JP3960253B2 - 光スイッチ及びビームダイレクションモジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
複数のファイバーを伝送する光信号の接続を切替える光スイッチに関し、ビーム化した光信号の向きをミラーにより制御する三次元光マトリクススイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた光通信においては、N×Nの光スイッチ、すなわち、N個の入力ポートに光ファイバを通して送られてきた光信号のうちの任意の1つを、N個の出力ポートのうちの1つに接続でき、これらの接続を切替えることのできる装置が用いられる。
アレイ化したファイバコリメータおよびミラーアレイを用いて、光路を形成できる三次元光マトリクススイッチについて米国特許第6347167号に記載がある。
【0003】
本従来例では、ファイバーとコリメータレンズを配列したハウジングと、入力側と出力側のマイクロミラーを同一面に配列した基板と、反射面を形成したキャップをそれぞれ平行に配置する。レンズから出たビームは基板を透過してキャップの反射面で反射し、次に入力側マイクロミラーに反射してキャップを透過して射出される。さらに第2のキャップで反射してビームが折り返され、今度は出力側のマイクロミラーで反射し、入力側と同様の経路を辿り出力側ファイバーに結合する。
【特許文献1】
米国特許第6347167号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、米国特許第6347167号においては、ミラーの配列面に、ビームの通過領域を配置する必要があるため、光マトリクススイッチのミラーのアレイ密度が低くなってしまう。入出力ファイバ間の光路長(ワーキングディスタンス)と、ミラーの最大振り角は限られているため、ミラーの配列密度が低下すると、結合可能なチャンネル数が低下してしまう。
【0005】
上記のような課題を克服し、ミラーの配列密度を向上できる三次元光スイッチを実現するのが本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、例えば以下の構成を有する。
(1)複数の可動ミラ−が配置され、異なる回転軸で駆動されて、ビームをコントロールする。例えば、複数の光ファイバを伝播する光信号を切替える光スイッチであって、第一の支持部材と、前記第一の支持部材に支持されており、ビームを出す第一のコリメータと、前記支持部材に対向して設置される第一の基板と、前記第一の基板に設置される第一のマイクロミラーと、前記第一の基板に対向して設置される第二の基板と、前記第二の基板に設置される第二のマイクロミラーと、を備えた入力側ビームダイレクションモジュールと、前記入力側ビームダイレクションモジュールからの光を受光する出力側ビームダイレクションモジュールと、を備え、前記第一のマイクロミラーは第一の方向を軸として回転し、前記第二のマイクロミラーは第二の方向を軸として回転する機構を備える。
(2)出力側のビームダイレクションモジュールも入力側と基本的に同様の構成を持つようにすることができる。例えば、入力側モジュールおよび出力側モジュールとして対向させて設置して、前記入力側モジュールの任意のファイバーの信号を前記出力側モジュールの任意のファイバーに接続するようにすることができるようにする。一例としては、(1)において、前記出力側ビームダイレクションモジュールは、第二の支持部材と、前記第二の支持部材に支持されたビームを受ける第二のコリメータと、前記第二の支持部材に対向して設置される第三の基板と、前記第三の基板に設置される第三のマイクロミラーと、前記第三の基板に対向して設置される第四の基板と、前記第四の基板に設置される第四のマイクロミラーと、を備えた出力側ビームダイレクションモジュールと、を備える。
(3)(1)〜(2)に関して、第一の基板は第一のビーム通過領域を備え、前記第二の基板は第二のビーム通過領域を備え、前記第一のコリメータから出たビームは前記第一のビーム通過領域を通って前記第二のマイクロミラーで反射され、前記第二のマイクロミラーで反射されたビームは前記第一のマイクロミラーで反射され、前記第一のマイクロミラーで反射されたビームは前記第二のビーム通過領域を通って前記出力側ビームダイレクションモジュールに導かれる。
(4)(1)〜(3)に関して、ファイバコリメータから射出するビームが、前記第1のミラー基板、および前記第2のミラー基板に対して斜めに入射するように形成される。
【0007】
例えば、前記第一の支持部材は、第一の連結部材を介して前記第一の基板に支持され、前記第一の基板は第二の連結部材を介して前記第二の基板に支持される。
(5)(1)〜(4)に関して、前記入力側のビームダイレクションモジュールの前記コリメータは複数設置され、前記入力側のビームダイレクションモジュールの前記コリメータは複数設置され、前記入力側のコリメータのうち第一のコリメータの前記第一の基板の主面に対する角度は前記第一のコリメータより前記出力側のビームダイレクションモジュール側に位置する第二のコリメータの前記第一の基板の主面に対する角度より小さくなるよう形成されているものを含むことを特徴とする光スイッチ。
または、例えば、前記入力側モジュールにおいて、前記入力側モジュールから射出させたビームが前記第一のマイクロミラーおよび前記第二のマイクロミラーが回転していない状態で、前記出力側モジュールの前記第三のマイクロミラー配列領域の中心付近に向くように第一のコリメータの前記第一の基板の主面に対する角度を変化させて設置され、前記出力側モジュールにおいては、前記出力側モジュールから射出させたビームが前記第三のマイクロミラーおよび前記第四のマイクロミラーが回転していない状態で、前記入力側モジュールの前記第一のマイクロミラー配列領域の中心付近に向くように第二のコリメータの前記第三の基板の主面に対する角度を変化させて設置される。
【0008】
また、(1)〜(4)のビームダイレクションモジュールで、前記第1の可動ミラーおよび第2の可動ミラーは、動作させない状態で表面がそれぞれ第1のミラー基板表面および第2のミラー基板表面と実質的に平行になるように形成されていることが好ましい。精度誤差の範囲程度で平行であればよい。
(6)(1)〜(5)に関して、貫通孔の径はその2つの主面で大小がある。
【0009】
例えば、前記第一のビーム通過領域或いは前記第二のビーム通過領域は、基板に開口部が形成されてなり、それぞれ前記第一の可動ミラー或いは第二の可動ミラーを配置した面の開口径は前記可動ミラー配置面の反対側より小さくなるよう形成されている。具体的にはテーパのついた貫通孔であることが好ましい。
(7)(1)〜(6)に関して大ミラー付構造にする。光が入力側モジュールから出た後出力側に至る間の光路に大ミラーが配置される。
【0010】
例えば、前記入力側のビームダイレクションモジュールから出たビームは大ミラー(反射板)で反射されて前記出力側のビームダイレクションモジュールに導かれるよう形成される。
【0011】
このように、大ミラーとともに設置してなり、前記入力側モジュールと前記出力側モジュールとの間の光路において、前記大ミラーでビームが反射するように配置されており、前記入力側モジュールの任意のファイバーの信号を前記出力側モジュールの任意のファイバーに接続することができるようにすることが好ましい。
(8)(1)〜(7)において、前記大ミラーは前記入力側ビームダイレクションモジュール側に対して凹曲面形状を有する。
【0012】
このようにすることにより、前記入力側モジュールおよび前記出力側モジュールの任意の前記コリメータからビームを射出したときに、前記ビームが、対応する前記第一の可動ミラーおよび第二の可動ミラーが回転していない状態で、それぞれ対向するモジュールの前記第一の可動ミラーの配列領域の中心付近に向くように、前記大ミラーの曲面を調節することもできる。
【0013】
本発明の一例としては、光信号の入出力用のファイバーを複数有し、各ファイバーに伝播する光信号をビーム化してそれぞれ任意の方向に向けることのできるビームダイレクションモジュールに関して、光信号が伝播するファイバーと、前記ファイバーからの光信号をコリメートビーム化するように配置されたコリメータレンズにより構成されるファイバコリメータが、ファイバコリメータ支持体に複数配列して設置されたファイバコリメータアレイと、1つの回転軸を有し傾き角を制御可能な複数の第一の可動ミラーと、ビームが通過できる複数の第一の窓が、薄板状の第1のミラー基板上に、それぞれ前記ファイバコリメータに対応して配列された第一のミラーアレイとを有する。そして、前記第一の可動ミラーの回転軸と直交する1つの回転軸を有し傾き角を制御可能な複数の第二の可動ミラーと、ビームが通過できる複数の第二の窓が、薄板状の第二のミラー基板上に、それぞれ前記ファイバコリメータに対応して配列された第二のミラーアレイを有し、前記ファイバコリメータアレイのビーム射出面と前記第一のミラーアレイ、および前記第一のミラーアレイと前記第二のミラーアレイがそれぞれ近接して設置され、前記ファイバコリメータから射出したビームが、前記第一の窓を通過し、前記第二の可動ミラーで反射して、前記第一の可動ミラーで反射して、前記第二の窓を通過して外部に向けて射出されるように各部材が配置されており、前記第一の可動ミラーおよび第二の可動ミラーの傾き角を調節することで、前記ビームの射出方向を制御できるようになっている。
【0014】
本発明では、2つのミラーを一軸づつ制御して用いてビームの射出方向を制御するところに一つの特徴がある。
これにより、ミラーデバイスのサイズを小型化できる。
前記従来技術のように固定ミラーと二軸可動ミラーとの組合せにより調整する場合において、一般的に二軸可動ミラーでは、実効的なミラー面が一軸中心に回転する他に、もう一軸の回転を担う可動子が必要になるのに対して、一軸可動ミラーではそのような可動子を必要としないので、ミラーデバイス全体のサイズを小さくできる。また、一般的に用いられている静電駆動のミラーの場合、二軸可動ミラーでは、4個あるいは少なくとも3個の静電パッドを必要とするのに対して、一軸可動ミラーでは2個で良いため、静電パッドに給電するための配線の引き回しスペースを小さくできる。上記のような効果から、本発明では、ミラーの配列密度を向上でき、より多チャンネルの光マトリクススイッチを実現できる。
【0015】
また、前記従来技術のように固定ミラーと二軸可動ミラーとの組合せにより調整する場合、二軸可動ミラーでは、実効的なミラー面が可動子の回転に追従して傾くため、ミラー面を回転させるためにパッドに印可する電圧値とミラー面の回転量との関係の特性が、可動子の回転量に応じて変化してしまうこととなり、ビームの方向制御が非常に難しくなる。
【0016】
一方、本発明においては、独立した2つのミラーにより一軸ずつの回転を担うため、軸間の干渉がなく、ビームの方向制御が容易である。
【0017】
また、薄い基板上にアレイ化された第1のミラーアレイおよび第2のミラーアレイを、ファイバコリメータアレイのビーム射出面に近接して設置する構成であるため、ファイバーから第1の可動ミラーおよび第2の可動ミラーまでの光路を非常に短くでき、かつ、多チャンネル化してアレイサイズが拡大しても、ファイバーからミラーまでの光路の増加を抑制できる。そのため、ファイバコリメータの光軸やミラー制御の角度ずれに対して、結合効率の低下を小さくできる。また、上記のような近接配置であるために、ファイバコリメータアレイ、第1のミラーアレイ、および第2のミラーアレイを、溝やピンなどを用いて直接的に位置決めでき、アクティプな調芯方法を必要としないので、位置合わせの手間を低減できる。また、溝の寸法精度はマスクにより高精度に制御できるので、高精度な位置決めが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0019】
図1に断面模式図を示す本発明の第1の実施形態は、光信号の入出力用のファイバーを複数有し、各ファイバーに伝播する光信号をビーム化して、それぞれ任意の方向に向けることのできるビームダイレクションモジュール1であって、光信号が伝播するファイバー2と、ファイバー2からの光信号をコリメートビーム化するように配置されたコリメータレンズ3により構成されるファイバコリメータ4が、ファイバコリメータ支持体5に複数配列して設置されたファイバコリメータアレイ6と、1つの回転軸を有し傾き角を制御可能な複数の第1のミラー7と、ビームが通過できる複数の第1の窓8が、薄板状の第1のミラー基板9上に、それぞれ前記ファイバコリメータ4に対応して配列された第1のミラーアレイ10と、前記第1のミラー7の回転軸と直交する1つの回転軸を有し傾き角を制御可能な複数の第2のミラー11と、ビームが通過できる複数の第2の窓12が、薄板状の第2のミラー基板13上に、それぞれ前記ファイバコリメータ4に対応して配列された第2のミラーアレイ14を有し、ファイバコリメータアレイ6のビーム射出面6aと第1のミラーアレイ10、および第1のミラーアレイ10と第2のミラーアレイ14がそれぞれ近接して設置され、ファイバコリメータ4から射出したビーム15が、第1の窓8を通過し、第2のミラー11で反射して、第1のミラー7で反射して、第2の窓12を通過して外部に向けて射出されるように各部材が配置されており、第1のミラー7および第2のミラー11の傾き角を調節することで、ビーム15の射出方向を制御できる。
【0020】
本発明の第2の実施形態は、図2の断面模式図に示すように、第1の実施形態のビームダイレクションモジュール1を2基対向させて配置し、一方を入力側モジュール16、他方を出力側モジュール17として構成した光スイッチ18である。入力側モジュール16のファイバー2aに送られてきた光信号は、ビーム化され、対応する第1のミラー7aおよび第2のミラー11aを制御することにより、出力側モジュール17の任意の第1のミラー7bに向けられる。出力側モジュール17では、第1のミラー7bおよび第2のミラー11bの傾きを制御して、対応するファイバー2bの端面にビームが集光するように調節する。こうして、入力側モジュール16の任意のファイバー2aに送られてきた光信号を、出力側モジュール17の任意のファイバー2bに接続することができる。
【0021】
比較例としての三次元型の光スイッチの基本的な構成例を図3に示す。ファイバー端からの光をコリメートビームにして射出、あるいはコリメートビームをファイバー端に集光することのできるファイバコリメータを二次元的に配列したファイバコリメータアレイを入力側と出力側の二対有し、さらに各ファイバーに対応して可動ミラーを二次元配列したミラーアレイを入力側と出力側それぞれに対して設置する。各マイクロミラーは二軸可動で、傾き角を制御できるようになっており、任意の入力側ファイバコリメータからのビームは、対応する入力側ミラーアレイ上のミラーで反射されて、出力側ミラーアレイの行き先の出力ポートに対応するミラーに導かれ、このミラーにより出力側のファイバコリメータに導かれて、光結合が達成される。
【0022】
図4に前記比較例の三次元型光マトリクススイッチの水平方向一列分の配置を示す。高い結合効率を達成するためには、ファイバコリメータおよびミラーアレイの相対位置や、ミラーの制御などを高精度に行い、光ビームのエネルギーが確実に出力側ファイバーに結合する必要がある。例えば、ファイバコリメータアレイの各ファイバコリメータに光軸方向の角度ばらつきがあると、ビームがミラーからはみ出して損失が発生する。また、出力側ミラーの角度制御にずれが発生すると、出力側ファイバー上でのビームの集光点がずれて損失が発生する。上記のビーム入射位置ずれは、いずれもコリメータレンズ/ミラー間距離Lに比例して大きくなるため、損失の低減、つまり結合効率の向上のためには、Lを短くすることが重要になる。
【0023】
しかしながら、図4に示した比較例の光マトリクススイッチにおいては、ファイバコリメータアレイが光路に干渉しないように、ファイバコリメータアレイとミラーアレイを離して設置するため、Lが比較的大きくなってしまう。またレンズとミラーの配列面が平行でないため、Lが場所により変化し、結合効率のばらつきを発生する恐れがある。また多チャンネルになりミラーアレイのサイズが大きくなるほど、Lの最大値(Lmax)が大きくなってしまう。
【0024】
本発明の一実施形態としての光スイッチでは、第1のミラーアレイ10および第2のミラーアレイ14にビームが通過できる窓を形成するため、図3および図4に示した比較例の三次元光スイッチのようにビーム光路とファイバコリメータアレイとの干渉を考慮する必要がなく、よって、第1のミラーアレイ10および第2のミラーアレイ14をファイバコリメータアレイ6のビーム射出面6aに近接させて設置することができ、コリメータレンズ3から第1のミラー7あるいは第2のミラー11までの光路を非常に短くできる。よって、比較例の光スイッチと比較して、ビーム入射位置ずれを小さくでき、結合効率を向上できる。また、レンズからミラーまでの光路長は場所によって変化せず、また多チャンネル化しても最大光路長が増加しないため、結合効率のばらつきおよび低下を防ぐことができる。
【0025】
さらに、本発明では、ファイバコリメータアレイ6、第1のミラーアレイ10、および第2のミラーアレイ14が近接して配置しているため、それぞれを直接的に位置合わせすることができる。図5はファイバコリメータアレイ6、第1のミラーアレイ10、および第2のミラーアレイ14の位置合わせ方法の一例を示す断面模式図である。ファイバコリメータ支持体5、第1のミラー基板9、第2のミラー基板13の周辺部の所定の位置にそれぞれ位置合わせ用の第1の溝19、第2の溝20、および第3の溝21を形成し、精度の保証された第1のピン22および第2のピン23を用いて互いに位置合わせする。位置合わせ用の溝は、ミラーおよび窓を配列している領域の外周部に設けることが望ましく、少なくとも2箇所以上で位置合わせすることが望ましい。溝の形成は、例えばマスクパターンに従ってエッチングなどにより行うことで、高い精度で加工が可能なので、十分な位置合わせ精度が得られる。
【0026】
例えば、比較例の三次元光スイッチにおいては、ファイバコリメータアレイと、ミラーアレイが互いに離れて設置されるため、両者の相対位置合わせは、例えばミラーアレイを移動ステージに固定し、ファイバコリメータアレイから出る参照ビームをモニタしながらミラーアレイの位置をステージで調整するといった位置合わせ手順および装置が必要であった。本発明では、上記のように直接的に高精度な位置合わせが可能なので、位置合わせにかかる手間と費用を低減することができる。溝形状は、例えばV字溝や、貫通孔などを用いることができる。ピンは円柱形か、円柱形で先端が球状のもの、あるいは球状のものなどを用いることができる。
【0027】
本発明の一実施例のビームスキャニングモジュールにおいては、ファイバー2、コリメータレンズ3、第1のミラー7、第1の窓8、第2のミラー11、および第2の窓12の、それぞれ1つずつが組となって、一本のビーム15の光路を形成するように配置されることが必要であり、その限りであれば、さまざまな配置をとってよい。ただし、第1のミラー7および第2のミラー11を、それぞれ第1のミラー基板9および第2のミラー基板13の表面に対して非平行に形成しようとすると、製造上難しく手間がかかる。その点で、第1のミラー基板9および第2のミラー基板13の表面に平行になるように形成した第1のミラー7および第2のミラー11を用いてビーム15の光路を構成することが望ましく、そうした構成は、ビーム15が第1のミラー基板9および第2のミラー基板13に対して斜めに入射するように、ファイバコリメータ4を配置することにより達成できる。
【0028】
また、本発明の一実施例では、互いに回転軸が異なるミラー2つを主に一軸駆動させて、ビームの射出方向を制御する。図6でビーム射出方向を制御する仕組みを説明する。コリメータレンズ3から射出したビームが、第1の窓8を通過し、第2のミラー11および第1のミラー7で反射し、第2の窓12を通過した後の、任意のビーム投射面24を考える。図に示すようにx方向101、y方向102を定める。第1のミラー7を第1のミラー回転軸25を中心に回転させることにより、ビーム投射面24上でx方向101にビームを振ることができ、さらに、第2のミラー11を第2のミラー回転軸26を中心に回転させることにより、ビーム投射面24上でy方向102にビームを振ることができる。このように、互いに直交した回転軸を持つ2つの一軸駆動ミラーを用いて、ビームを任意の方向に向けることができる。もちろん、2つのミラーの回転軸の向きは反対になってもよいし、また、軸同士は直交していることが最も望ましいが、完全に直交していなくてもよい。
【0029】
ただし、望ましくは、図6に示したとおりに、第1のミラー7の第1のミラー回転軸25がy方向102を、第2のミラー11の第2のミラー回転軸26がx方向101を向くようにする。第2の窓12は、ビームがミラーに振られても通過できるだけのサイズにする必要がある。ミラーから第2の窓までの距離が遠いほど、第2の窓のところでビームが振られる距離は増加する。よって、図6の構成と逆に、第2の窓12までの距離が第1のミラー7よりも遠い第2のミラー11においてビームをx方向に振ると、第2の窓をx方向により広げる必要がある。すると、第2のミラー11と第2の窓12のピッチを広げる必要があり、それに応じて、ミラー基板間距離27も広がってしまう。すると、ミラーから第2の窓までの距離がさらに遠くなり、第2の窓をさらに広げなければならないというように、配列ピッチが大きくなってしまう。逆に第2のミラー11でy方向にビームを振ると、第2の窓はy方向により広がるが、これは第2のミラーアレイ間距離27には影響を及ぼさない。以上のように、図6の構成のように第2のミラー11でy方向にビームを振るように、つまり回転軸がx方向を向くようにすることで、ミラーと窓の配列ピッチをより小さくでき、配列密度が高まり、多チャンネルの光スイッチを実現できる。ここでx方向は、第1のミラーアレイ10と第2のミラーアレイ14が積み重なる方向に対してコリメータ3から出るビーム光軸の傾斜方向28である。すなわち、望ましくは、第2のミラー11の第2の回転軸26をコリメータ3から出るビームが傾く方向と同じ方向にする。つまり、傾斜方向28は、X方向101になるようにする。
具体的には、ミラーが設置される基板の積層方向から見て、例えば、光ファイバ2(コリメータ3であることができる)の長手方向(光出力方向であってもよい)に対して、第2のミラー11はその直交方向より平行方向に近い方向に回転軸を有し、第1のミラー7はその平行方向より直交方向に近い方向に回転軸を有する。このため、第1ミラー軸25より第2ミラー軸26の方が光ファイバの傾斜方向28や光出力方向等に近くなる。また、同方向から見て、光ファイバ2あるはコリメータ3からの光出力方向は、第2ミラーが駆動することによって、反射光は前記出力と平行方向の変化よりそれと直交方向の変化が大きく、第1ミラーが駆動することによって、反射光は前記出力方向と直交方向の変化より平行方向の変化が大きくなるよう形成されている。
【0030】
光マトリクススイッチのミラーには、MEMS(Micro electromechanical systems)技術を用いて製造され、静電力により駆動するものを用いることができる。図7a〜7cに二軸駆動のミラー構造の一例を示す。図7aは平面構造を示しており、ビームを反射する部分である実効ミラー部30が、第1の回転軸31を構成する二本の第1の梁32を介して可動子33に結合しており、可動子33は、第1の回転軸31と直交する第2の回転軸34を形成する二本の第2の梁35を介して、支持体36に結合され、ミラー構造体37を構成する。第2の回転軸34を中心にして可動子33が実効ミラー部30とともに回転し、また第1の回転軸31を中心にして実効ミラー部30が回転することにより、実効ミラー部30が二軸で回転することができる。
【0031】
図7bはミラーの駆動方法を示す図7aのA-A断面における断面図である。上記ミラー構造体37はスペーサ38を介して電極基板39上に設置される。ミラー構造体37の電極基板39対向面には、導電膜40が形成されており、電極基板39表面に形成された静電パッド41に電圧を印可し、導電膜40との間に静電引力を発生させて実効ミラーおよび可動子を引き付けて回転させる。なお、ミラー構造体の導電膜40形成面と反対の面には、少なくとも実効ミラー部30表面に、ビームを反射できるミラー膜42を形成する。
【0032】
図7cは静電パッド41の平面的配置例を示している。第1のミラー回転軸31を中心とする回転を主に発生する二対の第1の静電パッド43、および、第2のミラー回転軸34を中心とする回転を主に発生する二対の第2の静電パッド44を配置する。静電パッドは合計4つになり、静電パッドに給電するための4本の配線45が電極基板39上に形成される。
【0033】
これに対して、図8a〜8cに一軸可動ミラーの構造の一例を示す。図8aに示すように、実効ミラー部50が、回転軸51を構成する二対の梁52を介して支持体53に結合され、ミラー構造体54を構成している。回転軸51を中心に実効ミラー部50が回転するのみで、二軸可動ミラーのように可動子は必要としない。図8cに示すように、静電パッド55は回転軸51を中心とする回転を発生させる二対のみで、配線56も2本になる。
【0034】
このように、一軸可動ミラーでは可動子を必要としないため、二軸可動ミラーよりもミラー構造体のサイズを小さくできる。また、配線は、二軸可動ミラーでは4本なのに対して、一軸可動ミラーでは2本になるため、配線の引き回しスペースもほぼ半減する。本発明の第1のミラー基板9および第2のミラー基板13上には、ミラー構造体、窓、静電パッド、配線をそれぞれ配置する必要があるが、一軸可動ミラーを用いることにより、二軸可動ミラーを用いた場合と比較して、ミラーデバイスそのもののサイズが小さくなり、また配線スペースが小さくなることにより、ミラーの配列ピッチを小さくでき、配列密度を向上できる。これにより、ビームが通過するための窓を配置したことによるミラー配列密度の低下を補い、より多チャンネルの光スイッチを実現できる。
【0035】
また、図7、図8に示したような一般的な二軸可動ミラーおよび一軸可動ミラーを考えて、入力側ミラーアレイのミラーの角度を振って、出力側ミラーアレイの面上でビームを到達させられる範囲(ビーム到達可能範囲と呼ぶ)を比較した模式図を図9に示す。ミラーの最大振り角は、ミラーが傾いて静電パッドと近づくことで静電力が急激に増大し、ねじり梁の剛性とつりあわなくなって完全に引き付けられてしまうプルイン現象が発生する角度により決まる。プルインが発生せずに回転できる最大角度がθmaxであったとすると、二軸可動ミラーでは、ミラーの静電パッドと最も近づく点における角度がθmaxとなるところが振り角の限界となるため、ビーム到達可能範囲58は図9に示すようにほぼ円形になる。一方、一軸可動ミラー2つでビームの方向を制御する本発明の光スイッチでは、直交した2つの軸方向にそれぞれθmax回転できるため、ビーム到達可能範囲59は図9に示したように矩形となり、斜線で示したような部分にもミラーを配列可能になる。
【0036】
さらに、実効ミラー部のサイズが同じ場合、一軸可動ミラーの方が静電パッドの面積を大きくできるため、印可電圧値に対して得られる静電吸引力が大きくなる。すると、駆動力を確保しながら、ミラー構造体と静電パッドの間の距離を離すことができるので、プルインが発生しにくくなり、ミラーの最大振り角を大きくすることができる。
【0037】
これらの効果により、ビームが通過するための窓を配置したことによるミラー配列密度の低下を補い、より多チャンネルの光スイッチを実現できる。
【0038】
二軸可動ミラーにおいては、例えば、可動子を第2のミラー回転軸まわりに回転すると、同時に実効ミラーも回転し、すると、実効ミラーと第1の静電パッド間のギャップが変化するため、実効ミラーの第1の回転軸まわりの回転と第1の静電パッドに印可する電圧との関係の特性が変化してしまう。このように、一方の軸まわりにどれだけ回転しているかで、もう一方の軸まわりの回転の特性が変化するため、ミラー回転角の制御が非常に難しい。
【0039】
しかし、2つの一軸可動ミラーを用いた本発明の構成では、2つの軸まわりの回転は、2つの一軸可動ミラーが独立に受け持つので、軸間の干渉がなく、ミラーの回転と静電パッドに印可する電圧との関係の特性は一定となり、ミラー回転角の制御が容易になる。
【0040】
複数の第1のミラー7あるいは第2のミラー11を第1のミラーアレイ10あるいは第2のミラーアレイ14に配列して作成する方法は、例えば、図8に示したミラー構造体54の部分が複数配列したウエハをMEMS技術を用いて作成し、スペーサを介して、静電パッドや配線を形成した第1のミラー基板9あるいは第2のミラー基板13に張り合わせることができる。
【0041】
なお、MEMS技術とは、シリコンあるいはシリコンの酸化物により構成されるウエハを材料とし、フォトリソグラフィによりマスクをパターニングし、ウェットエッチング、ドライエッチングなどの加工法を用いて立体的な構造を作成する技術である。基本的には周知の製造技術を用いることができる。
【0042】
なお、第1のミラー7および第2のミラー11は、図8に示した構成に限られたものではなく、実効ミラー部や梁の形状、静電パッドの形状や配置など様々な構成をとってもよい。例えば図6に示したように、実効ミラーが矩形であってもよい。実効ミラー部以外の部分がなるべく小さい構成のものを用いることにより、ミラーの配列密度を高くすることが好ましい。
【0043】
第1の窓8および第2の窓12は、望ましくは、第1のミラー基板9および第2のミラー基板13にそれぞれ貫通孔を形成してなる。貫通孔とすることにより、ビームがロスなく通過することができる。第1のミラー基板9および第2のミラー基板13の材料は、例えばシリコンやガラス、あるいは42−アロイなどの金属材料などを用いる。貫通孔の形成は、ドライエッチングやウェットエッチング、ドリルによる機械加工やレーザー加工など、材料によって様々な加工方法を用いることができる。
【0044】
第1の窓8および第2の窓12は、垂直な貫通孔でもよいが、望ましくは、図1に示したようにテーパのついた貫通孔とし、第1のミラー基板9および第2のミラー基板13のミラー配列面側の貫通孔の開口領域を裏面よりも小さくして、必要最小限の領域にとどめることにより、ミラーの配列密度を高くできる。こうしたテーパのついた貫通孔は、例えば基板の材料をシリコンとし、異方性エッチングを用いることにより加工できる。
【0045】
また、第1のミラー基板9および第2のミラー基板13の材料をガラスにした場合、第1の窓8および第2の窓12の部分に貫通孔を形成せずガラスを透過する構成としてもよい。また、基板の材料をシリコンにした場合、使用するビームの波長がシリコンを透過する波長領域に限られる場合は、同様に貫通孔を形成しない構成としてもよい。それらの場合、貫通孔の加工の手間を省くことができるが、表面での反射および透過の際の損失により、貫通孔の場合と比べて結合効率は低下する。この場合、窓の部分の表面には反射防止膜を形成することが望ましい。
【0046】
なお、第1の窓8、および第2の窓12においては、窓の周辺部の基板上に、ビームを透過しないような表面処理を施すなどして、光学的な絞りとして機能させることもできる。この絞りにより、目的のビーム以外の信号の反射光や散乱光がファイバーに結合してしまうクロストークを低減することができる。
【0047】
ファイバコリメータアレイ6は、例えば図10a、図10bに示すように構成することができる。図10aの平面図に示すように、ファイバコリメータ支持基板60上に、ファイバーの位置合わせ用の複数のファイバー合わせ溝61、およびコリメータレンズの位置合わせ用の複数の第1のレンズ合わせ溝62を形成する。それぞれの溝に、円筒形のファイバー2、および円筒形あるいは球形のコリメータレンズ4を設置することにより、一列のファイバコリメータ列が構成される。
【0048】
このファイバコリメータ列を、図10bの断面図(下層から3段を図示し、それ以上は省略してある)に示すようにスタックすることにより、ファイバコリメータを二次元に配列したファイバコリメータアレイ64が構成される。最下層以外のファイバコリメータ支持基板には、裏面に第2のレンズ合わせ溝63を形成しておき、レンズを介してスタック方向および平面方向の位置合わせを行う。
【0049】
図10bの断面図で、最下層に設置されている位置合わせピン65を用いて、第1のミラーアレイ10との位置合わせを行う位置合わせ方法の一例を以下に示す。図10aに示したような、位置合わせピン合わせ溝66を用いて、ファイバコリメータアレイ64のレンズ配列面の外周の4点で、同じ長さだけレンズ配列面から飛び出すように、位置合わせピン65を設置する。第1のミラーアレイ10には、第1のミラー基板9のファイバコリメータアレイと対向する面に位置合わせ溝を形成しておき、ここに上記の位置合わせピン65の先端を合わせることで、ファイバコリメータアレイ64と第1のミラーアレイ10の位置合わせを行う。この場合、第1のミラーアレイ側の溝は、四角錘形にしておき、位置合わせピン65の先端を球形にしておくと、位置合わせがしやすい。
【0050】
ファイバコリメータ支持基板は、例えばシリコンウエハを材料として、異方性エッチングにより加工することにより、高精度なV字溝を形成することができる。ただし、材料、加工法はこれに限られたものではない。結晶面に沿った溝を形成することが好ましい。
【0051】
上記ファイバコリメータアレイの構成は一例であり、溝やピンなどの配置や形状などはこれに限られたものではない。また、レンズとファイバーを融着して一体化されたファイバコリメータを用いてもよく、その場合はレンズ部分のみ溝で位置合わせすればよい。
【0052】
また、ファイバコリメータ支持基板をスタックした構造に限られたものでもなく、例えば、図11に示すような構成をとってもよい。二次元的に配列された複数のコリメータレンズ70を一体で形成したコリメータレンズアレイ71を用い、コリメータレンズアレイ71のコリメータレンズ70形成面の裏面に、コリメータレンズ70と対応した位置にファイバー72を接続する。ファイバコリメータアレイ71は、例えばガラス板から削り出す、溶融したガラスを型に流し込むなどの方法で加工することができる。この場合も、コリメータレンズアレイ71のコリメータレンズ70形成面の外周に、位置合わせ用の溝を形成し、第1のミラーアレイ10に形成した溝に対してピンやボールを用いて位置合わせすることができる。
【0053】
以上説明してきた本発明のビームダイレクションモジュールにより光スイッチを構成するための配置法としては、図2に示した第2の実施形態の他にも様々な配置を取りうる。
【0054】
図12は本発明の第3の実施形態を示す断面模式図である。入力側モジュール75と出力側モジュール76が左右対称になるように配置され、両モジュールに対向するように大ミラー77が配置され、入力側モジュール75の任意のファイバー2aの光信号はビーム化して射出され、大ミラー77に反射して、出力側モジュール76の任意のファイバー2bに接続する。ここで、大ミラー77は、少なくとも複数のコリメータレンズから出たビームが反射されるようなものである。好ましくはすべてのポートから出たビームを反射できるものである。また、ミラーアレイを構成するマイクロミラーよりは十分にサイズが大きい固定ミラーで構成されることが望ましい。好ましくは1枚のミラーで構成することが効率的である。本実施形態では、入力側のファイバーと出力側のファイバーを同方向に出すことができ、また光路が折りたたまれているため、全体として省スペース化を図れる。
【0055】
また、上記第3の実施形態を発展させた形態として、本発明の第4の実施形態を図13の断面模式図に示す。第3の実施形態における入力側と出力側に相当する部分を、1つのビームダイレクションモジュール78として形成する。第3の実施形態と同様の効果に加えて、ビームダイレクションモジュールが一つで済むので、製造コストと組立てコストを低減できる。
【0056】
また、図14に示す本発明の第5の実施形態である光スイッチは、入力側モジュール80および出力側モジュール81において、各ファイバコリメータ4からのビームが、対向するモジュールの第1のミラーアレイ7の第1のミラーの配列領域の中心付近に向くように、ファイバコリメータ4の傾きを変えて、ファイバコリメータアレイ6に配列したことを特徴とする。第1のミラー7および第2のミラー11が、ミラーに駆動力(例えば静電力や電磁力)を与えない状態(以下ニュートラル状態と呼ぶ)のときに、対向するミラーアレイの外周部にビームが向くように配置されていると、対向するミラー配列領域内でビームを振るために必要とされる最大の振り角が、ニュートラル状態に対して片側に偏ってしまう。通常のミラーデバイスでは、最大振り角はニュートラル状態の両側でほぼ等しいため、より大きく振られる側がミラーに要求される最大振り角を決定する。本発明の第5の実施形態では、ニュートラル状態でビームがすべて対向するミラーアレイの中心を向いているため、それぞれのミラーが両側のミラー振り角をほぼ均一に使用できるため、ミラーに要求される最大振り角を小さくすることができる。または、最大振り角が一定だとすれば、モジュールの間隔を狭めて光路長を小さくすることができる。
【0057】
図10a、bに示したファイバコリメータアレイの構成法を用いた場合、第1のレンズ合わせ溝62および第2のレンズ合わせ溝63の形状や配置を変更することにより対応できる。ファイバコリメータ支持基板のスタック方向において、ファイバコリメータの向きを中心に向けるのが困難な場合は、平面方向のみ実施しても、片方の一軸可動ミラーに対しては上記効果を得ることができる。また、図11に示したファイバコリメータアレイの構成法を用いた場合は、ファイバーをコリメータレンズアレイに接続する向きを変更することにより実施できる。
【0058】
また、図15に示す第6の実施形態では、前記第3の実施形態と同様の構成で曲面形状を有する大ミラー82を用いることにより、ニュートラル状態において任意のビームが対向するモジュールのミラーアレイの中心付近に向くようにすることができ、前記第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
図@、図4に示した比較例の三次元光スイッチのような構成で、ファイバコリメータアレイの部分に本発明のビームダイレクションモジュールを用いる構成としてもよい。図16に示すように、入力側ビームダイレクションモジュール90と出力側ビームダイレクションモジュール91を設置し、その間に入力側の第1の外部ミラーアレイ92、および出力側の第2の外部ミラーアレイ93を設置する。第1の外部ミラーアレイ92および第2の外部ミラーアレイ93には光スイッチのポート数分のマイクロミラー94が配置され、マイクロミラー94は二軸可動であることが望ましい。本構成では、ビームダイレクションモジュールが有する可動ミラーの振り角に加え、外部ミラーアレイのミラー振り角が使用できることでビームを振れる範囲が広がるため、例えば1000チャンネル程度の大規模光スイッチを構成するのに有利である。またその際、ビームを出すだけのファイバコリメータのかわりに本発明のビームダイレクションモジュールを用いることで、ビームダイレクションモジュールに内蔵されているミラーによりビームの射出方向を制御して外部ミラーアレイの目的のミラーに確実にビームを当てることができるため、ビームダイレクションモジュールと外部ミラーアレイの相対位置を高精度に合わせる必要がなく、実装組立てが容易である。
【0060】
本発明のビームダイレクションモジュールは、それ単体で光ビームスキャナとして使用することができる。具体的には、例えば、レーザービームプリンターや、バーコードなどを読み取る光スキャナ、あるいは走査型のプロジェクタなどに適用できる。こうした用途においては、例えばビームを直線状に走査する動作が必要になるが、ここで二軸可動のミラーを用いていると、軸間に干渉があるために、片方の軸まわりの回転に沿って直線状に走査しようとすると、他方の軸まわりの回転を与える印可電圧値も逐次変えていかなくてはならず、制御が非常に難しい。一方で、本発明の何れか一実施形態で用いたビームダイレクションモジュールの構成を用いることにより、容易に所望の位置における直線状の走査が可能となる。例えば、2つの一軸可動ミラーを用いて、片方のミラーは所定の角度に固定しておき、他方のミラーだけを動かすように制御する。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、ミラーの配列密度を向上して多チャンネルに好適な三次元光スイッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるビームダイレクションモジュールの構成を示す断面模式図。
【図2】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【図3】比較例の三次元光スイッチの概略構成を示す斜視図。
【図4】比較例の三次元光スイッチの断面構成を示す断面模式図。
【図5】本発明のビームダイレクションモジュールの組立て方法の一例を説明する断面模式図。
【図6】ビームの向きを制御する仕組みを説明する概略斜視図。
【図7】a二軸可動の静電駆動マイクロミラーの構成を示す平面模式図。b二軸可動の静電駆動マイクロミラーの構成および駆動方法を示す断面模式図。c二軸可動の静電駆動マイクロミラーの駆動用静電パッドの構成を示す平面模式図。
【図8】a一軸可動の静電駆動マイクロミラーの構成を示す平面模式図。b一軸可動の静電駆動マイクロミラーの構成および駆動方法を示す断面模式図。c一軸可動の静電駆動マイクロミラーの駆動用静電パッドの構成を示す平面模式図。
【図9】二軸可動ミラーと一軸可動ミラーのビーム振り角範囲を比較した模式図。
【図10】aファイバコリメータを配列する支持基板の構成の一例を示す平面模式図。bファイバコリメータアレイの構成方法の一例を示す断面模式図。
【図11】ファイバコリメータアレイの構成方法の一例を示す断面模式図。
【図12】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【図13】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【図14】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【図15】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【図16】本発明の一実施形態である光スイッチの構成を示す断面模式図。
【符号の説明】
1...ビームダイレクションモジュール、2...ファイバー、2a...入力側のファイバー、2b...出力側のファイバー、3...コリメータレンズ、4...ファイバコリメータ、5...ファイバコリメータ支持体、6...ファイバコリメータアレイ、6a...ファイバコリメータアレイのビーム射出面、7...可動ミラー、7a...入力側の可動ミラー、7b...出力側の可動ミラー、8...第1の窓、9...第1のミラー基板、10...第1のミラーアレイ、11...固定ミラー、12...第2の窓、13...第2のミラー基板、14...第2のミラーアレイ、15...ビーム、16...入力側モジュール、17...出力側モジュール、18...光スイッチ、19...第1の溝、20...第2の溝、21...第3の溝、22...第1のピン、23...第2のピン、24...ビーム投射面、25...第1のミラー回転軸、26...第2のミラー回転軸、27...ミラー基板間距離、28...ファイバーの傾斜方向、30...実効ミラー部、31...第1の回転軸、32...第1の梁、33...可動子、34...第2の回転軸、35...第2の梁、36...支持体、37...ミラー構造体、38...スペーサ、39...電極基板、40...導電膜、41...静電パッド、42...ミラー膜、43...第1の静電パッド、44...第2の静電パッド、45...配線、50...実効ミラー部、51...回転軸、52...梁、53...支持体、54...ミラー構造体、55...静電パッド、56...配線、58...ビーム到達可能範囲(二軸可動ミラーの場合)、59...ビーム到達可能範囲(一軸可動ミラーの場合)、60...ファイバコリメータ支持基板、61...ファイバー合わせ溝、62...第1のレンズ合わせ溝、63...第2のレンズ合わせ溝、64...ファイバコリメータアレイ、65...位置合わせピン、66...位置合わせピン合わせ溝、70...コリメータレンズ、71...コリメータレンズアレイ、72...ファイバー、75...入力側モジュール、76...出力側モジュール、77...大ミラー、78...ビームダイレクションモジュール、80...入力側モジュール、81...出力側モジュール、82...大ミラー、101...x方向、102...y方向

Claims (9)

  1. 複数の光ファイバを伝播する光信号を切替える光スイッチであって、
    第一の支持部材と、前記光ファイバに接続され、前記第一の支持部材に支持された複数の第一のコリメータと、
    前記支持部材に対向して設置される第一の基板と、前記第一の基板に設置される複数の第一のマイクロミラー及び複数の第一のビーム通過領域と、
    前記第一の基板に対向して設置される第二の基板と、前記第二の基板に設置される複数の第二のマイクロミラー及び複数の第二のビーム通過領域と、を備えた入力側ビームダイレクションモジュールと、
    前記入力側ビームダイレクションモジュールからの光を受光する複数の受光部を有する出力側ビームダイレクションモジュールと、を備え、
    前記第一のコリメータから出たビームは前記第一のビーム通過領域を通って前記第二のマイクロミラーで反射され、前記第二のマイクロミラーで反射されたビームは前記第一のマイクロミラーで反射され、前記第一のマイクロミラーで反射されたビームは前記第二のビーム通過領域を通って前記出力側ビームダイレクションモジュールに導かれ、
    前記第一のマイクロミラーは第一の方向を軸として回転し、前記第二のマイクロミラーは前記第一の方向と直交する第二の方向を軸として回転する機構を備え、前記第一及び第二のマイクロミラーを回転させて前記ビームを受光する前記受光部を選択することを特徴とする光スイッチ。
  2. 請求項1において、
    前記出力側ビームダイレクションモジュールは、
    第二の支持部材と、出力側光ファイバに接続され、前記第二の支持部材に支持された複数の第二のコリメータと、
    前記第二の支持部材に対向して設置される第三の基板と、前記第三の基板に設置される複数の第三のマイクロミラー及び複数の第三のビーム通過領域と、
    前記第三の基板に対向して設置される第四の基板と、前記第四の基板に設置される複数の第四のマイクロミラー及び複数の第四のビーム通過領域と、を備え
    前記入力側ビームダイレクションモジュールから出たビームは前記第四のビーム通過領域を通って前記第三のマイクロミラーで反射され、前記第三のマイクロミラーで反射されたビームは前記第四のマイクロミラーで反射され、前記第四のマイクロミラーで反射されたビームは前記第三のビーム通過領域を通って前記第二のコリメータに導かれることを特徴とする光スイッチ。
  3. 請求項1において、前記第一の支持部材は、第一の連結部材を介して前記第一の基板に支持され、前記第一の基板は第二の連結部材を介して前記第二の基板に支持されることを特徴とする光スイッチ。
  4. 請求項1において、
    前記入力側のビームダイレクションモジュールの前記コリメータは複数設置され、前記入力側のコリメータのうち第一のコリメータの前記第一の基板の主面に対する角度は前記第一のコリメータより前記出力側のビームダイレクションモジュール側に位置する第二のコリメータの前記第一の基板の主面に対する角度より小さくなるよう形成されているものを含むことを特徴とする光スイッチ。
  5. 請求項において、
    前記第一のビーム通過領域或いは前記第二のビーム通過領域は、基板に形成された開口部を有し、前記第一のマイクロミラー或いは第二のマイクロミラー配置面の開口径は、前記ミラー配置面の反対側の面より小さくなるよう形成されていることを特徴とする光スイッチ。
  6. 請求項1において、前記入力側のビームダイレクションモジュールから出たビームは大ミラーで反射されて前記出力側のビームダイレクションモジュールに導かれることを特徴とする光スイッチ。
  7. 請求項において、前記大ミラーは前記入力側ビームダイレクションモジュール側に対して凹曲面形状を有することを特徴とする光スイッチ。
  8. 請求項1において、
    前記第一の基板と前記第二の基板との積層方向から見て、前記第二の方向は前記第一の方向よりも、前記コリメータからのビーム出力方向に近くなるよう配置されることを特徴とする光スイッチ。
  9. 第一の支持部材と、前記光ファイバに接続し、前記第一の支持部材に支持された複数の第一のコリメータと、
    前記支持部材に対向して設置される第一の基板と、前記第一の基板に設置される複数の第一のマイクロミラー及び複数の第一のビーム通過領域と、
    前記第一の基板に対向して設置される第二の基板と、前記第二の基板に設置される複数の第二のマイクロミラー及び複数の第二のビーム通過領域と、を備え、
    前記第一のコリメータから出たビームは前記第一のビーム通過領域を通って前記第二のマイクロミラーで反射され、前記第二のマイクロミラーで反射されたビームは前記第一のマイクロミラーで反射され、前記第一のマイクロミラーで反射されたビームは前記第二のビーム通過領域を通って射出され、
    前記第一のマイクロミラーは第一の方向を軸として回転し、前記第二のマイクロミラーは前記第一の方向と直交する第二の方向を軸として回転する機構を備え、前記第一及び第二のマイクロミラーを回転させて前記第二のビーム通過領域を通過した後の前記ビームの光路を選択することを特徴とするビームダイレクションモジュール。
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