JP3948367B2 - 無線通信機の無線通信方法、無線通信システムの無線通信方法、無線通信システム及び無線通信機 - Google Patents
無線通信機の無線通信方法、無線通信システムの無線通信方法、無線通信システム及び無線通信機 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムの無線送信電力の制御方法に関するもので、特に移動通信システムに適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおいて、所望の受信品質を得るために、無線通信機の送信電力の制御を行う技術が知られている。例えば、USP5,267,262には、CDMA移動通信システムにおいて、基地局で端末からの信号受信電力を測定し、所望の値より小さい場合に送信電力を増加指示、大きい場合に送信電力減少指示を移動局に対して送信し、移動局は前記、送信電力制御指示に従い送信電力を制御することにより、基地局における受信電力をほぼ一定に保つ技術が開示されている。
【0003】
また、USP5,559,790には、基地局が既知の電力で送信するパイロット信号の受信品質を移動局が測定し、その測定結果に基づき受信品質が悪い場合には受信品質が良い場合に比べて大きな送信電力を要求する送信電力制御信号を基地局に送信し、基地局はこの送信電力制御信号に基づき前記移動局に向けた信号の送信電力を制御することにより、移動局における基地局からの信号受信品質をほぼ一定に保つ技術が開示されている。
【0004】
これらの技術は何れも、受信側における受信電力や品質を一定となるように制御することを目的としている。すなわち、以上の従来の技術による送信電力制御方法では、受信品質を一定化し、伝搬路の利得変動に起因する受信品質の劣化や不必要に過大な送信電力によるシステム内の干渉を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、移動局の移動に伴い発生する比較的短周期の伝搬路利得変動であるフェージングが存在する場合、従来の技術を用いると、瞬時的に伝搬路利得が小さくなったときに非常に大きな送信電力となってしまい、平均送信電力が増加してしまう。平均送信電力の増加は、システム全体に与える相互干渉を増加させ、システム全体の通信スループットの低下を招く。また、端末においては平均送信電力の増加は消費電力を増加させ、通話可能時間が短くなってしまう。
【0006】
また、平均送信電力を増加させなかった場合には、平均受信電力が減少し、それに伴う受信品質(SN比, SNR)の劣化により通信路の容量が低下してしまう。すなわち、通信可能な最大データレートが低下することになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面においては、伝搬路利得が大きくなったときに送信電力を増加させ、伝搬路利得が小さくなったときに送信電力を減少させるように制御する。
伝搬路利得が小さいときに送信電力を下げたことにより発生する受信データの品質のばらつきや受信データの欠落をターボ符号に代表されるような強力な誤り訂正符号にて救済する。
【0008】
本発明のその他の側面については、発明の実施の形態において明らかにされる。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の電力制御アルゴリズムについて説明する。
【0010】
いま、図1のように伝搬路利得が変動した場合を考える。すなわち、時刻t1, t2, t3, t4における利得をそれぞれ2, 1, 1/3, 2/3で平均利得が1となるような伝搬路を考える。受信側で図2のように電力1で一定の雑音が加わるとすると、これは等価的に送信側で図3に示すように時刻t1, t2, t3, t4においてそれぞれ電力1/2, 1, 3, 3/2の雑音が加わったことと等価である。すなわち、伝搬路利得の変動は等価的に雑音電力の変動とみなすことが可能である。
【0011】
一方、通信路の容量Cは、理論的にはC=W log2(1+S/N)となることが知られている。ここで、Cは1秒あたりに伝送可能なビット数、Wは周波数帯域幅、Sは信号電力、Nは雑音電力、log2(x)は2を底とするxの対数とする。従って、上記のように時間変動する伝搬路における通信路容量は、時刻tにおける信号電力S(t), 雑音電力をN(t)とすると、C=Ave(W log2(1+S(t)/N(t)))となる。ここでAve(x)はxの時間平均を表すものとする。従って、電力制御によってS(t)を時間的に変化させると通信路容量が変化することになる。本発明では通信路容量をなるべく大きくするように送信電力を制御する。具体的には、以下のようにする。
【0012】
いま、平均送信電力、すなわちS(t)の時間平均Ave(S(t))を一定とした場合に通信路容量Cを最大化するS(t)について考える。Ave(S(t))が一定であるから、ある時刻の送信電力を増加させると他の時刻の送信電力は減少させなくてはならない。ここで、前記通信路容量の定義式よりSの微小増加に対するCの増加率はdC/dS=W/log(2)/(N+S)であるから、一定の電力を時間方向に分配するときにN+Sが最も小さいところに送信電力を分配することが通信路容量を最も増加させることになる。このようにN+Sが最も小さなところに順次送信電力を分配していくと、最終的に全ての電力を分配し終わった時にはN+Sは一定、かつ、達成されたS+NよりもNが大きい時間帯にはSは全く分配されないようになり、この状態が最も通信路容量が大きいことになる。
【0013】
ここで、受信機が受ける雑音電力を時間の関数Nr(t), 伝搬路利得を時間の関数g(t)とおくと、送信側で見た等価雑音電力N(t)は、N(t) = Nr(t)/g(t)となる。従って、前記通信路容量を最大とする送信電力S(t)は、N(t) + S(t) = Nr(t)/g(t) + S(t) = P_const. (一定)という条件を満たす。すなわち、S(t) = P_const - Nr(t)/g(t)となるように制御すれば良い。但し、S(t)<0となる場合は実際の送信電力は0とする(つまり送信を停止する)。なお、P_constを大きくすれば平均送信電力および通信路容量が増加する。逆に、P_constを小さくすれば平均送信電力および通信路容量が減少する。従って、所望の通信路容量が得られる値にP_constを決定すれば良い。
【0014】
例えば、図1に示す伝搬路利得変動の下で平均送信電力を1とした場合、送信電力制御結果は図4に示すようになる。図中、太線で囲まれた部分が信号電力、細線で囲まれた部分が雑音電力である。すなわち、時刻t1, t2, t3, t4における送信電力は、それぞれ11/6, 4/3, 0, 5/6とする。平均送信電力は
(11/6 + 4/3 + 0 + 5/6)/4 = 1
となっており、また、図4の送信電力制御の結果を受信側で見たときの受信電力は図5に示すとおり、時刻t1, t2, t3, t4においてそれぞれ11/3, 4/3, 0, 5/9となる。
【0015】
一方、従来技術による電力制御では、受信電力もしくは受信品質を一定に保つため、図6に示すように雑音電力に比例した送信電力となるよう制御することとなる。すなわち時刻t1, t2, t3, t4における送信電力は、それぞれ1/3, 2/3, 2, 1となる。平均送信電力は、
(1/3 + 2/3 + 2 + 1)/4 = 1
となっており、また、図6の電力分配(送信電力制御)の結果を受信側で見たときの受信電力は図7に示すとおり、時刻t1, t2, t3, t4においてそれぞれ2/3, 2/3, 2/3, 2/3となる。
【0016】
図8に伝搬路利得の変動に対する送信電力の制御を比較する。横軸が伝搬路利得、縦軸が送信電力制御結果としての送信電力を示す。図中、丸印が本発明、菱形が従来の技術である。すなわち、従来の送信電力制御では通信路利得と送信電力は反比例の関係にあり、通信路利得が低下すると送信電力を増大させ、通信路利得が増加すると送信電力を低減しているのに対し、本発明では逆に、通信路利得が低下すると送信電力を低下させ、通信路利得が増加すると送信電力を増加させている。
【0017】
また、本発明による送信電力制御にて達成される通信路容量は
C=W(log2(1+11/3)+log2(1+4/3)+log2(1+0)+log2(1+5/9))/4
=1.02W
となる。一方、従来の技術による送信電力制御にて達成される通信路容量は
C=W log2(1+2/3) = 0.737W
となる。
【0018】
これらよりここに示した例では、本発明の電力制御によれば従来の電力制御方法に比して通信路容量が1.38 (=1.02/0.737)倍に増加する。一方、従来の送信電力制御方式を用いて、前記、本発明を適用した場合の通信路容量と同一の通信路容量を達成するためには、1.02 = log2(1+1.028)であるからS/N=1.028が必要であり、前記従来の送信電力制御で達成されたS/N=2/3の1.54(=1.028/(2/3))倍の平均送信電力が必要となる。従って、本発明により、同一の通信路容量を達成するための送信電力は、従来の技術を用いる場合の0.649倍に低減される。
【0019】
以上、理論的に通信路容量を最大化する送信電力制御アルゴリズムについて述べたが、厳密に上記アルゴリズムに従わなくてもほぼ同等の効果を得ることができる。すなわち、図8に示す伝搬路利得と送信電力の関係を近似する関数を用いて送信電力を行うことも可能である。この関数は全体として正の傾きを持っているものが望ましく、例えば、送信電力を伝搬路利得に比例させるような単純なものでもほぼ同様の効果を得ることができる。
【0020】
なお、前記送信電力を決定するアルゴリズムS(t) = P_const - Nr(t)/g(t)によれば、伝搬路利得が図9に示すように時刻t0でステップ状に増加した場合、送信電力は図10(a)のようにやはりステップ状に変化する。また、制御遅延が発生した場合などには図10(b)のようにある立上り時間をもって変化する。
【0021】
図10(a), (b)の制御では、伝搬路利得が大きい基地局に近い場所に移動局が位置するときに通信路容量が大きく、逆に基地局から遠い場所に移動局が位置するときに通信路容量が小さくなる。この差がシステム設計上好ましくない場合は、例えば
P_const = C0 Ave(Nr(t))/Ave(g(t))
のように現在の通信路状況の平均的な利得と雑音電力を用いてP_constを比較的ゆっくり制御することが実際的である。ここで、C0は定数とする。これにより、基地局からの距離によらずにほぼ一定の通信路容量を得ながら通信路の短時間的な変動に対して前記電力制御が適用される。
【0022】
この場合、前記図9に示す伝搬路利得変動に対して、
図10(c), (d)に示すように、短時間的には前記図10(a), (b)と
同様な送信電力となり、その後、従来の電力制御と同様に
伝搬路利得変動を打消す送信電力に徐々に近づくような
応答を示す。
【0023】
以上の電力制御によれば、通信路容量が時間的に変動することになる。従来の電力制御では受信品質を一定化することで通信路容量を一定化していたため、通信路はAWGN(Additive White Gaussian Noise, 加法性白色雑音)に近い特性となるため、AWGN通信路に適した誤り訂正符号が適していた。これに対し、前記の電力制御では受信品質が大きくばらつくき、一部の受信データは欠落に近い状態となる。従って、比較的短い時間周期の変動に対しては、インタリーブにより受信品質のばらつきの時間相関性を排除し、更にターボ符号などの強力な誤り訂正符号を適用し、その冗長性を利用して受信品質の悪い受信データを受信品質の良い受信データで救済することが好ましい。ターボ符号に代わってLDPC(Low Density Parity Check)符号や積符号などを適用することも好ましい。より一般的には符号語を構成する多数のビットが複雑に連鎖した依存関係を持ち、復号の途中結果を用いて再度復号を行う繰返し復号の適用によって高い誤り訂正能力が得られることが知られている誤り訂正符号を適用することが好ましい。
また、ある程度の時間(例えば誤り訂正符号の符号化単位やインタリーブ単位に相当する時間)にわたって受信品質の悪い状態が続くと誤り訂正による救済はできない。従って、ある程度の時間にわたって受信品質が良く通信路容量が平均以上のときは、ビットレートを制御して高ビットレートにて通信を行い、逆に受信品質が悪く通信路容量が平均以下の時は低ビットレートにて通信を行うことが好ましい。
【0024】
また、P_constの算出に用いるAve(Nr(t)), Ave(g(t))の平均時間を略通信路符号化を行う単位に一致させることにより明示的なビットレートの制御を行わなくても平均的なビットレートを向上させることが可能となり、一定のビットレートが要求されるシステムに適する。
【0025】
以降、上記アルゴリズムを実施するためのシステム及び装置構成について説明する。
【0026】
図30に本発明のシステム構成を示す。複数の移動局3,4,5が無線を介して基地局1,2と通信を行い、基地局1,2は基地局制御局6の制御の下、前記移動局どうし、もしくは、固定網に属する通信機器と通信を確立する。
【0027】
図11に本発明の受信側無線通信機の構成、図13に本発明の送信無線通信機の構成を示す。ここで、本発明の送信電力制御によりその送信電力が制御される無線通信機を送信側無線通信機、他方を受信側無線通信機としている。図30に示すシステム構成上、移動局、基地局のどちらの局がどちらの無線通信機であってもよく、基地局を送信側無線通信機とするなら下り信号の送信電力制御を行うことになり、逆に移動局を送信側無線通信機とするなら上り信号の送信電力制御を行うことになる。
【0028】
図11でアンテナより受信された信号は無線周波数回路101にてベースバンド帯域の信号に変換される。このベースバンド帯域の信号は、復調器102にて検波等の復調処理が施され、通信路復号化器121にて誤り訂正される。一方、前記ベースバンド帯域の信号は電力信号生成部105に入力され、前記電力制御アルゴリズムに従った送信電力制御信号を生成する。この送信電力制御信号は、第3パイロット信号生成部130で生成される第3パイロット信号、並びに誤り訂正符号化器106、インタリーバ107にて通信路符号化を受けたデータ信号と多重化器109にて多重化される。この多重化された信号は、例えば図14のような形式になる。303がデータ信号、304が電力制御信号、305が第3のパイロット信号であり、図中、横方向が時間、縦方向が符号分割に用いられる符号を表し、時間多重、符号分割多重等の多重方法で多重されている。前記、多重された信号は変調器110にて変調され、無線周波数回路101を介して無線伝搬路に送出される。
【0029】
受信側無線通信機から送出された信号は、図13に示す送信側無線通信機にて受信される。101,102,103,104の動作は受信側無線通信機と同様である。送信電力制御部111は前記電力制御信号304を抽出し、この抽出された送信電力制御信号304に従った送信電力を算出する。一方、通信路符号化器122で符号化された送信データは第2パイロット信号生成手段108にて生成される第2パイロット信号と多重化器112で多重され、送信電力可変手段113に入力される。送信電力可変手段113は前記送信電力制御部111から指定された送信電力になるよう信号振幅を可変する。送信電力可変手段113の出力は第1のパイロット信号生成手段114にて所定の電力に設定された第1のパイロット信号と多重化器115にて多重化され、図12に示すような形式の信号となる。図12において301は第1のパイロット信号、302は第2のパイロット信号、303はデータ信号である。
【0030】
図12に示すように、様々な多重形式が可能である。また、第1のパイロット信号301(P0)は前記送信電力制御部111による電力制御を受けず、所定の電力で送信される。一方、第2のパイロット信号302はデータ信号303とともに前記電力制御を受けて送信される。図12の形式に多重された信号は、変調器110で変調され、無線周波数回路101を介して無線伝搬路に送出される。
【0031】
受信側無線通信機における送信電力信号生成部105、および送信側無線通信機における送信電力生成部111は、例えばそれぞれ図15、図16のように構成される。図15の送信電力信号生成部は、第1のパイロット信号分離手段201、第2のパイロット信号分離手段205にてそれぞれ第1のパイロット信号、第2のパイロット信号を分離し、前記S(t) = P_const - Nr(t)/g(t)において、P_const = C0 Ave(Nr(t))/Ave(g(t))となる送信電力に対して、現在の送信電力が大きいか小さいかを比較器211にて判定し、大きい場合に送信電力の減少、小さい場合に送信電力の増加を指示する送信電力制御信号304を生成する。従って、図16の送信電力制御部は前期送信電力制御信号304を抽出し、この送信電力制御信号に従って現在の送信電力を増減する。なお、図15において雑音電力は第2のパイロット信号から求めているが、第1のパイロット信号から求めることも可能である(点線)。 前記、誤り訂正符号化器106の構成例を図31に示す。図31はターボ符号の符号化を行うもので、入力された送信データをデータレートの情報に従って符号化を行い、符号化結果を出力する。入力された送信データは再帰的畳み込み符号器E1(231)にて畳み込み符号化され、信号Y1となる。また、前記送信データは、インタリーバ230でデータ順序を入れ替えた後、別の再帰的畳み込み符号器E2(232)にて畳み込み符号化され、信号Y2となる。その後、元の送信データX(もしくはU), Y1, Y2をパラレル−シリアル(P/S)変換器233にて一つの信号にまとめられ、符号化結果を出力する。 前記、誤り訂正復号器104の構成例を図32に示す。図32は図31のターボ符号器により符号化された信号に対応する誤り訂正復号器であり、受信信号とデータレートの情報に従って繰返し復号により誤り訂正復号を行い、復号結果U''を出力する。入力された受信信号は、シリアル−パラレル(S/P)変換器234にて前記パラレル−シリアル(P/S)変換器233と逆の動作により、U', Y1', Y2'に分離される。軟判定復号器D1(235)は、分離されたU', Y1'を用いて前記再帰的畳み込み符号器E1(231)に対応した軟判定復号処理を行う。軟判定復号器D1(235)による復号結果は、インタリーバ237を介して軟判定復号器D2(238)に入力される。一方、前記シリアル−パラレル(S/P)変換器234の出力U'をインタリーバ236にてデータ順序を入れ替え、前記軟判定復号器D2(238)に入力される。ここで、インタリーバ236, 237は図31中のインタリーバ230と同じ順序入れ替え規則に従う。軟判定復号器D2(238)は、前記シリアル−パラレル(S/P)変換器234の出力Y2'、前記インタリーバ236の出力、前記インタリーバ237の出力を用いて軟判定復号を行い、復号結果を出力する。軟判定復号器D2(238)の復号結果はデインタリーバ239に入力され、データの順序を入れ替える。デインタリーバ239は前記インタリーバ230, 236, 237と逆の動作によりデータの順序を戻すように働く。デインタリーバ239の出力は前記軟判定復号器D1(235)に入力され、再度復号処理が実施される。このように軟判定復号器D1(235), D2(238)をそれぞれ繰返し交互に通過して復号精度を向上させる。十分な回数の復号を行った後、軟判定復号器D1(235), D2(238)いずれかの復号結果を最終的な復号結果として出力する。図31, 図32はターボ符号を用いた例であるが、前述の通り、繰返し復号処理によって高い誤り訂正能力を発揮できるLDPC符号や積符号などの誤り訂正符号に対応した誤り訂正符号化器、誤り訂正復号器であっても良い。 以上の実施形態において、前述のようにある程度の時間にわたって通信路容量が平均以上のときは、ビットレートを制御して高ビットレートにて通信を行い、逆に通信路容量が平均以下の時は低ビットレートにて通信を行うことが好ましい。このためには図13の通信路符号化器122と図11の通信路復号化器121にかえて、それぞれ図17、図18に示すような通信路符号化器及び通信路復号化器を用いればよい。図17に示す通信路符号化器は、データレート指示により指定されたデータレートで符号化を行う誤り訂正符号化器106と、データレート指示により指定されたデータレートに関する情報であるデータレート情報を生成し、その情報を出力するレート情報生成部123と、誤り訂正符号化器106の出力をインタリーブ処理するインタリーブ部107と、インタリーブ部107の出力と、レート情報生成部123の出力とを多重する多重化部124とを有する。また、図18に示す通信路復号化器は、受信した信号からデータレート情報を分離するレート情報分離部125と、データレート情報が分離された残りのデータをデインタリーブするデインタリーブ部103と、分離されたデータレート情報に基づき、デインタリーブ部の出力を復号化する誤り訂正復号器104とを有する。
【0032】
送信電力制御部105は、図19に示すような構成することも可能である。図中、関数演算部214は、入力信号の増加に対して出力が増加する関数f(x)の演算を行う。これにより、伝搬路利得が平均値より増加すると、送信電力の増加を指示する送信電力制御信号を生成する。また、雑音電力が時間によらず一定であると仮定できる場合には、図20のように簡単化が可能である。
【0033】
さらに、図21に示すように、送信側無線通信機が送出する信号に第2のパイロット信号302が含まれない場合にも、例えば図22に示す構成にて規格化送信電力S(t)/P0を求め、これを送信電力制御信号とし、図23に示す送信電力制御部にてS(t)を求めることが可能である。より単純には、図22に代えて図24の構成、図23に代えて図25の構成を用いることも可能である。
【0034】
また、図26に示すように、送信側無線通信機が送出する信号に第1のパイロット信号301が含まれない場合にも、例えば図27に示す送信電力制御信号生成部と、図16に示す送信電力制御部にてS(t)を求めることが可能である。より単純には、図27に代えて図28の構成、図16に代えて図29の構成を用いることも可能である。
【0035】
以上、上述した本発明の実施例によれば、比較的短周期の伝搬路利得変動が発生した場合においても、平均送信電力の増加を防止しながら所望の受信品質を達成する送信電力制御方法を提供することができる、
また、比較的短周期の伝搬路利得変動が発生した場合においても、通信路容量を大きく保つことができる
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、所要の送信電力を低下させ相互干渉が低減する。また、本発明によれば通信路容量が増大し、通信可能ビットレートの向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伝搬路利得の時間変動の第1の例を説明するための図である。
【図2】雑音電力の時間変化の一例を説明するための図である。
【図3】送信端での等価雑音電力の時間変化の一例を説明するための図である。
【図4】本発明による送信電力制御の第1の例を説明するための図である。
【図5】図4に示した送信電力制御を適用した場合の受信電力の時間変化を示す図である。
【図6】従来技術による送信電力制御の一例を説明するための図である。
【図7】図6に示した送信電力制御を適用した場合の受信電力の時間変化を示す図である。
【図8】本発明による送信電力制御と従来技術による送信電力制御とにおける送信電力比較
【図9】伝搬路利得変動の第2の例を説明するための図である。
【図10】本発明による送信電力制御の第2の例を説明するための図である。
【図11】本発明による受信側無線通信機の構成例を示す図である。
【図12】本発明による送信側無線通信機の送信信号多重形式の第1の例を説明するための図である。
【図13】本発明による送信側無線通信機の構成例を説明するための図である。
【図14】本発明による受信側無線通信機の送信信号多重形式の一例を示す図である。
【図15】本発明による送信電力制御信号生成部の第1の構成例を示す図である。
【図16】本発明による送信電力制御部の第1の構成例を示す図である。
【図17】本発明によるデータレート制御機能つき符号化器の構成例を示す図である。
【図18】本発明によるデータレート制御機能つき復号器の構成例を示す図である。
【図19】本発明による送信電力制御信号生成部の第2の構成例を示す図である。
【図20】本発明による送信電力制御信号生成部の第3の構成例を示す図である。
【図21】本発明による送信側無線通信機の送信信号多重形式の第2の例を示す図である。
【図22】本発明による送信電力制御信号生成部の第4の構成例を示す図である。
【図23】本発明による送信電力制御部の第2の構成例を示す図である。
【図24】本発明による送信電力制御信号生成部の第5の構成例を示す図である。
【図25】本発明による送信電力制御部の第3の構成例を示す図である。
【図26】本発明による送信側無線通信機の送信信号多重形式の第3の例を示す図である。
【図27】本発明による送信電力制御信号生成部の第6の構成例を示す図である。
【図28】本発明による送信電力制御信号生成部の第7の構成例を示す図である。
【図29】本発明による送信電力制御部の第4の構成例を示す図である。
【図30】本発明の通信システムの構成例を説明するための図である。
【図31】本発明による送信側無線機の誤り訂正符号化器の構成例を示す図である。
【図32】本発明による受信側無線機の誤り訂正復号器の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 基地局
3,4,5 移動局
6 基地局制御局
7 固定網
101 無線周波数回路
102 復調器
103 デインタリーバ
104 誤り訂正復号器
121 通信路復号化器
105 送信電力制御信号生成部
106 誤り訂正符号化器
107 インタリーバ
109, 112, 115, 124 信号多重器
110 変調器
111 送信電力制御部
122 通信路符号化器
108 第2パイロット信号生成部
113 送信電力可変手段
114 第1パイロット信号生成部
130 第3パイロット信号生成部
301 第1パイロット信号
302 第2パイロット信号
303 データ信号
304 電力制御信号
305 第3パイロット信号
201 第1パイロット信号分離手段
202, 210 信号電力測定手段
203, 207, 223 信号平均手段
204, 212, 216, 217, 228 除算器
205 第2パイロット信号分離手段
206 雑音電力測定手段
208, 213, 215, 218, 222, 224, 226 乗算器
209, 219, 225 加算器
211 比較手段
220 電力制御信号分離手段
221 送信電力算出手段
123 データレート情報生成手段
125 データレート情報分離手段
214 関数演算手段
227 信号遅延手段
230, 236 インタリーバ
231, 232 再帰的畳み込み符号器
233 パラレル−シリアル(P/S)変換器
234 シリアル−パラレル(S/P)変換器
235, 238 軟判定復号器
239 デインタリーバ。
Claims (11)
- 無線通信システムにおける送信制御方法であって、
送信機と受信機との間の伝搬路状態を判定する第1のステップと、
送信信号を、ターボ符号、LDPC符号、または積符号により符号化する第2のステップと、
該判定された伝搬路状態に基づいて前記送信機から前記受信機へ送信する信号の送信電力を制御する第3のステップとを有し、
前記第3のステップにおいて、前記伝搬路状態が改善した場合に送信電力を増加させ、
前記伝搬路状態が悪化した場合に送信電力を減少させるよう前記制御を行うことを特徴とする送信制御方法。 - 請求項1記載の送信制御方法であって、更に、送信機からの信号を受信した受信機において、受信信号に対して繰返し復号を行う第4のステップを有することを特徴とする送信制御方法。
- 請求項1記載の送信制御方法であって、より高い送信電力を設定する場合には、より高いデータレートで信号送信を行うことを特徴とする送信制御方法。
- 送信機と受信機とを有する無線通信システムであって、
前記送信機は、該受信機へ送信する送信信号を、ターボ符号、LDPC符号、または積符号により符号化し、該受信機との間の伝搬路状態に応じて該送信信号の送信電力を制御し、
該制御は、前記伝搬路状態が改善した場合に送信電力を増加させ、前記伝搬路状態が悪化した場合に送信電力を減少させる制御であり、
前記受信機は、受信信号を前記送信機における符号化に応じて復号することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項4記載の無線通信システムであって、前記受信機は、受信信号に対して繰返し復号を行うことを特徴とする無線通信システム。
- 請求項4記載の無線通信システムであって、より高い送信電力を設定する場合には、より高いデータレートで信号送信を行うことを特徴とする無線通信システム。
- 無線通信システムにおける送信装置であって、
送信信号の符号化を行う符号化部と、
該送信信号の送信電力を制御する送信電力制御部と、
該送信電力が制御された送信信号の送信と、該送信信号の送信先である受信装置からの信号の受信とを行う無線部とを有し、
前記符号化部は、ターボ符号、LDPC符号、または積符号により符号化し、
前記送信電力制御部は、前記受信装置との間の伝搬路状態が改善した場合に送信電力を増加させ、伝搬路状態が悪化した場合に送信電力を減少させるように前記送信機から前記受信機へ送信する信号の送信電力を制御することを特徴とする送信装置。 - 請求項7記載の送信装置であって、より高い送信電力を設定する場合には、より高いデータレートで信号送信を行うことを特徴とする送信装置。
- 無線通信システムにおける受信装置であって、
送信装置からの信号の受信と、該送信信号への制御信号の送信とを行う無線部と、
前記受信信号の復号化を行う復号化部と、
前記受信信号に基づいて前記制御信号を生成する制御信号生成部とを有し、
前記復号化部は、ターボ符号、LDPC符号、または積符号により復号を行い、
該制御信号生成部は、前記受信信号に基づいて該送信装置との間の伝搬路状態を判断し、
該伝搬路状態が改善した場合には増加させた送信電力で、伝搬路状態が悪化した場合には減少させた送信電力で、該送信装置からの信号送信を行うよう指示する制御信号を生成することを特徴とする受信装置。 - 請求項9記載の受信装置であって、前記復号化部は、前記受信信号に対して繰返し復号を行うことを特徴とする受信装置。
- 請求項9記載の受信装置であって、さらにデータレート制御部を有し、該データレート制御部は、伝搬路状態がより良好な場合により高いデータレートを設定して前記送信装置に通知することを特徴とする受信装置。
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