JP3975559B2 - 内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばディーゼル機関において、蓄圧室に一旦蓄えた高圧燃料の噴射を制御する内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばディーゼル機関において、コモンレール式ユニットインジェクタでは、運転条件に応じてコモンレールの圧力を目標値に制御すると共に、この運転条件に応じた燃料噴射量や燃料噴射時期を算出して、蓄圧室からの燃料を噴射するインジェクタを開弁制御することによって、運転条件に対応する燃料噴射を行う様に構成されている。
【0003】
上述したコモンレール圧の設定値は、燃費や燃焼騒音を考慮し、一般的に低速低負荷で低く、高速高負荷で高く設定されている。
このことから、例えば加速時には、コモンレール圧を低圧から高圧に昇圧する必要があるが、昇圧応答性にはある程度の遅れがあるので、この間の噴射は、指令噴射量を実現するために、噴射期間が延長されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この様な場合に、従来の一般的な噴射開始時期制御を行なうと、不具合が生ずることがあった。
この噴射開始時期制御とは、例えば図9に示す様に、エンジン回転数等の運転状態に応じて実際の噴射開始時期XTFINを求め、噴射開始応答遅れXTDを加味して、例えば下記式(A)に基づいて、制御基準開始位置からの噴射開始指令の時期XTTを求め、噴射量に対応した噴射指令期間XTQにわたり、インジェクタ駆動パルスを出力するものである。尚、XTDEは噴射終了応答遅れ。
【0005】
XTT=90゜−XTFIN−XTD…(A)
しかしながら、定常時から例えば加速時に変化した場合に、この噴射開始時期制御を行なうと、噴射開始指令時期XTTは定常時と同じであるが、増加する噴射量に対応して噴射指令期間XTQが延長されるので、噴射中心(実際の噴射期間の中心)及び噴射重心(インジェクタ噴射率の面積の重心)が遅角してしまう。そのため、燃焼重心(E/G筒内熱発生率の面積の重心)も遅角してしまい、結果として、燃焼効率が悪化し、スモークの増加や燃費が悪化するという問題があった。
【0006】
また、例えば減速時には、減圧遅れにより、同様に燃焼効率が悪化して、NOXや騒音が増加するという問題があった。
この対策として、例えば特開平4−272446号公報記載の記述が提案されている。この技術とは、コモンレール圧の指令値と実際のコモンレール圧との差を監視し、その差が所定の値を越えると噴射時期の指令値を進角補正するというものである。
【0007】
ところが、この技術では、上述した加減速時における問題は解決されるものの、あらゆる加速モードを検討して、(差の判定を行う)所定値及び補正値のマッチングが必要であるので、制御が複雑化するという問題があり、一層の改善が望まれていた。
【0008】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、制御を複雑化することなく、過渡時における燃焼状態を改善する内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)かかる目的を達成するための請求項1の発明は、燃料噴射手段(例えばインジェクタ)を制御することにより、蓄圧室(例えばコモンレール)に蓄えられた高圧の燃料を内燃機関(例えばディーゼル機関)に噴射供給する内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置において、前記燃料の実際の噴射開始と噴射終了との間の噴射中心を、前記内燃機関の運転状態に応じて設定する噴射中心設定手段と、該噴射中心設定手段によって設定された噴射中心に基づいて、前記燃料噴射手段に対する噴射指令の時期を設定する時期設定手段と、を備え、前記噴射中心設定手段は、前記内燃機関の各運転状態における噴射中心を、前記内燃期間の定常状態における運転状態に基づいて設定することを特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を要旨とする。
【0010】
前記図9にて示した様に、従来の噴射開始時期制御では、例えば加速時に、昇圧応答性の遅れを考慮して、噴射指令期間XTQを延長すると、噴射中心及び噴射重心が遅角し、燃焼重心がずれて燃焼状態が悪化してしまう。
そこで、本発明では、燃料の実際の噴射開始と噴射終了との間の噴射中心(即ち噴射開始と噴射終了の中心点)を、内燃機関の運転状態に応じて設定し、この噴射中心に基づいて、噴射指令の時期を設定している。
【0011】
つまり、本発明では、例えば図8に示す様に、噴射中心(目標噴射基準時期)TFIN’を設定し、この噴射中心がずれない様に、例えば噴射開始指令の時期TT等の噴射指令の時期を設定している。これにより、例えば運転状態が定常状態から過渡状態に変化した様な場合でも、噴射中心がずれない様に設定できるので、結果として、燃焼重心がずれず、燃焼状態が悪化しない。
【0012】
それにより、例えば加速時に、噴射期間が長くなっても、燃焼効率が悪化することがなく、スモークの発生を抑制でき、燃費の悪化を防止できる。また、例えば減速時に、噴射期間が短くなっても、同様に燃焼効率が悪化することがなく、NOXや騒音の増加を防止することができる。
【0013】
しかも、本発明の様に、噴射中心に基づいて制御すれば、どの様な運転状態であっても好適に燃料の噴射のタイミングを設定できるできるので、従来の様に、あらゆる加速モードを検討して行なう前記所定値及び補正値のマッチングが不要となり、制御を簡易化できるという利点がある。
【0015】
その上、本発明は、現在の内燃機関の運転状態(例えば過渡状態)における噴射中心を、内燃期間の定常状態における運転状態に基づいて、例えば一致する様にしている。過渡状態において、スモークが発生したり燃費が悪化する原因は、噴射重心がずれることにより燃焼重心がずれることにあるので、本発明では、噴射重心(従って噴射中心)がずれない様にするのである。
【0016】
つまり、定常状態における燃焼状態はほぼ一定であると考えられるので、予め定常状態における噴射中心を実験等により把握しておき、この噴射中心を加速時等の過渡状態においても使用することにより、燃焼重心のずれを防止して、燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
【0017】
(2)請求項2の発明は、前記噴射中心設定手段は、前記内燃機関の過渡状態における噴射中心と、前記内燃期間の定常状態における噴射中心とを一致させる様に、噴射指令の時期を調節することを特徴とする前記請求項1に記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を要旨とする。
【0018】
本発明は、前記請求項1の発明を例示したものであり、ここでは、過渡状態における噴射中心と定常状態における噴射中心とを一致させる様に、噴射指令の時期を調節する。これにより、定常時、加速時、減速時などにおける噴射中心(従って噴射重心)がずれないので、燃焼重心がずれず、よって燃焼状態を常に好適な状態に保つことができる。
【0019】
(3)請求項3の発明は、前記時期設定手段は、前記噴射中心、前記燃料の噴射量に対応した噴射指令期間、噴射開始応答遅れ(噴射開始指令と実際の噴射開始とのずれ)、及び噴射終了応答遅れ(噴射終了指令と実際の噴射終了とのずれ)に基づいて、噴射開始指令の時期を設定することを特徴とする前記請求項1又は2のいずれかに記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を要旨とする。
【0020】
本発明は、前記請求項1又は2の発明を例示したものであり、例えば下記式(B)を用い、噴射中心TFIN’、噴射指令期間TQ、噴射開始応答遅れTD、噴射終了応答遅れTDEに基づいて、噴射開始指令の時期TTを設定している。尚、90゜は上死点より90゜前の制御基準位置を示す(図8参照)。
【0021】
TT=90゜−TFIN’−(TQ+TDE−TD)/2−TD…(B)
つまり、前記各値を用いることにより、噴射中心を変更するのでなく、同じ噴射中心となる様に、噴射指令のタイミングを調節するのである。これにより、過渡時における燃焼状態の悪化を防止することができる。
【0022】
(4)請求項4の発明は、前記時期設定手段は、前記噴射開始指令の時期と、前記噴射指令期間とに基づいて、噴射終了指令の時期を設定することを特徴とする前記請求項3に記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を要旨とする。
【0023】
本発明は、請求項3の発明を例示したものであり、ここでは、噴射開始指令の時期と、噴射をどれくらい継続するかの噴射指令期間とに基づいて、噴射終了指令の時期を設定している。これにより、噴射指令を確実に行なうことができる。
(5)請求項5の発明は、前記内燃機関へ供給する燃料を高圧状態で一旦蓄えておく蓄圧室と、該蓄圧室へ燃料を圧送する燃料圧送手段(例えばポンプ)と、前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する圧力検出手段(例えば圧力センサ)と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段(例えば回転数センサやアクセルセンサ)と、該運転状態検出手段により検出される運転状態に基づいて、前記蓄圧室の燃料圧力の目標値を算出する目標圧力算出手段と、該目標値と前記圧力検出手段による検出値とを比較し、前記蓄圧室の燃料圧力を該目標値とする様に前記燃料圧送手段を駆動制御するフィードバック制御手段と、前記運転条件検出手段により検出される運転条件に基づいて、内燃機関への目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、該算出された目標燃料噴射量に基づいて、前記蓄圧室に蓄えられた高圧の燃料を内燃機関へ噴射する燃料噴射手段とを備えたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置を要旨とする。
【0024】
本発明は、上述した請求項1〜4の制御装置による制御を実施する装置構成を例示したものである。これにより、例えばディーゼル機関において、蓄圧室の燃料圧力を所望の値に保つことができ、また、目標燃料噴射量を内燃機関に噴射供給することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置の実施の形態の例(実施例)を説明する。
[実施例]
a)まず、本発明の実施例であるディーゼルエンジンにおけるコモンレール式燃料噴射制御装置のハード構成について説明する。
【0026】
図1は可変吐出量高圧ポンプを備えるコモンレール式燃料噴射制御装置の構成説明図である。
このコモンレール式燃料噴射制御装置1は、6気筒のディーゼルエンジン2と、ディーゼルエンジン2の各気筒に燃料を噴射するインジェクタ3と、このインジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧するコモンレール4と、コモンレール4に高圧燃料を圧送する可変吐出量高圧ポンプ5と、これらを制御する電子制御装置(ECU)6とを備える。
【0027】
ECU6は、ディーゼルエンジン2の状態、例えば回転数センサ7の検出値(エンジン回転数Ne)やアクセルセンサ8の検出値(アクセル開度Ac)等の運転条件を取り込み、ディーゼルエンジン2の燃焼状態が最適となるような燃料噴射圧を実現するための目標コモンレール圧を算出し、コモンレール4に設けたコモンレール圧センサ9の検出値に基づいて、実コモンレール圧(Pc)を目標コモンレール圧に維持する様に可変吐出量高圧ポンプ5を駆動制御するコモンレール圧フィードバック制御を行う。
【0028】
可変吐出量高圧ポンプ5は、このECU6からの制御指令に従って、燃料タンク10に蓄えられた燃料を低圧供給ポンプ11を経て吸入し、自身の内部にて高圧に加圧し、この加圧された高圧燃料を供給配管12を介してコモンレール4に圧送する。
【0029】
各インジェクタ3は、配管13によって、高圧燃料を蓄圧したコモンレール4と連結されている。そして、各インジェクタ3に配設されたコントロール弁14を開閉動作することで、このコモンレール4にて蓄圧されて目標コモンレール圧となった高圧燃料が、ディーゼルエンジン2の各気筒の燃焼室へ噴射される。
【0030】
このインジェクタ3のコントロール弁14の開閉動作は、ECU6からのインジェクタ制御指令(インジェクタ駆動パルス)に基づいて実行される。インジェクタ制御指令は、燃料噴射量や燃料噴射時期を調節するためのものであって、回転数センサ7やアクセルセンサ8等の運転条件検出手段からの検出値に基づいて算出され、クランク角センサ15や気筒判別センサ16等の検出値に基づいて、所定のタイミングでECU6から出力される。
【0031】
b)次に、本実施例の制御処理を、図2のフローチャート及び図3〜図7のグラフに基づいて説明する。
図2のステップ100にて、回転数センサ7の信号に基づいて、エンジン回転数Neを検出する。
【0032】
続くステップ110では、アクセルセンサ8からの信号に基づいて、アクセル開度Acを検出する。
続くステップ120では、コモンレール圧センサ9からの信号に基づいて、コモンレール圧Pcを検出する。
【0033】
続くステップ130では、図3に示すマップを用い、エンジン回転数Neとアクセル開度Acとから、加速や減速等の運転状態に応じた燃料の噴射量(目標燃料噴射量)QFINを求める。
続くステップ140では、図4に示すマップを用い、エンジン回転数Neと目標燃料噴射量QFINとから、噴射中心に対応する目標噴射基準時期TFIN’を求める。
【0034】
本実施例では、定常時における噴射中心と過渡時における噴射中心とを一致させるので、予め実験等により、図4のマップの様に、定常時における目標噴射基準時期(噴射中心)TFINを求めておけば、それを過渡時の噴射中心である目標噴射基準時期TFIN’として使用できる。
【0035】
続くステップ150では、図5に示すマップを用い、コモンレール圧Pcと目標噴射量QFINとから、インジェクタ駆動パルスのオンの期間である噴射指令期間TQを求める。
従って、定常状態では、図8の実線で示すグラフの噴射指令期間TQが得られ、例えば加速時には、同図の破線で示すグラフの噴射指令期間TQkが得られることになる。尚、TQは、TQkを含む概念である。
【0036】
続くステップ160では、図6に示すマップを用い、コモンレール圧Pcから、噴射開始応答遅れTDを求める。この噴射開始応答遅れTDとは、インジェクタ駆動パルスがオンとなってから、実際に燃料がインジェクタ3から噴射されるまでの遅れ時間である。
【0037】
続くステップ170では、図7に示すマップを用い、コモンレール圧Pcと噴射指令期間TQとから、噴射終了応答遅れTDEを求める。この噴射終了応答遅れTDEとは、インジェクタ駆動パルスがオフとなってから、実際に燃料の噴射が終了するまでの遅れ時間である。
【0038】
続くステップ180では、下記式(1)を用いて、制御基準位置(BTDC90゜CR)、即ちクランク角の上死点から90゜前の制御基準位置からインジェクタ駆動パルスのオンまでの時間である噴射開始指令期間TTを算出する。
TT=90゜−TFIN’−(TQ+TDE−TD)/2−TD…(1)
つまり、(TQ+TDE−TD)/2が、図8に示す様に、噴射開始から噴射中心(従って噴射重心)までの期間TJであるので、90゜から、目標噴射基準時期(噴射中心)TFIN’と噴射中心までの期間TJと噴射開始応答遅れTDとを引くことにより、噴射開始指令期間TTを求めることができるのである。
【0039】
従って、定常状態では、図8の実線で示すグラフの噴射開始指令期間TTが得られ、例えば加速時には、同図の破線で示すグラフの噴射開始指令期間TTkが得られることになる。尚、TTは、TTkを含む概念である。
続くステップ190では、下記式(2)に、噴射開始指令期間TTと噴射指令期間TQとを用い、制御基準位置からインジェクタ駆動パルスのオフまでの時間である噴射終了指令期間TTEを算出する。
【0040】
TTE=TT+TQ…(2)
続くステップ200では、上述した処理により得られた噴射開始指令期間TT、噴射終了指令期間TTEに基づき、対応したクランク角において、インジェクタ3に対してインジェクタ駆動パルスを出力する。
【0041】
具体的には、噴射開始指令期間TTにインジェクタ駆動パルスをオンして燃料の噴射を開始させ、噴射終了指令期間TTEにインジェクタ駆動パルスをオフして燃料の噴射を終了させて、一旦本処理を終了する。
c)次に、上述した本実施例の制御による噴射の状態を、図8及び図9のタイミングチャートに基づいて、従来技術と対比して説明する。尚、図8,図9では実線が定常状態(高圧、高負荷)を示し、破線が過渡状態の加速時(低圧、高負荷)を示している。
【0042】
前記図9に示した様に、従来の噴射開始時期制御では、前記式(A)に基づいて、噴射開始指令期間XTTを設定し、例えば加速時の燃料増量時には、噴射開始指令期間XTTは変更せずに、噴射指令期間TQを増加させて、燃料の増加に対処していたが、それでは、噴射重心がずれてしまい、燃焼状態が悪化することがあった。
【0043】
それに対して、本実施例では、前記図8に示す様に、定常状態においても過渡状態においても、噴射中心がずれない様に、インジェクタ駆動パルスのタイミングを設定している。
つまり、本実施例では、まず、予め定常状態におけるデータから、エンジン回転数Ne等の運転状態と実際の噴射中心である目標噴射基準時期TFINを求めてマップを作成しておく。そして、例えば加速時において、加速時の目標噴射基準時期TFIN’と定常状態の目標噴射基準時期TFIN’とを一致させるという手法により、前記定常時のマップを使用して、過渡時の目標噴射基準位置TFIN’を求める。次に、実際の加速時の燃料噴射の状態が、この目標噴射基準時期(即ち噴射中心)TFIN’となる様に、インジェクタ駆動パルスのオン・オフのタイミングを調節するのである。
【0044】
即ち、加速時には、図8の破線で示す様に、噴射指令開始時期TTk及び噴射指令期間TQkを算出して、インジェクタ3を駆動することになる。
これにより、定常時及び過渡時において、噴射中心(従って噴射重心)がずれないので、燃焼状態を示す図8のエンジン(E/G)筒内熱発生率の燃焼重心がずれることがない。
【0045】
従って、例えば加速時に、噴射期間が長くなっても、燃焼効率が悪化することがなく、スモークの発生を抑制でき、燃費の悪化を防止できる。また、例えば減速時に、噴射期間が短くなっても、同様に燃焼効率が悪化することがなく、NOXや騒音の増加を防止することができる。
【0046】
しかも、本実施例の様に、噴射中心に基づいて制御すれば、どの様な運転状態であっても好適に対処できるので、従来の様に、あらゆる加速モードを検討して行なう前記所定値及び補正値のマッチングが不要となり、制御を簡易化できるという利点がある。
【0047】
以上本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。
(1)前記実施例では、噴射中心と噴射重心との位置が一致するとしたが、多少ずれているとしてもよい。
【0048】
(2)また、噴射中心を求めるマップは、定常状態と過渡状態とで同じとなる様にしたが、例えば定常時と加速時と減速時とを区別して、即ち運転状態に応じて複数のマップ(但しそれほど多くはない)を用い、噴射中心を設定してもよい。この場合は、運転状態に応じて、噴射中心が多少異なることになる。
【0049】
(3)例えば前記実施例では、蓄圧式燃料噴射制御装置について述べたが、本発明は、それらに限らず、上述した制御を実行させる手段を記憶している記録媒体にも適用できる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フロッピィディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0050】
つまり、上述した車両制御装置の制御を実行させることができる例えばプログラム等の手段を記憶したものであれば、特に限定はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のシステムを示す構成図である。
【図2】 実施例において、ECUの実施する制御処理を示すフローチャートである。
【図3】 目標燃料噴射量とエンジン回転数との関係を示すグラフである。
【図4】 目標噴射基準時期とエンジン回転数との関係を示すグラフである。
【図5】 噴射指令期間とコモンレール圧との関係を示すグラフである。
【図6】 噴射開始応答遅れとコモンレール圧との関係を示すグラフである。
【図7】 噴射終了応答遅れとコモンレール圧との関係を示すグラフである。
【図8】 実施例の制御による動作を示すタイミングチャートである。
【図9】 従来技術の制御による動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・・・コモンレール式燃料噴射制御装置、
2・・・ディーゼルエンジン、
3・・・インジェクタ、
4・・・コモンレール、
5・・・可変吐出量高圧ポンプ、
6・・・電子制御装置(ECU)、
7・・・回転数センサ、
8・・・アクセルセンサ、
9・・・コモンレール圧センサ、
10・・・燃料タンク、
11・・・低圧供給ポンプ、
12・・・供給配管、
13・・・配管、
14・・・コントロール弁、
15・・・クランク角センサ、
16・・・気筒判別センサ
Claims (5)
- 燃料噴射手段を制御することにより、蓄圧室に蓄えられた高圧の燃料を内燃機関に噴射供給する内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置において、
前記燃料の実際の噴射開始と噴射終了との間の噴射中心を、前記内燃機関の運転状態に応じて設定する噴射中心設定手段と、
該噴射中心設定手段によって設定された噴射中心に基づいて、前記燃料噴射手段に対する噴射指令の時期を設定する時期設定手段と、
を備え、
前記噴射中心設定手段は、前記内燃機関の各運転状態における噴射中心を、前記内燃期間の定常状態における運転状態に基づいて設定すること、
を特徴とする内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置。 - 前記噴射中心設定手段は、前記内燃機関の過渡状態における噴射中心と、前記内燃期間の定常状態における噴射中心とを一致させる様に、噴射指令の時期を調節することを特徴とする前記請求項1に記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置。
- 前記時期設定手段は、前記噴射中心、前記燃料の噴射量に対応した噴射指令期間、噴射開始応答遅れ、及び噴射終了応答遅れに基づいて、噴射開始指令の時期を設定することを特徴とする前記請求項1又は2のいずれかに記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置。
- 前記時期設定手段は、前記噴射開始指令の時期と、前記噴射指令期間とに基づいて、噴射終了指令の時期を設定することを特徴とする前記請求項3に記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置。
- 内燃機関へ供給する燃料を高圧状態で一旦蓄えておく蓄圧室と、
該蓄圧室へ燃料を圧送する燃料圧送手段と、
前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する圧力検出手段と、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により検出される運転状態に基づいて、前記蓄圧室の燃料圧力の目標値を算出する目標圧力算出手段と、
該目標値と前記圧力検出手段による検出値とを比較し、前記蓄圧室の燃料圧力を該目標値とする様に前記燃料圧送手段を駆動制御するフィードバック制御手段と、
前記運転条件検出手段により検出される運転条件に基づいて、内燃機関への目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
該算出された目標燃料噴射量に基づいて、前記蓄圧室に蓄えられた高圧の燃料を内燃機関へ噴射する燃料噴射手段と
を備えたことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の蓄圧式燃料噴射制御装置。
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