JP3955924B2 - エーロゾルを用いる物品の乾燥及び洗浄方法及び装置 - Google Patents

エーロゾルを用いる物品の乾燥及び洗浄方法及び装置 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、音波手段又は超音波手段により得られるエーロゾルを用いる電子部品を含む製品の乾燥及び洗浄技術に関する。
発明の背景
液体及び他の流体の適用を含むプロセスを用いて製造される物品では、製造プロセスを続ける前に部品を徹底的に乾燥させる必要がある。たとえば、集積回路の製作にあたり、ドーピング工程、フォトマスキング工程、エッチング工程及びパッシベーション工程では、一段階において特定の液体を適用し、次の段階に進む前に液体残滓を除去しなければならない場合が多い。これら液体残滓の乾燥及び除去は完全でなければならないが、乾燥工程は、乾燥工程を実施するためのエネルギ及び化学薬品の出費を最小限に抑えた状態で比較的短い時間間隔の間に実施されることが理想である。
数人の発明者が、加熱又は過熱ガスを用いて集積回路を含む部品を乾燥させる方法を開示している。米国特許第5,577,650号明細書、同第4,633,983号明細書、同第4,738,272号明細書、同第4,778,532号明細書、同第4,856,844号明細書、同第4,899,767号明細書、同第4,911,761号明細書、同第4,917,123号明細書、同第4,984,597号明細書においてマッコーネル氏等は、加熱蒸気又は加熱流体を容器内の乾燥させるべき半導体ウェーハの前に通して半導体ウェーハを乾燥させる方法をウェーハ加工シーケンスの一部として開示している。好ましい乾燥用蒸気は、過熱状態のイソプロパノールであり、このイソプロパノールは、水と沸騰温度が最小の共沸混合物を作り、ウェーハ表面から水を置換除去すると考えられており、蒸気は容器にその一端から流入し、これと同時に他端で容器から流出する。
米国特許第5,383,484号明細書では、トーマス氏等は、互い違いの位置に設けられていて、ウェーハを洗浄する複数のメガソニックビーム変換器の使用を開示している。各変換器は、不特定の(非常に高い)振動数の振動メガソニックビームを一定方向に放出し、変換器の配設位置は、集束状態のビームがたとえどのようにウェーハが配列されていても室内のウェーハ全表面に当たり、それによりこれらを洗浄するよう選択される。
化学薬品洗浄槽内に設けられていて、協働して半導体ウェーハ、医療用器具及び他の関心のある物品から汚染物及び望ましくない物質層を除去する超音波変換器の使用法が、米国特許第5,178,173号においてエリクソン氏等、米国特許第5,203,798号においてワタナベ氏等、米国特許第5,221,001号明細書においてタマキ氏等、米国特許第5,248,456号明細書においてエバンス氏等、米国特許第5,337,446号明細書においてスミス氏等、米国特許第5,368,054号明細書においてコレツスキー氏等、米国特許第5,380,369号明細書においてスタインハウザー氏等、米国特許第5,447,171号明細書においてシバノ氏、米国特許第5,464,477号明細書においてアワド氏、米国特許第5,467,791号明細書においてカトウ氏、米国特許第5,468,302号明細書においてシュジエトジェ氏、米国特許第5,472,005号明細書においてキャンベル氏によって開示されている。
所望の材料を物品表面に塗布し、吹きつけ、被着させ、又は他の方法で適用するための超音波変換器の使用法が、米国特許第5,387,444号明細書においてバッハマン氏、米国特許第5,409,163号明細書においてエリクソン氏等、米国特許第5,451,260号においてバースティーグ氏等により開示されている。超音波噴霧塗装置が、米国特許第5,454,518号明細書においてムンク氏によって開示されている。
これらの方法は、物品表面を乾燥させるよう加熱又は過熱ガス、或いはビーム照射を差し向け、或いはこれら方法は、超音波ビームと活性化学薬品槽による協働的な作用を利用して汚染物を物品表面から除去し、又は所望の物質を物品表面に適用している。これらの方法は、手が込んでおり、通常、高温での操作を必要とし、数分の処理時間を必要とする場合が多く、しかも処理室のために専用的に耐性のある室壁を使用しなければならない場合が多い。
製造工程において物品の乾燥及び洗浄を行う方法であって、室温で良好に実施できて簡単であり、明らかに完全であってそれほど残滓を生じさせず、1分という短い時間で実施でき、壁がほぼ任意の材料で作られた室内で実施でき、非常に少量の乾燥剤しか使用しなくて済み、この場合のエネルギ、特に熱エネルギの出費は最小限に抑えられる方法及びこの実施に用いられる装置が要望されている。
好ましくは、本方法は、広範な温度にわたって実施可能であり、しかも任意の大きさの表面に合わせて容易に規模を拡大縮小できることを要件とする。
発明の概要
上記要望は、再生利用可能な水及び少量の表面張力が小さな液体の使用及び付加的な再生利用可能洗浄剤の短時間適用(これを実施するかどうかは任意である)により物品を乾燥させる方法及びこれに関連した装置を提供する本発明によって満たされる。一実施形態では、乾燥させるべき物品を室内の濯ぎ液、例えば水の中に浸漬させる。濯ぎ液表面は、表面張力の小さな選択された液体、例えばイソプロピルアルコール(IPA)の非常に薄い膜で覆われ、この薄膜は、選択液の小さな流れの音波又は超音波振動により作られるエーロゾルから生じる。他の適当な液体としては、エチルアルコール、メチルアルコール、テトラヒドロフラン、アセトン、ペルフルオロヘキサン、ヘキサン及びエーテルが挙げられる。薄膜は、必要に応じて連続補給され、乾燥させるべき物品を覆っている濯ぎ液はゆっくりと排出される。薄膜で覆われた濯ぎ液の排出中、選択液は物品表面に短時間接触し、水残滓を後述する「化学的スクイジー(chemical squeegeeing)」で除去する。室の排液後、加熱された又は周囲温度にある洗浄用流体、例えば乾燥N2、CO又はCO2ガスを用いて物品に室内パージ又は乾燥工程を別途施すのが良いが、このようにするかどうかは任意である。濯ぎ液を室から排出しているとき、室内圧力を外部環境圧力の近い圧力又はこれよりも高い圧力に維持するが、このようにするかどうかは任意である。
本方法を制御するために変化させることができるプロセスパラメータとして、選択液からのエーロゾル粒子の生成のための振動数、代表的なエーロゾル粒子直径、選択液の送出し速度、エーロゾル粒子の生成のための選択液の送出し圧力及び温度、使用する(もしあったとして)乾燥用流体、選択液の選択及び使用する乾燥用流体(もしあったとして)の選択が挙げられる。
本発明では、容積が10〜20l、或いは所望ならばこれ以下又はこれ以上の室内の物品を乾燥させるために必要な選択液の量は1〜2mlという少量である。この方法は幾つかの利点をもたらす。第1の利点として、本方法は、非常に少ないエネルギ出費で室温で又はこれに近い温度で実施され、乾燥のための加熱又は過熱状態の液体又はガスの使用を必要としない。第2の利点として、本方法は、多量の濯ぎ液(10〜20ml)中に非常に少量の選択液を用いるので、通常、濯ぎ液と選択液の混合物を、有害物質に必要な専用の取扱い方法を用いないで処分できるようになる。第3の利点として、広範な種々の安価な選択液を使用できる。第4の利点として、選択液の被膜が排液後に室内に残っている濯ぎ液からの蒸気を最小限に抑える。第5の利点として、本方法は装置の実質的な設計変更を行わずにスケールアップ又はスケールダウンが容易である。第6の利点として、本方法は、物品表面に化学的に結合されていない大径の汚染物を除去する。
【図面の簡単な説明】
図1は、物品を室内の濯ぎ液中に浸漬させた状態の本発明を実施する一実施形態とての適当な装置を示す図である。
図2A及び図2Bは、本発明に用いるのに適したエーロゾル生成振動ノズルの略図である。
図3は、濯ぎ液の一部を室から排出した状態の図1の装置を示す図である。
図4は、本発明の方法の一実施形態の流れ図である。
発明の最適実施形態の説明
図1は、本発明の実施に役立つ装置10の一実施形態を示している。密閉室11が、ハウジング12によって構成され、乾燥させるべき物品13A,13B,13C等を保持するラック(これを用いるかどうかは任意である)を備えている。物品13A,13B,13Cは、摺動自在な方式又はヒンジ留め方式、或いは他の方式で開放可能であって、ハウジング12の一部をなす入口15を通して室11内に入れられたりこれから取り出される。入口15を閉じ又は施錠すると、室は好ましくは気密閉鎖される。室内のいくらかの残存ガスを除去できるが、そうするかどうかは任意である。第1のポート21及びこれと関連した第1の弁23が、ハウジング12に取り付けられると共に水又は他の適当な濯ぎ液17の源25に連結されており、最初に物品13A,13B,13Cをかかる濯ぎ液中に浸漬させる。第2のポート31及びこれと関連した第2の弁33が、ハウジング12に取り付けられると共に主として物品13A,13B,13Cを乾燥させる選択された乾燥用の液体又は流体37(以下、「選択液」という)の選択液源35、例えば5〜50psiの圧力状態に維持された加圧タンクに連結されている。
第3のポート41及びこれと関連した第3の弁43(これらは第1のポート21及び第1の弁23と同じレベルに位置するのが良い)が、ハウジング12に取り付けられると共に第1の液体又は流体のタンク又は他の適当な第1の排液受け器45に連結されており、この受け器45は、濯ぎ液27及びこれに吸収された選択液37を受け入れたり排出する。第4のポート51及びこれと関連した第4の弁53(これらは第2のポート31及び第2の弁33と同じレベルに位置するのが良い)が、ハウジング12に取り付けられると共に第2の液体又は流体のタンク又は他の適当な第2の排液手段55に連結されており、この排液手段55は、選択液37及び選択液から生じたエーロゾル液滴(以下、「エーロゾル粒子」という場合がある)39を室11から受け入れたりこれらを排出する。
まず最初に、物品13A,13B,13Cをラック又はカセット(図示せず)に収納した状態で室11内に置き、入口15を閉じ又は施錠し、室を排気し、濯ぎ液27を第1のポート21及び第1の弁23を通して室内に導入し、物品が完全に濯ぎ液中に浸漬するようにする。次に、第1の弁23を開く。変形例として、物品13A,13B,13Cを部分的に濯ぎ液27中に浸漬させてこれら物品の表面の一部が濯ぎ液の露出表面上に露出するようにしてもよい。
次に、選択液37が小さな流れの状態で第1のポート31及び第2の弁33を通って流れてこの流れは圧電駆動式ヘッド61及び10kHz≦f≦1000kHzの範囲、より好ましくは、20kHz≦f≦100kHzの一層狭い範囲にある選択された周波数で振動している振動式音波又は超音波ノズル63によって受け取られる。圧電駆動式ヘッド61は、好ましくは室11の外部に設けられた周波数発生器64に接続されていて、これによって駆動される。この周波数発生器64により振動数fを指示する範囲に選択できる。選択液37が振動ノズル63内に存在していてこのノズルが振動しているとき、選択液は複数のエーロゾル粒子39の状態に変換され、これら液滴39は室11内に移動し、濯ぎ液27及び浸漬された物品13A,13B,13Cによってまだ占められていない室の上方部分11Uのうち大部分又は全部を満たす。
図2Aは、図1に示した装置に使用できる適当な駆動ヘッド61A及び振動ノズル63Aを示している。好ましくは、振動ノズル63Aには中空の柱65Aが形成され、かかる柱の直径d(柱)は約200μmであり、これを通って選択液37(陰影線で示す)が流れる。すると、振動ノズルは、選択液37の小さな液滴39を振り落とし、これら小滴は、ほぼ円筒形パターンのエーロゾル粒子となって濯ぎ液上方の室11の部分に移動する。
図2Bは、別の適当な駆動式ヘッド61B及び薄い中空の柱65Bが形成された振動ノズル63Bを示しており、このノズルを通って選択液37が流れる。ハウジング67Bが、ノズル63Bを包囲していて、リング状の高温又は低温不活性ガス69Bをエーロゾル粒子39へ差し向け、これらエーロゾル粒子39は円錐形又は他の所望のパターンで室内に移動して室内全体にわたるエーロゾル粒子の分布が促進される。また、駆動ヘッドと振動ノズルに関する他の多くの組合せも使用できる。
本発明者は、用いる振動数fを高くすれば、それに伴って一層小さな平均直径d(平均)のエーロゾル粒子39が得られる傾向のあることを発見した。本発明者の推定によれば、20kHz≦f≦100kHzの範囲の振動数に関してはエーロゾル粒子の平均直径は、10μm≦d(平均)≦50μmの範囲にある。平均液滴直径は、隔膜孔66の直径d(膜)を変えたり、振動ノズル63A又は63Bの振動数fを変えることによって種々のものにすることができる。
選択液37は、物品13A,13B,13C及び室11の壁と非反応性であるべきであり、しかも濯ぎ液の表面張力よりも実質的に小さな表面張力を有することが必要である。適当な選択液として、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、テトラヒドロフラン、アセトン、ペルフルオロヘキサン、ヘキサン及びエーテル並びに表面張力の小さな他の多くの液体及び流体が挙げられる。これら物質のうち任意のものを選択液として用いると、特に耐性のある材料で作られた室の壁を使用する必要はない。
選択液37を、送りだしやすくすると共に自然に生じうる選択液の僅かな揮発を抑えるために大気圧よりも5〜50psi高い圧力状態で選択液源35内に保持するのが良い。好ましい濯ぎ液である脱イオン水の表面張力σは、温度Tが約20℃の状態で73ダイン/cmであり、有機分子、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、エーテルの表面張力σは、T=20℃の状態で17ダイン/cm≦σ≦23ダイン/cmの範囲にあり、したがって、室温ではσ(選択液)<<σ(濯ぎ液)である。
本実施形態では、室温又はその近傍の温度の選択液37を用いることが好ましい。相当高い温度の選択液37を用いると、選択液37の表面張力に対して相対的に濯ぎ液27の表面張力が小さくなり、かくして、本発明の方法のために利用される化学的スクイジー効果が妨害される場合がある。
エーロゾル粒子は、蒸気の形態に相転移していない選択液37の分子のクラスタ又は集合形態である。かくして、振動ノズルによって行われる1gの選択液37のエーロゾル粒子39への変換に必要なエネルギE(エーロゾル)(代表的な音波ヘッドについて1.6ワット又は2ml/分の流量において100ジュール/gm以下)は、1gの選択液37を加熱してこれをその蒸気の形態に変換するのに必要な気化エネルギE(蒸気)よりも非常に小さい。本発明者は、E(エーロゾル)/E(蒸気)の比は2%未満であると推定している。エーロゾル粒子の生成は、室温又はその近傍の温度で実施でき、非常に高い温度、例えばT=60〜200℃を用いることは、本発明の方法のためには必要もなければ推奨もできない。さらに、室11内にある数個の物品13A,13B,13Cを乾燥させるには、ほんの僅かな量、即ち1〜5mlという少量の選択液37が必要であるに過ぎない。
エーロゾル粒子39は室11内に移動し、これら液滴のうち多くは濯ぎ液27の露出表面29(好ましくは、穏やかな状態の露出表面)上に、漸変厚さhの薄膜(エーロゾル)30として沈降する。この薄膜30を形成するのに必要な時間は推定、40〜60秒である。薄膜30に結合するエーロゾル粒子39の一部は濯ぎ液27中へ拡散し、したがってこの薄膜に追加のエーロゾル粒子を補給しなければ、薄膜30は迅速に且つ実質的に消えることになるであろう。好ましくは、振動ノズル63に対する選択液37の体積流量r(選択液)を調節して、エーロゾル粒子39が薄膜30に結合する速度が薄膜にとって選択された厚さh(エーロゾル)を維持し、又は増大させるのに十分であるようにする。薄膜の厚さh(エーロゾル)の好ましい範囲は、0.5mm≦h(エーロゾル)≦5mmであるが、体積流量r(選択液)を増大させることによってこの厚さを大きくしてもよい。濯ぎ液27のための面積が約900cm2の露出表面(上方表面)を有する室11については、体積流量r(選択液)=r2=1〜5ml/分の選択液37で十分である。通常、体積流量r2=1〜2ml/分が十分に高い体積流量である。5mm/秒の排液速度で室の排液を行うのに必要な時間は、直径が10〜20cmの半導体ウェーハについては約20〜40秒である。かくして、選択液37のうち極めて僅かな部分が、薄膜の形成及び室の排液のために必要な時間間隔(60〜100秒)の間に濯ぎ液27中へ吸収され又は拡散する。
本発明の方法で用いられる選択液37は上述のように少量なので、選択液源35の容積は20〜25mlというような比較的少ない容積でよく、しかも選択液源35を室11から相当な距離、例えば1〜4m離して位置させることができる。これにより、引火点が低い又は爆発を引き起こす恐れのある選択液が用いられる場合に、本方法の安全性が向上する。
非常に少量の選択液37がプロセス温度、好ましくは室温で、その温度における選択液の平衡蒸気圧係数に基づいて自然に蒸発することになる。この蒸発部分は、室温では密閉室11内では比較的僅かにすべきであり、そうすれば選択液37の蒸発部分は、液体の膜及び選択液37のエーロゾル部分と迅速に平衡状態になる。室温よりも非常に高いプロセス温度を用いると、適度に高い平衡蒸気圧係数を有する選択液37及びこれに付随して多量の蒸気が選択液から生ずることになる。選択液37の僅かな部分のこの自然蒸発は、乾燥プロセスの有益な部分としては見なされない。
エーロゾル粒子の膜30が濯ぎ液27の表面29上に生じた後(これには40〜60秒要する場合がある)、濯ぎ液27を第3のポート41及び第3の弁43を通って室11から排液タンク45内へゆっくりと排出する。濯ぎ液27の排出には、10〜20lの濯ぎ液27を収容する室については推定20〜40秒を要するであろう。排液速度r(排液)についての好ましい範囲は、室11内の濯ぎ液27の高さの減少分が毎秒3〜10mmであり、本発明の方法ではr(排液)=5mm/秒が適当な排液速度である。濯ぎ液のその他の態様の露出表面29のところに選択液37の薄膜30を保つために、排液はゆっくりと生ずる。濯ぎ液27の排出の進行中、エーロゾル粒子39は、振動ノズル63を通る選択液37の小さな流れの流量によって生じ続ける。濯ぎ液27(及び吸収されたエーロゾル粒子39)の排出中、選択液37の体積流量r(選択液)は高い値又は低い値に向かって調節できる。
濯ぎ液27が室11から排出されているとき、物品13A,13B,13Cの表面14A,14B,14Cは、濯ぎ液の露出表面29及びこの上に位置する膜30上に次第に露出し、室の上方部分11U内のエーロゾル粒子39は、図3に示すようにこれら露出表面14A,14B,14C上に沈降する。また、選択液37の膜30の一部は、濯ぎ液27と一緒に第3のポート41の方に移動しないで、物品の表面14A,14B,14Cの露出部分上に沈降する場合がある。選択液37は、濯ぎ液27の表面張力σ(濯ぎ液)よりも非常に小さな表面張力σ(選択液)を有するよう選択されている。濯ぎ液27が水であれば、これと関連した表面張力σ(濯ぎ液)は室温では73ダイン/cmである。この場合、選択液37は、イソプロピルアルコール(IPA)、エチルアルコール又はメチルアルコールであるのが良く、これらの表面張力は室温ではそれぞれσ=21.7ダイン/cm、22.6ダイン/cm、22.8ダイン/cmである。また、選択液37はどのようなプロセス温度が用いられても濯ぎ液にとって代わるよう選択される。本実施形態では、室温(T=20℃)及びこれよりも低い温度を用いるのが良い。本発明の方法は又、これよりも幾分高い温度状態でも満足のいくように動作する。
物品表面14A,14B,14Cの露出部分が選択液37のエーロゾル粒子39を受け入れると、エーロゾル粒子39又は選択液37の新しい膜16A,16B,16Cがこれら露出部分上に生じる。室11からの濯ぎ液27の排出中及び排出が完了した後、膜16A,16B,16C内の選択液37は、物品表面14A,14B,14Cの露出部分上に残っている濯ぎ液27の殆ど又は全てと置き換わる。その大きな理由は、選択液37の表面張力σ(選択液)が濯ぎ液27の表面張力σ(濯ぎ液)よりも非常に小さいからである。選択液によって置き換えられた濯ぎ液27は、物品13A,13B,13Cの露出表面14A,14B,14Cを流下し、室内の濯ぎ液の大部分と共に排出される。物品13A,13B,13Cの表面14A,14B,14C上に膜を形成する選択液37も又、これらの表面を流下し、濯ぎ液27の大部分と共に排出される。かくして、選択液37の膜16A,16B,16Cは、濯ぎ液27及び選択液37を物品13A,13B,13Cの露出表面14A,14B,14Cから除去する際に「化学的スクイジー」としての役目を果たす。
物品の露出表面14A,14B,14Cのこの化学的スクイジー効果はもう一つの利点を有している。このプロセスは、物品表面を乾燥させるだけでなく、大きな汚染粒子の大部分をこれら表面から取り除く。ただし、これら汚染粒子が主要表面に化学的に結合されていないことを条件とする。本発明者は、化学的スクイジープロセスを適用する前の幾つかのむき出しになったシリコン表面を検査し、表1の第2欄に示すようにこれら表面上に直径が少なくとも0.3μmの汚染粒子が相当あることを発見した。本発明者は次に、化学的スクイジープロセスを適用し、化学的スクイジープロセスの完了後にこの表面を再検査し、表1の第3欄に示すように、化学的スクイジープロセスの完了後においては汚染粒子の数が減少したことを発見した。これらの結果の示すところによれば、化学的スクイジー効果だけで、0.3μmよりも大きな直径の汚染粒子の12〜100%が粒径に応じて除去された。
Figure 0003955924
濯ぎ液27が室11から完全に排出されて物品13A,13B,13Cの表面14A,14B,14Cが完全に露出した頃、第2のポート31及び第2の弁33を閉じ、振動ノズル63を作動停止させ、第4のポート51及び第4の弁53を開く。次に、残りの選択液37、エーロゾル粒子39、濯ぎ液27及び濯ぎ液と選択液からの幾分かの蒸気を第4のポート51を通って室11から除去する。本方法のこの部分では10〜20秒を別途必要になる場合があるが、所望ならばそれよりも長い時間間隔の間続け、それにより残っている選択液37及び残っているいくらかの濯ぎ液27を膜16A,16B,16C及び室11から完全に除去するのが良い。今や、物品13A,13B,13Cの乾燥が実質的に完全になっている。
乾燥状態にある高温又は室温の窒素N2、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO2及び他の不活性ガスを第5のポート71及びこれと関連した第5の弁73を通して室11内に導入して室11をパージすると共に、或いは残っている物質を物品13A,13B,13Cの露出表面14A,14B,14Cから除去するのが良いが、このようにするかどうかは任意である。高温パージガスは、パージガスタンク75から室11によって受け入れられ、第6のポート81及びこれと関連した第6の弁83(これらはそれぞれ第5のポート71及び第5の弁73とレベルが同じであるのが良い)を通して除去される。高温パージガスは、再生利用、処理又は処分のために室11から使用済みパージガスタンク85内に受け入れられる。本方法のこの部分は、もし行うとすれば、30〜60秒を別途要する。
図4は、本発明の一実施形態で実施されるプロセス工程を示すフローチャートである。工程91では、乾燥させると共に、或いは洗浄すべき物品13A,13B,13C(図1及び図3)を室に入れ、室を閉じる。工程93では、濯ぎ液27を室内へ導入して物品を部分的に又は(好ましくは)完全に浸漬させる。工程95では、選択液37のエーロゾル粒子を室内に生じさせ、選択液の膜を濯ぎ液の露出表面上に形成してこれを維持する。工程97では、濯ぎ液27及び吸収された選択液37を室からゆっくりと排出して最終的には物品の表面をエーロゾル粒子にさらし、選択液の膜が物品表面上に生じるようにし、任意的に、室内圧力を外部環境圧力又はその近傍に維持する。工程99では、物品の表面上の選択液の膜は、化学的スクイジーを行って残存濯ぎ液27及び残存選択液37並びに汚染要因物を物品表面から除去する。工程101では(これを実施するかどうかは任意である)、残存選択液37及び濯ぎ液27を室から取り除く。工程103では(これを実施するかどうかは任意である)、パージガスを室に通して残存ガス及び/又は液体粒子を室から除去する。今や乾燥すると共に清浄になっている物品を室から取り出すのがよく、或いは室内で別の処理を行ってもよい。
排液速度rlをたとえどのように選択したとしても、室11からの濯ぎ液27の除去により室内に真空が生じ、この真空状態は、駆動ヘッド61及び振動ノズル63からの少量の選択液を室内に入れても完全には無くならない。もし室11が十分に気密であれば、この真空の発生に応答して室内に入る外部環境からのガスは殆ど又は全く無いであろう。しかしながら、多くの室は十分には気密ではないので、このような場合には、外部環境からの相当な量のガスが、ことによると一又は二以上の汚染粒子を同伴して室内に流入し、かかる汚染粒子は選択された物品13A,13B,13Cの露出表面14A,14B,14C上に沈降することがある。これは、本明細書に開示した方法及び装置に関する実験のうち幾つか(ただし、全てではない)において観察された。
図3を参照すると、実質的に不活性の置換ガス122、例えばN2、CO、CO2のリザーバ121が、これを使用するかどうかは任意の例として設けられており、このリザーバは室11と流体連通している。リザーバ121内の不活性ガス122は、ポート123及びこれと関連した弁付き圧力制御装置125を通過して室11に流入する。弁付き圧力制御装置125は、ポート41及び弁43を用いて濯ぎ液27を室11から排出しているときに室11内に生じる漸増圧力(負圧)を検知する。この圧力(負圧)の増大に応答して弁付き圧力制御装置125により、不活性ガスリザーバ121からの十分な不活性ガス122が室に流入して室内圧力PがP=P(外部)の圧力状態に維持されるようにする。ここで、P(外部)は、室の外部の局所圧力にほぼ等しく、或いはこれよりも高い圧力である。本実施形態では、室内圧力Pは、局所外部圧力P(外部)よりも幾分高いことが好ましく、もし室が十分な程度に気密でなければ、不活性ガス122のうち幾分かは室11から外部環境へ抜け出る傾向があるので外部環境からのガスの流入を妨げることになろう。室11内に維持される圧力PはP(外部)よりも幾分低く、恐らくは0.8P(外部)という低い圧力であってもよく、かかる圧力であっても外部環境から室内へのガスの流入を妨げるであろうが、このようにするかどうかは任意である。濯ぎ液27を室11から完全に排出して選択物品13A,13B,13Cの表面14A,14B,14Cが完全に乾燥すると共に、或いは清浄になった後、そして選択物品の加工にあたって次の工程を実施する前に、不活性ガス122を室から抜いて不活性ガスリザーバ127に導入するのがよい。
変形例として、もし室11からの濯ぎ液27の排液速度rlを十分なほど良好に制御すれば、弁付き圧力制御装置125で室11の内部圧力を検知することは不要である。この方法では、弁付き圧力制御装置125は不活性ガス122を不活性ガスリザーバ121からプログラムされた体積流量r3で導入する。なお、r3は、室からの濯ぎ液27の排出中に内部圧力PをP(外部)にほぼ等しく又はこれよりも高い圧力に維持するのに十分な圧力である。
不活性ガス122の温度Tは好ましくは、濯ぎ液の温度又はその近傍の温度であり、この濯ぎ液の温度は、通常は室温であり、或いはこれよりも幾分低く又は高い。パージガスリザーバ75は、弁付き圧力制御装置125を設ければ、不活性ガスリザーバ121としても役立つ。

Claims (11)

  1. 物品の乾燥装置であって、
    乾燥させるべき選択された物品を受け入れて収容する密閉室を有し、密閉室は、選択物品を密閉室内に入れたりこれから取り出すことができるようにする開放可能な入口を備え、密閉室は、濯ぎ液源と流体連通していて、選択された表面張力を有する濯ぎ液を密閉室内に送り込んで選択物品が濯ぎ液中に部分的に又は完全に浸漬されるようにする第1の孔と、濯ぎ液が第1の選択された体積流量範囲にある体積流量r1で密閉室から出ることができるようにする第2の孔とを備え、上記乾燥装置は更に、密閉室と流体連通していて、濯ぎ液の表面張力よりも実質的に小さな表面張力を有する選択された液体を受け入れる第3の孔を備えた振動ヘッドを有し、
    上記振動ヘッドは、選択液を第2の選択された体積流量範囲にある体積流量r2で受け入れ、そして選択液が密閉室内でエーロゾル粒子となるように振動し、このエーロゾル粒子の一部が濯ぎ液の露出表面上に選択液の膜となり、さらに、この選択液の膜が選択物品の露出表面上の濯ぎ液にとって代わるように構成されていることを特徴とする装置。
  2. 振動ヘッドは、10kHz≦f≦1000kHzの範囲にある少なくとも一つの振動数fで振動することを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 選択液は、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、テトラヒドロフラン、アセトン、ペルフルオロヘキサン、ヘキサン及びエーテルから成る実質的に非反応性の液体等級から選択されることを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. エーロゾル粒子の実質的に全てが、選択液の相を変えることなく密閉室内に生じることを特徴とする請求項1記載の装置。
  5. エーロゾル粒子は、毎秒2ジュール未満のエネルギ支出で密閉室内に生じることを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 物品の乾燥方法であって、
    乾燥させるべき選択された物品を密閉室内に配置する工程と、
    選択された表面張力を有する十分な量の濯ぎ液を密閉室内に導入して選択物品が濯ぎ液中に部分的に又は完全に浸漬されるようにする工程と、
    濯ぎ液の表面張力よりも実質的に小さな表面張力を有する選択された液体を選択された体積流量範囲にある体積流量r2で導入する工程と、
    選択液のエーロゾル粒子を密閉室内に生じさせる工程と、
    エーロゾル粒子の一部が濯ぎ液の露出表面上に選択液の膜となるようにする工程と、
    濯ぎ液を密閉室から選択された体積流量範囲にある体積流量r1で排出して選択液の膜を選択物品の露出表面上に生じさせる工程と、
    選択液の膜が選択物品の露出表面上の濯ぎ液にとって代わるようにする工程と、
    を有することを特徴とする方法。
  7. エーロゾル粒子を生じさせる上記工程は、選択液を10kHz≦f≦1000kHzの範囲にある選択された振動数fで振動する振動ヘッドに通す工程を含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 選択液を、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、テトラヒドロフラン、アセトン、ペルフルオロヘキサン、ヘキサン及びエーテルから成る実質的に非反応性の液体等級から選択する工程を更に有することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
  9. 選択液の相を変えることなくエーロゾル粒子の実質的に全てを密閉室内に生じさせる工程を更に有することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
  10. エーロゾル粒子を毎秒2ジュール未満のエネルギ支出で密閉室内に生じさせる工程を更に有することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
  11. 膜が濯ぎ液にとって代わるようにする工程が、直径が少なくとも0.3μmの汚染粒子を選択物品の露出表面から除去することを更に特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の方法。
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