JP3975802B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータに対し、動力伝達用オイルを供給する自動変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の自動変速機に設けられたトルクコンバータには、動力伝達用のオイルが常時供給されている。このオイルは、トルクコンバータを冷却及び潤滑するためにも利用されている。
【0003】
また、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータに対しては、ロックアップオフ状態のときにはオイルを常時供給するが、ロックアップ状態のときにはその供給を最小限とし、エンジン動力が無用に消費されないようにしている。
【0004】
オイルの供給は、例えば、図5に示す油圧制御装置のように、第2リニアソレノイドバルブ18と、ロックアップ用コントロールバルブ(供給制御弁)50とによって行われる。第2リニアソレノイドバルブ18は、電子制御装置から入力するロックアップ制御信号S3に基づいて作動し、ロックアップ用コントロールバルブ50は、第2リニアソレノイドバルブ18が供給するオイルによって作動する。
【0005】
図7に示すように、ロックアップ用コントロールバルブ50は、第2リニアソレノイドバルブ18から所定のロックアップ制御圧PMLUでオイルが供給されないときにロックアップオフ状態となる。そして、セカンダリレギュレータバルブ16から供給されるトルコン供給圧PTCのオイルをトルクコンバータT/Cに供給するとともにトルクコンバータT/Cから戻ったオイルをオイルクーラー37側に供給する。
【0006】
一方、ロックアップ用コントロールバルブ50は、図6に示すように、第2リニアソレノイドバルブ18から所定のロックアップ制御圧PMLUでオイルが供給されるときにはロックアップ状態となる。そして、プライマリレギュレータバルブ14から導入するライン圧PLのオイルをロックアップ制御圧PMLUに応じて調節してロックアップクラッチL/Uに供給し、ロックアップクラッチL/Uを係合させる。同時に、ロックアップ用コントロールバルブ50は、セカンダリレギュレータバルブ16から供給されるトルコン供給圧PTCのオイルをトルクコンバータT/Cを通さずに直接にオイルクーラー37側に供給する。
【0007】
ところが、ロックアップ状態では、オイルがトルクコンバータT/Cを通らない分だけ、プライマリレギュレータバルブ14からオイルクーラー37側までの流路抵抗が小さくなるので、オイルの流量がロックアップオフ状態の流量よりも多くなる。
【0008】
このため、ロックアップ状態では、プライマリレギュレータバルブ14からモジュレータバルブ15側へ供給されるオイル流量が不足し、モジュレータバルブ15が第1及び第2リニアソレノイドバルブ17,18やオン・オフソレノイドバルブ19に供給するオイルの供給圧PDが所定値から低下する。この結果、コントロールバルブ20がクラッチCに供給するオイルの油圧や流量が安定せず、クラッチCの作動が不安定となる。このため、変速フィーリングが悪化する問題がある。
【0009】
この問題に対処するため、ロックアップ用コントロールバルブ50には、ロックアップ状態のときに流路抵抗を大きくするための太鼓状の絞り部51がスプール52に設けられている。
【0010】
この絞り部51は、図6に示すように、ロックアップ用コントロールバルブ50がロックアップ状態のとき、セカンダリレギュレータバルブ16からトルコン供給圧PTCのオイルを導入する導入ポート53から、オイルクーラー37側にオイルを供給する供給ポート54までの流路に配置される。そして、この流路上にスリット状の絞り部を形成してオイルの流量を制限する。
【0011】
このため、ロックアップ状態のときに、プライマリレギュレータバルブ14からロックアップ用コントロールバルブ50を介してオイルクーラー37側に至るまでの流路抵抗をロックアップオフ状態のときのトルクコンバータT/Cを含んだ流路抵抗に近づけ、ロックアップ状態のときのオイル流量の増大を抑制している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のロックアップ用コントロールバルブ50を備えた油圧制御装置のように、スプール52に設けた絞り部51によって流量を切り替える手法では、車種毎に流路抵抗が異なるトルクコンバータT/Cに対し、バルブ内の絞り部51の外径を適切に設定する必要がある。従って、車種毎に異なるトルクコンバータT/Cに対し、ロックアップ状態のときのオイルの流量の設定が容易でなかった。
【0013】
また、別の問題として、冬間時のエンジン始動直後のように、オイルの温度が低くその粘度が高いときには、ロックアップ状態のときに、絞り部51が形成する隙間を通ることができるオイル量が減少し、実質的な流路抵抗が大きくなる。このため、ロックアップ状態での流量が、オイルの粘度が低いときよりも少なくなってしまう可能性がある。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、異なる流路抵抗を有するトルクコンバータに対し、ロックアップ状態のときのオイル流量の調整を容易に行うことができる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0015】
また、第2の目的は、上記第1の目的に加えて、ロックアップ状態のときのオイルの流量がオイル粘度に関係なく変化し難いようにすることができる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記第1及び第2の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータに対し、ロックアップオフ状態のときには、供給側から所定のトルコン供給圧で供給される動力伝達用オイルを供給した後にオイルクーラー側に供給し、また、ロックアップ状態のときには、前記オイルをトルクコンバータに供給することなくオイルクーラー側に直接供給する自動変速機の油圧制御装置であって、ロックアップオフ状態とロックアップ状態とで切替制御され、ロックアップオフ状態のときには前記オイルを導入して前記トルクコンバータに対して供給するとともにトルクコンバータから戻されるオイルを導入してオイルクーラー側に供給し、また、ロックアップ状態のときにはオイルを導入してオイルクーラー側に直接供給する供給制御弁を備え、前記供給制御弁は、ロックアップオフ状態のときに供給側からオイルを導入する第1導入ポートと、ロックアップ状態のときに同じく供給側からオイルを導入する第2導入ポートとを備え、前記第1導入ポートには前記供給制御弁に対し上流側における第1供給流路から分岐された第1流路を通じてオイルが供給され、また、前記第2導入ポートには同じく前記供給制御弁に対し上流側における第1供給流路から分岐された第2流路を通じてオイルが供給され、前記第2流路にはオリフィスが設けられ、前記第2流路の流路抵抗が前記第1流路の流路抵抗よりも大きくされていることを特徴とする。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、ロックアップオフ状態のときには第1流路を通じてのオイルが供給制御弁に導入され、ロックアップ状態のときには第2流路を通じてオイルが供給制御弁に導入される。そして、オリフィスが設けられている第2流路の流路抵抗が第1流路の流路抵抗よりも大きいことによって、ロックアップ状態のときに、トルクコンバータを通らずに直接供給側に戻るオイルの流量が制限され、ロックアップオフ状態のときにトルクコンバータを通って供給側に戻るオイルの流量よりも過多とならない。従って、異なる流路抵抗のトルクコンバータに対し、第2流路の流路抵抗を変更することにより、ロックアップ状態のときのオイルの流量を適切に調整することができる。
さらに、第2流路に設けられたオリフィスによって、ロックアップ状態のときのオイルの増大が制限される。オリフィス(孔)によって流量を制限する場合には、スリットによって流量を制限する場合に比較して、オイルの粘度が流量に与える影響が小さいことが知られている。その結果、ロックアップ状態のときに、オイルの流量がオイル粘度によって変化し難い。加えて、供給側から供給制御弁まで第1流路及び第2流路を独立して設けた場合に比較して、新たに設ける必要がある流路の長さをより短くすることができる。
【0018】
求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記トルクコンバータに対して前記供給制御弁から第2供給流路を通じてオイルが供給され、前記第1流路は迂回流路を介して前記第2供給流路に連通されていることを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、ロックアップ状態のときにトルクコンバータに所定圧のオイルを供給し、トルクコンバータ内へのエアの浸入を防止する。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記迂回流路には、オリフィスが設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、ロックアップ状態のときにトルクコンバータに所定圧のオイルを供給し、トルクコンバータ内へのエアの浸入を防止することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記供給制御弁は、ロックアップ状態のときに、所定のロックアップ制御圧で供給されるオイルを導入し、トルクコンバータのロックアップクラッチに供給することを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、供給制御弁がロックアップ状態のときにロックアップクラッチにオイルを供給するので、ロックアップクラッチを制御するための制御弁を供給制御弁と別に設ける必要がない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、車両用自動変速機の油圧制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0025】
図2に示すように、自動変速機10は、トルクコンバータ11、変速ギヤ機構12及び油圧制御部13によって構成されている。トルクコンバータ11は、ロックアップクラッチL/Uを備えている。変速ギヤ機構12は、図示しない複数のプラネタリーギヤを備えるとともに、クラッチCを含む複数のクラッチと、図示しない複数のブレーキを摩擦係合要素として備えている。
【0026】
図3は、油圧制御部13を構成する各バルブの基本的な制御経路を示す模式的な油圧回路図である。
図3に示すように、油圧制御部13は、プライマリレギュレータバルブ14、モジュレータバルブ15、セカンダリレギュレータバルブ16を備えている。また、それぞれ電気制御される第1、第2リニアソレノイドバルブ17,18を含む複数のリニアソレノイドバルブと、オン・オフソレノイドバルブ19を含む複数のオン・オフソレノイドバルブとを備えている。また、コントロールバルブ20、ロックアップ用コントロールバルブ21を含む複数のコントロールバルブと、シフトバルブ22を含む複数のシフトバルブとを備えている。さらに、図示しないマニュアルバルブを備えている。
【0027】
プライマリレギュレータバルブ14は、オイルポンプ23が供給するメイン圧PPのオイルを導入し、所定範囲のライン圧PLに制御して供給する。プライマリレギュレータバルブ14は、図示しない電子制御装置によってエンジン回転数等の運転情報に基づいて制御され、メイン圧PPのオイルを運転情報に応じたライン圧PLに調整して供給する。ライン圧PLは、各クラッチ及びブレーキを作動させるために使用される油圧である。
【0028】
モジュレータバルブ15は、プライマリレギュレータバルブ14からライン圧PLのオイルを導入し、所定の供給圧PDに調整して供給する。この供給圧PDは固定値であって、第1、第2リニアソレノイドバルブ17,18及びオン・オフソレノイドバルブ19が、コントロールバルブ20、ロックアップ用コントロールバルブ21及びシフトバルブ22を制御するために供給するオイルに設定された油圧である。
【0029】
第1リニアソレノイドバルブ17は、モジュレータバルブ15から供給圧PDのオイルを導入し、電子制御装置から入力する油圧制御信号S1に応じた調整圧PMに制御してコントロールバルブ20に供給する。
【0030】
オン・オフソレノイドバルブ19は、モジュレータバルブ15から供給圧PDのオイルを導入し、電子制御装置から入力するクラッチ制御信号S2に基づいてシフトバルブ22への供給を行う。
【0031】
コントロールバルブ20は、第1リニアソレノイドバルブ17から調整圧PMのオイルを導入するとともに、プライマリレギュレータバルブ14からライン圧PLのオイルを導入し、ライン圧PLのオイルを調整圧PMに応じた制御圧PCに調整してシフトバルブ22に供給する。
【0032】
シフトバルブ22は、コントロールバルブ20から制御圧PCのオイルを導入し、オン・オフソレノイドバルブ19からのオイルの供給に応じて制御圧PCのオイルをクラッチCに対して供給する。
【0033】
第2リニアソレノイドバルブ18は、モジュレータバルブ15から供給圧PDのオイルを導入し、電子制御装置から入力するロックアップ制御信号S3に応じたロックアップ制御圧PMLUに制御してロックアップ用コントロールバルブ21に供給する。
【0034】
一方、セカンダリレギュレータバルブ16は、プライマリレギュレータバルブ14からライン圧PLのオイルを導入し、所定のトルコン供給圧PTCに調整してロックアップ用コントロールバルブ21に供給する。このトルコン供給圧PTCは固定値であって、トルクコンバータ11に対し動力伝達用に供給するオイルに設定された油圧である。また、このトルコン供給圧PTCで供給されるオイルは、トルクコンバータ11の冷却及び潤滑にも利用される。
【0035】
ロックアップ用コントロールバルブ21は、図1,4に示すように、第2リニアソレノイドバルブ18からロックアップ制御圧PMLUのオイルを導入する第1ポート30を備えている。また、プライマリレギュレータバルブ14からライン圧PLのオイルを導入する第2ポート31と、ロックアップクラッチL/Uにロックアップ圧PLUのオイルを供給する第3ポート32とを備えている。
【0036】
そして、ロックアップ用コントロールバルブ21は、第1ポート30から導入するオイルのロックアップ制御圧PMLUに応じて、第2ポート31から導入するライン圧PLのオイルを調整したロックアップ圧PLUのオイルを第3ポート32からロックアップクラッチL/Uに供給する。
【0037】
また、ロックアップ用コントロールバルブ21は、ロックアップ制御圧PMLUが所定値以下のときには、図4に示すロックアップオフ状態となり、ロックアップクラッチL/Uを非係合状態とするため、ロックアップ圧PLUのオイルの供給を停止する。また、ロックアップ制御圧PMLUが所定値を越えるときには、図1に示すロックアップ状態となり、ロックアップクラッチL/Uを係合状態とするロックアップ圧PLUのオイルを供給する。
【0038】
また、ロックアップ用コントロールバルブ21は、セカンダリレギュレータバルブ16からトルコン供給圧PTCのオイルを導入する第4ポート33及び第5ポート34と、トルクコンバータ11にオイルを供給する第6ポート35とを備えている。さらに、トルクコンバータ11から戻るオイルを導入する第7ポート36と、オイルクーラー37側にオイルを供給する第8ポート38とを備えている。
【0039】
第4及び第5ポート33,34には、セカンダリレギュレータバルブ16から第1供給流路39を介してトルコン供給圧PTCのオイルが供給される。
第1供給流路39は、ロックアップ用コントロールバルブ21側で第1分岐流路39a及び第2分岐流路39bに分岐されている。
【0040】
第1分岐流路39aは第4ポート33に連通され、第2分岐流路39bは第5ポート34に連通されている。
第1分岐流路39a上には第1オリフィス40が設けられている。また、第2分岐流路39b上には第2オリフィス41が設けられている。第2オリフィス41の流路断面積は、第1オリフィス40の流路断面積よりも小さく設定されている。これにより、第2分岐流路39bの流量抵抗は、第1分岐流路39aの流量抵抗よりも大きく設定されている。
【0041】
なお、第1分岐流路39aは、第6ポート35をトルクコンバータ11に連通する第2供給流路42に対し、迂回流路43を介して連通されている。迂回流路43上には、第3オリフィス44が設けられている。迂回流路43及び第3オリフィス44は、ロックアップ状態のときにトルクコンバータ11に所定圧のオイルを供給し、トルクコンバータ11内へのエアの浸入を防止する。
【0042】
そして、ロックアップ用コントロールバルブ21は、図4に示すように、ロックアップオフ状態のときに、トルコン供給圧PTCのオイルを第1分岐流路39aを通じて第4ポート33から導入し、第6ポート35からトルクコンバータ11に供給する。一方、図1に示すように、ロックアップ状態のときには、トルコン供給圧PTCのオイルを第2分岐流路39bを通じて第5ポート34から導入し、第8ポート38からオイルクーラー37側に供給する。
【0043】
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
ロックアップ用コントロールバルブ21は、ロックアップオフ状態のときには、セカンダリレギュレータバルブ16から供給されるトルコン供給圧PTCのオイルを第1分岐流路39aを通じて導入してトルクコンバータ11に供給する。そして、トルクコンバータ11から排出されるオイルを導入してオイルクーラー37側に供給する。このため、ロックアップオフ状態のときには、トルクコンバータ11に動力伝達用のオイルがトルコン供給圧PTCで供給される。
【0044】
一方、ロックアップ状態のときには、第2分岐流路39bを通じてオイルを導入し、トルクコンバータ11に供給することなく直接にオイルクーラー37側に供給する。このため、ロックアップ状態のときには、トルクコンバータ11に対するトルコン供給圧PTCでのオイルの供給が最小限とされ、無用なオイル消費が防止される。
【0045】
ここで、第2分岐流路39b上に設けられた第2オリフィス41の流路断面積が、第1分岐流路39a上に設けられた第1オリフィス40の流路断面積よりも小さく設定されている。従って、ロックアップ状態のときに、トルクコンバータ11を通らずに直接にオイルクーラー37側に戻されるオイルの流量が制限され、ロックアップオフ状態のときにトルクコンバータ11に供給された後にオイルクーラー37側に供給されるオイルの流量よりも過多とならない。
【0046】
次に、以上詳述した本実施形態が有する効果を列記する。
(1) ロックアップ状態のときに、ロックアップ用コントロールバルブ21からトルクコンバータ11を通らずに直接にオイルクーラー37側に戻るオイルの流量が、ロックアップ用コントロールバルブ21がオイルを導入する第2分岐流路39bに設けられた第2オリフィス41によって制限される。
【0047】
従って、車種毎に流量抵抗が異なるトルクコンバータ11に対し、第1オリフィス40を流路断面積が適切なものに交換することにより、ロックアップ状態のときのオイルの流量を適切に制限することができる。このため、従来のように、ロックアップ用コントロール内に設けた絞り部によって流量を制限する場合と異なり、ロックアップ状態のときのオイル流量の調整を容易に行うことができる。
【0048】
(2) ロックアップ状態のときのオイル流量が第2オリフィス41によって制限されるので、スリット状の流路によって流量を制限する場合と異なり、外気温が低いときやエンジン始動直後のようにオイルの粘度が低いときであっても第2オリフィス41の流路抵抗がそれほど大きくならない。このため、外気温が低いときやエンジン始動直後であっても、ロックアップ状態のときにオイルの流量が変化し難い。
【0049】
(3) 第1分岐流路39a及び第2分岐流路39bが、第1供給流路39から分岐されているので、セカンダリレギュレータバルブ16から第4ポート33及び第5ポート34にそれぞれ独立した供給流路でオイルを供給した場合と異なり、新たに設ける供給流路の長さがより短くなる。
【0050】
(4) ロックアップ状態のときに、第2リニアソレノイドバルブ18が供給するロックアップ制御圧PMLUのオイルを導入し、トルクコンバータ11のロックアップクラッチL/Uに供給するロックアップ用コントロールバルブ21が、トルクコンバータ11に供給するオイルを制御する。このため、ロックアップ用の制御弁と、トルクコンバータ11に供給するオイルを供給制御する制御弁とをそれぞれ設ける必要がない。
【0051】
次に、上記一実施形態以外の実施形態を列記する。
・ 前記一実施形態で、ロックアップ用コントロールバルブ21に代えて、ロックアップクラッチL/Uにオイルを供給するだけのロックアップ用コントロールバルブと、トルクコンバータ11に対するオイルの供給を制御するシフトバルブとを設けた構成であってもよい。この構成では、前記一実施形態の(1)〜(3)に記載した各効果がある。
【0052】
・ 前記一実施形態で、セカンダリレギュレータバルブ16からトルコン供給圧PTCのオイルを第4ポート33に導入する供給流路と、同じく第5ポート34に導入する供給流路とを独立して設ける。そして、第4ポート33に連通する供給流路に第2オリフィス41を設け、第3ポート32に連通する供給流路に第1オリフィス40を設けた構成とする。この構成では、前記一実施形態の(1),(2),(4)に記載した各効果がある。
【0053】
・ 前記一実施形態で、第2分岐流路39bのみにオリフィスを設けることによって、第2分岐流路39bの流路抵抗を第1分岐流路39aの流路抵抗より大きくしてもよい。
【0054】
・ 前記一実施形態で、第2分岐流路39bに第2オリフィス41を設けず、第2分岐流路39b自体の流路断面積を小さく設定することによって、ロックアップ状態でのオイルの流量を制限する構成とする。この構成では、前記一実施形態の(1),(3),(4)に記載した各効果がある。
【0055】
以下、前記各実施形態から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の自動変速機の油圧制御装置を備えた自動変速機。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、異なる流路抵抗を有するトルクコンバータに対し、ロックアップ状態のときのオイル流量の調整を容易に行うことができる自動変速機の油圧制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の油圧制御装置の要部を示す模式油圧回路図。
【図2】 自動変速機を示す模式構成図。
【図3】 油圧制御部を示す模式油圧回路図。
【図4】 コントロールバルブの作動状態を示す模式図。
【図5】 従来の油圧制御装置を示す模式油圧回路図。
【図6】 従来のコントロールバルブを示す模式図。
【図7】 同じくコントロールバルブを示す模式図。
【符号の説明】
10…自動変速機、11…トルクコンバータ、13…油圧制御部、21…ロックアップ用コントロールバルブ、33…第1導入ポートとしての第4ポート、34…第2導入ポートとしての第5ポート、37…オイルクーラー、39…供給流路としての第1供給流路、39a…第1流路としての第1分岐流路、39b…第2流路としての第2分岐流路、40…オリフィスとしての第1オリフィス、C…クラッチ、L/U…ロックアップクラッチ、PLU…ロックアップ圧、PMLU…ロックアップ制御圧、PTC…トルコン供給圧。

Claims (4)

  1. ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータに対し、ロックアップオフ状態のときには、供給側から所定のトルコン供給圧で供給される動力伝達用オイルを供給した後にオイルクーラー側に供給し、また、ロックアップ状態のときには、前記オイルをトルクコンバータに供給することなくオイルクーラー側に直接供給する自動変速機の油圧制御装置であって、
    ロックアップオフ状態とロックアップ状態とで切替制御され、ロックアップオフ状態のときには前記オイルを導入して前記トルクコンバータに対して供給するとともにトルクコンバータから戻されるオイルを導入してオイルクーラー側に供給し、また、ロックアップ状態のときにはオイルを導入してオイルクーラー側に直接供給する供給制御弁を備え、前記供給制御弁は、ロックアップオフ状態のときに供給側からオイルを導入する第1導入ポートと、ロックアップ状態のときに同じく供給側からオイルを導入する第2導入ポートとを備え、前記第1導入ポートには前記供給制御弁に対し上流側における第1供給流路から分岐された第1流路を通じてオイルが供給され、また、前記第2導入ポートには同じく前記供給制御弁に対し上流側における第1供給流路から分岐された第2流路を通じてオイルが供給され、前記第2流路にはオリフィスが設けられ、前記第2流路の流路抵抗が前記第1流路の流路抵抗よりも大きくされていることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記トルクコンバータに対して前記供給制御弁から第2供給流路を通じてオイルが供給され、前記第1流路は迂回流路を介して前記第2供給流路に連通されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記迂回流路には、オリフィスが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記供給制御弁は、ロックアップ状態のときに、所定のロックアップ制御圧で供給されるオイルを導入し、トルクコンバータのロックアップクラッチに供給することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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