JP3969969B2 - ステアリングロック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いられるステアリングロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステアリングロック装置におけるシリンダ錠のシリンダは、キー操作によりオン位置からスタート位置に回動させてエンジン始動操作をした後、スタート位置からオン位置に自動復帰するようになっている。このようにシリンダを自動復帰させるリターン力は、イグニッションスイッチ内部に設けられたリターンスプリングによって与えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリンダ錠は盗難防止性の観点から隙間をできるだけ形成しないようにするためにシリンダとシリンダアウタとの公差を大きくすることができず、そのためにシリンダ錠から遠い位置にあるイグニッションスイッチ内部のスプリングのリターン力ではシリンダを十分に戻り回動させることができず、自動復帰の途中でシリンダがシリンダアウタに引っ掛かってしまう等の戻り不良が生じてしまっていた。
【0004】
この戻り不良を解消するため、シリンダアウタのシリンダ収容空間を僅かに楕円状に形状変更するなどの対応がなされているが十分とは言えず、強度および盗難防止性の観点からも好ましいものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決すべく本発明のステアリングロック装置は、ステアリングロックボディに固定されたシリンダアウタに収容され、ロック位置、ACC位置、オン位置およびスタート位置に回動可能なシリンダと、
前記シリンダが前記ロック位置にあるときにステアリングシャフトをロックする一方、前記シリンダが前記ACC位置、オン位置またはスタート位置にあるときに前記ステアリングシャフトをアンロックするように移動可能なロック部材と、
前記シリンダと一体的に回動し、前記ロック部材と係合することにより付勢部材の付勢力に抗して前記ロック部材をロック位置からアンロック位置へ移動させるカムとを備え、
前記シリンダが前記オン位置から前記スタート位置に回動された後に前記付勢部材の付勢力により前記ロック部材を介して前記カムを戻り回動させ、前記シリンダを前記スタート位置から前記オン位置に自動復帰させるようにしたものである。
このステアリングロック装置では、前記カムを前記ロック部材よりシリンダ側に設けるのが好ましい。
【0006】
また、本発明のステアリングロック装置では、前記シリンダを少なくとも前記ACC位置で押し込み可能にキー引き抜き方向に付勢する付勢部材と、前記シリンダの前記ACC位置から前記ロック位置への戻り回動を阻止するとともに前記シリンダを前記ACC位置で押し込むことにより前記戻り回動を可能とする安全装置とをさらに備え、
前記シリンダが前記オン位置から前記スタート位置に回動されたときに前記シリンダが前記付勢部材の回転方向の付勢力に抗して回転した後、前記付勢部材の回転方向の付勢力により前記シリンダを前記スタート位置から前記オン位置に自動復帰させるようにしてもよい。
このステアリングロック装置では、前記付勢部材を前記ロック部材よりシリンダ側に設けることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態であるステアリングロック装置10の全体構成を示す。なお、図1(図3も同様)においては、向かって右側を「前」、向かって左側を「後ろ」という。
【0008】
ステアリングロック装置10は、例えば亜鉛やアルミニウムなどの金属材料により一体形成されたステアリングロックボディ12を備えている。ステアリングロックボディ12の前端部には、略円筒状のシリンダアウタ14が固定的に収容されている。シリンダアウタ14内には、円柱状のシリンダ16が回動可能に収容されている。
【0009】
シリンダ16内には、複数(本実施形態では8枚)の板状タンブラ18が整列した状態で配置されている。これらタンブラ18は、通常は図示しないバネによる付勢力により端部がシリンダ16の外周面から突出した状態にあり、このときには前記端部がシリンダアウタ14内面に形成されたロック溝(図示せず)に係合し、これによりシリンダアウタ14内でのシリンダ16の回動が阻止される。一方、シリンダ16の前端面のキー穴(図示せず)から正規キーを挿入したときには、各タンブラ18が前記バネの付勢力に抗してシリンダ16の内部に移動して、その端部がシリンダ16の外周面から引っ込んで前記ロック溝との係合が解除され、これによりシリンダ16はシリンダアウタ14内での回動を許容される。この状態で、シリンダ16は、ロック位置、ACC位置、オン位置およびスタート位置に回動できるようになっている。
【0010】
シリンダ18の後端部には、シリンダ18と一体的に回動するカムシャフト20が連結されている。カムシャフト20には、カム22が一体形成されている。このカム22は、図2に示すように、略三角状に突出した突出部22aと、長く伸びて先端が丸くなった伸長部22bとを有している。なお、従来のカムは略扇状であって前記伸長部22bを有していない(図5のカム22a参照)。
【0011】
カム22の下方には、バネ24により付勢されたスライダ26が上下方向にスライド移動可能に配置されている。スライダ26の上縁部には傾斜面26aが形成されている。また、スライダ26には、カム22より後方に配置されたロックシャフト28が一体に連結され、スライダ26と共に移動可能になっている。このように、前記カム22はロックシャフト28よりシリンダ16側に設けられている。
【0012】
前記シリンダ16がロック位置にあるとき、ロックシャフト28の先端が図1に示すように突出してステアリングシャフト(図示せず)の凹部に係合し、これによりステアリングシャフトがロックされた状態にある。一方、シリンダ16がロック位置以外のACC位置、オン位置またはスタート位置に回動されたときは、カム22によりロックシャフト28がスライダ26と共に押し下げられ、これによりロックシャフト28の先端のステアリングシャフト凹部への係合が解除され、ステアリングシャフトがアンロック状態になる。このようにスライダ26およびロックシャフト28は一体に移動して、ステアリングシャフトをロックまたはアンロックするロック部材を構成する。
【0013】
カムシャフト20の後端部は、イグニッションスイッチ30に連結されている。これにより、シリンダ16をオン位置からスタート位置へ回動させると、イグニッションスイッチ30が作動してエンジンが始動するようになっている。
【0014】
次に、以上の構成からなるステアリングロック装置10の動作について説明する。
ユーザが正規キーを挿入してシリンダ16をロック位置からACC位置に回動させると、図2(a),(b)に示すように、カムシャフト20と共にカム22が回動し、カム22の突出部22aがバネ24の付勢力に抗してスライダ26を押し下げる。これにより、ステアリングシャフトをロックするロック位置にあったロックシャフト28がスライダ26と一緒にスライド移動してアンロック位置となり、その結果、ロックシャフト28の先端がステアリングシャフトの凹部から外れてステアリングシャフトのロック(すなわちステアリングロック)が解除される。
【0015】
そして、シリンダ16をACC位置からオン位置に、そしてさらにスタート位置に回動させると、イグニッションスイッチ30が作動してエンジンが始動する。このとき、スライダ22は、図2(c),(d)に示すように、カム22の伸長部22bにより、既にあるアンロック位置からバネ24の付勢力に抗してさらに押し下げられ、前記スタート位置ではカム22の伸長部22bとスライダ26の傾斜部26aとが当接した状態になっている。その後、ユーザが正規キーから手を離すと、バネ24の付勢力によりスライダ24が押し上げられ、これによりスライダ26の傾斜部26aに当接するカム22が戻り回動して図2(c)に示す状態に戻り、その結果、シリンダ16がスタート位置からオン位置へ自動復帰する。なお、前記スタート位置でカム22の伸長部22bが当接するスライダ26の上部を傾斜部26aとしてあるのは、カム22を戻り回動させるためにバネ24の付勢力をスライダ26からカム22に効率良く作用させるためである。
【0016】
このように、本実施形態のステアリングロック装置10では、ロック部材を構成するスライダ26を付勢するバネ24の付勢力をシリンダ16の戻り回動用のリターン力として利用することにより、スタート位置からオン位置へのシリンダ16の自動復帰を確実に行うことができる。
【0017】
また、シリンダ16を自動復帰させる前記バネ24は、特別に設けられたものではなく、ステアリングシャフトをロックするロック部材を付勢するために従来より用いられていたものであるから、部品点数は変わらずコスト増を招くことはない。
【0018】
さらに、前記ステアリングロック装置10では、カム22がロック部材を構成するロックシャフト28よりシリンダ16側に設けてあることにより、シリンダ16に十分なリターン力を与えることができるので、スタート位置からオン位置へのシリンダ16の自動復帰を安定させることができる。
【0019】
次に、図3ないし6を参照して本発明の第2実施形態であるステアリングロック装置40について説明する。
図3に示すように、ステアリングロック装置40は、2(ツー)モーション安全装置42を備えている。2モーション安全装置42は、シリンダアウタ14内のシリンダ16収容部に隣接する内部空間にそれぞれ収容された2モーションプレート44および前記2モーションプレート44をキー挿入方向(後方)に付勢する2モーションバネ46と、シリンダ16の後端側に設けられた一方向係止部48と、シリンダ16の後方であってカムシャフト55の周囲に配置されたバネ50とからなる。
【0020】
前記一方向係止部48は、一方の端面が傾斜面として形成されており、シリンダ16をロック位置からACC位置に回動させるときに前記一方向係止部の傾斜面が前記2モーションプレートに係合するようになっている。
【0021】
また、ステアリングロック装置40では、カムシャフト20は、シリンダ16と一体的に回動可能であるとともに、カムシャフト20に対してシリンダ16をキー挿入方向(後方)に押し込み可能に連結されている。具体的には、図4に示すように、シリンダ16の後端部に略小判状断面を有する連結部16aが突設されており、これに対してカムシャフト20の前端部には略小判状断面を有する連結孔20aが形成されており、前記シリンダ16の連結部16aが前記カムシャフト20の連結孔20aに遊嵌されている。このような連結構造により、シリンダ16を回動させるとカムシャフト20も一体的に回動するとともに、組み付けた状態で前記連結部16aの先端と前記連結孔20aの底部との間にまだ余裕があるため、少なくともACC位置においてシリンダ16をカムシャフト20に対して押し込むことができる。
【0022】
前記2モーション安全装置42のバネ50は、その一端50aがカムシャフト20内に挿入され、他端50bはステアリングロックボディ12内の凹部12aに位置している。この凹部12aの一方の側壁部12bが前記他端50bの止め部を構成する。また、前記バネ50は、シリンダ16をキー引き抜き方向(前方)に常時付勢している。
【0023】
ステアリングロック装置40のカム22aは、前記第1実施形態のステアリングロック装置10のように、ロック部材26,28を付勢するバネ24の付勢力をシリンダ16のリターン力として利用しない場合には、ロック部材26,28をロック位置またはアンロック位置にするためだけの形状でよいから、図5に示すように略扇状に形成されている。ただし、第2実施形態のステアリングロック装置40においても前記バネ24の付勢力をシリンダのリターン力に利用する場合には、カム22aの形状を第1実施形態のステアリングロック装置10のカム22と同様の形状にすればよい。
【0024】
ステアリングロック装置40における他の構成は、前記第1実施形態のステアリングロック装置10と同様であるため、同一部材に同じ符号を付して説明を省略する。
【0025】
次に、ステアリングロック装置40の動作について説明する。
ユーザが正規キーをシリンダ16に挿入して、シリンダ16をロック位置からACC位置へ回動させるとき、シリンダ16の一方向係止部48が2モーションプレート44の端部に係合するが、2モーションプレート44が一方向係止部48の傾斜面に沿って押し込まれて前方に移動することにより、一方向係止部48が2モーションプレート44を越えることができ、これによりシリンダ16をACC位置に回動させることができる。
【0026】
また、シリンダ16がロック位置からACC位置に回動することにより、図5に示すように、カム22がスライダ26を押し下げる。これにより、ロックシャフト28およびスライダ26からなるロック部材がロック位置からアンロック位置に移動し、ステアリングシャフトのロックが解除される。
【0027】
シリンダ16は引き続きACC位置からオン位置に回動される。このオン位置に回動したとき、図4に示すように、シリンダ16およびカムシャフト20とともに回動してきたバネ50の他端50bがシリンダアウタ12の止め部12bに当接し、これによりバネ50はそれ以上の回動が阻止される。そして、シリンダ16がバネ50のねじり方向の復元力(回転方向の付勢力)に抗してオン位置からスタート位置へ回動されると、イグニッションスイッチ30が作動してエンジンが始動する。
【0028】
このようにしてエンジンを始動させた後にユーザが正規キーから手を離すと、シリンダ16はバネ50のねじり復元力によりスタート位置からオン位置へ自動復帰することになる。
【0029】
一方、ユーザがエンジンを停止して正規キーをシリンダ16から抜こうとするとき、オン位置にあるシリンダ16をACC位置に戻り回動させる。このACC位置に回動したとき、シリンダ16の一方向係止部48の側面が2モーションプレート44に当接する。しかし、前記一方向係止部48の側面は傾斜面になっていないため2モーションプレート44を押しのけることができず、一方向係止部478が2モーションプレート44に係止してシリンダ16はそれ以上の戻り回動が阻止される。
【0030】
そこで、図6に示すように、ユーザはACC位置で正規キー2を矢印B方向に押し込む。これにより、シリンダ16が後方に移動し、2モーションプレート44に対する一方向係止部48の係止が解除されるため、シリンダ16をACC位置からロック位置へ戻り回動させることができる。
【0031】
このように、第2実施形態のステアリングロック装置40では、2モーション安全装置42のバネ50のねじり復元力をシリンダ16の戻り回動用のリターン力として利用することにより、スタート位置からオン位置へのシリンダ16の自動復帰を確実に行うことができる。
【0032】
また、シリンダ16を自動復帰させる前記バネ50は、特別に設けられたものではなく、2モーション安全装置42におけるシリンダ16の付勢部材として従来より用いられていたものであるから、部品点数は変わらずコスト増を招くことはない。
【0033】
さらに、前記ステアリングロック装置40では、バネ50がロック部材を構成するロックシャフト28よりシリンダ16側に設けてあることにより、シリンダ16に十分なリターン力を与えることができるので、スタート位置からオン位置へのシリンダ16の自動復帰を安定させることができる。
【0034】
なお、前記各実施形態では、従来よりイグニッションスイッチ30内に設けられるシリンダ自動復帰用リターンスプリングを廃止することもできるが、前記リターンスプリングを併用することでシリンダ16のより十分なリターン力を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のステアリングロック装置によれば、ロック部材用の付勢部材または安全装置用の付勢部材の力をシリンダの戻り回動用のリターン力として利用することにより、スタート位置からオン位置へのシリンダの自動復帰を確実に行うことができる。
【0036】
また、シリンダを自動復帰させる付勢部材は、特別に設けられたものではなく、従来より用いられていたものであるから、部品点数は変わらずコスト増を招くことはない。
【0037】
さらに、シリンダの自動復帰に利用するカムまたは付勢部材がロック部材よりシリンダ側に設けてあることにより、シリンダに十分なリターン力を与えることができるので、スタート位置からオン位置へのシリンダの自動復帰を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のステアリングロック装置の全体構成図。
【図2】 図1のA−A断面図。
【図3】 第2実施形態のステアリングロック装置の全体構成図。
【図4】 図3のC−C断面図。
【図5】 シリンダの回動により略扇状のカムがスライダをロック位置からアンロック位置へ移動させる状態を示す図。
【図6】 正規キーを押し込んで安全装置による係止を解除するときの状態を示す図。
【符号の説明】
10,40…ステアリングロック装置、12…ステアリングロックボディ、14…シリンダアウタ、16…シリンダ、18…タンブラ、20…カムシャフト、22,22a…カム、24…バネ(付勢部材)、26…スライダ(ロック部材)、28…ロックシャフト(ロック部材)、30…イグニッションスイッチ、42…2モーション安全装置、44…2モーションプレート、46…2モーションバネ、48…一方向係止部、50…バネ(付勢部材)。

Claims (4)

  1. ステアリングロックボディに固定されたシリンダアウタに収容され、ロック位置、ACC位置、オン位置およびスタート位置に回動可能なシリンダと、
    前記シリンダが前記ロック位置にあるときにステアリングシャフトをロックする一方、前記シリンダが前記ACC位置、オン位置またはスタート位置にあるときに前記ステアリングシャフトをアンロックするように移動可能なロック部材と、
    前記シリンダと一体的に回動し、前記ロック部材と係合することにより付勢部材の付勢力に抗して前記ロック部材をロック位置からアンロック位置へ移動させるカムとを備え、
    前記シリンダが前記オン位置から前記スタート位置に回動された後に前記付勢部材の付勢力により前記ロック部材を介して前記カムを戻り回動させ、前記シリンダを前記スタート位置から前記オン位置に自動復帰させるようにしたことを特徴とするステアリングロック装置。
  2. 前記カムを前記ロック部材よりシリンダ側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装置。
  3. 記シリンダを少なくとも前記ACC位置で押し込み可能にキー引き抜き方向に付勢する付勢部材と、前記シリンダの前記ACC位置から前記ロック位置への戻り回動を阻止するとともに前記シリンダを前記ACC位置で押し込むことにより前記戻り回動を可能とする安全装置とをさらに備え、
    前記シリンダが前記オン位置から前記スタート位置に回動されたときに前記シリンダが前記付勢部材の回転方向の付勢力に抗して回転した後、前記付勢部材の回転方向の付勢力により前記シリンダを前記スタート位置から前記オン位置に自動復帰させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装置。
  4. 前記付勢部材を前記ロック部材よりシリンダ側に設けたことを特徴とする請求項3に記載のステアリングロック装置。
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