JP3962976B2 - ユニットケース及び回路ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の制御装置を構成する回路ユニット又はそのユニットケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車のモータやランプなどの大電流アクチュエータを半導体で駆動する制御装置、或いは半導体を使用したインバータなどの回路ユニットを搭載する車両が増加している。半導体を使用するのは、モータやランプなどの大電流アクチュエータやインバータのスイッチング回路などをデューティ制御するため、又は装置の寿命を向上させるため、或いは装置を軽量化する等の目的を達成するためである。
そして、一般的にこのような回路ユニットは、ユニットの底面に位置するベース部材の上面側に回路基板を固定し、このベース部材の上面(回路基板の上面)を覆うように底無し箱形のケースをベース部材に対して取り付けた構成となっている。即ち、ベース部材とケースよりなるユニットケース(ユニットの筐体)の内部に回路基板を収納し、従来この回路基板はベース部材に対して固定されていた。
【0003】
また、このような回路ユニットでは、ユニットの表面を覆う上記ケースを熱伝導性の良い金属材料(例えば、アルミ又はアルミ合金)により構成し、さらに回路基板上の前記半導体の熱が上記ケースに効率良く伝導される構成とすることによって、上記半導体を使用して大電流アクチュエータ等を駆動する際に発生する熱を、上記ケースからユニット外へ効果的に放熱するようにしている。例えば、前記半導体が内側面に固定された状態で回路基板上に固定され、その外側面がケースの内面に接合状態で固定される導熱体(アルミ等の材料よりなるもの)を設置し、この導熱体を介して上記熱をケースに効率良く伝達する構成としている。なお、上記ケース(或いは、さらに前記ベース部材)を金属材料によって構成するのは、前記半導体のスイッチング動作などによって発生するノイズがユニット外へ放射されるのを抑制するためでもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した従来の回路ユニットは、ユニット表面を覆うケースをアルミなどの金属材料より構成する必要があったため、ケースの製造方法によってそれぞれ以下のような問題点があった。即ち、(イ)アルミダイカスト成形で製造した場合、板厚が増し重量が重くなる傾向があるとともに、プレス成形と比較してコストが高い。(ロ)プレス成形の絞り加工により製造した場合、金型が高い。また、ケース高さが高く深絞りになると、特にアルミなどは伸びにくい材質のため、絞り回数(成形工数)が非常に多くなってやはり製品コストが高くなる。(ハ)プレス成形の曲げ加工により製造した場合、強度を保つのにケース曲げ部の重なりしろ(隣接する側板部の接合部に形成された板材の重合部分)を溶接する必要があり、溶接痕が残りユニットの外観が悪くなる。また、特にアルミの溶接は一般に困難なため、やはりコスト高になる。
【0005】
また、従来の回路ユニットは、ベース部材に回路基板を固定していたため、ベース部材に基板固定用の例えばネジ締め部(例えば、タッピングネジ等の締結部材を固着させる下穴等が形成された折り曲げ部分)を設ける必要があり、このネジ締め部に付随して外部に開口する切り欠き等がベース部材に発生していた。このため、ノイズの遮蔽性能向上や防塵性向上に限界があり、またこの切り欠き等によってユニットの外観が損なわれるという問題があった。なおベース部材は、コスト低減のために板材の曲げ加工を含むプレス加工で製造されるのが通常であるため、上記ネジ締め部を形成しようとすると、例えば板材の端縁部を部分的に折り曲げる必要があり、さらにこの部分的な折り曲げ部分の近傍に、曲げ加工のための切り欠き(周囲に歪み等を発生させないためのもの)を設けなければならない。この結果、例えばベース部材の周縁部に上記切り欠き等からなる比較的大きな開口(隙間)が複数形成されることになり、ユニットケース全体の遮蔽性及び防塵性や美的外観が損なわれる。
【0006】
また従来は、ベース部材に回路基板を固定する構成であるため、ベース部材とケースの接合部にある程度の隙間が存在することを許容しなければならず、この隙間によってもノイズの遮蔽性能や防塵性、さらには美的外観が損なわれるという問題もあった。
というのは、良好な放熱性を確保するため、回路基板はその放熱面(例えば、前述した導熱体の外側面)がケース内面に密着した状態に組み付けられなければならない。ところが、ベース部材に回路基板を固定する構成であると、回路基板が固定されたベース部材に対してケースを被せるようにして組み付けることになるため、ベース部材に対してケースを組み付ける際に、上述した回路基板とケースとの位置関係を優先して設定しなければならない。このため、ベース部材に対してケースを組み付ける際に、前記放熱面の設定位置の誤差を吸収して前記放熱面とケースの内面を密着させるべく、ケースがベース部材に対して若干相対移動できるようにする必要があり、そのために、ベース部材とケースとの接合部には、ある程度の隙間(余裕)を設けなければならなかったのである。
そこで本発明は、美的外観に優れる回路ユニット又はユニットケースを提供することを主目的とし、さらには、コスト低減、軽量化、或いは遮蔽性や防塵性の向上が図れる回路ユニット又はユニットケースを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるユニットケースは、金属製の板材を下面側が開口した箱形に曲げ加工してなり、四角形状の天板部、及び前記天板部の各端縁から下向きに伸びる四つの側板部を有するケースと、前記ケースの下面開口を塞ぐように前記ケースの下側に取り付けられるベース部材とよりなるユニットケースであって、
前記ケースにおいて隣接する側板部が接合する接合部には、一方の側板部から他方の側板部の内面側に重なるように伸びる重合板部が形成されるとともに、この重合板部とこの重合板部に重なる側板部には、中心線が一致する位置に貫通孔が形成され、
前記ベース部材における前記重合板部に対応する位置には、前記重合板部の内面側に沿うように上方に伸びる取付板部が形成されるとともに、この取付板部における前記貫通孔と同一中心線上となる位置には締結用穴が形成され、
前記ケースの外側から前記貫通孔に挿入され前記締結用穴に先端側が固着されることによって、前記ケースの接合部の締結と、前記ケースと前記ベース部材の締結を実現する締結部材を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明のユニットケースは、プレス成形(曲げ加工等)よりなるケースを用いる構成であるが、ケース接合部の重合部分(前記重合板部と側板部が重なる部分)に外側から挿通され、前記ベース部材から上方に伸びる取付板部の締結用穴に先端側が固着される上記締結部材によって、ケース接合部の締結と、ケースとベース部材の締結が同時に実現される共締め構造である。即ち、板材の切断加工や曲げ加工によってケースを安価に成形する構成でありながら、溶接を使用しないでケース接合部の必要な強度を実現し、しかもそのための締結部材は、ケースとベース部材の締結にも兼用されている。
このため、溶接痕のない良好な美的外観が実現でき、しかも、アルミダイカスト成形や絞り加工によりケースを製造する場合に比べ、格段のコスト低減や軽量化が図れる。
【0009】
また、本発明の回路ユニットは、金属製の板材を下面側が開口した箱形に曲げ加工してなり、四角形状の天板部、及び前記天板部の各端縁から下向きに伸びる四つの側板部を有するケースと、前記ケースの下面開口を塞ぐように前記ケースの下側に取り付けられるベース部材とよりなるユニットケース内に、回路基板を収納してなる回路ユニットであって、前記回路基板が前記ケース内に固定されることを特徴とする。
この構成であると、ベース部材に回路基板を取り付ける例えばネジ締め部を設けるといった必要がなくなり、前述したような開口(隙間)がベース部材に発生しなくなる。また、回路基板とケースの位置関係に無関係にベース部材とケースの組み付けが可能となるから、部品の加工精度や組み付け精度を従来より高めることなく、ベース部材とケースの接合部の隙間を従来より格段に小さくすることが可能となる。したがって、外面側に開口する隙間の少ない良好な美的外観が実現できるとともに、遮蔽性能向上や防塵性向上が実現できる。
【0010】
また本発明の回路ユニットは、前記ケースにおいて隣接する側板部が接合する接合部には、一方の側板部から他方の側板部の内面側に重なるように伸びる重合板部が形成されるとともに、この重合板部には、締結用穴が形成された取付部が切り起こしによって形成され、
前記回路基板の下面側から前記回路基板に設けられた貫通孔に挿通され前記締結用穴に先端側が固着されることによって、前記回路基板を前記ケース内に固定する締結部材を備える構成である。
ここで「切り起こし」とは、板材に切れ目を入れて、部分的に折り曲げて立ち上げる(周囲の板状部分に対して例えば直角に折り曲げる)ことを意味する。また、「固着」には、例えば螺着(ねじ込みによる取付)や圧着(圧入による取付)が含まれる。
【0011】
このように回路基板をケースに固定する構成であると、回路基板をケースに固定するための上記取付部は、ケース内面に重なる板部(即ち、上記重合板部)に切り起こしによって形成されているため、回路基板の固定のためにケースに開口(隙間)が発生してしまうことも一切なく、しかも回路基板の固定部分を安価に製作できる。したがって、外面側に開口する隙間がさらに少ない極めて良好な美的外観が実現でき、さらなる遮蔽性能向上や防塵性向上が実現できるとともに、コスト低減にも貢献できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、自動車の例えばACインバータを構成する回路ユニットの構成を示す分解斜視図であり、図2(a)は同回路ユニットにおけるケースの展開図であり、図2(b)は同回路ユニットの組立状態を示す縦断面図である。また、図3(a)は同回路ユニットにおけるケースの下面図(裏面図)であり、図3(b)は同回路ユニットの組立状態の下面図(裏面図)である。
この回路ユニットは、図1に示すように、ユニットケースを構成するケース10及びベース部材20の内側に、回路基板30が収納されてなるもので、回路基板30はケース10内に固定される。
【0013】
ケース10は、アルミ又はアルミ合金の板材を下面側が開口した箱形に曲げ加工してなり、四角形状の天板部10a、及び天板部10aの各端縁から下向きに伸びる四つの側板部10b〜10eを有する(図1及び図2(a)参照)。このケース10において隣接する側板部が接合する接合部(即ち、ケース10の四隅の位置)には、一方の側板部から他方の側板部の内面側に重なるように伸びる重合板部が形成されている。具体的には、図2(a)において右側の側板部10bの両側から側板部10d,10eの内面側にそれぞれ重なるように伸びる台形状の重合板部11a,11bと、図2(a)において左側の側板部10cの両側から側板部10d,10eの内面側にそれぞれ重なるように伸びる台形状の重合板部11c,11dとが設けられている。また、これら重合板部11a〜11dとこれに重なる側板部10d,10eには、図2(a)に示すように、組立状態において中心線が一致する位置に貫通孔12a〜12d,13a〜13dがそれぞれ形成されている。また、各重合板部11a〜11dには、締結用穴(この場合、タッピングネジ用の下穴であり、符号は省略)が形成された舌状の取付部14a〜14dが切り起こしによって形成されている。なお、図1等において符号15で示すものは、回路基板30の後述するコネクタ32を露出させるための切り欠きであり、この場合には手前側の側板部10dに形成されている。また、図1等において符号16で示すものは、後述する導熱体33をケース10に固定するための貫通孔であり、右側の側板部10bにこの場合3個形成されている。
なお、各重合板部11a〜11dは、図3(a)に示すように、単に側板部10d,10eの内面側にそれぞれ重なるように設けられているだけで、側板部10d,10eに対して溶接等によって固着されていない。
【0014】
上記ケース10は、例えば次のようにして容易に製造できる。即ち、アルミの板材をプレス成形(切断加工)することによって、まず、図2(a)に示すような中間製造物(展開品)を製作する。この際、各重合板部11a〜11dには、舌状の取付部14a〜14dとなるU字状の切り込みを形成する。次に、プレス成形(曲げ加工)によって、このU字状の切り込みの部分を基端位置において直角に折り曲げ、取付部14a〜14dとなる部分を形成した後、次いで側板部10b,10cとなる部分に対して、重合板部11a〜11dとなる部分をそれぞれ直角に折り曲げる。そして最後に、やはりプレス成形によって、天板部10aの部分に対して、側板部10b〜10eとなる部分をそれぞれ直角に折り曲げることによって完成する。
【0015】
次に、ベース部材20は、ケース10の下面開口を塞ぐようにケース10内の下側に取り付けられる金属製(例えば、鋼製)の部材であり、全体として矩形板状のものである。このベース部材20の前後両側の端縁には、上方に直角に折り曲げられた立ち上げ部20d,20eが設けられ、これら立ち上げ部20d,20eおいて、前述のケース10の重合板部11a〜11dに対応する位置には、これら重合板部11a〜11dの内面側に沿うように上方に伸びる取付板部21a〜21dが形成されている。なお、これらの取付板部21a〜21dにおける前記貫通孔12a〜12d(又は13a〜13d)と組立時に同一中心線上となる位置には、締結用穴(この場合、タッピングネジ用の下穴であり、符号は省略)が形成されている。また、ベース部材20の左右両側の端縁には、上方に直角に伸びる立ち上げ部20b,20cが設けられ、これら立ち上げ部20b,20cの上縁には、内側に伸びるように折り曲げられた複数の爪22a〜22eが設けられている。なお、これら爪22a〜22eは、図2(b)に示す如く組立状態において回路基板30の下面に当接し、回路基板30(或いはケース10)に対してベース部材20を上下方向に位置決める機能を果たす。
また、図1等において符号23で示すものは、ベース部材20の下面3箇所の位置にスポット溶接等によって固定された帯板状の取付部材であり、ベース部材20の下面3箇所の位置から外側に伸びるように配置されている。これら取付部材23の先端側には、ユニット全体を車両に固定するためのボルト24をねじ込むためのネジ穴(符号省略)が形成されている。
【0016】
上記ベース部材は、例えば次のようにして容易に製造可能である。即ち、鋼板をプレス成形(切断加工)することによって、立ち上げ部20b〜20eや取付板部21a〜21dや爪22a〜22eとなる部分を含む所定の中間製造物(展開品)を製作する。次に、プレス成形(曲げ加工)によって、爪22a〜22eとなる部分を直角に折り曲げ、爪22a〜22eとなる部分を形成した後、次いで立ち上げ部20b〜20eや取付板部21a〜21dとなる部分を直角に折り曲げる。そして最後に、取付部材23となる部品を例えばスポット溶接によって所定位置に固定することによって完成する。
【0017】
次に、回路基板30は、基板31上にACインバータを構成する回路パターンや各種回路素子が設けられたものである。この回路基板30についての詳細な説明は省略するが、図1において符号32で示すものは、外部との電気的接続のためのコネクタであり、また符号33で示すものは伝熱用の導熱体である。
ここで、導熱体33は、例えばアルミの押出成形よりなるもので、ACインバータのスイッチング回路を構成する複数のFET(図示省略)が内側面に固定された状態で基板31上に固定されており、その外側面はケース10の内面(側板部10b)に接合状態で固定される。この導熱体33の各面(この場合、両側面と下面)には、タッピングネジ(例えば、図1に示すタッピングネジ35)の軸部を挿入してねじ込むことが可能な溝(例えば、図1に示す溝33a、他は符号省略)が、押出成形工程において、長手方向全長に渡って形成されている。そして、これら溝にタッピングネジをネジ込むことによって、この導熱体33と上記FET、基板31、及びケース10との締結が実現されている。例えば図1に示すように、ケース10の側板部10bに形成された前述の貫通孔16に、外側からタッピングネジ35を挿入し、このタッピングネジ35の先端側を導熱体33の外側面の溝33aにネジ込むことによって、導熱体33とケース10との締結が実現されている。なお、このような導熱体33によれば、上記FETで発生した熱が効率良くケース10に伝えられ外部に放出される。
また、基板31の四隅の位置(前述の取付部14a〜14dの締結用穴に対応する位置)には、貫通孔34がそれぞれ形成されている。
【0018】
次に、上述したケース10、ベース部材20、回路基板30よりなる本例の回路ユニットは、以下のようにして容易に組み立てられる。
まず、図1に示すように、導熱体33等の搭載品が全て組み付けられた回路基板30を、ケース10の下面開口内にはめ込む。その後、ケース10の側板部10bに形成された前述の貫通孔16に、外側からタッピングネジ35を挿入し、このタッピングネジ35の先端側を導熱体33の外側面の溝33aにネジ込むことによって、導熱体33とケース10を密着させて締結する。次いで、4個のタッピングネジ41を回路基板30の下面側から前述の貫通孔34にそれぞれ挿通し、このタッピングネジ41の先端側を前述の取付部14a〜14dの締結用穴にねじ込むことによって、図2(b)に示す如く回路基板30をケース10内に固定する。
【0019】
次に、ベース部材20をケース10の下面開口内(回路基板30の下方)にはめ込み(或いは、ベース部材20の上面に回路基板30が取り付けられたケース10を被せ)、前述の爪22a〜22eを基板31の下面に当接させる。この際、ベース部材20の各取付板部21a〜21dは、基板31の端縁と各重合板部11a〜11dの内面との間に形成された隙間から、各重合板部11a〜11dの内面に沿ってケース10内に挿入する。
その後、図1に示すように、4個のタッピングネジ42をケース10の外側から前述の貫通孔12a〜12d,13a〜13dに挿入し、その先端側を前述の取付板部21a〜21dの締結用穴にねじ込む。これにより、図2(b)に示すように、ケース10の各接合部の締結(即ち、例えば側板部10bとこれに隣接する側板部10dの締結)と、ケース10とベース部材20の締結が同時に実現され、回路ユニット全体の組立が完了する。
【0020】
以上説明した回路ユニット或いはそのユニットケースは、以下のような優れた特長を有する。
(1)ケース10がプレス成形(切断加工と曲げ加工)よりなるため、ケースの厚さを薄くして軽量化を図ることができるとともに、ダイカスト成形や絞り加工に比べて製造コストが易くなる。
(2)ケース10がプレス成形(切断加工と曲げ加工)よりなる構成でありながら、共通の締結部材(タッピングネジ42)によってケース接合部の締結と、ケース10とベース部材20の締結が実現される共締め構造である。即ち、板材の切断加工や曲げ加工によってケース10を成形する構成でありながら、溶接を使用しないでケース接合部の必要な強度を実現し、しかもそのための締結部材は、ケースとベース部材の締結にも兼用されている。このため、ケース接合部に溶接痕のない良好な美的外観が実現でき、しかも前記溶接を行わない分だけ、さらなるコスト低減や軽量化が図れる。
【0021】
(3)回路基板30をケース10内に固定する構成であるため、ベース部材20に回路基板30を取り付ける例えばネジ締め部を設けるといった必要がなくなり、前述した開口(隙間)がベース部材20に発生しなくなる。また、回路基板30とケース10の位置関係に無関係にベース部材20とケース10の組み付けが可能となるから、ベース部材20とケース10の接合部の隙間を従来より格段に小さくすることが可能となる。また、回路基板30をケース10内に固定するための取付部14a〜14dは、ケース内面に重なる板部(即ち、前述の重合板部11a〜11d)に切り起こしによって形成されているため、回路基板30の固定のためにケース外面に開口(隙間)が発生してしまうことも一切なく、回路基板30の固定部分を安価に製作できる。したがって、このような点からも、外面側に開口する隙間がほとんどない良好な美的外観が実現でき、しかも遮蔽性能向上が実現できるとともに、コスト低減にも貢献できる。
なお、図1や図3(b)から明らかなように、本例の回路ユニットは、コネクタ32の周囲の位置と、裏面の四隅の位置(図3(b)に符号Sで示す位置)に僅かにユニットケースの隙間があるだけで、これら隙間を除けば外部に対してほぼ完全に遮蔽されており、極めて良好な外観となっている。
【0022】
なお、本発明は上記実施の形態の態様に限られない。
例えば、本発明の締結部材(上述のタッピングネジ41,42に相当する部材)が、通常のネジ部材であり、例えば上述した重合板部11a〜11dや取付部14a〜14dの締結用穴として、このネジ部材に対応するネジ穴が形成されていてもよい。また、本発明の締結部材がリベットであり、例えば上述した重合板部11a〜11dや取付部14a〜14dの締結用穴として、このリベットに対応する圧入用の下穴が形成されていてもよい。
また、上記形態例における導熱体33が、板材のプレス成形によって製作されていてもよい。
また、本発明は車載用に限定されず、各種の回路ユニット、或いはユニットケースに適用できる。また、必ずしも回路基板を収納するためのユニットケースに限定されないこともいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
本発明のユニットケースは、プレス成形(曲げ加工等)よりなるケースを用いる構成であるが、ケース接合部の重合部分(重合板部と側板部が重なる部分)に外側から挿通され、ベース部材から上方に伸びる取付板部の締結用穴に先端側が固着される締結部材によって、ケース接合部の締結と、ケースとベース部材の締結が同時に実現される共締め構造である。即ち、板材の切断加工や曲げ加工によってケースを成形する構成でありながら、溶接を使用しないでケース接合部の必要な強度を実現し、しかもそのための締結部材は、ケースとベース部材の締結にも兼用されている。
このため、溶接痕のない良好な美的外観が実現でき、しかも、アルミダイカスト成形や絞り加工によりケースを製造する場合に比べ、格段のコスト低減や軽量化が図れる。
【0024】
また、本発明の回路ユニットは、回路基板をケースに固定する構成であるため、ベース部材に回路基板を取り付ける例えばネジ締め部を設けるといった必要がなくなり、前述したような開口(隙間)がベース部材に発生しなくなる。また、回路基板とケースの位置関係に無関係にベース部材とケースの組み付けが可能となるから、部品の加工精度や組み付け精度を従来より高めることなく、ベース部材とケースの接合部の隙間を従来より格段に小さくすることが可能となる。したがって、外面側に開口する隙間の少ない良好な美的外観が実現できるとともに、遮蔽性能向上や防塵性向上が実現できる。
また本発明の回路ユニットは、回路基板をケースに固定するための取付部が、ケース内面に重なる板部(重合板部)に切り起こしによって形成されているため、回路基板の固定のためにケースに開口(隙間)が発生してしまうことも一切なく、しかも回路基板の固定部分を安価に製作できる。したがって、外面側に開口する隙間がさらに少ない極めて良好な美的外観が実現でき、さらなる遮蔽性能向上や防塵性向上が実現できるとともに、コスト低減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路ユニットの全体構造を示す分解斜視図である。
【図2】回路ユニットのケース展開図及び組立状態の縦断面図である。
【図3】回路ユニットのケース裏面図及び組立状態の裏面図である。
【符号の説明】
10 ケース
10a 天板部
10b〜10e 側板部
11a〜11d 重合板部
14a〜14d 取付部
20 ベース部材
21a〜21d 取付板部
22a〜22e 爪
30 回路基板
41,42 タッピングネジ(締結部材)

Claims (2)

  1. 金属製の板材を下面側が開口した箱形に曲げ加工してなり、四角形状の天板部、及び前記天板部の各端縁から下向きに伸びる四つの側板部を有するケースと、前記ケースの下面開口を塞ぐように前記ケースの下側に取り付けられるベース部材とよりなるユニットケースであって、
    前記ケースにおいて隣接する側板部が接合する接合部には、一方の側板部から他方の側板部の内面側に重なるように伸びる重合板部が形成されるとともに、この重合板部とこの重合板部に重なる側板部には、中心線が一致する位置に貫通孔が形成され、
    前記ベース部材における前記重合板部に対応する位置には、前記重合板部の内面側に沿うように上方に伸びる取付板部が形成されるとともに、この取付板部における前記貫通孔と同一中心線上となる位置には締結用穴が形成され、
    前記ケースの外側から前記貫通孔に挿入され前記締結用穴に先端側が固着されることによって、前記ケースの接合部の締結と、前記ケースと前記ベース部材の締結を実現する締結部材を備えることを特徴とするユニットケース。
  2. 金属製の板材を下面側が開口した箱形に曲げ加工してなり、四角形状の天板部、及び前記天板部の各端縁から下向きに伸びる四つの側板部を有するケースと、前記ケースの下面開口を塞ぐように前記ケースの下側に取り付けられるベース部材とよりなるユニットケース内に、回路基板を収納してなる回路ユニットであって、
    前記回路基板が前記ケース内に固定され
    前記ケースにおいて隣接する側板部が接合する接合部には、一方の側板部から他方の側板部の内面側に重なるように伸びる重合板部が形成されるとともに、この重合板部には締結用穴が形成された取付部が切り起こしによって形成され、
    前記回路基板の下面側から前記回路基板に設けられた貫通孔に挿通され前記締結用穴に先端側が固着されることによって、前記回路基板を前記ケース内に固定する締結部材を備えることを特徴とする回路ユニット。
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