JP3948295B2 - 加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置に関し、特にレジストマスクを不要とするノンコンタクトマスク加工手段や、マイクロプラズマ源を用いた加工手段に特徴がある。
【0002】
【従来の技術】
一般に、表面に薄膜が形成された基板に代表される被処理物にパターンニング加工を行う場合、レジストプロセスが用いられる。その一例を図6に示す。図6において、まず、被処理物25の表面に感光性レジスト26を塗布する(a)。次に、露光機を用いて露光した後現像すると、レジスト26が所望の形状にパターンニングできる(b)。そして、被処理物25を真空容器内に載置し、真空容器内にプラズマを発生させ、レジスト26をマスクとして被処理物25をエッチング加工すると、被処理物25の表面が所望の形状にパターニングされる(c)。最後に、レジスト26を酸素プラズマや有機溶剤などで除去することで、加工が完了する(d)。
【0003】
以上のようなレジストプロセスは、微細パターンを精度良く形成するのに適しているため、半導体などの電子デバイスの製造において重要な役割を果たすに至った。また、工程が複雑であるという欠点もある。
【0004】
そこで、レジストプロセスを用いない新しい加工方法が検討されている。その一例として、図7にノンコンタクトマスクエッチングの概念図を示す。真空容器1内に配置された電極7上に被処理物8を載置し、真空容器1内にガス供給装置2よりガスを供給しつつ、排気装置3により真空容器1内を排気し、真空容器1内を所定の圧力に制御しながら、プラズマ源用高周波電源4より、プラズマ源としての誘電板5上に配置されたコイル6に高周波電力を供給することにより、真空容器1内にプラズマを発生させ、被処理物8の近傍に配置させたマスク9に設けられた微小な貫通穴を通じてプラズマから漏れ出る活性粒子を被処理物8に作用させ、被処理物を加工する方法である。
【0005】
また、別例として、図8にマイクロプラズマエッチングの概念図を示す。被処理物8の近傍に配置することが可能なマイクロプラズマ源17に高周波電力を供給してマイクロプラズマを発生させ、マイクロプラズマから漏れ出る活性粒子を被処理物8に作用させ、被処理物を加工する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例で述べた被処理物の加工において、この被処理物の表面に形成されるパターンニング形状を制御することが困難であるという問題が生じることがある。その結果、加工精度が低下するという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、パターンニング形状を制御でき、かつ、加工精度に優れた加工装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の加工装置は、真空容器と、前記真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空容器内を排気する排気装置と、前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ源に高周波電力を供給する高周波電源と、前記真空容器内に配置された電極と、前記プラズマ源と前記電極との間かつ前記電極に対向して配置されると共に貫通穴が設けられたマスクと、前記真空容器内かつ前記電極に対向して設けられ前記電極表面に配置された前記被処理物と前記マスクとの距離をレーザーにより計測する距離計測装置と、前記距離計測装置にて得られた情報に基づき、前記マスクと前記被処理物との距離を変化させる距離制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本願発明の加工装置において、好適には、距離制御装置は、真空容器内に発生させたプラズマを停止することなく動作可能であることが好ましい。また、マスクと被処理物との距離を徐々に大きくしていくことが望ましい。あるいは、マスクと被処理物との距離を徐々に小さくしていってもよい。
【0010】
また、好適には、マスクが導電体であり、かつ、マスクに負の直流電圧を印加することが望ましい。あるいは、マスクが導電体であり、かつ、マスクに高周波電力を印加してもよい。あるいは、マスクが導電体に絶縁体のコーティングを施したものであり、かつ、マスクに高周波電力を印加してもよい。あるいは、被処理物を載置する電極に高周波電力を印加してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0023】
図1に、本発明の第1実施形態に係る誘導結合型プラズマ源を搭載した加工装置の断面図を示す。図1において、真空容器1内にガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、コイル用高周波電源4により周波数13.56MHzの高周波電力を、プラズマ源としての誘電板5上のコイル6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生する。電極7上には、被処理物としての基板8が載置される。アルミニウム(導体)製のマスク9は、基板8の近傍に配置され、マスク9には微小な貫通穴が設けられている。マスク用高周波電源10より、マスク9に500kHzの高周波電力を供給することができる。マスク9の端部に距離計測装置としてのレーザー変位計11が設けられており、基板8とマスク9との距離が計測できる。レーザー変位計11により得られた情報は、距離制御装置としてのモーター12にフィードバックされ、ギアボックス13を介してマスク9の位置を変化させることにより、基板8とマスク9の距離が所望の値に保たれる。また、シーケンサ14により、マスク9と基板8の距離を徐々に大きく、または徐々に小さくするよう、プログラム可能となっている。
【0024】
図2に、本発明の第1実施形態に係る被処理物の加工方法の概念図を示す。マスク9には微小な貫通穴15が多数設けられており、マスク9に印加される高周波電力の影響により、マスク9の表面にはイオンシースが形成される。イオンシースにおいて、プラズマ中の活性粒子であるイオン16はマスク9の方向に加速されるが、貫通穴14を通じて漏れ出たイオン16が、基板8に高い運動エネルギーをもって衝突する。この作用により、基板8或いは基板8上に形成された薄膜などがエッチング加工され、マスク形状が転写される。
【0025】
このとき、マスク9と基板8との距離を徐々に大きくしていくと、貫通穴15から基板8へ向かうイオン束の広がりにより、基板8上の被エッチング領域が大きくなってくる。その結果、図3に示すような順テーパー形状を得ることが可能となる。なお、真空容器1内に発生させたプラズマを停止することなく、モーター12の動作を行えるよう、レーザー変位計11からのフィードバック用信号線等にはシールド対策が施されている。
【0026】
マスク9と基板8との距離を徐々に小さくした場合も、同様の順テーパー形状を得ることができる。
【0027】
以下に、具体的な加工条件の一例を示す。4フッ化炭素ガスを100sccm供給し、真空容器1内の圧力を1Paに保ちながら、コイル6に1000Wの高周波電力を供給し、真空容器1内にプラズマを発生させる。マスク9に200Wの高周波電力を供給しつつ、マスク9と基板8の距離を100μm/分の速度で50μmから350μmまで3分間で変化させながら、基板8上に形成された多結晶シリコン膜のエッチングを行った。このとき、多結晶シリコン膜が600nmエッチングされ、断面形状は順テーパー形状であった。また、パターン底の寸法とパターン表面の寸法の差は1.2μmであり、テーパー角は45度であった。
【0028】
以上述べた本発明の第1実施形態において、真空容器内にプラズマを発生させるために、誘導結合型プラズマ源を用いた場合を例示したが、アンテナ式プラズマ源、マイクロ波プラズマ源、平行平板型プラズマ源、電子サイクロトロン共鳴型プラズマ源など、様々なプラズマ源を用いることができる。
【0029】
また、マスクが導体であり、かつ、マスクに高周波電力を印加する場合を例示したが、マスクに負の直流電圧を印加してもよい。或いは、絶縁体のコーティングを施されたマスクに、高周波電力を印加してもよい。或いは、被処理物を載置するための電極に高周波電力を印加することによっても、同様の加工を行うことができる。
【0030】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図3乃至図5を参照して説明する。
【0031】
図4に、本発明の第2実施形態に係るマイクロプラズマ源を搭載した加工装置の断面図を示す。図4において、電極18上に載置された被処理物としての基板8の近傍に、マイクロプラズマ源17が配置され、マイクロプラズマ源17に100MHzの高周波電力を印加することにより、マイクロプラズマが発生する。このマイクロプラズマから漏れ出る活性粒子を基板8に作用させ、基板8を加工することができる。マイクロプラズマ源17の端部に距離計測装置としてのレーザー変位計11が設けられており、基板8とマイクロプラズマ源17との距離が計測できる。レーザー変位計11により得られた情報は、距離制御装置としてのモーター12にフィードバックされ、ギアボックス13を介してマイクロプラズマ源17の位置を変化させることにより、基板8とマイクロプラズマ源17の距離が所望の値に保たれる。また、シーケンサ14には、マイクロプラズマ源17と基板8の距離を徐々に大きく、または徐々に小さくなるようにプログラムが組み込まれている。
【0032】
図5は、マイクロプラズマ源17を図4の破線Aで切った断面図である。2枚の石英ガラス板19及び20が接着され、その間にキャピラリ21が形成されている。反応ガスはキャピラリ21の内部に導入され、基板8に向かってマイクロプラズマとなって噴出される。高周波電極22と接地電極23が石英ガラス板19及び20の両側に設けられ、高周波電極22には高周波電源24より高周波電力が供給される。マイクロプラズマ源17は1Paから数気圧まで動作可能であるが、典型的には103Paから大気圧までの範囲の圧力で動作する。
【0033】
このとき、マイクロプラズマ源17と基板8との距離を徐々に大きくしていくと、マイクロプラズマ源17から基板8へ向かう活性粒子の流れの広がりにより、基板8上の被エッチング領域が大きくなってくる。その結果、図3に示すような順テーパー形状を得ることが可能となる。なお、発生させたマイクロプラズマを停止することなく、モーター12の動作を行えるよう、レーザー変位計11からのフィードバック用信号線等にはシールド対策が施されている。
【0034】
マイクロプラズマ源17と基板8との距離を徐々に小さくした場合も、同様の順テーパー形状を得ることができる。
【0035】
以下に、具体的な加工条件の一例を示す。6フッ化硫黄ガスを5%含むヘリウムガスを2slm供給し、大気圧下でマイクロプラズマ源17に10Wの高周波電力を供給し、真空容器1内にプラズマを発生させる。マイクロプラズマ源17と基板8の距離を200μm/分の速度で500μmから1000μmまで2.5分間で変化させながら、シリコン基板8のエッチングを行った。このとき、シリコン基板が5μmエッチングされ、断面形状は順テーパー形状であった。また、パターン底の寸法とパターン表面の寸法の差は10μmであり、テーパー角は45度であった。
【0036】
以上述べた本発明の第2実施形態において、マイクロプラズマ源として平行平板型キャピラリタイプのものを用いる場合を例示したが、誘導結合型キャピラリタイプなど、他方式のキャピラリタイプや、マイクロギャップ方式、誘導結合型チューブタイプなど、様々なマイクロプラズマ源を用いることができる。
【0037】
また、被処理物を載置するための電極に高周波電力を印加することにより、マイクロプラズマ中のイオンを引き込む作用を強めることも可能である。
【0038】
以上述べた本発明の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、プラズマ源の構造及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、いうまでもない。
【0039】
また、多結晶シリコンやシリコン基板をエッチング加工する場合を例示したが、加工対象はこれらに限定されるものではなく、本発明は、種々の基板の加工、または、種々の膜がコーティングされた被処理物の加工に適用できる。
【0040】
また、エッチング加工に際して4フッ化炭素や6フッ化硫黄ガスを用いる場合を例示したが、ガスはこれに限定されるものではなく、被処理物の材質に応じて、マスクまたはマイクロプラズマ源を構成する物質とのエッチング選択比が高められるガスを選定することができる。
【0041】
また、距離計測装置としてレーザー変位計を用いる場合を例示したが、接触式センサや、原子間力を利用した非接触センサなどを利用することもできる。これらは、可能なコストと必要な精度に応じて選択することができる。
【0042】
また、マスクまたはマイクロプラズマ源と被処理物の距離を変化させながらエッチング加工する場合を例示したが、プラズマが停止している状態で距離を変化させる工程と、ある距離に保ちながらプラズマを発生させて加工する工程を繰り返してもよい。或いは、プラズマを継続して発生させながら、マスクまたは基板を載置する電極に印加する高周波電力または直流電力を停止した状態で距離を変化させる工程と、ある距離に保ちながらマスクまたは基板を載置する電極に高周波電力または直流電力を供給して加工する工程を繰り返してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、真空容器と、前記真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空容器内を排気する排気装置と、前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ源に高周波電力を供給する高周波電源と、前記真空容器内に配置された電極と、前記プラズマ源と前記電極との間かつ前記電極に対向して配置されると共に貫通穴が設けられたマスクと、前記真空容器内かつ前記電極に対向して設けられ前記電極表面に配置された前記被処理物と前記マスクとの距離をレーザーにより計測する距離計測装置と、前記距離計測装置にて得られた情報に基づき、前記マスクと前記被処理物との距離を変化させる距離制御装置とを備えたため、パターンニング形状を制御でき、かつ、加工精度に優れた加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る加工装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態に係る被処理物の加工方法の概念図
【図3】本発明の実施形態における加工形状を示す図
【図4】本発明の第2実施形態に係る加工装置の構成を示す断面図
【図5】本発明の第2実施形態に係るマイクロプラズマ源の断面図
【図6】従来例で用いたパターンニング工程を示す図
【図7】従来例で用いた加工装置の構成を示す断面図
【図8】従来例で用いた加工装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 ターボ分子ポンプ
4 コイル用高周波電源
5 誘電板
6 コイル
7 電極
8 基板
9 マスク
10 マスク用高周波電源
11 レーザー変位計
12 モーター
13 ギアボックス
14 シーケンサ
Claims (7)
- 真空容器と、前記真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空容器内を排気する排気装置と、前記真空容器内にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ源に高周波電力を供給する高周波電源と、前記真空容器内に配置された電極と、前記プラズマ源と前記電極との間かつ前記電極に対向して配置されると共に貫通穴が設けられたマスクと、前記真空容器内かつ前記電極に対向して設けられ前記電極表面に配置された前記被処理物と前記マスクとの距離をレーザーにより計測する距離計測装置と、前記距離計測装置にて得られた情報に基づき、前記マスクと前記被処理物との距離を変化させる距離制御装置とを備えたこと
を特徴とする加工装置。 - 前記距離制御装置は、前記真空容器内に発生させたプラズマを停止することなく動作可能であることを特徴とする請求項1記載の加工装置。
- 前記マスクと前記被処理物の距離を徐々に大きく、または徐々に小さくするようプログラム可能であることを特徴とする請求項1記載の加工装置。
- 前記マスクが導電体であり、かつ、前記マスクに負の直流電圧を印加する直流電源を備えたことを特徴とする請求項1記載の加工装置。
- 前記マスクが導電体であり、かつ、前記マスクに高周波電力を印加する高周波電源を備えたことを特徴とする請求項1記載の加工装置。
- 前記マスクが導電体に絶縁体のコーティングを施したものであり、かつ、前記マスクに高周波電力を印加する高周波電源を備えたことを特徴とする請求項1記載の加工装置。
- 前記被処理物を載置する前記電極に高周波電力を印加する高周波電源を備えたことを特徴とする請求項1記載の加工装置。
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