JP3974251B2 - トンネル構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所謂MMST工法によって得られる大断面トンネルの断面を絞るようにしたトンネル構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MMST(マルチマイクロシールドトンネル)工法と称されるトンネル工法は、断面矩形状の小断面トンネルを所定間隔を隔てて複数形成した後、それら各小断面トンネルを接続して大断面トンネルを得るようにしたトンネル構築方法である。この工法は、各小断面トンネルを小断面のシールド掘進機で構築するため、掘削で生じる排土量を大幅に減少できる上に仮設備や立坑規模も小さくでき、特に市街地や都市部に大断面のトンネルを構築するときのトンネル工法として最適である。
【0003】
MMST工法は、先ず所定間隔を隔てて立坑を構築した後、図5(a) に示すように、断面矩形状のシールド掘進機を紙面裏表方向に掘進させ、断面矩形状の小断面トンネル1を所定間隔を隔ててリング状に複数構築する。小断面トンネル1は、図6に示すように複数の鋼板2を組み合わせて矩形状に形成された外殻3と、外殻3の内部に所定間隔を隔てて配置された複数の中桁4とからなり、内部を空洞を維持するようになっている。
【0004】
次に、図5(b),(c) に示すように、隣接する小断面トンネル1、1間を一部の鋼板2を撤去することで連結し、それらトンネル1内にコンクリートを打設して大断面トンネル13の外殻部を構成する矩形状のコンクリート製外殻部躯体5を構築する。その後、図5(d),(e) に示すように、外殻部躯体5内の土砂を通常の掘削機械を用いて掘削排土し、その内部に中壁7、中床8および隔壁9等の内部構造物を構築し、大断面トンネル13が完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように隣接する小断面トンネル1、1間を連結するためには、例えば図7に示すように、先ずトンネル1、1間の土砂に止水剤を注入して止水ゾーンsを形成し、一方のトンネル1から圧入機械10を用いて矢板11、11をスライド圧入してトンネル1、1の肩部間に掛け渡し、その隔離部Rの土留を行う必要がある。その後、図7(b) に示すように隣接するトンネル1、1の縦鋼板2a、2aを取り外して隔離部Rの土砂を取り除き、図7(c) に示すようにそこに鉄筋12を配筋し、コンクリートを打設して大断面トンネル13の外殻部躯体5とするのである。
【0006】
しかしながら、このような工法では、各小断面トンネル1、1同士を薬剤注入による地山改良と矢板11の掛け渡しよる土留によって連結して大断面トンネル13を構築するため、図1に示すように、最終的に得られる大断面トンネル13の断面を絞るべく小断面トンネル1aを斜行させ、その斜行トンネル1aとそれの二つ隣のトンネル1bとを連結するとなると(図1中トンネル19はないものとする)、次のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、連結すべきトンネル1a、1bの間隔が広がるため、図7に示す隔離部Rの掘削時における地盤の崩壊を防ぐためには、薬液注入等による地盤改良範囲の施工規模を大きくする必要があり、工事期間の長期化と工事費用の高騰を招く。また、作業空間が制約されたトンネル1a、1bの坑内から施工する地盤改良工事は、作業効率が悪く、高額な工事費用と長い工事期間が必要となる。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、MMST工法を用いて断面を絞った大断面トンネルを構築するに際して、隣接するトンネル同士を接続するときの土留ための工期や費用や安全性を向上できるトンネル構築方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るトンネル構築方法は、複数の小断面トンネルを、各小断面トンネルの側部同士の間に所定間隔を隔てて環状に地山に配設し、それら各小断面トンネルの側部同士を接続すると共に各小断面トンネルの内部にコンクリートを打設して環状の外殻部躯体を形成し、該外殻部躯体の内方の土砂を除去して大断面トンネルを得るようにしたトンネル構築方法において、複数の小断面トンネルの内の任意の小断面トンネルを、複数の掘進機を束ねた集合機によって他の小断面トンネルよりも短い所定距離形成した後、上記集合機から一部の掘進機を発進させることで、上記所定距離形成された小断面トンネルに繋げてその小断面トンネルよりも更に小断面のサブトンネルを形成し、上記所定距離形成された小断面トンネル及び上記サブトンネルに隣接させてそれらに沿うように斜行された斜行トンネルを上記複数の小断面トンネルの一つとして形成し、上記所定距離形成された小断面トンネルの側部及び上記サブトンネルの側部と上記斜行トンネルの側部とを接続することで、上記大断面トンネルの断面を絞るようにしたものである。
【0010】
本発明によれば、小断面トンネルおよびそれに連続形成されたサブトンネルに隣接させて、それらに沿うように斜行トンネルを形成するようにしたので、トンネル同士の間隔が狭まってそれらを接続する際の土留の工期や費用や安全性が向上する。また、上記小断面トンネルは、複数の掘進機を束ねた集合機によって形成され、上記サブトンネルは、集合機から発進した一部の掘進機によって形成されるので、掘進機を一部再利用することになって経済性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、先ず、所定間隔を隔てて立坑14a、14bを形成する。そして、一方の立坑14aから図3(a) に示すような集合機15を発進させる。集合機15は、3個の独立したシールド掘進機16、17、18を並列に束ねたものであり、図5(a) に示すような断面矩形状の小断面トンネル1を構築する。そして、かかる集合機15が他方の立坑14bに到着したら、一方の立坑14aに向けて反転させて発進させ、すでに構築された小断面トンネル1に沿ってそれと所定間隔を隔てて、同様の小断面トンネル1bを構築する。
【0013】
そして、一方の立坑14aに到着したら、再び他方の立坑14bに向けて反転させて発進させ、同様に小断面トンネル1cを所定距離構築する。その後、図3(b),(c) に示すように、集合機15から中央のシールド掘進機17のみを切り離して発進させる。シールド掘進機17の後方には、断面略正方形状の更に小断面のトンネル19(サブトンネル)が、小断面トンネル1cに連続して構築される。他方、残りの右側および左側のシールド掘進機16、18はそのまま埋め殺しにされる。なお、シールド掘進機17は、図1では途中で掘進を終了しているが、立坑14bまで掘進させてもよい。但し、この場合、トンネル1aと1bとの立坑14bにおける間隔を図例のものより広げる必要がある。
【0014】
その後、図3(a) に示すもう1台の集合機15を、立坑14aから立坑14bに向けて発進させる。この集合機15は、上記小断面トンネル1cおよび更に小断面のトンネル19に沿うようにして途中から斜行して屈曲掘進し、その後方に別の小断面トンネル1a(斜行トンネル)をトンネル1c、19に隣接させて形成する。そして、図1に示す隣接する各トンネル1a、1c、19、1b、1を、図5(a),(b),(c),(d),(e)、図7 (a),(b),(c) に示すように薬注および矢板11を用いて土留して連通し、断面が途中で絞られた大断面トンネル13を構築する。
【0015】
こうすれば、トンネル1a、1b同士の間に、トンネル1c、19が介在することになり、それらがトンネル1a、1b同士を接続する際の土留補助壁となって、各トンネル1a、1c、19、1b、1同士の間隔が狭まるので、最終的に断面が途中で絞られた大断面トンネル13を得るべく、それらを接続する際の土留の工期や費用や安全性が向上する。すなわち、仮に、トンネル19がないとすると、トンネル1a、1b間の間隔が広がってしまい、薬注や矢板11による土留では対応できないのである。
【0016】
また、上記小断面トンネル1、1a、1b、1cは、図3(a) に示すように複数の掘進機16、17、18を束ねた集合機15によって形成され、上記更に小断面のトンネル19(サブトンネル)は、集合機15から発進した中央の掘進機17によって形成されるので、掘進機17を再利用することになって経済性が向上する。また、本実施形態では、集合機15を立坑14a、14b間で往復使用して低コスト化を図ったが、工期短縮を優先するならば各トンネル1、1a、1b、1cをそれぞれ別々の集合機で略同時に掘削形成してもよい。
【0017】
なお、図1は平面図として見てもよいが、側面図として見てもよい。すなわち、前者であれば平断面が絞られた大断面トンネル13が得られ、後者であれば側断面が絞られた大断面トンネル13が得られる。また、図1において屈曲したトンネル1a(斜行トンネル)から立坑14b内に到着した掘進機は、その後、図5(a) におけるいずれかの小断面トンネル1を構築する掘進機として用いられる。
【0018】
図2は、別の実施形態を示す図である。この実施形態では、図4(a) に示すように、トンネル1cを掘削形成する集合機15から、中央および右側のシールド掘進機16、17を一体的に発進させ、その後方に略2/3の断面積のトンネル20(サブトンネル)をトンネル1cに繋げて形成する。そして、図4(b),(c) に示すように、そこからさらに右側のシールド掘進機16のみを発進させ、その後方に略正方形状のトンネル21(サブトンネル)をトンネル20に繋げて形成する。
【0019】
その後、図2に示すように、もう1台の集合機15を、立坑14aから立坑14bに向けて発進させる。この集合機15は、上記各トンネル1c、20、21に隣接させて、それらに沿うように別の小断面トンネル1a(斜行トンネル)を斜行して形成する。そして、図2に示す隣接する各トンネル1a、1c、20、21、1b、1を、図5(a),(b),(c),(d),(e)、図7 (a),(b),(c) に示すように薬注および矢板11を用いて土留して連通し、断面が途中で絞られた大断面トンネル13を構築する。
【0020】
こうすれば、各トンネル1a、1bの間に土留補助壁としてのトンネル20、21が介在することになって、それらの間隔が図1のものよりもさらに小さくなる。すなわち、各トンネル1a、1c、20、21、1b間の間隔が、図1のものよりもさらに小さくなるため、断面を絞った大断面トンネルを構築すべくそれらを接続する際の土留工事が、一層容易に低コストでしかもより安全に施工できる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るトンネル構築方法によれば、MMST工法を用いて断面を絞った大断面トンネルを構築するに際して、隣接するトンネル同士を接続するときの土留のための工期や費用や安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すトンネル構築方法の概要図である。
【図2】 別の実施形態を示すトンネル構築方法の概要図である。
【図3】 図1のトンネル構築方法に用いられる集合機の斜視図である。
【図4】 図2のトンネル構築方法に用いられる集合機の斜視図である。
【図5】 MMST工法の工程図である。
【図6】 小断面トンネルの拡大図である。
【図7】 小断面トンネル同士を接続する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 小断面トンネル
1a 別の小断面トンネル(斜行トンネル)
1b 小断面トンネル
1c 小断面トンネル
5 外殻部躯体
13 大断面トンネル
15 集合機
16 掘進機
17 掘進機
18 掘進機
19 更に小断面のトンネル(サブトンネル)
Claims (1)
- 複数の小断面トンネルを、各小断面トンネルの側部同士の間に所定間隔を隔てて環状に地山に配設し、それら各小断面トンネルの側部同士を接続すると共に各小断面トンネルの内部にコンクリートを打設して環状の外殻部躯体を形成し、該外殻部躯体の内方の土砂を除去して大断面トンネルを得るようにしたトンネル構築方法において、
複数の小断面トンネルの内の任意の小断面トンネルを、複数の掘進機を束ねた集合機によって他の小断面トンネルよりも短い所定距離形成した後、
上記集合機から一部の掘進機を発進させることで、上記所定距離形成された小断面トンネルに繋げてその小断面トンネルよりも更に小断面のサブトンネルを形成し、
上記所定距離形成された小断面トンネル及び上記サブトンネルに隣接させてそれらに沿うように斜行された斜行トンネルを上記複数の小断面トンネルの一つとして形成し、
上記所定距離形成された小断面トンネルの側部及び上記サブトンネルの側部と上記斜行トンネルの側部とを接続することで、上記大断面トンネルの断面を絞るようにしたことを特徴とするトンネル構築方法。
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