JP3966083B2 - 車両用コンプレッサ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド式の自動車に用いて好適の、車両用コンプレッサ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンに回転電機(モータジェネレータ:M/G)を付設したハイブリッド式自動車が広く知られている。このようなハイブリッドシステムでは、エンジンの駆動力が不足する場合にはモータジェネレータをモータとして作動させてエンジンをアシストするとともに、エンジン出力に余裕がある場合やエンジンブレーキ時にモータジェネレータを発電機として作動させてバッテリに電力を蓄えるように構成されている。
【0003】
図5は従来のハイブリッド式自動車の概略構成を示す模式図であって、1はエンジン、2はクラッチ、3はトランスミッション、4はモータジェネレータである。エンジン1の駆動軸1aの一端はクラッチ2を介してトランスミッション3に接続されており、エンジン1の駆動力はトランスミッション3からデフ9を介して車輪10に伝達される。また、モータジェネレータ4はインバータ5を介してバッテリ6に電気的に接続されており、モータジェネレータ4とエンジン1の駆動軸1aの他端とがベルト7a等を介して機械的に接続されている。
【0004】
また、エンジン1には空調装置(エアコンディショナ又はエアコンともいう)を作動させるためのコンプレッサ(エアコンコンプレッサ又はA/Cコンプレッサ)8が付設されている。図示するように、一般にコンプレッサ8もエンジン1にベルト7bを介して接続され、エンジン1により駆動されるようになっている。
【0005】
ところで、一般にこのような構成のハイブリッド式自動車では、アイドルストップ機能も設けられており、交差点等において車両が停車した場合、所定の停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させたり(アイドルストップ)、その後、所定の再始動条件が成立するとエンジンを自動的に再始動させたりすることにより、燃料を節約したり排気エミッションを改善したりすることができる。
【0006】
しかしながら、コンプレッサ8はエンジン1に接続されているので、車両停車時にエンジンを停止させるとエアコンも停止してしまい、車内の快適性が損なわれてしまう。
これに対して、特開平9−324668号公報には、エンジンと回転機(モータジェネレータ)とをクランククラッチを介して連結するとともに、回転機とコンプレッサとをコンプレッサクラッチを介して連結し、エンジン停止時にはクランククラッチを断、コンプレッサクラッチを接として回転機をモータ作動させることにより、エンジン停止中でも冷房性能を十分発揮させることができるようにした技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術では、エンジン運転中にはクランククラッチを接状態としてエンジンの駆動力でコンプレッサを駆動するように構成されているので、エンジン回転数が高い場合には必要以上にコンプレッサが駆動されるという課題があるほか、このような状況では燃費性能が悪化するという課題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、エンジン運転状況に応じて最適な状態でコンプレッサを駆動するようにした、車両用コンプレッサ駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の車両用コンプレッサ駆動装置は、エンジンの駆動軸に第1クラッチを介して連結される回転電機と、上記回転電機に第2クラッチを介して連結される空調装置用のコンプレッサと、上記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転電機に電気的に接続され、上記回転電機に電力を供給したり上記回転電機から供給される電力を蓄えるバッテリと、上記バッテリの残存容量を検出する残存容量検出手段と、上記空調装置のオンオフを切り替える空調スイッチと、上記回転数検出手段,上記残存容量検出手段及び上記空調スイッチからの情報に基づいて上記第1クラッチ及び上記第2クラッチの作動を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記空調スイッチからの情報に基づき上記コンプレッサの作動要求があった場合には、定常走行時であって、上記エンジンの回転数が所定回転数以上であって、且つ上記バッテリの残存容量が所定値以上であると、上記第1クラッチを遮断するとともに上記第2クラッチを接続し、上記回転電機をモータ作動させることにより上記コンプレッサを回転駆動させ、上記残存容量が所定値未満となると、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチをともに接続し、上記コンプレッサをエンジンにより駆動するとともに、該回転電機を発電機として作動させ、上記エンジンが加速状態にある場合には、上記第1クラッチを接続するとともに上記第2クラッチを遮断し、上記バッテリの残存容量が上記所定値以上であると上記回転電機をモータ作動させ、上記残存容量が上記所定値未満であると上記回転電機を空転させるか又は発電機として作動させることを特徴としている。
【0010】
したがって、コンプレッサの作動要求があると、定常走行時でエンジンの回転数が所定回転数以上、且つ上記バッテリの残存容量が所定値以上である場合は、エンジンと回転電機との間の第1クラッチを断、回転電機とコンプレッサとの間の第2クラッチを接とし、回転電機をモータ作動させてコンプレッサを回転駆動させるので、機関により必要以上にコンプレッサが回転駆動されることを防止しながらエンジンの出力に頼ることなく回転電機によりコンプレッサを効率良く駆動することができ、エンジン出力の浪費が防止されて燃費が向上する。
また、定常走行時にエンジンの回転数が所定回転数以上で、且つ上記残存容量が所定値未満となると、第1クラッチ及び第2クラッチをともに接続するので、モータジェネレータを発電機として作動させることで、バッテリへの充電とエンジンによるコンプレッサの駆動とが同時に行われる。なお、この場合にはコンプレッサがエンジンにより高回転で駆動されることになるが、これはバッテリの残存容量が回復するまでの比較的短い時間であるので、エネルギロスは極力抑制される。
【0011】
また、エンジンが加速状態にある場合には、バッテリの残存容量に関わらず第1クラッチを接続するとともに第2クラッチを遮断する。そして、バッテリの残存容量に応じて回転電機の作動が制御され、バッテリの残存容量が所定値以上であると回転電機をモータ作動させる。これにより、加速時にはコンプレッサの負荷がなくなると同時にエンジンが回転電機によりモータアシストされるため、加速性能が格段に向上する。また、コンプレッサ駆動装置を有効活用するため比較的簡素な装置で加速性能の向上と燃費低減を両立できる。
また、バッテリの残存容量が所定値未満であれば回転電機を空転させるか又は発電機として作動させ、加速性能を低下させることなくバッテリの残存容量の低下を抑制する。
なお、エンジン回転数が所定回転数に満たない場合は、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチを接続するのが好ましい。これにより、エンジンの低回転数領域ではエンジンによりコンプレッサが駆動されるので、コンプレッサを効率良く駆動することができる。
また、請求項2記載の本発明の車両用コンプレッサ駆動装置は、上記請求項1に加えて、上記制御手段は、上記エンジンが減速燃料カット状態にある場合に、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチを接続するとともに上記回転電機を回生作動させることにより上記コンプレッサを回転駆動させることを特徴としている。
【0012】
したがって、エンジンが減速燃料カット状態にある場合は、コンプレッサはエンジンからの回転を受けて駆動されることになるため、エンジンの減速時の慣性エネルギを回転電機とコンプレッサと両方で回収することができエネルギ回収効率が向上する。これにより、エンジン出力の浪費を防止しながらエネルギ回収効率を向上させることができ燃費をより一層低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置について説明すると、図1は本発明が適用されるハイブリッド式自動車の概略構成を示す模式図、図2は本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置における要部の構成を示す模式図、図3はその回転電機(モータジェネレータ)の作動状態について説明する図、図4はその第1及び第2クラッチの作動状態について説明する図である。
【0015】
図1に示すように、エンジン1の駆動軸1aはクラッチ2を介してトランスミッション3に接続されている。また、トランスミッション3の出力軸はデフ9を介して車輪10に接続されており、これにより、エンジン1の駆動力が車輪10に伝達されるようになっている。
また、エンジン1の近傍には、ハイブリッド式モータジェネレータ11が設けられている。また、このハイブリッド式モータジェネレータ11はインバータ5及びバッテリ6に電気的に接続されるとともに、ベルト7等を介してエンジン1の駆動軸1aの他端に機械的に接続されている。
【0016】
ここで、図2に示すように、このハイブリッド式モータジェネレータ11は、モータジェネレータ(回転電機)4と空調装置用のコンプレッサ8とを一体に構成したものであって、これらのモータジェネレータ4とコンプレッサ8とはクラッチ機構(第2クラッチ)13を介して直列に配設されている。そして、このようにモータジェネレータ4とコンプレッサ8とを一体に構成することで省スペース化が図られている。また、モータジェネレータ4はやはりクラッチ機構(第1クラッチ)12を介してエンジン1に接続されている。
【0017】
また、図示はしないが、これらのクラッチ12,13の接続状態やモータジェネレータ4の作動状態を制御する制御手段(コントローラ:ECU)が設けられており、このECUには、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ(回転数検出手段),バッテリの残存容量(SOC)を検出するSOCセンサ,空調装置(エアコン)のスイッチ,車室内の温度を検出する温度センサ,車速を検出する車速センサ,アクセルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ,ドライバのブレーキ操作を検出するブレーキセンサ等の種々のセンサ(いずれも図示省略)が接続されている。
【0018】
また、ECUではこれらのセンサ類からの検出情報に基づいて、第1,第2クラッチ12,13の状態をそれぞれ接続状態(オン)又は遮断状態(オフ)に制御するとともに、モータジェネレータ4をモータとして作動させたり発電機として作動させたりするようになっている。そして、このように第1,第2クラッチ12,13やモータジェネレータ4の作動状態を適宜制御することにより、モータジェネレータ4によりエンジン出力をアシストしたり、バッテリ6への充電や回生制動を行なったりしながらエンジン運転状況に応じて最適な状態でコンプレッサ8を駆動することができるようになっている。
【0019】
以下、モータジェネレータ4及び第1,第2クラッチ12,13の制御について図3及び図4を用いて簡単に説明する。なお、本制御では、エアコンスイッチや温度センサ等の情報に基づきコンプレッサ4の作動要求があった場合、(以下、エアコン要求ありの場合という)と、コンプレッサの作動要求がなかった場合(以下、エアコン要求なしの場合という)との2通りに分けて説明し、されにそれぞれの場合について、SOCセンサからの情報に基づきSOCが所定値以上の場合(以下、SOC大という)とSOCが所定値未満の場合(以下、SOC小という)とについて説明する。
▲1▼アイドルストップ時
この場合においてエアコン要求があると、図4に示すように、SOC大であれば第1クラッチ12を切る(オフ)とともに、第2クラッチ13を接続(オン)し、図3に示すように、モータジェネレータ4をモータ作動させてコンプレッサ8を駆動する。そして、これによりアイドルストップ時であってもエアコンを作動させて、快適性を損なうことがないようになっている。また、SOC小であればバッテリ上がりのおそれがあるので、第1クラッチ12をオン、第2クラッチ13をオフとし、モータジェネレータ4をモータ作動させてエンジン1を起動する。なお、このときは、第2クラッチ13をオフとすることでコンプレッサ8の駆動が一時的に中断されるが、これはエンジン1が起動するまでの僅かな間であり、快適性を損なうことはない。
【0020】
一方、エアコン要求なしの場合は、コンプレッサ8を駆動する必要性がないので、SOCに関係なく第2クラッチ13をオフにする。そして、SOCが大であれば第1クラッチ12もオフにして、モータジェネレータ4を作動させずにアイドルストップ状態を維持する。また、SOC小であればバッテリ上がりのおそれがあるので、上記のエアコン要求ありの場合と同様に、第1クラッチ12をオンとし、モータジェネレータ4をモータ作動させることでエンジン1を起動する。
▲2▼加速時
次に、加速時について説明する。なお、ここで加速時とは、アクセル開度センサからの情報に基づきドライバが比較的大きな加速を要求している場合(例えばアクセル開度70%以上)をいう。
【0021】
この場合、エアコン要求の有無に関係なく、第1クラッチ12をオン,第2クラッチ13をオフとする。そして、SOCが大であればモータジェネレータ4をモータ作動させる。これにより、エンジン1の出力にモータ4の出力が加わり加速性能が向上する。なお、このときには加速性能を優先して、第2クラッチ13をオフとしてコンプレッサ8の駆動を一時中断するが、これはエンジン1の加速が終了するまでの僅かな間であり、快適性を損なうことはない。
【0022】
また、SOC小であれば、SOCの値に応じてモータジェネレータ4を空転させたり発電機として作動させたりする。これにより、加速性能を極力低下させることなくバッテリ6のSOCの低下を抑制することができる。
なお、上記のアクセル開度(70%)以下の加速時には、第1及び第2クラッチ12,13をともにオンにして、コンプレッサ8を駆動しながらモータ4によりエンジン1をアシスト駆動するように構成しても良い。
▲3▼減速燃料カット時
ところで、このエンジン1では、燃費を向上させる目的でエンジン1の減速走行時において燃料供給を停止する、いわゆる減速燃料カット制御(又は単に燃料カットという)が実施可能に構成されている。
【0023】
すなわち、ECU内には、エンジン1の運転状態を判定する運転状態判定手段(図示省略)が設けられており、この運転状態判定手段によりエンジン1の減速状態(例えば、ドライバがアクセルペダルの踏み込みを中止し、且つエンジン回転数が所定回転速度以上の場合)が判定されると、燃料噴射が禁止されて減速燃料カット制御が実行されるようになっている。
【0024】
そして、このような減速燃料カット時にエアコン要求があれば、SOCに関係なく、第1,第2クラッチ12,13をともにオンにして、モータジェネレータ4を発電機として回生作動させ、コンプレッサ8を車両の慣性エネルギにより駆動するとともに車両に制動力を付与する。つまり、このような減速燃料カット時には、ドライバはアクセルオフしているかブレーキペダル踏込み時であるので、モータジェネレータ4を回生作動させることで、車両に制動力を付与しながらバッテリ6を充電するようになっている。
【0025】
また、エアコン要求がなければ、SOCに関係なく第1クラッチ12をオン、第2クラッチ13をオフにしてモータジェネレータ4を発電機として回生作動させる。つまり、この場合には、コンプレッサ8を非駆動とする以外は、上述のエアコン要求ありの場合と同様に、モータジェネレータ4を発電機として作動させることにより、回生制動力を作用させながらバッテリ6を充電するようになっている。
▲4▼定常走行時
次に、定常走行時について説明すると、この定常走行時には、エンジン回転数センサからの検出情報に基づきエンジン回転数が所定回転数未満の低速運転時であるか所定回転数以上の高速運転時であるかが判定されるとともに、低速運転時と高速運転時とで異なる制御が実行されるようになっている。
【0026】
まず、低速運転時について説明すると、この場合にエアコン要求があると、両クラッチ12,13ともにオンにするとともに、SOC大であればモータジェネレータ4を空転させてエンジン1によりコンプレッサ8を駆動する。また、SOC小であればバッテリ6を充電するべくモータジェネレータ4を発電機として作動させるとともにエンジン1によりコンプレッサ8を駆動する。そして、このようにエンジン1の低回転域ではエンジン1によりコンプレッサ8を駆動することで、コンプレッサ8が効率良く駆動される。
【0027】
また、低速運転時にエアコン要求がない場合には、第2クラッチ13をオフにしてコンプレッサ8の駆動を停止する以外は、上述のエアコン要求ありと同じ制御を行なう。つまり、この場合には、第1クラッチ12をオン、第2クラッチ13をオフとし、SOC大であればモータジェネレータ4を空転させ、SOC小であればモータジェネレータ4を発電機として作動させてバッテリ6を充電する。
【0028】
一方、高速運転時でエアコン要求ありの場合には、SOC大であれば第1クラッチ12をオフにするとともに第2クラッチ13をオンにしてモータジェネレータ4をモータ作動させる。これにより、コンプレッサ8とエンジン1との間の動力伝達が遮断されるとともにコンプレッサ8はモータ4により駆動されので、高速運転時に必要以上にコンプレッサ8の回転数が高まるような事態が回避される。また、これによりエンジン1のエネルギロスが抑制されて燃費性能が向上する。
【0029】
また、SOC小であれば、第1クラッチ12及び第2クラッチ13をともにオンにするとともに、モータジェネレータ4を発電機として作動させる。これによりバッテリ6への充電とコンプレッサ8の駆動とが同時に行われる。なお、この場合にはコンプレッサ8がエンジン1により高回転で駆動されることになるが、これはSOCが回復するまでの比較的短い時間であり、エネルギロスは極力抑制される。
【0030】
また、高速運転時にエアコン要求がない場合には、低速運転時と同様に、第1クラッチ12をオン、第2クラッチ13をオフにしてコンプレッサ8の駆動を停止する。そして、SOC大であればモータジェネレータ4を空転させ、SOC小であればモータジェネレータ4を発電機として作動させてバッテリ6を充電する。
【0031】
本発明の一実施形態に係る車両用コンプレッサは上述のように構成されているので、エンジン1の運転状態に応じてコンプレッサ8の駆動状態を最適な状態とすることができ、エネルギ効率を高めることができる。
特に、エンジン1の高速運転時において、エアコン要求があり且つバッテリ6の残存容量(SOC)が大であると、第1クラッチ12を遮断(オフ)するとともに且つ第2クラッチ13を接続(オン)して、コンプレッサ8をモータ4により駆動するので、従来の技術のように、高速運転時にコンプレッサ8が必要以上に駆動されることもなく、燃費性能が向上する。
【0032】
また、エンジン回転数が所定回転数に満たない低速運転時は、SOCに関係なく第1クラッチ12及び第2クラッチ13を接続してエンジン1によりコンプレッサ8を駆動するので、コンプレッサ8を効率良く駆動することができる。
また、エンジン1が減速燃料カット状態にある場合には、エアコン要求があると第1クラッチ12及び第2クラッチ13を接続してモータジェネレータ4を回生作動させるので、エネルギ回収効率が向上する。つまり、この場合には、コンプレッサ8がエンジン1からの回転を受けて駆動されることになるため、エンジン1の減速時の慣性エネルギをモータジェネレータ4とコンプレッサ8との両方で回収することができ、これによりエネルギ回収効率が向上する。また、エンジン出力の浪費を防止しながらエネルギ回収効率を向上させることができ燃費がより一層向上する。
【0033】
さらに、エンジン1が加速状態にある場合に、エアコン要求があると、第1クラッチ12を接続するとともに第2クラッチ13を遮断してモータジェネレータ4をモータ作動させるので、加速時にはコンプレッサ負荷がなくなると同時にエンジン1がモータジェネレータ(この場合はモータ)4によりアシストされるため、加速性能が格段に向上するとともに、比較的簡素な装置で加速性能の向上と燃費低減を両立できる。
【0034】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上述の実施形態では、モータジェネレータ(回転電機)4とコンプレッサ8とが一体となったハイブリッド式モータジェネレータを用いて説明したが、このようなハイブリッド式モータジェネレータ以外のものも適用可能である。つまり、少なくともモータジェネレータが第1クラッチを介してエンジンに連結され、且つモータジェネレータとコンプレッサとが第2クラッチを介して連結されるように構成されていればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の車両用コンプレッサ駆動装置によれば、エンジンの運転状態に応じてコンプレッサの駆動状態を最適な状態とすることができ、エネルギ効率を高めることができる。すなわち、コンプレッサの作動要求がある場合、エンジン回転数が高く、且つバッテリの残存容量が所定値以上であると、エンジンと回転電機との間の第1クラッチを断、回転電機とコンプレッサとの間の第2クラッチを接とし、回転電機をモータ作動させてコンプレッサを回転駆動させるので、モータによりコンプレッサが駆動されてエンジンにより必要以上にコンプレッサが回転駆動されることを防止しながらエンジンの出力に頼ることなく回転電機によりコンプレッサを効率良く駆動することができ、エンジン出力の浪費を防止して燃費性能が向上する。
また、上記残存容量が所定値未満となると、第1クラッチ及び第2クラッチをともに接続するので、エンジンによりコンプレッサが駆動される。このとき、モータジェネレータを発電機として作動させることにより、バッテリへの充電とエンジンによるコンプレッサの駆動とを同時に行うことができる。
なお、この場合にはコンプレッサがエンジンにより高回転で駆動されることになるが、これはバッテリの残存容量が回復するまでの比較的短い時間であるので、エネルギロスは極力抑制される。
また、エンジンが加速状態にある場合には、バッテリの残存容量に関わらず第1クラッチを接続するとともに上記第2クラッチを遮断し、且つバッテリの残存容量が所定値以上であると回転電機をモータ作動させるので、この場合にはコンプレッサ負荷がなくなると同時にエンジンが回転電機によりモータアシストされ、加速性能が格段に向上するほか、比較的簡素な装置で加速性能の向上と燃費低減を両立できる。
また、バッテリの残存容量が所定値未満であれば回転電機を空転させるか又は発電機として作動させるので、加速性能を低下させることなくバッテリの残存容量の低下を抑制することができる。
【0036】
また、請求項2記載の本発明の車両用コンプレッサ駆動装置によれば、エンジンが減速燃料カット状態にある場合は、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチを接続するとともに上記回転電機を回生作動させることにより上記コンプレッサを回転駆動させるので、エネルギ回収効率が向上する。つまり、この場合には、コンプレッサは機関からの回転を受けて駆動されることになり、エンジン減速時の慣性エネルギを回転電機とコンプレッサと両方で回収することができ、エンジン出力の浪費を防止しながらエネルギ回収効率が向上するとともに、燃費性能のより一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置が適用されるハイブリッド式自動車の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置のにおける要部の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置の回転電機(モータジェネレータ)の作動状態について説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる車両用コンプレッサ駆動装置の第1及び第2クラッチの作動状態について説明する図である。
【図5】一般的なハイブリッド式自動車の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン
1a 駆動軸
4 回転電機
8 コンプレッサ
12 第1クラッチ
13 第2クラッチ
Claims (2)
- エンジンの駆動軸に第1クラッチを介して連結される回転電機と、
上記回転電機に第2クラッチを介して連結される空調装置用のコンプレッサと、
上記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、
上記回転電機に電気的に接続され、上記回転電機に電力を供給したり上記回転電機から供給される電力を蓄えるバッテリと、
上記バッテリの残存容量を検出する残存容量検出手段と、
上記空調装置のオンオフを切り替える空調スイッチと、
上記回転数検出手段,上記残存容量検出手段及び上記空調スイッチからの情報に基づいて上記第1クラッチ及び上記第2クラッチの作動を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、
上記空調スイッチからの情報に基づき上記コンプレッサの作動要求があった場合には、定常走行時であって、上記エンジンの回転数が所定回転数以上であって、且つ上記バッテリの残存容量が所定値以上であると、上記第1クラッチを遮断するとともに上記第2クラッチを接続し、上記回転電機をモータ作動させることにより上記コンプレッサを回転駆動させ、
上記残存容量が所定値未満となると、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチをともに接続し、上記コンプレッサをエンジンにより駆動するとともに、該回転電機を発電機として作動させ、
上記エンジンが加速状態にある場合には、上記第1クラッチを接続するとともに上記第2クラッチを遮断し、上記バッテリの残存容量が上記所定値以上であると上記回転電機をモータ作動させ、上記残存容量が上記所定値未満であると上記回転電機を空転させるか又は発電機として作動させる
ことを特徴とする、車両用コンプレッサ駆動装置。 - 上記制御手段は、上記エンジンが減速燃料カット状態にある場合に、上記第1クラッチ及び上記第2クラッチを接続するとともに上記回転電機を回生作動させることにより上記コンプレッサを回転駆動させる
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用コンプレッサ駆動装置。
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| JP2004009887A (ja) | 2004-01-15 |
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