されて高い寸法精度、平坦度および平滑度等を有する成形品を低コストで製造することができる。
【0015】
本発明の他の形態は、金型間の原材料を加熱・加圧することにより所望の成形品をつくり出すプレス成形方法であり、この方法は、金型の周囲に第1の誘導コイルを配置すると共に、金型の周囲に更に第2の誘導コイルを配置し、第1の誘導コイルに第1の高周波電流を供給する一方、第2の誘導コイルに第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流を供給して、金型および原材料を加熱することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるプレス成形装置およびプレス成形方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明によるプレス成形装置の第1実施形態を示す概略構成図である。同図に示されるプレス成形装置1は、ガラスやプラスチック等の原材料Gから磁気ディスク用の基板をつくり出すために用いると好適なものであり、金型および原材料Gを加熱する方式として高周波誘導方式を採用するものである。プレス成形装置1は、ベース3、上ステージ4および下ステージ5を含むフレーム2を有する。上ステージ4は、複数の支柱6によってベース3上に固定されている。また、下ステージ5は、複数の支柱6によって摺動自在に支持されており、ベース3上に設置されたプレスユニット7のロッド7aに接続されている。プレスユニット7を作動させることにより、下ステージ5をベース3と上ステージ4との間で図中上下方向に移動させることができる。
【0018】
上ステージ4には、支持部材8を介して、導電性材料(WC材等)からなる上型(固定型)11が取り付けられる。一方、下ステージ5には、支持部材9を介して、導電性材料(WC材等)からなる下型(可動型)12が取り付けられ、下型12には規制リング14が装着される。また、上型11に対しては、上型温度センサ15が設けられており、下型12に対しては、下型温度センサ16が設けられている。更に、上ステージ4と上型11との間、および、下ステージ5と下型12との間には、冷却ジャケット(冷却手段)17,18が配置されている。各冷却ジャケット17および18には、図1において白抜矢印で示されるように冷却媒体を循環させることができる。各冷却ジャケット17,18は、図示されない移動機構によって、上型11の裏面(転写面と反対側の面)または下型12の裏面(転写面と反対側の面)に対して接近離間され得る。
【0019】
さて、このプレス成形装置1では、上型11および下型12と原材料Gとを加熱するために高周波誘導加熱方式が採用されていることから、上型11および下型12の周囲には、第1誘導コイル21および第2誘導コイル22が配置されている。第1誘導コイル21は、上型(固定型)11の外周面を概ね囲むようにフレーム2に対して固定されている。一方、第2誘導コイル22は、第1誘導コイル21とは完全に独立しており、下型12の移動範囲(少なくとも、原材料Gが上型11の成形面と接触する位置よりも上の範囲)内において、下型12の外周面を概ね囲むようにフレーム2に対して固定されている。本実施形態では、第1誘導コイル21と第2誘導コイル22とは、概ねの同一の内径を有し、下型12の移動方向(金型の軸方向)において概ね同軸に隣り合うように配置されている。
【0020】
図1に示されるように、第1誘導コイル21は、第1高周波電源23に接続されており、この第1高周波電源23から所定周波数をもった第1の高周波電流(交番電流)の供給を受ける。第1高周波電源23には、第1温度調節器25が接続されている。第1温度調節器25は、上述の上型温度センサ15と接続されており、上型温度センサ15の検出値に基づいて、上型11の温度が各成形工程において要求される温度と一致するように第1高周波電源23の出力を制御する。
【0021】
一方、第2誘導コイル22は、第2高周波電源24に接続されており、この第2高周波電源24から第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流(交番電流)の供給を受ける。第2高周波電源24には、第2温度調節器26が接続されている。第2温度調節器26は、上述の下型温度センサ16と接続されており、下型温度センサ16の検出値に基づいて、下型12の温度が各成形工程において要求される温度と一致するように第2高周波電源24の出力を制御する。
【0022】
ここで、プレス成形装置1では、第1誘導コイル21に供給される第1の高周波電流と、第2誘導コイル22に供給される第2の高周波電流との周波数が異なっている。従って、第1誘導コイル21により形成される磁場と第2誘導コイル22によって形成される磁場とが互いに干渉し合うことが確実に抑制される。この結果、上型11および下型12の周囲において、第1誘導コイル21と第2誘導コイル22とを適切な位置に自在に配置することができる。なお、プレス成形装置1では、上型11、下型12、第1誘導コイル21および第2誘導コイル22等が図示されない収容部材内に収容されており、収容部材の内部は、真空または不活性ガス雰囲気にされ得る。
【0023】
次に、上述のプレス成形装置1の動作について説明する。まず、上型11と下型12とが完全に開かれた状態で、図示されない移載ユニットによって収容部材内の下型12のほぼ中央に原材料Gが配置される。原材料Gが下型12に配置されると、プレスユニット7が作動され、原材料Gの上部が上型11の成形面に接触するまで、下型12が上型11に接近させられる。そして、上型11、下型12、第1誘導コイル21および第2誘導コイル22等が高温下で酸化により劣化することを防止すべく、これらの部材が収容されている収容部材の内部は真空または不活性ガス雰囲気にされる。
【0024】
上型11および下型12の周辺が真空または不活性ガス雰囲気になされると、高周波誘導加熱による上型11および下型12の加熱が行われ(加熱工程)、原材料Gは、上型11および下型12を介して所定の軟化温度(プレス温度)まで昇温させられる。原材料Gが軟化温度まで昇温すると、プレスユニット7によって下型12が上型11へと更に接近させられ、これにより、上型11と下型12との間の原材料Gが加圧される(プレス工程)。下型12の上昇動作は、規制リングの上端が上型11に当接した段階で停止され、これにより、厚さが一定に揃えられた成形品を得ることが可能となる。
【0025】
加熱工程およびプレス工程の間、第1誘導コイル21には、第1高周波電源23から所定の周波数をもった第1の高周波電流が供給され、第2誘導コイル22には、第2高周波電源24から第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流が供給される。ここで、上述のように、第1高周波電源23と第2高周波電源24とは互いに独立しており、それぞれの制御は、上型温度センサ15と下型温度センサ16との検出値に応じて、低コストかつ単純に構成される第1および第2温度調節器25,26により実行される。
【0026】
従って、プレス成形装置1では、第1誘導コイル21による加熱量と第2誘導コイル22による加熱量とが個別かつ高精度に調節されることになる。この結果、プレス成形装置1では、上型11と下型12との温度差を常時ほぼゼロに維持可能となり、歪みや反りが抑制されて高い寸法精度、平坦度および平滑度等を有する成形品、特に、外径と板厚との比が大きいディスク用の基板を低コストで製造することができる。加圧完了後、上型11の裏面には冷却ジャケット17が、下型12の裏面には冷却ジャケット18がそれぞれ押し当てられ(冷却工程)、型内の成形品が冷却される。そして、冷却完了後、下型12が下降させられて金型が開かれ、成形品が取り出される。
【0027】
なお、第1誘導コイル21に供給される第1高周波電流の周波数および第2誘導コイル22に供給される第2高周波電流の周波数としては、上型11および下型12の構成材料の電気伝導度および透磁率に応じて任意選択可能である。ただし、第1誘導コイル21と第2誘導コイル22とが比較的近接し合う場合には、第1高周波電流の周波数と、第2高周波電流の周波数とは、一方が他方の4倍程度となっているのが好ましい。また、第1の高周波電流の周波数と第2の高周波電流の周波数とが比較的近くなる場合には、図1に示されるように、第1誘導コイル21と第2誘導コイル22との間に、磁場同士の相互干渉を防止する磁気シールド部材27を配置すると好ましい。これにより、実用上極めて良好な結果を得ることができる。
【0028】
〔第2実施形態〕
以下、図2から図4を参照しながら、本発明によるプレス成形装置の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素については同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0029】
図2に示されるプレス成形装置1Aも、第1実施形態のプレス成形装置1と同様に、それぞれ独立の第1誘導コイル21Aおよび第2誘導コイル22Aを有する。この場合、第1誘導コイル21Aは、上型11および下型12の双方の周囲に位置し得るサイズを有すると共に可動型である下型12を主に加熱するように配置され、メインコイルとして機能する。一方、第2誘導コイル22Aは、固定型である上型11を主に加熱するように配置され、サブコイルとして機能する。
【0030】
すなわち、本実施形態において、第1誘導コイル21Aは、原材料Gが上型11の成形面と接触した状態となっている際に、上型11の外周面と下型12の外周面との双方を囲むように配置されている。そして、第1誘導コイル21Aは、上型11よりも下型12に対して高い加熱効率を発するように、下型12側(図2における下方)に若干シフトされた状態でフレーム2に対して固定されている。第1誘導コイル21Aには、第1高周波電源23Aから所定の周波数をもった第1高周波電流が供給される。第1高周波電源23Aは、下型温度センサ16と接続された第1温度調節器25Aによって制御される。
【0031】
一方、第2誘導コイル22Aは、第1誘導コイル21Aよりも少ない巻線数を有するか、あるいは、第1誘導コイル21Aよりもコイルピッチが粗く、第1誘導コイル21Aよりも加熱能力が小さい。また、第2誘導コイル22Aは、第1誘導コイル21Aよりも大きな内径を有しており、固定型である上型11の外周面に対応する位置において、第1誘導コイル21Aを同軸に囲むようにフレーム2に対して固定されている。第2誘導コイル22Aには、第2高周波電源24Aから第1高周波電流とは異なる周波数をもった第2高周波電流が供給される。第2高周波電源24Aは、上型温度センサ15および下型温度センサ16の双方と接続された第2温度調節器26AによってPID制御される。
【0032】
このように構成されるプレス成形装置1Aでは、加熱工程およびプレス工程の間、第1温度調節器25Aが、下型温度センサ16の検出値に基づいて下型12の温度と各成形工程において要求される温度とが一致するように第1高周波電源23Aの出力を制御する。ここで、第1誘導コイル21Aは、主として下型(可動型)12を加熱するためのものであることから、第1誘導コイル21Aにのみ高周波電流が供給されるのであれば、下型12に比べて、上型11の昇温が遅れてしまうことになる。
【0033】
これを補うべく、加熱工程およびプレス工程の間、第2温度調節器26Aには、上型温度センサ15および下型温度センサ16の検出値が入力される。そして、第2温度調節器26Aは、上型温度センサ15および下型温度センサ16の検出値に基づいて、上型11と下型12との温度差を求め、求めた温度差がゼロになるように第2高周波電源24Aの出力を制御(PID制御)する。これにより、上型11および下型12の温度は、所望の値に極めて良好かつ柔軟に制御され、両者の温度差は常時ほぼゼロに維持されることになる。この結果、プレス成形装置1Aによっても、歪みや反りが抑制されて寸法精度、平坦度および平滑度等を有する成形品、特に、外径と板厚との比が大きいディスク用の基板を低コストで製造することができる。
【0034】
なお、本実施形態は、メインコイルとなる第1誘導コイル21Aが主として下型12(可動型)を加熱し、サブコイルとなる第2誘導コイル22Aが主として上型11(固定型)を加熱するものとして説明されたが、これに限られるものではない。すなわち、メインコイルとなる第1誘導コイル21Aが主として上型11(固定型)を加熱し、サブコイルとなる第2誘導コイル22Aが主として下型12(可動型)を加熱するように構成することも可能である。また、サブコイルとなる第2誘導コイル22Aをメインコイルとなる第1誘導コイル21Aの内側に配置してもよい。
【0035】
更に、図3に示されるように、メインコイルとなる第1誘導コイル21Aが可動型である下型12(あるいは上型11)の移動範囲をカバーする一方、サブコイルとなる第2誘導コイル22Aのみが固定型である上型11(あるいは下型12)の外周面を囲むように構成してもよい。また、図4に示されるように、比較的粗いコイルピッチを有する第1誘導コイル(メインコイル)21Aを上型11および/または下型12の周囲における所望位置に配置すると共に、第2誘導コイル(サブコイル)22Aを構成する導体を所定位置において第1誘導コイル21Aに対して巻回することにより、第1誘導コイル21Aと第2誘導コイルとを二重らせん状に配置してもよい。なお、図4に示される誘導コイルの構成は、第1実施形態のプレス成形装置1に対して適用されてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明によれば、金型の温度を極めて良好かつ柔軟に制御可能となり、歪みや反りが抑制されて高い寸法精度、平坦度および平滑度等を有する成形品を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプレス成形装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明によるプレス成形装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図3】誘導コイルの他の配置例を示す模式図である。
【図4】誘導コイルの更に他の配置例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,1A プレス成形装置
4 上ステージ
5 下ステージ
7 プレスユニット
11 上型
12 上型
15 上型温度センサ
16 下型温度センサ
21,21A 第1誘導コイル
22,22A 誘導コイル
23,23A 第1高周波電源
24,24A 第2高周波電源
25,25A 第1温度調節器
26,26A 第2温度調節器
27 磁気シールド部材
G 原材料
Claims (5)
- 金型間の原材料を加熱・加圧することにより所望の成形品をつくり出すプレス成形装置において、
前記金型の周囲に配置された第1の誘導コイルと、
前記金型の周囲に配置された第2の誘導コイルと、
前記第1の誘導コイルに第1の高周波電流を供給する第1の高周波電源と、
前記第2の誘導コイルに前記第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流を供給する第2の高周波電源とを備えることを特徴とするプレス成形装置。 - 前記金型は、固定型および可動型を含み、前記第1の誘導コイルは、前記固定型の外周面を概ね囲むように配置される一方、前記第2の誘導コイルは、前記可動型の外周面を概ね囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 前記第1の誘導コイルと前記第2の誘導コイルとの間には、第1の誘導コイルによる磁場と前記第2の誘導コイルによる磁場との干渉を防止するためのシールド部材が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成形装置。
- 前記金型は、固定型および可動型を含み、前記第1の誘導コイルは、前記固定型および前記可動型の双方を加熱することができるように配置される一方、前記第2の誘導コイルは、前記固定型と前記可動型との間に生じた温度差を補正することができるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 金型間の原材料を加熱・加圧することにより所望の成形品をつくり出すプレス成形方法において、
前記金型の周囲に第1の誘導コイルを配置すると共に、前記金型の周囲に更に第2の誘導コイルを配置し、前記第1の誘導コイルに第1の高周波電流を供給する一方、前記第2の誘導コイルに前記第1の高周波電流とは異なる周波数をもった第2の高周波電流を供給して、前記金型および前記原材料を加熱することを特徴とするプレス成形方法。
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