JP3980314B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板や液晶表示装置の薄膜トランジスタの製造における薄膜形成処理、エッチング処理または表面改質処理に用いられるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
今日、半導体装置などの製造プロセスにおいて、プラズマを利用した、薄膜形成、エッチング、表面改質などの処理が必要不可欠となっている。これらのプラズマを利用した処理(以下、プラズマ処理)では、液晶ディスプレイや太陽電池等などの大型化、量産化にともない処理面積の大型化、処理速度の向上および処理品質の向上が求められている。
【0003】
次にプラズマ処理の現状について説明する。プラズマ処理の代表的な薄膜形成処理であるプラズマCVD法は、たとえば次のように薄膜が形成される。形成されるシリコン膜としては、代表的にはシリコン多結晶薄膜、シリコン微結晶薄膜、非晶質シリコン薄膜がある。また、シリコン化合物薄膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、珪化金属膜などがある。プラズマCVD法で量産性を向上させるには、製膜速度を向上させることが有効である。製膜速度を向上させることは、(a)高周波電力を高めるか、または(b)原料ガスの供給量を増加させることにより、実現される。
【0004】
しかしながら、高周波として13.56MHzのRF帯高周波を用い、従来の方法にしたがって高周波電力を高めて薄膜形成を行うと、高周波電力の増大にともない多量のパウダーが発生する問題を生じる。このため、パウダーが基板に付着して、膜質の劣化、ひいては歩留りの低下を引き起こす。また、原料ガスの供給量を増加させる方法も同様の問題を生じる。このため、上記の方法では製膜速度を大きく向上させることは、実現不可能である。
【0005】
良好な膜質の確保と高い製膜速度との両立という課題の解決策として、高周波電力の高周波数化が有望視されている。上記RF帯高周波よりもさらに周波数を増加させたVHF帯高周波電力を用いることにより、プラズマ温度の低減と、プラズマ密度の向上とがともに得られることが知られている。このため、VHF帯高周波電力を用いることにより、高品質の薄膜を高速で形成することが期待される。
【0006】
しかしながら、VHF帯高周波はRF帯高周波よりも波長が短いため、高周波電極の寸法が大きくなるほど、プラズマに及ぼす電極上で発生する定在波の影響が大きくなる。このため、プラズマの面内均一性が悪くなる。たとえば薄膜形成の場合には、膜厚や膜特性の面内均一性の劣化、またエッチングの場合にはエッチングレートの面内均一性の劣化を引き起こしてしまう。さらに周波数が高くなるほど浮遊容量の影響が大きくなり、電極間以外での高周波電力の損失が大きくなる。この結果、安定したプラズマ生成が困難になる。
【0007】
とりわけ、カソード電極の中心からずれた位置に給電した場合、周波数が高いほど、または電極の最大寸法が大きいほど、プラズマ処理の不均一性が大きくなる。電極の最大寸法が1m近い被処理装置では、13.56MHzの周波数を用いたときでさえ、カソード電極裏面の略中央に給電されるのが一般的である。たとえば、40cm角程度の大きさの梯子型の高周波電極の場合でも、端部に給電したときには高い周波数では大きなプラズマ分布が生じ、給電位置を電極の端部から電極の中央付近に変えることにより、プラズマ分布の均一性が改善されることが報告されている(Y.Mashima:Jpn.J.Phys.38(1999)4305)。しかし、VHF帯高周波を用いた場合、カソード電極裏面の略中央に給電を行っても、大面積の処理を行なうことは実用上困難である。
【0008】
このような問題に対処するために、VHF帯高周波を用いて大面積処理を可能にするプラズマCVD装置が開示された(特開2000-268994)。このプラズマCVD装置では、図15に示すように、ガス導入手段151と、真空排気手段152とを備えた反応容器104において、高周波電源101から高周波電力が給電される。この高周波電力は、電力モニタ108、整合器109および分配器107を経た後で、複数に分割された電極121,122,123,124の各々の中央部110に給電される。このため、電極から基板に向かう方向であるx方向の電界Exを、比較的均一な分布とすることができる。この結果、複数に分割された電極の中央部に高周波電力を供給することにより、大面積でも均一なプラズマ分布を得ることが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000-268994に開示されたプラズマCVD装置では、プラズマの均一性を向上させるために、電極の中央部に給電位置110が配置されている。しかし、高周波電力を部分電極の中央部に給電する構成では、プラズマ処理装置設計上の自由度が制限される。すなわち、電極の中央部に給電位置110を配置した給電形態では、給電部がプラズマ処理の妨げとなり、給電部のない主面側でしかプラズマ処理ができない。すなわち、電極の一方の面側(おもて面側)および他方の面側(裏面側)の両方で並行して基板を処理することができない。したがって、高周波電極の両方の面を用いて、高い生産性をもってプラズマ処理することができない。
【0010】
また、本発明者らは、上記複数に分割された高周波電極を用いて、(a)その電極の外周端部に、(b)同位相の給電を行った場合について、詳細な検討を行った。まず、高周波を印加する電極として、50cm角のステンレス鋼鈑の電極4個を互いに20mm離間させて四隅に配した四角形の電極を設定した。本発明者らは、その電界強度分布を電磁界計算により求めた。各々の部分電極には、100MHzの高周波電力を同出力かつ、上述(b)のように、同位相となるように給電する条件を採用した。給電箇所は、上述(a)のように、部分電極によって構成される電極における外周端部の互いに対向する2辺に対応する部分電極の端部に配置した。ここで、部分電極から基板へと向かう方向をx方向とする。上記電磁界計算で得られたx方向の電界Exの強度分布を図16に示す。
【0011】
図16のA部では、各部分電極の端部に近づくほど電界Exが大きく増大している。この増大は、各々の部分電極に給電される高周波電力の重畳によるものである。また、部分電極の間隙のB部では、電界Exが小さくなる。部分電極の端部や間隙におけるこのような電界Exの増減は、対応する位置でプラズマが不均一になることを意味する。このような不均一なプラズマによって処理を行なうと、処理結果の不均一性に問題を生じ、品質の劣化を招来することは明らかである。上記の結果は、均一なプラズマを生成させるためには、高周波電極を単に複数の部分電極に分割するだけでは不十分なことを示している。
【0012】
本発明は、処理速度の向上および処理品質の向上ならびに大面積化を可能とするプラズマ処理装置およびプラスマ処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ処理装置は、高周波電源と、基板に処理を施す処理室とを備え、処理室内において、電極に高周波電源から高周波電力を給電してプラズマを発生し、基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置である。このプラズマ処理装置では、電極が、所定の間隙をあけて位置する複数の部分電極から構成され、高周波電力が部分電極の各々に印加される印加点が、電極の外周端部に位置し、隣り合って位置する2つの部分電極に印加される高周波電圧の位相が異なるように、高周波電力の給電経路に位相差生成手段を備える。隣り合う部分電極の間隙に配置され、その両側の部分電極の主面よりも基板配設部側に突き出ている誘電体を備える(請求項1)。
【0014】
電極の端部に高周波電圧の印加点(高周波電力の給電点)を設けることにより、電極の両方の面の側においてプラズマ処理をすることが可能となる。その結果、大面積のプラズマ処理を高能率で行うことが可能となる。上記の印加点は、電極の外周端部であれば、電極面上の端縁部でもよいし、または電極の側面上である側端部でもよい。
【0015】
また、上記の基板は、プラズマ処理が施される被処理材をすべて含むものである。形状を問わず、原材料、中間原料、半製品、製品を問わず、半導体基板、ガラス基板等を問わず、対象となる。
また、上記の誘電体が隣り合う部分電極の間隙に配置されている構成により、各部分電極の間隙部における電界による不均一なプラズマ生成を防止することができる。
また、上記の誘電体が、その両側の部分電極の主面よりも基板配設部側に突き出ている構成により、各間隙部の部分電極の表面付近において強い電界がかかる領域を誘電体で占めることができる。このため、不均一部を構成する上記の領域でのプラズマ生成を防止することができる。
【0016】
上記のプラズマ処理装置では、電極は、四角形が対辺の中央どうしを結ぶ交差する線状間隙によって分割され隔てられた形状および配置を有する、部分四角形の部分電極4つを備え、印加点は、部分電極の外縁辺に1つずつ設けられ、その配置が、四角形の第1の辺に対応する位置に2つ、その第1の辺に対向する第2の辺に対応する位置に2つとされることができる(請求項2)。
【0017】
この構成によれば、4つの部分電極の相対する外側2方から高周波電力を電極内の間隙部で衝突させるように給電する。この結果、間隙部に近い部分電極近傍における過大な電界を互いに打ち消し合うことにより、均一な電界強度の分布を得ることができる。
【0018】
上記のプラズマ処理装置では、上記の高周波電圧の位相の差を、120°〜240°の範囲内とすることが好ましい(請求項3)。
【0019】
電極の端部に高周波電力を給電しても、位相を120°〜240°の範囲内にずらせて高周波を給電することにより、間隙付近の部分電極の端部において、高周波を干渉させ、互いに打ち消すことができる。このため、同位相で高周波を給電した場合に比べて、間隙付近の電極端部に生じる過大な電界を防止し、間隙を除いて平坦な電界分布を得ることができる。このため、プラズマ密度分布を電極全体にわたって均一にすることができる。
【0024】
上記のプラズマ処理装置では、高周波電源と、部分電極とを結ぶ高周波伝送路に、高周波電力をパルス状に変調する変調電源が配設されることができる(請求項4)。
【0025】
この構成により、各部分電極に給電する高周波電力がオフになる時間では、プラズマ励起強度が低くなり、処理プロセスに寄与するラジカル等の拡散が生じる。このため、各部分電極の間隙付近での不均一部を構成するプラズマを緩和することができる。この結果、大面積の基板を均一にプラズマ処理することが可能となる。さらに、高周波電力がオフとなる時間では、プラズマ励起強度が低くなりラジカルの重合反応が抑止されるので、パウダーの発生を低減することができる。
【0026】
上記のプラズマ処理装置では、基板配設部が、電極の一方の主面側において所定の距離をあけて対向する第1の基板配設部と、電極の他方の主面側において所定の距離をあけて対向する第2の基板配設部とから構成されることができる(請求項5)。
【0027】
上記のように、電極の端部に高周波電圧の印加点(高周波電力の給電点)を設け、基板配設部を電極の両方の面側に設けることにより、給電部分に妨げられることなく電極の両側にプラズマを生成することができる。この結果、高能率でプラズマ処理を基板に施すことが可能になる。
【0028】
上記のプラズマ処理装置では、誘電体が、一方の主面側においてその主面よりも第1の基板配設部側に突き出ており、かつ他方の主面側においてその主面よりも第2の基板配設部側に突き出ていることができる(請求項6)。
【0029】
この構成により、電極の両方の面側において部分電極の間隙部での不均一電界による不均一プラズマ部生成を防止することができる。
【0030】
上記のプラズマ処理装置では、部分電極の差し渡し最大長さが、高周波の波長の1/4以下であることができる(請求項7)。
【0031】
この構成により、各部分電極の面上で定在波の発生を防止することができる。この結果、大面積の基板に対して、より均一なプラズマ処理を施すことが可能になる。
【0032】
上記のプラズマ処理装置では、高周波の周波数が20MHz〜500MHzの範囲とすることができる(請求項8)。
【0033】
この構成により、プラズマ中の電子密度を増大させ、かつプラズマポテンシャルを低く抑えることができる。このため、プラズマ処理の高速化とプラズマ処理の品質を向上させることができる。
【0034】
本発明のプラズマ処理方法は、所定の間隙をあけて位置する複数の部分電極から構成される電極の外周端部である部分電極の端部の印加点に、隣り合って位置する2つの部分電極の位相が異なるように高周波電圧を印加する(請求項9)。
【0035】
この構成により、電極の外側から内側に向けて高周波電力を供給することにより、電極内部の間隙付近の部分電極の端部において、高周波を干渉させ、互いに打ち消すことができる。このため、間隙部を除いて平坦な電界分布を得ることができる。このため、プラズマ密度分布を電極全体にわたって均一にすることができる。
【0036】
本発明のプラズマ処理方法では、隣り合う2つの部分電極に給電される高周波電圧の位相の差を120°〜240°の範囲として基板にプラズマ処理を施すことができる(請求項10)。
【0037】
電極の端部に高周波電力を給電しても、位相を120°〜240°の範囲内にずらせて高周波を給電することにより、間隙付近の部分電極の端部において、高周波を互いに打ち消すことができる。
【0038】
本発明のプラズマ処理方法では、高周波の周波数を20MHz〜500MHzの範囲とすることができる(請求項11)。
【0039】
この構成により、プラズマ中の電子密度を増大させ、かつプラズマポテンシャルを低く抑えることができる。このため、プラズマ処理の高速化とプラズマ処理の品質を向上させることができる。
【0040】
上記のいずれかのプラズマ処理方法によってプラズマ処理が施されることにより、目的とする基板を得ることができる。また、上記のいずれかのプラズマ処理方法によって薄膜が形成された最大寸法が1m以上の基板であって、その薄膜の膜厚分布が10%以内であるものとできる。
【0041】
上記の基板は、いずれも大面積であっても均一にプラズマ処理が高能率で施されたものであり、安価で品質に優れたものを得ることができる。
【0042】
半導体装置は、上記のいずれかの基板を備えることができる。
【0043】
上述のように、上記基板は大面積であっても安価で品質が優れている。このような基板を備えることにより、安価で品質に優れた半導体装置、たとえば大面積の液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
(本発明の理論的背景)
(a) 複数の部分電極に印加する高周波電圧の位相差
本発明のプラズマ処理装置は、高周波電力が供給される電極は部分電極から構成され、かつ高周波電力は電極の端部に給電される。部分電極の端部に給電された高周波は、反応容器内で近傍の部分電極へも伝搬し、相互に影響を及ぼしあう。先述した通り、各部分電極に同位相の高周波電力を給電する場合、各部分電極の間隙に近い表面上では、各々の高周波の畳重により、図16のA部のように電界が過大となる箇所を生じる。本発明では、高周波電力を電極の端部に供給する。しかし、各部分電極に給電する高周波電圧の位相を調整して、各部分電極面上の間隙に近いところでの電界を互いに打ち消すようにする。この結果、電極の端部に高周波電力を供給しても、電極全体でほぼ一様な電界強度を得ることが可能となる。
【0045】
次に位相をずらして各部分電極に高周波電圧を印加した場合の電磁界計算の結果を紹介する。この計算を行う条件として、図1に示す電極を仮定する。図1において、高周波電力の給電位置10は各部分電極の側端部である。この給電位置10は、同時に電極全体の側端部でもある。本発明では、上記の給電位置10は、部分電極によって構成される電極の端部とする。
【0046】
4つの部分電極のうち、任意に第1の部分電極21に着目する。この第1の部分電極21と隣り合う第2の部分電極22および23に給電される高周波電圧の位相は、第1の部分電極21に給電される高周波電圧の位相に対して135°ずらされるものと仮定する。第1の部分電極21とは隣接せず、第2の部分電極22および23とは隣り合う第3の部分電極24に給電される高周波電圧の位相は、第1の部分電極21に給電される高周波電圧の位相と同じとする。また、高周波電圧は各部分電極の端部に印加するものとする。なお、本説明において隣り合うとは、平面的に見て線状の境界間隙をもって隣り合うことをさす。すなわち、上記2つの部分電極21および24は、隣り合う関係にはない。
【0047】
上記仮定の下に、本発明者らが電磁界計算を行って、基板方向の電界Exの分布を求めた。その結果を図2に示す。図2によれば、間隙部に近接した部分電極端部における過大な電界が抑制されている。この結果、各部分電極に給電する高周波電圧の位相を調整することにより、より均一なプラズマ処理を大きな面積の基板に施すことが可能となることが分かった。
【0048】
さらに、位相のずれを種々変化させて同様の検討を行った結果、間隙近くの部分電極端部に生じる過大な電界を抑制するには、隣り合う部分電極に給電する高周波電圧の位相を120°〜240°の範囲内でずらすことが有効であることが分かった。すなわち、隣り合う部分電極に印加される高周波電圧の位相差を120°〜240°とすることにより、図2に示すように、各部分電極の面上において均一な電界強度分布を得られることが分かった。
【0049】
各部分電極に給電される高周波電圧の位相調整は、キャパシタンスやインダクタンスを用いた位相調整器を高周波伝送線路に設けることにより可能である。また、各部分電極に向けて幹線から分岐した高周波伝送線路の長さに差を設けることにより可能である。
【0050】
(b) 部分電極間に配置される誘電体
隣り合う部分電極間に給電される高周波電圧に位相差がある場合には、隣り合う部分電極間に電位差が生じる。この電位差により、位相の異なる隣り合う部分電極に向かう強い電界が各部分電極の間隙に生じる。この各部分電極の間隙における強い電界で形成される不均一なプラズマ生成を解消する手法として、該複数の部分電極間に誘電体を挿入することが有効である。これにより、各部分電極の間隙部での電界による不均一なプラズマ生成を防ぐことが可能となる。さらに好ましくは、部分電極間の誘電体を部分電極面よりも基板側に突出させることで、各部分電極の間隙部の表面付近における強い電界がかかる領域を誘電体で占めることにより、不均一なプラズマ生成を防ぐことができる。
【0051】
(c) パルス状高周波電力
各部分電極の間隙付近で形成される不均一な電界を解消する手法として、各々の部分電極に対し、パルス状に変調された高周波電力を給電することも有効である。各部分電極に給電する高周波電力がオフとなる時間では、プラズマ励起強度が低くなり、処理プロセスに寄与するラジカル等の拡散が生じることによって、各部分電極の間隙付近で形成される不均一なプラズマが緩和される。その結果、大面積にわたる均一なプラズマ処理が可能となる。また、高周波電力がオフとなる時間では、プラズマ励起強度が低くなりラジカルの重合反応が抑止されることから、パウダーの発生が低減できる。
【0052】
(d) その他
(d1)本発明の分割した各部分電極の端部へ位相をずらした高周波電圧を給電するプラズマ処理装置は、カソード電極裏面の略中央に給電する形態にとらわれることがなく、装置設計上の自由度が広がると共に、複数の部分電極の両主面側に基板を配設して、同時にプラズマ処理することが可能となり、処理能力を向上せしめる。このような複数の部分電極の両主面側に基板を配設した構造においては、各部分電極の間隙部での電界による不均一なプラズマ生成を防ぐために、部分電極間に挿入した誘電体が、該複数の部分電極の両主面より基板側に突出していることが好ましい。
【0053】
(d2)また、分割した各部分電極の端部への給電位置は、基板の略中心に対して略対称となる位置に配置されていることが好ましい。
【0054】
(d3)また、本発明のプラズマ処理装置において、各部分電極の最大寸法を、給電する高周波の波長の1/4以下とすることにより、各部分電極面上で定在波が発生することを防止できるので、大きな面積の基板に対して、より均一なプラズマ処理を施すことが可能となる。
【0055】
(d4)各部分電極に給電される高周波電圧の周波数を20〜500MHzの範囲とすることで、プラズマ中の電子密度を増大させ、かつ、プラズマポテンシャルを低く抑えることができるので、処理の高速化と処理品質の向上が同時に可能となる。
【0056】
本発明のプラズマ処理装置ならびにプラズマ処理方法は、半導体装置の製造工程における薄膜形成、エッチング、および表面改質等のプラズマ処理において、処理能力向上に対応した被処理面積の大型化、処理速度の向上および処理品質の向上をなし得るものである。また、そのプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を用いて作製された半導体装置は、処理される基板を高性能かつ安価に提供できるという利点を有する。
【0057】
以下、本発明の実施例を、複数の平板状角型部分電極が平板状に配設されてなる高周波電極を有するプラズマCVD装置により説明する。しかし、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。例えば、部分電極の形状も角型に限定されるものではなく、棒型、円板型、梯子型、球状等でもよい。また、各部分電極の配置も平板状に限定されるものではなく、線状の電極を同心円状に配置したものなどでもよい。また、プラズマ処理としてCVD処理に限定されるものではなく、プラズマを用いたエッチング処理などでも同様に処理品質を向上させることができる。
【0058】
(実施例1)
本例に使用したプラズマCVD装置の略断面図を図3に示す。ガス導入手段51と真空排気手段52を備えたステンレス鋼製の反応容器4の内部に、複数の部分電極21〜24に分割されてなる平板状の電極2を配置している。高周波電力の給電位置10は、電極2の側端部に位置している。これらの部分電極は、いずれも、基板3を載置する平板状のステンレス鋼製の基板配設部31と平行となるように対向して配置されている。反応容器4と基板配設部31は電気的に接地されている。一方、複数の部分電極21〜24に分割されてなる電極2は反応容器4と電気的に絶縁されている。
【0059】
電極2の構成は、図1の斜視図に示すものを用いた。すなわち、電極2は4つの部分電極21〜24に分割されている。各々の部分電極は50cm角のステンレス鋼平板であり、これらを全体で正方形状となるように配設して、平板状の電極とする。隣り合う部分電極を20mm離間させることで、各々の部分電極21〜24は互いに電気的に分離されている。
【0060】
高周波電源1から発振された高周波は、分配器7によって4本の高周波伝送線路に分配される。各々の高周波伝送線路ごとに設けられた電力モニタ81〜84、整合器91〜94および位相調整器71〜74を経て、図3に示すように各々の部分電極21〜24の側端部の給電位置10に給電される。本例においては、高周波電力を給電する電極の端部を、図1に示すように、各電極の側面の略中央とした。各部分電極21〜24に給電する高周波電圧の位相を可変とする位相調整器71〜74はインダクタンスおよびキャパシタンスから構成される電気回路である。また、各部分電極21〜24ごとに設けられた電力モニタ81〜84の値を読み取り、整合器91〜94によって調整することで、各部分電極21〜24に給電される高周波電力が調整される。
【0061】
本例では、原料ガスにモノシランと水素を用いて非晶質シリコン薄膜を製膜した。主な製膜条件は次の通りである。
図4に各部分電極21〜24に給電する高周波電圧の波形図を示す。部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧は同位相である。また、部分電極22と部分電極23に給電する高周波電圧は同位相である。そして、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧と、部分電極22と部分電極23に給電する電圧とは互いに位相を135°ずらしている。このとき、各部分電極21〜24へ給電される高周波電力が同じとなるように調整した。
【0062】
1時間の製膜処理の後、非晶質シリコン薄膜が堆積されたガラス基板を反応容器4から取出し、ガラス基板の縦および横方向に対して9等分となるように切断して膜厚測定用サンプルを81個作製した。段差計を用いて、それらのサンプル中心部の膜厚測定を行い、平均膜厚と膜厚分布を評価した結果、平均膜厚1100nm、膜厚分布は14%となった。最も膜厚の大きい場所は、部分電極の間隙部直上であった。なお、81個のサンプルの(最大値−最小値)/(最大値+最小値)を膜厚分布として求めた。
【0063】
(比較例1)
主な製膜条件は実施例1と同様にして、給電する高周波電圧を全て同位相として製膜を行ったところ、膜厚分布は35%となった。
【0064】
(実施例2)〜(実施例7)
主な製膜条件は実施例1と同様にして、給電する高周波電圧の位相のずれを90°、120°、180°、225°、240°、270°に変化させた時の膜厚分布を図5に示す。いずれも部分電極の間隙部直上で膜厚が大きかったものの、特に位相のずれが120°〜240°の範囲では、膜厚分布は15%程度と良好であった。これらのように、各部分電極ごとに給電する高周波電圧の位相をずらす、特に望ましくは、位相のずれを120°〜240°の範囲とすることで、大面積にわたり均一な製膜を行うことが可能である。
【0065】
(実施例8)
本例に使用したプラズマCVD装置の構成図を図6に示す。ガス導入手段51と真空排気手段52を備えたステンレス鋼製の反応容器4内部に、複数の部分電極21〜24に分割されてなる平板状の高周波電極2を配置した。平板状高周波電極2は、基板3を載置するステンレス鋼製の基板配設部31と平行となるように対向して配置されている。反応容器4と基板3を載置するステンレス鋼製の基板配設部31は電気的に接地されている。一方、複数の部分電極21〜24に分割されてなる高周波電極2は反応容器4と電気的に絶縁されている。各々の部分電極は50cm角のステンレス鋼平板であり、これらを全体で正方形状となるように配設して、平板状の高周波電極とする。隣り合う部分電極を20mm離間し、その間隙部に比誘電率9.7のアルミナ磁器からなる誘電体6を配置することで、各々の部分電極21〜24は互いに電気的に分離されている。
【0066】
誘電体6は昇降機構61により、上下に昇降可能である。昇降機構61は高真空直線導入端子(図示せず)により真空を破らずに手動で昇降可能な機構とした。本例における高周波電極と誘電体の斜視構造を図7に示す。誘電体6の表面と部分電極21〜24の表面の相対距離をXmmで表わす。本例においては、誘電体6の表面と部分電極の表面の相対距離は0mmとした。本例において誘電体6は、部分電極の間隙を完全に埋めているため、部分電極と接しており、かつ、アース電位である反応容器4の壁とも昇降機構61を通じて接した構造となっている。しかし、部分電極および、装置壁と接していることは、本質的ではなく、部分電極に接していない場合においても、あるいは装置壁に接していない場合においても、本発明の効果は得られる。
【0067】
高周波電源1から発振された高周波は、分配器7によって4本の高周波伝送線路に分配され、各々の高周波伝送線路ごとに設けられた電力モニタ81〜84、整合器91〜94および位相調整器71〜74を経て、各々の部分電極21〜24の端部に給電される。本例においては、高周波電力を給電する電極の端部を、図7に示す各電極の側面の略中央とした。各部分電極21〜24に給電する高周波電圧の位相を可変とする位相調整器71〜74はインダクタンスおよびキャパシタンスから構成される電気回路である。また、各部分電極21〜24ごとに設けられた電力モニタ81〜84の値を読み取り、整合器91〜94によって調整することで、各部分電極21〜24に給電される高周波電力が調整される。
【0068】
本例では、原料ガスにモノシランと水素を用いて非晶質シリコン薄膜を製膜した。製膜条件は、実施例1と同じとした。そして、各部分電極21〜24に給電する高周波電圧も実施例1と同じとした。すなわち、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧は同位相、部分電極22と部分電極23に給電する高周波電圧は同位相である。そして、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧と、部分電極22と部分電極23に給電する電圧とは互いに位相を135°ずらしている。このとき、各部分電極21〜24へ給電される高周波電力が同じとなるように調整した。
【0069】
1時間の製膜処理の後、非晶質シリコン薄膜が堆積されたガラス基板を反応容器4から取出し、ガラス基板の縦および横方向に対して9等分となるように切断して膜厚測定用サンプルを81個作製した。段差計を用いて、それらのサンプル中心部の膜厚測定を行い、平均膜厚と膜厚分布を評価した結果、平均膜厚1000nm、膜厚分布は9.5%となった。これは、部分電極間に誘電体を挿入したことにより、部分電極の間隙部直上の膜厚の増大が抑制されたためだと考えられる。
【0070】
(実施例9)〜(実施例14)
主な製膜条件は実施例8と同様にして、誘電体6を昇降させ、誘電体6の面と部分電極21〜24の面との相対距離を変化させたときの膜厚分布を図8に示す。誘電体面の位置は、部分電極面を原点の0とし、基板3に近づく向きを正の方向として表わし、−0.5、0.5、1、2、3、4mmの6点でサンプルを作製した。図8には、誘電体面の位置0mmの実施例8、および誘電体の挿入されていない実施例1も含めて表示している。
【0071】
図8より、誘電体が基板方向に突出していることが望ましく、とりわけ、本例においては突出長が3mm以下である場合に、膜厚分布は10%未満と良好であり、突出長2mmのとき膜厚分布は最小で5%となった。誘電体の突出長と各部分電極の間隙部での膜厚との関係は、突出長が大きくなるにしたがって、間隙部での膜厚が小さくなる結果が得られた。本例においては、誘電体の突出長が3mmを超えると、各部分電極の間隙部での膜厚が部分電極面上での膜厚よりも小さくなった。誘電体の突出長を大きくすることで、隣り合う部分電極間にかかる電界を抑制する効果が大きくなるためである。
【0072】
(実施例15)
図9に、本例に使用したプラズマCVD装置の模式図を示す。本例のプラズマCVD装置は、変調用電源15を備えており、高周波電源1から供給される高周波電圧をパルス変調することにより、各部分電極21〜24の端部に給電する高周波電圧をパルス状にオン・オフして繰り返し給電することができる。本例においては、図7に示した高周波電極2を用い、誘電体の突出長を2mmとした。本例では、各部分電極21〜24に給電する高周波電圧に対して、デューティー比50%、100kHzのパルス変調を行った。オン・オフするタイミングは各部分電極21〜24で同じとした。それ以外の条件は実施例1と同様にして製膜した結果、膜厚分布は4%であった。また、パウダーの発生も認められなかった。
【0073】
(実施例16)
本例に使用したプラズマCVD装置の略断面図を図10に示す。ガス導入手段51と真空排気手段52を備えたステンレス鋼製の反応容器4内部に、複数の部分電極21〜24に分割されてなる平板状の高周波電極2を配置した。また、その複数の部分電極の両主面側に基板3、13を載置するステンレス鋼製の基板配設部31、14を、高周波電極2に平行となるように対向して配置した。反応容器4と基板3、13を載置するステンレス鋼製の基板配設部31、14は電気的に接地されている。一方、複数の部分電極21〜24に分割されてなる高周波電極2は反応容器4と電気的に絶縁されている。図11に示すように、高周波電極2の部分電極は50cm角のステンレス鋼平板であり、これらを全体で正方形状となるように配設して、平板状の高周波電極とする。隣り合う部分電極を20mm離間し、その間隙部に比誘電率9.7のアルミナ磁器からなる誘電体6を挿入することで、各々の部分電極21〜24は互いに電気的に分離されている。本例における高周波電極と誘電体の斜視構造を図11に示す。誘電体6は、複数の部分電極の両主面側において、部分電極表面より基板側へ2mm突出している。
【0074】
高周波電源1から発振された高周波は、分配器7によって4本の高周波伝送線路に分配され、各々の高周波伝送線路ごとに設けられた電力モニタ81〜84、整合器91〜94および位相調整器71〜74を経て、各々の部分電極21〜24の端部に給電される。本例においては、高周波電力を給電する電極の端部を、図11に示す各電極の側面の略中央とした。各部分電極21〜24に給電する高周波電圧の位相を可変とする位相調整器71〜74はインダクタンスおよびキャパシタンスから構成される電気回路である。また、各部分電極21〜24ごとに設けられた電力モニタ81〜84の値を読み取り、整合器91〜94によって調整することで、各部分電極21〜24に給電される高周波電力が調整される。
【0075】
本例では、原料ガスにモノシランと水素を用いて、複数の部分電極の両主面に対向する基板配設部に配設された2枚のガラス基板に対して、同時に非晶質シリコン薄膜の製膜を行った。製膜条件は、実施例1と同じとした。そして、各部分電極21〜24に給電する高周波電圧も実施例1と同じとした。すなわち、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧は同位相、部分電極22と部分電極23に給電する高周波電圧は同位相である。そして、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧と、部分電極22と部分電極23に給電する電圧とは互いに位相を135°ずらしている。このとき、各部分電極21〜24へ給電される高周波電力が同じとなるように調整した。
【0076】
1時間の製膜処理の後、非晶質シリコン薄膜が堆積された2枚のガラス基板を反応容器4から取出し、各々ガラス基板の縦および横方向に対して9等分となるように切断して1枚のガラス基板あたりの膜厚測定用サンプルを81個作製した。段差計を用いて、それらのサンプル中心部の膜厚測定を行い、各々のガラス基板に製膜された非晶質シリコン薄膜の平均膜厚と膜厚分布を評価した結果、一方は、平均膜厚950nm、膜厚分布は6.7%が得られ、もう一方は、平均膜厚970nm、膜厚分布は6.5%が得られた。
【0077】
このように、本発明により、複数の部分電極の両主面に対向するように基板を配設して、同時にプラズマ処理することが可能となり、処理能力が向上する。
【0078】
上述の各実施例においては、1枚の大きさが50cm角である正方形状の部分電極を複数枚並べたものとしたが、その形状は、長方形、多角形、円形等種々の形状であってもよく、各部分電極の最大寸法が、給電する高周波電圧の波長の1/4以下である場合に、特に顕著な効果が得られる。
【0079】
(実施例17)
本例では、図9に示すプラズマCVD装置を用いて、非晶質シリコン薄膜からなる光電変換層を形成することで、薄膜太陽電池を作製した。本例において作製した薄膜太陽電池の略断面図を図12に示す。基板として80cm角で厚さ1.1mmのガラス基板11を用い、この上に透明電極32として、スパッタリング法によりZnOを約1μmの膜厚となるように形成した。その後、透明電極32が形成された側が複数の部分電極からなる高周波電極2に対向するように、基板11をプラズマCVD装置の反応容器内部に装入する。透明電極32の上に、膜厚30nmのp型非晶質シリコン薄膜33、膜厚300nmのi型非晶質シリコン薄膜34、膜厚30nmのn型非晶質シリコン薄膜35の順に製膜することで光電変換層を形成した。
【0080】
p、i、n型各々の非晶質シリコン薄膜の製膜条件を以下に示す。なお、給電した高周波の周波数は、いずれの場合も100MHzとした。この時の各部分電極21〜24に給電する高周波電圧の波形図を図4に示す。部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧は同位相である。また、部分電極22と部分電極23に給電する高周波電圧は同位相である。そして、部分電極21と部分電極24に給電する高周波電圧と、部分電極22と部分電極23に給電する電圧とは互いに位相を135°ずらしている。また、i型非晶質シリコン薄膜34の製膜の際には、各部分電極21〜24に給電する高周波電力をパルス変調している。
(1)p型非晶質シリコン薄膜の製膜条件
(2)i型非晶質シリコン薄膜の製膜条件
(3)n型非晶質シリコン薄膜の製膜条件
光電変換層を形成した後、反応容器から基板11を取り出し、裏面電極36として、スパッタリング法によりAgを300nmの厚さとなるように形成した。裏面電極36は、光電変換層を一旦透過した光を反射させることで、発電効率を向上する役割も有している。
【0081】
1枚のガラス基板当たり、9個×9個の単位セル(単位セルの電極サイズ4cm角)を作成し、その光電変換効率の分布を測定した。図13は、81個の単位セルにおける光電変換効率の平均値を1とした時の、そのバラツキを示したものである。
【0082】
(比較例2)
図15に示した従来のプラズマCVD装置を用い、実施例17と同様の製膜条件で作製した場合における、81個の単位セルにおける光電変換効率のバラツキを、図14に示す。
【0083】
図13と図14とを比較することにより、本発明のプラズマCVD装置を用いて作製した薄膜太陽電池の光電変換効率のばらつきは、従来のプラズマCVD装置を用いた場合よりも小さくなることが分かる。この結果、本発明のプラズマCVD装置およびプラズマCVD方法により、歩留の向上をなし得ることを確認できた。
【0084】
本例では、本発明のプラズマCVD装置およびプラズマCVD方法を、非晶質シリコン薄膜を光電変換層とする薄膜太陽電池の製造プロセスに適用したが、本発明の効果はこれに限らない。例えば、多結晶シリコン薄膜の製膜、あるいは非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜のエッチング等においても、半導体装置の大型化や処理能力向上に対応した被処理面積の大型化や処理速度の向上、および処理品質の向上が可能であり、本発明により、膜堆積やエッチング等のプラズマ処理工程において、歩留まり、信頼性、量産性が向上されることは言うまでもない。また、薄膜太陽電池の製造プロセスのみならず、薄膜トランジスタ等の製造プロセスに適用できることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
本発明により、高周波電極を構成する複数の部分電極の端部に高周波電力を給電し、各部分電極に給電する高周波電圧の位相をずらすことにより、各部分電極面上の間隙に近い部分におけるプラズマの不均一を解消するプラズマ処理装置が提供される。
【0086】
したがって、本発明により、半導体装置製造プロセスにおける製膜およびエッチング工程等のプラズマ処理工程において、半導体装置の大型化や処理能力向上に対応した被処理面積の大型化や処理量・処理速度の向上、および処理品質の向上が可能であり、その結果、歩留まり、信頼性、量産性を向上させることが可能となる。
【0087】
また、複数の部分電極の間隙に誘電体を配置することにより、さらに均一なプラズマ分布を得ることができる。さらに、部分電極間の誘電体を部分電極の面から基板側に突き出させることにより、いっそう均一性に優れたプラズマを得ることができる。また、部分電極に給電する高周波電力をパルス状に変調することにより、大面積にわたって均一なプラズマ処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるプラズマCVD装置の電極の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態におけるプラズマCVD装置の電極面での電界Exの強度分布を示す図である。
【図3】 本発明の実施例1におけるプラズマCVD装置を示す構成図である。
【図4】 図3のプラズマCVD装置における各々の部分電極に印可する高周波電圧の波形図である。
【図5】 各々の部分電極に印可する高周波電圧の位相のずれと膜厚分布の相関図である。
【図6】 本発明の別の態様である実施例8におけるプラズマCVD装置を示す構成図である。
【図7】 図6のプラズマCVD装置の電極部分の斜視図である。
【図8】 本発明の実施例9〜14において、部分電極間に配置した誘電体の部分電極面よりの突出長と膜厚分布の相関図である。
【図9】 本発明のさらに別の態様である実施例15および実施例17におけるプラズマCVD装置の構成図である。
【図10】 本発明のさらに別の態様である実施例16におけるプラズマCVD装置の構成図である。
【図11】 図10のプラズマCVD装置の電極部分の斜視図である。
【図12】 本発明の実施例17における半導体装置である薄膜太陽電池の断面構成図である。
【図13】 本発明の実施例17において作製した薄膜太陽電池における光電変換効率のばらつき分布図である。
【図14】 図13の光電変換効率のばらつき分布と比較するために従来のプラズマCVD方法により作製した薄膜太陽電池の光電変換効率のばらつき分布図である。
【図15】 従来のプラズマCVD装置の構成図である。
【図16】 従来のプラズマCVD装置における電極面上の電界Exの強度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 高周波電源、2 電極(高周波電極)、21〜24 部分電極、3,13基板、4 反応容器、6 誘電体、61 誘電体の昇降機構、10 給電位置(給電点)、11 ガラス基板、31,14 基板配設部、15 変調用電源、51 ガス導入手段、52 ガス排気手段、61 昇降機構、7 分配器、81〜84 電力モニタ、91〜94 整合器、71〜74 位相調整器、32 透明電極、33 p型非晶質シリコン、34 i型非晶質シリコン、35 n型非晶質シリコン、36 裏面電極。
Claims (11)
- 高周波電源と、基板配設部に配設された基板に処理を施す処理室とを備え、前記処理室内において、電極に前記高周波電源から高周波電力を給電してプラズマを発生し、前記基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記電極が、所定の間隙をあけて位置する複数の部分電極から構成され、
前記高周波電力が前記部分電極の各々に印加される印加点が、前記電極の外周端部に位置し、
隣り合って位置する前記2つの部分電極に印加される高周波電圧の位相が異なるように、前記高周波電力の給電経路に位相差生成手段を備え、
前記隣り合う部分電極の間隙に配置され、その両側の部分電極の主面よりも前記基板配設部側に突き出ている誘電体を備える、プラズマ処理装置。 - 前記電極は、四角形が対辺の中央どうしを結ぶ交差する線状間隙によって分割され隔てられた形状および配置を有する、部分四角形の部分電極4つを備え、
前記印加点は、前記部分電極の外縁辺に1つずつ設けられ、その配置が、前記四角形の第1の辺に対応する位置に2つ、その第1の辺に対向する第2の辺に対応する位置に2つとされている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 前記高周波電圧の位相の差が、120〜240°の範囲内である、請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記高周波電源と、前記部分電極とを結ぶ高周波伝送路に、前記高周波電力をパルス状に変調する変調電源が配設されている、請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記基板配設部が、前記電極の一方の主面側において所定の距離をあけて対向する第1の基板配設部と、前記電極の他方の主面側において所定の距離をあけて
対向する第2の基板配設部とから構成される、請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 前記部分電極の間に配置された誘電体が、一方の主面側においてその主面よりも前記第1の基板配設部側に突き出ており、かつ他方の主面においてその主面よりも前記第2の基板配設部側に突き出ている、請求項5に記載のプラズマ処理装置。
- 前記部分電極の差し渡し最大長さが、前記高周波の波長の1/4以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記高周波の周波数が20MHz〜500MHzの範囲である、請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 基板配設部と、
所定の間隔をあけて位置する複数の部分電極から構成される電極と、
隣り合って位置する前記部分電極の間隙に配置され、その両側の部分電極の主面よりも
前記基板配設部側に突き出ている誘電体とを備えた、プラズマ処理装置を用いるプラズマ処理方法であって、
前記電極の外周端部である前記部分電極の端部の印加点に、隣り合って位置する前記2つの部分電極の位相が異なるように高周波電圧を印加する、プラズマ処理方法。 - 前記隣り合う2つの部分電極に給電される高周波電圧の位相の差を120°〜240°の範囲として前記基板にプラズマ処理を施す、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
- 前記高周波の周波数を20MHz〜500MHzの範囲とする、請求項9または10に記載のプラズマ処理方法。
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