JP3962498B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサに係り、流体の圧力を電気信号に変換して外部に出力する圧力センサに関する。
【0002】
【背景技術】
流体圧力の測定には、被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する圧力センサが用いられている。
圧力センサの一例を図7に示す。この図において、圧力センサは、被設置部に固定される金属製の継手10と、継手10の溶着部10Aにビーム溶接等によって取り付けられる圧力検出素子20と、圧力検出素子20に電気的に接続される出力手段30とを備えている。流体圧は、継手10の圧力導入孔11内に導かれ、圧力検出素子20を形成するダイアフラム21の歪みに変換され、この歪みがダイアフラム21上の図示省略の歪みゲージで検出され、この歪みゲージの抵抗値に応じた電気信号が出力手段30から出力されるようになっている。
【0003】
この際、圧力センサを電波ノイズの多い場所に設置する場合を考慮し、圧力センサには電波ノイズ対策が施されている。
従来、電波ノイズ対策として用いられてきた手法は、出力手段30を構成する回路基板33を囲うようにして金属製のケース31を継手10に溶接するとともに、この回路基板33の上方には貫通コンデンサ72を有する金属製の蓋部材71を配置してケース31の開口部分を塞ぎ、さらに、回路基板33に設けられた入出力ライン用の端子36を前記貫通コンデンサ72に貫通させている。
このような対策によれば、入出力ラインに乗った電波ノイズは、貫通コンデンサ72から蓋部材71およびケース31に導かれるから、ケース31および蓋部材71で覆われた回路基板33には電波ノイズの影響が及びにくくなり、回路基板に形成された信号増幅回路上の電子回路部品50の誤動作を防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のノイズ対策では、端子36が貫通コンデンサ72を貫通する必要があるので、用いられる端子36としては貫通コンデンサ72から確実に突出する長いものでなければならず、圧力センサの小型化を阻害する要因となっていた。
【0005】
また、貫通コンデンサ72を用いた場合には、貫通コンデンサ72自身の蓋部材71への半田付けや、貫通コンデンサ72と端子36との半田付けを行う必要があるため、組立作業に手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、電波遮蔽効果を確実に得ることができるとともに、小型化を促進でき、かつ組立作業を容易に行える圧力センサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力センサは、圧力導入孔を有する金属製の継手と、前記圧力導入孔の一端側に取り付けられる圧力検出素子と、この圧力検出素子を囲うようにして前記継手に取り付けられる金属製のケースとを備え、前記ケースは出力信号取出し用の開口を有し、この開口は回路基板で覆われ、この回路基板は前記開口の略全面を覆う導体層を有するとともに、前記ケース自身の一部により一体に形成された支持部および接点部で挟持され、前記導体層は前記ケースの接点部と電気的に導通された電波遮蔽層とされていることを特徴とするものである。
【0008】
このような本発明によれば、回路基板がケースと共に電波遮蔽構造の一部を構成するため、ケースに従来のような貫通コンデンサ付の蓋部材を取り付けなくとも電波遮蔽効果が得られる。従って、そのような蓋部材が不要であったり、回路基板に設けられる端子の長さを貫通コンデンサに関係なく短くできるので、圧力センサの小型化が促進される。さらに、貫通コンデンサが不要なことにより、半田付け等の面倒な作業を省くことができ、組立作業を簡単にできる。
【0009】
また、本発明の圧力センサでは、前記回路基板は多層基板とされ、前記電波遮蔽層は少なくとも前記回路基板の外表面以外のいずれかの中層に形成されていてもよい。
通常、回路基板の外表面には各種の電子回路部品が実装されることが多い、このため、そのような電子回路部品が実装されない中層部分に電波遮蔽層を形成することにより、電波遮蔽層のパターン面積を大きくでき、電波遮蔽をより確実に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、前記従来例で説明した部材と同じ機能を有する部材には同一符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
【0011】
〔第1実施形態〕
図1、図2において、回路基板33は、ケース31と共に、内部に収容した圧力検出素子20(図7)ないしIC等の電子回路部品50を囲って外部に対して電波遮蔽する電波遮蔽構造を形成している。つまり、ケース31は金属製の円筒状とされ、このケース31の図中上側にある出力信号取出し用の開口32を回路基板33で塞いでいる。また、回路基板33は、ケース31からの切り起こし加工等で設けられる支持部37上に載置され、同様に設けられた接点部38を折曲させることで支持部37との間で挟持されている。なお、支持部37および接点部38の平面的な位置関係は図1に示す如くであるが、図2では、それらの上下方向の位置関係を理解し易くする目的で、特に接点部38の平面的な位置をずらして示してある。また、ケース31の底面側の開口は、従来と同様に金属製の継手10(図7)で覆われている。
【0012】
このような回路基板33は、ケース31に電気的に導通された電波遮蔽層を備えており、これによりケース31の開口32の電波遮蔽が行われている。具体的には、回路基板33は、複数の導体層を有する積層基板であり、開口32側の表面に形成された上層、基板材料間に挟まれた中層、圧力検出素子20側表面の下層の3層を有する。上層側の表面には複数の端子36が接続され、下層側の表面には前記電子回路部品50が実装される。ここでは図示していないが、下層側の表面には必要な回路を形成するための導体層が形成され、その一部には圧力検出素子20のダイアフラム21(図7)に形成された歪みゲージが電気的に導通される。
【0013】
上層は殆どの領域が連続した面状の導体層331である。この導体層331には前記接点部38が接触しており、導体層331はケース31に対してグラウンド接続されている。上層で導体層331がないのは、回路基板33の縁の部分の一定幅部分と、中央部の端子用領域330の内側とである。
【0014】
端子用領域330の内側には、端子36の下端を接続するための島状の導体層334が残されており、各導体層334はスルーホール335を通して下層にあるやはり島状の導体層336に導通されている。導体層336には電子回路部品50の各端子が接続され、これにより電子回路部品50の各端子からの信号が端子36から取出されるようになっている。上層の導体層334の一つ(回路のマイナス側)と導体層331(アース)との間にはノイズフィルタ用のコンデンサ337が接続されている。なお、ノイズフィルタの設置形態は適宜選択すればよく、例えばコンデンサ337を電源のプラス線と信号出力線と回路のコモン線との3つに接続するのが最良であり、電源と出力との2つに接続することが望ましい。
【0015】
中層は、その略全面が一連の導体層333とされている。この導体層333と上層の導体層331とはスルーホール332で接続されている。中層で導体層333がないのは、回路基板33の縁の部分の一定幅部分と、前述した信号取出し用のスルーホール335の周辺のごく小さな部分とだけである。
【0016】
このような構造においては、回路基板33の上層の導体層331と、これにスルーホール332で接続された中層の導体層333とがケース31に導通されて電波遮蔽層となる。この電波遮蔽層は回路基板33の表面の殆どの領域を覆っている。特に、この構造では上層の導体層331と中層の導体層333とが二重に電波遮蔽を行っており、さらに中層の導体層333はごく僅かな領域を除いて殆どの領域をカバーしている。このため、回路基板33により、ケース31の上面側の開口32の電波遮蔽を十分に行うことができる。
【0017】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
1)金属製のケース31を塞ぐ回路基板33には、上層の導体層331および中層の導体層333からなる電波遮蔽層が形成されているため、それらのケース31および回路基板33で囲まれる空間内の圧力検出素子20や信号増幅回路用の電子回路部品50等を電波ノイズから良好に保護できる。
【0018】
2)この際、従来のような蓋部材や貫通コンデンサを用いなくてよいため、端子36の長さを短くでき、圧力センサの小型化を促進できる。
【0019】
3)また、貫通コンデンサを用いないことにより、その半田付けも省くことができ、圧力センサの組立作業を容易に行える。
【0020】
4)前記電波遮蔽層は、上層の導体層331と中層の導体層333との二重構造になっているので、ケース31の開口32の殆どの領域をカバーすることができるうえ、電波遮蔽層に電波ノイズを良好に導くことができ、電波遮蔽効果をより向上させることができる。
【0021】
〔第2実施形態〕
図3には、本発明の第2実施形態が示されている。
前述した第1実施形態の電波遮蔽構造では、上層の導体層331と中層の導体層333がほぼ全面的に重なっていたが、本実施形態では、それらが互いに補完しあう形状となっている。すなわち、上層の導体層331と中層の導体層333とは略半円形とされ、各々が補いあうようになっている。
【0022】
このようにすれば、前述した1)〜4)の効果を同様に得ることができるうえ、端子用領域330を大きくとったり、中層に他の回路構成を設けることができるという効果がある。
【0023】
〔第3実施形態〕
図4、図5には、本発明の第3実施形態が示されている。
本実施形態において、電波遮蔽を行うための回路基板33は、前述した第1実施形態の図1、図2に示す構造から中層を省略したものである。その他の要素は第1実施形態と同一であり、同一符号で示している。
【0024】
このような構造でも前記1)〜3)と同様の効果が得られる。但し、中層がない分、二重の電波遮蔽層にはできないので効果が劣るとともに、比較的大きく開いた端子用領域330の部分が中層でカバーされないため、この点でも電波遮蔽効果が劣ることは避けられない。
【0025】
〔第4実施形態〕
図6には、本発明の第4実施形態が示されている。
本実施形態では、少しでも端子用領域330を小さくするという目的で、回路基板33からの端子36の接続は、中間端子36Aを介して行われている。また、回路基板33とは別の補助基板33Aが設置され、ノイズフィルタ用のコンデンサ337はこちらに実装されている。補助基板33Aは、回路基板33と同様な支持部37Aおよび接点部38Aでケース31に保持され、表面には接点部38Aに接触する導体層331Aと、これと分離した導体層334Aとが形成され、コンデンサ337はこれらの導体層331A、334Aに掛渡されている。導体層334Aには端子36の一つ(回路のマイナス側)の下端延長部が接続されている。
【0026】
このような構造では、通常の回路基板33でも端子用領域330を小さくすることができるので、中層を設けなくとも良好な電波遮蔽効果を得られるが、補助基板33Aが必要なことで構造が複雑化する点や、中間端子36Aを有している分、従来に比べれば十分に小型化できるが、第1〜3実施形態程ではない点を考慮する必要がある。
【0027】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、本発明に係る電波遮蔽層の厚さ等は任意に決められてよく、より大きな電波ノイズが生じる場所に圧力センサを設置する場合などには、電波遮蔽層をより厚くして遮蔽効果を確実に得るようにすればよい。この際、特に上層の電波遮蔽層を熱くする方法としては、半田レベラー等のメッキにて行ってもよい。
【0028】
また、回路基板は両面基板や3層基板に限定されず、4層以上の多層板でもよい。この際、電磁遮蔽層をいずれかの中層一面に形成することにより、回路基板の外表面における電子回路部品の実装面積を大きく確保してもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、回路基板がケースと共に電波遮蔽構造の一部を構成するため、ケースに従来のような貫通コンデンサ付の蓋部材を取り付けなくとも電波遮蔽効果を得ることができる。従って、そのような蓋部材が不要であったり、回路基板に設けられる端子の長さを貫通コンデンサに関係なく短くできるので、圧力センサの小型化を促進できる。さらに、貫通コンデンサが不要なことにより、半田付け等の面倒な作業を省くことができ、組立作業を簡単にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】第1実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す平面図でる。
【図5】第3実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 継手
20 圧力検出素子
31 ケース
32 開口
33 回路基板
331,333 導体層

Claims (2)

  1. 圧力導入孔を有する金属製の継手と、前記圧力導入孔の一端側に取り付けられる圧力検出素子と、この圧力検出素子を囲うようにして前記継手に取り付けられる金属製のケースとを備え、
    前記ケースは出力信号取出し用の開口を有し、
    この開口は回路基板で覆われ、
    この回路基板は前記開口の略全面を覆う導体層を有するとともに、前記ケース自身の一部により一体に形成された支持部および接点部で挟持され、
    前記導体層は前記ケースの接点部と電気的に導通された電波遮蔽層とされている
    ことを特徴とする圧力センサ。
  2. 請求項1に記載の圧力センサにおいて、前記回路基板は多層基板とされ、前記電波遮蔽層は少なくとも前記回路基板の外表面以外のいずれかの中層に形成されていることを特徴とする圧力センサ。
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